JP3124032B2 - 2−(2,3−ジカルボキシシクロプロピル)グリシン及びその製造法 - Google Patents

2−(2,3−ジカルボキシシクロプロピル)グリシン及びその製造法

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JP3124032B2
JP3124032B2 JP05507602A JP50760293A JP3124032B2 JP 3124032 B2 JP3124032 B2 JP 3124032B2 JP 05507602 A JP05507602 A JP 05507602A JP 50760293 A JP50760293 A JP 50760293A JP 3124032 B2 JP3124032 B2 JP 3124032B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、2−(2,3−ジカルボキシシクロプロピ
ル)グリシン及びその製造法に関するものである。さら
に詳細には、L−グルタミン酸受容体の研究に大きな役
割を果たしているシクロプロピルグリシン誘導体に関す
る。
本化合物の開発は、L−グルタミン酸受容体の遮断薬
の開発への糸口を提供するものであり、てんかん、ハン
チントン氏病、パーキンソン氏病等の神経障害、神経変
異症等の治療への展開が期待できる。また、本発明の化
合物を提供することは、L−グルタミン酸およびその類
縁化合物のコンフォメーションと活性との相関から、受
容機構を解明する上で重要な知見を与えるものと期待さ
れる。
背景技術 L−グルタミン酸は哺乳動物の中枢神経における興奮
性神経刺激の伝達物質として、神経細胞を破壊して種々
の脳・神経疾患を惹起する神経興奮毒として、さらに記
憶や学習の形成に重要に関わる物質として注目を集めて
いる。
L−グルタミン酸受容体は、このような多様な生理機
能と連結しており、外因性のアゴニスト群の導入によ
り、次の3種類のサブタイプに分類されている。
(a)NMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)タイプ (b)KA(カイニン酸)タイプ (c)AMPA(アンパ)タイプ また、KA(カイニン酸)タイプとAMPA(α−アミノ−
3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソキサゾールプロ
ピオン酸)タイプをまとめて非NMDAタイプと称すること
もある。
従来、NMDAタイプ受容体は神経興奮毒の中心と考えら
れており、受容体の過度の活性化により神経細胞が破壊
され、ひいては様々な神経疾患を惹起する引き金となる
部位と推定されている。
このNMDAタイプ受容体については、本発明者らは、
(2S,1′R,2′S)−2−(2−カルボキシシクロプロ
ピル)グリシンが、NMDAを凌ぐ強力なNMDAタイプのアゴ
ニストであり、グルタミン酸のfolded型の立体配座がNM
DA受容体を活性化することを開示している(特開平1−
093563)。
また、非NMDAタイプ受容体についても、本発明者ら
は、(2S,1′R,2′R,3′R)−2−(2−カルボキシ−
3−メトキシメチルシクロプロピル)グリシンおよび
(2S,1′R,2′R,3′R)−2−(2−カルボキシ−3−
ベンジルオキシメチルシクロプロピル)グリシンが非NM
DAタイプのアゴニストであることを開示している(Tetr
ahedron Letters 31巻 28号 4049−4052頁 1990
年;Brain Res.,550巻152−156頁 1991年)。
しかしながら、これらのL−グルタミン酸受容体のア
ゴニストを医薬として開発するためには、新しいアゴニ
ストとそれらの新しいアッセイ系についての研究が必要
とされている。
発明の総括 さらに本発明者らは、L−グルタミン酸受容体のアゴ
ニストについて鋭意研究を行い、extended型とfolded型
の立体配座を固定した構造を同一分子中に併せ持つカル
ボルキシクロプロピルグリシン誘導体として、式(1)
で表される(2S,1′R,2′R,3′R)−2−(2,3−ジカ
ルボキシシクロプロピル)グリシン(以下DCG−Iと略
記) および式(2)で表される(2S,1′S,2′S,3′S)−2
−(2,3−ジカルボキシシクロプロピル)グリシン(以
下DCG−IIと略記) を合成し、これらの化合物のL−グルタミン酸受容体に
対するアゴニストとしての活性を検討した。
さらに、本発明者らは、これらの化合物を新生ラット
脊髄摘出標本における単シナプス反射に対する阻害活性
について測定した。
その結果、本願発明の化合物はNMDA−タイプのアゴニ
ストであって、しかも単シナプス反射に対する阻害活性
を有することにより、本発明を完成した。
発明の詳細な説明 本発明の化合物の一つであるDCG−Iは、例えば、下
