JP3125320B2 - 画像形成方法及びこれに用いる印画紙 - Google Patents

画像形成方法及びこれに用いる印画紙

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JP3125320B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱転写方式によって
印画紙上に染料像を形成する画像形成方法に関するもの
であり、さらにはこの画像形成方法に用いられる印画紙
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、電子スチルカメラ等によって撮
影した画像を、銀塩系写真と同じように印画紙にプリン
トアウトするために、感熱転写方式による画像形成が試
みられている。この感熱転写方式は、受像層が形成され
た印画紙に対して染料を含むインクリボンを接触させ、
感熱ヘッド等によってインクリボンを加熱し、インクリ
ボンの染料を印画紙の受像層に移行せしめるものであ
る。そして、印画紙の受像層としてはポリエステル等
が、またインクリボンの染料としては分散染料等が用い
られている。
【0003】ところで、通常この種の方式に用いられる
分散染料には、特開平1−259989号公報、特開平
1−275096号公報等に開示されるような様々な工
夫が凝らされているとは言え、受像層へ移行後は受像層
高分子とファンデルワールス力、双極子間力、水素結合
等の相互作用することによって受像層中に保持されてい
るに過ぎない。したがって、画像形成後に染料に対して
より親和力の優れた樹脂や溶媒等に接すると、あるいは
これらの相互作用を打ち消すだけの熱エネルギーが供給
されると、染料の移行や溶出が誘発されたり、画像のぼ
けが発生する等の不都合が生ずる。
【0004】このような状況から、例えば特開昭59−
78893号公報、特開昭60−2398号公報、特開
昭60−110494号公報、特開昭60−22078
5号公報、特開昭60−260381号公報、特開昭6
0−260391号公報等に見られるように、化学結合
の形成に基づく手段も提案されている。
【0005】これらに開示される方法は、エポキシ基や
イソシアネート基と反応し得る基を有する色素を用い受
像層に該当基を有する化合物を含有させる方法であり、
またアクリロイル基やメタクリロイル基を有する色素を
用い受像層に活性水素を有する化合物を含有させる方法
であり、さらには金属錯体を形成し得る色素を用い受像
層に金属化合物を含有させる方法、活性メチル基(ある
いはメチレン基)を有する低分子化合物を昇華移行させ
て受像層中のアルデヒド(ニトロソ)化合物と反応させ
て色素を形成する方法等である。
【0006】しかしながら、化学結合の形成に基づく手
段では、色素や受像層の反応性が高く保存性が悪いこと
や、短時間で反応が完了せず安定な画像形成に長時間を
要すること、色素の調製が難しく使用可能な色素の種類
が限られること、等の欠点があり、またこれら手段によ
っても定着性は十分なものとは言い難い。
【0007】一方、前記感熱転写方式に用いる色材に、
例えば特開昭59−16780号公報等に記載されるよ
うに、ロイコ色素を用いることも試みられている。しか
し、これらに開示されるロイコ色素を用いた場合には、
色材の昇華性が比較的強いために画像の熱安定性が乏し
く、また水分や可塑剤の存在により容易に消色するとい
う問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
感熱転写方式では、特に定着性の不足による染料の移行
が実用化の大きな妨げとなっており、その改善が望まれ
ている。そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提
案されたものであって、優れた熱転写感度を有し、しか
も銀塩系写真像に匹敵する定着性が付与された画像を得
ることが可能な画像形成方法、さらには印画紙を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の目的
を達成せんものと鋭意研究を重ねた結果、層間の交換性
陽イオンを第4アンモニウムイオン、ホスホニウムイオ
ン等に置き換えた層間化合物(粘土鉱物)にロイコ色素
を画像的に転写すると、この色素像が不溶不融の顔料像
