JP3122093B2 - アンジオテンシン変換酵素阻害性ペプチド - Google Patents

アンジオテンシン変換酵素阻害性ペプチド

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンジオテンシン
I変換酵素に対する阻害性を有して血圧降下等の機能を
発揮する新規なペプチド、ならびに該ペプチドを有効成
分とするアンジオテンシンI変換酵素阻害剤および該ペ
プチドを含有する食品に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】アンジオテンシンI変換酵素
(angiotensin-I converting enzyme)(以下、ACE
と略記することがある)は、血圧調節系における重要な
酵素であり、アンジオテンシンIを強力な昇圧(血圧上
昇)性ペプチドであるアンジオテンシンIIに変換すると
共に、降圧(血圧降下)性ペプチドであるブラジキニン
を不活性化する反応を触媒する。したがってACEを特
異的に阻害することにより血圧上昇を抑制することがで
き、この観点から、高血圧の予防・治療を目的とした、
ACE阻害性物質の研究・開発が進められている。
【0003】特に、近年、食生活の欧米化に伴う各種生
活習慣病の急激な増加が深刻な問題となっているため、
食事による予防、健康維持が提唱されており、高血圧症
の予防・治療に有効なACE阻害性物質についても、医
薬品としてのみならず、食品に含有させることができる
ような生理活性物質に関する研究・開発が実施されてい
る。この際、医薬品や食品の分野においては、化学的合
成化合物が副作用などの危険性や消費者感情から忌避さ
れる最近の傾向から、天然資源由来の有効成分を利用す
る研究が盛んに行われている。例えば、大豆タンパク質
分解物や魚介類タンパク質分解物等から分解抽出された
ペプチドがACE阻害性物質として機能することが報告
されている(特開平5−262790、特開平5−30
6295、特開平6−98792、特開平6−3406
92、特開平7−188282等)。
【0004】しかしながら、これらの多くの報告にも拘
わらず有効性が証明され充分な実用化に到ったものは殆
ど見当たらないのが現状である。その理由として、これ
らの既知のペプチドはACE阻害能が充分でない、体内
における安定性が悪い、味やにおいがあり用途が限られ
る、などの理由が挙げられる。
【0005】本発明の目的は生物資源由来で安定性が高
くACE阻害活性の優れた新規な物質、ならびに該物質
を有効成分とするACE阻害剤およびそれを含有する食
品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このたび、
小麦胚芽に関する研究を進めるうちに、これまでに知ら
れていない化学構造(アミノ酸配列)を有しACE阻害
活性のきわめて高い新規なペプチドを見出し本発明に到
達した。
【0007】かくして、本発明に従えば、上記の目的を
達成するものとして、Ile−Val−Tyrで表わさ
れるアミノ酸配列を有することを特徴とするアンジオテ
ンシンI変換酵素(ACE)阻害性ペプチドが提供され
る。このペプチドは、ACE阻害活性が特に優れてい
る。
【0008】さらに、本発明に従えば、下記のアミノ酸
配列を有することを特徴とする5種のACE阻害性ペプ
チドも提供される。 Val−Phe−Pro−Ser(配列番号:1)、A
sp−Tyr−Val−Gly−Asn(配列番号:
2)、Thr−Tyr−Leu−Gly−Ser(配列
番号:3)、Thr−Val−Val−Pro−Gly
(配列番号:4)、またはAla−Pro−Gly−A
la−Gly−Val−Tyr(配列番号:5)本発明
に従えば、さらに、上記のペプチドの少なくとも1つを
有効成分とすることを特徴とするACE阻害剤、および
