JP3123783U - 暖房器付き机 - Google Patents

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Abstract

【課題】本考案は、下半身全体をわずかなエネルギーで暖めることができるという従来のコタツのメリットを活かすとともに、物書き等の仕事で使用する書斎机としても利用でき、かつ、上掛けの保温効果を有効に利用することにより、ランニングコストが低廉な暖房器付き机を提供することを目的とする。
【解決手段】上面板、一対の側面板および背面板から形成される前面のみが開放された天板下空間内の開放面側に、上面板および一対の側面板に所定の距離を隔てて平行に上面押え板および側面押え板を設け、上面板と上面押え板との間および側面板と側面押え板との間で上掛けの一辺を挟持させ、該上掛けが前記筐体の開放面を緩やかに被包するようにするとともに、前記天板下空間内に暖房器を設置する構成とした。
【選択図】図1

Description

本考案は、下半身全体を暖めることのできる暖房器付きの机に関する。
従来から使用されている暖房具にコタツがあるが、このコタツは畳に座る日本の生活習慣に適したものであって、下半身全体をわずかなエネルギーで暖めることができるというメリットがある。一方で、畳の上に足を折り曲げて座る動作は膝、脚、腰に負担が掛かることから、近年では、椅子に座る習慣を持つ者の方が畳に座る習慣を持つ者よりも多くなっている。このような生活習慣の変化を背景として、机に暖房器を組み込んだ考案が提案されていて、その一例として実開平7−25841号公報に開示された考案がある。
この考案は、「冬場のイス掛け机使用時の足元の冷えを予防する」ことを目的としていて、「イス掛け用机の下に電熱器を設け、机の下の背面、左右側面を壁等で覆う」構成とすることにより、その目的を達成しようとしたものであるが、机使用時の足元の冷えを予防するとはいっても、壁等に覆われていない机の前面から隙間風が入り込んだり、電熱器で暖められた暖気が机の前面から逃げてしまい効率的に下半身全体を暖めることはできない。
このような不都合を解消するために、本出願人は、従来のコタツのメリットを活かし、かつ、椅子に座る習慣に配慮した、椅子に座った状態で使用することのできる暖房器付き机に関する2件の考案を出願した。この内の1件が登録実用新案第3117952号公報に開示の考案であり、他の1件が登録実用新案第3121557号公報に開示の考案である。
登録実用新案第3117952号公報に開示の考案は、「コタツを、一対の側面板および背面板から構成される壁面と天板および底板から形成される筐体の内部に暖房器を設置し、前記の天板上に回動自在に甲板を重置し、前記の天板と甲板に上掛けの一辺を挟着させ、天板から垂れ下がった裾を側面板に固定する構成とする一方、椅子を、座板の周縁部から下方向に垂設される連続壁状の脚部からなり、かつ、前記の脚部を平板状の台上に固着し、前記の台が平板状の下敷き上を一方向にのみ移動できるように構成」とすることにより、前述した目的を達成したものである。
ところで、登録実用新案第3117952号公報に開示の考案は、コタツの構成を、筐体の天板上に回動自在に甲板を重置し、前記の天板と甲板に上掛けの一辺を挟着させ、天板から垂れ下がった裾を側面板に固定することとしていて、背面部を除いて従来のコタツ同様に上掛けで覆うこととしているので、コタツの上で物書き等の仕事をする場合には、上掛けの上に敷板等の硬い板を載せる必要がある。また、天板の構成を「少なくとも1つの凹部が前記背面板に平行に形成され(前記天板上に重置され該天板と略同形の)甲板の該天板に相対する面には少なくとも1つの凸部が前記背面板に平行に形成されて、前記凹部と前記凸部とが互いに嵌合」することとしているので、上掛けを使用しない冬季以外の場合であっても、甲板上に敷板等の硬い板を載せる必要がある。