に変換されて強固に定着されることを見出した。本発明
は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
【0010】すなわち、本願の第1の発明にかかる画像
形成方法は、ロイコ色素とのイオン交換能が付与された
層間化合物を含有するとともに顕色機能を有する印画紙
に対し、ロイコ色素前駆体を含有するインクリボンを接
触せしめ、熱刺激により上記インクリボンから上記印画
紙にロイコ色素前駆体を移行し、上記顕色機能によって
発色したロイコ色素をイオン交換によって上記層間化合
物の層間に取り込み定着することを特徴とするものであ
る。
【0011】また、本願の第2の発明にかかる印画紙
は、ロイコ色素とイオン交換可能なイオンで置換された
層間化合物とバインダー高分子とを含有し、顕色機能を
有する受像層が支持体上に形成されていることを特徴と
するものである。
【0012】本発明は、ロイコ色素のカチオン部と、印
画紙の受像層中に非水媒質に膨潤して包含される層間化
合物(有機−粘土複合体)表面のアニオン部とのイオン
結合の形成を基本原理として画像定着を行うものであ
る。したがって、ロイコ色素を含有するインクリボン
と、前記層間化合物を含有する印画紙とにより画像の形
成が行われる。ただし、インクリボンに酸化反応により
発色したロイコ色素を用いると、カチオン部の存在によ
り親水性を呈し、バインダー高分子に膨潤され疎水性と
された受像層への移行の妨げとなる。そこで、本発明に
おいては、インクリボンにイオン化していないロイコ色
素前駆体(ここでは消色した状態の還元型ロイコ色素を
便宜上ロイコ色素前駆体と呼ぶ。)を用い、受像層への
移行後に顕色剤によって発色型のロイコ色素に変換する
こととする。
【0013】色材として使用されるロイコ色素は、酸化
還元反応により発色あるいは変色するものであり、トリ
フェニルメタンフタリド類,フルオラン類,チオフルオ
ラン類,インドリルフタリド類,ローダミンラクタム
類,アザフタリド類等のラクトン環を有するロイコ色素
が代表的である。
【0014】具体的には、トリフェニルメタンフタリド
類としては、クリスタルバイオレットラクトン,マラカ
イトグリーンラクトン等が挙げられ、フルオラン類とし
ては3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフル
オラン,3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラ
ン,3−ジエチルアミノ−6−ベンジルオキシフルオラ
ン,1,2−ベンズ−6−ジエチルアミノフルオラン,
3,6−ジ−p−トルイジノ−4,5−ジメチルフルオ
ラン─フェニルヒドラジド−γ−ラクタム,3−アミノ
−5−メチルフルオラン,2−メチル−3−アミノ−6
−メチル−7−メチルフルオラン,2,3−ブチレン−
6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン,3−ジエチルア
ミノ−7−アニリノフルオラン,3−ジエチルアミノ−
7−パラトルイジノフルオラン,7−アセトアミノ−3
−ジエチルアミノフルオラン,2−ブロモ−6−シクロ
ヘキシルアミノフルオラン,2,7−ジクロロ−3−メ
チル−6−n−ブチルアミノフルオラン等が挙げられ
る。
【0015】また、チオフルオラン類としては、3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−ジメチルアミノチオフ
ルオラン,3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノ
チオフルオラン等が挙げられ、インドリルフタリド類と
しては8−(4−ジエチルアミノフェニル)−8−(1
−エチル−2−メチルインドール−8−イル)フタリ
ド,3,3−ビス(1−エチル−2−メチル−8−イ
ル)フタリド,3,3−ビス(2−フェニルインドール
−3−イル)フタリド,3−(4−ジ−n−ブチルアミ
ノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イ
ル)フタリド,8−〔4−(ジメチルアミノ)フェニ
ル〕−3−〔N,N−ビス−(4−オクチルフェニル)
アミノ〕フタリド等が挙げられる。さらにローダミンラ
クタム類としては、ローダミンラクトンが、アザフタリ
