JP3125792B2 - 磁気ディスク及びその製造方法並びに磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスク及びその製造方法並びに磁気ディスク装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、薄膜磁気ディスクの表面性状に係り、特に
薄膜磁気ディスクの磁気ヘッド浮上特性や、CSS(コン
タクト・スタート・ストップ)特性、磁気ヘッド粘着な
どの耐摺動特性に対して好適な表面性状の磁気ディスク
及びその製造方法並びに磁気ディスク装置に関する。
[従来の技術] 従来、スパッタリング、めっき、イオンプレーティン
グなどの薄膜形成技術を用いて、磁性薄膜を形成して成
る磁気ディスク用基板としては、例えば特開昭59−8262
6号公報に記載のようにアルミニウム合金基板表面に、
磁性薄膜の下地膜として数十ミクロン厚さのNi−Pめっ
き膜を施して、これを研削、ラップピング、さらに種々
の粒度の砥粒を用いてポリシング加工し、表面粗さを0.
006〜0.010μmRaの範囲に仕上げたものが使用されてき
た。この基板に、磁性膜、保護膜および潤滑膜を形成
し、磁気ディスクを作成している。
この磁気ディスクの基板の表面粗さが0.006μmRa以下
の場合には、磁気ヘッド(以下、単にヘッドとも略称)
のコンタクト・スタート・ストップ動作において、ヘッ
ドと磁気ディスク(以下、単にディスクとも略称)との
微小隙間に存在する潤滑剤あるいは吸着水分の表面張力
によりヘッド粘着力や摩擦係数が増大し、磁気ヘッドの
支持系、あるいは磁気ディスク表面の損傷を生じるおそ
れがある。
また、表面粗さが、0.010μmRa以上の場合には、電気
特性において信号エラーが急激に増え、また、磁気ヘッ
ドの浮上隙間0.15μmで、ヘッドとの接触数が増加す
る。以上のことから、基板の表面粗さは、通常0.006〜
0.010μmRaの範囲とすることにより、磁気ディスクと磁
気ヘッドとの摩擦係数及び磁気ヘッドの粘着力を小さく
することができ、かつ信号エラーとなる欠陥が少なく、
磁気ヘッド浮上安定性を損なうディスク表面突起を少な
くすることができるとなっていた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら上記従来技術は、磁気ディスク装置での
CSS回数に伴う磁気ヘッドおよび磁気ディスク表面のミ
クロ的な変化を明確に把握することについて不十分であ
り、CSS特性に及ぼすヘッドおよびディスクの表面性状
について配慮がされておらず、耐摺動特性に対する最適
な表面性状を設定することに問題があった。
したがって、本発明の目的は、かかる従来の問題点を
解消することにあり、その第1の目的は、ヘッド浮上特
性、CSS特性、ヘッド粘着特性等のヘッド摺動特性を改
善した磁気ディスクを、第2の目的は、その製造方法
を、そして第3の目的は、かかる磁気ディスクを組み込
んだ磁気ディスク装置を、それぞれ提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明者等は、実際のヘ
ッド、ディスクの摺動面を観察、測定し、さらに摺動面
の断面形状、断面観察から摺動状態を種々検討した。そ
の結果から、最適な摺動面を形成する知見を得た。本発
明はかくして得られた知見に基づいて成されたもので、
以下その技術背景と目的達成手段につき順次説明する。
この摺動面を観察するために、CSS試験を数千回繰り
返し、CSS試験前後の表面状態を比較した。表面状態の
観察・測定法として、表面粗さ計タリステップによりヘ
ッド摺動方向に対して直角方向に断面形状を測定し、さ
らに数ミクロン(μm)ずつヘッド摺動方向に測定点を
移動させ、再び直角方向に断面形状を測定し、本発明者
等が先に提案した特願平1−105921に記載のごとく、3
次元負荷曲線を求めた。この負荷曲線から切断深さ10nm
における負荷比率(この負荷比率をBR10と呼ぶことにす
る)BR10を求め、CSS試験前後での比較を行った。ま
た、ごく表面状態の変化を観察するため、電界放射形走
査電子顕微鏡を用い、さらにディスクの表面に関して
は、ディスクの断面試料を作成し、極表面層の断面観察
を行い、摺動による変化を調べた。
今回、上記の観察、測定結果から、CSS特性が良好な
ディスクの表面性状は、ヘッド摺動によるヘッドスライ
ダ面と接触しているディスク表面が、ヘッドスライダの
摺動幅内(例えば400μm)に数ケ所から数10ケ所の範
囲であり、接触している領域すなわち負荷比率BR10は0.
