JP3123850B2 - 直接写像型反射電子顕微鏡 - Google Patents

直接写像型反射電子顕微鏡

Info

Publication number
JP3123850B2
JP3123850B2 JP05013455A JP1345593A JP3123850B2 JP 3123850 B2 JP3123850 B2 JP 3123850B2 JP 05013455 A JP05013455 A JP 05013455A JP 1345593 A JP1345593 A JP 1345593A JP 3123850 B2 JP3123850 B2 JP 3123850B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sector
sample
magnet
electron microscope
irradiation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05013455A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06223767A (ja
Inventor
津野勝重
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jeol Ltd
Original Assignee
Jeol Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jeol Ltd filed Critical Jeol Ltd
Priority to JP05013455A priority Critical patent/JP3123850B2/ja
Publication of JPH06223767A publication Critical patent/JPH06223767A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3123850B2 publication Critical patent/JP3123850B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反射型電子顕微鏡に関
し、特に、試料への入射電子線とそれからの反射電子線
を分離するビームセパレータに工夫を施して、照射光学
系と拡大結像光学系とを平行にし、かつ、収差を少なく
した直接写像型反射電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】電子顕微鏡には、試料に対して電子が透
過する透過型と反射する反射型がある。また、像形成の
点から見て、直接写像型と走査型がある。この2つの観
点から、透過型で直接写像型のものがTEMと呼ばれる
電子顕微鏡であり、透過型で走査型のものがSTEMと
呼ばれる電子顕微鏡である。また、反射型で走査型のも
のがSEMである。これに対して、反射型で直接写像型
のものは、LEEMないしLEERM(Low Energy Ref
lecgtion Microscope )と呼ばれる。
【0003】LEEMは、20〜200Vの低加速電子
を試料表面に垂直に当て、試料表面から反射して出てき
た電子を用いて直接像を得るものである。結像の原理は
TEM(透過型電子顕微鏡)と同じであるが、反射電子
を用いて像を得るため、試料面に対して折れ曲がった光
学系が必要である。図3は、従来のLEEMの光学系を
模式的に示す図であり、試料Sの面に対して斜め上方に
配置した電子銃1からの電子ビームは照射レンズ系2に
より絞られ、試料面に斜めに入射するように照射され
る。この斜めの電子ビームはビームセパレータ3により
試料面に垂直に曲げられ、カソード対物レンズ4により
減速されて試料Sに垂直に入射する。そして、試料Sか
ら反射された電子はカソード対物レンズ4により加速さ
れ、ビームセパレータ3に入射し、今度は反対側に曲げ
られ、入射電子線から反対の斜め上方へ分離され、結像
レンズ系5によりスクリーン6上に結像される。試料S
近傍では電子の速度は遅く、外乱の影響を受けやすいの
で、普通、試料Sから出た直後に上記のようにカソード
対物レンズ4により加速し、10〜20kVの加速電圧
で光学系を通すことが行われる。同じように、入射ビー
ムも10〜20kVの加速電圧で照射光学系2、3を通
過し、試料Sの直前でカソード対物レンズ4により減速
される。
【0004】このように、カソード対物レンズ4は、電
子の加速、減速を行い、併せて、初段レンズとして像の
拡大を行う役割を担っている。
【0005】また、照射ビームと反射ビームは試料S近
傍で同一パスを通るので、照射ビームと反射ビームのパ
スを分離することが必要になる。この役割を担っている
のがビームセパレータ3であり、通常、磁場型セクター
が用いられている。この磁場型セクターは、幸い1個で
この振り分けが可能である。なぜならば、ローレンツ力
により進行方向に対して同じ向きに力を受けるが、電子
の向きが逆なので、反対方向に曲げられることになるた
めである。
【0006】ところが、この磁場型セクターが作る2次
収差は、最終的に得られる像を歪ませる(あるいは、ボ
ケさせる。)。収差の影響を出来るだけ少なくするため
の対策として、入射ビームと反射ビームとのなす角を出
来る限り小さくしたり、あるいは、ウィーンフィルタを
用いて、反射ビームだけは試料に対して垂直に出射さ
せ、2次収差の影響を受けないようにする(特願平3−
199134号)等の工夫がなされてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
結像される像に対する入射ビームの影響は余り考慮され
てこなかった。TEMとの類似で考えれば、像に対する
入射ビームの角度等の影響は極めて大きいと考えざるを
得ない。特に、軸合わせ等において、入射ビームのパタ
ーンが収差や軸の狂いを含まないものであることが必要
とされる。
【0008】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、照射光学系と拡大結像光学系
とをほぼ平行に配置し、入射ビーム及び結像像の収差を
少なくした直接写像反射型電子顕微鏡を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の直接写像反射型電子顕微鏡は、試料に照射する電子
