JP3122888U - シェアモードアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】流体に大きな圧力で操作できる圧電素子利用のシェアモードアクチュエータを提供する。
【解決手段】シェアモードアクチュエータ1は、インク室6の上部にノズル3を有し、下部には弾性板5を間に介して圧電素子8が取り付けられる。圧電素子は厚さ方向が分極方向であり、中心の貫通孔9の内面には第1の電極11があり、外面には第1の電極と絶縁して第2の電極12がある。第2の電極を0電位とし、第1の電極に所定の電位を与えると、電場は分極方向と略直角となり、圧電素子にはシェアモードの変位が生じ、貫通孔を中心に盛り上がる方向に変形する。この変形が弾性板を上に凸の形状に面変形させ、インク室内の体積を減少させ、インク7は大きく加圧されノズルから吐出される。
【選択図】図1

Description

本考案は、圧電素子に分極方向に沿う貫通孔を形成し、その貫通孔の内面と圧電素子の表面とに形成した両電極により、圧電素子に対して分極方向と垂直方向の電場を加えてシェアモードの変位を生じさせ、この変位により流体を加圧してノズルから吐出させ、又はノズルから流体を吸引する等、流体を操作するためのシェアモードアクチュエータに関するものである。
圧電素子に電場を加えて変形させることにより、流体を加圧して操作するシェアモードアクチュエータが知られている。例えば、図9は、ユニモルフ型(分極方向と電場方向が平行である場合;d33)のシェアモードアクチュエータを利用して流体としてのインクを加圧・吐出させるインクジェットヘッドを示す略図である。積層された圧電体100の分極方向は厚さ方向と一致しており、該圧電体100の最上部の下面側には共通電極101が設けられ、同圧電体100の上面側には複数の個別電極102が所定間隔で設けられている。圧電体100の下方には個別電極102に対応する所定の間隔でセラミクス等からなる壁体103が配置されて複数のインク室105が区画されている。ここで共通電極を0電位とし、所望の個別電極102に所定の+又は−の電位を印可すれば、圧電体100にはベンドモードの変位が生じてインク室105内のインクが加圧され、インクはインク室105の下方に設けられた図示しないノズルから外方に向けて吐出される。
ところが、前述したようなベンドモードによる圧電素子を用いたシェアモードアクチュエータでは、2つの電極で挟まれた板状の圧電素子を電圧と平行方向に縮ませることで変位を生じさせており、電圧と垂直方向の伸びを利用するタイプに比べれば大きな変位が得られるとされているが、近年のシェアモードアクチュエータ利用のインクヘッドに要求される機能を考慮すると、その変位は必ずしも大きなものとはいえない場合もあり、十分なインクの吐出力が得られない場合がある。例えば、図9に示す例では、圧電素子100の1層の厚さ、すなわち共通電極101と個別電極102との間隔を15μmとし、個別電極の寸法を250μmとした場合、変位は1.9nmにしかならない。また変位と垂直な方向の変形が少なくないため、例えば上記シェアモードアクチュエータ利用のインクヘッドにおいてはクロストーク等の影響が問題になるという課題もある。
本考案は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、ベンドモードに比べて変位量が大きいため流体に一層大きな圧力を加えることができ、クロストークの影響が少ないために高密度化が可能である圧電素子を利用したシェアモードアクチュエータを提供することを目的としている。
請求項1に記載されたシェアモードアクチュエータは、
流体が収納される流体室と、
厚さ方向に沿った分極方向及び厚さ方向に沿って円筒状に形成された貫通孔を備え、前記貫通孔が前記流体室に連通するように前記流体室と外界を区画して設けられる板状の圧電素子と、
前記圧電素子の前記貫通孔の内周面に連続して設けられた第1の電極と、
前記貫通孔が開口した前記圧電素子の内面又は外面において、前記貫通孔の開口の周囲を避けて前記第1の電極と絶縁して設けられた第2の電極とを有し、
前記第1及び第2の電極への通電による前記圧電素子のシェアモードの変位により前記流体を加圧して前記流体を前記貫通孔を介して操作することを特徴としている。
請求項2に記載されたシェアモードアクチュエータは、
流体が収納される流体室と、
