JP3163126B2 - 広帯域交換ネットワーク - Google Patents

広帯域交換ネットワーク

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JP3163126B2
JP3163126B2 JP22742491A JP22742491A JP3163126B2 JP 3163126 B2 JP3163126 B2 JP 3163126B2 JP 22742491 A JP22742491 A JP 22742491A JP 22742491 A JP22742491 A JP 22742491A JP 3163126 B2 JP3163126 B2 JP 3163126B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はATM(ASYNCHRONOUS T
RANSFER MODE)技術を適用した広帯域交換ネットワーク
に関する。
【0002】
【従来の技術】100 余年の歴史を経てこれまでに開発・
構築され運用されてきた電話網、データ網そして FAX網
等の個別サービス網をISDN(Integrated Services Digi
talNetwork )により、一つのネットワーク体系のもと
に統合しようとする動きが世界各所で推し進められてい
る。
【0003】ISDN化の第1ステップとして、1988年から
狭帯域ISDNが我が国をはじめとする先進各国で運用が始
まった。さらに ATM技術をベースとする広帯域ISDNによ
り放送網との融合を含めISDN網の完成を目指して、その
技術開発が CCITT(国際電信電話諮問委員会)を中心に
世界の主要な研究機関で鋭意進められている。
【0004】ところで、 ATM技術を用いた広帯域ISDN網
では155.52Mbpsあるいは622.08Mbpsといった超高速のユ
ーザ・網インタフェースを備えている。そして、これま
での電話、ファクシミリ等は固定速度サービスCBR (Con
tinuous Bit Rate)として、また高品位テレビを含む動
画像、CAD (computeraided design )やコンピュータ
グラフィックスを含む超高速かつ大容量のコンピュータ
データ等は可変速度サービスVBR (Variable Bit Rate)
として、同じインタフェースを介して柔軟に対応するこ
とが可能となる。
【0005】しかし、このために通信に先立ちユーザは
呼の属性データとしてピークトラヒック、平均トラヒッ
ク、バースト性、端末種別、さらにサービス品質QOS(セ
ル廃棄率、遅延時間等)等を網に申告する必要があっ
た。そして、網側では申告された呼の属性データを基に
該呼の通信に必要な通信リソースを推定し、網内のリソ
ースの使用状況に照らし合わせ、受付けられるか否かが
判定されていた。判定の結果、受付けが許可された呼
は、送信すべき情報をセルと呼ばれる固定長(53オクテ
ット)のパケットに分割して網内に送り込むことになる
が、時には申告した属性データを逸脱してセルを送出す
ることもあり得る。
【0006】かくして、網内には予期せぬ過剰なセルが
送り込まれ、しかも同一方路にセルが集中(コンピュー
タのファイル転送のようにバースト性が強い呼程、この
傾向が強い)した場合には、網内に滞留することにな
る。このため、広帯域ISDN網のキー構成要素である ATM
スイッチには大量のセルバッファを設けているが、同バ
ッファにて吸収しきれない場合には、セルは消失(これ
をセル廃棄という)することになる。このセル廃棄は、
網がセルを受取ったときに、いわゆるポリーシング機能
により申告した属性データの範囲を越えたものを違反セ
ルとして刻印したセル、またクラスB(可変ビットレー
ト映像通信)等の VBRにて端末からセル送出の際に非優
先セル(たとえば、階層化映像符号化方式では、重要度
の高い情報と低い情報とを優先セル/非優先セルとに分
けて送出する方法が検討されている)として刻印したセ
ルを対象に行われる。これらの刻印セルは廃棄してもな
お上述したバッファにて吸収しきれない場合には、クラ
スA(疑似回線通信)等のセルにも廃棄が及ぶことにな
る。
【0007】一般に伝送路の雑音等に起因するビット誤
りは、転送情報の最後部に設けられた CRC符号にてエラ
ーチェックし、必要に応じて送信側に再送要求を行って
回復することができる。しかし、セル廃棄は受信先では
セルが送られたことすら分らないため、再送要求するこ
とができない。
【0008】このセル廃棄はクラスC(コネクションオ
リエンテッド)、クラスD(コネクションレスデータ伝
送の支援)のデータ通信では致命的な問題となるため、
セル内の情報フィルード(48オクテット)に ATMアダプ
テーションレイヤ機能として、シーケンス番号を設け、
受信先でセル廃棄を検出し再送要求できる機構を付加し
ている。
【0009】一方、実時間性が要求されるクラスA、B
の呼に対しては、 CCITTではセル廃棄に耐え得る符号化
方式の開発を要請している。
【0010】これまで CCITTを中心に検討されてきた広
帯域ISDN交換網の抱える主な問題と課題を以下に整理す
る。
【0011】サービス品質 (a)セル廃棄 前述したようにシーケンス番号の付与により、受信側で
セル消失を検出することは可能ではあるが、クラスA、
Bの呼では実時間性が要求されるため再送による回復は
事実上困難である。今後の研究課題となっている符号化
方式によっては、非優先セルの廃棄による影響を少なく
することも可能であるが、通常セル(違反/非優先でな
いセル)の廃棄はいうまでもなく、違反セルの廃棄にお
いても深刻な問題をもたらす。
【0012】すなわち、善良な(悪意のない)ユーザが
無意識に、申告した属性データの範囲を逸脱した場合に
は、優先/非優先セルを問わず廃棄されることになる。
換言すれば、網が一旦受取った情報が消失することがあ
り、しかも、どの情報がどれだけ消失したかを送信側で
は知り得ないことになるため、慎重かつ善良なユーザは
通信費が高くなることを覚悟の上で属性データに常にマ
ージンを持たせて申告することになる。
【0013】一方、通信費の削減に熱心なユーザは網内
トラヒックを睨みながら、違反セルの発生を覚悟の上で
少なめに属性データを申告することになる。こうした行
動は、いわば網との間でゲームを楽しむ如く駆け引きを
行うことになり、成功と失敗を繰返すこと毎に、その行
動はエスカレートしがちになる。
【0014】こうしたユーザの増加は、網内トラヒック
の異常な増加を引き起こし、慎重かつ善良なユーザが送
出した通常セルの消失を招き、ひいてはユーザは網に対
する不信と不安を抱くことになる。“情報を正確速くか
つ公平に伝える”という公衆通信網としての本来の使命
を放棄していると言われても致し方ないところである。
また、クラスC、Dにおいても同様の現象が起きる
が、特にデータ通信では、上述したように情報の欠落は
絶対に許されないため、消失したセルの再送が上位レイ
ヤにて行われる。
【0015】セル廃棄は高トラヒック程、発生確率が高
くなるが、こうした状況下で再送を繰返すことは益々ト
ラヒックを高めることになり、網は輻輳状態に陥りやす
い、すなわち網の安定性を損なう方向に働く。
【0016】(b)セル遅延ゆらぎ 前述したように、高トラヒック状態ではセルが網内に滞
留、すなわちセルの伝達に遅延を生じることになる。交
換機の容量( ATMスイッチの規模)が大きくなる程、ま
た網内での中継段数が増える程、遅延量は大きくなり、
しかもその遅延量は網内のトラヒックによって変動(こ
れを“セル遅延ゆらぎ”という)することになる。実時
間性が要求されるクラスA、Bの呼では、受信端末側に
バッファを設けてゆらぎを補償する必要があるが、たと
えば 100回線(インタフェース)程度の比較的小規模の
広帯域交換網では数μsec 〜数msec 程度のセル遅延ゆ
らぎで済むのに対して、国際間の通信では多数の中継網
が介在するため、数 100msec (長距離伝送に伴う絶対
遅延時間を除く)にも及ぶことがあり、各端末は膨大な
バッファ量(たとえば、情報速度100Mbps の端末では数
M バイト必要)を具備しなければならないことになる。
このため、後述する ATMスイッチにてサービス品質に基
づいた優先制御を行うなど、網内にてゆらぎそのものを
低くすることが課題となっている。
【0017】(c)呼接続時間 狭帯域ISDNを含むこれまでの交換機では、通常、呼の接
続(電話の場合、発信者がリングバックトーンを聞く)
までに数秒を要し、時には10秒あるいは20秒を越えるこ
ともある。
【0018】これは、発信端末より呼設定要求が出され
ると、交換ノードはまず同呼に対する着信処理を行い、
次に着信先端末との間を結ぶ回線を捕捉し、そして着信
先端末に対して発信処理を行うなどの一連の処理を行う
ためである。
【0019】しかも呼が複数の中継交換ノードを経由す
るものであれば、各々の中継交換ノードにて着信処理、
回線捕捉そして発信処理を行うため、接続時間はさらに
長くなる。
【0020】これに対して広帯域ISDN網では前述の論理
パスの概念を導入し、中継ノードでの処理の簡略化を図
るなどの対策を講じようとしているが、呼設定に際し申
告した属性データの網とのネゴシエーション、ネゴシエ
ーション結果に伴う論理パス内の帯域確保、着信先端末
への発信処理など一連の処理を双方向(発信端末→網→
着信端末、着信端末→網→発信端末)で行う必要があ
り、接続までに秒オーダの時間がかかることは否めな
い。
【0021】通話時間が電話並みもしくはそれ以上に長
いと想定されるクラスA、Bの呼では、接続に秒オーダ
の時間を要しても大きな支障はない。
【0022】しかしながら、情報を間欠的に伝送するコ
ンピュータ間通信では、情報を転送する毎に呼接続に秒
オーダの時間を要していたのでは、コンピュータの性能
が活かされず使い難いシステムとなる。このため、コン
ピュータ間通信専用の構内通信ネットワークである LAN
(ローカルエリアネットワーク)ではコネクションレス
と呼ばれる方式を採用し、ユーザには接続時間を意識さ
せないようにしている。広帯域ISDNが実用化されれば1M
バイトのファイルを数msec で転送することも可能にな
り、また近年の急速な技術革新とともに益々性能向上が
進められているコンピュータ間の通信では、コネクショ
ンレス方式の適用は必須事項といっても過言ではない。
【0023】一方、前述の“コネクションレスデータ伝
送の支援”を目的としたクラスDは、 LAN間接続を意図
としたもので、最初の呼(パス)の接続にはクラスA、
B並みの接続時間を許容し、接続後は長時間にわたって
パスを保持しておき、エンド・エンド間のルーティング
制御はユーザ(上位レイヤ)に委ね網は関与しないもの
としている。
【0024】多数のユーザで同じ通信媒体を共有し合う
