JPH0826020B2 - ジデオキシイノシンの精製方法 - Google Patents

ジデオキシイノシンの精製方法

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JPH0826020B2
JPH0826020B2 JP62336171A JP33617187A JPH0826020B2 JP H0826020 B2 JPH0826020 B2 JP H0826020B2 JP 62336171 A JP62336171 A JP 62336171A JP 33617187 A JP33617187 A JP 33617187A JP H0826020 B2 JPH0826020 B2 JP H0826020B2
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ddi
dideoxyinosine
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resin
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俊哉 田辺
勝 大谷
正之 荒井
利秀 湯川
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Ajinomoto Co Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、合成法により生産され、又はそれ由来の
2′,3′−ジデオキシイノシン(以下,DDIと略す。)の
新規精製方法に関するものである。DDIは抗ウイルス剤
等医薬品として使用されるものである。
〔従来の技術〕
従来のDDIの製造方法としては、ヌクレオシド類の
2′位または3′位の脱酸素反応が行われている(Chem
Pharm Bull,22,128(1974))が以下の理由により、報
告例は少ない。
反応に先立ち保護基を導入しなければならない。
2′位、3′位は立体障害が大きく、反応が起きに
くい。
また、別法として2′,3′−ジデオキシアデノシン
(以下、DDAと略す。)を原料にして酵素を利用したデ
アミネーションによる方法も報告されている(Biochim
Biophs Acta566(2)259(1979))。しかし、原料と
なるDDAも上記理由により製造が難しくデアミネーショ
ンによる方法も報告は少ない。
この為、単離精製についても液体又は薄層クロマトグ
ラフィーによる分取が実施されている程度で工業的に利
用できる精製技術は未だ確立していなかった。
Moffattらの方法(J.Amer.Chem.Soc.,95,4025(197
3))に従い、イノシンを原料とし、2′位、3′位の
脱酵素反応を行った場合、反応液中には、不純物とし
て、副生物である2′−デオキシイノシン(以下、2′
−DIと略す。)3′−デオキシイノシン(以下、3′−
DIと略す。)の他、未反応原料のイノシン(以下、Ino
と略す。)、分解生成物であるヒポキサンチン(以下、
Hypと略す。)が含まれる。
この反応液からDDIを取得する際、晶析法では上記不
純物の溶解度が低い為にDDI結晶中に不純物が混入して
しまう。また、DDI自身が酸性域で分解し易い為イオン
交換樹脂による分離方法も困難であった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記の欠点を解消するような工業的に優れたDDIの精
製方法の開発が望まれている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、前記問題点を解決すべく、鋭意検討し
た結果、合成反応終了後のDDIまたはそれ由来の未精製D
DIを例えば水溶液として非極性多孔質樹脂処理すること
により、DDIをHyp,Ino,2′−DI,3′−DI等の不純物と分
離できることを見出し、これらの発見に基づいて本発明
を完成するに至った。
即ち、本発明は合成法により生産された、またはそれ
由来の未精製DDIの精製に際し、DDIを非極性多孔質樹脂
に吸着せしめることを特徴とするDDIの精製方法であ
る。
本発明の出発物質に用いるDDIは、合成法由来のもの
で不純物として少なくともHyp,Ino,2′−DI,3′−DIや
若干の副生成する核酸類のうち,いずれかを含有するも
のである。また、水溶液として使用する場合の溶液のDD
I濃度は、DDIの溶解度以下であれば制限されるものでは
ない。
次に、ここで用いる非極性多孔質樹脂は、例えばその
母体が、スチレン−ジビニルベンゼン系の共重合体又
は、その誘導体例えばこれにハロゲン化し高比重化した
ポリマーである物質であれ、いずれも使用可能である。
例えば、ダイヤイオンHPシリーズ,SPシリーズ(以上、
三菱化成工業),XAD−4(ローム・アンド・ハース
社)、OC1031(バイエル社)等が利用できるが、その他
の非極性多孔質樹脂であっても同等の性質を有するもの
であればいずれであっても良い。特に高比重化したSP20