そのため、登録実用新案第3121557号公報に開示の考案では、下半身全体をわずかなエネルギーで暖めることができるという従来のコタツのメリットを活かすとともに、物書き等の仕事で使用する書斎机としても利用できる暖房器机を提供することを目的とし、「略矩形の天板と、前記天板の両側面部から垂設されて該天板を床面から支持する一対の側面断熱パネルと、前記天板の背面部にあって前記一対の側面断熱パネル間に架設される背面断熱パネルと、前記天板、前記一対の側面断熱パネルおよび前記背面断熱パネルに囲繞された天板下空間内に設置される暖房器と、からなり、前記天板を背面側と前面側に2分割し、背面側の天板を数種類の天板と交換可能な構成」とすることにより、この目的を達成したものである。
実開平7−25841号公報 登録実用新案第3117952号公報
しかしながら、登録実用新案第3121557号公報に開示の考案では、天板の前面側下面および一対の側面断熱パネル前面側内面に固着された雌型面ファスナーに上掛けの辺縁に沿って縫着される雄型面ファスナーを係着させることにより、上掛けを暖房器付き机に係着させていて、上掛けは、暖房器付き机の前面部のみを覆うようになっている。すなわち、上掛けは、天板下空間内の暖気を逃さない役割を担っていて、上掛けの有する保温効果を有効に利用するものではない。
そこで、本考案は、下半身全体をわずかなエネルギーで暖めることができるという従来のコタツのメリットを活かすとともに、物書き等の仕事で使用する書斎机としても利用でき、かつ、上掛けの保温効果を有効に利用することにより、ランニングコストが低廉な暖房器付き机を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る暖房器付き机は、略矩形の天板と該天板の四隅を床面から支持する脚部とを有し該天板下に一対の側面板、背面板および上面板に囲繞され前面が開放された天板下空間を具える書斎机において、前記一対の側面板の前記天板下空間側に該一対の側面板に対し所定の離間距離をもって並設される略矩形の一対の側面押え板、および/または前記上面板の前記天板下空間側に該上面板に対し所定の離間距離をもって並設される略矩形の上面押え板を具え、前記一対の側面板と前記一対の側面押え板とが形成する側面挟持部、および/または前記上面板と前記上面押え板とが形成する上面挟持部に、上掛けの一辺が挟持されて該上掛けが前記天板下空間の前面を緩やかに被包し、前記天板下空間内の前記一対の側面押え板および前記上面押え板よりも前記書斎机の背面側に暖房器が設置される、ことを特徴としている。
本願考案では、一対の側面押え板および上面押え板に関して、以下の3つのケースが含まれている。すなわち、
(1)一対の側面押え板のみを具えるケース、
(2)上面押え板のみを具えるケース、
(3)一対の側面押え板および上面押え板を具えるケース、である。
なお、天板下空間とは、書斎机の使用時に座者の膝が挿入される空間をいい、たとえば、両袖机や片袖机においては、袖部の内側の側面部に囲繞される空間をいう。また、天板下空間の前面とは、書斎机の使用時に座者に対面する書斎机の正面に対応する面をいう。
そして、側面挟持部とは、側面板と側面板に対して対面する側面押え板との重なり合う部分をいい、上面挟持部とは、上面板と上面板に対して対面する上面押え板との重なり合う部分をいう。さらに、書斎机の背面側とは、書斎机の正面に対する反対側をいい、上掛けとは、保温性能に優れたシート状のものをいう。
また、請求項2に係る暖房器付き机は、請求項1に記載の暖房器付き机であって、一対の前記側面押え板の前記書斎机の背面側端部は前記一対の側面板に回動可能および/または着脱可能に支持され、前記上面押え板の前記書斎机の背面側端部は前記上面板に回動可能および/または着脱可能に支持され、一対の前記側面押え板および前記上面押え板の背面側端部は前記書斎机の側面視において略同一垂直線上に位置している、ことを特徴としている。
本願考案では、一対の側面押え板および上面押え板の支持に関して、以下の4つのケースが含まれている。すなわち、
(1)一対の側面押え板の背面側端部が回動可能または着脱可能に支持されるケース、
(2)一対の側面押え板の背面側端部が回動可能かつ着脱可能に支持されるケース、
(3)上面押え板が回動可能または着脱可能に支持されるケース
(4)上面押え板が回動可能かつ着脱可能に支持されるケース、である。
なお、「一対の前記側面押え板および前記上面押え板の背面側端部は書斎机の側面視において略同一垂直線上に位置している」とは、書斎机の側面側から透視すると、一対の側面押え板および上面押え板の背面側端部が、同一の垂直線上の近辺に位置していることをいう。