前記流体室の一部を区画する壁体に設けられて流体室と外界を連通させるノズルと、
前記流体室の他の一部を区画するとともに内面が前記ノズルに対面する位置に設けられた弾性板と、
厚さ方向に沿った分極方向及び厚さ方向に沿って円筒状に形成された貫通孔を備え、前記貫通孔が前記ノズルと同軸に配置されるように前記弾性板の外面にその内面が接するように設けられる板状の圧電素子と、
前記圧電素子の前記貫通孔の内周面に連続して設けられた第1の電極と、
前記貫通孔が開口した前記圧電素子の内面又は外面において、前記貫通孔の開口の周囲を避けて前記第1の電極と絶縁して設けられた第2の電極とを有し、
前記圧電素子のシェアモードの変位により前記弾性板を変形させることで前記流体を加圧して前記流体を前記ノズルを介して操作することを特徴としている。
請求項3に記載されたシェアモードアクチュエータは、
流体が収納される流体室と、
前記流体室の一部を区画するとともに、貫通したノズルを有する第1の弾性板と、
厚さ方向に沿った分極方向及び厚さ方向に沿って円筒状に形成された第1の貫通孔を備え、前記第1の貫通孔が前記ノズルと連通するように前記第1の弾性板の外面にその内面が接するように設けられる板状の第1の圧電素子と、
前記流体室の他の一部を区画するとともに内面が前記ノズルに対面する位置に設けられた第2の弾性板と、
厚さ方向に沿った分極方向及び厚さ方向に沿って円筒状に形成された第2の貫通孔を備え、前記第2の貫通孔が前記ノズル及び前記第1の圧電素子の前記第1の貫通孔と同軸に配置されるように前記第2の弾性板の外面にその内面が接するように設けられる板状の第2の圧電素子と、
前記第1及び第2の貫通孔の各内周面に連続して設けられた第1の電極と、
前記第1及び第2の貫通孔が開口した前記第1及び第2の圧電素子の各内面又は外面において、前記第1及び第2の貫通孔の各開口の周囲を避けて前記第1の電極と絶縁して設けられた第2の電極とを有し、
前記圧電素子のシェアモードの変位により前記第1及び第2の弾性板を同時に前記流体室の内方に向けて変形させることで前記流体を加圧し、前記流体を前記ノズル及び前記第1の貫通孔を介して操作することを特徴としている。
本考案に係るシェアモードアクチュエータによれば、貫通孔の内面と、これと垂直な圧電素子の表面に、互いに絶縁された電極がそれぞれ設けられ、駆動時に両電極により発生する電場の方向と圧電素子の分極方向が互いに垂直となるので、圧電素子は貫通孔を中心として貫通孔の軸方向(圧電素子の厚さ方向)に向けて持ち上がるように変形する。この変形量はベンドモードの場合よりも大きく、流体室の体積変化率も大きくなり、流体室内の流体には必要な圧力を生じさせることができ、流体に対し必要な圧力の安定した吐出又は吸引等の操作を与えることができる。
特に、請求項1に記載されたシェアモードアクチュエータによれば、前記圧電素子における貫通孔を中心としたシェアモードの大きな変形が、流体室内の流体に直接加わり、十分な圧力かつ高い応答性で流体の圧力操作を行える。また、前記圧電素子における貫通孔を中心としたシェアモードの大きな変形が、貫通孔付近を中心とした比較的狭い領域での変位に留まるので、かかる構造のアクチュエータを比較的短い間隔で設けても、隣接するアクチュエータに与える影響が少なくて済む。
特に、請求項2に記載されたシェアモードアクチュエータによれば、前記圧電素子における貫通孔を中心としたシェアモードの大きな変形が、貫通孔付近を中心とした比較的狭い領域での変位に留まらず、弾性板を流体室に向けて面状に変位させるので、流体に圧力を加える流体室の体積変化を全体として大きくすることができ、流体への加圧がさらに十分になり流体吐出又は吸引等の操作機能性が一層向上する。
特に、請求項3に記載されたシェアモードアクチュエータによれば、弾性板と圧電素子が、流体室を区画して対面する両側に配置される構成なので、両圧電素子を同時に流体室に向けて変位させることで流体室内の流体には起きな圧力が加わり、単一の圧電素子を用いる場合よりもさらに大きな吐出力又は吸引力を得ることができる。
1.第1実施形態(図1〜図4)
図1に示す本例のシェアモードアクチュエータ1は、インクジェットヘッドとして機能ずるものであり、側壁2と、ノズル3が形成された上壁4と、上壁4乃至ノズル3と対面する下方位置に配置されたステンレスからなる弾性板5とにより構成された流体室としてのインク室6を備えている。このインク室6には図示しない供給手段からインク7が供給される。本例では、一例としてインク室6は略円筒形としたが、後述するようにその形状には限定されない。