記スキームIのようにして合成できる。
(式中TBSはt−ブチルジメチルシリル基を示し、Bocは
t−ブトキシカルボニル基を示す。) 上記スキームI中、先ず式(3)で示される(1R,7S,
8R,9R)−3−アザ−9−t−ブチルジメチルシリルオ
キシメチル−4,4−ジメチル−5−オキサトリシクロ
〔6.1.0.03,7〕ノナン−2−オン(Tetrahedron Lette
rs 31巻 28号 4049〜4052頁 1990年に記載)を既知
の方法で脱t−TBS化して式(4)で示されるアルコー
ル体とする。
得られたアルコール体は精製することなく、水および
エタノールに溶解して、3当量の水酸化バリウム等でア
ルカリ加水分解し、硫酸で中和後不溶物を濾去し、濾液
をトリエチルアミンでpH9に調節し、ジ−t−ブチルジ
カルボナート処理によりブトキシカルボニル化して、式
(5)で示される(2S,1′R,2′R,3′R)−N−tert−
ブトキシカルボニル−2−(2−カルボキシ−3−ヒド
ロキシメチルシクロプロピル)グリシノールが得られ
る。
次いで、式(5)の生成物をジアゾメタンで処理して
式(6)で示されるメチルエステル体、(2S,1′R,2′
R,3′R)−N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2
−メトキシカルボニル−3−ヒドロキシメチルシクロプ
ロピル)グリシノールとし、さらにジョーンズ試薬処理
の後にジアゾメタン処理することにより式(7)で示さ
れるトリメチルエステル体、(2S,1′R,2′R,3′R)−
N−tert−ブトキシカルボニル−2−(2,3−ジメトキ
シカルボニルシクロプロピル)グリシンメチルエステル
として、これを加水分解して目的の式(1)の化合物を
得ることができる。
また、DCG−Iは例えば、Tetrahedron Letters 31
巻 28号 4051頁のスキーム2中の化合物12a(すなわ
ち、下記スキームI a中の化合物13)を出発化合物とし
て、下記スキームI aに従って、高立体選択的におよび
高収率で合成することができる。
(上記スキーム中、TBSはt−ブチルジメチルシリル基
を示し、Bocはt−ブトキシカルボニル基を示し、CSAは
(±)−10−カンファースルフォン酸を示し、TBSC1は
t−ブチルジメチルシリルクロライドを示し、Imはイミ
ダゾールを示し、KNTMS2はカリウムビストリルメチルシ
リルアミドを示す。) スキームI aによれば、式(13)で示される(2S,1′
S,2′S,3′R)−N−t−ブトキシカルボニル−2−
(3−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル−2−メ
トキシカルボニルシクロプロピル)グリシノール t−
ブチルジメチルシリルエーテルをdl−カンファースルフ
ォン酸および2,2−ジメトキシプロパンで処理して式(1
4)で示される(1S,5R,6S,4′S)−6−〔N−(t−
ブトキシカルボニル)−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾ
リジン−4−イル〕−3−オキサビシクロ〔3.1.0〕ヘ
キサン−2−オンを得る。
次いで、式(14)の生成物をアルカリ加水分解し、メ
チルエステル化する。そして再び水酸基をt−ブチルジ
メチルシリル基で保護して式(15)で示される(4S,1′
S,2′S,3′R)−N−t−ブトキシカルボニル−2,2−
ジメチル−4−〔3−(t−ブチルジメチルシリル)オ
キシメチル−2−メトキシカルボニルシクロプロピル〕
−1,3−オキサゾリジンを得る。
次いで、式(15)の生成物をカリウムビストリメチル
シリルアミドで処理して式(16)で示される(4S,1′S,
2′R,3′R)−N−t−ブトキシカルボニル−2,2−ジ
メチル−4−〔3−(t−ブチルジメチルシリル)オキ
シメチル−2−メトキシカルボニルシクロプロピル〕−
1,3−オキサゾリジンに変換し、トリフロロ酢酸処理後
にジ−t−ブチルジカーボネートで処理して式(17)で
示される(2S,1′R,2′R,3′R)−N−t−ブトキシカ
ルボニル−2−(2−メトキシカルボニル−3−ヒドロ
キシメチルシクロプロピル)グリシノールを得る。
次いで、ジョーンズ酸化、メチルエステル化、水酸化
リチウム処理により式(7)で示される(2S,1′R,2′
R,3′R)−N−t−ブトキシカルボニル−2−(2,3−
ジメトキシカルボニルシクロプロピル)グリシン メチ
ルエステルとし、これを加水分解して式(1)の化合物
を高立体選択的におよび高収率で合成することができ
る。
一方、本発明のもう1つの化合物であるDCG−IIは、
例えば、上述のDCG−Iと同様に下記スキームIIのよう
にして合成できる。
(式中TBSはt−ブチルジメチルシリル基を示し、Bocは