上記のペプチドの少なくとも1つを含有することを特徴
とする食品が提供される。本出願においては、上記のペ
プチドのうち、Thr−Tyr−Leu−Gly−Se
r(配列番号:3)で表されるアミノ酸で示されるAC
E阻害性ペプチド、該ペプチドを有効成分とするACE
阻害剤、および該ペプチドを含有する食品について特許
請求する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のACE阻害性ペプチドを
構成するアミノ酸配列は、上述したような従来の技術で
は全く試みられていなかった小麦胚芽のタンパク質から
見出されたものである。小麦を製粉する際に除去される
胚芽は、その一部が家畜の飼料として利用されるにとど
まっている。そこで、脂肪酸やビタミン、ミネラルを豊
富に含み、栄養的にも優れた小麦胚芽の高付加価値化を
目的とし、ACE阻害性物質の検索を行った。
【0010】すなわち、小麦胚芽を適当な条件下で加水
分解した後、加熱処理により酵素失活する。失活後、直
ちに冷却および濾過を行い、得られた分解液を逆相カラ
ムを用いて分画する。そのうち、ACE阻害活性の高い
画分について常法に従い、陽イオン変換クロマトグラフ
ィー、逆相分配クロマトグラフィーを基本とする各種高
速液体クロマトグラフィーにより精製、単離する。その
後、アミノ酸シークエンサーによる構造決定、アミノ酸
分析機による確認を行い、ついに下記のアミノ酸配列を
有する新規なペプチドを発見した。 (1)Ile−Val−Tyr (2)Val−Phe−Pro−Ser(配列番号:
1) (3)Asp−Tyr−Val−Gly−Asn(配列
番号:2) (4)Thr−Tyr−Leu−Gly−Ser(配列
番号:3)、 (5)Thr−Val−Val−Pro−Gly(配列
番号:4)、または (6)Ala−Pro−Gly−Ala−Gly−Va
l−Tyr(配列番号:5)。
【0011】上記のアミノ酸配列においては、いずれ
も、鎖の数は1本鎖であり、また、トポロジーは直鎖状
である。これらのペプチドは、従来からACE阻害性ペ
プチドとして知られたものとは全く異なる構造(アミノ
酸配列)を有し、非常に優れたACE阻害活性を示す。
【0012】本発明のペプチドは、上述のアミノ酸配列
を有する限り、小麦胚芽を酵素分解する方法の他、他の
植物性または動物性資源のタンパク質を分解したり、あ
るいは、ペプチド合成装置を用いるような合成手法によ
って入手されたものであってもよい。いずれの場合にお
いても、本発明のペプチドは、小麦胚芽中に存在が確認
されたものであり安全性に問題はない。
【0013】ACE阻害性ペプチドについては、従来の
技術の項で述べたように、ジペプチドから、6〜7個の
アミノ酸から成るオリゴペプチドに到る多くのペプチド
が従来より提示されている。しかしながら、最近の研究
によれば、アミノ酸の数が多いペプチドは体内で分解さ
れてしまい、良好な腸管吸収が行われるためにはアミノ
酸が3個以下のペプチドが好ましいことが明らかにされ
つつある。したがって、Ile−Val−Tyrのアミ
ノ酸配列を有する本発明のトリペプチドは、インビトロ
試験で確認されたようにきわめて高いACE阻害活性を
有する(後述の実施例参照)とともに、腸管吸収の点か
らも特に優れたACE阻害性ペプチドである。
【0014】さらに、本発明者は、ACE阻害性ペプチ
ドにおいては、該ペプチドを構成するアミノ酸の僅かな
違いによりACE阻害活性が大きく異なり、一部のアミ
ノ酸の単純な付加、置換または削除などによってはAC
E阻害活性に関して等価のペプチドは得られないという
事実も見出している。例えば、本発明者らは、上述のア
ミノ酸配列Ile−Val−Tyrを有する本発明のト
リペプチドに類似するアミノ酸配列Val−TyrやV
al−Tyr−Ileを有するACE阻害性ペプチドを
以前に提示したが(特開平7−215889)、本発明
のトリペプチドはこれらのペプチドに比べて10倍以上
もACE阻害活性が高いことが確認されている(後述の
実施例参照)。
【0015】かくして、本発明のペプチドは、アンジオ
テンシンI変換酵素(ACE)阻害剤、すなわち、血圧
降下剤および/または血管拡張剤として用いることがで
きる。このような医薬として使用する場合には、経口ま
たは非経口投与することができる。経口投与の場合に
は、例えば常法に従い、錠剤、顆粒剤、粉末剤、カプセ
ル剤、散剤とすることができ、また、非経口投与の場合
には、例えば注射薬製剤、点滴剤、坐剤等として使用す
ることができる。
【0016】さらに、本発明のペプチドは、高血圧予防
および/または治療を目的とする健康食品ないしは機能
性食品、特に特定保健用食品として食品に利用すること
もでき、この場合、本発明のペプチドは官能的に無味無
臭であるので、食品素材としてペプチドをそのまま添加
したり、他の食品ないし食品成分と併用したりして適宜
常法に従って使用できる。
【0017】すなわち、本発明のペプチドは、飲料やス
ープ・たれ類、レトルト食品、缶詰食品、調味料などあ
らゆる食品に添加することができる。またその投与量
は、予防あるいは治療目的により異なり、また症状の進
行過程によっても変化するが、成人の治療または予防の
ために投与する場合には、ACE阻害ペプチド換算で一
日当たり、0.1mg〜100mgの範囲が好ましい。
【0018】このようにACE阻害剤または食品として
用いる場合には、上記の6種の本発明ペプチドの少なく
とも1つを含有させるのが、特にIle−Val−Ty
rで表わされるアミノ酸配列を有するペプチドを含有さ
せるのが好ましい。さらに本発明のACE阻害性ペプチ
ド以外の従来から既知の植物性または動物性資源由来の
ACE阻害性物質あるいは化学合成されたACE阻害性
物質を併用しても良い。これらの場合においては、一般
に、IC50で表わされるACE阻害活性が全体として2
5(μM)以下になるようにするのが好ましい。
【0019】
【実施例】以下本発明の特徴をさらに明かにするため実
施例を示すが、本発明はこの実施例によって制限される
ものではない。実施例1:in vitroのACE阻害率測定試験 小麦胚芽もしくはヘキサンにより脱脂した小麦胚芽10
gに対して水100mlを加え、2分間ホモジナイズし
た後、α‐アミラーゼ処理を施した。α‐アミラーゼ
Bacillus由来、天野製薬)を100mg添加後、再び
1分間ホモジナイズし、振盪下、40℃で5時間反応を
行った。pHを9に調整した後、アルカラーゼ2.4L
Bacillus licheniformis由来、Novo社)を50mg添
加して、振盪下50℃で3時間加水分解した。反応後、
pHを7に調整し、98℃、15分間の加熱処理により
酵素失活の後、直ちに冷却および濾過を行い分解液を得
た。
【0020】まず、活性炭処理により褐変物質を除去
し、ODS樹脂(YMC社ODS−AQ120−S5
0)を充填したカラム(3.5cm×14cm)に負荷
した。水50ml(F−1)と10%エタノール溶液
(F−2)、25%エタノール溶液(F−3)、5−%
エタノール溶液(F−4)、99.5%エタノール溶液
(F−5)をそれぞれ500ml用いてエタノール濃度
のステップワイズグラジエントにより分画を行ったとこ
ろ、表1に示すように、10%エタノール溶液画分にお
いて0.081mg−protein/mlと最も高い活性が
得られた。次にこの画分をAG50Wを用いた陽イオン
交換クロマトグラフィーで精製することにより、ACE
阻害性、収率とも充分満足のいく分解物を調製すること
ができた。
【0021】なお、この実施例におけるACE阻害率の
測定は、Liebermanの変法を用いて行った。すなわち、
試料50μlに対し、25mU/mlACE(ウサギ肺
由来、Sigma社)溶液100μl、12.5mM基質溶
