JP3123842B2 - 直接写像型リターディングフィルタ - Google Patents

直接写像型リターディングフィルタ

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JP3123842B2
JP3123842B2 JP04325597A JP32559792A JP3123842B2 JP 3123842 B2 JP3123842 B2 JP 3123842B2 JP 04325597 A JP04325597 A JP 04325597A JP 32559792 A JP32559792 A JP 32559792A JP 3123842 B2 JP3123842 B2 JP 3123842B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直接写像型リターディ
ングフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】透過型電子顕微鏡(TEM)あるいは反
射型低加速電子顕微鏡(LEEM)に接続して、試料を
透過した電子ビームあるいは試料で反射した電子ビーム
のエネルギー損失像を観察するものとして、いわゆるイ
メージングEELSが知られている。これは、電子ビー
ムをエネルギー分散し、所定のエネルギーを有する電子
ビームだけを取り出して、そのイメージをスクリーンに
結像させるものであり、従来のイメージングEELSで
は、エネルギーフィルタとしてはキャスターン・ヘンリ
ー型フィルタや、オメガフィルタが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、キャス
ターン・ヘンリー型フィルタは磁界型プリズムと静電ミ
ラーとを用いるものであり、またオメガフィルタは4個
のセクタ型電磁石を用いるものであるので、イメージン
グEELSのエネルギーフィルタとしていずれのエネル
ギーフィルタを用いた場合にも、構成が複雑であるばか
りでなく、電子ビームの光軸が直線的ではないので装置
が大型になることは避けられないものであった。
【0004】これに対して、非常に高いエネルギー分解
能を有するエネルギーフィルタとしてリターディング型
ウィーンフィルタが知られており、リターディング型ウ
ィーンフィルタによりエネルギー損失像を得ることがで
きれば、構成は簡単なものとなり、しかも光軸が直線で
あるので直接写像型の電子顕微鏡との組み合わせも容易
に行うことができるが、従来においてはリターディング
型ウィーンフィルタを用いてエネルギー損失像を観察す
ることは行われていない。
【0005】本発明は、上記の課題を解決するものであ
って、リターディング型ウィーンフィルタを用いて電子
ビームのエネルギー損失像を観察することができるよう
にすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の直接写像型リターディングフィルタは、
光軸に沿って、ラウンドレンズと、減速レンズと、ウィ
ーンフィルタと、加速レンズと、スリットがこの順序で
配置された直接写像型リターディングフィルタにおい
て、前記ラウンドレンズ、減速レンズ、ウィーンフィル
タ及び加速レンズは全て実像結像するように励磁され、
且つ前記ラウンドレンズはその回折像が前記減速レンズ
の位置より後方に生じるように、前記減速レンズはその
回折像を前記ウィーンフィルタより後方に生じるよう
に、前記加速レンズはその回折像を前記スリットの位置
に生じるように励磁されることを特徴とする。
【0007】
【作用及び発明の効果】光軸に沿って、ラウンドレン
ズ、減速レンズ、ウィーンフィルタ、加速レンズ及びス
リットがこの順序に配置されている。そして、ラウンド
レンズ、減速レンズ、ウィーンフィルタ及び加速レンズ
の全てのレンズは実像結像するように励磁される。そし
て更に、ラウンドレンズはその回折像が減速レンズの位
置より後方に生じるように、減速レンズはその回折像を
ウィーンフィルタより後方に生じるように、加速レンズ
はその回折像をスリットの位置に生じるように励磁され
る。
【0008】これによって、非点収差が小さく、且つ色
収差も小さいエネルギー損失像を得ることができる。ま
た、リターディング型ウィーンフィルタは光軸が直線で
あるので、直接写像型の電子顕微鏡と容易に組み合わせ
ることができる。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照しつつ実施例を説明する。
図1は本発明に係る直接写像型リターディングフィルタ
の一実施例の構成を示す図であり、図中、1はラウンド
レンズ(以下、ILという)、2は減速レンズ(以下、
DLという)、3はウィーンフィルタ(以下、WFとい
う)、4は加速レンズ(以下、ALという)、5はスリ
ット、Oは光軸を示す。