t−ブトキシカルボニル基を示す。) 上記スキームIIにおいては、式(8)で示される(1
S,7S,8S,9S)−3−アザ−9−t−ブチルジメチルシリ
ルオキシメチル−4,4−ジメチル−5−オキサトリシク
ロ〔6.1.0.03,7〕ノナン−2−オン(Tetrahedron Let
ters 31巻 28号 4049〜4052頁 1990年に記載)を出
発原料とする。
本発明の化合物の一つであるDCG−Iは、新生ラット
脊髄摘出標本を用いた電気生理学的アッセイではNMDAタ
イプのアゴニストであることが判明した。
DCG−IIはNMDAタイプの弱いアゴニスト活性のみしか
示さないこともわかった。
さらに、本発明の化合物は、新生ラット脊髄摘出標本
を用いる単シナプス反射抑制試験において、低濃度で、
単シナプス反射を50%抑制した(DCG−Iは6.0×10
-8M、DCG−IIは1.0×10-6M)。
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明の範囲はこれらのみに限定されるものではな
い。
実施例1.(2S,1′R,2′R,3′R)−2−(2,3−ジカル
ボキシシクロプロピル)グリシン(DCG−I)(1)の
合成 DCG−Iの合成は、上記スキームIに従って実施し
た。
ステップ1.(2S,1′R,2′R,3′R)−N−tert−ブトキ
シカルボニル−2−(2−メトキシカルボニル−3−ヒ
ドロキシメチルシクロプロピル)グリシノールの(6)
の合成 (1R,7S,8R,9R)−3−アザ−9−t−ブチルジメチ
ルシリルオキシメチル−4,4−ジメチル−5−オキサト
リシクロ〔6.1.0.03,7〕ノナン−2−オン(3)200mg
(0.64mmol)のテトラヒドロフラン(以下THFと略記)2
mlの溶液に、氷冷下にテトラ−n−ブチルアンモニウム
フロリド(1M/THF溶液)1mlを加えて10分間攪拌してア
ルコール体(4)を得た。
得られたアルコール体(4)は精製することなく水2m
l,エタノール2mlに溶解し、水酸化バリウム606mg(1.92
mmol)を加えて80℃で3時間攪拌した。希硫酸で中和後
不溶物を濾去し、濾液をトリエチルアミンでpH9に調整
した。
これにジ−t−ブチルジカルボナート146μl(0.64m
mol)とジオキサン2mlを加えて室温で16時間攪拌した。
反応液をエーテルで洗浄後、水層を1N塩酸でpH1に調整
し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去してア
モルファス状の(5)を得た。これにジアゾメタンのエ
ーテル溶液を加えてメチルエステルとし、定量的に標記
化合物(6)を得た。
得られた化合物(6)の物性値を下に示す。
性状:非結晶固体 IR(cm-1) :3392,2988,2884,1726,1716,1708,169
6 〔α〕 :−38.6゜(c0.75,CHCl31 H−NMR(δppm):1.44(s,9H),1.48(m,1H) (CDCl3) 1.74(dd,1H,J=6,9Hz) (100MHz) 1.96(m,1H),2.28(s,1H) 2.97(m,1H),3.27(m,2H) 3.57(m,3H),3.67(s,3H) 5.44(brd,1H,J=7Hz) ステップ2.(2S,1′R,2′R,3′R)−N−tert−ブトキ
シカルボニル−2−(2,3−ジメトキシカルボニルシク
ロプロピル)グリシンメチルエステル(7)の合成 得られたメチルエステル(6)70mg(0.24mmol)をア
セトン2mlに溶解し、氷冷下でJones試薬を加え、氷冷下
で1時間、室温でさらに3時間攪拌した。氷冷下でイソ
プロピルアルコールを加えて過剰の試薬を分解し、酢酸
エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸
マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して得られた残
渣にジアゾメタンのエーテル溶液を加えてメチルエステ
ル化を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メ
タノール/クロロホルム=3/97)で精製して、標記化合
物(7)を75mg得た(収率90%)。
得られた化合物(7)の物性値を下に示す。
性状:無色結晶 融点:94.0−95.0℃(発泡分解) IR(cm-1) :3372,2964,1730 〔α〕 :+4.0゜(c0.99,CHCl31 H−NMR(δppm):1.46(s,9H), (CDCl3) 1.97(ddd,1H,J=6,10,10Hz) (100MHz) 2.39(dd,1H,J=6,10Hz) 2.63(t,1H,J=6Hz,) 3.69(s,3H),3.73(s,3H) 3.74(s,3H) 4.46(dd,1H,J=9,10Hz) 5.18(brd,1H,J=9Hz) ステップ3.(2S,1′R,2′R,3′R)−2−(2,3−ジカ