ビームと試料から反射され照射電子ビームに対して反対
方向に進む電子線とをビームセパレータにより分離する
直接写像型反射電子顕微鏡において、ビームセパレータ
が3個のセクター型磁石で構成され、第2のセクター型
磁石は3つの端面を有し、1つの端面は試料に対向し、
他の2つの端面はそれぞれ第1及び第3のセクター型磁
石に対向して配置され、第1セクター型磁石に照射系が
接続され、第3のセクター型磁石に結像系が接続され、
前記照射系及び結像系が試料面法線に対してほぼ対称に
配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明においては、ビームセパレータが3個の
セクター型磁石で構成され、第2のセクター型磁石は3
つの端面を有し、1つの端面は試料に対向し、他の2つ
の端面はそれぞれ第1及び第3のセクター型磁石に対向
して配置され、第1セクター型磁石に照射系が接続さ
れ、第3のセクター型磁石に結像系が接続され、照射系
及び結像系が試料面法線に対してほぼ対称に配置されて
いるので、試料上の入射ビーム及びスクリーン上の結像
像の収差を少なくすることができ、良好な反射電子像を
得ることができると共に、軸合わせ等の調整が容易にな
る。また、光学系の配置の自由度も高くなり、装置をコ
ンパクトに構成することもできる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照にして本発明の直接写像反
射型電子顕微鏡の実施例について説明するが、本発明
は、特に、入射ビームの作る収差にも配慮したビームセ
パレータに特徴があるものである。
【0012】図1は、本発明によるLEEMの概略の構
成を示す図であり、この装置は、電子銃1と照射レンズ
系2からなる照射光学系の光軸と、結像レンズ系5及び
スクリーン6からなる拡大結像光学系の光軸とは平行
で、両光軸の中間の軸A上に試料Sが配置される構成に
なっており、そのために、ビームセパレータ3が3つの
セクター型磁石31、32、33から構成されている。
このように配置すると、電子銃1からの電子ビームは、
照射レンズ系2により軸Aに平行に絞られ、第1のセク
ター型磁石31により右側に曲げられて第2のセクター
型磁石32に入射し、第2のセクター型磁石32により
反対方向にほぼ同じ角度曲げられて軸Aに沿って出射
し、カソード対物レンズ4により減速されて試料Sに垂
直に入射する。そして、試料Sから反射された電子は、
カソード対物レンズ4により加速され、今度は第2のセ
クター型磁石32により入射ビームから反対の方向に分
離されて第3のセクター型磁石33に入射し、第3のセ
クター型磁石33により反対方向にほぼ同じ角度曲げら
れて軸Aに平行な軸に沿って出射し、結像レンズ系5に
よりスクリーン6上に結像される。
【0013】ここで、各セクター型磁石31、32、3
3の端面は、通常の質量分析装置や電子線用オメガフィ
ルターと同じように、非点収差なしの結像や2次収差除
去のために、テーパーを設けたり、曲面にしてももちろ
んよい。図1では、簡単のためにこれらの端面は図示を
省略してある。また、フリンジ場調整のためのミラーも
設けてもよい。
【0014】この3個のセクター型磁石31、32、3
3は、試料Sをミラーとして考えれば、図2に示すよう
な4個のセクター型磁石31、32、32、33か
らなるオメガフィルターの後半の2つのセクター型磁石
32、33を軸の回りで180°回転したものに相当
すると理解することができる。すなわち、上記3個のセ
クター型磁石31、32、33によって構成されるビー
ムセパレータ3は電子光学的にはオメガフィルターに相
当し、中心の対称面で1次収差、2次の開口収差、湾曲
収差が消せる等のオメガフィルターが持つ光学特性の殆
どを実現することができる。したがって、例えば、第1
のセクター型磁石31による2次収差を第2のセクター
型磁石32により補正することができるし、また、第2
のセクター型磁石32と第3のセクター型磁石33の関
係でも同様である。そのため、試料S上の入射ビーム及
びスクリーン6上の結像像の収差を少なくすることがで
きる。また、入射ビームの持つエネルギーの拡がりは、
第3のセクター型磁石33の出口において分散が生じな
いように、各セクター型磁石のパラメータを設定するこ
とも可能で、試料Sが作るエネルギーの拡がりを第3の
セクター型磁石33の出口において分散させ、エネルギ
ー分析器としても働かせることができる。また、第2の
セクター型磁石32において、入射側と出射側のビーム
のなす角をθ≒80°〜110°程度と非常に大きく取
ることが可能で、従来のビームセパレータにおけるθ≒
15°〜45°と比較して非常に大きく、その前段と後
段の光学系の接触の問題が起き難くなり、これらの光学
系を近接して配置することができる。
【0015】以上、本発明の直接写像反射型電子顕微鏡
を実施例に基づいて説明したが、本発明はこの実施例に
限定されず種々の変形が可能である。
【0016】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の直接写像反射型電子顕微鏡によると、ビームセパレー
タが3個のセクター型磁石で構成され、第2のセクター
型磁石は3つの端面を有し、1つの端面は試料に対向
し、他の2つの端面はそれぞれ第1及び第3のセクター
型磁石に対向して配置され、第1セクター型磁石に照射
系が接続され、第3のセクター型磁石に結像系が接続さ
れ、照射系及び結像系が試料面法線に対してほぼ対称に
配置されているので、試料上の入射ビーム及びスクリー
ン上の結像像の収差を少なくすることができ、良好な反
射電子像を得ることができると共に、軸合わせ等の調整
が容易になる。また、光学系の配置の自由度も高くな
り、装置をコンパクトに構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるLEEMの概略の構成を示す図で
ある。
【図2】本発明によるLEEMがオメガフィルターに相
当することを説明するための図である。
【図3】従来のLEEMの概略の構成を示す図である。
【符号の説明】
S…試料 A…中心軸 1…電子銃 2…照射レンズ系 3…ビームセパレータ 4…カソード対物レンズ 5…結像レンズ系 6…スクリーン 31…第1のセクター型磁石 32…第2のセクター型磁石 33…第3のセクター型磁石 32…セクター型磁石 32…セクター型磁石