ド類としては3,3−ビス(1−エチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)−7−アザフタリド等が挙げられ
る。
【0016】その他、ロイコベーシックシアニン、ロイ
コマラカイトグリーン、ロイコクリスタルバイオレッ
ト、p,p′−テトラジメチルジアミノベンゾフェノン
(ミヒラーケトン)、オキサジン系ロイコ感熱色素(保
土ヶ谷化学社製,商品名CSB−12等) 、スピロピラン
系ロイコ感熱色素 (保土ヶ谷化学社製, 商品名CSR−
13等) 、キノリン系ロイコ感熱色素 (保土ヶ谷化学社
製, 商品名CSY−13等)、さらには酸化還元指示薬、
pH指示薬、ビオロゲン等も使用可能である。上記ロイ
コ色素は、単独で使用しても、あるいは2種類以上を混
合して使用し色調等をコントロールするようにしても良
い。また、その添加量も、ロイコ色素の種類等に応じて
適宜設定すればよい。
【0017】上記ロイコ色素をイオン化していない前駆
体の状態でバインダー高分子中に溶解もしくは分散して
フィルム上支持体上に成膜してインク層を形成し、感熱
転写用インクリボンとなす。勿論、色素の種類によって
はロイコ色素前駆体のみでインク層を形成することも可
能である。このとき、ロイコ色素前駆体の量が少なすぎ
ると発色濃度が不足することから、インク層中に10〜
100重量%の割合で含まれることが好ましい。
【0018】一方、印画紙に使用される層間化合物であ
るが、この層間化合物としては、層状構造を有し、層間
に交換性陽イオンを有する粘土鉱物等が挙げられる。代
表的には、モンモリロナイト群鉱物である。モンモリロ
ナイト群鉱物は、次の一般式 (X,Y)2〜34 10(OH)2・ mH2 O・(W1/3) 〔ただし、X=Al,Fe(III), Mn(III), Cr
(III)、Y=Mg, Fe(II),Mn(II),Ni,Z
n,Li、Z=Si,Al、W=K,Na,Caであ
り、H2 O は層間水、mは整数を表す。〕で表される
粘土鉱物である。
【0019】ここで、XとYの組合せと置換数の違いに
より、モンモリロナイト,マグネシアンモンモリロナイ
ト,鉄モンモリロナイト,鉄マグネシアンモンモリロナ
イト,バイデライト,アルミニアンバイデライト,ノン
トロナイト,アルミニアンノントロナイト,サポナイ
ト,アルミニアンサポナイト,ヘクトライト,ソーコナ
イト等の多くの種類が天然物として存在するが、これら
天然物の他に上記式中のOH基がフッ素で置換された合
成品等も市販されている。
【0020】上記モンモリロナイト群鉱物の他にも、ナ
トリウムシリシックマイカ,ナトリウムテニオライト,
リチウムテニオライト等の雲母群鉱物が使用できる。層
状構造を有していても層間に交換性陽イオンを持たない
カオリナイト,タルク,パイロフィライト等は不適当で
ある。また、ゼオライトはアルカリ金属イオンあるいは
アルカリ土類金属イオンを交換性陽イオンとして有して
いるが、組織が網目状であって孔径も小さいため、性能
はやや劣る。
【0021】これら層間化合物は、その層間に有機陽イ
オンをイオン交換結合させて使用する。上記有機陽イオ
ンとして好適なものは、第4アンモニウムイオンや置換
ホスホニウムイオン、例えばアルキルホスホニウムイオ
ン、アリールホスホニウムイオン等である。ただし、例
えば第4アンモニウムイオンの場合、4つのアルキル基
は炭素数4以上、好ましくは8以上で、しかもこれら4
つのアルキル基が同じであることが好ましい。長鎖アル
キルの数が少ないと、層間距離を十分に確保することが
できず、ロイコ色素に対する交換能が不足する虞れがあ
る。
【0022】上記有機陽イオンは、層間化合物の層間距
離を拡大させるとともに、その疎水鎖により本来は親水
的な層間化合物の層間を疎水的に変化させ、種々の有機
化合物、ここでは特にバインダー高分子と相溶し易くす
る役割を果たすものである。したがって、層間化合物に
第4アンモニウムイオンや置換ホスホニウムイオン等の
有機陽イオンをイオン交換結合させることにより、ロイ
コ色素とのイオン交換能が付与され、同時に非水溶媒膨
潤性とされる。
【0023】ロイコ色素とのイオン交換能が付与され非
水溶媒膨潤性とされた層間化合物は、バインダー高分子
と混合分散し、当該バインダー高分子に膨潤させた状態
でフィルム状支持体に塗布し成膜することによって受像