LANでは、 LAN上並びに LAN間のトラヒックは絶間なく
流れるため、広帯域ISDN網上で長時間にわたりパスを保
持しても経済的に成立つが、遠隔地から中央のデータベ
ースをアクセスする場合のように広帯域ISDN網に直接 1
台のコンピュータ端末を接続する時には、前述したよう
に情報転送が間欠的であるため、クラスDとして長時間
パスを保持することは経済性が悪くなる。また、ユーザ
からはエンド・エンド間に専用線が設けられているよう
に見え、呼接続が不要となるパーマネント論理パスや情
報フィールドに記述されている上位レイヤのアドレスか
らセルヘッダのアドレスを生成する機構を網内に設ける
ことによってコネクションレスサービスを実現しようと
する考えなどがあり今後の検討課題となっているが、こ
の方法ではユーザのアクセスにいつでも応じられるよう
所定の通信リソースを網側は常時または通信が完了する
まで確保しておかねばならず、結局はユーザに高い使用
料を強いることになる。性能追及もさることながら経済
性を重視しがちな一般ユーザの多くは、秒オーダの接続
時間を覚悟の上、クラスCのコネクションオリエンテッ
ドによるデータ通信を選択せざるを得なくなる。これは
網にとっても一般ユーザから頻繁に呼接続要求が出され
ることを暗示しており、網は呼処理の面でも輻輳状態に
陥りやすい、すなわち網の安定性を損なうことにもなり
かねない。
【0025】2000年頃には全世帯数の半分位がハイパー
メディア等を利用した高度なパソコン通信を行うなどの
予測もある。しかし、広帯域ISDN網が安価に、すなわち
網内通信リソースの効率的運用を図りつつ、かつ網側の
負担が軽いコネクションレスサービスを提供、もしくは
コネクションレス並みに呼接続時間を短縮できない限
り、こうした莫大な潜在需要が見込まれる一般コンピュ
ータ利用者( LAN間接続は大手企業等に限られる)の興
味を引くことは難しい。また、網の安定性の面からもこ
れらの解決が急務であると言っても過言ではない。
【0026】属性データの申告 (a)ユーザ申告の信憑性 前述したように広帯域ISDNでは、通信に先立ちユーザは
呼の属性データとしてピークトラヒック、平均トラヒッ
ク、バースト性、端末種別、さらにサービス品質( QO
S:セル廃棄率、遅延時間等)等の複雑かつ難解なパラ
メータを網に申告する必要があり、その具体化について
は現在なおCCITT にて検討が行われている。 一般ユー
ザがこれらの属性データの意味を正しく理解し、そして
これから行おうとする通信について各パラメータ値を正
確に推測し申告することは極めて難しいのは明らかで、
このために広帯域ISDNの最大の特長である柔軟性の犠牲
を覚悟の上、上述の属性データを組合せたサービス品目
をいくつか用意し、ユーザにその中から選択する方法等
も検討されている。
【0027】申告データに基づいて網側は通信リソース
を確保するのに対して、ユーザ側は申告データに関わり
なく一方的にセルを網へ送り込むことができる。
【0028】そして送り込まれたセルを相手方に最大限
の努力を払って送り届けようとする網が安定にかつ効率
良く運用を払っていくには、申告された属性データが正
しいことが前提となる。
【0029】一般ユーザに分り易く簡素で、しかもユー
ザの多種多様な通信ニーズに応える柔軟な、そして申告
データにたとえ、間違い、あるいは偽りがあっても網の
安定性等に影響を与えないような属性データの申告方式
と運用方式の確立が、広帯域ISDN実用化に当たってのも
う一つの大きな課題となっている。
【0030】(b)課金方式 広帯域ISDN網にてどのような課金方式を設定するかは、
今後の課題とされ、現状では未検討状態にある。しかし
ながら、課金方式の設定いかんによっては網の安定運用
と交換機等の通信機器の設計には大きな影響を与えるこ
とになり、その確立が急務となっている。
【0031】当然のことながら、課金方式はユーザが申
告する属性データを反映したものになるが、ユーザに分
り易く、そして虚偽の申告を防ぎ、かつ適切な網内通信
リソースの使用を誘導するものでなければならない。属
性データの簡素化を含め、総合的な視野にたった方式の
確立が望まれている。
【0032】広帯域交換機の構成/処理 (a) ATMスイッチバッファ容量 前述したように広帯域ISDNを実現する上でのキーエレメ
ントである ATMスイッチには、大量のセルバッファが必
要である。しかも、同スイッチは155.52Mbpsあるいは62
2.08Mbpsのスループットを実現しなければならず、効率
の良いスイッチの構成方法を含めその技術的克服のため
に、各所で鋭意研究開発が進められている。現在考えら
れているバッチャバンヤン網方式や共通バッファ方式等
の ATMスイッチでは、たとえば8×8 の極小規模なもの
においてすら、後述するようにスイッチ内に数100 セル
分の大量のバッファが必要である。こうした大量のバッ
ファは、主としてバースト性の強い呼が同一方路に集中
した時のためのもので、前述のセル遅延ゆらぎの抑圧と
ともに、 ATMスイッチLSI の大容量化の大きな妨げとな
っている。広帯域ISDN全体を見通した方式の見直しを行
うことによって大幅なバッファ削減が実現できれば、そ
の効用は計り知れないものがある。
【0033】(b)優先制御 前述したように ATMスイッチ内では、ユーザが申告した
サービス品質(セル廃棄、遅延時間等)あるいは非優先
セル、違反セルに対応して、どのセルを優先的に所望の
方路に出力するかを判断し制御する。こうした制御機構
の付加は、高速大量なセルバッファの盛り込みとともに
大容量にして安価な ATMスイッチLSI の実現を妨げる要
因になっている。
【0034】(c)ポリーシング機能 前述したように現在では、ユーザ側は呼設定にて網との
間で合意した属性データ(またはサービス品目)に関わ
りなく一方的にセルを網へ送り込むことができる。属性
データ(またはサービス品目)の範囲を逸脱していない
かを監視し、違反したものについて違反セルの刻印を付
加する機能で、 ATMスイッチの前段、すなわち加入者線
インタフェース毎に設けることになる。この監視機能を
さらに進め、網内トラヒックに応じてセル廃棄を行い A
TMスイッチへの過剰なセルの流入を防ごうとする考えも
あり、これによって ATMスイッチのバッファを多少減ら
せる等の改善が期待できるが、本発明が目的とする現在
の広帯域ISDN網が抱える多くの問題並びに課題を総合的
に解決することにはならない。
【0035】(d)呼受付け制御 呼接続に際しユーザが申告した属性データに基づき、同
呼に対する網内で必要な通信リソースを推定し受付けら
れるかを判断するもので、交換機としての所定の呼量を
満足するためには簡単なアルゴリズムで精度よくかつ高
速に処理する必要があり、現在なお学会レベルで検討が
加えられている状況にある。
【0036】(e)課金/トラヒック集計 上述したように、これまでに考えられてきた広帯域ISDN
では、交換機内でセル廃棄や優先制御が行われる。この
ため、ユーザが送信しようとした情報と実際に網を介し
て受信先に届けられた情報との間には差を生じ、またサ
ービス品質の面でも呼毎並びに網内トラヒックの状況に
応じて異なったものになる。したがって、正確に課金集
計あるいは網内を流れるトラヒックを対地別に集計しよ
うとすると、網内(ATM スイッチの後段)に集計機構を
設けなければならないことになる。
【0037】しかしながら、網内を流れるセルにはセル
ヘッダ( 5オクテット)と呼ばれるルーティング制御の
ための情報が付加されているが、同ヘッダには受信先を
特定するための論理パス識別子(VPI )および論理チャ
ネル識別子(VCI )等が書かれているだけで、送信先を
特定するための情報は一切盛り込まれておらず、上記目
的を達成することが事実上不可能である。実際に受信先
に届けられたか否かを無視し、網の入口にて送り込まれ
たセル数を集計するしか方法がなく、ユーザからの不評
を禁じ得ないのが実情である。
【0038】ユーザ・網インタフェース(UNI ) CCITTでは、これまでに広帯域ISDNの基本枠組みの検討
に注力してきており、具体的なユーザ網インタフェース
の検討は今後の検討課題となっている。同インタフェー
スの検討に当たっては、狭帯域ISDNにて実現されている
複数の端末でインタフェースを共有し合ういわゆるマル
チポイントマルチドロップ)接続が、超高速のインタフ
ェース速度を備えているだけに重要な課題となる。ま
た、狭帯域ISDNの基本速度となっている64Kbpsの伝送速
度との整合性を確保しやすいインタフェースであること
も、広帯域ISDNと狭帯域ISDNとの相互乗り入れの視点か
ら重要となってくる。
【0039】また、広帯域交換ネットワークと狭帯域I
SDNとのインターワーク性を高めることも望まれてい
た。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので広帯域交換ネットワークと狭帯域I
SDNとのインターワーク性を高めることができる広帯
域交換ネットワークを提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明に係る広帯域交換ネットワークは、少な
くとも伝送レートが固定である固定ビットレート伝送と
伝送レートが可変である可変ビットレート伝送とを用い
て、ATMセルを該固定ビットレート伝送か該可変ビッ
トレート伝送かに関わりなく対等に処理しつつ情報を伝
送する広帯域交換ネットワークであって、前記ATMセ
ルに設けられた優先・非優先セルを識別するためのセル
・ロス・プライオリティ・ビットに書き込まれた前記固
定ビットレート伝送によって伝送されているATMセル
であるか前記可変ビットレート伝送によって伝送されて
いるATMセルであるかを識別する識別情報を参照し
て、該固定ビットレート伝送によって伝送されている該
ATMセルを前記広帯域交換ネットワークに接続されて
いる狭帯域のネットワークに取り込ませる手段とを具備
することを特徴とする
【0042】
【作用】本発明の広帯域交換ネットワークでは、セルに
設けられた優先・非優先セルを識別するための情報領域
に前記固定ビットレート伝送によって伝送されているセ
ルであるか前記可変ビットレート伝送によって伝送され
ているセルであるかを識別する識別情報を書き込むので
特別の情報領域を設けること無く、セルの伝送形態を識
別することが可能になる。
【0043】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。
【0044】図1は本発明の一実施例である広帯域交換
網の概略構成を示す図である。
【0045】広帯域ISDN端末(以下、B−TEと記
す)1aは、加入者線インタフェース3aを介して広帯
域ISDN網をなす2台のATM交換ノード2a,2b