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に照射する電子ビームと試料から反
    射され照射電子ビームに対して反対方向に進む電子線と
    をビームセパレータにより分離する直接写像型反射電子
    顕微鏡において、ビームセパレータが3個のセクター型
    磁石で構成され、第2のセクター型磁石は3つの端面を
    有し、1つの端面は試料に対向し、他の2つの端面はそ
    れぞれ第1及び第3のセクター型磁石に対向して配置さ
    れ、第1セクター型磁石に照射系が接続され、第3のセ
    クター型磁石に結像系が接続され、前記照射系及び結像
    系が試料面法線に対してほぼ対称に配置されていること
    を特徴とする直接写像型反射電子顕微鏡。
JP05013455A 1993-01-29 1993-01-29 直接写像型反射電子顕微鏡 Expired - Fee Related JP3123850B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05013455A JP3123850B2 (ja) 1993-01-29 1993-01-29 直接写像型反射電子顕微鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05013455A JP3123850B2 (ja) 1993-01-29 1993-01-29 直接写像型反射電子顕微鏡

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06223767A JPH06223767A (ja) 1994-08-12
JP3123850B2 true JP3123850B2 (ja) 2001-01-15

Family

ID=11833625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05013455A Expired - Fee Related JP3123850B2 (ja) 1993-01-29 1993-01-29 直接写像型反射電子顕微鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3123850B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1058287B1 (en) * 1999-06-01 2007-11-14 Jeol Ltd. Magnetic energy filter
DE10235456B4 (de) 2002-08-02 2008-07-10 Leo Elektronenmikroskopie Gmbh Elektronenmikroskopiesystem
KR101051370B1 (ko) 2003-09-05 2011-07-22 어플라이드 머티리얼즈 이스라엘 리미티드 입자광 시스템 및 장치와 이와 같은 시스템 및 장치용입자광 부품
JP4591927B2 (ja) * 2005-06-17 2010-12-01 次世代半導体材料技術研究組合 ビアホール形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06223767A (ja) 1994-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5319207A (en) Imaging system for charged particles
US7531799B2 (en) Charged particle beam column
US4755685A (en) Ion micro beam apparatus
US20030209667A1 (en) Charged particle beam apparatus and method for inspecting samples
JPH06508237A (ja) 質量分析計
JP2810797B2 (ja) 反射電子顕微鏡
JPH0286036A (ja) イオンマイクロアナライザ
JPH02142045A (ja) 荷電粒子線応用装置
US20030218133A1 (en) Charged particle beam column and method for directing a charged particle beam
JP4205224B2 (ja) エネルギーフィルタを有する粒子線装置
JP3123850B2 (ja) 直接写像型反射電子顕微鏡
JPH10162769A (ja) イオンビーム加工装置
JP2000228162A (ja) 電子ビーム装置
JP3014210B2 (ja) 直接写像型反射電子顕微鏡
WO1999026272A1 (en) Particle beam device
US4429222A (en) Transmission electron microscope
JP2003187730A (ja) ビームセパレータ及び反射電子顕微鏡
US4097739A (en) Beam deflection and focusing system for a scanning corpuscular-beam microscope
JP3649008B2 (ja) 電子線装置
JPH01264149A (ja) 荷電粒子線応用装置
JPS6293848A (ja) 電界放射形走査電子顕微鏡及びその類似装置
JP3696827B2 (ja) エネルギーフィルタ
JP3790646B2 (ja) 低エネルギー反射電子顕微鏡
JPH0945276A (ja) 質量分析計
JPH06139983A (ja) 荷電粒子線装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000926

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081027

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091027

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091027

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101027

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees