JP3121800B2 - 広帯域通信網 - Google Patents

広帯域通信網

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JP3121800B2
JP3121800B2 JP422299A JP422299A JP3121800B2 JP 3121800 B2 JP3121800 B2 JP 3121800B2 JP 422299 A JP422299 A JP 422299A JP 422299 A JP422299 A JP 422299A JP 3121800 B2 JP3121800 B2 JP 3121800B2
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一夫 会田
貴志 池田
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ATM(Asyn
chronous Transfer Mode)技術
を適用した、いわゆる広帯域ISDNをベースとする広
帯域公衆交換網並びに企業内ユースを照準した広帯域通
信網に関する。
【0002】
【従来の技術】100余年の歴史を経てこれまでに開発
・構築され運用されてきた電話網、データ網そしてFA
X網等の個別サービス網を、ISDN(Integra
tedServices Digital Netwo
rk)により、一つのネットワーク体系のもとに統合し
ようとする動きが世界各所で推し進められている。
【0003】ISDN化の第1ステップとして、198
8年から狭帯域ISDNが我が国をはじめとする先進各
国で運用が始まった。さらにATM技術をベースとする
広帯域ISDNにより放送網との融合を含めISDN網
の完成を目指して、その技術開発がCCITT(国際電
信電話諮問委員会)を中心に世界の主要な研究機関で鋭
意進められている。
【0004】ところで、ATM技術を用いた広帯域IS
DN網では、155.52Mbpsあるいは622.0
8Mbpsといった超高速のユーザ・網インタフェース
を備えている。そして、これまでの電話、ファクシミリ
等は固定速度サービスCBR(Continuous
Bit Rate)として、また高品位テレビを含む動
画像、CAD(computer aided des
ign)やコンピュータグラフィックスを含む超高速か
つ大容量のコンピュータデータ等は可変速度サービスV
BR(Variable Bit Rate)として、
同じインタフェースを介して柔軟に対応することが可能
となる。
【0005】しかし、このために、通信に先立ちユーザ
は呼の属性データとしてピークトラヒック、平均トラヒ
ック、バースト性、端末種別、さらにサービス品質QO
S(セル廃棄率、遅延時間等)等を網に申告する必要が
あった。そして、網側では申告された呼の属性データを
基に該呼の通信に必要な通信リソースを推定し、網内の
リソースの使用状況に照らし合わせ、受付けられるか否
かが判定されていた。判定の結果、受付けが許可された
呼は、送信すべき情報をセルと呼ばれる固定長(53オ
クテット)のパケットに分割して網内に送り込むことに
なるが、時には申告した属性データを逸脱してセルを送
出することもあり得る。
【0006】かくして、網内には予期せぬ過剰なセルが
送り込まれ、しかも同一方路にセルが集中(コンピュー
タのファイル転送のようにバースト性が強い呼程、この
傾向が強い)した場合には、網内に滞留することにな
る。このため、広帯域ISDN網のキー構成要素である
ATMスイッチには大量のセルバッファを設けている
が、同バッファにて吸収しきれない場合には、セルは消
失(これをセル廃棄という)することになる。このセル
廃棄は、網がセルを受取ったときに、いわゆるポリーシ
ング機能により申告した属性データの範囲を越えたもの
を違反セルとして刻印したセル、またクラス2(可変ビ
ットレート映像通信)等のVBRにて端末からセル送出
の際に非優先セル(たとえば、階層化映像符号化方式で
は、重要度の高い情報と低い情報とを優先セル/非優先
セルとに分けて送出する方法が検討されている)として
刻印したセルを対象に行われる。これらの刻印セルは廃
棄してもなお上述したバッファにて吸収しきれない場合
には、クラス1(疑似回線通信)等のセルにも廃棄が及
ぶことになる。
【0007】一般に、伝送路の雑音等に起因するビット
誤りは、転送情報の最後部に設けられたCRC符号にて
エラーチェックし、必要に応じて送信側に再送要求を行
って回復することができる。しかし、セル廃棄は受信先
ではセルが送られたことすら分らないため、再送要求す
ることができない。
【0008】このセル廃棄は、クラス3(コネクション
オリエンテッド)、クラス4(コネクションレスデータ
伝送の支援)のデータ通信では致命的な問題となるた
め、セル内の情報フィルード(48オクテット)にAT
Mアダプテーションレイヤ機能として、シーケンス番号
を設け、受信先でセル廃棄を検出し再送要求できる機構
を付加している。
【0009】一方、実時間性が要求されるクラス1、2
の呼に対しては、CCITTでは、セル廃棄に耐え得る
符号化方式の開発を要請している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】これまでCCITTを
中心に検討されてきた広帯域ISDN交換網の抱える主
な問題と課題を以下に整理する。
【0011】サービス品質 (a)セル廃棄 前述したようにシーケンス番号の付与により、受信側で
セル消失を検出することは可能ではあるが、クラス1、
2の呼では実時間性が要求されるため再送による回復は
事実上困難である。今後の研究課題となっている符号化
方式によっては、非優先セルの廃棄による影響を少なく
することも可能であるが、通常セル(違反/非優先でな
いセル)の廃棄はいうまでもなく、違反セルの廃棄にお
いても深刻な問題をもたらす。
【0012】すなわち、善良な(悪意のない)ユーザが
無意識に、申告した属性データの範囲を逸脱した場合に
は、優先/非優先セルを問わず廃棄されることになる。
換言すれば、網が一旦受取った情報が消失することがあ
り、しかも、どの情報がどれだけ消失したかを送信側で
は知り得ないことになるため、慎重かつ善良なユーザは
通信費が高くなることを覚悟の上で属性データに常にマ
ージンを持たせて申告することになる。
【0013】一方、通信費の削減に熱心なユーザは網内
トラヒックを睨みながら、違反セルの発生を覚悟の上で
少なめに属性データを申告することになる。こうした行
動は、いわば網との間でゲームを楽しむ如く駆け引きを
行うことになり、成功と失敗を繰返すこと毎に、その行
動はエスカレートしがちになる。
【0014】こうしたユーザの増加は、網内トラヒック
の異常な増加を引き起こし、慎重かつ善良なユーザが送
出した通常セルの消失を招き、ひいてはユーザは網に対
する不信と不安を抱くことになる。“情報を正確速くか
つ公平に伝える”という公衆通信網としての本来の使命
を放棄していると言われても致し方ないところである。
また、クラス3、4においても同様の現象が起きる
が、特にデータ通信では、上述したように情報の欠落は
絶対に許されないため、消失したセルの再送が上位レイ
ヤにて行われる。
【0015】セル廃棄は高トラヒック程、発生確率が高
くなるが、こうした状況下で再送を繰返すことは益々ト
ラヒックを高めることになり、網は輻輳状態に陥りやす
い、すなわち網の安定性を損なう方向に働く。
【0016】(b)セル遅延ゆらぎ 前述したように、高トラヒック状態ではセルが網内に滞
留、すなわちセルの伝達に遅延を生じることになる。交
換機の容量(ATMスイッチの規模)が大きくなる程、
また網内での中継段数が増える程、遅延量は大きくな
り、しかもその遅延量は網内のトラヒックによって変動
(これを“セル遅延ゆらぎ”という)することになる。
実時間性が要求されるクラス1、2の呼では、受信端末
側にバッファを設けてゆらぎを補償する必要があるが、
たとえば100回線(インタフェース)程度の比較的小
規模の広帯域交換網では数μsec〜数msec程度の
セル遅延ゆらぎで済むのに対して、国際間の通信では多
数の中継網が介在するため、数100msec(長距離
伝送に伴う絶対遅延時間を除く)にも及ぶことがあり、
各端末は膨大なバッファ量(たとえば、情報速度100
Mbpsの端末では数M バイト必要)を具備しなければ
ならないことになる。このため、後述するATMスイッ
チにてサービス品質に基づいた優先制御を行うなど、網
内にてゆらぎそのものを低くすることが課題となってい
る。
【0017】(c)呼接続時間 狭帯域ISDNを含むこれまでの交換機では、通常、呼
の接続(電話の場合、発信者がリングバックトーンを聞
く)までに数秒を要し、時には10秒あるいは20秒を
越えることもある。
【0018】これは、発信端末より呼設定要求が出され
ると、交換ノードはまず同呼に対する着信処理を行い、
次に着信先端末との間を結ぶ回線を捕捉し、そして着信
先端末に対して発信処理を行うなどの一連の処理を行う
ためである。
【0019】しかも、呼が複数の中継交換ノードを経由
するものであれば、各々の中継交換ノードにて着信処
理、回線捕捉そして発信処理を行うため、接続時間はさ
らに長くなる。
【0020】これに対して、広帯域ISDN網では、前
述の論理パスの概念を導入し、中継ノードでの処理の簡
略化を図るなどの対策を講じようとしているが、呼設定
に際し申告した属性データの網とのネゴシエーション、
ネゴシエーション結果に伴う論理パス内の帯域確保、着
信先端末への発信処理など一連の処理を双方向(発信端
末→網→着信端末、着信端末→網→発信端末)で行う必
要があり、接続までに秒オーダの時間がかかることは否
めない。
【0021】通話時間が電話並みもしくはそれ以上に長
いと想定されるクラス1、2の呼では、接続に秒オーダ
の時間を要しても大きな支障はない。
【0022】しかしながら、情報を間欠的に伝送するコ
ンピュータ間通信では、情報を転送する毎に呼接続に秒
オーダの時間を要していたのでは、コンピュータの性能
が活かされず使い難いシステムとなる。このため、コン
ピュータ間通信専用の構内通信ネットワークであるLA
N(ローカルエリアネットワーク)では、コネクション
レスと呼ばれる方式を採用し、ユーザには接続時間を意
識させないようにしている。広帯域ISDNが実用化さ
れれば1Mバイトのファイルを数msecで転送するこ
とも可能になり、また近年の急速な技術革新とともに益
々性能向上が進められているコンピュータ間の通信で
は、コネクションレス方式の適用は必須事項といっても
過言ではない。
【0023】一方、前述の“コネクションレスデータ伝
送の支援”を目的としたクラス4は、LAN間接続を意
図としたもので、最初の呼(パス)の接続にはクラス
1、2並みの接続時間を許容し、接続後は長時間にわた
ってパスを保持しておき、エンド・エンド間のルーティ
ング制御はユーザ(上位レイヤ)に委ね網は関与しない
ものとしている。
【0024】多数のユーザで同じ通信媒体を共有し合う
LANでは、LAN上並びにLAN間のトラヒックは絶
間なく流れるため、広帯域ISDN網上で長時間にわた