に接続されている。更に加入者線インタフェース3bを
介して受信先のB−TE1bに接続されている。また、
2台のATM交換ノード2a,2bとの間には論理パス
4が設定されている。なお、同図には2台のATM交換
ノードのみ記載されているが、同ノード間には複数の中
継(クロスコネクト)ノードが介在しても差し支えな
い。要は、B−TEを終端するATM交換ノード間に論
理パスが張られていることが、広帯域ISDN網の特徴
であり、同論理パスには図に示したB−TE1a,1b
だけでなく、後述するように同じ交換ノードにて終端さ
れる他のB−TE間も同論理パスを共有することができ
る。広帯域ISDN網では、B−TEより送出されるA
TMセルの宛て先をATMセルの先頭に設けられた論理
チャネル識別子(VCI)と論理パス識別子(VPI)
とによって判別する。
【0046】論理チャネル識別子(VCI)はATM交
換ノードに直接接続されたB−TEあるいは加入者線イ
ンタフェースの識別をする。一方、論理パス識別子(V
PI)は広帯域ISDN網内の論理パスの識別に使用さ
れる。
【0047】なお同図にはいわゆる網終端装置(CCI
TTでの呼び方ではNT1,NT2)などの記述は簡単
化のため省略している。
【0048】図2は図1に示すB−TE1の概略構成を
示す図である。コンピュータなどの端末(以下TEと記
す)10はアクセスユニット(以下AUと記す)11を
介して加入者線インタフェース3に接続されている。A
U11はTE10及び加入者線インタフェース3との接
続インタフェース回路12,15、ATMセルの送受信
を行うためのバッファメモリ13、ATMセルの送受信
制御などを行うためのコントローラ14から構成されて
いる。
【0049】なおAU11には複数台のTEを接続する
ことも可能であり、これを考慮した具体的な加入者線イ
ンタフェースについては第11図にて詳述する。
【0050】図3は加入者線インタフェース回路を中心
に、ATM交換ノード2の概略構成を示した図である。
【0051】同図に示すように、ATMスイッチ24に
は複数の入出力ポートが設けられ、これらのポートを介
して複数の加入者線インタフェース回路20と複数のノ
ード間伝送路25が接続されている。
【0052】加入者線インタフェース回路20には、加
入者線インタフェース3を介してB−TEとの間でAT
Mセルの送受信を行う接続インタフェース回路21とA
TMセルの送受信制御などを行うコントローラ22など
から構成されている。接続インタフェース回路21とA
TMスイッチ24との間には前述のAU内に設けられた
バッファメモリに相当するメモリは必ずしも必要ではな
い。また、ノード間伝送路25には前述の論理パス4を
複数本設定することができる。更に、コントローラ22
並びにATMスイッチ24はATM交換ノード2の全体
の制御を司どる主制御装置26に接続されている。
【0053】なお本構成では従来考えられていた加入者
線インタフェース回路でのポリーシング機能、あるいは
ATMスイッチでのATMセル優先制御などの機能は必
要ではない。(これらについては、詳細に後述する。)
図4は呼の設定時にB−TEより申告される属性データ
の例を示す図である。同図(a)に示すトラヒック量が
一定なクラスAの疑似回線通信では、固定ビットレート
(CBR)サービスとして、例えば64Kbps,10
Mbps……のようにATMセル内に設けられた48オ
クテットの情報フィールドまたはセル廃棄対策などのた
めのATMアダプテーションレイヤを除いたユーザ情報
の転送領域により伝送される固定ビットレートの情報伝
送速度Uc を申告する。この転送領域はSAR−PDU
(SEGMENTATION AND REASSEMBLY-PROTOCOL DATA UNIT)と
呼ばれ、クラスAでは47オクテットの領域をもつ)な
おクラスごとにSAR−PDUの領域長は異なるが、後
述するように本実施例によればセル廃棄を実用上無視し
得る程に少なくできるので、ATMアダプテーションレ
イヤの一部または全部を省略することも可能となる。こ
のため、特に断らない限り前者の情報フィールドをベー
スとする情報伝送速度を用いることとする。
【0054】同図(b)に示す常時トラヒックが存在
し、常に、トラヒック量が変動するクラスBの可変ビッ
トレート映像通信では、CBRサービスと可変ビットレ
ートVBRサービスとを組合せたMBR(mixed bit ra
te) サービスとして、各々固定ビットレートの情報伝送
速度Uc と可変ビットレートの情報伝送速度Uv を申告
する。
【0055】なお可変ビットレートの情報伝送速度とし
ては、ピーク速度,平均速度あるいはセル転送を行って
いる時、すなわち有情報時の平均速度などが考えられる
が、以下の説明では説明を簡略化する目的でピーク速度
を用いることとする。
【0056】同図(c)に示すトラヒックが間欠的に発
生するクラスCのコネクションオリエンテッドのデータ
通信では、VBRサービスとして可変ビットレートの情
報伝送速度Uv を申告する。
【0057】そして、同図(d)に示すLAN間接続を
想定したクラスDのコネクションレスデータ通信の支援
では、LAN間に流れるトラヒック並びに後述の課金方
式などを勘案して、VBRサービス(トラヒックが少な
く間欠的である場合)あるいはMBRサービス(トラヒ
ックは大きく変動するもののほぼ常時トラヒックが存在
する場合)あるいはCBRサービス(ほぼ一定のトラヒ
ックが常時流れる場合)とをユーザの選択により決定す
る。そして、この決定に基づいて、Uv あるいはUc と
Uの両方、あるいはUc を申告する。
【0058】CCITTにてこれまで検討されてきたサ
ービスカテゴリとMBRサービスとの対応関係は次の通
りである。コネクション型サービスのサブカテゴリAは
本実施例のCBRサービスパートのみから、サブカテゴ
リB、CおよびX並びにコネクションレス型サービスは
CBRサービスパートとVBRサービスパートの両方も
しくはどちらか一方から構成されるものと解釈すること
ができる。
【0059】ここで特徴的な事は、従来考えられていた
属性データではピークトラヒック(速度),平均トラヒ
ック(速度),バースト性,端末種別,更にサービス品
質(セル廃棄率,遅延時間など)など複雑なパラメータ
を申告する必要があったのに対して、本実施例では、U
c あるいはUv 並びに必要に応じて端末種別を申告すれ
ばよいことである。
【0060】このように大幅に簡潔化した属性データで
あっても、広帯域ISDN網内の安定な運用並びにユー
ザが各々目的とする通信に何等支障を来すことなく、こ
れまで考えられてきたサービスより、より高い品質のサ
ービスを提供できる。
【0061】以下に、このような高い品質のサービスを
提供するための具体的手段を説明する図5は終端するA
TM交換ノード間に設定された論理パス30内に複数台
のB−TEからの呼が登録されている様子を例示する図
である。
【0062】B−TE1はUc1とUv1を、B−TE2,
B−TE3は各々Uv2,Uv3を、B−TE4,B−TE
5は各々Uc4,Uc5の伝送速度が登録されている。そし
て、論理パス30内にはUv1〜Uv3を収容する所定のV
BR帯域31とUc1〜Uc5の各伝送速度の和を帯域とす
るCBR帯域32が確保される。ここにVBR帯域はA
TM方式の特長の一つである統計多重効果を活かすこと
によって、網内リソースの有効利用を図ろうとするもの
で、所定のVBR帯域とは例えばUv1〜Uv3の二乗和平
方根あるいはUv1〜Uv3の最大伝送速度、更には実際に
論理パス上のトラヒックを所定の時間観測し、その結果
によりセル送出制御されるATMセルのセル比率が例え
ば5%以下となるような帯域を設定するなど種々の手法
が考えられる。
【0063】なお、図5に示す例では論理パス30の帯
域はVBR帯域31とCBR帯域32の和となっている
が、これより広い帯域をもつ論理パスを予め設定してお
いてもよい。このようにした場合は、同帯域を越えない
範囲で新たな呼の受付が可能であり、また範囲を越える
ような場合、あるいは論理パスに余分の帯域を持たせな
いきめ細かな運用を行う場合には、網内の他のトラヒッ
ク状況を見ながら適宜論理パスの帯域を可変してもよ
い。
【0064】また、図5に示す例ではVBR帯域31は
クラスB〜Dに共通に設けるものとしているが、各クラ
スのトラヒックの特性を踏まえてクラス毎に二乗和平方
根(クラスB,Dのように比較的可変ビットレート伝送
の平均トラヒック量−使用率−が高い場合)、あるいは
最大伝送速度(クラスCのように平均トラヒックが低い
場合)、論理パス上の実トラヒックの観測結果(トラヒ
ックの振舞いが予想できない場合)に基づく帯域を確保
してもよい。
【0065】なお、最大伝送速度をVBR帯域とする場
合には、この最大伝送速度以下の伝送速度を申告した呼
であれば無制限に受け付けられることになる。
【0066】例えば、加入者インタフェース回路にて流
入するATMセル数(トラヒック量)を常時集計し、V
BR帯域内の平均トラヒック量が一定の水準(例えば平
均使用率が0.8)に達した場合には、適宜帯域を広げ
るか、網内リソースに余裕がない時にはB−TEに対し
伝送速度を下げるよう促すか、あるいは、新たな呼の受
付を制限するなどの対策を施せばよい。
【0067】図6は可変ビットレート伝送におけるAT
Mセル送出シーケンスの例を示す図である。
【0068】加入者線インタフェースの物理速度をCC
ITTにて規定されている155.52Mbpsとする
と、例えば5.875msecを1周期とするフレーム
単位ごとに、B−TEは次のiフレーム目で送出したい
セル数NriをATM交換ノードに要求する。ATM交換
ノードでは同じ論理パス上を通る呼からのセル要求数を
集計し、要求セル数の合計値がVBR帯域で1フレーム
当たり送出可能なセル数(例えば、VBR帯域が10M
bpsであれば10Mbps/(48Oct.×8bits)×
5.875msec=153セル)以下であれば、その
ままB−TEからの要求セル数を許可するが、送出可能
セル数を越えている場合には、例えば呼の設定時に登録
した伝送速度を基に比例配分したセル数を各B−TEに
割り当て、Npiとして通知するすることにより、セル送
出制御を行う。Npi個のセル送出を通知されたB−TE
は、次フレームにてNpi個を越えない範囲でセルを網に
送出する。以下、同様のシーケンスを終話するまでフレ
ームごとに繰り返す。
【0069】なお、上述の説明ではB−TEより次フレ
ームで送出したいセル数を要求するものとしているが、
多少、課金などの正確さ、リソースの使用効率は劣る
が、前フレームまでのセル送出数を基に網側が次フレー
ムでのセル送出許可数を割当てB−TEに通知するな
ど、必ずしもB−TE側からセル送出数を要求させなく