層が形成され、印画紙とされる。前記フィルム状支持体
は、紙、合成紙、プラスチックフィルム、金属板、金属
箔、アルミニウムを蒸着したプラスチックフィルム等、
任意である。
【0024】また、バインダー高分子も、広く一般の熱
可塑性樹脂が適用可能であるが、定着作用を阻害するよ
うな置換基、例えばカチオン染料よりも相対的に粘土層
間にイオン交換し易いようなアンモニウム基等を含むも
のは好ましくない。さらに、バインダー高分子のガラス
転移Tgについても、実用上差し支えなければ(粘性に
起因するブロッキング等が問題とならなければ)、例え
ば室温以下であっても構わない。なお、イオン交換能が
付与された層間化合物の添加量は、受像層構成固形分中
の5〜90重量%であることが好ましい。添加量の下限
は定着能力により規定されるもので、5重量%未満であ
ると定着効果が不足する虞れがある。上限は皮膜形成と
いう実用上の特性により規定されるもので、90重量%
を越えると柔軟で良好な皮膜が形成できなくなる。
【0025】印画紙は、白色度が高いほうが好ましい場
合もあり、上記受像層中に蛍光増白剤を添加するのも一
手法であるが、合成雲母のように元来白色度の優れた層
間化合物を用いてもよい。また、定着性を阻害しない限
り、受像層中にバインダー高分子のガラス転移点Tgを
制御するために可塑剤を添加しても差し支えないし、そ
れ以外の目的の補助添加剤を加えてもよい。
【0026】上記受像層は、ロイコ色素前駆体に対し顕
色機能を持つことが必要であり、通常は顕色剤が受像層
中に分散混合される。顕色剤としては、フェノール性水
酸基を有する各種の電子受容性化合物が使用できる。た
とえば、 tert-ブチルフェノール, ノニルフェノール,
ドデシルフェノール, スチレン化フェノール類, 2,2
−メチレンビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェ
ノール),α−ナフトール,β−ナフトール,ヒドロキ
ノンモノメチルエーテル,グアヤコール,オイゲノー
ル,p−クロロフェノール,p−ブロモフェノール,o
−クロロフェノール,o−ブロモフェノール,p−フェ
ニルフェノール,o−フェニルフェノール,p−(p−
クロロフェニル)フェノール,o−(o−クロロフェニ
ル)フェノール,p−オキシ安息香酸メチル,p−オキ
シ安息香酸エチル,p−オキシ安息香酸プロピル,p−
オキシ安息香酸ブチル,p−オキシ安息香酸オクチル,
p−オキシ安息香酸ドデシル,3−イソプロピルカテコ
ール,p−tert−ブチルカテコール,4,4−メチレン
ジフェノール,4,4−チオ−ビス−(6−tert−ブチ
ル−3−メチルフェノール),1,1−ビス−(4−ヒ
ドロキシフェニル)シキロヘキサン,4,4−ブチリデ
ン−ビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノー
ル),ビスフェノールA,ビスフェノールS,1,2−
ジオキシナフタレン,2,3−ジオキシナフタレン,ク
ロロカテコール,ブロモカテコール,2,4−ジヒドロ
キシベンゾフェノン,フェノールフタレイン,o−クレ
ゾールフタレイン,プロトカテキュー酸メチル,プロト
カテキュー酸エチル,プロトカテキュー酸プロピル,プ
ロトカテキュー酸オクチル,プロトカテキュー酸ドデシ
ル,2,4,6−トリオキシメチルベンゼン,2,3,
4−トリオキシエチルベンゼン,没食子酸メチル,没食
子酸エチル,没食子酸プロピル,没食子酸ブチル,没食
子酸ヘキシル,没食子酸ドデシル,没食子酸セチル,没
食子酸ステアリル,2,3,5−トリオキシナフタレ
ン,タンニン酸等である。
【0027】あるいは、バインダー高分子に顕色剤とし
ての機能を兼ね備えた酸性樹脂を用いてもよい。酸性樹
脂とは、上記ロイコ色素(塩基性染料)とイオン的に強
く相互作用する可能性を有する樹脂、すなわち活性アニ
オンを分子内に有する高分子の総称である。したがっ
て、分子構造から推定するに、スルホン基やカルボキシ
ル基等の酸性基を高分子主鎖もしくは側鎖に組み込んだ
樹脂類等が考えられる。また、アクリル繊維等に認めら
れるように、重合触媒である過硫酸カリウム等の酸残基
を分子末端に含むものもこれに相当するものと考えられ
る。
【0028】具体的には、対象となる樹脂の非水溶液に
カラーフォーマー(ロイコ色素前駆体)を添加し、これ
をキャストして得た乾燥皮膜が着色するか否かにより判