弾性板5の外面(インク室6内を基準として外側)には、圧電素子8が取り付けられている。圧電素子8は弾性板5と同じ円板形であり、その内面側が弾性板5の外面に密着するように固定されている。圧電素子8は、その厚さ方向に沿った分極方向を有しており、その中心には厚さ方向に沿って貫通孔9が形成されている。圧電素子8の貫通孔9は、弾性板5を挟んでノズル3に対応する位置に配置されている。
圧電素子8の貫通孔9の内面には、第1の電極11が設けられている。また、貫通孔9が開口した圧電素子8の外面には、第1の電極11と絶縁して第2の電極12が設けられている。
上記構成における本例での具体的な一寸法例を示せば、弾性板5の厚さは200μm、圧電素子8の厚さは250μm、圧電素子8の貫通孔9の直径は100μm、第1の電極11と第2の電極12の絶縁のためのギャップは50μmである。
以上の構成において、第2の電極12を0電位とし、第1の電極12に+又は−の所定の電位を与えると、両電極間に生じる電場の方向は、圧電素子8の分極方向と略直角となり(d15)、圧電素子8にはシェアモードの変位が生じる。すなわち、圧電素子8は、図1及び図2中に矢印にて示すように、矩形の断面が歪んで平行四辺形となるような変形を示し、貫通孔9を中心として図中上方に大きく盛り上がるが、貫通孔9の開口径はほとんど変化しない態様となる。そして、この圧電素子8の局所的な略点状の変形が、弾性板5を上方にたわませて弾性板5の内面を上に凸の形状に面変形させ、インク室6内の体積を大きく減少させる。その結果、インク室6内のインク7は大きく加圧され、インク7はノズル3から所定の大きさ(容量)のインク滴となって外界に吐出される。
このように、本例によれば、圧電素子8の分極方向と平行な厚さ方向に貫通孔9を設け、その内周面と、圧電素子8の表面にそれぞれ電極を設け、両電極間に電圧を加えることによって分極方向に対して直交する電場を加え、ベンドモードなどに比して変位量をかせげるシェアモードの変形を起こし、さらにこれを貫通孔9周辺の局所的な変形から弾性板5による面状の変形に変換してインク室6の容積変動を大きくとり、大きなインクの吐出力を得ているのである。
本例では、圧電素子8の形状は図1乃至図2に示したように中心に貫通孔9を有する円板形であったが、これは一例にすぎない。これは、本例のような分極方向を有する圧電素子8にシェアモードの変位を起こさせるための電極配置としては、貫通孔9の内周面と、上面又は下面(内面又は外面)のいずれかにそれぞれ電極を設ければよいので、板状の圧電素子8の外端面に貫通孔9内の電極と平行な電極を設ける必要がなく、従って板状の圧電素子8の外形は問題にならず、任意の外形を採用できるからである。
よって、第1例のように圧電素子8を円板形としてシェアモードアクチュエータ全体を円筒状としてもかまわないが、現実的には図3に模式的に示すように外形が矩形の圧電素子8を採用して直方体状のシェアモードアクチュエータとすることもできる。
なお、この矩形の圧電素子8においては、中央に円形の貫通孔9があり、その内周面に第1の電極11があり、素子の上面に、貫通孔9の周囲に絶縁領域を設けて第2の電極12が設けられている。
次に、図4を参照して本例のシェアモードアクチュエータにおける圧電素子8の変位の大きさについて比較例を参照して説明する。図4は、図1乃至図2に示した円板形の圧電素子8の矩形断面を示すものであり、加えられた電場によって平行四辺形状に変位している状態を併せて表したものである。なお、これらの図では、矩形断面の縦(素子の厚さ)が50μm、横(素子の貫通孔9を除いた半径方向の寸法)が100μmである。
同図(a)に示すように、第2の電極12が上面の略全面にわたって形成され、第1の電極11と第2の電極12が極めて微小な隙間をもって対峙している場合は、駆動時に圧電素子8に加えられる電場が強く、変位δは9.2nmとなる。
しかし、製造上の困難性又は使用による経年変化等によって両電極の絶縁状態に問題が生じる可能性を考慮した場合、両電極の隙間はより大きくすることが好ましい。例えば、図4(b)に示すように、第2の電極12を素子の上面の外方約半分だけに形成し、同上面における両電極の間隔を約50μmとした場合、駆動時に圧電素子8に加えられる電場はやや弱くなり、変位δは5.4nmとなる。