液100μlを添加し、37℃で1時間反応させた。
0.5N塩酸250μlによる反応停止後、生成した馬
尿酸を測定した。つまり、酢酸エチル1500μlを添
加し、2000rpmで10分間の遠心分離を行い、酢
酸エチル層を500μl分取したものを遠心エバポレー
ターにより減圧乾固を行った。室温で5分間放置後、1
M塩化ナトリウム3000μlに再溶解させ、15秒間
攪拌した後、228nmでの吸光度を測定し、これによ
りACE阻害活性を評価した。
【0022】阻害率(%)={(AC−AS)/(AC
−AB)}×100 AS;試料を添加したときの吸光度 AC;試料の代わりに水を添加したときの吸光度 AB;予めACEを失活して反応させたときの吸光度 なお、試料間のACE阻害活性の比較は、上式により得
られる阻害率が50%を示す試料の蛋白質濃度としてI
50値で示した。ここで、蛋白質量はケルダール法で得
られた窒素量に係数6.25を乗じて求めた。
【0023】
【表1】
【0024】最も高いACE阻害活性が認められた10
%エタノール溶出画分(F−2)を濃縮した後、AG5
0Wを用いた陽イオン交換クロマトグラフィーで再精製
した。その後、ODS逆相液体クロマトグラフィーで精
製を繰り返し、得られたペプチドフラグメントについて
アミノ酸シークエンサー(SHIMADZU社PPSQ‐21)
および、アミノ酸分析機(日立製作所L−8500型)
を用いてアミノ酸一次構造を決定した。アミノ酸配列お
よびACE阻害活性を表2に示す。なお、上記の説明か
ら理解されるようにIC50値が低いほどACE阻害活性
が高い。
【0025】
【表2】
【0026】表2に示されるように本発明の新規ペプチ
ドは非常に優れたACE阻害活性を有することが判明し
た。なお、Ile−Val−Tyrのアミノ酸配列で表
わされる本発明のペプチドは、特開平7−215889
でACE阻害性が確認されているVal−Tyrで表わ
されるペプチドをアミノ酸配列として含むが、このVa
l−Tyrで表わされるペプチドのIC50は26.0μ
Mであり本発明のIle−Val−Tyrで表わされる
ペプチドの方が、ACE阻害活性が10倍も高いことが
判明した。
【0027】また、同じく特開平7−215889でA
CE阻害性が確認されているVal−Tyr−Ileで
表わされるペプチドと順序は異なるが同じアミノ酸組成
を持つ。しかし、Val−Tyr−Ileで表わされる
ペプチドのIC50は141.5μMであり、本発明のI
le−Val−Tyrで表わされるペプチドの方が、I
50で示されるACE阻害活性が2桁も高い。
【0028】このように本発明のペプチドは、きわめて
優れたACE阻害活性を発揮することが確認された。特
に、Ile−Val−Tyrで表わされるアミノ酸配列
を有するペプチドは、ACE阻害活性が従来のものより
著しく高く、しかもトリペプチドであるので腸管吸収も
容易な高性能ACE阻害性物質として期待される。
【0029】実施例2:実験動物による急性毒性試験 I.被験物質 実施例1で得られたAG50Wによる再精製画分(以
下、WG−AG50Wまたは、単にAG50Wと記す)
及び単離されたIle−Val−Tyrペプチド(以
下、IVYと記す)を用いた。
【0030】II.実験方法 実験動物は、株式会社紀和実験動物研究所より購入した
雄性のddy系マウス(Jbc:ddy、SPF:生後
5週齢)を1週間以上予備飼育後、健康なもの20匹を
試験に供した。マウスは、温度22±3℃、相対湿度5
0±20%、換気回数10〜15回/時(オールフレッ
シュエアー方式)、照明時間12時間/日(午前7時点
灯、午後7時消灯)に設定された恒温恒湿の環境下で、
ステンレス製網ケージに10匹ずつ収容し、カスケード
式水洗架台に懸垂して飼育した。飼料はオリエンタル酵
母工業株式会社製MF固形飼料を、飲水は水道水を0.
