JP3122719U - 口呼吸防止具 - Google Patents

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Abstract

【課題】睡眠中に使用者が口呼吸することを防ぎ、口呼吸による疾病を防止し、鼻呼吸の習慣を身に付けるため、使用者の顎に装着し、口を閉じた状態を維持する口呼吸防止具であって、装着時に違和感がなく、さらには着脱が容易な口呼吸防止具を提供することを目的とする。
【解決手段】顎止め部と、この顎止め部の両端に一の端部が接続される二つのバンド部と、これらの二つのバンド部のそれぞれの他の端部に接続される一つの支持部とを備えるものである。
【選択図】図1

Description

本考案は、使用者が口で呼吸をすることを防止し、鼻呼吸の習慣を身に付けるための器具であり、特に睡眠の妨げにならないよう頭部や顔にフィットするよう配慮された口呼吸防止具に関する。
現在何らかの目立った疾病を抱えていない人の場合でも、生活習慣などが将来の疾病につながることがある。例えば睡眠時の口呼吸の習慣は、将来の何らかの疾病や体の不調に関連すると考えられている。
口呼吸で常に口を開けていると口内が乾燥し、歯茎が傷つきやすくなるため歯周病にかかりやすい、あるいは口臭を発生させると考えられている。
鼻から吸った空気は鼻腔を通る間に浄化、加湿され、肺が酸素を吸収しやすい形で送り込まれるのに対し、口で吸った空気は、空気中に漂う細菌やウイルスなどの有害物質がろ過されないまま直接肺に取り込まれてしまう。鼻呼吸によって鼻粘膜でブロックされ、喉や体内へは侵入できなかったはずの雑菌が入り込み、風邪やインフルエンザに罹りやすくなったり、体の抵抗力が弱くなったりするという問題点がある。
さらに、口の周囲が緩んで舌が気道をふさぐようになり、睡眠時に呼吸が止まったり、昼間突然激しい眠気に襲われる「睡眠時無呼吸症候群」の原因になることも知られている。また、睡眠時に口呼吸をすると、体質や体型によっていびきをかくなどという問題もある。
このような問題を解決するための器具について、以下のような発明が開示されている。
例えば特許文献1は、「いびき減少器具」という名称で「いびきの大きい人が睡眠中の無意識状態においても口を閉じて、鼻からの呼吸によりいびきが減少する」ことを目的とした発明である。
当該発明は「弾性帯状ひも1にて身体の頭部2と顔両側面部3および下あご部4を周回し、下あごを上あご方向に引き上げる。いびき減少器具の弾性帯状ひも1には、身体への着脱が容易な着脱具5と頭部弾性帯状ひもずれ止め具6および下あご部弾性帯状ひもずれ止め具7を取り付け」ることから構成されている。
当該発明においては、簡単な構成で着脱も容易であり、弾性帯状ひも1の上から頭部弾性帯状ひもずれ止め具6を被ることで、睡眠時に使用者が寝返りをうっても弾性帯状ひも1や下あご部弾性帯状ひもずれ止め具7がずれることがなく、朝まで装着状態を保つことができる。
また特許文献2は、「鼾軽減並びに就寝時無呼吸症改善用具」という名称で、「頭部に帽子1をかぶり、あごの先にあごあて2を付け、あごあて2の両側にはバンド3をつける。帽子1のこめかみ上部には凸部5を設け、凸部5からバンド3までを伸縮バンド4で結ぶ」という構成の発明である。
このような構成によって、あごあて2があごの下側の先だけをひきあげるようにして、使用者の口を固定する。顎の奥(喉に近い部分)にあごあてが当たると、舌を押し上げられて気道が狭くなり、使用者は息苦しく感じる。当該発明は、長さの調節を可能とし、効果的に問題を解決しようとするものである。
最後に特許文献3には、発明の名称を「口呼吸防止帯」とし、「前記上頬部と、前記下顎部および、または、下顎骨部下端および、または顎裏面(以下合わせて、下顎骨部等という)とを、二方向のおおむね直線状に引き合うよう、帯状部材によって展着係止し、結果、V字またはY字状の、おおむね二方向に向けた吊り上げ引張関係を構成する」とする発明が開示されている。
さらに当該発明は、「皮膚に装着する面の全面、もしくは前記下顎部および、または前記下顎骨部等と、前記上頬部とのそれぞれ係止する部分に、当初装着し、一旦剥がして再装着可能な接着剤層または粘着剤層を設けることにより、簡単に顔面に装着できるばかりでなく、装着ミスを直す等、一時的に外す必要が生じた場合にも再装着することが可能」であるという特徴を有する。
