JP3123239B2 - ヌクレオシド誘導体の樹脂精製法 - Google Patents

ヌクレオシド誘導体の樹脂精製法

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JP3123239B2 JP04199965A JP19996592A JP3123239B2 JP 3123239 B2 JP3123239 B2 JP 3123239B2 JP 04199965 A JP04199965 A JP 04199965A JP 19996592 A JP19996592 A JP 19996592A JP 3123239 B2 JP3123239 B2 JP 3123239B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヌクレオシド類、特に抗
AIDS薬や抗ウイルス薬として認可又は評価中の
2′,3′−ジデオキシヌクレオシド誘導体の精製法に
関する。これらの誘導体のうち、2′,3′−ジデオキ
シイノシン(ddI)、2′,3′−ジデオキシシチジ
ン(ddC)、及び3′−デオキシ−3′−アジドチミ
ジン(AZT)は既に抗AIDS薬として米国食品医薬
局(FDA)において認可されている。
【0002】
【従来の技術】2′,3′−ジデオキシヌクレオシド誘
導体の製造方法は、これまで多く報告されている。これ
らの報告において、反応粗生成物から目的化合物を単離
精製する方法としては、有機溶媒を用いる再結晶による
精製法(McCarthy et al., J.Am.Chem.Soc., (1966)88,
1549、Mansuri et al., J.Org.Chem., (1989)43, 478
0、及びRobins et al., Tetrahedron Lett., (1984)25,
367)、シリカゲルクロマトグラフィーや合成吸着樹脂
を用いる精製法が知られている(UPS 3,817,982、及びC.
K.et al., J.Med.Chem., (1990)33, 1553)。例えば、イ
ノシシを原料にddIを合成する際、原料イノシンのグ
リコシド結合の切断により生じたヒポキサンチン、未反
応原料のイノシシ、デオキシイノシシ等の核酸塩基、ヌ
クレオシド等が副生する。ddIをこれら副生物から分
離精製するのに、再結晶による方法、シリカゲルクロマ
トグラフィーを用いる精製法等それ自体従来知られてい
る方法が試みられているが、目的化合物と未反応原料及
び副生物との物理化学的性質の類似性から、これまで知
られている何れの分離方法も高純度の目的化合物を得る
には低回収率となり、また操作も煩雑であるために工業
的に用いるのに適した方法ではなかった。
【0003】そこで、本発明者は上記のddIとヒポキ
サンチン、イノシン、デオキシイノシン等との混合物
や、2′,3′−ジデオキシアデノシン(ddA)とア
デニン、アデノシン、デオキシアデノシン等との混合物
から、それぞれ、ddIやddAを樹脂精製により単離
する場合、通常核酸誘導体類の精製に良く用いられる非
極性多孔質樹脂(例えば「SP−207 」三菱化成社製)
を用い、これに粗ddIの水溶液や粗ddAの水溶液
(pH7〜10)を接触させてddIやddAを選択的に
吸着させ、アルコールにより吸着したddIやddAを
溶離する方法を試み、精製可能なことを見いだしたが
(特開平1-98496 、同1-175990、同1-165390、及び同1-
175991)、目的化合物の純度や回収率は必ずしも満足で
きるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高純度の2′,3′−
ジデオキシヌクレオシド誘導体を不純物から高回収率で
分離精製することの出来る、工業的に有利な方法を開発
することが本発明の課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するべ
く、本発明者は鋭意研究の結果、粗ddAの水溶液をp
H11以上の塩基性条件とし、これをカラムに充填した非
極性多孔質樹脂に接触させ、その後これを中性条件での
溶離操作に付したところ、驚くべきことに、ddAとそ
の合成反応において通常みられる不純物であるアデニ
ン、アデノシン、特にデオキシアデノシンなどとの間に
吸着性に大きな差が生じることが観測され、両者を良好
に分離できることを見いだし、延いてはddAを高純度
かつ高回収率で単離精製することが出来ることを見いだ
した。また、粗ddIの水溶液をpH11以上の塩基性条
件とし、これを同様のカラムにフィードしたところ、こ
の場合もddIとヒポキサンチン、イノシン、特にデオ
キシイノシン等との間に吸着性に大きな差が生じ、この