01%〜10%であることがわかった。また、ヘッド浮上特
性から、表面凹凸における突部高さ(ここでは、中心線
からピークまでの高さをRpと呼ぶ)Rpは5〜50nm、好ま
しくは20〜30nmであった。負荷比率が0.01%より低い
と、ヘッド摺動により、ディスク表面上のヘッドスライ
ダーとの接触部の摺動摩耗がはげしく、ディスク表層部
である潤滑剤、保護膜の損傷が著しくなり、磁性媒体に
ダメージを与える結果となる。また、逆に負荷比率が10
%より高いと、ヘッドスライダ部との接触面積が大きく
なり、摩擦係数が増大することによって、ヘッド摺動で
の摩擦抵抗力が大きくなり、ヘッドをヘッドアームに支
持するジンバルの損傷やディスク回転不能、さらにはヘ
ッドクラッシュの事故を生じる場合がある。
以上のように、突部高さを5〜50nm、好ましくは20nm
〜30nmとそろえ、かつ、負荷比率BR10を0.01〜10%とす
る表面を生産性良く形成する一例を以下に示す。
磁気ディスクの表面構造は、第1図に示すように、Al
合金基板1上に下地膜としてNi−Pめっき2を施し、め
っき面を研磨後、テクスチャ加工と呼ぶ微細溝を形成
し、その表面中間層として例えばクロム膜3、磁性膜
4、保護膜5及び潤滑膜6で形成されている。ここで、
クロム膜3は、厚さが数100nm(例えば、100〜300nm)
であり、下地のNi−Pめっき面に微小な突部が存在する
と、第2図に示すようにその突部の傾面にしたがって突
部を加速する状態で成長して、特異点11を形成している
ことがわかった。例えば、Ni−Pめっき面2の高さRpが
20nmの突部上におけるクロム膜3(スパッタリングにて
成膜)の表面では、突部高さは約30nm〜40nmの特異点11
となることがわかった。したがって、Ni−Pめっき2の
表面には上記のクロム膜3の特異点11の成長となる核を
形成する必要があることが判った。この核の形成法とし
ては、砥粒を用いた引っかき作用、切削バイト等の切削
作用、微細粒子の衝突作用、またイオンビームや電子ビ
ームを用いたエネルギービームによるスパッタリング
(ドライエッチング)作用等によって形成する方法があ
る。
以上の知見に基づいてなされた本発明の目的達成手段
について、以下に具体的に説明する。
上記本発明の目的は、ディスク基板上に磁性膜及び保
護膜を順次積層して成る磁気ディスクにおいて、前記磁
気ディスクの表面に、高さ10〜30nm、幅0.1〜10μmの
突起を有し、該突起を該磁気ディスクの周方向に断続的
に設け、かつ該磁気ヘッドのスライダー摺動幅内に複数
個設けたことを特徴とする磁気ディスクにより達成でき
る。
[作用] 研磨仕上げした表面粗さ0.002μmRa以下の例えばNi−
PめっきAl合金基板9の両面を、第3図に示すように、
不織布で構成されたクロステープ7を押圧治具8に支持
されたコンタクトローラで基板面に押圧し、クロステー
プ7と基板面との間に、砥粒として例えばダイヤモンド
スラリー液を供給口10から基板面に供給しながら、基板
9を回転させる。基板9の両面には、第4図にその表面
粗さを示すように、微細な凹凸が形成され、この基板面
に、中間層として例えばクロムのスパッタ膜3を厚さ20
0〜300nm形成させると第2図に示したように高さが5〜
50nm(好ましくは20〜30nm)の特異点11が形成される。
このクロムのスパッタ膜3上に、磁性膜4、保護膜
5、潤滑膜6を順次形成すると、特異点11の突起はその
後の積層膜の表面に反映保持されて所定の表面性状を備
えた磁気ディスクが作成される。これによってこの磁気
ディスクの表面上を、CSSにより磁気ヘッドが摺動する
と、磁気ヘッドのスライダ面は第5図に示すように、特
異点11の形状が反映されてディスク表面に形成された突
起上を主として摺動するので、ヘッドとディスクとの接
触点が少なく、ヘッド粘着力が小さく、またCSS回数を
増しても、ヘッド接線力の増大はわずかである。また、
特異点11によるディスク表面の突起の高さは、5〜50nm
(好ましくは20〜30nm)と安定しているので、ヘッド浮
上特性も良好である。
なお、上記のように中間層3に特異点11を形成してそ
の後の積層膜上にこの形状を反映させる代わりに、前項
の(4)で述べたように積層膜の外層である保護膜5の