りパスを保持しても経済的に成立つが、遠隔地から中央
のデータベースをアクセスする場合のように広帯域IS
DN網に直接1台のコンピュータ端末を接続する時に
は、前述したように情報転送が間欠的であるため、クラ
ス4として長時間パスを保持することは経済性が悪くな
る。また、ユーザからはエンド・エンド間に専用線が設
けられているように見え、呼接続が不要となるパーマネ
ント論理パスや情報フィールドに記述されている上位レ
イヤのアドレスからセルヘッダのアドレスを生成する機
構を網内に設けることによってコネクションレスサービ
スを実現しようとする考えなどがあり今後の検討課題と
なっているが、この方法ではユーザのアクセスにいつで
も応じられるよう所定の通信リソースを網側は常時また
は通信が完了するまで確保しておかねばならず、結局は
ユーザに高い使用料を強いることになる。性能追及もさ
ることながら経済性を重視しがちな一般ユーザの多く
は、秒オーダの接続時間を覚悟の上、クラス3のコネク
ションオリエンテッドによるデータ通信を選択せざるを
得なくなる。これは網にとっても一般ユーザから頻繁に
呼接続要求が出されることを暗示しており、網は呼処理
の面でも輻輳状態に陥りやすい、すなわち網の安定性を
損なうことにもなりかねない。
【0025】2000年頃には全世帯数の半分位がハイ
パーメディア等を利用した高度なパソコン通信を行うな
どの予測もある。しかし、広帯域ISDN網が安価に、
すなわち網内通信リソースの効率的運用を図りつつ、か
つ網側の負担が軽いコネクションレスサービスを提供、
もしくはコネクションレス並みに呼接続時間を短縮でき
ない限り、こうした莫大な潜在需要が見込まれる一般コ
ンピュータ利用者(LAN間接続は大手企業等に限られ
る)の興味を引くことは難しい。また、網の安定性の面
からもこれらの解決が急務であると言っても過言ではな
い。
【0026】属性データの申告 (a)ユーザ申告の信憑性 前述したように広帯域ISDNでは、通信に先立ちユー
ザは呼の属性データとしてピークトラヒック、平均トラ
ヒック、バースト性、端末種別、さらにサービス品質
(QOS:セル廃棄率、遅延時間等)等の複雑かつ難解
なパラメータを網に申告する必要があり、その具体化に
ついては現在なおCCITTにて検討が行われている。
【0027】一般ユーザがこれらの属性データの意味を
正しく理解し、そしてこれから行おうとする通信につい
て各パラメータ値を正確に推測し申告することは極めて
難しいのは明らかで、このために広帯域ISDNの最大
の特長である柔軟性の犠牲を覚悟の上、上述の属性デー
タを組合せたサービス品目をいくつか用意し、ユーザに
その中から選択する方法等も検討されている。
【0028】申告データに基づいて網側は通信リソース
を確保するのに対して、ユーザ側は申告データに関わり
なく一方的にセルを網へ送り込むことができる。
【0029】そして送り込まれたセルを相手方に最大限
の努力を払って送り届けようとする網が安定にかつ効率
良く運用を払っていくには、申告された属性データが正
しいことが前提となる。
【0030】一般ユーザに分り易く簡素で、しかもユー
ザの多種多様な通信ニーズに応える柔軟な、そして申告
データにたとえ、間違い、あるいは偽りがあっても網の
安定性等に影響を与えないような属性データの申告方式
と運用方式の確立が、広帯域ISDN実用化に当たって
のもう一つの大きな課題となっている。
【0031】(b)課金方式 広帯域ISDN網にてどのような課金方式を設定するか
は、今後の課題とされ、現状では未検討状態にある。し
かしながら、課金方式の設定いかんによっては網の安定
運用と交換機等の通信機器の設計には大きな影響を与え
ることになり、その確立が急務となっている。
【0032】当然のことながら、課金方式はユーザが申
告する属性データを反映したものになるが、ユーザに分
り易く、そして虚偽の申告を防ぎ、かつ適切な網内通信
リソースの使用を誘導するものでなければならない。属
性データの簡素化を含め、総合的な視野にたった方式の
確立が望まれている。
【0033】広帯域交換機の構成/処理 (a)ATMスイッチバッファ容量 前述したように広帯域ISDNを実現する上でのキーエ
レメントであるATMスイッチには、大量のセルバッフ
ァが必要である。しかも、同スイッチは155.52M
bpsあるいは622.08Mbpsのスループットを
実現しなければならず、効率の良いスイッチの構成方法
を含めその技術的克服のために、各所で鋭意研究開発が
進められている。現在考えられているバッチャバンヤン
網方式や共通バッファ方式等のATMスイッチでは、た
とえば8×8の極小規模なものにおいてすら、後述する
ようにスイッチ内に数100セル分の大量のバッファが
必要である。こうした大量のバッファは、主としてバー
スト性の強い呼が同一方路に集中した時のためのもの
で、前述のセル遅延ゆらぎの抑圧とともに、ATMスイ
ッチLSIの大容量化の大きな妨げとなっている。広帯
域ISDN全体を見通した方式の見直しを行うことによ
って大幅なバッファ削減が実現できれば、その効用は計
り知れないものがある。
【0034】(b)優先制御 前述したようにATMスイッチ内では、ユーザが申告し
たサービス品質(セル廃棄、遅延時間等)あるいは非優
先セル、違反セルに対応して、どのセルを優先的に所望
の方路に出力するかを判断し制御する。こうした制御機
構の付加は、高速大量なセルバッファの盛り込みととも
に大容量にして安価なATMスイッチLSIの実現を妨
げる要因になっている。
【0035】(c)ポリーシング機能 前述したように現在では、ユーザ側は呼設定にて網との
間で合意した属性データ(またはサービス品目)に関わ
りなく一方的にセルを網へ送り込むことができる。属性
データ(またはサービス品目)の範囲を逸脱していない
かを監視し、違反したものについて違反セルの刻印を付
加する機能で、ATMスイッチの前段、すなわち加入者
線インタフェース毎に設けることになる。この監視機能
をさらに進め、網内トラヒックに応じてセル廃棄を行い
ATMスイッチへの過剰なセルの流入を防ごうとする考
えもあり、これによってATMスイッチのバッファを多
少減らせる等の改善が期待できるが、本発明が目的とす
る現在の広帯域ISDN網が抱える多くの問題並びに課
題を総合的に解決することにはならない。
【0036】(d)呼受付け制御 呼接続に際しユーザが申告した属性データに基づき、同
呼に対する網内で必要な通信リソースを推定し受付けら
れるかを判断するもので、交換機としての所定の呼量を
満足するためには簡単なアルゴリズムで精度よくかつ高
速に処理する必要があり、現在なお学会レベルで検討が
加えられている状況にある。
【0037】(e)課金/トラヒック集計 上述したように、これまでに考えられてきた広帯域IS
DNでは、交換機内でセル廃棄や優先制御が行われる。
このため、ユーザが送信しようとした情報と実際に網を
介して受信先に届けられた情報との間には差を生じ、ま
たサービス品質の面でも呼毎並びに網内トラヒックの状
況に応じて異なったものになる。したがって、正確に課
金集計あるいは網内を流れるトラヒックを対地別に集計
しようとすると、網内(ATMスイッチの後段)に集計
機構を設けなければならないことになる。
【0038】しかしながら、網内を流れるセルにはセル
ヘッダ(5オクテット)と呼ばれるルーティング制御の
ための情報が付加されているが、同ヘッダには受信先を
特定するための論理パス識別子(VPI)および論理チ
ャネル識別子(VCI)等が書かれているだけで、送信
先を特定するための情報は一切盛り込まれておらず、上
記目的を達成することが事実上不可能である。実際に受
信先に届けられたか否かを無視し、網の入口にて送り込
まれたセル数を集計するしか方法がなく、ユーザからの
不評を禁じ得ないのが実情である。
【0039】ユーザ・網インタフェース(UNI) CCITTでは、これまでに広帯域ISDNの基本枠組
みの検討に注力してきており、具体的なユーザ網インタ
フェースの検討は今後の検討課題となっている。同イン
タフェースの検討に当たっては、狭帯域ISDNにて実
現されている複数の端末でインタフェースを共有し合う
いわゆるマルチポイントマルチドロップ)接続が、超高
速のインタフェース速度を備えているだけに重要な課題
となる。また、狭帯域ISDNの基本速度となっている
64Kbpsの伝送速度との整合性を確保しやすいイン
タフェースであることも、広帯域ISDNと狭帯域IS
DNとの相互乗り入れの視点から重要となってくる。
【0040】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、特にこれまでにCCITTにて検討されてきた基本
枠組みを越えることなく、今後の検討課題であるユーザ
・網インタフェース等に焦点を当てて、上述した広帯域
ISDN公衆網が抱える問題あるいは課題を総合的に解
決する広帯域通信網を提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、複数の広帯域通信ノードと
これら広帯域通信ノード間を結ぶ広帯域通信ノード間伝
送路とを有し、ヘッダフィールドと情報フィールドとか
ら構成される固定長のセルを転送することによって情報
を伝送する広帯域通信網において、前記各広帯域通信ノ
ードは、前記セルを、前記広帯域通信ノード間伝送路を
用いて他の広帯域通信ノードと送受信するための広帯域
入出力ポートと、エンドユーザ端末との間で前記セルを
送受信するための複数のユーザインターフェースと、前
記エンドユーザ端末または他の広帯域通信ノードのいず
れか一方から自身に入力された前記セルを分離すると共
に、セルのヘッダフィールドに従ってエンドユーザ端末
あるいは他の広帯域通信ノードへのセルを多重化するス
イッチング手段とを具備し、前記広帯域通信網は、前記
エンドユーザ端末間で送受信される複数のセルからなる
情報を、固定ビットレート伝送サービス、可変ビットレ
ート伝送サービス、あるいは固定ビットレートパートと
可変ビットレートパートとを組み合わせた混合ビットレ
ート伝送サービスのうちのいずれかを選択的に使用して
送受信する手段と、エンドユーザ端末から使用する伝送
サービスの伝送レートを申告し前記広帯域通信網が許可
する申告許可伝送レートに対するセル単価と通信時間単
価あるいはパス保留時間単価を定義し、実際に送出した
セル数と通信時間あるいはパス保留時間並びに通信距離
を基に課金する手段とを具備することを特徴としてい
る。
【0042】請求項2記載の発明は、複数の広帯域通信
ノードとこれら広帯域通信ノード間を結ぶ広帯域通信ノ
ード間伝送路とを有し、ヘッダーフィールドと情報フィ
ールドとから構成される固定長のセルを転送することに
よって情報を伝送する広帯域通信網において、前記各広
帯域通信ノードは、前記セルを、前記広帯域通信ノード
間伝送路を用いて他の広帯域通信ノードと送受信するた
めの広帯域入出力ポートと、エンドユーザ端末との間で
前記セルを送受信するための複数のユーザインターフェ
ースと、前記エンドユーザ端末または他の広帯域通信ノ
ードのいずれか一方から自身に入力された前記セルを分
離すると共に、セルのヘッダフィールドに従って前記エ
ンドユーザ端末あるいは他の広帯域通信ノードへのセル
を多重化するスイッチング手段とを具備し、前記広帯域
通信網は、発呼時にエンドユーザが使用する伝送サービ
スの伝送レートを申告し前記広帯域通信網が許可する申
告許可伝送レートに対するセル単価と通信時間単価ある
いはパス保留時間単価を前記広帯域通信網内の資源の適
切な利用を誘導するように定義し、実際に送出したセル
数と通信時間あるいはパス保留時間並びに通信距離を基
に課金する手段を具備することを特徴としている。
【0043】請求項3記載の発明は、複数の広帯域通信
ノードとこれら広帯域通信ノード間を結ぶ広帯域通信ノ
ード間伝送路とを有し、ヘッダフィールドと情報フィー
ルドとから構成される固定長のセルを転送することによ
って情報を伝送する広帯域通信網において、前記各広帯
域通信ノードは、前記セルを、前記広帯域通信ノード間
伝送路を用いて他の広帯域通信ノードと送受信するため
の広帯域入出力ポートと、エンドユーザ端末との間で前
記セルを送受信するための複数のユーザインターフェー
スと、前記エンドユーザ端末または他の広帯域通信ノー
ドのうちいずれか一方から自身に入力された前記セルを
分離すると共に、個々のセルのヘッダフィールドに従っ
てエンドユーザ端末あるいは他の広帯域通信ノードへの
セルを多重化するスイッチング手段とを具備し、同じ論
理チャネル上または同じ論理パス上のセルは、前記広帯
域通信網によりランダムな伝送タイミングまたはランダ
ムなセル伝送間隔で前記広帯域通信網に送出されること
を特徴としている。
【0044】(作用)本発明の広帯域交換網では、ユー
ザに対して固定ビットレート伝送による伝送サービス、
可変ビットレート伝送による伝送サービス、および固定
ビットレート伝送と可変ビットレート伝送を組合わせた
伝送サービスを提供し、ユーザがこれらサービスの伝送
速度を広帯域交換網に対して申告し、広帯域交換網との
間で合意し登録された伝送速度を基にフロー制御するの
で、網には過剰なセルが流入することがなくなり、また
ユーザにとっても分りやすい申告パラメータとなる。ま
た、フロー制御とともにセルの送出間隔(タイミング)
をランダム化し該ユーザに対し該送出間隔(タイミン
グ)を通知する機能を備えているので、 ATMスイッチで
のセル同士の衝突確率が少なくなり、ATMスイッチが
具備すべきバッファ量を大幅に削減できるとともに、セ
ルの網内滞留時間も大幅に削減できる。
【0045】また、上記フロー制御およびセル送出間隔
のランダム化機能は、マルチポイント接続サービスを提
供するセルベースの加入者線または宅内系インタフェー
ス上で実現できるので、同じ通信媒体を用いた効率の良
い通信を行うことができる。また、終端する広帯域交換
ノード間に設定される論理パスは、複数の固定ビットレ
ート伝送速度の和を収容し得る帯域と、複数の可変ビッ
トレート伝送速度を収容し得る所定の帯域とを収容し得
る帯域を備えればよいので、網内リリースを効率よく運
用することができる。
【0046】また、階層化符号方式により可変ビットレ
ートの映像等の通信を行う端末では、優先度の低いセル
から前記フロー制御の対象とすることができるので、セ
ル廃棄に伴う映像の劣化を最小化することができる。
【0047】また、中断または切断された呼に対して、
再開または再呼設定要求に速やかに応じられるように当
該通信リリースを管理テーブルに登録し、網内トラヒッ
クまたは他の呼の通信要求に応じて、適宜、この管理テ
ーブルから当該通信リリースを抹消し、当該通信リリー
スを解放するので、パソコン等によるコンピュータ通信
をコネクションレス相当のレスポンスで、しかも低料金
で利用することが可能になる。
【0048】さらに、伝送速度に対するセル単価あるい
はパス保留時間単価を網内リリースの適切な利用をユー
ザに誘導するように定義し、実際に送出したセル数、通
信時間、通信距離を基に課金するので、網は安定かつ効
率よく運用することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施例を説明する。
【0050】図1は本発明の一実施例である広帯域交換
網の概略構成を示す図である。
【0051】広帯域ISDN端末(以下、B−TEと記
す)1aは、加入者線インターフェース3aを介して広
帯域ISDN網をなす2台のATM交換ノード2a、2
bに接続されている。更に加入者線インターフェース3
bを介して受信先のB−TE1bに接続されている。ま
た、2台のATM交換ノード2a、2bとの間には論理
パス4が設定されている。なお、同図には2台のATM
交換ノードのみ記載されているが、同ノード間には複数
の中継(クロスコネクト)ノードが介在しても差し支え
ない。要は、B−TEを終端するATM交換ノード間に
論理パスが張られていることが、広帯域ISDN網の特
徴であり、同論理パスには図に示したB−TE1a、1
bだけでなく、後述するように同じ交換ノードにて終端
される他のB−TE間も同論理パスを共有することがで
きる。広帯域ISDN網では、B−TEより送出される
ATMセルの宛て先をATMセルの先頭に設けられた論
理チャネル識別子(VCI)と論理パス識別子(VP
I)とによって判別する。
【0052】論理チャネル識別子(VCI)はATM交
換ノードに直接接続されたB−TEあるいは加入者線イ
ンタフェースの識別をする。一方、論理パス識別子(V
PI)は広帯域ISDN網内の論理パスの識別に使用さ
れる。
【0053】なお、同図にはいわゆる網終端装置(CC
ITTでの呼び方ではNT1、NT2)などの記述は簡
単化のため省略している。
【0054】図2は、図1に示すB−TE1の概略構成
を示す図である。コンピュータなどの端末(以下TEと
記す)10はアクセスユニット(以下AUと記す)11
を介して加入者線インタフェース3に接続されている。
AU11はTE10及び加入者線インタフェース3との
接続インタフェース回路12、15、ATMセルの送受
信を行うためのバッファメモリ13、ATMセルの送受
信制御などを行うためのコントローラ14から構成され
ている。
【0055】なお、AU11には複数台のTEを接続す
ることも可能であり、これを考慮した具体的な加入者線
インタフェースについては図11にて詳述する。
【0056】図3は加入者線インタフェース回路を中心
に、ATM交換ノード2の概略構成を示した図である。
【0057】同図に示すように、ATMスイッチ24に
は複数の入出力ポートが設けられ、これらのポートを介
して複数の加入者線インタフェース回路20と複数のノ
ード間伝送路25が接続されている。
【0058】加入者線インタフェース回路20には、加
入者線インタフェース3を介してB−TEとの間でAT
Mセルの送受信を行う接続インタフェース回路21とA
TMセルの送受信制御などを行うコントローラ22など
から構成されている。接続インタフェース回路21とA
TMスイッチ24との間には前述のAU内に設けられた
バッファメモリに相当するメモリは必ずしも必要ではな
い。また、ノード間伝送路25には前述の論理パス4を
複数本設定することができる。更に、コントローラ22
並びにATMスイッチ24はATM交換ノード2の全体
の制御を司どる主制御装置26に接続されている。
【0059】なお、本構成では、従来考られていた加入
者線インタフェース回路でのポリーシング機能、あるい
はATMスイッチでのATMセル優先制御などの機能は
必要ではない。(これらについては、詳細に後述す
る。) 図4は呼の設定時にB−TEより申告される属性データ
の例を示す図である。同図(a)に示すトラヒック量が
一定なクラス1の疑似回線通信では、固定ビットレート
(CBR)サービスとして、例えば64Kbps、10
Mbps・・・・・・のようにATMセル内に設けられた48
オクテットの情報フィールドまたはセル廃棄対策などの
ためのATMアダプテーションレイヤを除いたユーザ情
報の転送領域(これをサービスデータユニット:SDU
と呼び、クラス1では47オクテットの領域をもつ)に
より伝送される固定ビットレートの情報伝送速度Ucを
申告する。
【0060】なお、クラスごとにSDUの領域長は異な
るが、後述するように本実施例によればセル廃棄を実用
上無視し得る程に少なくできるので、ATMアダプテー
ションレイヤの一部または全部を省略することも可能と
なる。このため、特に断らない限り前者の情報フィール
ドをベースとする情報伝送速度を用いることとする。同
図(b)に示す常時トラヒックが存在し、常に、トラヒ
ック量が変動するクラス2の可変ビットレート映像通信
では、CBRサービスと可変ビットレートVBRサービ
スとを組合せたMBR(mixed bit rat
e)サービスとして、各々固定ビットレートの情報伝送
速度Ucと可変ビットレートの情報伝送速度Uvを申告
する。
【0061】なお、可変ビットレートの情報伝送速度と
しては、ピーク速度、平均速度あるいはセル転送を行っ
ている時、すなわち、有情報時の平均速度などが考えら
れるが、以下の説明では説明を簡略化する目的でピーク
速度を用いることとする。
【0062】同図(c)に示すトラヒックが間欠的に発
生するクラス3のコネクションオリエンテッドのデータ
通信では、VBRサービスとして可変ビットレートの情
報伝送速度Uvを申告する。
【0063】そして、同図(d)に示すLAN間接続を
想定したクラス4のコネクションレスデータ通信の支援
では、LAN間に流れるトラヒック並びに後述の課金方
式などを勘案して、VBRサービス(トラヒックが少な
く間欠的である場合)あるいはMBRサービス(トラヒ
ックは大きく変動するもののほぼ常時トラヒックが存在
する場合)あるいはCBRサービス(ほぼ一定のトラヒ
ックが常時流れる場合)とをユーザの選択により決定す
る。そして、この決定に基づいて、UvあるいはUcと
Uの両方、あるいはUcを申告する。
【0064】ここで特徴的な事は、従来考えられていた
属性データではピークトラヒック(速度)、平均トラヒ
ック(速度)、バースト性、端末種別、更にサービス品
質(セル廃棄率、遅延時間など)など複雑なパラメータ
を申告する必要があったのに対して、本実施例では、U
cあるいはUv並びに必要に応じてクラス種別を申告す
ればよいことである。
【0065】このように大幅に簡潔化した属性データで
あっても、広帯域ISDN網内の安定な運用並びにユー
ザが各々目的とする通信に何等支障を来すことなく、こ
れまで考えられてきたサービスより、より高い品質のサ
ービスを提供できる。
【0066】以下に、このような高い品質のサービスを
提供するための具体的手段を説明する。
【0067】図5は終端するATM交換ノード間に設定
された論理パス30内に複数台のB−TEからの呼が登
録されいる様子を例示する図である。
【0068】B−TE1はUc1とUv1を、B−TE
2、B−TE3は各々Uv2、Uv3を、B−TE4、
B−TE5は各々Uc4、Uc5の伝送速度が登録され
ている。そして、論理パス30内にはUv1〜Uv3を
収容する所定のVBR帯域31とUc1〜Uc5の各伝
送速度の和を帯域とするCBR帯域32が確保される。
ここにVBR帯域はATM方式の特徴の一つである統計
多重効果を活かすことによって、網内リリースの有効利