ルボキシシクロプロピル)グリシン(DCG−I)(1)
の合成 トリメチルエステル体(7)58mg(0.17mmol)をTHF1
mlに溶解し、1M水酸化ナトリウム水溶液1mlを加えて氷
冷下で5時間、室温でさらに24時間攪拌した。これに2N
塩酸1mlを加え室温で18時間攪拌した。減圧濃縮後の残
渣を水で希釈して、ダウエックス50W×4のカラムクロ
マトグラフィーに付し、水で洗浄後1Nアンモニア水で溶
出した。アンモニア水を減圧留去後1N塩酸でpH2に調整
し、水−エタノールから結晶化させて22mgの標題化合物
を得た(収率65%)。
得られた化合物(1)の物性値を下に示す。
性状:無色結晶 融点:174−176℃(発泡分解) IR(cm-1) :3372,2964,1730 〔α〕 :−20.2゜(c0.44,H2O)1 H−NMR(δppm):1.97(ddd,1H,J=5.9,9.6, (D2O) 10.2Hz) (270MHz) 2.18(dd,1H,J=5.0,5.9Hz) 2.32(dd,1H,J=5.0,9.6Hz) 3.89(d,1H,J=10.2Hz) HR−MS(FAB) :204.0523(理論値:204.0508) 実施例2.(2S,1′S,2′S,3′S)−2−(2,3−ジカル
ボキシシクロプロピル)グリシン(DCG−II)(2)の
合成 DCG−IIの合成は、上記スキームIIに従って実施例1
と同様の方法で実施した。
(1S,7S,8S,9S)−3−アザ−9−t−ブチルジメチ
ルシリルオキシメチル−4,4−ジメチル−5−オキサト
リシクロ〔6.1.0.03,7〕ノナン−2−オン(8)300mg
(0.96mmol)を出発原料に、実施例1と同様の方法でト
リメチルエステル体(12)82mgを得た(収率25%)。得
られたトリメチルエステル体(12)65mg(0.19mmol)か
ら同様に標題化合物10mgを得た(収率26%)。
得られた化合物(2)の物性値を下に示す。
性状:無色結晶 融点:153−157℃(発泡分解) IR(cm-1) :3372,2964,1730 〔α〕 :+74.9゜(c0.57,H2O)1 H−NMR(δppm):1.98(ddd,1H,J=5.5,9.0, (D2O) 10.5Hz) (270MHz) 2.21(dd,1H,J=5.0,9.0Hz) 2.34(dd,1H,J=5.0,5.5Hz) 3.93(d,1H,J=10.5Hz) HR−MS(FAB) :204.0480(理論値:204.0508) 合成中間体である(2S,1′S,2′S,3′S)−N−tert
−ブトキシカルボニル−2−(2−メトキシカルボニル
−3−ヒドロキシメチルシクロプロピル)グリシノール
(11)の物性値を下に示す。
性状:非結晶固体 IR(cm-1) :3372,2984,2888,1726,1718,1700,169
2 〔α〕 :−16.5゜(c1.31,CHCl31 H−NMR(δppm):1.44(s,9H),1.80(m,3H) (CDCl3) 3.00(br.1H) (100MHz) 3.26(d,1H,J=8Hz) 3.69(s,3H),3.74(m,3H) 4.94(d,1H,J=8Hz) 中間体(12)である(2S,1′S,2′S,3′S)−N−te
rt−ブトキシカルボニル−2−(2,3−ジメトキシカル
ボニルシクロプロピル)グリシンメチルエステルの物性
値を以下に示す 性状:油状物質 IR(cm-1) :3384,2964,1732 〔α〕 :+46.0゜(c0.75,CHCl31 H−NMR(δppm):1.43(s,9H), (CDCl3) 2.10(ddd,1H,J=6,9,9Hz) (100MHz) 2.33(dd,1H,J=5,9Hz) 2.53(t,1h,J=5Hz) 3.69(s,3H),3.72(s,3H) 3.76(s,3H) 4.42(t,1H,J=9Hz) 5.20(brs,1H) 実施例 3.(2S,1′R,2′R,3′R)−2−(2,3−ジカ
ルボキシシクロプロピル)グリシン(DCG−I)(1)
の合成(その2) ステップ1.(1S,5R,6S,4′S)−6−[N−(t−ブト
キシカルボニル)−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジ
ン−4−イル]−3−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサ
ン−2−オン(14) (2S,1′S,2′S,3′R)−N−t−ブトキシカルボニ
ル−2−(3−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル
−2−メトキシカルボニルシクロプリピル)グリシノー
ル t−ブチルジメチルシリルエーテル[13,1.20g(2.
