JP3125968B2 - 縦型ウェ−ハボ−ト - Google Patents

縦型ウェ−ハボ−ト

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JP3125968B2
JP3125968B2 JP06262092A JP26209294A JP3125968B2 JP 3125968 B2 JP3125968 B2 JP 3125968B2 JP 06262092 A JP06262092 A JP 06262092A JP 26209294 A JP26209294 A JP 26209294A JP 3125968 B2 JP3125968 B2 JP 3125968B2
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淳 吉川
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純一 松下
健郎 林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は縦型ウェ−ハボートに関
し、さらに詳しくは、半導体ウェーハを熱処理する製造
工程において、複数の半導体ウェーハを縦型熱処理炉で
処理するための縦型ウェ−ハボートに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体ウェーハを製造するに
は、酸化・拡散、析出などの処理のために多くの熱処理
工程を必要とし、直径6インチまでの半導体ウェーハの
熱処理では、主に横型の熱処理炉が用いられてきた。し
かし、半導体ウェーハの大口径化に伴い、熱処理する半
導体ウェーハの総重量が増大し、ウェ−ハボートが熱変
形を起こして使用することができないことがあり、近年
では縦型の熱処理炉が広く用いられるようになった。そ
してこの縦型熱処理炉では、複数の半導体半導体ウェー
ハを縦方向に積載する縦型ウェ−ハボートが用いられて
いる。
【0003】前記縦型熱処理炉に用いられる縦型ウェ−
ハボートは、例えば、特開昭60−107843号公
報、および特開平3−295227号公報などに示され
るように、長手方向に所定の間隔をもって複数個の半導
体ウェーハ挿入溝が形成され、半導体ウェーハの周囲に
縦方向に配列される半導体ウェーハ支持部材と、前記半
導体ウェーハ支持部材の上下両端部を固定する支持プレ
ートとにより構成されている。
【0004】前記縦型ウェ−ハボートにおけるウェーハ
支持部材の配列は、通常3本以上で構成されているが、
ウェーハの移載のため、ウェーハ挿入側にはウェーハ支
持部材を組み付けることができない。ウェーハ支持部材
の配列を図に示せば、図6(a)、(b)のようになっ
ている。図6(a)に示されるウェ−ハボート1は4本
のウェーハ支持部材2がウェーハ円周の片側半分(18
0度に相当する)にほぼ等間隔に配置されており、ウェ
ーハのほぼ半面側が4点支持されるようになっている。
【0005】しかしながら、図6(a)に示されるウェ
−ハボート1であっても、例え4本の支持部材の各溝を
高精度に水平位置となるよう形成したとしても、高温度
中での使用により、その水平度は保たれず、結局は3点
支持の状態となる。またウェーハ支持部材は、ウェーハ
円周の片側半分(180度に相当する)に配置されてい
るに過ぎない。
【0006】そのため、縦型拡散炉内で熱処理工程を行
う場合、特に縦型ウェ−ハボートに回転動作が伴う場合
には、ウェーハがズレ落ちて損傷する危険があり、近年
では、縦型ウェ−ハボートの半円状にほぼ等間隔で配置
されたウェーハ支持部材に対向する位置に、ウェーハ脱
落防止部材を着脱自在に設け、縦型ウェ−ハボート本体
にウェーハを挿入した後に、ウェーハ脱落防止部材を組
み付けることによりウェーハの脱落を防止するようにし
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、縦型ボート
に挿入されたウェーハは、ウェーハ支持部材から自重に
よる応力を受けるとともに、熱処理時にはウェーハ面内
の温度差による熱応力を受け、これらの応力が重なって
半導体ウェーハの結晶の剪断降伏応力値を越えることが