用を図ろうとするもので、所定のVBR帯域とは例えば
Uv1〜Uv3の二乗和平方根あるいはUv1〜Uv3
の最大伝送速度、更には実際に論理パス上のトラヒック
を所定の時間観測し、その結果によりフロー制御される
ATMセルのセル比率が例えば5%以下となるような帯
域を設定するなど種々の手法が考えられる。
【0069】なお、図5に示す例では論理パス30の帯
域はVBR帯域31とCBR帯域32の和となっている
が、これにより広い帯域をもつ論理パスを予め設定して
おいてもよい。このようにした場合は、同帯域を超えな
い範囲で新たな呼の受付が可能であり、また範囲を超え
るような場合、あるいは論理パスに余分の帯域を持たせ
ないきめ細かな運用を行う場合には、網内の他のトラヒ
ック状況を見ながら適宜論理パスの帯域を可変してもよ
い。
【0070】また、図5に示す例ではVBR帯域31は
クラス2〜3に共通に設けるものとしているが、各クラ
スのトラヒックの特性を踏まえてクラス毎に二乗和平方
根(クラス2、4のように比較的可変ビットレート伝送
の平均トラヒック量−使用率−が高い場合)、あるいは
最大伝送速度(クラス3のように平均トラヒックが低い
場合)、論理パス上の実トラヒックの観測結果(トラヒ
ックの振舞いが予想できない場合)に基づく帯域を確保
してもよい。
【0071】なお、最大伝送速度をVBR帯域とする場
合には、この最大伝送速度以下の伝送速度を申告した呼
であれば無制限に受け付けられることになる。
【0072】例えば、加入者インタフェース回路にて流
入するATMセル数(トラヒック量)を常時集計し、V
BR帯域内の平均トラヒック量が一定の水準(例えば平
均使用率が0.8)に達した場合には、適宜帯域を広げ
るか、網内リリースに余裕がない時にはB−TEに対し
伝送速度を下げるよう促すか、あるいは、新たな呼の受
付を制限するなどの対策を施せばよい。
【0073】図6は可変ビットレート伝送におけるAT
Mセル送出シーケンスの例を示す図である。
【0074】加入者線インタフェースの物理速度をCC
ITTにて規定されている155.52Mbpsとする
と、例えば5.875msecを1周期とするフレーム
単位ごとに、B−TEは次の1フレーム目で送出したい
セル数NriをATM交換ノードに要求する。ATM交
換ノードでは同じ論理パス上を通る呼からのセル要求数
を集計し、要求セル数の合計値がVBR帯域で1フレー
ム当たり送出可能なセル数(例えば、VBR帯域が10
Mbpsであれば10Mbps/(480ct×8bi
ts)×5.875msec=153セル)以下であれ
ば、そのままB−TEからの要求セル数を許可するが、
送出可能セル数を越えている場合には、例えば呼の設定
時に登録した伝送速度を基に比例配分したセル数を各B
−TEに割り当て、Npiとして通知することにより、
フロー制御を行う。Npi個のセル送出を通知されたB
−TEは、次フレームにてNpi個を超えない範囲でセ
ルを網に送出する。以下、同様のシーケンスを終話する
までフレームごとに繰り返す。
【0075】なお、上述の説明ではB−TEより次フレ
ームで送出したいセル数を要求するものとしているが、
多少、課金などの正確さ、リリースの使用効率は劣る
が、前フレームまでのセル送出数を基に網側が次フレー
ムでのセル送出許可数を割当てB−TEに通知するな
ど、必ずしもB−TE側からセル送出数を要求させなく
ても網内への過剰なセルの流入を防ぐフロー制御を行う
ことができる。
【0076】図7は固定ビットレート伝送におけるセル
送出シーケンスの例を示す図である。
【0077】同図に示すように、固定ビットレート伝送
では伝送速度が一定であるため、各フレーム毎に送出す
るセル数Ncは一定となっている。ただし、ユーザは登
録した伝送速度を逸脱しないことを前提としたもので、
後述するように悪意あるユーザによっては同速度を逸脱
してセルを網に送出することも有り得るため、網側より
各フレームごとに送出を許可するセル数を通知(固定ビ
ットレート伝送ではユーザよりフレームごとにセル送出
数を必ずしも要求させる必要はない)することにより、
実質的にフロー制御することも可能である。
【0078】なお、この例では、フレーム周期を5.8
75msecとしているが、これは狭帯域ISDN網に
おける基本フレーム周期125μsecの47倍に当た
るものである。このため、特にクラス1のSDUが47
オクテットであることを考慮すると、5.875mse
cのフレーム周期毎に1個のセルを送出すれば、ユーザ
情報の伝送速度は64Kbpsとなり、狭帯域ISDN
網との整合性を確保するとともに相互乗り入れを容易に
する事が可能である。ただし、本発明におけるフレーム
周期は上記例に限られるものではなく、他の周期にも適
用可能であることは付言するまでもない。
【0079】更に、64Kbps未満の伝送速度の場
合、1フレーム当たりのセル送出数は1個未満となるた
め、複数フレームを単位に、あるいは特にフレーム周期
を設けずに長時間での平均ビットレートが登録した伝送
速度を満たすよう送出セル数の通知並びにフロー制御を
行ってもよい。
【0080】また、上述した例では、要求セル数が送出
可能セル数を超えている場合には、呼の設定時に登録し
た伝送速度を基に比例配分したセル数を各B−TEに割
り当てるとしているが、伝送速度そのものに比例、すな
わちUv1が10Mbps、Uv2が1Mbpsの伝送
速度のとき、配分するセル数を10:1としてもよい。
また、後述する課金体系に沿って配分、すなわち10M
bpsのリンク単価が29円/分、1Mbpsは6円/
分であれば、29:6の割合で配分してもよい。さら
に、他にも伝送速度の平方根をベースに配分するなど種
々の方法が考えられる。
【0081】更に、B−TEが呼設定時に登録した伝送
速度を逸脱したセル数を要求した場合には、たとえ論理
パス上に余裕があっても登録速度内に収まるようCBR
サービス/VBRサービス/MBRサービスにかかわり
なく送出セル数を制御することも可能であり、これによ
って悪意あるユーザの虚偽の申告を防ぐことができる。
かくして、B−TEはATM交換ノードからの指示に
従ってATMセルを送出するため、網内にはその転送能
力を越える過剰なセルが流入することがなくなり、AT
Mスイッチに適量のセルバッファを設けておけば、網は
セル廃棄を行うことなく安定した運用を行うことが可能
になるとともに、従来考えられていたポリーシング機能
も不要になる。
【0082】一方、B−TE側ではクラス2〜4の場
合、網よりフロー制御を受けるため、送信したい情報を
常に送信できるとは限らなくなる。実時間性が要求され
るクラス2では、送出できなかったATMセルを次フレ
ーム以降で送出することは一般に許容されず、従ってB
−TE内にてセル廃棄することになる。しかしながら、
前述したように階層化映像符号化方式を用いた可変ビッ
トレート映像通信では、B−TE内にてどのATMが優
先度が高いかを識別できるため、セル廃棄されると映像
品質に重大な影響をもつ優先度の高いATMセルの送出
用にUcを申告し、逆に優先度の低いものはUvとして
申告すれば、網よりフロー制御を受けた場合、すなわち
NpiがNriを下回った時には、B−TEの責任にお
いて優先度の低いATMセルから廃棄することが可能に
なり、映像品質の劣化を最小化することも可能になる。
【0083】一方、データ通信を対象とするクラス3、
4では、一般に実時間性が要求されないため、送出でき
なかったATMセルを次フレーム以降に送出しても差し
支えなく、これはコンピュータ通信で一般的に行われて
いるフロー制御に相当するものである。
【0084】以上の説明から明らかなように、固定ビッ
トレート伝送CBRと可変ビットレート伝送VBRの違
いは、可変ビットレート伝送VBRは網よりフロー制御
を受けることがあるのに対して、固定ビットレート伝送
CBRはフロー制御を受けることなく、常に一定の伝送
速度が保証されることである。さらに、後述のセル到着
間隔のランダム化を適用すればATMセルの網内滞留時
間を極僅かに抑えることができる。そして、網内に一旦
取り込まれたATMセルは固定ビットレート伝送CBR
及び可変ビットレート伝送VBRに関わりなくセル廃棄
あるいは優先制御されることなく、対等の処理を受ける
ものとしても網の安定かつ効率的な運用に支障を来すこ
とはない。このため、ATMスイッチなどの処理が簡素
化されることになる。
【0085】逆に、網内での扱いが異なる、例えば固定
ビットレート伝送のセルを優先的に転送すると、固定ビ
ットレート伝送と可変ビットレート伝送とから成るMB
Rサービスでは、セルの転送順序の逆転を招くことにな
り、受信側での処理が複雑になるなどの問題を生じる。
【0086】このように、クラス2〜4については網が
フロー制御を行うため、網内には過剰なセルは流入しな
くなり、その分ATMスイッチのバッファ量を減らすこ
とが可能になる。また、網あるいはATMスイッチに流
入するATMセルの到着間隔がランダム、すなわちバー
スト(連続発生するATMセルの塊)性が低ければ、同
じ出線(論理パス)にATMセルが集中する確立が低く
なる。このため、ATMスイッチ内のバッファ容量を更
に減らすことが可能になり、同時にバッファリングにと
もなうセルの網内滞留(遅延)時間も減ることになる。
【0087】図8は個別バッファ型(Separate
d)と共通バッファ型(Shared)のATMスイッ
チを試作し、ランダム性が強いトラヒック(同図
(a))とバースト性の強いトラヒック(同図(b))
について、セル廃棄率とバッファ容量との関係を実験に
より求めた図(「遠藤他:”バッファを共通化したAT
M交換用メモリスイッチ”電子情報通信学会論文誌B−
1、Vol.J72−B−1、No.11、pp.10
62−1069,1989年11月」より出典)であ
る。
【0088】同実験結果によれば、ランダム到着の場
合、バースト到着に比較してバッファ容量を1/16〜
1/18に減らしても同じセル廃棄率を実現することが
可能であり、同時にセル遅延時間も1/16〜1/18
に減ることになる。同図から明らかなように、セル廃棄
率はバッファ量に対し指数関数的に減少するため、バッ
ファ量をやや大目に備えておけば(それでも従来考えら
れていたバッファ量より大幅に少ない)セル廃棄率を実
用上無視し得るほどに小さくすることが可能である。
【0089】図9は5本の入線からCBR/VBR/M
BRサービスを問わずランダムな時間間隔でセルがAT
Mスイッチ24に流入し、3本の出線に出力される様子
を示した図である。
【0090】同図に示すように、ATMスイッチ24に
はB−TEから送出されたATMセルが1フレームを単
位周期にATMセルの送出順序を確保しつつランダムな
時間間隔で流入し、出線にATMセルが同時に多数集中
することなく、セル順序を維持して各々の出線に出力さ
れている。図9に示した例では、1フレーム時間を前述
と同様に5.875msecとしているが、加入者線イ
ンタフェースの物理速度が155.52Mbpsの場
合、1フレーム内に2075個のATMセルを収容する
ことができるが、この数はATMセルの到着間隔に十分
なランダム性を持たせ得る母集団の大きさであり、5.