このような発明においては、頭部や顔にバンドを周回させる必要がない。よって、より自然な状態で睡眠を取ったり、日常の生活を送ることができる。
特開2002−11032号公報 特開2002−272771号公報 特開2005−7104号公報
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1及び2においては、就寝時に帽子状の器具を被っていなければならない。睡眠中に全身から発汗される汗の量は約コップ1杯(180cc)にもなると言われており、頭部からの発汗によって蒸れることが考えられる。このために、使用者は就寝時に不快感を感じるか、あるいは安眠できないことも考えられる。また、特許文献1の弾性帯状ひも1や特許文献2のバンド3及び伸縮バンド4はそれぞれ伸びるものの長さ調節ができないため、使用者の顔に沿ってより完全にフィットすることができないという課題があった。
また、特許文献3に開示された発明においては、肌に直接貼り付けるという特徴のものであるため、粘着力を要する。そのため、皮膚の弱く敏感な人の場合、粘着性を有する部分に肌が触れると、その薬剤などによって皮膚が炎症を起こす可能性がある。さらに使用者が不意に咳やくしゃみをすると、口から空気を逃がすことができず、その圧力で鼓膜が破れるという大きな問題を引き起こす可能性がある。
本考案はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、睡眠中などの使用時に不快感を感じさせることなく、使用者の顎を固定して睡眠時に口を閉じさせ、さらには使用者が顔を動かしたり寝返りをうっても外れることのないように使用者の顔によりフィットする口呼吸防止具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の考案である口呼吸防止具は、顎止め部と、この顎止め部の両端に一の端部が接続される二つのバンド部と、これらの二つのバンド部のそれぞれの他の端部に接続される一つの支持部とを有することを特徴とするものである。
このような構成の口呼吸防止具においては、使用者の頭部に当接される支持部と、顎を固定する顎止め部が二つのバンド部によって連接され、このバンド部の長さによって顎が引き上げられ、使用者が口を閉じた状態を保つことができるという作用を有する。
また、請求項2記載の考案は、請求項1に記載の口呼吸防止具であって、顎止め部は使用者の顎の一部を露出させるための孔部を備えることを特徴とするものである。
このような構成の口呼吸防止具においては、顎止め部の孔部が使用者の顎にフィットして、圧迫感を軽減させるだけでなく、一体感をもたらし、使用者の頭や顔の動きによってもずれ難くなるという作用を有する。
請求項3記載の考案は、請求項1又は請求項2に記載の口呼吸防止具であって、二つのバンド部のうち、少なくとも一つのバンド部は、その長さを調節可能とする長さ調節具を備えることを特徴とするものである。
このような構成の口呼吸防止具においては、請求項1又は請求項2に記載された考案の作用に加えて、使用者の顔の大きさに合わせてバンド部の長さを調節することができ、子供から大人まであらゆる使用者にフィットして装着を可能とする作用を有する。
請求項4記載の考案は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の口呼吸防止具であって、バンド部は伸縮可能な素材よりなることを特徴とするものである。
このような構成の口呼吸防止具においては、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載された考案の作用に加えて、使用者が顔を前後左右に動かしたり、不意の動作をしたときも、その動きにフィットして顔とベルト部の間に隙間を作ることを防止する。これにより使用者が口呼吸防止具を装着したときの違和感をなくすという作用を有する。
請求項5記載の考案は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の口呼吸防止具であって、支持部は弾力性を有する緩衝パッドを内蔵することを特徴とするものである。
このような構成の口呼吸防止具においては、請求項1乃至請求4のいずれか1項に記載された考案の作用に加えて、使用者が頭や顔を動かしたり、口を動かしたときの動きが、ベルト部を介して支持部に伝わる際、その動きが圧力となって使用者の頭部に伝わることを緩和するという作用を有する。