ある。前記剪断降伏応力値を越えると、ウェーハに結晶
転位が生じてスリップとなり、製品の品質を低下させる
という技術的課題があった。
【0008】特に、従来の縦型ウェーハボートのよう
に、ウェーハ支持部材が4本以上で構成し、支持部材の
各溝を高精度に水平位置となるよう形成したとしても、
高温度中での使用により、その水平度は保たれず、結局
は複数のウェーハ支持部材間の必然的な適当な組み合わ
せによる3点に各半導体ウェーハの荷重が不均等に集中
し、集中点において半導体ウェーハの結晶の剪断降伏応
力値を越えることがある。
【0009】また、ウェーハが、例えば、シリコンウェ
ーハの場合、シリコン単結晶の剪断降伏応力は、τ=1
23exp(1400/T)N/m2 で求められる。す
なわち、前記式から求められる以上の応力がかかるとス
リップ転位が発生するものであり、この式を図に示すと
図7のようになる。図7において、縦軸左に剪断降伏応
力値、縦軸右にウェーハの面内温度差を表し、それによ
る熱応力値を左軸に対応させている。また横軸にウェー
ハの温度を表している。この図からもわかるように、ウ
ェーハの温度が高くなるほど、剪断降伏応力τが小さく
なり、スリップが発生し易くなっている。
【0010】更に、近年、半導体装置の高集積化に伴
い、ウェーハは大口径化の傾向にあり、ウェーハ径の増
大とともに、ウェーハ支持部材から受ける応力も増大し
て、スリップ転位が発生し易くなっている。
【0011】本発明は、前記従来の技術的課題を解決す
るためになされたもので、縦型ボートに挿入されたウェ
ーハが確実に均等な3点で支持されるようにして、ウェ
ーハに加わる最大剪断応力を最小とし、スリップ転位が
発生し難い縦型ウェ−ハボートを提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明にかかる縦型ウェ−ハボートは、長手方向
に所定の間隔をもって、ほぼ平行に複数個のウェーハ挿
入溝が形成された少なくとも3本のウェーハ支持部材
と、前記ウェーハ支持部材をウェーハ円周の片側半分に
所定の間隔に配置して上下両端部を固定する上部支持プ
レートおよび下部支持プレートと、長手方向に所定の間
隔をもって複数個のウェーハ挿入溝が形成され、前記上
部支持プレートおよび下部支持プレートに着脱自在に装
着される1本のウェーハ支柱とを備え、前記ウェーハ支
柱を上部支持プレートおよび下部支持プレートに装着し
た際、ウェーハ支柱に形成されたウェーハ挿入溝が、前
記溝に対応してウェーハ支持部材に形成されたウェーハ
挿入溝より高い位置に形成され、収納される各半導体ウ
ェーハをウェーハ支柱のウェーハ挿入溝及び2つのウェ
ーハ支持部材に形成されたウェーハ挿入溝の3点で支持
するようにした構成を有する。
【0013】また前記上部支持プレートおよび下部支持
プレートの円周上で、少なくとも3本のウェーハ支持部
材を固定した反対側半分の中間部に、一端が開口した切
欠溝を形成すると共に、前記ウェーハ支柱の両端部に、
ウェーハ支柱よりも細径で上方および下部支持プレート
の厚さより所定高さだけ高く形成された段部と、前記ウ
ェーハ支持部材の高さよりも所定高さだけ短く形成され
た前記ウェーハ支柱の段部間の主柱部とを形成し、前記
ウェーハ支柱を上方および下部支持プレートに装着する
ためのスペ−サとを備え、前記上部支持プレートおよび
下部支持プレートの前記切欠溝にウェーハ支柱の段部を
装着し、前記上部支持プレートの上面および下部支持プ
レートの内側よりウェーハ支柱の段部に所定厚さのスペ
−サを装着するようにした構成を有する。
【0014】更に、収納される半導体ウェーハをウェー
ハ支柱のウェーハ挿入溝及び2つのウェーハ支持部材に
形成されたウェーハ挿入溝の3点で支持し、前記3支持
点と前記ウェーハの中心点とを結ぶ線の内角をそれぞれ
120度とし、かつ前記ウェーハを支持する3点とウェ
ーハの中心点を結ぶ線をそれぞれ同一長さとした構成を
有する。
【0015】
【作用】このような構成に基づいて、本発明の縦型ウェ
−ハボートによれば、ウェーハ円周の片側半分に配置さ
れた少なくとも3本のウェーハ支持部材と、各ウェーハ
支持部材の上下両端部を固定する支持プレートと、複数
のウェーハ挿入溝が形成されウェーハ挿入側の片側半分