ても網内への過剰なセルの流入を防ぐセル送出制御を行
うことができる。
【0070】いずれにしても、ユーザとネットワークの
セル送出をフレーム周期単位に処理するようにすること
で、上述するようなセル送出制御、更に後述するセル送
出タイミングのランダム化の処理を行うことができる。
またネットワークへの申告パラメータもフレーム内セル
個数によって簡略化することができる。さらにネットワ
ークからの送出許可セル数が端末の要求に満たなかった
場合には端末において遅延あるいは廃棄を選択でき、従
来方式よりも伝送品質を高くすることができる。これら
のことについて、以下、詳細に説明する。
【0071】図7は固定ビットレート伝送におけるセル
送出シーケンスの例を示す図である。 同図に示すよう
に、固定ビットレート伝送では伝送速度が一定であるた
め、各フレーム毎に送出するセル数Nc は一定となって
いる。ただし、ユーザは登録した伝送速度を逸脱しない
ことを前提としたもので、後述するように悪意あるユー
ザによっては同速度を逸脱してセルを網に送出すること
も有り得るため、網側より各フレームごとに送出を許可
するセル数を通知(固定ビットレート伝送ではユーザよ
りフレームごとにセル送出数を必ずしも要求させる必要
はない)することにより、実質的にセル送出制御するこ
とも可能である。
【0072】なお、この例では、フレーム周期を5.8
75msecとしているが、これは狭帯域ISDN網に
おける基本フレーム周期125μsecの47倍に当る
ものである。このため、特にクラスAのSAR−PDU
が47オクテットであることを考慮すると、5.875
msecのフレーム周期毎に1個のセルを送出すれば、
ユーザ情報の伝送速度は64Kbpsとなり、狭帯域ISD
N網との整合性を確保するとともに相互乗り入れを容易
にする事が可能である。ただし、本発明におけるフレー
ム周期は上記例に限られるものではなく、他の周期にも
適用可能であることは付言するまでもない。
【0073】更に、64Kbps未満の伝送速度の場
合、1フレーム当たりのセル送出数は1個未満となるた
め、複数フレームを単位に、あるいは特にフレーム周期
を設けずに長時間での平均ビットレートが登録した伝送
速度を満たすよう送出セル数の通知並びにセル送出制御
を行ってもよい。
【0074】また、上述した例では、要求セル数が送出
可能セル数を越えている場合には、呼の設定時に登録し
た伝送速度を基に比例配分したセル数を各B−TEに割
り当てるとしているが、伝送速度そのものに比例、すな
わちUv1が10Mbps,Uv2が1Mbpsの伝送速度
のとき、配分するセル数を10:1としてもよい。ま
た、後述する課金体系に沿って配分、すなわち10Mb
psのリンク単価が29円/分,1Mbpsは6円/分
であれば、29:6の割合で配分してもよい。さらに、
他にも伝送速度の平方根をベースに配分するなど種々の
方法が考えられる。 更に、B−TEが呼設定時に登録
した伝送速度を逸脱したセル数を要求した場合には、た
とえ論理パス上に余裕があっても登録速度内に収まるよ
うCBRサービス/VBRサービス/MBRサービスに
かかわりなく送出セル数を制御することも可能であり、
これによって悪意あるユーザの虚偽の申告を防ぐことが
できる。 かくして、B−TEはATM交換ノードから
の指示に従ってATMセルを送出するため、網内にはそ
の転送能力を越える過剰なセルが流入することがなくな
り、ATMスイッチに適量のセルバッファを設けておけ
ば、網はセル廃棄を行うことなく安定した運用を行うこ
とが可能になるとともに、従来考えられていたポリーシ
ング機能も不要になる。
【0075】端末などの故障により、広帯域交換ノード
が送出を許可していないセル数あるいはタイミングでの
セルの流入に対しても、インタフェース上に、端末に通
知したビットマップにしたがって開閉するゲートを設け
るなどの簡単なハードウェアの追加で網内への過剰なセ
ルの流入を防ぐことができる。
【0076】一方、B−TE側ではクラスB〜Dの場
合、網よりセル送出制御を受けるため、送信したい情報
を常に送信できるとは限らなくなる。実時間性が要求さ
れるクラスBでは、送出できなかったATMセルを次フ
レーム以降で送出することは一般に許容されず、従って
B−TE内にてセル廃棄することになる。しかしなが
ら、前述したように階層化映像符号化方式を用いた可変
ビットレート映像通信では、B−TE内にてどのATM
セルが優先度が高いかを識別できるため、セル廃棄され
ると映像品質に重大な影響をもつ優先度の高いATMセ
ルの送出用にUc を申告し、逆に優先度の低いものはU
v として申告すれば、網よりセル送出制御を受けた場
合、すなわちNpiがNriを下回った時には、B−TEの
責任において優先度の低いATMセルから廃棄すること
が可能になり、映像品質の劣化を最小化することも可能
になる。
【0077】一方、データ通信を対象とするクラスC,
Dでは、一般に実時間性が要求されないため、送出でき
なかったATMセルを次フレーム以降に送出しても差し
支えなく、これはコンピュータ通信で一般的に行われて
いるフロー制御に相当するものである。
【0078】以上の説明から明らかなように、固定ビッ
トレート伝送CBRと可変ビットレート伝送VBRの違
いは、可変ビットレート伝送VBRは網よりセル送出制
御を受けることがあるのに対して、固定ビットレート伝
送CBRはセル送出制御を受けることなく、常に一定の
伝送速度が保証されることである。さらに、後述のセル
到着間隔のランダム化を適用すればATMセルの網内滞
留時間を極僅かに抑えることができる。そして、網内に
一旦取り込まれたATMセルは固定ビットレート伝送C
BR及び可変ビットレート伝送VBRに関わりなくセル
廃棄あるいは優先制御されることなく、対等の処理を受
けるものとしても網の安定かつ効率的な運用に支障を来
すことはない。このため、ATMスイッチなどの処理が
簡素化されることになる。
【0079】逆に、網内での扱いが異なる、例えば固定
ビットレート伝送のセルを優先的に転送すると、固定ビ
ットレート伝送と可変ビットレート伝送とから成るMB
Rサービスでは、セルの転送順序の逆転を招くことにな
り、受信側での処理が複雑になるなどの問題を生じる。
【0080】このように、クラスB〜Dについては網が
セル送出制御を行うため、網内には過剰なセルは流入し
なくなり、その分ATMスイッチのバッファ量を減らす
ことが可能になる。また、網あるいはATMスイッチに
流入するATMセルの到着間隔がランダム、すなわちバ
ースト(連続発生するATMセルの塊)性が低ければ、
同じ出線(論理パス)にATMセルが集中する確率が低
くなる。このため、ATMスイッチ内のバッファ容量を
更に減らすことが可能になり、同時にバッファリングに
ともなうセルの網内滞留(遅延)時間も減ることにな
る。このようにして網内においてはセル種別によらず、
対等に処理することが可能になる。
【0081】網内セルの対等処理によりCLPビットは
必要なくなるが、例えばVBRセルであることを当ビッ
トにより表示することでB−ISDN網とN−ISDN
網とのインタワークの向上を図ることが可能である。こ
れは、例えば、次のようにすれば良い。すなわち、CB
Rサービスパートとして送出したセルには「0」を、V
BRセルには「1」を付与し、CLPビットに「0」が
書き込まれたセルのみを狭帯域ISDNに取り込むよう
にする。
【0082】図8は個別バッファ型(Separated) と共通
バッファ型(Shared)のATMスイッチを試作し、ランダ
ム性が強いトラヒック(同図(a) )とバースト性の強い
トラヒック(同図(b) )について、セル廃棄率とバッフ
ァ容量との関係を実験により求めた図(「遠藤他:“バ
ッファを共通化したATM交換用メモリスイッチ”電子
情報通信学会論文誌B-I,Vol.J72-B-I,No.11,pp.1062-10
69,1989 年11月 」より出典)である。
【0083】同実験結果によれば、ランダム到着の場
合、バースト到着に比較してバッファ容量を1/16〜
1/18に減らしても同じセル廃棄率を実現することが
可能であり、同時にセル遅延時間も1/16〜1/18
に減ることになる。同図から明らかなように、セル廃棄
率はバッファ量に対し指数関数的に減少するため、バッ
ファ量をやや大目に備えておけば(それでも従来考えら
れていたバッファ量より大幅に少ない)セル廃棄率を実
用上無視し得るほどに小さくすることが可能である。
【0084】セル送出タイミングのランダム化にともな
うATMスイッチ内でのセル廃棄率と遅延時間をシミュ
レートにより求め、網内対等処理の可能性について考察
する。 第21図は共通バッファ方式の64×64スイ
ッチ(バッファ長2560)におけるランダムトラフィ
ックと平均バースト長10のバーストトラフィックが流
入したときのセル廃棄率(上段)と99.9%遅延時間
(下段)をまとめた表である。
【0085】バーストトラフィック入力では、85%負
荷でもセル廃棄率は10-2程度ときわめて悪く、また遅
延時間もバッファ長まで達し、相応のスループットを得
るためには優先制御が不可欠なことは明らかである。こ
れに対して、ランダムトラフィック入力では、95%の
高負荷でもセル廃棄率は10-10 以下であり、遅延時間
についても68セル(155.52Mbps伝送にて1
85μsec)以内に収まっている。これらは実用上支
障ない特性と思われるが、とくに遅延時間揺らぎについ
ては後述のUNI上に設けられた制御ウィンドウ領域
(80セル分弱)を利用し、スイッチ後段に遅延揺らぎ
補償回路を設ければ常にフレーム内にセルを収容するこ
とも可能である。
【0086】これらのことより網内ではCBRセルとV
BRセルとを意識した優先制御を施す必要がない網内対
等処理が実現できる。なお、UNI上でのフレーム周期
の導入は必須であるが網内では必ずしも必要ではなく、
上述の遅延揺らぎ補償、あるいはSTM系との整合性な
どの視点からその必要可否を判断する必要がある。
【0087】図9は5本の入線からCBR/VBR/M
BRサービスを問わずランダムな時間間隔でセルがAT
Mスイッチ24に流入し、3本の出線に出力される様子
を示した図である。
【0088】同図に示すように、ATMスイッチ24に
はB−TEから送出されたATMセルが1フレームを単
位周期にATMセルの送出順序を確保しつつランダムな
時間間隔で流入し、出線にATMセルが同時に多数集中
することなく、セル順序を維持して各々の出線に出力さ
れている。図9に示した例では、1フレーム時間を前述
と同様に5.875msecとしているが、加入者線イ
ンタフェースの物理速度が155.52Mbpsの場
合、1フレーム内に2075個のATMセルを収容する
ことができるが、この数はATMセルの到着間隔に十分
なランダム性を持たせ得る母集団の大きさであり、5.