そして、請求項3に係る暖房器付き机は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の暖房器付き机であって、前記側面挟持部内および/または前記上面挟持部内には雌雄一対の係止具の一方が固着され、前記上掛けの一辺には該係止具の他方が固着されて、該係止具の一方と他方とが係止される、ことを特徴としている。
本願考案では、雌雄一対の係止具の一方が固着される箇所に関して、以下の3つのケースが含まれている。すなわち、
(1)側面挟持部内にのみ雌雄一対の係止具の一方が固着されるケース、
(2)上面挟持部内にのみ雌雄一対の係止具の一方が固着されるケース、
(3)側面挟持部内および上面挟持部内に雌雄一対の係止具の一方が固着されるケース、である。
なお、雌雄一対の係止具には、雌型、雄型が区別できないような係止具も含まれる。
さらに、請求項4に係る暖房器付き机は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の暖房器付き机であって、前記天板下空間内には一対の前記側面板に密着する一対の添え柱および/または前記上面板に密着する梁が着脱可能に設置、または固定して設置され、前記添え柱に一対の前記側面押え板が支持され、前記梁に前記上面押え板が支持されている、ことを特徴としている。
本願考案では、雌雄一対の係止具の一方が固着される箇所に関して、以下の3つのケースが含まれている。すなわち、
(1)一対の添え柱のみが一対の側面板に対して着脱可能または固定して設置されるケース、
(2)梁のみが上面板に対して着脱可能または固定して設置されるケース、
(3)一対の添え柱および梁がそれぞれ一対の側面板および上面板に対して着脱可能または固定して設置されるケース、である。
請求項1に係る考案では、一対の側面板、背面板および上面板に囲繞され前面が開放された天板下空間内に、該一対の側面板に対し所定の離間距離をもって並設される略矩形の一対の側面押え板、および/または該上面板に対し所定の離間距離をもって並設される略矩形の上面押え板を具えていて、側面挟持部および/または上面挟持部に、上掛けの一辺が挟持されて該上掛けが前記天板下空間の前面を緩やかに被包する、こととしている。したがって、側面挟持部および/または上面挟持部に上掛けの一辺が挟持されるので、上面板と一対の側面板の天板下空間側の面が上掛けで覆われることになり、上掛けの保温効果を有効に利用することができ、暖房器が消費する電気代等のランニングコストを軽減することができる。さらに、暖房器の温度を40℃ないし60℃以下に設定しても、十分に下半身を暖めることができるので、いわゆる低温火傷を防ぐことができる。
また、一対の側面押え板および上面押え板よりも書斎机の背面側に暖房器が設置される、こととしている。したがって、一対の側面押え板および/または上面押え板に挟持される上掛けは、暖房器とは離れた位置にあるので、不用意に上掛けが暖房器に接触することはなく、防災上からも有効である。
また、請求項2に係る考案では、一対の側面押え板および/または上面押え板の背面側端部は一対の側面板あるいは上面押え板に対して、および/または着脱可能に支持されている。したがって、回動可能とした場合であっても、着脱可能とした場合であっても、一対の側面押え板と一対の側面板との間および/または上面押え板と上面板との間に上掛けを挟持させることを容易に行うことができる。そして、一対の側面押え板および/または上面押え板を着脱可能とした場合には、一対の側面押え板および/または上面押え板を取り外すことにより、暖房器付き机を通常の書斎机として使用することができる。
また、一対の側面押え板および上面押え板の背面側端部は、書斎机の側面視において略同一垂直線上に位置するようにしているので、上掛けの一辺を一対の側面押え板および上面押え板で同時に挟持させることができる。
そして、請求項3に係る考案では、側面挟持部内および/または上面挟持部内には雌雄一対の係止具の一方が固着され、上掛けの一辺には該係止具の他方が固着されて、該係止具の一方と他方とが係止されることとしているので、上掛けは強固に側面挟持部および/または上面挟持部に挟持され、上掛けを引張っても暖房器付き机から抜け出すことはない。
