JP3125195B2 - 産業廃棄物乾留ガス連続発電装置 - Google Patents

産業廃棄物乾留ガス連続発電装置

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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は産業廃棄物乾留ガス連続
発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種類の産業廃棄物乾留ガス連続発電
装置として産業廃棄物乾燥部と連動し悪臭対策を施した
装置としては特公昭62−169919号公報によって
提案されているがこの発明は密閉構造の焼却炉と空気分
解装置を用いて、発生した酸素で燃焼させ熱交換器でタ
ービンを回して発電する無公害な装置で有るが、構造が
複雑で低コストの処理が要求される廃棄物処理が不可能
であった。また産業廃棄物発電としては特公昭63−1
86920号公報によって知られているが廃棄物を汚水
処理槽を用いて大量のガスを発生させガスタービン発電
機を用いて800℃以上の燃焼温度で無臭に処理するた
め,ガスタービンを回転させるに必要なガスを発生させ
るためには大容量の分解処理槽が必要であり実現は困難
である。さらに産業廃棄物の乾燥に関しては特公平2−
50012号公報によって提案がなされているが、この
発明は通常の焼却炉の内部に熱交換器を設けて温水をつ
くり廃棄物搬送コンベア部で温風乾燥させるもので搬送
距離と停留時間の関係で多湿な廃棄物の完全乾燥は不可
能で悪臭漏出など問題点を有しており産業廃棄物乾留ガ
ス化炉の応用は不可能である。さらにまた乾留ガス化炉
の気密保持と分離した液体の炉内注入処理に関連しては
特公昭58−2382号公報によって提案がされている
が、この発明は排煙処理と外気の流入により熱分解が阻
害される点に問題がありそのために高性能な乾留ガスを
得る事が困難でタールだけで無く多くの水分と粉塵や塩
基性物質を含み処理に問題がある。また乾留ガス化炉内
での産業廃棄物の堆積高さに関しては特公昭64−46
575公報があるが、産業廃棄物の焼却で炉内で発生す
る高温悪性ガスに曝され熱電対の耐久性に問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】産業廃棄物はその性
質状、屋外での貯蔵又は保管が主で風雨を受けて常に多
湿な状態であり、一般には含水率25〜50%wdであ
る、乾燥するには粉塵と悪臭が発生するため通常は処理
前に乾燥し焼却炉で処理する事は不可能であった。この
ような多湿の産業廃棄物を従来は未乾燥のまま乾留ガス
化炉内に直接投入して炉内の乾燥層で乾燥し熱分解させ
ているが、熱分解され排出される乾留ガス中に多量の水
分を含みまた、排出される乾留ガスの温度を低下させて
高カロリーの乾留ガスを得ることは困難であった、そし
て乾留ガス化炉の内部では水分が凝縮して蓄積され水棚
を形成し架橋現象を起こして乾留ガス化炉内部で産業廃
棄物の自然落下を妨げたり、空洞部を形成し火道を形成
し部分燃焼を起こして乾留ガスの発生を著しく阻害して
いたが、多湿な産業廃棄物でも悪臭や煙の漏出する事が
無い、安全でクリーンな処理が可能で、有害な2次環境
汚染物質を発生させず、取扱い操作が簡単な産業廃棄物
乾留ガス連続発電装置が要求されていた。
【0004】
【問題点を解決するための手段】乾留ガス化炉で生成し
た熱分解ガスの不純物を凝縮除去するために設けた、熱
交換器やガスエンジンで熱吸収をした高温水を循環し、
多湿な産業廃棄物を温風熱交換器によって乾燥し悪臭を
含んだ排気を乾留ガス化炉に導入して熱分解による処理
と廃棄物投入口より流入する外気を防止するために設け
た、吸引ブロワーの排気を利用して焼却残渣を搬送しサ
イクロンで分離し煙と悪臭を含んだ排気を産業廃棄物乾
留ガス連続発電装置外への漏出を防止し、乾留ガスの改
質ため凝縮分離させたタールと冷却洗浄した粉塵と塩基
性汚水やサイクロンで捕捉した分離水を薬液注入で中和
処理した水と混合し乾留ガス化炉壁部のコイル管で加熱
して炉内の冷却層に注入し水蒸気反応により発熱量の大
幅な向上を図り、炉の過熱防止と熱損失を防いで、汚染
水の処理をする、産業廃棄物乾留ガス連続発電装置。
【0005】
【作用】産業廃棄物を乾留ガス化炉で熱分解して生成し
た乾留ガス中のタール及び水分を凝縮除去するために設
けた、水冷サイクロンとガス冷却器やガスエンジンの熱
交換器で冷却水が吸熱した温水を廃棄物乾燥ホッパーの
下部に設けた温風熱交換器によって温風に換え、多湿な
産業廃棄物を乾燥した空気と、乾留ガス炉への外気流入
防止のため設けた吸引ブロワーの排気を利用して焼却残
渣を搬送し煙と悪臭を含んだ排気をサイクロンで分離
し、乾留空気ブロワーによって乾留ガス化炉内の燃焼層
に圧送し、熱分解で煙と悪臭を処理して乾留ガス化を促
進させて連続的に熱分解して、生成した乾留ガスの凝縮
除去と洗浄により捕捉したタールと汚染水を乾留ガス炉
内で水性ガス反応によって発熱量を大幅に増強した、高
性能でクリーンな乾留ガスによってガスエンジンを運転
し発電機で連続的に発電する。
【0006】
【実施例】以下本発明の産業廃棄物乾留ガス連続発電装
置を図面に基づいて詳述する。図1は産業廃棄物乾留ガ
ス連続発電装置の全体構成図で、廃プラスチック類、紙
木屑、ゴム屑などの多湿な有機性産業廃棄物は投入口1
より床と一体となって斜面に設けたエアスクリーン5に
よって構成された乾燥ホッパー3内に投入される、床下
の温風室6の側面に固定された温風熱交換器7のモータ
ーでファンが駆動され外気を温風に換えエアスクリーン
5の斜孔部より通風して乾燥ホッパー3内の停留廃棄物
を乾燥する、乾燥して悪臭を含んだ排気は乾燥ホッパー
3室上部に設けた排気分離サイクロン4によってダスト
と分離され乾留空気ブロワー20によって吸引され乾留
ガス化炉15炉内部のD燃焼層に送られ熱分解処理され
る、産業廃棄物の投入時は投入口開閉スイッチ2に連動
して温風熱交換器7のファンは停止し、同時に排気分離
サイクロン4の下部が開放されて捕捉されたダストが乾
燥ホッパー3内に排出される機構で悪臭と煙が装置外部
への漏出が生じない構造である。乾燥ホッパー3内で乾
燥された停留廃棄物はスクリュー駆動モーター11によ
って斜行回転する竪搬送スクリュー9によってホッパー
室10まで上昇搬送され斜落し、同時に竪搬送スクリュ
ー9と連動駆動している投入スクリュー12によって乾
留ガス化炉15内に投入される、必要投入量は乾留ガス
化炉15の上部に設けたレベルスイッチ14によって乾
留ガス化炉15の内部で産業廃棄物は常に一定基準面を
維持する事が可能なシステムである。乾留ガス化炉15
内部の圧力は常に負圧であるため竪搬送スクリュー9や
スクリュー駆動モーター11などの隙間から外気が流入
して投入スクリュー12部より炉内部に流入し熱分解を
著しく阻害するため、ホッパー室10の気圧を乾留ガス
化炉15内部と同等な圧力かまたは負圧にする必要があ
り、ホッパー室10の上部に設けた圧力保持ブロワー1
3によってホッパー室10内の空気が排出され乾留ガス
化炉15内部と同等な圧力または負圧とする事で外気の
進入は防止される、臭気と煙を含んだ排出空気は残渣排
出スクリュー19の先端部に接続して設けられた残渣搬
送エジェクター37によって焼却残渣を残渣サイクロン
38に気送搬送させ焼却残渣と分離された排気は温風室
6内に排出して循環されるため装置より外部への煙と悪
臭の漏出を防止する。乾留ガス化炉15内に投入された
産業廃棄物は乾燥ホッパー3より煙と悪臭を含んだ空気
が乾留空気ブロワー20によって炉内の周壁部の複数の
通気孔と一体の中央部通気孔16からD燃焼層へ給気さ
れ産業廃棄物を熱分解し生成した乾留ガスは、炉上部よ
り吸引ブロワー22によって排出され水冷サイクロン2
1の通過時に水冷熱交換コイルによってタールが凝縮除
去されて更にガス洗浄冷却器23で乾留ガス密度を下げ
同時に散水装置により洗浄され粉塵や塩基性物質が除去
されて排気ブロワー25の吸引によって加速された乾留
ガスは除湿サイクロン24によって気水分離がなされ、
クリーンな乾留ガスが連続的に発生してガスエンジン2
9に供給されガスエンジンを回転させて発電機28を駆
動し電気を発生する、燃焼したガスは消音器30を通過
し大気中に放出される。図2は乾燥装置、焼却残渣処理
装置、乾留ガス炉及びガス浄化冷却装置の詳細図で、乾
留ガス化炉15の内部で産業廃棄物は熱分解処理により
上部よりA乾燥層、B熱分解層、C還元層、D燃焼層、
E冷却層によって構成され、炉最下部に残渣排出口18
が設けられ乾留ガス化反応を終了した焼却残渣は残渣排
出スクリュー19によって炉外に排出される。産業廃棄
物乾燥の熱源は水冷サイクロン21の冷却コイルやガス
洗浄冷却器23とガスエンジン排熱で加熱された温水を