結果ddIを同じく高純度かつ高回収率で単離精製する
ことが出来ることを見いだした。そして、このような知
見に基いて本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は、粗2′,3′−ジデオキ
シヌクレシド誘導体の、pHが11以上の塩基性水溶液と
非極性多孔質樹脂とを接触させて該誘導体を該樹脂に吸
着させ、次いで吸着した該誘導体を脱着することを特徴
とする2′,3′−ジデオキシヌクレオシド誘導体の樹
脂精製法に関する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】図1にddA及びddIの合成法の1例を
示す。ddA及びddIは、それぞれ、アデノシン及び
イノシンを原料とし、これらからその2′及び3′位の
両水酸基を還元することにより合成することができる。
【0009】このような反応によって得られるddA及
びddIの粗結晶には、それぞれ、目的とするddA及
びddI以外に、不純物として、前者には原料のアデノ
シン、そのグリコシド結合の切断により生ずる核酸塩基
のアデニン、副生成物のデオキシアデノシン等が含ま
れ、後者には、同様に、イノシン、ヒポキサンチン、デ
オキシイノシンが含まれる。このような粗結晶を水酸化
ナトリウム水溶液等によりpH11以上の塩基性水溶液と
し、この水溶液を非極性多孔質樹脂に接触させ、即ち、
例えばそのカラムにフィードすることにより、それぞ
れ、ddA及びddIとその不純物とを分離することに
成功したのである。
【0010】本発明の実施は、通常、大略次のように行
われる。すなわち、非極性多孔質樹脂を充填したカラム
に、2′,3′−ジデオキシヌクレオシド誘導体の塩基
性水溶液をフィードしてこれに2′,3′−ジデオキシ
ヌクレオシド誘導体を吸着させた後、それ自体は公知の
脱着法である水を流すことにより中性に戻し、ついでア
ルコール水溶液を流すことにより目的とする2′,3′
−ジデオキシヌクレオシド誘導体のみを溶離させる。
【0011】本発明にいう塩基性条件とは、pH11以上
をいい、好ましくはpH12以上である。pH11以下で
は、不純物との分離性が十分ではない。具体的には、粗
2′,3′−ジデオキシヌクレオシドを、濃度が0.1 〜
30重量%の無機塩基の水溶液に溶解して得られた塩基性
水溶液を用いることができる。
【0012】本発明において、塩基性水溶液を調製する
際用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等の無機塩基、及びアンモニア等を挙げること
ができるが、好ましくは水酸化ナトリウムが用いられ
る。また、例えば、水酸化ナトリウムを用いる場合、塩
化ナトリウムを水酸化ナトリウムに等量程度までを加え
てもよく、こうすると更に分離が良好となるが、これは
イオン効果によるものと考えられる。
【0013】2′,3′−ジデオキシヌクレオシド誘導
体の塩基性水溶液については、その合成反応溶液がpH
11以上である場合は、それをそのまま本発明の処理に付
してもなんら差し支えないことはもちろんである。
【0014】本発明にいう2′,3′−ジデオキシヌク
レオシド誘導体は、グアノシン、アデノシン、イノシン
等のプリンヌクレオシド類及びウリジン、シチジン等の
ピリミジンヌクレオシド類の2′位および3′位のデオ
キシ体(即ち、ジデオキシ体)、その2′,3′−ジデ
ヒドロ体、及びこれらの糖部及び/又は塩基部における
誘導体をいう。具体的には、ddI、ddA、2′,
3′−ジデオキシ−2′,3′−ジデヒドロヌクレオシ
ド、2′,3′−ジデオキシ−3′−アジドヌクレオシ
ド、2′,3′−ジデオキシ−2′−フルオロヌクレオ
キシド、2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオロヌク
レオシド等を挙げることができ、更にまた、2,6−ジ
アミノプリン、6−クロロプリン、2−アミノプリン等
のプリン塩基を有するヌクレオシド類及び5−メチルウ
リジン等のピリミジンヌクレオシド類の2′位および
3′位のデオキシ体及びこれらの2′,3′−ジデヒド
ロ体を挙げることができる。因みに、このように、本発
明にいう2′,3′−ジデオキシヌクレオシド誘導体
は、ddIやddAなどの2′,3′−ジデオキシヌク
レオシド自体をも含むので、広義に定義されていること
が理解されよう。
【0015】本発明にいう非極性多孔質樹脂は、例え
ば、その母体がスチレン−ジビニルベンゼン系の重合体
又はその誘導体の重合体のいずれも使用可能である。例
えば、「ダイヤイオン」シリーズ、「SP」シリーズ
(以上、三菱化成社製)、「XAD−4」(ロームアン
ドハース社製)、「OC1031」(バイエル社製)等を使