32mmol]のメタノール(20ml)溶液にdl−カンファース
ルホン酸(20mg)加え、窒素気流下、室温で5時間撹拌
した。溶媒を減圧留去した後、塩化メチレン(30ml)に
溶かし1時間加熱還流した。次に反応液に2,2−ジメト
キシプロパン(15ml)を加え、再び1.5時間加熱還流し
た。溶媒を減圧留去して残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(メタノール/クロロホルム=5/95)で精
製し、ラクトン体(14)を得た。収量560mg(81%)。
この生成物(14)の物性値を以下に示す。
性状 無色針状結晶 融点 135.5−136.0℃ [α]−14.4゜(c0.5,CHCl31 H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm);1.50(s,9H),1.52
(s,3H),1.74(m,1H),2.24−2.34(m,2H),3.77(m,1
H),3.89(dd,1H,J=1.4,8.8Hz),4.06(d,1H,J=10.4H
z),4.07(dd,1H,J=6.0,8.8Hz),4,38(dd,1H,J=5.3,
10.4Hz). ステップ2.(4S,1′S,2′S,3′R)−N−t−ブトキシ
カルボニル−2,2−ジメチル−4−[3−(−t−ブチ
ルジメチルシリル)オキシメチル−2−メトキシカルボ
ニルシクロプロピル]−1,3−オキサゾリジン(15) ラクトン体(14)[560mg(1.89mmol)]のテトラヒ
ドロフラン(10ml)溶液に0.5M水酸化ナトリウム(4.9m
l,2.45mmol)を加え、0℃で16時間撹拌した。反応液を
1N−塩酸でpH2に調整、酢酸エチルで抽出した。有機層
を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶
媒を減圧留去してアモルファス状化合物を得た。これに
ジアゾメタンのエーテル溶液を加え、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(エーテル)を通しメチルエステル
体を得た。次にメチルエステル体のN,N−ジメチルホル
ムアミド(7ml)溶液にイミダゾール(257mg,3.78mmo
l)と塩化t−ブチルジメチルシリル(428mg,2,84mmo
l)のN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)溶液を加え、
窒素気流下、0℃で30分、室温で2時間撹拌した。反応
液を氷水に加え、エーテルで抽出した。有機層を食塩水
で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去して
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(エーテル/ヘキサン=7/93)で精製し、2′S−メチ
ルエステル体(15)を得た。収量865mg(100%)。
この生成物(15)の物性値を以下に示す。
性状 無定形固体 [α]−56.0゜(c0.5,CHCl31 H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm);0.2(s,6H),0.88
(s,9H),1.46(s,9H),1.40−1.62(m,2H),1.58(s,3
H),1.60(s,3H),1.92(dd,1H,J=8.8,8.8Hz),3.72
(s,3H),3.93(brs,1H),4.03(dd,1H,J=5.8,8.8H
z),4,10(brs,2H),4.34(brs,1H). ステップ3.(4S,1′S,2′S,3′R)−N−t−ブトキシ
カルボニル−2,2−ジメチル−4−[3−(−t−ブチ
ルジメチルシリル)オキシメチル−2−メトキシカルボ
ニルシクロプロピル]−1,3−オキサゾリジン(16) 得られた2′S−メチルエステル体(15)[840mg
(1.9mmol)]のテトラヒドロフラン(20ml)溶液に窒
素気流下−78℃でカリウムビストリメチルシリルアミド
の0.5Mトルエン溶液(4.16ml,2.08mmol)を滴下した。
反応液を−78℃で30分、−15℃で1.5時間、さらに−78
℃で10分間撹拌したのち酢酸(148mg,2.48mmol)のテト
ラヒドロフラン(2ml)溶液を加えた。反応液に水を加
えてエーテルで抽出、有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マ
グネシウムで乾燥後、溶媒を留去して得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(エーテル/ヘキサ
ン=1/9)で精製し、2′R−メチルエステル体16を得
た。収量719mg(84%)。
この生成物(16)の物性値を以下に示す。
性状 無色結晶 融点 92.0−92.5℃ [α]+7.5゜(c0.8,CHCl31 H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm);0.04(s,3H),0.06
(s,3H),0.88(s,9H),1.48(s,12H),1.54(s,3H),
1.71(m,1H),1.80(m,1H),1.95(m,0.7H),2.17(m,
0.3H),3.46(dd,1H,J=8.0,10.5Hz),3.66(s,3H),3.
70(m,0.7H),3.84(m,0.3H),3.96(dd,1H,J=5.2,8.5
Hz),3,98(m,1H),4.02(dd,1H,J=8.5,8.5Hz). ステップ4.(2S,1′R,2′R,3′R)−N−t−ブトキシ
カルボニル−2−(3−ヒドロキシメチル−2−メトキ
シカルボニルシクロプロピル)グリシノール(17) 2′R−メチルエステル体16(480mg,1.08mmol)の塩
化メチレン(4ml)溶液に0℃でトリフロロ酢酸(4ml)
加え、0℃で1時間、室温で30分撹拌した。反応液を減
圧で濃縮したのち、残渣をジオキサン(4ml)と水(4m
l)にとかしトリエチルアミンを加えてpH9に調整した。
この溶液にジ−t−ブチルジカルボネート(1ml)加え
室温で4時間撹拌した。溶媒を減圧で留去したのち、ク
ロロホルムと酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで
乾燥後、溶媒を留去して得られた油状物を、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、グ
リシノール体(17)を得た。収量315mg(100%)。
この生成物の物性値を以下に示す。
性状 油状物質 [α]+19.7゜(c0.6,CHCl31 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ(ppm);1.44(s,9H),1.60
(ddd,1H,J=5.0,9.0,10.0Hz),1.98(ddt,1H,J=5.0,
5.0,10.0,10.0Hz),3.40−3.62(m,5H),3.68(s,3H),
3.86(1H,dd,J=4.1,10.0Hz),4.02(dd,1H,J=5.0,12.