875msecのフレーム周期はB−TEからのセル要
求数を集計し許可数を割振り、更にハードロジックによ
り、ATMセルの送出(到着)間隔のランダム化を行う
(例えば、ランダムに並べた1〜2075の数値をRO
Mに記憶しておき、順に読み出した数値をフレーム内の
セル送出位置とする)などの一連の処理を実行するに十
分な時間である。また、セル数の算出および割当てはV
Pごとに設けたDSPにより十分処理可能である。な
お、ATMセルの到着間隔がランダム化することにとも
ない、呼の属性(例えばクラスA,B)によっては、受
信側でバッファメモリを設け、ランダム化並びに網内滞
留によって生じるセル遅延時間ゆらぎを補償する必要が
ある。この最大ゆらぎ量は1フレーム時間程度であり、
複数の網が介在する国際通信であっても最悪20mse
c程度の極僅かな量となる。
【0089】遅延揺らぎについてはUNI上に設けられ
た制御ウインドウ領域(80セル分弱)を利用し、スイ
ッチ後段に遅延揺らぎ補償回路を設ければ常にフレーム
内にセルを収容可能である。
【0090】ATMセルの到着間隔をランダム化する方
法としては、次のような手段がある。 加入者線イン
タフェースを1台のB−TEで占有する場合(非マルチ
ポイント接続)には、図2に示すB−TE内のバッファ
13とコントローラ14にて所定の複数のATMセルの
送出タイミングをフレーム内でランダムに設定する。
B−TEではランダム化を行わず広帯域交換ノード内の
加入者線インタフェース回路にバッファメモリ(図3に
は図示せず)を設け、同回路からATMスイッチへ出力
する際にセル間隔をランダム化する。
【0091】図3に示す加入者線インタフェース回路
20内のコントローラ22にてセル間隔をランダム化し
た送出タイミングを算出し、結果を、CCITTにて検
討中の第10図に示すSDH(同期ディジタルハイアラ
ーキ)ベースあるいは第11図に示すセルベースの加入
者線インタフェースに設けられているO&M(保守運用
のための伝送オーバヘッド)領域に位置するSOH(セ
クションオーバヘッド)を用いて各B−TEに通知し、
各B−TEは通知されたタイミングにてセルを送出す
る。
【0092】CBRセルについても各フレームごとに送
出タイミングをランダム化すべきか、あるいは呼設定時
にフレーム内でなるべく等間隔になるように固定的に割
り当てるべきかは今後詳細な検討が必要であるが、前者
ではランダムタイミングの発生機構を簡素化できるのに
対して、後者はエンド・エンド間で生じる遅延揺らぎを
少なくできるなどの特徴を持つ。
【0093】第10図はCCITTにて検討中の、SD
HフレームによりATMセルを伝送する場合を示したも
のである。フレームは図に示すように、セクション領域
とパス領域とにわかれ、パス領域はPOHとユーザの情
報を転送する領域とから構成される。フレーム周期は1
25μsecである。セクション領域のSOHおよびP
OHはNNI(ネットワーク−ネックワークインタフェ
ース)におけるOAM機能(パフォーマンスモニタリン
グ、警報通知など)に用いられる。本領域を加入者線用
インタフェース(UNI)においては、ネットワークか
ら加入者端末へのセル送出許可数通知に使用することに
より、本発明をSDHベースのATMセル転送に適用す
ることができる。この場合、ランダム化されたセル送出
タイミングをネットワークからの通知によらず、端末側
で独自に行うこと、すなわち全種津のランダム化の方式
を採用することにより、125μsecの短時間のフレ
ーム周期でもセル送出制御の実現が可能になるばかりで
なく、複数フレームにまたがったランダムなセル送出タ
イミングを決定することも容易に出来る。またSDHフ
レーム複数個で本発明のセル送出制御フレーム周期とす
ることも出来る。フレーム周期を構成するSDHフレー
ム周期は、セル送出制御方式、ネットワークリソースの
効率運用などの観点から決定すべきである。
【0094】第11図はセルベースの加入者線(または
宅内系)インタフェースを、例えば光スターカプラを介
して複数台のAU(加入者線インタフェースの場合、A
Uは前述のNT1,NT2の機能を兼ねる)をパッシブ
接続し同じ伝送媒体を共有し合う、いわゆるマルチポイ
ント接続サービス、更に各AUに複数台のTEを接続す
ることも考慮した実施例を示すものである。
【0095】フレーム周期は前述の例と同じ5.875
msecとしている。そして、このフレーム周期は下り
(広帯域交換ノードからAU方向)及び上り(AUから
広帯域交換ノード方向)共に、SOHセルの転送を行う
制御ウィンドウ領域と通常のATMセルの転送を行う情
報セル領域とから構成されている。
【0096】下り及び上りとも、情報セル転送領域には
最大2075セルを収容することができるが、上りには
マルチポイント接続にともなうATMセル同士の衝突を
避け、かつ受信側でのATMセルのビット同期を確立す
るために8ビットのガードビットがセル間に設けられて
いる。また、下り制御ウィンドウ領域には最大78個の
SOHセル(一部は伝搬遅延時間制御並びにO&Mに用
いられる)が、上りには最大マルチポイント数(AU
数)に応じて16または32個のセル数要求用SOHセ
ルと伝搬遅延時間計測用のSOHセル(O&M機能を兼
ねることも可能)並びに伝搬遅延時間計測のためのウィ
ンドウ(伝搬遅延時間計測用SOHセル以外は送信され
ない)などが設けられている。なお、伝搬遅延時間計測
はATMセルが伝送路上を伝搬する際の遅延時間を補償
する上で必要な往復伝搬時間を計測するためのもので
る。マルチポイント接続の構成例を含め、アクセス制御
の詳細は特願平2-132188に述べられているので、ここで
は説明を省略する。
【0097】同構成において、各AUは同AUに接続さ
れている複数のTE毎の次フレームで送出したいATM
セル数NRiを所定のセル数要求用SOHセルを用いて、
広帯域交換ノードに要求する。広帯域交換ノードでは前
述の手順に従って、各TE毎に許可するセル数Npiを求
めるとともに、セル同士が衝突しないようインタフェー
ス全体を通してセルの送出タイミングをランダム化し、
同結果を下りのセル割当用SOHセルを用い、ビットマ
ップ形式にて各AU並びにTEに通知する。ここで、上
りのセル数要求用SOHセルの情報フィールドは、通常
のセルと同様に48オクテットあるが、TEの識別用に
8ビットを、また要求セル数の記述用に12ビットを割
り当てれば、16台以上のTEのセル要求数を1個のS
OHセルで表現することができる。一方、広帯域交換ノ
ードからのビットマップ形式によるセル割り当ては、第
12図に示すように、TEの識別用に8ビットを割り当
てれば全体として8×2075ビットの情報長が必要と
なるが、CRC符号などの付加を考慮しても48個位の
SOHセルを用いれば十分である。また、AU数が16
の場合には上りの伝搬遅延時間計測用ウィンドウは6
7.3μsec,AU数が32の場合には22.8μs
ec確保でき、各々7Km,2Kmの線路長までカバー
することができる。7Kmの線路長は狭帯域ISDN網
などにおける加入者線インタフェースがカバーする最大
線路長であり、一方、2KmはPBXなどの構内網で必
要とされる最大線路長である。
【0098】このように、TEが送出するセル数Npiは
TEからの要求を基に網側が指定するため、網ではTE
毎のセル送出数を常時正確かつ簡単に把握できることに
なり、後述の課金あるいはトラヒック集計を正確に行う
ことが可能になる。
【0099】なお、以上の説明では論理パスはB−TE
を終端する2ノード間に設けるものとしているが、第2
0図に示すようにB−TE間(エンド・エンド間)に中
継交換器を介して複数の論理パスが介在する場合には、
以下のような処理を行えば良い。
【0100】すなわち、同図(論理パスなどは図の左側
から右側へセルが転送される一方向のみ記載)において
ATM交換ノード51、52、55、56はB−TEを
終端するローカル交換(LS)局、ATM交換ノード5
3、54はATM交換ノード51、52、55、56間
の論理パスを終端し、中継する中継交換(TS)局、特
にATM交換ノード53はB−TEも終端する機能も備
えた中間交換(TLS)局の役割を担っている。なお、
TSあるいはTLS局は、例えば東京・大阪間というよ
うに長距離幹線区間での論理パスの終端局として設置さ
れるもので、論理パスの終端を行わないクロスコネクト
ノードとは異なる。そして、ATM交換ノード51には
論理パスVPI1に論理チャネルVCI1〜3と、論理
パスVPI2に論理チャネルVCI4、5が収容され、
ATM交換ノード52には論理パスVPI3に論理チャ
ネルVCI6、7が収容されている。論理パスの終端と
中継を行うATM交換ノード53では、セルヘッダ内の
VCI、VPIを書換えることによって、VPI1に収
容されているVCI1〜5を各々VCI11〜15に変
換しVPI4へ中継する。同様にVPI3に収容されて
いるVCI6、7も各々VCI16、17に変換されV
PI4へ中継される。またVPI4には、ATM交換ノ
ード53で終端されるVCI18〜20が収容されてい
る。一方、ATM交換ノード54ではVPI4を終端
し、VCI11、12を各々VCI11、12を各々V
CI21、22に変換の上、VPI6に中継、VCI1
8をVCI25に変換しVPI7に中継し、ATM交換
ノード55へ向けて各々のセルを転送する。さらにAT
M交換ノード54はVCI13をVCI26に変換しV