7(三菱化成工業)がDDI溶液をフィードした時に樹脂が
浮上したりすることなく、操作性が良い点で適してい
る。
非極性多孔質樹脂とDDI溶液との接液方法は、パッチ
式とカラム式があるが、カラム式の方が操作上簡便で好
ましい。
カラムへの通液速度は、特に制限はなく、通常SV=0.
5〜4.0、好ましくはSV=1〜2程度がよい。
カラムにフィードするDDI溶液の体積負荷量はDDI溶液
の濃度によって異なり,同時にDDIの樹脂負荷量(g/l−
R)は5〜30g/l−R、好ましくは1O〜20g/l−Rが分離
性及び経済性の点で適している。
カラムへの接液温度については、10〜50℃であれば特
に制限されない。この温度ではDDIと濃縮液中の不純物H
yp,Ino,2′−DI,3′−DIとの分離性の相違は殆んどな
い。
次に、カラムからのDDI溶離方法に関して記述する。
溶離剤は、低級脂肪族アルコール水溶液が適している。
例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール等の水溶液である。溶離速度は、通常
のSV=1〜2程度が良い。
実際の非極性多孔質樹脂を用いた精製操作は次のよう
にすると良い。すなわち、当該樹脂を充填したカラムに
pH調整を行ったDDI反応液を一定量フィード後、直ちに
低濃度アルコール水溶液を用いてHyp,Ino,2′−DI,3′
−DIを溶離し、次にアルコール水溶液の濃度を上げるこ
とにより、DDIを溶離する。
このDDI画分をpH調整後濃縮し、晶析後、冷却するこ
とにより高純度のDDIを分取することができる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1 Moffattらの方法(J.Amer.Chem.Soc.,95、4025(197
3))に従い、Ino30.0gを出発原料として、反応せし
め、DDI2.9gを含む混合溶液を得た。
このDDI含有溶液を300ml迄濃縮後、非極性多孔質吸着
樹脂SP207(三菱化成工業(株)製)290ml(カラムφ×
L=30mm×410mm)にSV=2でフィード後、5%エチル
アルコール水溶液5800mlで溶離した(SV=2),(画分
−1とする)。次に、20%エチルアルコール水溶液1100
mlで溶離を行った(SV=2),(画分−2とする)。以
上の樹脂操作は液温30℃で行った。
各画分を液体クロマトグラフィー分析により、測定し
た結果、画分−1には3′−DI,2′−DI,Hyp等の不純物
が検出され(各回収率:95%,95%,99%)、画分−2に
はDDIが検出された(回収率65%)。
画分−2をIN NaoHでpH=8.0で調整後濃縮しDDIを晶
析後、10℃迄冷却し、高純度(99.8%)のDDI結晶1.1g
を取した。
実施例2 実施例1と同様の方法で取得したDDI含有溶液300mlを
非極性多孔質吸着樹脂SP207(三菱化成工業(株)製)2
90ml(カラムφ×L=30mm×410mm)にSV=2でフィー
ド後、3%イソプロピルアルコール水溶液5200mlで溶離
した(SV=2),(画分−1とする)。次に、20%イソ
プロピルアルコール水溶液840mlで溶離を行った(SV=
2),(画分−2とする)。すべての樹脂処理は液温30
℃で行った。
各画分を液体クロマトグラフィー分析により、測定し
た結果、画分−1には3′−DI,2′−DI,Hyp等の不純物
が検出され(各回収率:95%,96%,99%)、画分−2に
は、DDIが検出された。(回収率60%)。
画分−2をINNa0HでpH=8.0で調整後濃縮しDDIを晶析
後、10℃迄冷却し高純度(99.9%)のDDI結晶1.0gを
取した。
〔発明の効果〕
以上述べた如く、本発明によれば非極性多孔質樹脂を
用いることにより、合成法で生成された、又はそれ由来
のDDIを効率的に分離精製でき、工業化への道が大いに
期待されるものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成法により生産された、ヒポキサンチ
    ン、イノシン、2′−ジデオキシイノシン及び3′−ジ
    デオキシイノシンの少なくとも一種を不純物として含有
    する2′,3′−ジデオキシイノシンを精製するに際し、
    2′,3′−ジデオキシイノシンを非極性多孔質樹脂に吸
    着せしめることを特徴とする2′,3′−ジデオキシイノ
    シンの精製方法。
  2. 【請求項2】非極性多孔質樹脂が、スチレン−ジビニル
    ベンゼン系の共重合体又は、その誘導体を含有すること
    を特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
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JPS59147606A (ja) * 1983-02-10 1984-08-24 Jgc Corp 有機物の吸着分離法

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