875msecのフレーム周期はB−TEからのセル要
求数を集計し許可数を割振り、更にハードロジックによ
り、ATMセルの送出(到着)間隔のランダム化を行う
(例えば、ランダムに並べた1〜2075の数値をRO
Mに記憶しておき、順に読み出した数値をフレーム内の
セル送出位置とする)などの一連の処理を実行するに十
分な時間である。
【0091】なお、ATMセルの到着間隔がランダム化
することにともない、呼の属性( 例えばクラス1、2)
によっては、受信側でバッファメモリを設け、ランダム
化並びに網内滞留によって生じるセル遅延時間ゆらぎを
補償する必要がある。この最大ゆらぎ量は1フレーム時
間程度であり、複数の網が介在する国際通信であっても
最悪20msec程度の極僅かな量となる。
【0092】ATMセルの到着間隔をランダム化する方
法としては、次のような手段がある。 加入者線イン
タフェースを1台のB−TEで占有する場合(非マルチ
ポイント接続)には、図2に示すB−TE内のバッファ
13とコントローラ14にて所定の複数のATMセルの
送出タイミングをフレーム内でランダムに設定する。 B−TEではランダム化を行わず広帯域交換ノード内
の加入者線インタフェース回路にバッファメモリ(図3
には図示せず)を設け、同回路からATMスイッチへ出
力する際にセル間隔をランダム化する。
【0093】図3に示す加入者線インタフェース回路
20内のコントローラ22にてセル間隔をランダム化し
た送出タイミングを算出し、結果を、CCITTにて検
討中の図10に示すSDH(同期ディジタルハイアラー
キ)ベースあるいは図11に示すセルベースの加入者線
インタフェースに設けられているO&M(保守運用のた
めの伝送オーバヘッド)領域に位置するSOH(セクシ
ョンオーバヘッド)を用いて各B−TEに通知し、各B
−TEは通知されたタイミングにてセルを送出する。
【0094】図11はセルベースの加入者線(または宅
内系)インタフェースを、例えば光スターカプラを介し
て複数台のAU(加入者線インタフェースの場合、AU
は前述のNT1,NT2の機能を兼ねる)をパッシブ接
続し同じ伝送媒体を共有し合う、いわゆるマルチポイン
ト接続サービス、更に各AUに複数台のTEを接続する
ことも考慮した実施例を示すものである。
【0095】フレーム周期は前述の例と同じ5.875
msecとしている。そして、このフレーム周期は下り
(広帯域交換ノードからAU方向)及び上り (AUか
ら広帯域交換ノード方向)共に、SOHセルの転送を行
う制御ウィンドウ領域と通常のATMセルの転送を行う
情報セル領域とから構成されている。
【0096】下り及び上りとも、情報セル転送領域には
最大2075セルを収容することができるが、上りには
マルチポイント接続にともなうATMセル同士の衝突を
避け、かつ受信側でのATMセルのビット同期を確立す
るために8ビットのガードビットがセル間に設けられて
いる。また、下り制御ウィンドウ領域には最大78個の
SOHセル(一部は伝搬遅延時間制御並びにO&Mに用
いられる)が、上りには最大マルチポイント数(AU
数)に応じて16または32個のセル数要求用SOHセ
ルと伝搬遅延時間計測用のSOHセル(O&M機能を兼
ねることも可能)並びに伝搬遅延時間計測のためのウィ
ンドウ(伝搬遅延時間計測用SOHセル以外は送信され
ない)などが設けられている。なお、伝搬遅延時間計測
はATMセルが伝送路上を伝搬する際の遅延時間を補償
する上で必要な往復伝搬時間を計測するためのもので
る。マルチポイント接続の構成例を含め、アクセス制御
の詳細は特願平2−132188に述べられているの
で、ここでは説明を省略する。
【0097】同構成において、各AUは同AUに接続さ
れている複数のTE毎の次フレームで送出したいATM
セル数NRiを所定のセル数要求用SOHセルを用いて、
広帯域交換ノードに要求する。広帯域交換ノードでは前
述の手順に従って、各TE毎に許可するセル数Npiを
求めるとともに、セル同士が衝突しないようインタフェ
ース全体を通してセルの送出タイミングをランダム化
し、同結果を下りのセル割当用SOHセルを用い、ビッ
トマップ形式にて各AU並びにTEに通知する。ここ
で、上りのセル数要求用SOHセルの情報フィールド
は、通常のセルと同様に48オクテットあるが、TEの
識別用に8ビットを、また要求セル数の記述用に12ビ
ットを割り当てれば、16台以上のTEのセル要求数を
1個のSOHセルで表現することができる。一方、広帯
域交換ノードからのビットマップ形式によるセル割り当
ては、図12に示すように、TEの識別用に8ビットを
割り当てれば全体として8×2075ビットの情報長が
必要となるが、CRC符号などの付加を考慮しても48
個位のSOHセルを用いれば十分である。また、AU数
が16の場合には上りの伝搬遅延時間計測用ウィンドウ
は67.3μsec,AU数が32の場合には22.8
μsec確保でき、各々7Km,2Kmの線路長までカ
バーすることができる。7Kmの線路長は狭帯域ISD
N網などにおける加入者線インタフェースがカバーする
最大線路長であり、一方、2KmはPBXなどの構内網
で必要とされる最大線路長である。
【0098】このように、TEが送出するセル数Npi
はTEからの要求を基に網側が指定するため、網ではT
E毎のセル送出数を常時正確かつ簡単に把握できること
になり、後述の課金あるいはトラヒック集計を正確に行
うことが可能になる。
【0099】なお、以上の説明では論理パスはB−TE
を終端する2ノード間に設けるものとしているが、図2
0に示すようにB−TE間(エンド・エンド間)に中継
交換器を介して複数の論理パスが介在する場合には、以
下のような処理を行えば良い。
【0100】すなわち、同図(論理パスなどは図の左側
から右側へセルが転送される一方向のみ記載)において
ATM交換ノード51、52、55、56はB−TEを
終端するローカル交換(LS)局、ATM交換ノード5
3、54はATM交換ノード51、52、55、56間
の論理パスを終端し、中継する中継交換(TS)局、特
にATM交換ノード53はB−TEも終端する機能も備
えた中間交換(TLS)局の役割を担っている。なお、
TSあるいはTLS局は、例えば東京・大阪間というよ
うに長距離幹線区間での論理パスの終端局として設置さ
れるもので、論理パスの終端を行わないクロスコネクト
ノードとは異なる。そして、ATM交換ノード51には
論理パスVPI1に論理チャネルVCI1〜3と、論理
パスVPI2に論理チャネルVCI4、5が収容され、
ATM交換ノード52には論理パスVPI3に論理チャ
ネルVCI6、7が収容されている。論理パスの終端と
中継を行うATM交換ノード53では、セルヘッダ内の
VCI、VPIを書換えることによって、VPI1に収
容されているVCI1〜5を各々VCI11〜15に変
換しVPI4へ中継する。同様にVPI3に収容されて
いるVCI6、7も各々VCI16、17に変換されV
PI4へ中継される。またVPI4には、ATM交換ノ
ード53で終端されるVCI18〜20が収容されてい
る。一方、ATM交換ノード54ではVPI4を終端
し、VCI11、12を各々VCI11、12を各々V
CI21、22に変換の上、VPI6に中継、VCI1
8をVCI25に変換しVPI7に中継し、ATM交換
ノード55へ向けて各々のセルを転送する。さらにAT
M交換ノード54はVCI13をVCI26に変換しV
PI8に中継、VCI16、17をVCI29、30に
変換しVPI10に中継し、ATM交換ノード56へ向
けて各々のセルを転送する。
【0101】かくなる構成において、ATM交換ノード
51ではVCI1、VCI2(またはB−TE)に対す
るフレーム毎のセル割当てを同交換ノード51にあらか
じめ登録されているVPI5の帯域にて伝送し得るセル
数を越えないよう前述(図6、図7)した方法にて行
う。同様に、VCI3はVPI8の帯域、VCI4、5
はVPI6の帯域を基に各々の収容ATM交換ノードに
てセル割当てが行われる。セル数が割当てられた後のセ
ル送出タイミングのランダムかは各々のVCIが収容さ
れている加入者回路インターフェイス単位に、あるいは
VPI単位に行われる。
【0102】上記方法にてセル数の割当てを行う場合に
は、VPI4の帯域はVPI5〜10各々の帯域の和と
同じか、広い必要があり、同様にVPI1はVPI5と
VPI8の帯域の和、VPI2はVPI6の帯域、VP
I3はVPI10の帯域と同じか広い必要があるが、例
えば多数のVPIを収容しかつ長距離間に設けられるV
PI4では、VPIが帯域一杯にセル転送が行われると