PI8に中継、VCI16、17をVCI29、30に
変換しVPI10に中継し、ATM交換ノード56へ向
けて各々のセルを転送する。
【0101】かくなる構成において、ATM交換ノード
51ではVCI1、VCI2(またはB−TE)に対す
るフレーム毎のセル割当てを同交換ノード51にあらか
じめ登録されているVPI5の帯域にて伝送し得るセル
数を越えないよう前述(図6、図7)した方法にて行
う。同様に、VCI3はVPI8の帯域、VCI4、5
はVPI6の帯域を基に各々の収容ATM交換ノードに
てセル割当てが行われる。セル数が割当てられた後のセ
ル送出タイミングのランダムかは各々のVCIが収容さ
れている加入者回路インターフェイス単位に、あるいは
VPI単位に行われる。
【0102】上記方法にてセル数の割当てを行う場合に
は、VPI4の帯域はVPI5〜10各々の帯域の和と
同じか、広い必要があり、同様にVPI1はVPI5と
VPI8の帯域の和、VPI2はVPI6の帯域、VP
I3はVPI10の帯域と同じか広い必要があるが、例
えば多数のVPIを収容しかつ長距離間に設けられるV
PI4では、VPIが帯域一杯にセル転送が行われると
は限らないため、VPI4の帯域をVPI5〜10の帯
域の和よりも狭くする。すなわち論理パスレベルでの統
計多重を行えば、より網内リソースの有効利用を図るこ
とができる。この論理パスレベルでの統計多重を実現す
る方法としては、以下に述べる(説明を簡単にするため
長距離区間をなすVPI4の帯域のみ狭くなっている場
合を想定する。)ように幾つかの方法が考えられる。
【0103】第1の方法は、VCI1〜5とVCI6〜
7およびVCI18〜20に対してあらかじめVPI4
内で転送し得るセル数を割振っておき、例えば交換ノー
ド51ではVCI1〜5に対する割振りの和を越えない
範囲でVPI1とVPI2との間で統計多重を行う方法
である。
【0104】第2の方法は、VCI1〜7およびVCI
18〜20を介して要求された次フレームでのセル転送
要求数を例えば交換ノード53で集計し、集計したセル
数がVPI4の帯域にて転送し得る数を越えた場合に
は、図6、図7で述べたようにセル転送可能数をVPI
5〜10で比例分配し、同結果をATM交換ノード51
および52に通知することによって、各々の交換ノード
では通知されたセル転送可能数を越えない範囲でB−T
Eからのセル転送要求数を踏まえてセル転送数割り当て
を行う方法である。
【0105】第3の方法は、例えばVPI4から送出さ
れるセル数をVPI5〜10毎に交換ノード54で集計
し、同集計を基に各VPIのトラヒック変動(偏り)状
況を推定することによって秒、あるいは分オーダで各V
PIで許容する最大セル転送数を割振り、ATM交換ノ
ード51、52、53に通知する。各交換ノードでは同
通知を越えない範囲でB−TEからのセル転送要求数を
踏まえてセル転送数割当てを行う方法である。
【0106】第4の方法は、網内に流れるセル数を網へ
の入り口である。交換ノード51、52、53あるいは
網の出口である交換ノード55、56で集計し、集計結
果を例えば網内に設けられた管理ノード(図20には図
示せず)に通知する。同管理ノードでは数10秒あるい
は数分オーダで各VPIのトラヒック変動(偏り)状況
を推定することによって各VPIで許容する最大セル転
送数を割振りATM交換ノード51、52、53に通知
し、各交換ノードでは同通知を越えない範囲でB−TE
からのセル転送要求数を踏まえてセル転送数割当てを行
う方法である。第1の方法は、B−TEを終端する交換
ノードに閉じた処理が可能なため、実現は最も簡易であ
るが、網内リソースの有効利用の面では第2の方法より
劣る。第2の方法は、フレーム単位で統計多重を行うこ
とができるため、網内リソース(VPI4)の使用効率
を最も高くすることが可能であるが、フレーム単位で集
計ならびに他ノードへの通知を行う必要があり、一連の
処理および通知を高速に行う必要がある。これに対し
て、第3、第4の方法は第2の方法ほどの高速性は要求
されないものの、その分網内リソースの使用効率は低下
することになるが、とくに第4の方法は管理ノードにて
網全体を見通した割振りが可能なため、複雑な網構成の
場合に効果的である。他にも例えば第1と第3あるいは
第4の方法を組み合わせるなど種々の方法が考えられる
が、第2以外の方法では上述したように網内リソースの
有効利用の面で若干劣ることになる。
【0107】ところで、CCITTでは、統計多重によ
り論理チャネルの瞬間的な和が論理パスの帯域を越える
場合であっても、論理パスはすべての論理チャネルのサ
ービス品質(QOS)を満足しなければならないと規定
しており、その実現方法については今後の検討課題とし
ている。すなわち、論理パス間での統計多重の対象とな
るのは網側が転送を保証しない優先度が低いまたは違反
刻印されたセルに限られており、論理パス間での統計多
重を積極的に活用する方向にはない。これに対して、本
発明では網内に取り込んだすべてのセルを対象に論理パ
ス間で統計多重効果を活用することが可能であり、これ
によって一時的なトラヒックの偏りを(論理パスの帯域
登録を変更すること無く)吸収することができ、網内リ
ソースの有効活用が図れる。
【0108】次に、クラスCに主眼をおいたコンピュー
タ通信における呼接続時間を短縮するための呼接続方式
の実施例について説明する。
【0109】図13は本発明における接続形態の一例を
示す図である。
【0110】B−TE1a〜1dはATM交換ノード2
a、2bに各々論理チャネル33a〜33dを介して接
続され、これら論理チャネルはATM交換ノード2a,
2b間に張られた論理パス4ab内に各々所望の帯域3
1が確保されている。
【0111】なお、同図では説明を簡単化するためB−
TE1a,1cからB−TE1b,1dへの一方向の論
理チャネル及び論理パスのみ記載しているが、実際には
逆方向の論理チャネルあるいは論理パスも張られること
になる。また同様の理由から、呼制御のための論理パス
などの記述も省略されている。
【0112】図14は上記接続形態における呼制御シー
ケンスの例を示した図である。
【0113】34a〜34xはデータリンク設定のため
の呼制御信号を、35a〜35cはB−TE間での情報
転送プロセスを表している。
【0114】図15はATM交換ノード2aから2b,
2bから2aに対して張られた論理パス4ab,4ba
に対する呼番号CRi をキーとするB−TEの端末識別
子TEIj と論理チャネル識別子VCIk 及び伝送速度
Uc ,Uv などとの関係を示す管理テーブル36ab,
36baの例を示す図である。
【0115】さて、B−TE1aからB−TE1bへの
呼設定要求メッセージ34aをATM交換ノード2aへ
送出すると、同交換ノードでは前述の属性データ(CB
R/VBR/MBRサービスの種別,伝送速度,クラス
など)を含む呼設定要求メッセージ34aを分析して該
当する論理パス4abを選択する。更に、該当する論理
パス4abの図15(a)に示す管理テーブル36ab
の残余帯域を参照して、所望の伝送速度が確保できるか
をチェックする。可能と判定された時は呼番号CRi ,
論理チャネル識別子VCIj を付与し,CBR/VBR
の識別(MBRサービスを要求している呼であれば一つ
の呼番号に対してCBRとVBR両方が登録される)と
該伝送速度Uc,Uv ,クラスなどを管理テーブル36a
bに登録するとともに、残余帯域の更新を行う。
【0116】次に、ATM交換ノード2aは呼設定メッ
セージ34bをATM交換ノード2bに送る。すると、
同交換ノード2bはB−TE1bに呼設定要求メッセー
ジ34cを送る。B−TE1bからの応答メッセージ3
4dをATM交換ノード2bが受け取ると、同応答メッ
セージに含まれる属性データ(B−TE1aから申告す
ることもあり得る)より、B−TE1bからB−TE1
a方向への論理パス4baを選択するとともに、管理テ
ーブル36baを参照し、同じ呼番号CRi にてVCI
j'など必要なデータを登録する。
【0117】その後、順次応答メッセージ34e,34
fがB−TE1aに向けて転送され、その結果B−TE
1aとB−TE1b間のデータリンクが確立され通信可
能状態となる。
【0118】データリンク確立後、ユーザによる情報転
送35aが行われるが、転送が一旦終了し、次の転送ま
でに間がある時には、B−TEから中断メッセージ34
gがATM交換ノード2aに送信される。
【0119】ATM交換ノード2aでは、中断メッセー
ジ34gがクラス3の呼であれば管理テーブル36ab
上の当該呼番号の呼状態の欄に中断開始時刻を書き込む
とともに、中断メッセージ34hをATM交換ノード2
bに送る。そして、同様に管理テーブル36baに中断
開始時刻を書込み、更にB−TE1bに対し、ユーザ中
断があった旨を伝えるための通知メッセージ34iを、
B−TE1aに対し、中断確認メッセージ34jを、そ
れぞれ、送信する。
【0120】かくなる状態にてB−TE1aより再開メ
ッセージ34kがATM交換ノード2aに送信される
と、ATM交換ノード2aは呼番号CRi をもとに管理
テーブル36ab上の該中断開始時刻をクリアし、また
再開メッセージ34lによりATM交換ノード2bは管
理テーブル36baの該中断開始時刻もクリアするとと
もに、B−TE1bに対し、ユーザ再開があった旨を伝
えるための通知メッセージ34mを、B−TE1aに対
し、再開確認メッセージ34nが、それぞれ送られる。