これに対し、図4(c)に示すように、貫通孔9に第1の電極11を設けるとともに、素子の外端面に第1の電極11と平行で第1の電極11と同寸法(高さ50μm)である第2の電極12を設けた場合には、駆動時の変位δは4.8nmと小さい。この例は、図4(a),(b)と同様に分極方向と電場が直交する場合であるが、第2の電極12を外周端面に設けたために変位が少なくなったものであり、また、外周端面に第2の電極12があるために圧電素子8自体の外形にも制約が加えられてしまう。このように、本例の条件として第2の電極12は、貫通孔9が開口している面に形成することが必要である。そして、絶縁の問題から、両電極にはある程度の間隔(例えば第1の電極11の高さ寸法乃至圧電素子8の厚さと同程度)を置くことが好ましい。
2.第2実施形態(図5及び図6)
図5に示す第2例のシェアモードアクチュエータ1aは、第1例で説明したシェアモード変位の圧電素子8によるシェアモードアクチュエータ機構を上下一対でダブルに用い、両者を同時に駆動して一方に設けたノズルからインクを吐出するものであって、さらにこのようなノズルを複数列設した構成例である。
まず、第2例のシェアモードアクチュエータ1aは、所定間隔で配置されてインク室6を区画する複数の側壁2を有している。各インク室6ごとに、側壁2の上端側には該インク室6の上側を区画するとともに貫通したノズル3が中央に形成された第1の弾性板5aが設けられている。この第1の弾性板5aの外面には第1の圧電素子8aが内面を接して設けられている。第1の圧電素子8aは貫通孔9aを有し、この貫通孔9aと第1の弾性板5aのノズル3は連通している。
各インク室6ごとに、側壁2の下端側には該インク室6の下側を区画する第2の弾性板5bが設けられており、この第2の弾性板5bの外面には第2の圧電素子8bが内面を接して設けられている。第2の圧電素子8bは貫通孔9bを有し、この貫通孔9bは、直上の第2の弾性板5b及びさらにインク室6を挟んで上方にある第1の弾性板5aのノズル3及び第1の圧電素子8aの貫通孔9aと平面視で対応する位置に配置されている。
上記各圧電素子8a,8bにおける第1及び第2の電極11,12の構成は第1の例と同様であるが、両圧電素子8a,8bの第2の電極12は共通に接続されて0電位が与えられ、第1の電極11はインク室6ごとに上下を接続してインク室6ごとに各々独立して選択信号を与えることができるようになっている。なお、その他の図示しないインク供給機構等の構成は第1の例と同様である。
以上の構成において、共通電極である第2の電極12を0電位とし、選択電極である第1の電極11に選択的に+又は−の所定の電位を与えると、両電極間に生じる電場の方向は、圧電素子8a,8bの分極方向と略直角となり(d15)、各圧電素子8a,8bにはシェアモードの変位が生じる。すなわち、選択されたインク室6の上下一対の圧電素子8a,8bは、図5に示すように、それぞれインク室6に向けて貫通孔9a,9bを中心として大きく盛り上がり、各弾性板5a,5bをインク室6内に向けてたわませて各弾性板5a,5bの内面を内方にに凸の形状に面変形させ、インク室6内の体積を第1例以上に大きく減少させる。その結果、インク室6内のインク7はさらに大きく加圧され、インク7はノズル3から所定の大きさ(容量)のインク滴となって外界に吐出される。その他の作用、効果は第1の例と基本的に同一である。
図6は、本例のような複数のノズルを有するシェアモードアクチュエータにおいて、ノズルの配置についての様々な例を説明の便宜上一つのヘッド内にまとめて示した図である。すなわち、図6が本例のシェアモードアクチュエータにおいてノズルを主走査方向について並べた構成を示すものとした場合、図6中のA部に示すように主走査方向に隣接するノズル3を副走査方向に位置をずらして配置すれば、隣のノズル3から影響を受けにくくなる。隣のノズル3からの影響を考慮する必要がない場合には、同図中B部に示すように、複数のノズル3は副走査方向の位置を一致させて主走査方向に並べればよい。また、同図中C部に示すように、一つのインク室6に複数のノズル3を設けて吐出するインクの量を増やすこともできる。
3.第3実施形態(図7)
図7に示す第3例のシェアモードアクチュエータ1bは、第1例で説明したシェアモード変位の圧電素子8によるシェアモードアクチュエータ機構を有するものであるが、単一の圧電素子8に複数のノズル兼貫通孔9が設けられ、第1例と異なり弾性板を使用しないで圧電素子8だけの変位で貫通孔9をノズルとしてインクを吐出する例である。