0Hz). ステップ5.(2S,1′R,2′R,3′R)−N−t−ブトキシ
カルボニル−2−(2,3−ジメトキシカルボニルシクロ
プロピル)−グリシン メチルエステル(7) 得られたグリシノール体(17)[315mg(1.08mmo
l)]をアセトン20mlに溶かし、氷冷下でJones試薬を加
え、氷冷下で2時間、室温でさらに2時間撹拌した。氷
冷下でイソプロピルアルコールを加えて過剰の試薬を分
解し、飽和量の食塩を加え、クロロホルムと酢酸エチル
で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、溶媒を留去して得られた残渣にジアゾメタ
ンのエーテル溶液を加えてエステル化を行なった。エー
テルを留去したのち、残渣をメタノール(10ml)に溶か
し水酸化リチウム(10mg)を加え、室温で30分撹拌し
た。反応液に酢酸を数滴加え中和した後、溶媒を減圧で
留去、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(エーテル
/ヘキサン=1/1)で精製し、トリメチルエステル体
(7)を得た。
収量309mg(69%)。
この生成物(7)の物性値を以下に示す。
性状 無色結晶 融点 94.0−95.9℃(発泡分解) IR(cm-1)3372,2964,1730 [α]+4.0゜(c0.99,CHCl31 H−NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm);1.46(s,9H),1.91
(ddd,1H,J=6.0,9.5,10.5Hz),2.33(dd,1H,J=5.0,9.
5Hz),2.58(dd,1H,J=5.0,6.0Hz),3.69(s,3H),3.73
(s,3H),3.75(s,3H),4.42(dd,1H,J=9,10.5Hz),5.
18(brs,1H) ステップ6.(2S,1′R,2′R,3′R)−2−(2,3−ジカ
ルボキシシクロプロピル)グリシン(DCG−I)(1) トリメチルエステル体(7)58mg(0.17mmol)をTHF1
mlに溶かし、1M水酸化ナトリウム水溶液1mlを加えて氷
冷下で5時間、室温でさらに24時間撹拌した。これに2N
塩酸1mlを加え、室温で18時間撹拌した。減圧濃縮後の
残渣を水で希釈してDowex50W×4のカラムクロマトに付
し、水で洗浄後1Nアンモニア水で溶出した。アンモニア
水を減圧留去後1N塩酸でpH2に調整し、水−メタノール
から結晶化させてt−DCG−IV(1)を得た。収量22mg
(65%)。
目的生成物(1)の物性値を以下に示す。
性状 無色結晶 融点 174−176℃(発泡分解) [α]−20.2゜(c0.44,H2O)1 H−NMR(270MHz,D2O)δ(ppm);1.99(ddd,1H,J=5.
9,9.6,10.2Hz),2.18(dd,1H,J=5.0,5.9Hz),2.32(d
d,1H,J=5.0,9.6Hz),3.89(d,1H,J=10.2Hz) HR−MS(FAB)204.0523(理論値204.0508) 試験例1.脱分極活性の測定 DCG−IおよびDCG−IIによって惹起される新生ラット
脊髄摘出標本の脱分極活性は、Shinozakiらの方法(Br.