定する。このような予備試験の結果、著しい酸性を示す
樹脂として、ビニリデンクロリド−アクリロニトリル共
重合体(アルドリッチ社製)、カルボキシル化塩化ビニ
ルポリマー(アルドリッチ社製)等が該当した。
【0029】画像形成に際しては、上記印画紙にインク
リボンを接触せしめ、感熱ヘッド等によって前記インク
リボンに画像信号に応じて選択的に熱刺激を加えればよ
い。なお、前記熱刺激を加えるための手段は、前記感熱
ヘッドに限られるものではなく、感熱転写方式において
これまで提案されているものがいずれも採用可能であ
る。
【0030】
【作用】本発明で印画紙の受像層に使用される層間化合
物の代表例であるモンモリロナイトは、正八面体を基本
骨格とする3層構造の繰り返しにより構成される層状構
造を有し、各層間には層間水と交換性陽イオンであるア
ルカリ金属イオンを保持している。この状態が図1であ
る。すなわち、未処理のモンモリロナイト1は、層間に
交換性陽イオンとしてナトリウムイオン2を保持してい
る。このときの層間距離をd1 とする。
【0031】上記モンモリロナイト1を水で膨潤させて
有機陽イオン、例えば第4アンモニウムイオン3を添加
すると、図2に示すようにイオン交換が起こり、ナトリ
ウムイオン2に代わってこの第4アンモニウムイオン3
が層間に取り込まれる。このときの層間距離d2 は、未
処理のモンモリロナイトの層間距離d1 より大きく、ロ
イコ色素とのイオン交換能が付与される。
【0032】上記イオン交換能が付与されたモンモリロ
ナイトは、疎水鎖を有する第4アンモニウムイオン3を
層間に保持しているため、非水系のバインダー高分子中
に分散膨潤され、印画紙の受像層とされる。そして、こ
のような受像層が形成された印画紙に対して、ロイコ色
素前駆体を含有するインクリボンを押し当て、感熱ヘッ
ド等により熱刺激を与えると、インクリボンに含まれる
ロイコ色素前駆体(イオン化されていないために疎水性
である。)が印画紙の受像層に速やかに移行し、転写さ
れる。
【0033】転写されたロイコ色素前駆体は、非水系の
受像層中に相溶し、受像層の有する顕色機能によって酸
化されて発色し、同時にモンモリロナイトの各層間にも
入り込む。すると、第4アンモニウムイオン3とイオン
化したロイコ色素4の間でイオン交換が起こり、図3に
示すように、ロイコ色素4がモンモリロナイト1の層間
に取り込まれる。モンモリロナイト1の層間に取り込ま
れたロイコ色素4は、モンモリロナイト1とイオン結合
を形成し、強固に受像層に定着されることになる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を具体的な実験結果に基づいて
説明する。
【0035】A.定着動作のシミュレーション A−1 有機−粘土複合体の作製 モンモリナイト20gを1リットルの水中に分散して膨
潤させておき、この分散液に等量のエタノールを添加
し、さらに攪拌しながら200ccのエタノールに溶解
した各種第4アンモニウム塩(20mg当量)を滴下し
た。すると、粒状の凝集・沈降が生じた。この分散液を
一週間放置してから沈澱物をろ別し、大量のエタノール
で洗浄して未反応の第4アンモニウム塩を除去した。
【0036】続いて、洗浄した沈澱物を室温で減圧乾燥
し、灰白色の粉体を得た。この粉体の(001)面の面
間隔d001 、すなわち層間距離を粉末X線回折分析によ
り測定した。結果を表1に示す。
【表1】
【0037】A−2 ロイコ色素の定着動作 上記の処理操作で得た第4アンモニウム置換モンモリロ
ナイトを、下記の化1で示すロイコ色素(保土ヶ谷化学
社製、商品名CF51)を含むアセトン溶液中に加え、
超音波照射してほぼ無色の分散液を得た。
【化1】
【0038】この分散液に塩酸を添加してロイコ色素を
発色させて放置したところ、表1中炭素数8以上のテト
ラアルキル型の第4アンモニウムイオンで置換したモン
モリロナイトのみが黒色の沈澱物を生じ、上澄み液は無
色透明となった。なお、濃度条件は下記の通りである。 濃度条件1 第4アンモニウム置換モンモリロナイト 2.0重量部 ロイコ色素 0.03重量部 アセトン 200重量部 塩酸 0.01重量部
【0039】沈澱物を回収し、水,エタノール,アセト
ン,トルエンの順で洗浄したが、色素の溶出は認められ
なかった。なお、色素の溶出は、洗浄液に過塩素酸のア