【0010】図1において、IL1は光軸Oに対して軸
対称の構成を備えており、実像結像し、且つその回折像
がDL2の位置より後方、即ち図1においてPで示す位
置より右側に生じるように励磁されている。DL2は、
実像結像し、且つその回折像をWF3より後方、即ち図
1においてQで示す位置より右側に生じるように励磁さ
れている。また、WF3は実像結像するように励磁され
ており、AL4は、実像結像し、且つその回折像がスリ
ット5の位置に生じるように励磁されている。
【0011】従って、入射した電子ビームは、IL1に
よるレンズ作用を受け、次にDL2で減速され、WF3
でエネルギー分散されて所定の速度を有する電子ビーム
だけが直進してAL4に入射し、AL4のレンズ作用に
より元の速度まで加速され、スリット5を通過する。そ
してスリット5を通過した電子ビームはスクリーン(図
示せず)に達する。このときスリット5とスクリーンの
間にいくつかのラウンドレンズを配置することができる
ことは当然である。これによって、スクリーンにはスリ
ット5を通過した電子ビームのエネルギー損失像が得ら
れる。
【0012】上記の励磁条件で非点収差が小さく、且つ
色収差も小さいエネルギー損失像が得られることを以下
に説明する。
【0013】まず、AL4の回折像がスリット5上に生
じるようにすることの妥当性は明かである。なぜなら、
エネルギー損失像を観察する場合には、回折像の中の所
望の一つの輝点、例えば試料から所定の角度で飛び出し
た電子ビームにより得られる輝点を選択し、それに対応
するエネルギー損失像を観察することが広く行われてい
るが、そのためにはスリット上に回折像が生じていなけ
ればならないからである。
【0014】ところで、一般に電子ビームによって試料
の像を得る場合には、像に歪がないことが要求される。
これが非点なし結像である。従ってエネルギー損失像を
得る場合にも非点なし結像が要求されることは当然であ
る。更に、イメージングEELSのようにエネルギー分
散を行う場合には、エネルギー損失像に色収差が生じな
いことが要求される。即ち、図1の構成ではWF3によ
って電子ビームは、そのエネルギーによって分散され、
WF3で決定されるウィーン条件を満足するエネルギー
を有する電子ビームだけが直進してスリット5を通過す
るのであるが、スリット5のスリット幅は有限であるか
ら、光軸Oを直進した電子ビーム(以下、これを透過ビ
ームという)だけではなく、WF3では透過ビームと分
散されるが透過ビームと僅かに異なるエネルギーを有す
る電子ビーム(以下、これを分散ビームという)もスリ
ット5を通過することになる。そして、スリット5を通
過した電子ビームによってエネルギー損失像が得られる
ことになるが、透過ビームによるエネルギー損失像の結
像位置と、分散ビームによるエネルギー損失像の結像位
置が異なると像にボケが生じることになる。これが色収
差であり、従って、色収差を生じないようにするために
スリット5を通過した後は透過ビームと分散ビームを略
一致させるようにする必要があることが分かる。つま
り、図1に示す光学系においては、スリット5上の回折
面では大きな分散を持ち、且つスクリーンのエネルギー
損失像面上では分散が小さいことが要求されるのであ
る。
【0015】以上のように、図1の構成においては、ス
リット5を通過した電子ビームには非点収差及び色収差
が小さいことが要求され、IL1、DL2、WF3及び
AL4はこの条件を満足するように励磁する必要がある
ことが分かる。
【0016】さて、一般に、電子光学系に用いるレンズ
の結像の仕方には実像結像と虚像結像があり、例えばT
EM等の通常の電子顕微鏡においては、最終段のレンズ
は実像結像となるように励磁されるが、途中のレンズに
おいては収差を小さくすることを目的として実像結像と
虚像結像とが組み合わされるのが通常である。そこで、
いま図1の構成において、IL1及びAL4は実像結
像、DL2及びWF3は虚像結像となるように励磁する
と、このときAL4の回折像はスリット5上に生じる
が、IL1の回折像はDL2の前方に生じていた。そし
て、IL1に断面が円形の電子ビームを入射させたとき
のスクリーン上のエネルギー損失像は概略図2Aに示す
ようであった。図2Aにおいて10は透過ビームによる
像であり、11は分散ビームによる像であるが、図から
明らかなように、透過ビームの像10は略円形である
が、分散ビームの像11は楕円に歪んでおり、しかも透
過ビームの像10と分散ビームの像11とは離れた位置
に結像していた。つまり、スクリーン上に得られるエネ
ルギー損失像には非点収差及び色収差が生じていること
が確認されたのである。なお、ここでは分散ビームのエ
ネルギーは透過ビームのエネルギーからリターディング
電圧の 1/100 だけ変動しているものである。これは図
2B,図2Cについても同様である。