は限らないため、VPI4の帯域をVPI5〜10の帯
域の和よりも狭くする。すなわち論理パスレベルでの統
計多重を行えば、より網内リソースの有効利用を図るこ
とができる。この論理パスレベルでの統計多重を実現す
る方法としては、以下に述べる(説明を簡単にするため
長距離区間をなすVPI4の帯域のみ狭くなっている場
合を想定する。)ように幾つかの方法が考えられる。
【0103】第1の方法は、VCI1〜5とVCI6〜
7およびVCI18〜20に対してあらかじめVPI4
内で転送し得るセル数を割振っておき、例えば交換ノー
ド51ではVCI1〜5に対する割振りの和を越えない
範囲でVPI1とVPI2との間で統計多重を行う方法
である。
【0104】第2の方法は、VCI1〜7およびVCI
18〜20を介して要求された次フレームでのセル転送
要求数を例えば交換ノード53で集計し、集計したセル
数がVPI4の帯域にて転送し得る数を越えた場合に
は、図6、図7で述べたようにセル転送可能数をVPI
5〜10で比例分配し、同結果をATM交換ノード51
および52に通知することによって、各々の交換ノード
では通知されたセル転送可能数を越えない範囲でB−T
Eからのセル転送要求数を踏まえてセル転送数割り当て
を行う方法である。
【0105】第3の方法は、例えばVPI4から送出さ
れるセル数をVPI5〜10毎に交換ノード54で集計
し、同集計を基に各VPIのトラヒック変動(偏り)状
況を推定することによって秒、あるいは分オーダで各V
PIで許容する最大セル転送数を割振り、ATM交換ノ
ード51、52、53に通知する。各交換ノードでは同
通知を越えない範囲でB−TEからのセル転送要求数を
踏まえてセル転送数割当てを行う方法である。
【0106】第4の方法は、網内に流れるセル数を網へ
の入り口である。交換ノード51、52、53あるいは
網の出口である交換ノード55、56で集計し、集計結
果を例えば網内に設けられた管理ノード(図20には図
示せず)に通知する。同管理ノードでは数10秒あるい
は数分オーダで各VPIのトラヒック変動(偏り)状況
を推定することによって各VPIで許容する最大セル転
送数を割振りATM交換ノード51、52、53に通知
し、各交換ノードでは同通知を越えない範囲でB−TE
からのセル転送要求数を踏まえてセル転送数割当てを行
う方法である。第1の方法は、B−TEを終端する交換
ノードに閉じた処理が可能なため、実現は最も簡易であ
るが、網内リソースの有効利用の面では第2の方法より
劣る。第2の方法は、フレーム単位で統計多重を行うこ
とができるため、網内リソース(VPI4)の使用効率
を最も高くすることが可能であるが、フレーム単位で集
計ならびに他ノードへの通知を行う必要があり、一連の
処理および通知を高速に行う必要がある。これに対し
て、第3、第4の方法は第2の方法ほどの高速性は要求
されないものの、その分網内リソースの使用効率は低下
することになるが、とくに第4の方法は管理ノードにて
網全体を見通した割振りが可能なため、複雑な網構成の
場合に効果的である。他にも例えば第1と第3あるいは
第4の方法を組み合わせるなど種々の方法が考えられる
が、第2以外の方法では上述したように網内リソースの
有効利用の面で若干劣ることになる。
【0107】ところで、CCITTでは、統計多重によ
り論理チャネルの瞬間的な和が論理パスの帯域を越える
場合であっても、論理パスはすべての論理チャネルのサ
ービス品質(QOS)を満足しなければならないと規定
しており、その実現方法については今後の検討課題とし
ている。すなわち、論理パス間での統計多重の対象とな
るのは網側が転送を保証しない優先度が低いまたは違反
刻印されたセルに限られており、論理パス間での統計多
重を積極的に活用する方向にはない。これに対して、本
発明では網内に取り込んだすべてのセルを対象に論理パ
ス間で統計多重効果を活用することが可能であり、これ
によって一時的なトラヒックの偏りを(論理パスの帯域
登録を変更すること無く)吸収することができ、網内リ
ソースの有効活用が図れる。
【0108】次に、クラス3に主眼をおいたコンピュー
タ通信における呼接続時間を短縮するための呼接続方式
の実施例について説明する。
【0109】図13は本発明における接続形態の一例を
示す図である。
【0110】B−TE1a〜1dはATM交換ノード2
a、2bに各々論理チャネル33a〜33dを介して接
続され、これら論理チャネルはATM交換ノード2a,
2b間に張られた論理パス4ab内に各々所望の帯域3
1が確保されている。
【0111】なお、同図では説明を簡単化するためB−
TE1a,1cからB−TE1b,1dへの一方向の論
理チャネル及び論理パスのみ記載しているが、実際には
逆方向の論理チャネルあるいは論理パスも張られること
になる。また同様の理由から、呼制御のための論理パス
などの記述も省略されている。
【0112】図14は上記接続形態における呼制御シー
ケンスの例を示した図である。
【0113】34a〜34xはデータリンク設定のため
の呼制御信号を、35a〜35cはB−TE間での情報
転送プロセスを表している。
【0114】図15はATM交換ノード2aから2b,
2bから2aに対して張られた論理パス4ab,4ba
に対する呼番号CRiをキーとするB−TEの端末識別
子TEIjと論理チャネル識別子VCIk及び伝送速度
Uc、Uvなどとの関係を示す管理テーブル36ab,
36baの例を示す図である。
【0115】さて、B−TE1aからB−TE1bへの
呼設定要求メッセージ34aをATM交換ノード2aへ
送出すると、同交換ノードでは前述の属性データ(CB
R/VBR/MBRサービスの種別,伝送速度,クラス
など)を含む呼設定要求メッセージ34aを分析して該
当する論理パス4abを選択する。更に、該当する論理
パス4abの図15(a)に示す管理テーブル36ab
の残余帯域を参照して、所望の伝送速度が確保できるか
をチェックする。可能と判定された時は呼番号CRi、
論理チャネル識別子VCIjを付与し,CBR/VBR
の識別(MBRサービスを要求している呼であれば一つ
の呼番号に対してCBRとVBR両方が登録される)と
該伝送速度Uc、Uv、クラスなどを管理テーブル36
abに登録するとともに、残余帯域の更新を行う。
【0116】次に、ATM交換ノード2aは呼設定メッ
セージ34bをATM交換ノード2bに送る。すると、
同交換ノード2bはB−TE1bに呼設定要求メッセー
ジ34cを送る。B−TE1bからの応答メッセージ3
4dをATM交換ノード2bが受け取ると、同応答メッ
セージに含まれる属性データ(B−TE1aから申告す
ることもあり得る)より、B−TE1bからB−TE1
a方向への論理パス4baを選択するとともに、管理テ
ーブル36baを参照し、同じ呼番号CRiにてVCI
j’など必要なデータを登録する。
【0117】その後、順次応答メッセージ34e,34
fがB−TE1aに向けて転送され、その結果B−TE
1aとB−TE1b間のデータリンクが確立され通信可
能状態となる。
【0118】データリンク確立後、ユーザによる情報転
送35aが行われるが、転送が一旦終了し、次の転送ま
でに間がある時には、B−TEから中断メッセージ34
gがATM交換ノード2aに送信される。
【0119】ATM交換ノード2aでは、中断メッセー
ジ34gがクラス3の呼であれば管理テーブル36ab
上の当該呼番号の呼状態の欄に中断開始時刻を書き込む
とともに、中断メッセージ34hをATM交換ノード2
bに送る。そして、同様に管理テーブル36baに中断
開始時刻を書込み、更にB−TE1bに対し、ユーザ中
断があった旨を伝えるための通知メッセージ34iを、
B−TE1aに対し、中断確認メッセージ34jを、そ
れぞれ、送信する。
【0120】かくなる状態にてB−TE1aより再開メ
ッセージ34kがATM交換ノード2aに送信される
と、ATM交換ノード2aは呼番号CRiをもとに管理
テーブル36ab上の該中断開始時刻をクリアし、また
再開メッセージ34lによりATM交換ノード2bは管
理テーブル36baの該中断開始時刻もクリアするとと
もに、B−TE1bに対し、ユーザ再開があった旨を伝
えるための通知メッセージ34mを、B−TE1aに対
し、再開確認メッセージ34nが、それぞれ送られる。
そして、再び、ユーザ間での情報転送プロセス35bが
再開される。以下、中断/再開は同じ手順にて繰り返さ
れることになり、B−TEからの切断メッセージを受け
ると管理テーブル36ab,36ba上の当該呼の登録
が抹消され、同時に残余帯域が更新される。一方、他の