の中間部に着脱自在に装着される1本のウェーハ支柱と
により構成されているので、縦型ウェ−ハボートの少な
くとも3本のウェーハ支持部材にウェーハを挿入した
後、1本のウェーハ支柱を装着し、このウェーハ支柱を
所定位置まで持ち上げることにより、挿入されたウェー
ハは、ウェーハ支柱とウェーハ挿入奥側の2本のウェー
ハ支持部材との3点で支持されることになり、ウェーハ
円周の3点には均等な支持応力がかかることになる。
【0016】すなわち、縦型ウェ−ハボートを構成して
いる少なくとも3本のウェーハ支持部材のうち、ウェー
ハ挿入手前側の少なくとも1本は、ウェーハ支柱を装着
した後はウェーハに接触せず、ウェーハは3点で支持さ
れるとともに、それぞれの支点とウェーハ中心点を結ぶ
線がそれぞれ120度の内角を有しているため、ウェー
ハ円周を3点の均等な力で支持することができる。
【0017】また前記上部支持プレートおよび下部支持
プレートの前記切欠溝に前記ウェーハ支柱を容易に装着
するでき、しかも前記上部支持プレートの上面および下
部支持プレートの内側よりウェーハ支柱の段部に所定厚
さのスペ−サを装着することにより、前記ウェーハ支柱
のウェーハ挿入溝がウェーハ支持部材のウェーハ挿入溝
より所定高さだけ高くなるようすることができ、ウェー
ハを容易に3点で支持できる。
【0018】以上のようにウェーハを3点で均一に支持
できるため、複数のウェーハを載置した縦型ウェ−ハボ
ートを縦型拡散炉の中に収容してウェーハの熱処理工程
を行う場合、ウェーハ熱処理時に発生するスリップ転位
を大幅に低減することが可能であり、製品の品質向上が
図られ、信頼性を高めることができる。
【0019】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。図1は本発明による縦型拡散炉用に収容され
る縦型ウェ−ハボートの実施例を示す斜視図、図2は図
1に示した縦型ウェ−ハボートの上面図である。図に示
すように、縦型ウェ−ハボート1は長手方向に所定の間
隔をもって複数個のウェーハ挿入溝2aを形成した4本
のウェーハ支持部材2と、前記ウェーハ支持部材2を縦
方向に配列して上下両端部に配置した上方および下部支
持プレート3、4と、長手方向に所定の間隔を保持して
複数個のウェーハ挿入溝5aを形成した1本のウェーハ
支柱5とにより構成されている。尚、ウェーハ支柱5に
形成されたウェーハ挿入溝5aの間隔と、ウェーハ支持
部材2に形成されたウェーハ挿入溝2aの間隔は同一の
間隔(距離)をもって形成されている。
【0020】そして、縦型ウェ−ハボート1を構成して
いる4本のウェーハ支持部材2は、ウェーハ円周の片側
半分にほぼ等間隔に配置されており、各ウェーハ支持部
材2の上下両端部が上部支持プレート3および下部支持
プレート4に接着あるいは溶着などで一体に固定されて
いる。
【0021】また、上部支持プレート3および下部支持
プレート4の円周上で、4本のウェーハ支持部材2をほ
ぼ等間隔に配置した反対側半分の中間部には、一端が開
口した角型状の切欠溝6および7が形成され、これらの
上部支持プレート3および下部支持プレート4の切欠溝
6および7には、1本のウェーハ支柱5が着脱自在に装
着されるようになっている。
【0022】前記ウェーハ支柱5の両端部には、ウェー
ハ支柱5よりも細径で上方および下部支持プレート3、
4の厚さtよりも高さhだけ高い正方形の段部8が形成
されており、このウェーハ支柱5の段部8、8の間の主
柱部はウェーハ支持部材2の長さHよりも高さhだけ短
く形成されている。
【0023】そして、4本のウェーハ支持部材2の上下
両端部を固定した上部支持プレート3および下部支持プ
レート4の切欠溝6および7に、着脱自在なウェーハ支
柱5の段部8、8を装着したとき、上部支持プレート3
の上面および下部支持プレート4の内側よりウェーハ支
柱5の段部8、8には、厚さhを有するコ字状のスペー
サ9が装着されるようになっている。
【0024】一方、前記縦型ウェ−ハボート1を構成し
ている各部材の材質は、高純度の単結晶あるいは多結晶
シリコン、CVD−SiCコーティングしたSi含浸S
iC、高純度石英ガラスなどであり、純度と耐熱性を考
慮すると単結晶シリコンが望ましい。尚、単結晶あるい