表面に同様の表面加工を施しても同様の表面性状が実現
できる。
[実施例] 以下、図面にしたがい本発明の一実施例を説明する。
実施例1. 第1図は、磁気ディスクの断面構造を模式的に示した
構成図、第2図は、基板状への積層膜の形成にしたがっ
て中間層3の特異点11の形状がその後の積層膜に反映さ
れる様子を示した磁気ディスクの要部断面構造図であ
る。
本発明の磁気ディスクは、アルミニウム合金円板から
なる基板1に、Ni−Pめっき膜2を下地膜として形成
し、その上にクロム中間膜3、Co−Ni系磁性膜4、カー
ボン保護膜5をスパッタリングにより順次形成し、最後
に潤滑剤6を塗布した多層構造を形成している。
Ni−Pめっき膜2の表面は、予め両面研磨によって表
面粗さ0.002μmRa以内に鏡面仕上げし、第3図に示す表
面加工方法、すなわち、不織布でできたクロステープ7
を加圧治具8で押圧し、円板9とクロステープ7との間
に砥粒径の揃った(この例では3μm)ダイヤモンドス
ラリーを供給口10から供給しながら、円板9を回転さ
せ、クロステープ7を円板9の半径方向に往復摺動させ
ることによって円板の円周方向に微細な凹凸を形成す
る。この例では表面粗さが0.009μmRaとなった。この表
面加工は、この後の中間層3に突起(特異点11)を設け
るための核形成として必要な工程であり、加工面の微細
な凸部が核となる。
かくして得られたNi−Pめっき膜2上に、中間層とし
て厚さ200〜400nmのクロム膜3をスパッタリングにより
形成し、第2図に示すように、クロム膜3に高さ10〜30
nmの特異点11を形成する。これらの特異点11は、幅0.1
〜10μm、円板9の周方向に長さ100〜200μmの稜線状
のもので、円板9の半径方向に対して、100μmの単位
長さ当たり数ケ所存在した。
また、円板9の半径方向に、磁気ヘッドのスライダー
幅(この例では400μm)に相当する距離の断面形状を
測定し、かつ円周方向に磁気ヘッドのスライダー長さ約
4mmに相当する距離の表面、すなわち400μm×4mmの面
積における3次元的な負荷曲線において、頂部から切断
面の深さ10nmにおける負荷比率は0.01〜10%の範囲であ
った。
このクロムスパッタ膜3の表面に、さらにスパッタリ
ングによりCo−Ni系の磁性膜を厚さ約50nm形成し、さら
に保護膜5としてカーボン膜を厚さ約50nm形成した。こ
の表面にフッ素系の潤滑膜6を塗布し、磁気ディスクを
形成した。
この磁気ディスクを用いて、Mn−Zn系の磁気ヘッドで
浮上隙間(Hfly)=0.2μmにてCSS試験を行った。その
結果は第6図に示すように、CSS回数に対して、ヘッド
接線力はほとんど増大せず、CSS後のディスク表面を電
界放射型走査電子顕微鏡にて観察した結果、ヘッドのス
ライダー12面は、第5図に示すように、Ni−Pめっき基
板に形成したクロムスパッタ膜3の特異点11により反映
された表面微細凸部によって支持され、接触摺動してい
ることがわかった。したがって、ヘッドスライダー12面
とディスク面とは、高さ10〜30nmの微細な丘陵で接触し
ているので、潤滑剤や吸着水分の表面張力による粘着力
は小さく、コンタクトスタート時でのヘッド支持用ジン
バルや、ディスク表面へのダメージがほとんどない。ま
た、微細凸部の高さが10〜30nmと均一であるので、ヘッ
ド浮上隙間(Hfly)=0.2μmに対して、浮上障害にな
ることも無い。なお、第6図のヘッド接線力の測定は、
周知の方法、つまりCSS試験においてヘッドスライダー1
2がディスク面を摺動するときにヘッドを支持するヘッ
ドアームに現れる歪を計測して求めたものである。した
がって、ヘッド接線力が大きくなるということは、それ
だけヘッドスライダー12の摺動抵抗が大きいことを意味
する。
〈比較例〉 比較例1として、Ni−Pめっき基板9の鏡面に対して
実施例1と同様のダイヤモンドスラリーによる表面加工
の後、さらに細かい粒径1μmのダイヤモンドスラリー
(実施例1の1/3の粒径)により表面粗さ0.002μmRaに
表面加工した。この円板9上に上記実施例1と同様の方
法で多層成膜を形成した磁気ディスクについて、CSS試
験を行った。その結果を実施例1と同様に第6図に示し
たが、この比較例のヘッド接線力は、CSS回数ととも