J.Pharmacol.98巻1213〜1224頁、1989年)に従った。す
なわち、新生ラット脊髄摘出標本を用い、テトロドトキ
シン0.5μMを含む人工生理液(脊髄液)灌流下に、そ
の運動神経細胞前根からの脱分極活性の細胞外記録を、
L−グルタミン酸および本発明化合物について、濃度10
-3M〜10-7Mで測定し、最小有効濃度(MEC)を求めた。
結果は下記表Iに示した。
次いで、3×10-5Mの3−〔(±)−2−カルボキシ
ピペラジン−4−イル〕−プロピル−1−ホスホン酸
(以下CPPと略記)を加えた人工生理液(脊髄液)灌流
下に同様の実験を行った。その結果、DCG−IおよびDCG
−IIは共に、CPP3×10-5Mの添加で脱分極が完全に阻害
されることが判明し、DCG−IおよびDCG−IIは共にNMDA
受容体のアゴニストと分類された。
試験例2.単シナプス反射抑制活性の測定 新生ラット脊髄摘出標本における単シナプス反射測定
は、大塚(大塚正徳・生体の科学 36巻4号 325〜327
頁)の報告している方法を用いた。
新生ウイスター系ラットの脊髄をエーテル麻酔下に脊
柱に囲まれたまま摘出し、酸素95%炭酸ガス5%で飽和
した人工脊髄液に浸漬したまま実体顕微鏡下にL3からL5
までの前根および後根を付けたままの半切脊髄摘出標本
を調製する。得られた半切脊髄摘出標本を灌流槽に移
し、酸素95%炭酸ガス5%で飽和した人工脊髄液で灌流
する。
後根に吸引電極を介して単一刺激を加え、同一前根か
ら前根反射電位を記録すると、早い時間経過のスパイク
に続いて、ゆっくりとした脱分極とこれにのった非同期
性の電位変化が観察される。この早い時間経過のスパイ
クは、単シナプス反射に相当する(Konishi,S.Advances
in Pharmacology and Therapeutics II,Pergamo
n,Oxford Vol.2 p255−260,1982)。
灌流液に種々の濃度のDCG−IおよびDCG−IIを加えて
単シナプス反射を測定し、その50%抑制濃度(IC50)を
求めた。
結果を表IIに示す。
表II 単シナプス反射抑制活性化合物 50%抑制濃度(IC50 DCG−I 6.0×10-8M DCG−II 1.0×10-6M これに対して、脳外傷等による痙性麻痺の治療剤であ
るガンマアミノ酪酸誘導体のバクロフェン(Baclofen)
のIC50は5×10-7M(500nM)程度と測定されているの
で、この実験結果は、DCG−IおよびDCG−IIが、バクロ
フェンの、それぞれ約20分の1および2倍の濃度で、単
シナプス反射を50%抑制することを示しており、本発明
の化合物が抗痙性麻痺剤、麻酔剤、鎮痛剤として有用で
あることを強く示唆するものである。
本発明によれば、NMDA受容体に対するアゴニストであ
る、(2S,1′R,2′R,3′R)−2−(2,3−ジカルボキ
シシクロプロピル)グリシン(DCG−I)(1)および
(2S,1′S,2′S,3′S)−2−(2,3−ジカルボキシシ
クロプロピル)グリシン(DCG−II)(2)が合成でき
る。
これらDCG−IおよびDCG−IIは、NMDA受容体に対する
アゴニストであるので、L−グルタミン酸受容体研究に
おいて重要な情報を与えると共に、L−グルタミン酸受
容体のアゴニストおよびアンタゴニストの開発を通じ
て、種々の神経変異症の治療薬の開発に結びつくもので
ある。しかも、DCG−IおよびDCG−IIは、単シナプス反
射を低濃度で選択的に抑制するので、抗痙性麻痺剤、麻
酔剤、鎮痛剤としても有用である。
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平4−252823 (32)優先日 平成4年9月22日(1992.9.22) (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 米国特許4959493(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 229/46 C07C 227/18 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1): で示される(2S,1′R,2′R,3′R)−2−(2,3−ジカ
    ルボキシシクロプロピル)グリシン。
  2. 【請求項2】下記式(2): で示される(2S,1′S,2′S,3′S)−2−(2,3−ジカ
    ルボキシシクロプロピル)グリシン。
  3. 【請求項3】下記式(1): で示される(2S,1′R,2′R,3′R)−2−(2,3−ジカ
    ルボキシシクロプロピル)グリシンの製造法であって、 (a)式(3): (式中TBSはt−ブチルジメチルシリル基を示す。) で示される(1R,7S,8R,9R)−3−アザ−9−t−ブチ
    ルジメチルシリルオキシメチル−4,4−ジメチル−5−
    オキサトリシクロ〔6.1.0.03,7〕ノナン−2−オンを脱
    t−ブチルジメチルシリル化して式(4): で示されるアルコール体とし、 (b)次いで、アルカリ加水分解した後にt−ブトキシ
    カルボニル化して式(5): (式中Bocはt−ブトキシカルボニル基を示す。) で示される(2S,1′R,2′R,3′R)−N−tert−ブトキ
    シカルボニル−2−(2−カルボキシ−3−ヒドロキシ