そして、再び、ユーザ間での情報転送プロセス35bが
再開される。以下、中断/再開は同じ手順にて繰り返さ
れることになり、B−TEからの切断メッセージを受け
ると管理テーブル36ab,36ba上の当該呼の登録
が抹消され、同時に残余帯域が更新される。一方、他の
端末B−TE1cから新たな呼設定メッセージ34oが
送られ、管理テーブルを参照した結果、残余帯域が不足
している場合には、図14の34p〜34xに示すシー
ケンスにて、中断中のクラス3の呼について中断開始時
刻の古いものから順に管理テーブルからの抹消を行い必
要な帯域を確保するとともに、テーブルから抹消した呼
を解放する。
【0121】また、中断中のB−TEが他のB−TEか
ら着信を受ける場合には、管理テーブル36ab,36
ba上の当該呼の登録を抹消し、当該B−TEに解放メ
ッセージを送信した上で、新たな呼の着信を受け付け
る。中断中のB−TEが他のB−TEに発信する場合に
も、同様に管理テーブルからの抹消と解放処理の後に、
発信処理を行う。なお中断後、長時間を経過し網内トラ
ヒックなどにより管理テーブルから抹消、すなわち解放
されたB−TEが再度通信を行う時は、呼設定要求メッ
セージからやり直すことになる。
【0122】図16,図17は、中断メッセージの代わ
りに切断あるいは解放メッセージを使用する場合のシー
ケンスおよび管理テーブルを示す図である。
【0123】図16では40a〜40xに示すように、
中断メッセージの代わりに切断あるいは解放メッセージ
が使われているが、基本的には通常の発着信シーケンス
と同じである。
【0124】呼番号の代わりに、相手端末の識別子TE
Ij が、図17(a)、(b)に示す管理テーブル37
ab,37baに登録されている。
【0125】再呼設定要求メッセージ40mを受ける
と、発呼側TEIi と相手側TEIjから管理テーブル
をサーチし、登録内容と申告した属性データとが一致す
れば、当該呼に対する帯域捕捉処理を省略し、直ちに相
手端末との間で呼設定処理に入る。
【0126】なお、本実施例では、たとえ端末から切断
メッセージが送信されても管理テーブルから当該呼の登
録データが抹消されることはなく、他の端末からの発信
の際に残余帯域が不足した時など、前述の実施例と同じ
条件のもとで抹消が行われる。 レイヤ3の呼制御とコ
ネクション制御とを分離したISCP(ISDN signaling
control part )信号方式を説明する。
【0127】図22はレイヤ3のシグナリングによる各
フェーズでの処理を示すシーケンス図である。
【0128】1.呼設定要求 この呼設定要求に対して網は簡便な呼受付制御を行い、
呼受付制御に基づいて呼設定を行う。そしてユーザの接
続情報を管理する接続情報管理テーブルに登録する。呼
設定フェイズではE.164アドレスによりルーティン
グが行われ、実際の通信リソース(帯域)は確保されな
い。
【0129】2.コネクション設定要求 ユーザが情報転送するにあたって、網に対しリソース
(帯域)の割当てを要求する。クラスA(疑似回線交
換)、B(可変長符号化映像信号)のようにリアルタイ
ム性が必要なクラスでは呼設定フェイズと同時に行われ
ると考えられる。網は申告されたピーク速度等に基づき
帯域を割当て、接続情報管理テーブルに帯域情報を登録
する。
【0130】3.コネクション中断要求 情報がしばらく転送されないと判断したユーザあるいは
端末は、次の情報転送までの間、呼が生起されたまま通
信リソースの解放を行い、通信リソースの効率的な運用
を計るべく接続情報管理テーブルに呼状態を登録する。
解放した通信リソースは他の呼から帯域割当て要求によ
り仕様される場合もある。またクラスにかかわらず.中
断を必要とする呼も同様な処理を行う。
【0131】中継できる最大呼数を越えてしまう場合に
はVCの管理テーブル上で中断中のVCのうち優先順位
の低い呼のVCコネクションを解放し管理テーブルから
抹消したのち新たに中断を受け付けた呼の呼状態を中断
中とし、相手ユーザの交換ノードへ中断を通知し、中断
要求ユーザに中断受付通知して中断中とし、ユーザから
の再開に備える。ユーザからの要求により帯域が必要に
なった場合は中断中ののVCを解放して(管理テーブル
から抹消される)新たな呼にコネクションを張り替え
る。
【0132】4.コネクション再開要求 コネクション中断中から情報転送を再開する場合、ユー
ザあるいは端末は再び情報転送フェイズになり、網は接
続情報管理テーブルおよび帯域管理情報を基に通信リソ
ースを割り当てる。通信リソース(帯域)が確保できな
い場合は再開を受け付けず、待機あるいは復旧の手順を
とる。
【0133】5.解放要求 通信の終了による復旧、またはコネクション中断中にあ
る呼の復旧のためユーザあるいは網から行われる。
【0134】また本実施例では通信リソースの有効利用
のため該当呼以外にプール帯域の割当てをみとめるため
新たな帯域管理法が必要になる。
【0135】呼受付制御としてはこれまでに、仮想帯域
法、仮想回線法等様々な方法があるが説明の簡略化のた
めに仮想帯域法を例にとって説明する。
【0136】交換ノードでは自ノードにて終端するVP
毎に呼の接続状態を管理する接続状態管理テーブルと各
VPの帯域を管理する帯域管理テーブルを持っている。
接続管理テーブルは呼受付制御の方式によらず図23に
示すようにグローバル呼番号等の呼識別番号、設定VC
I番号、呼種別、タイムスタンプからなる。また帯域管
理テーブルは図24のように各VPにおける使用帯域と
呼種別毎の設定VC数およびプールVC数を記録してい
るテーブルと図25のようにオフラインにより設定され
た呼種別毎の仮想帯域データからなる。
【0137】以下に呼受付制御のアルゴリズムを図2
6、図27、図28に示す。
【0138】通常のコネクション設定はVPを選択の
後、該当呼種の設定VC数、使用帯域、必要帯域により
判定を行い、条件が満たされれば設定を認められる。
【0139】帯域のプールの場合は仮想帯域が使用中帯
域としてそのまま保持され、プールVCの数がインクリ
メントされる。
【0140】プール帯域の再開時は呼種毎のプールVC
数により再開可否を判断する。
【0141】VP内トラフィックが高くなり他の呼の使
用帯域が不足する場合はプールVCの帯域から割り当て
る。
【0142】以上のように、再開要求に対して速やかに
応じられるように通信リソースを所定の管理テーブルに
プールしておく。次の再開フェイズでのユーザからの再
開要求に対してプールされた帯域を確保し、情報転送の
再開をすばやく行えるようにする。
【0143】しかし、網内トラフィックが高くなり、V
P内の残余帯域がなくなった場合にはプールされている
帯域を切り崩し、新たな呼を受け付けるようにする。ユ
ーザからの要求より中断状態になった呼に対しては、ま
だ残余帯域がある場合においても帯域の不当なプールを
避けるため一定時間を過ぎても中断状態にある呼に対し
ては網からユーザに対して警告メッセージや切断メッセ
ージを送出し、呼および帯域の解放を促す。
【0144】以上の処理より、一度設定を行ってしまえ
ば、以後情報転送をコネクション相当のレスポンスで
(しかも低料金で)利用することが可能となる。また、
網が輪からみても、通信リソースを必要以上に必要以上
に呼損が増えるといったような事がなくなる。
【0145】より使用効率を上げるために、例えば時間
ではなく内部メモリ等を含めたリソースの制限から決め
られるある閾値を越えた場合にLRU(LEAST RECENTRY
USED )アルゴリズム等により新たな呼(コネクショ
ン)を受付、廃棄される呼(コネクション)に対して警
告や切断メッセージを送出する。
【0146】かくして、管理テーブルに当該呼が登録さ
れている状態であれば、特に中断メッセージを使用する
前者の実施例では、数msecないしは数10msec
の極めて短時間のうちに情報転送を再開できることにな
り、ユーザはこの時間をほとんど意識することなく、コ
ネクションレス並みのレスポンスで広帯域ISDN網に
よるコンピュータ間通信を利用できることになる。ま
た、広帯域ISDN網においては、網内リソースが不足
した時には中断中の呼が捕捉していた帯域(通信リソー
ス)を他のユーザに転用できるため、網内リソースを無
駄に確保しておく必要がなくなり、中断中はあえて課金
対象にする必要がなくなる。さらに、中断後ユーザが端
末を放置し、切断または解放を怠っても、時間が経ち網
内トラヒックが高くなれば管理テーブルから抹消され、
網側から解放されることになるため、管理テーブルを不
必要に大きくする必要はない。換言すれば、ユーザにと
ってはコネクションレス相当のサービスを低料金で利用
することが可能となり、網側にとっても網内リソースの
有効利用を図ることができる。
【0147】なお、上述した説明ではB−TEより中断
または切断などのメッセージを送信するとしているが、
同メッセージはユーザの意思に基づいて送信してもよ
く、またB−TE内のタイマにて例えばデータ送信後1
分間を経過した時、あるいは後述の課金体系(網への過
剰な呼設定要求などを抑制するために、1分間未満に通
信が終了しても1分間分のパス保留時間単価を課金す
る)を考慮し、呼設定後1分間経過したときに情報転送
が行われていなかった時、更には網側のタイマにて所定
の時間経過した時に、当該管理テーブルの呼状態欄へ中
断開始時刻を書込み、以後の再開に備えてもよい。
【0148】また、上述の説明では、管理テーブルに中
断開始時刻を書込み、中断開始時刻の古い順にテーブル