インクが収納される複数のインク室6は、その下方が下部壁体4bで仕切られ、その上方が共通の圧電素子8で直接仕切られている。圧電素子8とインク室6の間には前記他の例のような弾性板5はない。この圧電素子8には、各インク室6ごとに、各インク室6に連通する貫通孔9が1つずつ設けられている。この貫通孔9はインクを吐出するノズルとしても機能する。本例では、ノズル(貫通孔9)の間隔が、例えばノズル径の数倍程度と比較的小さいので、圧電素子8の貫通孔9の近傍における局所的なシェアモード変位だけで十分なインク吐出力が得られるため、弾性板を用いていないのである。
なお、図ではインク室6を明示するためにインク室6の手前側及び奥側が開口しているように表されているが、実際には閉止されており、他の例で説明したようにインク供給手段に接続されてインクが供給されるようになっていることは言うまでもない。
本例における電極構造を説明すると、図7中では詳細は省略するが、貫通孔9の内周面に第1の電極11が設けられ、第1の電極11は圧電素子8の上面に図示しない引き出し線を介して引き出され、選択電極としてそれぞれ独立に電位を与えることができる。また、圧電素子8の上面には、第1の電極11の引き出し線及び貫通孔9の周囲を除いて全面に共通電極としての第2の電極12が設けられてる。
4.電極構造の例(図8)
以上説明した各例における電極構造乃至電極の引き回しパターンの例を、図8を参照して説明する。図8(a)〜(c)は、本例の電極構造を一つの貫通孔9について拡大して外側から平面視で表したものであり、3つの構造例を示している。図8(a)に示すように、貫通孔9の内周面には第1の電極11が設けられ、圧電素子8の上面に引き出し線15を介して引き出され、選択電極としてそれぞれ独立に電位を与えることができるようになっている。また、圧電素子8の上面には、第1の電極11の引き出し電極15及び貫通孔9の周囲を除いて全面に共通電極としての第2の電極12が設けられている。
本例では、圧電素子8の厚さが例えば50μmであるとすると、貫通孔9の直径R1は25μm、引き出し電極15の幅W1は10μm、貫通孔9の周囲に第1の電極11に導通して設けられた環状電極16と、その周囲にある第2の電極12との距離R2は50μm、引き出し電極15とその周囲にある第2の電極12との距離W2は50μmと設定される。このように、第1の電極11及び引き出し電極15と、第2の電極12とは、圧電素子8の大略の領域で概ね50μmの間隔となる。電圧をかけた場合に生じる電場の強さと圧電素子8に生じる変位量とは比例するので、上記のような寸法設定として圧電素子8に加わる電場の強さをあらゆる位置で一定とすれば、圧電素子8には貫通孔9を中心とした安定したシェアモードの変位が生じ、インクを所期の性能で安定して吐出できる。
図8(b)に示す例は、同図(a)の例と概ね同じであるが、第2の電極12が圧電素子8の略全面にベタ状に設けられた同図(a)の例と異なり、略一定の幅をもって形成されている点が異なる。
図8(c)に示す例では、貫通孔9の内周面に第1の電極11が設けられ、第1の電極11が環状電極16及び引き出し電極15を介して圧電素子8の上面に引き出され、選択電極としてそれぞれ独立に電位を与えることができる点において、同図(a)(b)の例と同一である。しかし、第2の電極12は、圧電素子8の下面に、貫通孔9の周囲を除いて全面に形成されている。
以上説明した各実施形態のシェアモードアクチュエータは、いずれもインクジェットヘッドとしての応用例であったが、本考案のシェアモードアクチュエータは係る用途に限定されるものではなく、流体を吐出、吸引する小型のポンプや、流体の吐出又は吸引力を用いて他部材を操作するための駆動手段としても応用することができる。
本考案の第1の実施形態であるシェアモードアクチュエータの断面図である。 本考案の第1の実施形態であるシェアモードアクチュエータの圧電素子を仮想的に4分割した状態を示す斜視図及び断面図である。 本考案の第1の実施形態であるシェアモードアクチュエータにおける圧電素子等の実際的な他の形態例を示す斜視図である。 本考案の第1の実施形態であるシェアモードアクチュエータにおける電極構造と圧電素子8の変位量との関係を、他の構造例と比較して示す断面図である。 本考案の第2の実施形態であるシェアモードアクチュエータの断面図である。 本考案の第2の実施形態であるシェアモードアクチュエータのノズル配置例を模式的に示す斜視図である。 本考案の第3の実施形態であるシェアモードアクチュエータの模式的斜視図である。 本考案の各実施形態における電極構造と電極の引き回しパターンを示す平面図である。 従来のベンドモードのシェアモードアクチュエータの構造例を示す断面図である。