2μmメンブランフィルターでろ過滅菌後、それぞれ自
由摂取させた。ラットは2群(1群10匹)に分け、第1
群にはWG−AG50Wを100mg/kg、第2群に
はIVYを10mg/kgの割合で単回尾静脈内に投与
した。試験液適用後、一般症状の異常発現を投与日には
投与直後より5時間後まで継続して、以降7日目まで
は、毎日午前10時に1回の観察を行った。全生存例に
ついて、最終観察日に剖検し、肉眼的に胸腹部主要諸器
官の観察を行った。また、投与前、投与後1、4、7日
目の体重を測定し、各群の平均体重及び標準偏差を算出
した。
【0031】III.結果 いずれの群においても、致死例は何ら認められなかった
ので、各体重測定日(0、1、4及び7日目)における
各群の全生存例につき算出した平均体重±標準偏差を図
1および図2に示した。最終観察日(投与7日目)にお
ける全生存例の剖検においても、胸腹部主要諸器官に肉
眼的変化は何ら観察されなかった。
【0032】実施例3:ラット投与時の降圧効果 I.被検物質 実施例1で得られたAG50Wによる再精製画分(WG
−AG50W)及び単離されたIVYを用いた。
【0033】II.実験方法 実験動物は、日本チャール・スリバー(株)より購入し
た雄性のSHR系ラット(Crj:SHR、SPF:生
後8週齢)を1週間以上予備飼育後、1ヶ月以上飼育
し、尾動脈圧が180mmHg以上を示す健康なもの2
0匹を試験に供した。ラットは、温度22±3℃、相対
湿度50±20%、換気回数10〜15回/時(オール
フレッシュエアー方式)、照明時間12時間/日(午前
7時点灯、午後7時消灯)に設定された恒温恒湿の環境
下で、ステンレス製網ケージに5匹ずつ収容し、カスケ
ード式水洗架台に懸垂して飼育した。飼料は日本チャー
ルス・リバー(株)製CRF−1固形飼料を、飲水は水
道水を0.2μmメンブランフィルターでろ過滅菌後、
それぞれ自由摂取させた。ラットは4群(1群5匹)に
分け、第1群にはWG−AG50Wを50mg/kg、
第2群にはWG−AG50Wを25mg/kg、第3群
にはIVYを5mg/kg、第4群にはIVYを2mg
/kgの割合で単回尾静脈内に投与した。血圧は、血圧
アンプ(日本光電、AP−641G)を用いて投与前5
分間及び投与後30分間継続して観血的に測定した。
【0034】III.結果 結果を表3に示す。表3から明らかなように、WG−A
G50W(AG50W)とIVYに優れた血圧降下作用
が認められた。
【0035】
【表3】
【0036】実施例4 以下に本発明の食品への実施例として、ペプチド含有コ
ーンポタージュスープの配合を示すが、本ペプチドの用
途としては、この実施例に限定されるものではない。 野菜(スイートコーン、たまねぎ) 46.0g バター 4.5g 小麦粉 3.5g 牛乳 3.5g 畜肉エキス 3.5g 砂糖 1.8g 香辛料 1.0g チーズ 1.0g 食塩 1.0g IVY 0.005g 水 114.195g 計 180.000g
【0037】
【発明の効果】本発明に従えば、食品由来で安全性が高
く、消費者ニーズに対応したACE阻害活性のきわめて
高いペプチドが得られるので、該ペプチドを有効成分と
するACE阻害剤(血圧降下剤、血管拡張剤)および食
品の開発が可能となった。また、未利用資源である小麦
胚芽より抽出した機能性成分の有効利用も図れる。
【0038】
【配列表】 <110> Ichiban Food Co., Ltd. <120> Peptides which inhibit angiotensin-converting enzyme <130> P0214-3T <150> JP 165974/1998 <151> 1998-05-29 <160> 5 <210> 1 <211> 4 <212> PRT <213> Triticum aestivum <400> 1 Val Phe Pro Ser 1 <210> 2 <211> 5 <212> PRT <213> Triticum aestivum <400> 2 Asp Tyr Val Gly Asn 1 5 <210> 3 <211> 5 <212> PRT <213> Triticum aestivum <400> 3 Thr Tyr Leu Gly Ser 1 5 <210> 4 <211> 5 <212> PRT <213> Triticum aestivum <400> 4 Thr Val Val Pro Gly 1 5 <210> 5 <211> 7 <212> PRT <213> Triticum aestivum <400> 5 Ala Pro Gly Ala Gly Val Tyr 1 5
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のペプチドをマウスに投与した急性毒性
試験の結果の1例を示す。
【図2】本発明のペプチドをマウスに投与した急性毒性
試験の結果の1例を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // A23L 1/39 A61K 37/64 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 7/06 A23L 1/305 A61K 38/55 C12N 9/99 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG) WPIDS(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Thr−Tyr−Leu−Gly−Se
    r(配列番号:3)で表わされるアミノ酸配列で示され
    ることを特徴とするアンジオテンシンI変換酵素阻害性
    ペプチド。
  2. 【請求項2】 請求項1のペプチドを有効成分とするこ
    とを特徴とするアンジオテンシンI変換酵素阻害剤。
  3. 【請求項3】 請求項1のペプチドを含有することを特
    徴とする食品。
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