は多結晶シリコンを用いる際には、上部支持プレ−ト、
下部支持プレ−ト及び4本のウェ−ハ支持部材2は組立
式で固定することが好ましい。
【0025】また、前記縦型ウェ−ハボート1を構成し
ている4本のウェーハ支持部材2および1本のウェーハ
支柱5の断面形状は、ウェーハ支持部材2を組付けた
り、ウェーハ支柱5を装着したりするときに回転しない
ような形状にするのが好ましく、断面形状を円形にして
もよいが、位置決めが面倒であるため、通常は楕円、長
円、長方形、正方形などの形状とすることが好ましい。
そして、ウェーハ支持部材2およびウェーハ支柱5の長
手方向に所定の間隔を保持して形成されている複数個の
ウェーハ挿入溝2a、5a、は、例えば、図3(a)に
示すように、平行に溝切り加工を施して突堤11を形成
したものが一般的である。
【0026】しかし、ウェーハ10のスリップ転位発生
を抑制するためには、なるべく突堤11がウェーハ10
の外周縁に接触しない方がよいので、図3(b)に示す
ように、上方に傾斜し、先端部が円弧に形成された突堤
12としたり、図3(c)に示すように、スリット長を
長くして先端部に支持突起13を設けるのが良い。この
図3(b)(c)に示すように、ウェーハ10を中央寄
りで支持するようにするとともに、ウェーハ10との接
触部には滑らかな面取り加工を施すことにより、荷重応
力やウェーハ撓み量を一層低減することができる。
【0027】次に本発明にかかる縦型ウェ−ハボート1
の作用について説明する。まず縦型ウェ−ハボート1に
複数のウェーハ10を積載する場合について説明する。
縦型ウェ−ハボート1における4本のウェーハ支持部材
2に形成されているウェーハ挿入溝2aは、それぞれ水
平状態に保持されているので、複数のウェーハ10が各
ウェーハ支持部材2のウェーハ挿入溝2aに順次水平状
態をもって縦方向に積載される。
【0028】そして、縦型ウェ−ハボート1に所定枚数
のウェーハ10を積載した後、上部支持プレート3およ
び下部支持プレート4の切欠溝6および7に、1本のウ
ェーハ支柱5の段部8、8が係合するように装着され
る。ここで、ウェーハ支柱5を装着する際には、ウェー
ハ支柱5の各ウェーハ挿入溝5aに各ウェーハ10の周
縁部が接触しないように装着し、ウェーハ支柱5を装着
した後、上部支持プレート3の上面および下部支持プレ
ート4の内側よりウェーハ支柱5の段部8、8に、コ字
状のスペーサ9を装着することによりウェーハ支柱5を
高さhだけ持ち上げた状態に固定する。この状態を図4
に示す。
【0029】このように、縦型ウェ−ハボート1の上部
支持プレート3および下部支持プレート4の切欠溝6お
よび7にウェーハ支柱5を装着し、ウェーハ支柱5を高
さhだけ持ち上げた状態では、図2および図5に示すよ
うに、ウェーハ支柱5におけるウェーハ挿入溝5aの支
点P0 が、他の4本のウェーハ支持部材2におけるウェ
ーハ挿入溝2aの支点P2 、P3 よりh程度高くなる。
これにより、ウェーハ支柱5におけるウェーハ挿入溝5
aの支点P0 と他の2本のウェーハ支持部材2(ウェー
ハ挿入奥側)におけるウェーハ挿入溝2aの支点P2
3 の3点でウェーハ10を支持することになるので、
ウェーハ挿入手前側の2本のウェーハ支持部材の支点P
1 、P4 には接触しないこととなる。
【0030】また、実際にウェーハ10を支持している
3点P0 、P2 、P3 とウェーハ10の中心点0を結ぶ
線は、それぞれ120度の内角とし、支持位置の3点を
結ぶ線の長さを同等とすることにより、3点P0 、P
2 、P3 に均等な力がウェーハ10にかかるので、応力
が最小値になる。
【0031】尚、上記3点P0 、P2 、P3 での適切な
3点支持を行うためには、高さhを0.5mm≦h≦3
mmの範囲内に設定することが望ましい。
【0032】次に、実施例の縦型ウェ−ハボートにウェ
ーハを載置した場合、ウェーハにかかる剪断応力を計算
により求めると以下の表1のようになる。ここで、比較
例1として、図6(b)に示されるように4点支持が実
質上3点支持となった場合のウェーハの剪断応力もあわ
せて求めることする。尚、ウェーハは6インチ、8イン
チ、10インチ、それぞれについて検討した。
【0033】