以上説明したように、本考案の請求項1に記載の口呼吸防止具においては、使用者の顎が上に引き上げられ、口を閉じた状態で維持されるため、無理なく自然に鼻呼吸の習慣を身に付けることができる。
本考案の請求項2に記載の口呼吸防止具においては、請求項1に記載された考案の効果に加え、顎止め部に孔部を設けることで、顎止め部が使用者の顎の形状によりフィットして、ずれを防止することができる。
本考案の請求項3に記載の口呼吸防止具においては、請求項1又は請求項2に記載された考案の効果に加えて、バンド部の長さが調節可能となり、あらゆる人にとって、自分の適正な長さに調節を行うことでより顔にフィットして使用することが可能である。
本考案の請求項4に記載の口呼吸防止具においては、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載された考案の効果に加えて、バンド部が伸縮するために、例えば使用者が頭や顔、口を動かしてもその動きが阻害されることがない。このように顔にフィットして違和感を与えることがないだけでなく、顔と器具との間に隙間が生じないので、睡眠時に使用して、使用者が寝返りをうったりして動くことがあっても、口呼吸防止具が外れることがない。
最後に本考案の請求項5に記載の口呼吸防止具においては、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載された考案の効果に加えて、支持部に弾力性を有する緩衝パッドを内蔵することで、ベルト部の緊張状態が圧力となって支持部に加わっても、それが使用者の頭部に圧力として加わることを軽減することができる。
以下に、本考案の最良の実施の形態に係る口呼吸防止具について、図1から図3を用いて説明する。
図1は、本考案の最良の実施の形態に係る口呼吸防止具の外形図である。口呼吸防止具1は、顎固定孔3を有する顎止め部2と、この顎止め部2の両端に片方の端部が連接される二つの長さ調整帯5と、この二つの長さ調整帯5のもう一方の端部に接続される支持部4によって構成される。
特に長さ調整帯5には、その長さを調整する長さ調整具6と中継具7がそれぞれ設けられており、さらに支持部4には緩衝パッド8を備えている。
なお、図において詳細に示されていないが、長さ調整帯5は伸縮性を備えている。伸縮性を有する素材は、帯ゴムやニットを織り込んだものが考えられるが、これらに限定されるものではない。また、伸縮性を備えない素材で構成してもよい。特に、顎止め部2と支持部4でより強固に口呼吸を防止しようとする場合には、却って伸縮性を持たせない方が望ましい場合がある。その際には、長さ調整具6と中継具7で長さを調整可能とすることが、使用者の顔にフィットさせるという目的のためには重要である。また、長さ調整帯5は使用者の頬に直接接触するため、刺激の少ない繊維等で構成されることが望ましい。
支持部4の形状は、ほぼ四角形の形で示されているが、形状はこれに限定されるものではなく、細長いひも状にしてもよいし、台形や円、楕円、三角形などにしてもよい。この支持部4の中に弾力性を有するウレタン製やその他の素材で形成されるスポンジ等の緩衝パッドが内蔵されている。
顎止め部2についても、通気性のよい不織布やメッシュ地の素材で構成することが好適である。また顎止め部2は、長さ調整帯5と同じく刺激や摩擦が少なく、柔らかな素材が適している。なお顎止め部2においても伸縮性を有する素材としてもよく、素材を限定するものではない。
長さ調整帯5の長さ調節の仕方については、図においては長さ調整具6および中継具7を用いているが、長さを調節する手段はこれに限定するものではない。
また、予め使用者に好適な長さに作成しておくことで、長さ調整具6や中継具7を使用せずに全体を構成することも考えられる。
図2は使用者が口呼吸防止具1を装着した状態を示す概念図である。図2において、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図に示されるように、支持部4は使用者の頭頂部に当たるようにして用いるのが好適であるが、使用者が最も使用に適する位置、例えば後頭部に近い位置や、襟足に近い部分に当て、長さ調整帯5を調節して用いてもよい。
また、長さ調整帯5は、その一端を顎止め部2の端部に連接され、リベット(鋲)9によって固定されている。また、一端が中継具7に挿通される固定帯5aはリベット10によって留められ、他の端部はリベット11によって支持部4に固定される。