端末B−TE1cから新たな呼設定メッセージ34oが
送られ、管理テーブルを参照した結果、残余帯域が不足
している場合には、図14の34p〜34xに示すシー
ケンスにて、中断中のクラス3の呼について中断開始時
刻の古いものから順に管理テーブルからの抹消を行い必
要な帯域を確保するとともに、テーブルから抹消した呼
を解放する。
【0121】また、中断中のB−TEが他のB−TEか
ら着信を受ける場合には、管理テーブル36ab,36
ba上の当該呼の登録を抹消し、当該B−TEに解放メ
ッセージを送信した上で、新たな呼の着信を受け付け
る。中断中のB−TEが他のB−TEに発信する場合に
も、同様に管理テーブルからの抹消と解放処理の後に、
発信処理を行う。なお中断後、長時間を経過し網内トラ
ヒックなどにより管理テーブルから抹消、すなわち解放
されたB−TEが再度通信を行う時は、呼設定要求メッ
セージからやり直すことになる。
【0122】図16,図17は、中断メッセージの代わ
りに切断あるいは解放メッセージを使用する場合のシー
ケンスおよび管理テーブルを示す図である。
【0123】図16では40a〜40xに示すように、
中断メッセージの代わりに切断あるいは解放メッセージ
が使われているが、基本的には通常の発着信シーケンス
と同じである。呼番号の代わりに、相手端末の識別子T
EIjが、図17(a)、(b)に示す管理テーブル3
7ab,37baに登録されている。
【0124】再呼設定要求メッセージ40mを受ける
と、発呼側TEIiと相手側TEIjから管理テーブル
をサーチし、登録内容と申告した属性データとが一致す
れば、当該呼に対する帯域捕捉処理を省略し、直ちに相
手端末との間で呼設定処理に入る。
【0125】なお、本実施例では、たとえ端末から切断
メッセージが送信されても管理テーブルから当該呼の登
録データが抹消されることはなく、他の端末からの発信
の際に残余帯域が不足した時など、前述の実施例と同じ
条件のもとで抹消が行われる。 かくして、管理テーブ
ルに当該呼が登録されている状態であれば、特に中断メ
ッセージを使用する前者の実施例では、数msecない
しは数10msecの極めて短時間のうちに情報転送を
再開できることになり、ユーザはこの時間をほとんど意
識することなく、コネクションレス並みのレスポンスで
広帯域ISDN網によるコンピュータ間通信を利用でき
ることになる。また、広帯域ISDN網においては、網
内リソースが不足した時には中断中の呼が捕捉していた
帯域(通信リソース)を他のユーザに転用できるため、
網内リソースを無駄に確保しておく必要がなくなり、中
断中はあえて課金対象にする必要がなくなる。さらに、
中断後ユーザが端末を放置し、切断または解放を怠って
も、時間が経ち網内トラヒックが高くなれば管理テーブ
ルから抹消され、網側から解放されることになるため、
管理テーブルを不必要に大きくする必要はない。換言す
れば、ユーザにとってはコネクションレス相当のサービ
スを低料金で利用することが可能となり、網側にとって
も網内リソースの有効利用を図ることができる。
【0126】なお、上述した説明ではB−TEより中断
または切断などのメッセージを送信するとしているが、
同メッセージはユーザの意思に基づいて送信してもよ
く、またB−TE内のタイマにて例えばデータ送信後1
分間を経過した時、あるいは後述の課金体系(網への過
剰な呼設定要求などを抑制するために、1分間未満に通
信が終了しても1分間分のパス保留時間単価を課金す
る)を考慮し、呼設定後1分間経過したときに情報転送
が行われていなかった時、更には網側のタイマにて所定
の時間経過した時に、当該管理テーブルの呼状態欄へ中
断開始時刻を書込み、以後の再開に備えてもよい。
【0127】また、上述の説明では、管理テーブルに中
断開始時刻を書込み、中断開始時刻の古い順にテーブル
から抹消していくとしているが、例えば過去の中断/再
開回数に応じて優先順位を設けたり、網内リソースの有
効利用を考慮し、伝送速度を基に優先順位を設けたり、
ユーザ要求を優先順位に反映させるなどしてもよい。更
に、上述の管理テーブルはパラメータ数が比較的多くな
っているため、テーブルサーチに時間が掛かる恐れがあ
るが、例えば呼番号をキーとするテーブル,優先順位を
キーとするテーブル,端末識別子をキーとするテーブル
を複数設けるなどのインプリメントにより、処理上の負
荷を軽減し、より速く、所定の再開処理を実行し得るこ
とは付言するまでもない。
【0128】更に、上述の説明では、論理パス内に残余
帯域が不足したり、他の呼が当該B−TEに着信をかけ
た時などに、当該呼の登録を抹消するとしているが、網
内トラヒック状況によっては他の論理パスの帯域が不足
したり、あるいは新たな論理パスを設ける際にも、管理
テーブルに登録されている中断または切断中の呼の登録
を抹消し、通信リソースを解放してもよい。なお上記説
明ではATM交換ノード2a、2b間には1本の論理パ
スが設けられるものとしているが、前述した複数のノー
ドで論理パスを中継する場合には、各々のノードに管理
テーブルを設けて、上述した説明と同様の手順にて中
断、再開ならびに解放を行うことができる。 また、本
説明ではクラス3の呼を対象としているが、他のクラス
1,2あるいは4についても適用し得ることは明らかで
あり、同時に広帯域ISDN網に限らず狭帯域ISDN
網あるいは構内交換機(PBX)などにも広く適用で
き、ユーザに利便を与えることが可能である。
【0129】要すれば、中断または切断された呼に対し
て、再開または再呼設定要求にすみやかに応じられるよ
う当該通信リソースを所定の管理テープルに登録し、網
内トラヒックまたは他の呼の通信要求に応じて適宜、管
理テーブルから抹消し、当該通信リソースを解放すると
ころに本実施例の特徴があり、その実現方法は数多く存
在し得る。本実施例では、これらの実現方式を、その特
徴からイミディエイト・コネクション・サービスと総称
する。
【0130】次に、ユーザが広帯域ISDN網を利用す
る上で適切な網内リソースの使用を誘導し、また網にと
っても安定かつ効率の良い運用を行っていく上で重要な
要素となる課金方式について、図18と図19を用いて
説明する。
【0131】図18は固定ビットレート伝送と可変ビッ
トレート伝送の伝送速度別の料金を示す図である。
【0132】固定ビットレート伝送では、伝送速度Uc
の1分間当たりのセル転送数は10×UcMbp
s/(48Oct.×8bit)×60secで表せ、
Ucが64Kbps、1Mbps、10Mbps、10
0Mbpsのとき、夫々10セル/分,1.56×
10セル/分,1.56×10セル/分,1.
56×10セル/分の転送能力をもつ。
【0133】次に、近距離通信(当然通信距離によって
価格は変わる)を想定したセル単価(セル1個当たり
の送信価格)を例えば4×10-4×Uc−1/3円/セ
ルとすると、1分間当たりの通信時間単価はセル転送
数とセル単価との積、すなわちUc2/3 に比例した
単価となり、同単価に通信時間を乗じたものが通信料金
となる。
【0134】一方、可変ビットレート伝送では、ユーザ
から見ると網からフロー制御を受けるためサービス品質
が劣ること、逆に網側にとっては通信リソースを効率的
に運用できること、またコンピュータ通信にて網への過
度な発呼要求と論理パスの長時間保留を抑制することを
考慮し、セル単価を例えば固定ビットレート伝送の1
/4とし、パス保留時間単価を例えば固定ビットレー
ト伝送の通信時間単価の1/10とし、更に1分未満の
呼であっても1分間分のパス保留時間単価を課金するも
のとすると、セル送出数にセル単価を乗じたものとパ
ス保留時間にパス保留時間単価を乗じたものとの和が
通信料金となる。
【0135】図19はクラス1,4が対象となるCBR
サービス,クラス2,4が対象となるMBRサービス
(総伝送速度=Uc+Uv、Uc=Uvを仮定)並びに
クラス3,4が対象となるVBRサービスについて、具
体的な通信料金を示す図である。
【0136】同図によれば、CBRサービスでは上述の
伝送速度毎に、夫々10円/分,62円/分,290円
/分,1345円/分となる。
【0137】このように、伝送速度が10倍になっても
料金は4.6倍程度に止どまっているため、ユーザは抵
抗なく広帯域ISDN網が提供する高速通信サービスを
利用できる。また、不必要に高速な伝送速度を申告する
ことを防ぐことができる。
【0138】一方、保留時間が長くトラヒックが常に変
動するMBRサービスでは、可変ビットレート伝送にお
ける平均使用率をη(セル転送数=最大セル転送数×
η)とすると、いずれの伝送速度においてもη=0.