【表1】 (単位はMPa)
【0034】以上のように、本発明にかかる縦型ウェ−
ハボートによれば、荷重による剪断応力が大幅に緩和さ
れていることがわかる。
【0035】次に、ウェーハ径が8インチのウェーハを
実施例の単結晶シリコン製縦型ウェ−ハボートに載置
し、所定の熱処理を行った場合に発生するスリップ転位
の発生枚数及びスリップ長を実験により調べた。比較例
として、同一の8インチのウェーハを図6(b)に示さ
れる4点支持が実質上3点支持となった場合の縦型ウェ
−ハボートに載置した場合のスリップ転位の発生枚数及
びスリップ長も実験により調べた。ここで、熱処理条件
1として、800℃の炉にウェ−ハボートを入れ、最初
の10分間で1000℃に炉内温度を上昇させ、その後
の5分間で1200℃に炉内温度を上昇させ、そしてそ
の後の3分間で800℃に炉内温度を下降させ、ウェ−
ハボートを炉外に搬出することとした。また熱処理条件
2として、800℃の炉にウェ−ハボートを入れ、最初
の10分間で1000℃に炉内温度を上昇させ、その後
の3分間で1100℃に炉内温度を上昇させ、更にその
後の2分間で1200℃に炉内温度を上昇させ、そして
その後の3分間で800℃に炉内温度を下降させ、ウェ
−ハボートを炉外に搬出することとした。
【0036】
【表2】
【0037】以上のように、実施例は比較例と比べて、
ウェーハ熱処理時のスリップ転位発生が大幅に低減で
き、しかも発生したスリップのスリップ長も短くなるこ
とが確認され、製品の品質および信頼性を高まることが
わかる。
【0038】また、本発明による縦型ウェ−ハボート1
は、前述した実施例に限定されるものではなく、主旨を
逸脱しない範囲で、ウェーハ支持部材およびウェーハ支
柱を他の形状の変形例に適用することが可能である。
【0039】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の縦
型ウェ−ハボートは、ウェーハ円周のほぼ片側半分に配
置された少なくとも3本のウェーハ支持部材と、各ウェ
ーハ支持部材の上下両端部を固定する支持プレートと、
ウェーハ挿入側の片側半分の中間部に着脱自在に装着さ
れる1本のウェーハ支柱とにより構成され、縦型ウェ−
ハボートの少なくとも3本のウェーハ支持部材にウェー
ハを挿入した後、1本のウェーハ支柱を装着し、このウ
ェーハ支柱を所定位置まで持ち上げることにより、挿入
されたウェーハは、ウェーハ支柱とウェーハ挿入奥側の
2本のウェーハ支持部材と3点で支持されるようにした
ので、ウェーハ円周の3点には均等な支持応力がかかる
ことになる。
【0040】また縦型ウェ−ハボートを構成している少
なくとも3本のウェーハ支持部材のうち、ウェーハ挿入
手前側の少なくとも1本は、ウェーハ支柱を装着した後
はウェーハに接触せず、ウェーハを3点で支持すると共
に、それぞれの支点とウェーハ中心点を結ぶ線がそれぞ
れ120度の内角を有しているため、ウェーハ円周を3
点の均等な力で支持することができる。
【0041】更に前記上部支持プレートおよび下部支持
プレートの前記切欠溝に前記ウェーハ支柱を容易に装着
するでき、しかも前記上部支持プレートの上面および下
部支持プレートの内側よりウェーハ支柱の段部に所定厚
さのスペ−サを装着することにより、前記ウェーハ支柱
のウェーハ挿入溝がウェーハ支持部材のウェーハ挿入溝
より所定高さだけ高くなるようすることができ、ウェー
ハを容易に所定の3点で支持できる。
【0042】このため、本発明によれば、複数のウェー
ハを載置した縦型ウェ−ハボートを縦型拡散炉の中に収
容してウェーハの熱処理工程を行う場合、荷重による剪
断応力が大幅に緩和され、ウェーハ熱処理時に発生する
スリップ転位を大幅に低減することができ、その結果、
製品の品質向上が図られ、信頼性を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による縦型拡散炉用に収容される縦型ウ
ェ−ハボートの実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示した縦型ウェ−ハボートの上面図であ
る。
【図3】(a)、(b)、(c)はウェーハ挿入溝の各
種実施例を示す要部の断面図である。