用できるが、その他の非極性多孔質樹脂であっても同等
の性質を有するものであればいずれであっても良い。特
に高比重化した「SP−207 」(三菱化成社製)は樹脂
が浮上したりすることがなく、操作性において優れてい
る。
【0016】非極性多孔質樹脂と粗2′,3′−ジデオ
キシヌクレオシド誘導体の塩基性水溶液との接触方法
は、上述のような粗2′,3′−ジデオキシヌクレオシ
ド誘導体の塩基性水溶液を樹脂塔に通液する方法(カラ
ム式)、及び粗2′,3′−ジデオキシヌクレオシド誘
導体の塩基性水溶液に樹脂を添加して目的の2′,3′
−ジデオキシヌクレオシド誘導体をこれに吸着させた後
樹脂を除く方法(バッチ式)があるが、カラム式の方が
操作上簡便で好ましい。
【0017】カラム式の場合、通液速度には特に制限は
なく、通常SV=0.5 〜10、好ましくはSV=1〜4程
度がよい。
【0018】カラム式の場合、フィードする粗2′,
3′−ジデオキシヌクレオシド誘導体の塩基性水溶液の
体積負荷量は、2′,3′−ジデオキシヌクレオシド誘
導体の種類や溶液の濃度によって異なるが、2′,3′
−ジデオキシヌクレオシド誘導体の樹脂負荷量を樹脂10
00mlに対して1〜2000g、好ましくは40〜500 gとする
のが分離性及び経済性の点で適している。
【0019】バッチ式における樹脂の量については、粗
2′,3′−ジデオキシヌクレオシド誘導体1gに対し
て、0.1 〜100ml 、好ましくは0.5 〜5ml用いる。
【0020】樹脂と粗2′,3′−ジデオキシヌクレオ
シド誘導体の塩基性水溶液との接触温度については、特
別の制限はなく、通常10〜50℃の範囲であり、この範囲
においては樹脂の精製能力はほとんど変わらない。
【0021】非極性多孔質樹脂に吸着された2′,3′
−ジデオキシヌクレオシド誘導体を樹脂から溶離させ
る、即ち脱着させるのに用いる水の量は、1〜20RVの
範囲から適宜選択される。
【0022】ついで溶離に用いるアルコール水溶液にい
うアルコールとしては、メタノール、エタノール、2−
プロパノールなどの低級アルコールが好ましく用いられ
る。アルコール濃度は適当な溶離条件として10〜50vo
l%が好ましい。使用量は、1〜20RVの範囲の中から
適宜選択される。
【0023】溶出液からの目的物質2′,3′−ジデオ
キシヌクレオシド誘導体の回収についても特別の制限は
ない。例えば、溶離終了後、2′,3′−ジデオキシ誘
導体の溶出画分を集め、まず減圧濃縮によりアルコール
を留去し、更に濃縮して析出する目的物を単離すること
によることができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
【0025】実施例1(合成例) 合成例(a):アデノシンから2′,3′−ジデオキシ
アデノシン(ddA)の合成 アデノシン20g(74.9mmol)の酢酸100ml 溶液に、オルト
酢酸トリメチル11.7ml(1.3倍当量)を加え、50℃で3時
間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、アセトニトリ
ル100ml を加え、反応液を10℃まで冷却し、ここに臭化
アセチル22ml(4倍当量)を1時間かけて滴下した。反
応液を更に2時間15℃で撹拌した後、炭酸ナトリウム
(Na2 CO3 )水溶液で中和し、アセトニトリルで抽
出した。抽出液に10%のパラジウムを担持した炭素触媒
(10%Pd−C触媒)を3g(5mol %)加え、水酸化
ナトリウム(NaOH)水溶液で系内のpHを9.5 にコ
ントロールしながら系内を水素雰囲気とし、室温で水素
添加反応を5時間行った。反応終了後反応液を濾過し、
溶媒を減圧下留去した後水酸化ナトリウム水溶液を加
え、液をpH12に保ち5時間撹拌した。
【0026】こうして得られたddAアルカリ水溶液10
0ml 中には、第1表示す組成で各核酸誘導体を含んでい
た。
【0027】
【表1】
【0028】合成例(b):イノシンから2′,3′−
ジデオキシイノシン(ddI)の合成(その1) イノシン20g(74.6mmol)の酢酸100ml 溶液に、オルト酢
酸トリメチル11.7ml(1.3倍当量)を加え、50℃で3時間
撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、アセトニトリル
200ml を加え、反応液を5℃まで冷却し、ここに臭化ア
セチル22ml(4倍当量)を2時間かけて滴下した。反応
液を更に3時間5℃で撹拌した後、炭酸ナトリウム水溶
液で中和し、アセトニトリルで抽出した。抽出液に10%
Pd−C触媒を3g(5mol %)加え、トリエチルアミ
ン30ml(5倍当量)を加え、系内を水素雰囲気とし、室
温で水素添加反応を5時間行った。反応終了後反応液を
濾過し、溶媒を減圧下留去した後水酸化ナトリウム水溶
液を加え、液をpH12に保ちつつ5時間撹拌した。
【0029】こうして得られたddIアルカリ水溶液10
00ml中には、第2表に示す組成で各核酸誘導体を含んで
いた。
【0030】
【表2】
【0031】合成例(c):イノシンから2′,3′−
ジデオキシイノシン(ddI)の合成(その2) イノシン20g(74.6mmol)の酢酸100ml 溶液に、オルト酢
酸トリメチル11.7ml(1.3倍当量)を加え、50℃で3時間
撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、アセトニトリル
200ml を加え、反応液を5℃まで冷却し、ここに臭化ア
セチル22ml(4倍当量)を2時間かけて滴下した。反応
液を更に3時間5℃で撹拌した後、炭酸ナトリウム水溶
液で中和し、アセトニトリルで抽出した。抽出液に亜鉛
(Zn)粉末 7.8g(2倍当量)を加え、室温下で2時
間撹拌した。反応液をエチレンジアミン4酢酸2ナトリ
ウム2水和物(EDTA・2Na・2H2 O)90g(4
倍当量)を水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整した
液に投入し、アセトニトリル200ml で抽出した。抽出液
に10%Pd−C触媒を3g(5mol %)加え、系内を水
素雰囲気とし、室温で水素添加反応を5時間行った。反
応終了後反応液を濾過し、溶媒を減圧下留去した後水酸
化ナトリウム水溶液を加え、液をpH12に保ちつつ5時
間撹拌した。
【0032】こうして得られたddIアルカリ水溶液10
00ml中には、第3表に示す組成で各核酸誘導体を含んで
いた。
【0033】
【表3】
【0034】合成例(d):イノシンから2′,3′−
ジデオキシイノシン(ddI)の合成(その3) イノシン20g(74.6mmol)のアセトニトリル200ml スラリ
ー溶液に、水0.67ml(37.5mmol)とアセトキシイソブチリ
ルブロマイド47.0g(224.7mmol,3倍当量)を加え、室
温で2時間反応した。10%重曹(NaHCO3 )水で中
和し、水層を分層除去した。抽出液に亜鉛−銅錯体(Z
n−Cu錯体)19.3g(2倍当量)を加え、室温で2時
間撹拌した。反応液をEDTA・2Na・2H2 O 90
g(4倍当量)を水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調
整した液に投入し、アセトニトリル200ml で抽出した。
抽出液に10%Pd−C触媒を3g(5mol %)加え系内
を水素雰囲気とし、室温で水素添加反応を5時間行っ
た。反応終了後反応液をろ過し、溶媒を減圧下留去した
後水酸化ナトリウム水溶液を加え、液をpH12に保って
5時間撹拌した。
【0035】こうして得られたddIアルカリ水溶液10
00ml中には、第4表に示す組成で各核酸誘導体を含んで
いた。
【0036】
【表4】
【0037】比較例1 合成例(a)で得られた組成Aのケン化液を4N塩酸で
pH10に調整し、非極性多孔質樹脂「SP−207 」のカ
ラム(30mmφ×600mm )にフィードした(ddA 30g
/l−樹脂濃度)。次いで、水→15%MeOH→30%M
eOHと溶離液を変えながらddAを溶離した。
【0038】ddAの溶離画分は、不純物Ad、AR及
び3dAのそれらと重なり(図2参照)、90%画分を回
収すると純度は80%と低く、また99%以上の純度の画分
は50%程度しか回収できなかった。また、溶離液も水及
びメタノール水溶液の合計で30RVという大量を必要と
した。
【0039】比較例2 合成例(d)で得られた組成Dのケン化液を4N塩酸で
pH8に調整し、「SP−207 」樹脂のカラムにフィー
ドした(30g/l−樹脂濃度)。次いで、水→10%Me
OH→30%MeOHと溶離液を変えながらddIを溶離
した。
【0040】ddIの溶離画分は、不純物Hx、HxR
及び3dIのそれらと重なり(図3参照)、90%画分を
回収すると純度は75%と低く、また99%以上の純度の画
分は35%しか回収できなかった。また、溶離液も15RV
の量を要した。
【0041】実施例2 合成例(a)で得られた組成Aのケン化液にNaOHを
5%濃度になるように加え、比較例1の2倍の樹脂を用
いて「SP−207 」樹脂のカラムにフィードして(60g
/l−樹脂濃度)吸着させたところ、ddA以外の不純
物Ad、AR及び3dAが素早く溶離した。不純物の溶
離後、溶離液を水に変え(1RV)、更に30%MeOH
に変えた(図4参照)。
【0042】その結果、高純度のddA溶出画分が高回
収率で(第5表参照)、しかも合計で20RVの液量で精
製回収することが出来た。
【0043】この溶出画分から濃縮晶析することにより
純度99%以上のddA結晶を収率90%で得た。
【0044】実施例3 合成例(d)で得られた組成Dの液にNaOHを加えて
その5%濃度の水溶液とし、「SP−207 」樹脂のカラ
ムにフィードして吸着させたところ(30g/l−樹脂濃
度)、ddI以外の不純物Hx、HxR及び3dIが素
早く溶離した。不純物の溶離が終った後、溶離液を水に
変え(1RV)、更に30%MeOHに変えた(図5参
照)。
【0045】その結果、高純度のddI溶出画分が高回
収率で(第5表参照)、しかも合計で7RVの液量で精
製回収することが出来た。
【0046】実施例4 合成例(d)で得られた組成Dの液にNaOH及びNa
Clを各 2.5%濃度になるように加え、この液を「SP
−207 」樹脂のカラムにフィードして吸着させたところ
(30g/l−樹脂濃度)、ddI以外の不純物Hx、H
xR及び3dIが素早く溶離した。不純物の溶離が終っ
た後、溶離液を水に変え(1RV)、更に30%MeOH
に変えた(図6参照)。
【0047】その結果、高純度のddI溶出画分が高回
収率で(第5表参照)、しかも合計で8RVの液量で精
製回収することが出来た。この結果は、実施例3とほぼ
同様の結果であった。
【0048】実施例5 合成例(b)で得られた組成Bの液にNaOHを加えて
その5%濃度の水溶液とし、「SP−207 」樹脂のカラ
ムにフィードして吸着させたところ(30g/l−樹脂濃
度)、ddI以外の不純物Hx及びHxRが素早く溶離
した。不純物の溶離が終った後、溶離液を水に変え(1
RV)、更に30%MeOHに変えた。
【0049】その結果、高純度のddI溶出画分が高回
収率(第5表参照)、しかも合計で7RVの液量で精製
回収することが出来た。
【0050】実施例6 合成例(c)で得られた組成Cの液にNaOHを加えて
その5%濃度の水溶液とし、「SP−207 」樹脂のカラ
ムにフィードしてに吸着させたところ(30g/l−樹脂
濃度)、ddI以外の不純物Hx及びHxRが素早く溶
離した。不純物の溶離が終った後、溶離液を水に変え
(1RV)、更に30%MeOHに変えた。
【0051】その結果、高純度のddI溶出画分が高回
収率で(第5表参照)、しかも合計で7RVの液量で精
製回収することが出来た。
【0052】以上の結果を下記第5表にまとめて示す。
【0053】
【表5】
【0054】
【発明の効果】本発明により、2′,3′−ジデオキシ
ヌクレオシド誘導体を精製するに際し、工業的かつ簡便
に不純物を除去精製し、目的化合物を高純度でかつ高回
収率で得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ddA及びddIの合成法の1例を示す。
【図2】比較例1における溶出曲線を示す。
【図3】比較例2における溶出曲線を示す。
【図4】実施例2における溶出曲線を示す。
【図5】実施例3における溶出曲線を示す。
【図6】実施例4における溶出曲線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井澤 邦輔 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味 の素株式会社 中央研究所内 (72)発明者 湯川 利秀 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味 の素株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平1−98496(JP,A) 特開 平1−165390(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 473/00 - 473/40 C07B 63/00 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗2′,3′−ジデオキシアデノシン又
    は粗2′,3′−ジデオキシイノシンの、pHが11以
    上の塩基性水溶液と非極性多孔質樹脂とを接触させて
    2′,3′−ジデオキシアデノシン又は該2′,3′−
    ジデオキシイノシンを該樹脂に吸着させ、次いで吸着し
    該2′,3′−ジデオキシアデノシン又は該2′,
    3′−ジデオキシイノシンを脱着することを特徴とする
    2′,3′−ジデオキシアデノシン又は2′,3′−ジ
    デオキシイノシンの樹脂精製法。
  2. 【請求項2】 該塩基性水溶液のpHが12以上である
    請求項1に記載の精製法。
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