符号の説明
1,1a,1b…インクジェットヘッドであるシェアモードアクチュエータ
3…ノズル
5,5a,5b…弾性板
6…流体室としてのインク室
7…流体としてのインク
8,8a,8b…圧電素子
9,9a,9b…貫通孔
11…第1の電極
12…第2の電極
15…引き出し電極

Claims (3)

  1. 流体が収納される流体室と、
    厚さ方向に沿った分極方向及び厚さ方向に沿って円筒状に形成された貫通孔を備え、前記貫通孔が前記流体室に連通するように前記流体室と外界を区画して設けられる板状の圧電素子と、
    前記圧電素子の前記貫通孔の内周面に連続して設けられた第1の電極と、
    前記貫通孔が開口した前記圧電素子の内面又は外面において、前記貫通孔の開口の周囲を避けて前記第1の電極と絶縁して設けられた第2の電極とを有し、
    前記第1及び第2の電極への通電による前記圧電素子のシェアモードの変位により前記流体を加圧して前記流体を前記貫通孔を介して操作することを特徴とするシェアモードアクチュエータ。
  2. 流体が収納される流体室と、
    前記流体室の一部を区画する壁体に設けられて流体室と外界を連通させるノズルと、
    前記流体室の他の一部を区画するとともに内面が前記ノズルに対面する位置に設けられた弾性板と、
    厚さ方向に沿った分極方向及び厚さ方向に沿って円筒状に形成された貫通孔を備え、前記貫通孔が前記ノズルと同軸に配置されるように前記弾性板の外面にその内面が接するように設けられる板状の圧電素子と、
    前記圧電素子の前記貫通孔の内周面に連続して設けられた第1の電極と、
    前記貫通孔が開口した前記圧電素子の内面又は外面において、前記貫通孔の開口の周囲を避けて前記第1の電極と絶縁して設けられた第2の電極とを有し、
    前記圧電素子のシェアモードの変位により前記弾性板を変形させることで前記流体を加圧して前記流体を前記ノズルを介して操作することを特徴とするシェアモードアクチュエータ。
  3. 流体が収納される流体室と、
    前記流体室の一部を区画するとともに、貫通したノズルを有する第1の弾性板と、
    厚さ方向に沿った分極方向及び厚さ方向に沿って円筒状に形成された第1の貫通孔を備え、前記第1の貫通孔が前記ノズルと連通するように前記第1の弾性板の外面にその内面が接するように設けられる板状の第1の圧電素子と、
    前記流体室の他の一部を区画するとともに内面が前記ノズルに対面する位置に設けられた第2の弾性板と、
    厚さ方向に沿った分極方向及び厚さ方向に沿って円筒状に形成された第2の貫通孔を備え、前記第2の貫通孔が前記ノズル及び前記第1の圧電素子の前記第1の貫通孔と同軸に配置されるように前記第2の弾性板の外面にその内面が接するように設けられる板状の第2の圧電素子と、
    前記第1及び第2の貫通孔の各内周面に連続して設けられた第1の電極と、
    前記第1及び第2の貫通孔が開口した前記第1及び第2の圧電素子の各内面又は外面において、前記第1及び第2の貫通孔の各開口の周囲を避けて前記第1の電極と絶縁して設けられた第2の電極とを有し、
    前記圧電素子のシェアモードの変位により前記第1及び第2の弾性板を同時に前記流体室の内方に向けて変形させることで前記流体を加圧し、前記流体を前記ノズル及び前記第1の貫通孔を介して操作することを特徴とするシェアモードアクチュエータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012204352A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Konica Minolta Holdings Inc 薄膜圧電体デバイス
JP2013110180A (ja) * 2011-11-18 2013-06-06 Konica Minolta Holdings Inc 圧電素子およびその製造方法

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