なお、本実施の形態ではリベットを用いて長さ調整帯5を取り付けているが、長さ調整帯5同士を接着剤や熱によって圧着して構成してもよく、あるいは縫い合わせなどによって固定してもよく、これらの方法に限定されない。
また、支持部4に緩衝パッド8を用いることによれば、伸縮性を備える長さ調整帯5との圧力のバランスに優れ、従来技術に示されるような頭全体を覆う帽子状の器具を用いる必要がない。このため、使用者が睡眠中の発汗などによって頭部の蒸れを感じることがなく、装着感が自然である。
図3は図2に示されるA−A線矢視断面図である。図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施の形態においては、長さ調整帯5の長さは、長さ調整具6から中継具7までの距離によって決められる。
このように、本考案における口呼吸防止具は、シンプルな構成でありながら使用者の最も使用に適する長さに調節可能であり、より顔にフィットすることから睡眠を妨げることがない。
さらに、どのような年齢の使用者に対しても、本考案における口呼吸防止具の装着が容易であるだけでなく、使用者が何らかの体調の変化を感じたとき、あるいはとっさに何かの対応をしなければならないとき、例えば電話に出たり、地震や火事などの災害が起こって避難をしなければならないときなど、すぐに取り外すことができ、安全である。
また、気道を押さえたり、強い圧力を加えることがないために、装着時に違和感がない。
さらに、唇に粘着性の強いシール状のものを貼り付ける方法によると、くしゃみが出たときに口を開くことが出来ず、耳の鼓膜が破れる危険性があるが、本考案における口呼吸防止具においてはくしゃみによる口内の空気を口から排出できる構造であるので、このような心配がない。
以上説明したように、請求項1乃至請求項5に記載された口呼吸防止具は、使用者の顎を閉じた状態を保ち、口呼吸を防止し、口呼吸によって引き起こされる疾病やいびきを防止することを可能とする。
特に睡眠時に用いることが効果的であるが、睡眠時以外の日常生活の中で用いることもできる。
また、繰り返し洗濯することが可能な素材で構成することによれば、長期にわたって使用することができる。
本考案の最良の実施の形態に係る口呼吸防止具の外形図である。 本考案の最良の実施の形態に係る口呼吸防止具を、使用者が装着した状態を示す概念図である。 本考案の最良の実施の形態に係る口呼吸防止具について、図2に示されるA−A線矢視断面図である。
符号の説明
1…口呼吸防止具 2…顎止め部 3…顎固定孔 4…支持部 5…長さ調整帯 5a…固定帯 6…長さ調整具 7…中継具 8…緩衝パッド 9…リベット 10…リベット 11…リベット

Claims (5)

  1. 顎止め部と、この顎止め部の両端に一の端部が接続される二つのバンド部と、これらの二つのバンド部のそれぞれの他の端部に接続される一つの支持部とを有することを特徴とする口呼吸防止具。
  2. 前記顎止め部は使用者の顎の一部を露出させるための孔部を備えることを特徴とする請求項1記載の口呼吸防止具。
  3. 前記二つのバンド部のうち、少なくとも一つのバンド部は、その長さを調節可能とする長さ調節具を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の口呼吸防止具。
  4. 前記バンド部は伸縮可能な素材よりなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の口呼吸防止具。
  5. 前記支持部は、弾力性を有する緩衝パッドを内蔵することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の口呼吸防止具。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013233188A (ja) * 2012-05-02 2013-11-21 Suekigumi:Kk いびきや無呼吸を防止するための頭部装着具
JP2022069538A (ja) * 2022-03-10 2022-05-11 有限会社▲吉▼岡商事 いびき防止用ベルト

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