【0017】以上は、IL1及びAL4は実像結像、D
L2及びWF3は虚像結像とした場合であるが、種々の
実験の結果、実像結像と虚像結像を組み合わせた場合に
は上述したと同様の結果になり、エネルギー損失像を得
るには好ましくない励磁条件であることが確認された。
【0018】従って、図1の構成において良好なエネル
ギー損失像を得るためには、IL1、DL2,WF3及
びAL4の全てのレンズを実像結像とする必要があるこ
とが分かる。しかし、単に実像結像としたのでは良好な
エネルギー損失像が得られないことが確認された。即
ち、IL1、DL2を強励磁として強いレンズ作用を持
たせると、IL1の回折像をIL1とDL2との間隙に
生じさせ、DL2の回折像をDL2とWF3との間隙に
生じさせることができるが、このときにはスクリーン上
のエネルギー損失像は概略図2Bに示すようになり、透
過ビームの像10に非点が生じるばかりでなく、大きな
色収差が生じることが確認された。
【0019】これに対して、IL1、DL2を比較的弱
く励磁してもこれらのレンズを実像結像とすることがで
きる条件がある。但し、この場合にもAL4の回折像は
スリット5に生じるようにすることは当然である。そし
てこのときには、IL1の回折像はDL2より後方に生
じ、DL2の回折像はWF3より後方に生じ、またWF
3の回折面はWF3の内部に生じていた。そしてこのと
き、スクリーン上のエネルギー損失像は概略図2Cに示
すようであり、分散ビームによる像11には多少の非点
が生じているが、透過ビームの像10と分散ビームの像
11はよく一致しており、従って色収差が小さい、良好
なエネルギー損失像が得られることが確認された。
【0020】また、この条件がエネルギー損失像を得る
のに好ましい条件であることは図3からも明かである。
図3は、加速電圧を10kV、WF3のウィーンフィルタ
長を50mmとした場合において、IL1の励磁電流を固
定してWF3の強度L(単位はmm)を変化させたとき
に当該WF3内における電子ビームのパスエネルギーU
0 (単位はV)がどのようになるかを示す図である。な
お、図中の数値はIL1の励磁電流値(単位はmA)を
示す。この図によれば、例えばIL1の励磁電流が 178
mAの場合には、Lが60mm以下の範囲では図中に示
すようにパスエネルギーも小さいのであるが、Lが60m
mを越えると図中で示すようにパスエネルギーは突然
大きくなる。
【0021】そして、IL1の励磁電流を種々変えてみ
ると、図のA,B,Cに示すように3つのグループに区
別できることが確認された。そして、グループAはIL
1、DL2、WF3及びAL4の全てのレンズが実像結
像となるが、図2Bに示すように非点収差及び色収差が
生じる励磁条件であり、グループBはIL1とAL4は
実像結像し、DL2とWF3は虚像結像となる励磁条件
であり、グループCは全てのレンズが実像結像となる
が、IL1の回折像はDL2の後方に生じ、DL2の回
折像はWF3の後方に生じる励磁条件であり、図2Cに
示すように非点収差、色収差が共に小さく、スクリーン
には良好なエネルギー損失像が得られることが確認され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の構成を示す図である。
【図2】 本発明の効果を説明するための図である。
【図3】 IL1の励磁電流をパラメータとしたWF3
の強度Lと電子ビームのパスエネルギーの関係を示す図
である。
【符号の説明】
1…ラウンドレンズ、2…減速レンズ、3…ウィーンフ
ィルタ、4…加速レンズ、5…スリット。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光軸に沿って、ラウンドレンズと、減速
    レンズと、ウィーンフィルタと、加速レンズと、スリッ
    トがこの順序で配置された直接写像型リターディングフ
    ィルタにおいて、前記ラウンドレンズ、減速レンズ、ウ
    ィーンフィルタ及び加速レンズは全て実像結像するよう
    に励磁され、且つ前記ラウンドレンズはその回折像が前
    記減速レンズの位置より後方に生じるように、前記減速
    レンズはその回折像を前記ウィーンフィルタより後方に
    生じるように、前記加速レンズはその回折像を前記スリ
    ットの位置に生じるように励磁されることを特徴とする
    直接写像型リターディングフィルタ。
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JP5329380B2 (ja) * 2009-12-15 2013-10-30 日本電子株式会社 モノクロメータのスリット位置制御方法及び装置並びに分析電子顕微鏡

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