に、急に増大し、ヘッド支持系が損傷したり、また円板
が回転しなくなる状態が生じた。この円板は、前述と同
様に観察した結果、クロムスパッタ膜3に特異点が少な
く、かつ非常に小さかった。また、3次元的負荷比率も
高く、10%を超えていた。
また、比較例2として、ダイヤモンドスラリーの砥粒
径を実施例1の2倍の6μmと大きくした場合には、Ni
−Pめっき面での表面凹凸が厳しく、この形状がその後
に形成する多層成膜面にも反映されてヘッド浮上特性を
劣化させ、また、スクラッチ部等の影響により信号エラ
ーとなる欠陥が多数生じた。この磁気ディスク表面で
は、3次元的負荷比率が低く、0.01%未満であった。な
お、この例ではクロムスパッタ膜3に特異点11が現れな
かった。
実施例2. この例は、実施例1と同様に両面が鏡面仕上げ加工さ
れたNi−Pめっき基板9に、クロムスパッタ膜3に特異
点11を形成するための核を設ける表面加工方法として、
実施例1の砥粒の代わりにバイトを用いて加工したもの
である。
つまり、第7図に示すように、先端刃先が鋭利なダイ
ヤモンドバイト13によって微細な凹凸からなる突起14を
形成した。核となるこの突起14は、基板の周方向に断続
した長さを有し、高さ5〜10nmの凸部丘陵を基板半径方
向に50〜100μmのピッチで形成された。
この加工表面に実施例1と同様、中間層としてクロム
のスパッタ膜3を300nm厚さ形成した結果、高さ10〜30n
mの特異点11が生じ、磁性膜4、保護膜5、潤滑膜6を
形成し、磁気ディスクを作成し、同様の試験を行った結
果、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
実施例3. この例は、Ni−Pめっき膜2の表面加工寸法として、
実施例2のダイヤモンドバイトによる加工の代わりにエ
ネルギービームを用いた加工方法によって、クロムのス
パッタ膜3の特異点11形成のための核となる微小な凸部
14を形成したものである。
エネルギービームとしては、アルゴンイオンの収束ビ
ームを用い、これを被加工面に照射し周知のスパッタリ
ング技術によりエッチング加工した。
第8図は、この様子を示したもので、高さ10nm、凸部
丘陵の幅0.2μm、基板9の周方向に長さ100〜200μm
の断続した核となる突起14を半径方向にピッチ50〜100
μmで形成した。
この後、中間層3としてクロムをスパッタ成膜した結
果、実施例1、2と同様に微細凸部から成る特異点11が
形成でき、これを用いて前記いずれの実施例とも同様の
方法で磁気ディスクを製造した。かくして得られた磁気
ディスクも、実施例1、2と同様にヘッド粘着やCSS特
性に対し良好な結果を得ることができた。
実施例4. この例は、本発明の第2の目的を達成する手段として
(4)に述べた内容の実施例を示すものである。
Ni−Pめっき基板9は鏡面とし、周知の方法でクロム
中間層3、磁性膜4、保護膜5を順次スパッタリングに
より形成しておき、保護膜5の表面に限り前述の実施例
1〜3における核形成のためにNi−Pめっき膜2の表面
に微細凹凸の形成加工を行った方法と同一の表面加工方
法を施し、保護膜5上に特異点11に相当する突起14を直
接形成した。
つまり、砥粒やダイヤモンドバイト、あるいはエネル
ギービーム加工法によって、保護膜5の表面に直接微細
凸部を形成し、ヘッドスライダー面に対する3次元的負
荷比率が、切断深さ10nmの面において0.01〜10%となる
ようにした磁気ディスクを作成した。この磁気ディスク
に対して、ヘッド粘着、CSS特性を調べたところ、前述
の実施例と同様に良好な結果を示し、ヘッド浮上特性も
良好であった。さらに、電気特性での信号エラーの要因
となる基板上の欠陥が大幅に低減するので、電気特性が
非常に改善され、高性能、高信頼性の磁気ディスク装置
が得られた。
実施例5. 第9図は、上記実施例1〜4により製造された磁気デ
ィスク80を用いて磁気ディスク装置85を構成した一部断
面斜視図を示したものである。
複数枚の磁気ディスク80が所定間隔で同一回転軸に装
着固定されており、それぞれのディスクの両面に情報の
記録、読み出しを行う磁気ヘッド81が設置されている。
第10図は、上記第9図のディスク装置におけるディス