【図4】縦型ウェ−ハボートにウェーハを積載した状態
を示す斜視図である。
【図5】本発明によるウェーハ支柱の持ち上げ高さを求
める説明図である。
【図6】(a)、(b)は従来の縦型ウェ−ハボートに
おけるウェーハ支持部材の配置状態を示す説明図であ
る。
【図7】ウェーハの温度変化に対する剪断降伏応力の説
明図である。
【符号の説明】
1 ウエーハボート 2 ウェーハ支持部材 2a ウェーハ挿入溝 3 上部支持プレート 4 下部支持プレート 5 ウェーハ支柱 5a ウェーハ挿入溝 6 切欠溝 7 切欠溝 8 段部 9 スペーサ 10 ウェーハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 純一 神奈川県秦野市曽屋30 東芝セラミック ス株式会社 開発研究所内 (72)発明者 林 健郎 神奈川県秦野市曽屋30 東芝セラミック ス株式会社 開発研究所内 (72)発明者 桐野 好生 神奈川県秦野市曽屋30 東芝セラミック ス株式会社 開発研究所内 (56)参考文献 特開 平4−148550(JP,A) 実開 平5−66990(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 H01L 21/22 - 21/24 H01L 21/31 H01L 21/365 H01L 21/38 - 21/40 H01L 21/469 H01L 21/68 H01L 21/86

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長手方向に所定の間隔をもって、ほぼ平行
    に複数個のウェーハ挿入溝が形成された少なくとも3本
    のウェーハ支持部材と、前記ウェーハ支持部材をウェー
    ハ円周の片側半分に所定の間隔に配置して上下両端部を
    固定する上部支持プレートおよび下部支持プレートと、
    長手方向に所定の間隔をもって複数個のウェーハ挿入溝
    が形成され、前記上部支持プレートおよび下部支持プレ
    ートに着脱自在に装着される1本のウェーハ支柱とを備
    え、 前記ウェーハ支柱を上部支持プレートおよび下部支持プ
    レートに装着した際、ウェーハ支柱に形成されたウェー
    ハ挿入溝が、前記溝に対応してウェーハ支持部材に形成
    されたウェーハ挿入溝より高い位置に形成され、 収納される各半導体ウェーハをウェーハ支柱のウェーハ
    挿入溝及び2つのウェーハ支持部材に形成されたウェー
    ハ挿入溝の3点で支持するようにしたことを特徴とする
    縦型ウェ−ハボート。
  2. 【請求項2】前記上部支持プレートおよび下部支持プレ
    ートの円周上で、少なくとも3本のウェーハ支持部材を
    固定した反対側半分の中間部に、一端が開口した切欠溝
    を形成すると共に、前記ウェーハ支柱の両端部に、ウェ
    ーハ支柱よりも細径で上方および下部支持プレートの厚
    さより所定高さだけ高く形成された段部と、前記ウェー
    ハ支持部材の高さよりも所定高さだけ短く形成された前
    記ウェーハ支柱の段部間の主柱部とを形成し、前記ウェ
    ーハ支柱を上方および下部支持プレートに装着するため
    のスペ−サとを備え、 前記上部支持プレートおよび下部支持プレートの前記切
    欠溝にウェーハ支柱の段部を装着し、前記上部支持プレ
    ートの上面および下部支持プレートの内側よりウェーハ
    支柱の段部に所定厚さのスペ−サを装着することを特徴
    とする請求項1記載の縦型ウェ−ハボート。
  3. 【請求項3】収納される半導体ウェーハをウェーハ支柱
    のウェーハ挿入溝及び2つのウェーハ支持部材に形成さ
    れたウェーハ挿入溝の3点で支持し、前記3支持点と前
    記ウェーハの中心点とを結ぶ線の内角をそれぞれ120
    度とし、かつ前記ウェーハを支持する3点とウェーハの
    中心点を結ぶ線をそれぞれ同一長さとしたことを特徴と
    する請求項1または請求項2のいずれかに記載の縦型ウ
    ェ−ハボート。
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