1,η=0.5,η=1.0のとき、CBRサービスよ
りも夫々35%,25%,15%程度の割安料金とな
る。このため、ユーザに固定ビットレート伝送と可変ビ
ットレート伝送とを組み合わせた適切な申告を促すもの
となる。
【0139】また、コンピュータのファイル転送などが
主体となるクラス3,クラス4では、ファイル容量をF
メガバイトとし、F=1Mバイトでは133Kbps,
F=10Mバイトでは1.3Mbps,F=100Mバ
イトでは13Mbps程度の伝送速度で申告するのが最
も安価になり、この時のファイル転送時間は共に1分間
程度を要する。
【0140】ファイル転送時間を数秒程度にしたいとき
は、夫々10倍の伝送速度を申告すればよく、その時の
価格は10〜30%程度の上昇で済む。これに対して、
更に10倍の転送速度(1秒以下でファイル転送が可
能)を申告した場合には4倍以上の価格となり、ユーザ
から見たコストパフォーマンスは急激に低下することに
なる。換言すれば、1分間程度の時間を覚悟するならば
最も安価にファイル転送を行うことができ、またマンマ
シンインタフェース上から数秒程度で転送したい場合に
は10〜30%程度の価格上昇で済むが、過度の高速度
あるいは過度の低速度での通信はかえって経費が増加す
ることになり、結果としてユーザに適切な伝送速度の申
告を誘導することになる。
【0141】なお、図18では前述したようにファイル
容量FをATMセルの情報フィールド長である48オク
テットで割っているが、CCITTでの検討では現在ク
ラス3,4のSDU領域は44オクテットとなってお
り、同SDUの転送能力においても上述した説明の主旨
を損ねることはない。
【0142】また、上述した説明では、例えば固定ビッ
トレート伝送のセル単価をUc−1 /3に比例するな
ど、具体的算出式を例示しているが、本発明は同算出式
に限定されるものではなく種々の係数の組み合わせが考
えられることは付言するまでもない。更に、上述した説
明ではクラスあるいはサービス種別によらず、固定ビッ
レート伝送並びに可変ビットレート伝送各々のセル単価
などを同じとしているが、クラスあるいはサービス種別
ごとに設定しても差し支えない。要すれば、ユーザに対
してCBRサービスとVBRサービス並びにMBRサー
ビスを提供し、ユーザはこれらのサービスの伝送速度を
申告し、網との間で合意した伝送速度に対するセル単価
と通信時間単価あるいはパス保留時間単価を網内リソー
スの適切な利用をユーザに誘導するように定義し、実際
に送出したセル数あるいは通信時間あるいはパス保留時
間並びに通信距離を基に課金することが本発明の主旨で
あり、この範囲において多数の算出式が成立し得る。
【0143】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の広帯域通信
網によれば、網と端末との連動によるフロー制御によ
り、網には過剰なセルが流入しなくなるため、網内での
セル廃棄がなくなる。
【0144】さらに、網(またはATMスイッチ)に流
入するセルの到着間隔をランダム化することにより、セ
ルのバースト性がなくなるため、ATMスイッチのバッ
ファ量を大幅に削減することが可能となり、同時にセル
遅延ゆらぎも大幅に削減することが可能となる。
【0145】そして、セル廃棄が基本的になくなること
から、従来考えられていたATMアダプションレイヤに
よる情報フィールド内のセルシーケンス番号をセル毎に
設けることが必ずしも必要でなくなったため、ユーザ情
報の転送速度を高め、より網内リソースの有効活用を図
ることも可能である。
【0146】また、固定ビットレート伝送による伝送サ
ービスと、ATMの特長である統計多重効果を活かす可
変ビットレート伝送による伝送サービスと、動画象など
の伝送に効果的な固定ビットレート伝送と可変ビットレ
ート伝送を組合わせた伝送サービスを提供することによ
って、ユーザは呼設定に当たり各々のサービスにおける
伝送速度を申告すれば良くなるため、ユーザにとって分
かり易く簡素で、しかも従来考えられていた複雑な属性
パラメータの組み合わせによる網側からの一方的なサー
ビス品目の絞り込みが必要でなくなるため、広帯域IS
DN網の最大の特長である柔軟性が損なわれることがな
くなり、また将来の種々のユーザニーズにも幅広く対応
することができる。
【0147】そして、CCITTにて今後の検討課題と
なっているマルチポイント接続サービスについても、上
記フロー制御及びセル到着のランダム化を実現するため
の具体的方式を提案しており、同じ通信媒体を用いた効
率の良い通信を提供することができる。
【0148】さらに、中断または切断された呼に対し
て、再開または再呼設定要求に速やかに応じられるよう
に当該通信リソースを管理テーブルに登録し、網内トラ
ヒックまたは他の呼の通信要求に応じて、適宜、前記管
理テーブルから当該通信リソースを抹消し、当該通信リ
ソースを解放するので、コネクションレス・サービスな
みのサービスを提供することができ、大手企業を中心と
するクラス4でのLAN間接続のみならず、一般ユーザ
によるクラス3でのパソコン通信などにも大きな利便を
与え、同時に網内通信リソースも効率的に運用できる。
【0149】さらに、上述の各サービス体系を踏まえ、
伝送速度に基づくセル単価と通信時間単価並びにパス保
留時間単価などについて具体的算出方法を提供すること
により、適切な網内通信リソースの使用を促すととも
に、虚偽の申告による他ユーザへの迷惑を防ぎ、更に網
の安定な運用にも効果的である。
【0150】また、網でのポリーシング機能や優先制御
が不要になり、呼受付制御が簡素化されるなど、広帯域
ISDN網あるいは広帯域企業情報通信網を構成する交
換ノードあるいは中継(クロスコネクト)ノードなどの
開発が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である広帯域交換網の概略構
成を示す図
【図2】図1に示すB−TE1の概略構成を示す図
【図3】加入者線インタフェース回路を中心に、ATM
交換ノード2の概略構成を示した図
【図4】呼の設定時にB−TEより申告される属性デー
タの例を示す図
【図5】終端するATM交換ノード間に設定された論理
パス内に複数台のB−TEからの呼が登録されている様
子を例示する図
【図6】可変ビットレート伝送におけるATMセル送出
シーケンスの例を示す図
【図7】固定ビットレート伝送におけるセル送出シーケ
ンスの例を示す図
【図8】個別バッファ型(Separated)と共通
バッファ型(Shared)のATMスイッチを試作
し、ランダム性が強いトラヒックとバースト性の強いト
ラヒックについて、セル廃棄率とバッファ容量との関係
を実験により求めた図
【図9】5本の入線からCBR/VBR/MBRサービ
スを問わずランダムな時間間隔でセルがATMスイッチ
に流入し、3本の出線に出力される様子を示した図
【図10】SDH(同期ディジタルハイアラーキ)ベー
スを示す図
【図11】セルベースインターフェイスによるマルチポ
イント接続におけるフレームを示す図
【図12】制御ウインドウ領域のSOHセルを示す図
【図13】本発明における接続形態の一例を示す図
【図14】上記接続形態における呼制御シーケンスの例
を示した図
【図15】中断メッセージを使用する場合のATM交換
ノード内の管理テーブルの例を示す図
【図16】切断、解放メッセージを使用する場合のシー
ケンスを示す図
【図17】図16に示すシーケンスに用いられる管理テ
ーブルを示す図
【図18】固定ビットレート伝送と可変ビットレート伝
送の伝送速度別の料金を示す図
【図19】CBRサービス、MBRサービス、VBRサ
ービスについて具体的な通信料金を示す図
【図20】B−TE間に中継交換機を介して複数の論理
パスが介在する場合を示す図
【符号の説明】
1、1a、1b、1c、1d…広帯域ISDN端末、2
a、2b…ATM交換ノード、3、3a、3b…加入者
線インタフェース、4、4ab…論理パス、10…端
末、11…アクセスユニット、12、15…インターフ
ェイス回路、13…バッファメモリ、14…コントロー
ラ、20…加入者線インタフェース回路、21…接続イ
ンターフェイス、22…コントローラ、24…ATMス
イッチ、25…ノード間伝送路、26…主制御装置、3
0…論理パス、31…VBR帯域、32…CBR帯域、
33a、33b、33c、33d…論理チャネル、34
a〜34x…データリンク設定のための呼制御信号、3
5a〜35c…B−TE間での情報転送プロセス、36
ab、36ba、37ab、37ba…管理テーブル、
40a〜40x…呼制御信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 貴志 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会 社東芝 柳町工場内 (72)発明者 矢野 基光 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会 社東芝 柳町工場内 (72)発明者 嘉村 幸一郎 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会 社東芝 柳町工場内 (56)参考文献 特開 平2−166942(JP,A) 特開 昭62−289028(JP,A) 特開 平3−175841(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/28 H04L 12/56 H04L 12/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の広帯域通信ノードとこれら広帯
    域通信ノード間を結ぶ広帯域通信ノード間伝送路とを有
    し、ヘッダフィールドと情報フィールドとから構成され
    るパケットを転送することによって情報を伝送する広帯
    域通信網において、 前記各広帯域通信ノードは、 前記パケットを、前記広帯域通信ノード間伝送路を用い
    て他の広帯域通信ノードと送受信するための広帯域入出
    力ポートと、エンドユーザ端末との間で前記パケットを
    送受信するための複数のユーザインターフェースと、前
    記エンドユーザ端末または他の広帯域通信ノードのいず
    れか一方から自身に入力された前記パケットを分離する
    と共に、パケットのヘッダフィールドに従ってエンドユ
    ーザ端末あるいは他の広帯域通信ノードへのパケットを
    多重化するスイッチング手段とを具備し、 前記広帯域通信網は、 前記エンドユーザ端末間で送受信される複数のパケット
    からなる情報を、固定ビットレート伝送サービス、可変
    ビットレート伝送サービス、あるいは固定ビットレート
    パートと可変ビットレートパートとを組み合わせた混合
    ビットレート伝送サービスのうちのいずれかを選択的に
    使用して送受信する手段と、 エンドユーザ端末から使用する伝送サービスの伝送レー
    トを申告し前記広帯域通信網が許可する申告許可伝送
    ートに基づき通信料金を算出する手段であって、 前記エンドユーザ端末が前記固定ビットレート伝送サー
    ビスを使用する場合に、通信時間単価が前記申告許可伝
    送レートおよび通信距離に対応して定義され、該通信時
    間単価および通信時間に基づき前記通信料金を算出し、 前記エンドユーザ端末が前記可変ビットレート伝送サー
    ビスを使用する場合に、パケット単価およびパス保留時
    間単価が前記申告許可伝送レートおよび通信距離に対応
    して定義され、該パケット単価、該パス保留時間単価、
    実際に送出したパケット数、およびパス保留時間に基づ
    き前記通信料金を算出し、 前記エンドユーザ端末が前記混合ビットレート伝送サー
    ビスを使用する場合に 、通信時間単価、パケット単価、
    およびパス保留時間単価が前記申告許可伝送レートおよ
    び通信距離に対応して定義され、固定ビットレートパー
    トにおける該通信時間単価および通信時間、並びに可変
    ビットレートパートにおける該パケット単価、該パス保
    留時間単価、実際に送出したパケット数、およびパス保
    留時間に基づき前記通信料金を算出する手段と を具備す
    ることを特徴とする広帯域通信網。
  2. 【請求項2】 前記通信料金を算出する手段が、 前記エンドユーザ端末が前記固定ビットレート伝送サー
    ビスを使用する場合に、前記通信時間単価と前記通信時
    間との積に基づき前記通信料金を算出する ことを特徴と
    する請求項1記載の広帯域通信網。
  3. 【請求項3】 前記通信料金を算出する手段が、 前記エンドユーザ端末が前記 可変ビットレート伝送サー
    ビスを使用する場合に、前記パケット単価と前記実際に
    送出したパケット数との積と、前記パス保留時間単価と
    記パス保留時間との積とを加えた値に基づき前記通信
    料金を算出することを特徴とする請求項1記載の広帯域
    通信網。
  4. 【請求項4】 前記通信料金を算出する手段が、 前記エンドユーザ端末が前記混合ビットレート伝送サー
    ビスを使用する場合に、固定ビットレートパートにおけ
    る前記通信時間単価と前記通信時間との積である第1の
    値、および可変ビットレートパートにおける前記パケッ
    ト単価と前記実際に送出したパケット数との積と、前記
    パス保留時間単価と前記パス保留時間との積とを加えた
    第2の値に基づき前記通信料金を算出する ことを特徴と
    する請求項1記載の広帯域通信網。
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