さらに、請求項4に係る考案では、天板下空間内には一対の側面板に密着する一対の添え柱および/または上面板に密着する梁が着脱可能に設置、または固定して設置され、該添え柱に一対の側面押え板が支持され、該梁に上面押え板が支持されている。このため、一対の添え柱および/または梁を着脱可能とした場合は、一対の側面押え板および/または上面押え板もまた、着脱可能とすることができる。そして、一対の側面押え板および/または上面押え板を一対の側面板および/または上面板に対して所定の離間距離を有して固定あるいは回動可能にすることは、一対の添え柱および/または梁を介することによりきわめて簡単に行うことができる。
本考案を実施するための最良の形態に係る実施例について、図1ないし図6を基に説明する。ここで、図1は、実施例に係る暖房器付き机の全体図および使用状況図、図2は、実施例に係る暖房器付き机の上面板(天板)を外した構成斜視図、図3は、実施例に係る暖房器付き机の構成斜視図、図4は、図1のIV−IV矢視断面図、図5は、実施例に係る暖房器付き机の上面押え板および側面押え板を上面板(天板)および側面板に平行に設置したときの正面図である。なお、図2ないし図5においては、上掛けの図示を省略している。
符号1は実施例に係る暖房器付き机、符号10は上面板、符号12は上面押え板、符号14は上面挟持部、符号16は折畳み棚受け、符号18は雌型係止具、符号30は側面板、符号32は側面押え板、符号34は側面挟持部、符号36は回動継手、符号38は側面押え板止め具、符号50は背面板、符号52は天板下空間、符号60は暖房器、符号62は棚板、符号72は添え柱、符号74は梁、符号80は上掛け、符号90は椅子、符号92は台、符号94はガイドレール、符号96は下敷き、である。
通常、書斎机は略矩形の天板と該天板の四隅を床面から支持する脚部とを有していて、書斎机の両袖部には引き出しが具えられている。そして、両袖部間の天板下にも引き出しを具えている場合がある。そのため、本来、実施例における天板下空間52は、通常の書斎机にあっては、両袖部の内側の側面板30、30、背面板50、および天板下に引き出しを具えている場合はその底板、天板下に引き出しを具えていない場合は天板自体である上面板10と、から形成されるが、暖房器付き机1では、分かり易い図とするために、両袖部の引き出しおよび天板下の引き出しの図示を省略している。したがって、暖房器付き机1では、両袖部の内側の側面板30、30が書斎机の脚部を連結する側面の壁を兼ね、書斎机の天板を上面板10が兼ねている状態となっている。
以下の説明では、側面板30というときは、両袖部の内側の側面板を指し、上面板10というときは、本来の上面板を指す場合と天板を指す場合とがある。
暖房器付き机1は、主に、矩形の上面板10、矩形の一対の側面板30、30、矩形の背面板50から構成されている。そして、前述したように、矩形の一対の側面板30、30および矩形の背面板50によって形成されたコの字状の壁面上部に上面板10が載置された状態となって、前面のみが開放された天板下空間52が形成されている。
なお、天板下空間52内の床面に底板を設置しても良いことは勿論である。
一対の添え柱72、72は、側面板30の長さをLとしたときに、天板下空間52内の略L/2の位置に垂直方向に側面板30に密着して着脱可能に添設されていて、梁74は、添え柱72と同様の位置、すなわち、暖房器付き机1の側面部から暖房器付き机1を透視したときには、同一垂直線上の位置に、かつ、天板下空間52内の上面板10に密着して添設されている。すなわち、一対の添え柱72、72と梁74とにより、門型の枠が形成された状態となっていて、梁74を一対の添え柱72、72の上部に架け渡して、梁74と一対の添え柱72、72とを一体化しても良い。
そして、添え柱72の前面側(前面側とは、暖房器付き机1の前側に向いた面をいう。以下同じ。)には、上下方向に回動継手36、36が固着され、梁74の前面には、左右方向に折畳み棚受け16、16が固着されている。
この回動継手36は、添え柱72の前面方向に突設されていて、実施例では、平面視がU字で先端部分がやや狭まった形状の弾性材料で形成され、後述する側面押え板32の外周枠を把持するようになっている。なお、回動継手36には、枢着金物等を使用できることは勿論である。