    メチルシクロプロピル)グリシノールとし、 (c)次いで、メチルエステル化して式(6): で示される(2S,1′R,2′R,3′R)−N−tert−ブトキ
    シカルボニル−2−(2−メトキシカルボニル−3−ヒ
    ドロキシメチルシクロプロピル)グリシノールとし、 (d)次いで、酸化反応によりアルコール体をカルボン
    酸体とし、その後にメチルエステル化して式(7): で示される(2S,1′R,2′R,3′R)−N−tert−ブトキ
    シカルボニル−2−(2,3−ジメトキシカルボニルシク
    ロプロピル)グリシンメチルエステルとし、 (e)次いで、加水分解して式(1)の化合物を得るこ
    とからなる方法。
  4. 【請求項4】下記式(2): で示される(2S,1′S,2′S,3′S)−2−(2,3−ジカ
    ルボキシシクロプロピル)グリシンの製造法であって、 (a)式(8): (式中TBSはt−ブチルジメチルシリル基を示す。) で示される(1S,7S,8S,9S)−3−アザ−9−t−ブチ
    ルジメチルシリルオキシメチル−4,4−ジメチル−5−
    オキサトリシクロ〔6.1.0.03,7〕ノナン−2−オンを脱
    t−ブチルジメチルシリル化して式(9): で示されるアルコール体とし、 (b)次いで、アルカリ加水分解した後にt−ブトキシ
    カルボニル化して式(10): (式中Bocはt−ブトキシカルボニル基を示す。) で示される(2S,1′S,2′S,3′S)−N−tert−ブトキ
    シカルボニル−2−(2−カルボキシ−3−ヒドロキシ
    メチルシクロプロピル)グリシノールとし、 (c)次いで、メチルエステル化して式(11): で示される(2S,1′S,2′S,3′S)−N−tert−ブトキ
    シカルボニル−2−(2−メトキシカルボニル−3−ヒ
    ドロキシメチルシクロプロピル)グリシノールとし、 (d)次いで、酸化反応によりアルコール体をカルボン
    酸体とし、その後にメチルエステル化して式(12): で示される(2S,1′S,2′S,3′S)−N−tert−ブトキ
    シカルボニル−2−(2,3−ジメトキシカルボニルシク
    ロプロピル)グリシンメチルエステルとし、 (e)次いで、加水分解して式(2)の化合物を得るこ
    とからなる方法。
  5. 【請求項5】下記式(1): で示される(2S,1′R,2′R,3′R)−2−(2,3−ジカ
    ルボキシシクロプロピル)グリシンの製造法であって、 (a)式(13): (式中TBSはt−ブチルジメチルシリル基を示し、Bocは
    t−ブトキシカルボニル基を示す。) で示される(2S,1′S,2′S,3′R)−N−t−ブトキシ
    カルボニル−2−(3−t−ブチルジメチルシリルオキ
    シメチル−2−メトキシカルボニルシクロプロピル)グ
    リシノール t−ブチルジメチルシリルエーテルをdl−
    カンファースルフォン酸および2,2−ジメトキシプロパ
    ンで処理して式(14): (式中Bocはt−ブトキシカルボニル基を示す。) で示される(1S,5R,6S,4′S)−6−〔N−(t−ブト
    キシカルボニル)−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジ
    ン−4−イル〕−3−オキサビシクロ〔3.1.0〕ヘキサ
    ン−2−オンとし、 (b)次いで、アルカリ加水分解、メチルエステル化の
    後、再び水酸基をt−ブチルジメチルシリル基で保護し
    て式(15): (式中TBSはt−ブチルジメチルシリル基を示し、Bocは
    t−ブトキシカルボニル基を示す。) で示される(4S,1′S,2′S,3′R)−N−t−ブトキシ
    カルボニル−2,2−ジメチル−4−〔3−(t−ブチル
    ジメチルシリル)オキシメチル−2−メトキシカルボニ
    ルシクロプロピル〕−1,3−オキサゾリジンとし、 (c)次いで、カリウムビストリメチルシリルアミドで
    処理して式(16): (式中TBSはt−ブチルジメチルシリル基を示し、Bocは
    t−ブトキシカルボニル基を示す。) で示される(4S,1′S,2′R,3′R)−N−t−ブトキシ
    カルボニル−2,2−ジメチル−4−〔3−(t−ブチル
    ジメチルシリル)オキシメチル−2−メトキシカルボニ
    ルシクロプロピル〕−1,3−オキサゾリジンに変換し、 (d)次いで、トリフロロ酢酸、ジ−t−ブチルジカー
    ボネートで処理して式(17): (式中TBSはt−ブチルジメチルシリル基を示し、Bocは
    t−ブトキシカルボニル基を示す。) で示される(2S,1′R,2′R,3′R)−N−t−ブトキシ
    カルボニル−2−(3−ヒドロキシメチル−2−メトキ
    シカルボニルシクロプロピル)グリシノールとし、 (e)次いで、ジョーンズ酸化、メチルエステル化、水
    酸化リチウム処理により式(7): (式中Bocはt−ブトキシカルボニル基を示す。) で示される(2S,1′R,2′R,3′R)−N−t−ブトキシ
    カルボニル−2−2,3−ジメトキシカルボニルシクロプ
    ロピル)グリシン メチルエステルとし、 (f)次いで、式(7)の化合物を加水分解して上記式
    (1)の化合物を得ることからなる方法。
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