セトン溶液を添加し、その発色の有無により調べた。一
方、炭素数8以上のテトラアルキル型の第4アンモニウ
ム以外の第4アンモニウム置換体では、上澄み液が着色
したままであり、回収した置換体(着色は少ない)はア
セトン洗浄により容易に脱色した。
【0040】次に、定着挙動を示した置換体を用い、濃
度条件を変更して同様な操作を施した。 濃度条件2 テトラ−n−デシルアンモニウム置換モンモリロナイト 2.5重量部 ロイコ色素 0.1重量部 アセトン 50重量部 塩酸 0.01〜0.1重量部
【0041】回収した着色複合体の層間距離を測定し、
塩酸添加量の関数としてプロットし、図4に示した。そ
の結果、塩酸添加量が2ミリ当量/g(置換体粉体1g
当たりのミリ当量として表示)の範囲内で層間距離がや
や減少したものの、22.6Å程度の値で一定となっ
た。
【0042】上記の現象は交換性陽イオンを有する粘土
系層間化合物と疎水化有機陽イオンとの特異な反応によ
るものと考えられ、他の固体酸、例えば交換性陽イオン
を有さないカオリン族粘土類やアルミナ、シリカゲル等
のケイ酸塩類では同様な定着作用は期待できない。
【0043】B.実施例1 B−1 インクリボンの作製 ロイコ色素(商品名CF51)の前駆体(還元消色型)
を、ポリビニルブチラール(積水化学社製、商品名PV
B3000K)を溶解するメチルエチルケトン(ME
K)に溶解し、次の組成の塗布溶液を調製した。 組成 ポリビニルブチラール 1重量部 ロイコ色素前駆体 1重量部 MEK 50重量部
【0044】この溶液をワイヤーバーを用いて裏面に耐
熱滑性層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム
(PETフィルム)上に塗布し、120℃の熱風にて2
分間乾燥して乾燥時膜厚が約1μmの無色透明層を有す
るインクリボンを得た。
【0045】B−2 印画紙の作製 ビニリデンクロリド−アクリロニトリル共重合体(以
下、PVCL−ANと称する。アルドリッチ社製)を下
記の重量比で含む溶液を調製し、塗布原液1とした。 塗布原液1の組成 没食子酸オクチル 3重量部 PVCL−AN 2重量部 シリコンオイル 0.3重量部 MEK 20重量部 また、テトラ−n−デシルアンモニウム置換モンモリロ
ナイトを下記の重量組成でMEKに超音波分散・膨潤さ
せ、塗布原液2とした。 塗布原液2の組成 テトラ−n−デシルアンモニウム置換モンモリロナイト 2重量部 MEK 30重量部
【0046】そして、これら塗布原液1及び塗布原液2
を等重量比で混合し、さらに超音波照射により分散して
塗布液とした。この塗布液をドクターブレードを用いて
厚さ180μmの合成紙上に塗布し、減圧下60℃で3
0分間乾燥した。この操作により、乾燥時膜厚が約5μ
mの皮膜を受像層として有する印画紙を作製した。次
に、表面性を改善するために、加熱・加圧処理を加え、
光沢ある淡黄色の受像層とした。
【0047】B−3 印画実験 B−1及びB−2で作製したインクリボンと印画紙を用
いて実用形態での画像形成を行った。具体的には、作製
したインクリボンをソニー社製カラービデオプリンター
のリボンカセットに、印画紙を印画紙カセットにそれぞ
れ装着して、単色でベタ(全面発色)印画したところ、
緑黒色の光沢のある画像が得られた。出力後、100℃
で20秒ほど加熱すると、画像濃度がさらに上昇した。
【0048】この画像の一部を80℃の温水中に投入し
たが、2時間経過しても退色はなかった。そこで、温水
中への含浸前後での画像の反射濃度を測定したところ、
O.D値が2.1から1.9にやや減少していたが、水
蒸気に接触していた部分も含めて画像のボケは全く認め
られなかった。
【0049】C.実施例2 C−1 印画紙の作製 合成マイカ(トピー工業社製、商品名DMA−350、
原料の層間距離12.40Å)の乾燥粉末をふるいにか
けて粒径が数μm以下の成分を回収し、その20gを1
リットルの水中に分散して膨潤させておき、この分散液
に等量のエタノールを添加し、さらに攪拌しながら20
0ccのエタノールに溶解した臭化テトラ−n−デシル
アンモニウム13.2g(20mg当量)を滴下した。
すると、粒状の凝集・沈降が生じた。この分散液を一週
間放置してから沈澱物をろ別し、大量のエタノールで洗
浄して未反応の第4アンモニウム塩を除去した後、室温
で減圧乾燥した。前記アンモニウムイオン置換処理をし