また、折畳み棚受け16は、梁74の前面側に突設されていて、その基端部は梁74に固着され、側面視においてその上辺は略水平となっている。この折畳み棚受け16は不使用時には垂直方向に折畳めるようになっていて、後述する上掛け80を雌型係止具18に係止させる際に折畳み棚受け16を折畳むことにより作業性が向上することとなるが、折畳み棚受け16に代えて、折畳み式となっていない棚受けを使用することができることは勿論である。
上面押え板12は、平板であって、使用時の状態に固定された折畳み棚受け16、16上に載置されて固定されるようになっている。そして、折畳み棚受け16、16上に載置された状態のときの上面押え板12と上面板10との空間が、上面挟持部14として形成される。さらに、上面挟持部14内の添え柱72には、複数個の雌型係止具18であるリング金具が固着されている。
側面押え板32は、網目状の平板であって外周枠で囲繞されていて、前述したように、回動継手36に外周枠の一辺が把持されて、着脱可能かつ回動自在となっている。そして、側面板30に対して側面押え板32を略平行に回動した位置で、側面板30に固着された側面押え板止め具38により固定できるようになっている。また、側面押え板32が側面板30に対して略平行に固定された状態のときの側面押え板32と側面板30との空間が、側面挟持部34として形成される。そして、側面挟持部34内の梁74には、複数個の雌型係止具18であるリング金具が固着されている。なお、実施例においては、側面押え板32を網目状の平板としているが、網目状でなくとも良いことは勿論である。
暖房器60は、一対の添え柱72、72の背面板50側に設置された棚板62の裏面に固着されていて、実施例では、テーブル式コタツ用のヒーターユニットが使用されている。勿論、暖房器60を上面板10に直接固着しても良いが、暖房器60の近傍には暖気溜りが生じやすく、暖房器60の上下方向の位置によっては、使用者の膝部分に低温火傷を引き起こす虞もあることから、実施例においては、暖房器60の上下方向の位置を棚板62で調整している。また、暖気溜り防止策として、たとえば、温度センサーと温度センサーに連動する換気ファンを設けて、所定の温度を超えたときに換気ファンを稼動させるようにしても良い。
なお、実施例においては暖房器60にテーブル式コタツ用のヒーターユニットを使用しているが、これに限定されるものではなく、たとえば、前述した底板上に、ヒーターユニットやパネルヒータなどのような他の暖房器を設置しても良い。
上掛け80は矩形の布団であって、上掛け80の一辺には、雌型係止具18に対応する位置に、雄型係止具(図示外)が固着されている。この上掛け80には、他に保温性能に優れた毛布等のようなシート状のものを使用することができる。なお、雌雄一対の係止具としては、たとえば、スナップ、ホック、ボタンとボタンホール、または面ファスナーなどがあるが、実施例においては、雌型係止具18をリング金物としていて、図示外の雄型係止具をホックとしている。
椅子90は、本考案の構成要素ではないが、本考案と併用することにより、本考案の効果をより一層引き立たせることになるので、概説する。
実施例では、登録実用新案第3117952号に開示の実施例に係る椅子を使用している。すなわち、椅子90の脚部は、座板の周縁部から下方向に垂設された連続する壁状となっていて、平板状の台92上に固着されて、台92の下面に固着される図示外のキャスターにより、平板状の下敷き96上をガイドレール94に導かれて、暖房器付き机1の方向に移動自在となるように構成されている。このように椅子90の脚部を壁状とすることにより、天板下空間52内の暖気が椅子90の脚部から室内に流れ出すことがなく、本考案の保温効果はさらに高まることになる。
つぎに、暖房器付き机1の使用例について説明する。暖房器付き机1は、以下の手順により組立てることができる。すなわち、
(1)一対の側面板30、30および上面板10のそれぞれに一対の添え柱72、72および梁74を取付ける。
(2)添え柱72に固着された回動継手36に側面押え板32の枠を押し当てて側面押え板32を取付ける、
(3)側面押え板32を側面板30に対して略90°回動させた後、雌型係止具18に、上掛け80の一辺に固着された雄型係止具を係止させる、