循環ポンプ8によって温風熱交換器7に送られファンが
駆動され外気で冷却する密閉式循環システムで内部の循
環水の圧力が規定以上の圧力になった場合はガス洗浄冷
却器23の上部に設置した減圧弁33が開放され大気中
に放出し減圧し装置の破損を防ぐ構造である。乾留ガス
改質のために設けられた水冷サイクロン21で捕捉分離
されたタールは下部の排出パイプによってタール水タン
ク26のタール部35に排出される、ガス洗浄冷却器2
3で洗浄されて粉塵や塩基性物質を除去された乾留ガス
は除湿サイクロン24で気水分離され、洗浄した粉塵や
塩基性物質と分離捕捉した水は下部の排出パイプによっ
てタール水タンク26の洗浄水部36に排出され中和材
注入ポンプ34で薬液によってpH調整され洗浄水循環
ポンプ32によってガス洗浄冷却器23で再度散水され
る、洗浄水部36よりの中和水が補給されて混合され
た、タール含中和水は定量ポンプ27によって乾留ガス
化炉15の周壁内のコイル管で加熱され水蒸気となり水
タール給水孔17より乾留ガス炉15内下部のE冷却層
に給水されて、燃焼後に焼却残渣が保持する熱量で水性
ガス反応し乾留ガスの発生量の増加とガス発熱量の大幅
な強化をはかり併せて残渣排出装置の過熱と熱損失を防
止し、蒸発や給水で不足した水はフロートバルブ31に
よって外部より補給し常に一定の水面を保持する構成で
ある。
【0007】
【発明の効果】多湿な産業廃棄物でも乾留ガス化炉で生
成した乾留ガスの浄化のため設けた凝縮除去やガスエン
ジンで吸熱した高温水を循環利用し焼却炉への投入前に
廃棄物を乾燥し発生した悪臭と、炉上部の投入口からの
空気流入防止のため設けた吸引ブロワーの排気利用によ
る焼却残渣搬送により発生した煙を乾留ブロワーによっ
て乾留ガス化炉内部で熱分解により処理し悪臭と煙の装
置外への漏出を防いだ。乾燥する廃棄物を乾留ガス化炉
に投入する事で乾留ガス中の水分の減少と炉内部での凝
縮による架橋現象と部分燃焼を起こさず、乾留ガスの凝
縮分離と冷却洗浄で発生したタール含む中和水を乾留ガ
ス化炉内の冷却層に注入処理し水性ガス反応で発熱量を
大幅に増強する事が出来た、炉内堆積物自体がタールの
フイルターとなって、高カロリーでクリーンな乾留ガス
を連続的に発生しガスエンジンを回転させ発電する事が
できた、装置からはエンジン排気と焼却残渣以外の汚染
物質〔臭気、煙、酸性汚染水〕は一切排出しないため、
有害で多湿な廃棄物を燃料資源とし、電気エネルギーと
して回収出来る廃棄物乾留ガス連続発電装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる廃棄物乾留ガス連続発電装置の
全体構成図である。
【図2】同例に係わる 乾燥装置、残渣処理装置、乾留
ガス炉、ガス浄化装置の詳細図である。
【符号の説明】
7温風熱交換器 10ホッパー室 12投入スクリュー 15乾留ガス化炉 17水タール給水孔 20乾留空気ブロワー 21水冷サイクロン 23ガス洗浄冷却器 24除湿サイクロン 29ガスエンジン

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乾留ガス浄化用熱交換器や乾留ガスエンジ
    ンで熱吸収した高温水を温風熱交換器に循環させ、多湿
    な産業廃棄物を乾燥ホッパーにおいて温風熱交換器の熱
    風で乾燥し、悪臭を含んだ排気を乾燥ホッパーから乾留
    ガス化炉内に導入し熱分解して処理したことを特徴とし
    た産業廃棄物乾留ガス連続発電装置。
  2. 【請求項2】廃棄物投入スクリュー部より乾留ガス化炉
    の内部へ流入する空気を防止するために設けた、吸引ブ
    ロワーの排気を利用して焼却残渣を搬送し、サイクロン
    で分離した煙と悪臭を乾留ガス化炉内に導入して、熱分
    解によって処理したことを特徴とした産業廃棄物乾留ガ
    ス連続発電装置。
  3. 【請求項3】乾留ガス改質のため凝縮分離したタール
    と、冷却洗浄した粉塵や塩基性汚水を薬液注入により中
    和処理した水と混合し、乾留ガス化炉壁内部のコイル管
    で加熱して乾留ガス化炉内の冷却層に注入し、水性ガス
    反応により発熱量を大幅に向上し炉の加熱防止と汚染物
    資の処理をしたことを特徴とした産業廃棄物乾留ガス連
    続発電装置。
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