た合成雲母は、白色を呈し、その層間距離は29.14
Åであった。
【0050】この合成雲母を用い、B−2の処方になら
って下記の組成の塗布液を調製し受像層を作製した。 塗布原液1の組成 カルボキシル化塩化ビニルポリマー 0.5重量部 ビスフェノールA 0.5重量部 シリコンオイル 0.5重量部 蛍光増白剤 0.01重量部 (チバガイギー社製、商品名UVITEXOB) MEK 20重量部 塗布原液2の組成 テトラ−n−デシルアンモニウム置換合成雲母 1.5重量部 MEK 30重量部
【0051】これらの塗布原液1及び塗布原液2を等重
量比で混合し、さらに超音波照射により分散して塗布液
とした。ドクターブレードを用いて厚さ180μmの合
成紙に塗布し、減圧下60℃で30分乾燥した。この操
作により、乾燥時膜厚が約5μmの皮膜を受像層として
有する印画紙を作製し、さらに表面性を改善するために
加熱・加圧処理を加えて光沢のある純白の印画紙を得
た。
【0052】C−2 印画実験及び移行性の評価 先のB−1で作製したインクリボンを用い、C−1で作
製した印画紙に対して実用形態での画像形成を行った。
具体的には、インクリボンをソニー社製カラービデオプ
リンターのリボンカセットに、印画紙を印画紙カセット
に装着し、単色でステップ印画(階調印画)を行ったと
ころ、階調性に富んだ光沢ある画像が得られた。
【0053】また、移行性を評価するために、移行の相
手となる素材として通常のコピー用紙を用い、画像形成
した印画紙とコピー用紙を重ね合わせて60℃、相対湿
度80%の環境下に一週間放置したが、画像の移行はほ
とんど認められなかった。これに対して、受像層を形成
するための塗布液中、第4アンモニウム置換合成雲母の
代わりに酸性アルミナ粒子を添加して作製した印画紙を
用い、同様な手法で作製した画像では、その濃度の80
%以上がコピー用紙の方へ移った。以上の評価結果か
ら、本発明は極めて定着性に優れた感熱転写方式の画像
形成方法を提供するものであることが明らかである。
【0054】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、感熱転写されたロイコ色素の定着性を飛躍
的に改善することができ、銀塩系写真像に匹敵する定着
性が付与された画像を得ることが可能である。また、色
材に疎水性のロイコ色素前駆体を用い、且つロイコ色素
の受像層への結合にイオン結合を利用していることか
ら、転写・定着が瞬時に行われ、優れた熱転写感度を実
現することが可能である。
【0055】さらに、本発明において用いる印画紙は、
汎用の色素や粘土鉱物等を使用したものであり、これま
での印画紙製造方法に準拠して製造されるものであるの
で、製造が容易であり、安価に提供することができる。
さらにまた、印画紙の受像層に粘土鉱物が含まれること
から、適度な表面硬度が付与され、例えば鉛筆等によっ
て必要な事項を書き込むことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】モンモリロナイトの構造を示す模式図である。
【図2】第4アンモニウムイオンで置換されたモンモリ
ロナイトの模式図である。
【図3】ロイコ色素でイオン交換されたモンモリロナイ
トの模式図である。
【図4】塩酸添加量とモンモリロナイトの層間間隔の関
係を示す特性図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロイコ色素とのイオン交換能が付与され
    た層間化合物を含有するとともに顕色機能を有する印画
    紙に対し、ロイコ色素前駆体を含有するインクリボンを
    接触せしめ、 熱刺激により上記インクリボンから上記印画紙にロイコ
    色素前駆体を移行し、上記顕色機能によって発色したロ
    イコ色素をイオン交換によって上記層間化合物の層間に
    取り込み定着することを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 ロイコ色素とイオン交換可能なイオンで
    置換された層間化合物とバインダー高分子とを含有し、
    顕色機能を有する受像層が支持体上に形成されているこ
    とを特徴とする印画紙。
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