(4)側面押え板32を側面板30に平行になるように回動させて、側面押え板止め具38により側面押え板32を固定する、
(5)折畳み棚受け16の先端部を基端部に対し略90°回動して固定した後、上面押え板12を折畳み棚受け16と上掛け80との間に挿入し、折畳み棚受け16に上面押え板12を固定する、
という手順を経て暖房器付き机1が組立てられる。
なお、上記(2)ないし(5)の手順は適宜入れ替えることができることは勿論であり、また、上記の手順を逆に行うことにより、暖房器付き机1から上掛け80、側面押え板32、上面押え板12、梁74および添え柱72を取り外すことができる。
組立てられた暖房器付き机1を使用する場合は、暖房器60のスイッチをONにして、暖房を入れ、椅子70に腰掛けて椅子70を暖房器付き机1方向に所望の位置までスライドさせれば良い。
天板下空間52は、暖房器60により暖められるが、一度暖められた天板下空間52内の空気は、上面板10と一対の側面板30、30の天板下空間52側の面が上掛け80で覆われ、さらに、暖房器付き机1の前面が上掛け80で被包されるので、使用者の下半身を密着して覆うことになり、上掛け80の保温効果は十分に発揮され、天板下空間52内の空気は冷めにくくなる。
図1は、実施例に係る暖房器付き机の全体図および使用状況図である。 図2は、実施例に係る暖房器付き机の上面板(天板)を外した構成斜視図である。 図3は、実施例に係る暖房器付き机の構成斜視図である。 図4は、図1のIV−IV矢視断面図である。 図5は、実施例に係る暖房器付き机の上面押え板および側面押え板を上面板(天板)および側面板に平行に設置したときの正面図である。
符号の説明
1 実施例に係る暖房器付き机
10 上面板
12 上面押え板
14 上面挟持部
18 雄型係止具
30 側面板
32 側面押え板
34 側面挟持部
50 背面板
52 天板下空間
60 暖房器
72 添え柱
74 梁
80 上掛け
90 椅子

Claims (4)

  1. 略矩形の天板と該天板の四隅を床面から支持する脚部とを有し該天板下に一対の側面板、背面板および上面板に囲繞され前面が開放された天板下空間を具える書斎机において、
    前記一対の側面板の前記天板下空間側に該一対の側面板に対し所定の離間距離をもって並設される略矩形の一対の側面押え板、および/または前記上面板の前記天板下空間側に該上面板に対し所定の離間距離をもって並設される略矩形の上面押え板を具え、
    前記一対の側面板と前記一対の側面押え板とが形成する側面挟持部、および/または前記上面板と前記上面押え板とが形成する上面挟持部に、上掛けの一辺が挟持されて該上掛けが前記天板下空間の前面を緩やかに被包し、
    前記天板下空間内の前記一対の側面押え板および前記上面押え板よりも前記書斎机の背面側に暖房器が設置される、ことを特徴とする暖房器付き机。
  2. 一対の前記側面押え板の前記書斎机の背面側端部は前記一対の側面板に回動可能および/または着脱可能に支持され、
    前記上面押え板の前記書斎机の背面側端部は前記上面板に回動可能および/または着脱可能に支持され、
    一対の前記側面押え板および前記上面押え板の背面側端部は前記書斎机の側面視において略同一垂直線上に位置している、ことを特徴とする請求項1に記載の暖房器付き机。
  3. 前記側面挟持部内および/または前記上面挟持部内には雌雄一対の係止具の一方が固着され、
    前記上掛けの一辺には該係止具の他方が固着されて、該係止具の一方と他方とが係止される、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の暖房器付き机。
  4. 前記天板下空間内には一対の前記側面板に密着する一対の添え柱および/または前記上面板に密着する梁が着脱可能に設置、または固定して設置され、
    前記添え柱に一対の前記側面押え板が支持され、
    前記梁に前記上面押え板が支持されている、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の暖房器付き机。
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