ク80とヘッド81との関係を模式的に示した説明図で、ヘ
ッド81はヘッドアーム84の先端に固定され(具体的に
は、図を省略したがジンバルを介して固定)、ディスク
が静止状態もしくは回転初期状態にあるときはジンバル
の弾性力によりディスク面上に押圧され、接触もしくは
摺動状態であるが、ディスクが高速回転状態になるとヘ
ッド81は、ディスク80との空気流の効果で例えば、0.2
μmといったサブミクロンの浮上量で浮上した状態とな
る。
第11図は、磁気ヘッドが搭載されているヘッドスライ
ダー12の一例を示したもので、スライダー12の摺動面82
の寸法は、幅Wが0.4mm、長さlが4mmであり、このヘッ
ドスライダーの長さl方向がディスクの円周方向と同一
になるように設置されている。
以上の装置構成から成る磁気ディスク装置85は、磁気
ディスク80面上でのヘッドスライダー12の摺動特性及び
磁気ヘッド81の浮上特性が改善され、信頼性の高い駆動
特性を実現することができた。
[発明の効果] 本発明によれば、上述の通り磁気ディスクの表面性状
が均一で微細な凸部を有して最適化されている。この最
適化された微細凸部でヘッドスライダー摺動面を支持
し、これによって磁気ディスク表面に塗布された潤滑剤
や吸着水分の表面張力によるヘッド粘着力は小さくな
り、またCSS回数によるヘッド接線力の増大もほとんど
無く、ヘッド摺動信頼性が大幅に向上する効果がある。
また、微細凸部の高さは5〜50nm、好ましくは20〜30
nmと均一であるので、ヘッド浮上性も良好であり、スク
ラッチ等の欠陥も少なく信号エラーも大巾に改善され、
優れた磁気ディスク装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す磁気ディスクの断面構
造図、第2図は同じく磁気ディスクの断面詳細図、第3
図は本発明の一実施例となる下地膜のNi−Pめっき膜を
表面加工する際に使用した表面加工装置の一例を示した
概略図、第4図は基板加工面の断面形状を表面粗さ計タ
リステップを用いて測定した断面曲線図、第5図は磁気
ディスク面と磁気ヘッドスライダー面との接触状態を示
した断面図、第6図はCSS試験における本発明と比較例
とのヘッド接線力の変化を示す特性図、第7図は本発明
の他の実施例となる下地膜のNi−Pめっき膜をバイトで
表面加工する際の断面図、第8図は本発明のさらに異な
る実施例となる下地膜のNi−Pめっき膜をエネルギービ
ームで表面加工する際の断面図、第9図は本発明の磁気
ディスク装置の一部断面斜視図、第10図は磁気ディスク
装置におけるディスクとヘッドとの関係を示す模式図、
そして第11図はヘッドスライダーの外観図である。 〈符号の説明〉 1……基板(アルミニウム合金円板)、 2……Ni−Pめっき膜、 3……中間層(クロム膜)、 4……磁性膜、 5……保護膜、 6……潤滑膜、 7……クロステープ、 8……押圧治具、 9……円板、 10……砥粒(ダイヤモンドスラリー)供給口、 11……特異点、 12……ヘッドスライダー、 13……バイト、 14……突起、 80……磁気ディスク、 81……ヘッド、 82……スライダー摺動面、 84……ヘッドアーム、 85……磁気ディスク装置。
フロントページの続き (72)発明者 屋鋪 博 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社日立製作所小田原工場内 (56)参考文献 特開 昭59−82626(JP,A) 特開 昭64−23419(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディスク基板上に磁性膜及び保護膜を順次
    積層して成る磁気ディスクにおいて、 前記磁気ディスクの表面に、ディスクの平坦部からの高
    さ10〜30nm、ディスクの半径方向でみて前記平坦部上の
    幅0.1〜10μmの突起を有し、該突起を該磁気ディスク
    の周方向及び半径方向にそれぞれ規則的に設け、かつ磁
    気ヘッドのスライダー摺動面積内に当該突起部を3つ以
    上設けたことを特徴とする磁気ディスク。
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