から抹消していくとしているが、例えば過去の中断/再
開回数に応じて優先順位を設けたり、網内リソースの有
効利用を考慮し、伝送速度を基に優先順位を設けたり、
ユーザ要求を優先順位に反映させるなどしてもよい。更
に、上述の管理テーブルはパラメータ数が比較的多くな
っているため、テーブルサーチに時間が掛かる恐れがあ
るが、例えば呼番号をキーとするテーブル,優先順位を
キーとするテーブル,端末識別子をキーとするテーブル
を複数設けるなどのインプリメントにより、処理上の負
荷を軽減し、より速く、所定の再開処理を実行し得るこ
とは付言するまでもない。
【0149】更に、上述の説明では、論理パス内に残余
帯域が不足したり、他の呼が当該B−TEに着信をかけ
た時などに、当該呼の登録を抹消するとしているが、網
内トラヒック状況によっては他の論理パスの帯域が不足
したり、あるいは新たな論理パスを設ける際にも、管理
テーブルに登録されている中断または切断中の呼の登録
を抹消し、通信リソースを解放してもよい。なお上記説
明ではATM交換ノード2a、2b間には1本の論理パ
スが設けられるものとしているが、前述した複数のノー
ドで論理パスを中継する場合には、各々のノードに管理
テーブルを設けて、上述した説明と同様の手順にて中
断、再開ならびに解放を行うことができる。 また、本
説明ではクラス3の呼を対象としているが、他のクラス
1,2あるいは4についても適用し得ることは明らかで
あり、同時に広帯域ISDN網に限らず狭帯域ISDN
網あるいは構内交換機(PBX)などにも広く適用で
き、ユーザに利便を与えることが可能である。
【0150】要すれば、中断または切断された呼に対し
て、再開または再呼設定要求にすみやかに応じられるよ
う当該通信リソースを所定の管理テープルに登録し、網
内トラヒックまたは他の呼の通信要求に応じて適宜、管
理テーブルから抹消し、当該通信リソースを解放すると
ころに本実施例の特徴があり、その実現方法は数多く存
在し得る。本実施例では、これらの実現方式を、その特
徴からイミディエイト・コネクション・サービスと総称
する。
【0151】次に、ユーザが広帯域ISDN網を利用す
る上で適切な網内リソースの使用を誘導し、また網にと
っても安定かつ効率の良い運用を行っていく上で重要な
要素となる課金方式について、図18と図19を用いて
説明する。
【0152】図18は固定ビットレート伝送と可変ビッ
トレート伝送の伝送速度別の料金を示す図である。
【0153】固定ビットレート伝送では、伝送速度Uc
の1分間当たりのセル転送数は106 ×Uc Mbps
/(48Oct.×8bit)×60secで表せ、Uc が64
Kbps,1Mbps,10Mbps,100Mbps
のとき、夫々104 セル/分,1.56×105 セル/
分,1.56×106 セル/分,1.56×107 セル
/分の転送能力をもつ。
【0154】次に、近距離通信(当然通信距離によって
価格は変わる)を想定したセル単価(セル1個当たり
の送信価格)を例えば4×10-4×Uc-1/3円/セルと
すると、1分間当たりの通信時間単価はセル転送数と
セル単価との積、すなわちUc 2/3 に比例した単価とな
り、同単価に通信時間を乗じたものが通信料金となる。
一方、可変ビットレート伝送では、ユーザから見ると
網からフロー制御を受けるためサービス品質が劣るこ
と、逆に網側にとっては通信リソースを効率的に運用で
きること、またコンピュータ通信にて網への過度な発呼
要求と論理パスの長時間保留を抑制することを考慮し、
セル単価を例えば固定ビットレート伝送の1/4と
し、パス保留時間単価を例えば固定ビットレート伝送
の通信時間単価の1/10とし、更に1分未満の呼で
あっても1分間分のパス保留時間単価を課金するものと
すると、セル送出数にセル単価を乗じたものとパス保
留時間にパス保留時間単価を乗じたものとの和が通信
料金となる。
【0155】図19はクラス1,4が対象となるCBR
サービス,クラス2,4が対象となるMBRサービス
(総伝送速度=Uc +Uv ,Uc =Uv を仮定)並びに
クラス3,4が対象となるVBRサービスについて、具
体的な通信料金を示す図である。 同図によれば、CB
Rサービスでは上述の伝送速度毎に、夫々10円/分,
62円/分,290円/分,1345円/分となる。
【0156】このように、伝送速度が10倍になっても
料金は4.6倍程度に止どまっているため、ユーザは抵
抗なく広帯域ISDN網が提供する高速通信サービスを
利用できる。また、不必要に高速な伝送速度を申告する
ことを防ぐことができる。
【0157】一方、保留時間が長くトラヒックが常に変
動するMBRサービスでは、可変ビットレート伝送にお
ける平均使用率をη(セル転送数=最大セル転送数×
η)とすると、いずれの伝送速度においてもη=0.
1,η=0.5,η=1.0のとき、CBRサービスよ
りも夫々35%,25%,15%程度の割安料金とな
る。このため、ユーザに固定ビットレート伝送と可変ビ
ットレート伝送とを組み合わせた適切な申告を促すもの
となる。
【0158】また、コンピュータのファイル転送などが
主体となるクラス3、クラス4では、ファイル容量をF
メガバイトとし、F=1Mバイトでは133Kbps、
F=10Mバイトでは1.3Mbps,F=100Mバ
イトでは13Mbps程度の伝送速度で申告するのが最
も安価になり、この時のファイル転送時間は共に1分間
程度を要する。
【0159】ファイル転送時間を数秒程度にしたいとき
は、夫々10倍の伝送速度を申告すればよく、その時の
価格は10〜30%程度の上昇で済む。これに対して、
更に10倍の転送速度(1秒以下でファイル転送が可
能)を申告した場合には4倍以上の価格となり、ユーザ
から見たコストパフォーマンスは急激に低下することに
なる。換言すれば、1分間程度の時間を覚悟するならば
最も安価にファイル転送を行うことができ、またマンマ
シンインタフェース上から数秒程度で転送したい場合に
は10〜30%程度の価格上昇で済むが、過度の高速度
あるいは過度の低速度での通信はかえって経費が増加す
ることになり、結果としてユーザに適切な伝送速度の申
告を誘導することになる。
【0160】なお、図18では前述したようにファイル
容量FをATMセルの情報フィールド長である48オク
テットで割っているが、CCITTでの検討では現在ク
ラス3,4のSDU領域は44オクテットとなってお
り、同SDUの転送能力においても上述した説明の主旨
を損ねることはない。
【0161】また、上述した説明では、例えば固定ビッ
トレート伝送のセル単価をUc -1/3に比例するなど、具
体的算出式を例示しているが、本発明は同算出式に限定
されるものではなく種々の係数の組み合わせが考えられ
ることは付言するまでもない。更に、上述した説明では
クラスあるいはサービス種別によらず、固定ビッレート
伝送並びに可変ビットレート伝送各々のセル単価などを
同じとしているが、クラスあるいはサービス種別ごとに
設定しても差し支えない。要すれば、ユーザに対してC
BRサービスとVBRサービス並びにMBRサービスを
提供し、ユーザはこれらのサービスの伝送速度を申告
し、網との間で合意した伝送速度に対するセル単価と通
信時間単価あるいはパス保留時間単価を網内リソースの
適切な利用をユーザに誘導するように定義し、実際に送
出したセル数あるいは通信時間あるいはパス保留時間並
びに通信距離を基に課金することが本発明の主旨であ
り、この範囲において多数の算出式が成立し得る。
【0162】以上述べたように、本発明の広帯域交換網
によれば、網と端末との連動によるフロー制御により、
網には過剰なセルが流入しなくなるため、網内でのセル
廃棄がなくなる。
【0163】さらに、網(またはATMスイッチ)に流
入するセルの到着間隔をランダム化することにより、セ
ルのバースト性がなくなるため、ATMスイッチのバッ
ファ量を大幅に削減することが可能となり、同時にセル
遅延ゆらぎも大幅に削減することが可能となる。
【0164】そして、セル廃棄が基本的になくなること
から、従来考えられていたATMアダプションレイヤに
よる情報フィールド内のセルシーケンス番号をセル毎に
設けることが必ずしも必要でなくなったため、ユーザ情
報の転送速度を高め、より網内リソースの有効活用を図
ることも可能である。
【0165】また、固定ビットレート伝送による伝送サ
ービスと、ATMの特長である統計多重効果を活かす可
変ビットレート伝送による伝送サービスと、動画象など
の伝送に効果的な固定ビットレート伝送と可変ビットレ
ート伝送を組合わせた伝送サービスを提供することによ
って、ユーザは呼設定に当たり各々のサービスにおける
伝送速度を申告すれば良くなるため、ユーザにとって分
かり易く簡素で、しかも従来考えられていた複雑な属性
パラメータの組み合わせによる網側からの一方的なサー
ビス品目の絞り込みが必要でなくなるため、広帯域IS
DN網の最大の特長である柔軟性が損なわれることがな
くなり、また将来の種々のユーザニーズにも幅広く対応
することができる。
【0166】そして、CCITTにて今後の検討課題と
なっているマルチポイント接続サービスについても、上
記フロー制御及びセル到着のランダム化を実現するため
の具体的方式を提案しており、同じ通信媒体を用いた効
率の良い通信を提供することができる。
【0167】さらに、中断または切断された呼に対し
て、再開または再呼設定要求に速やかに応じられるよう
に当該通信リソースを管理テーブルに登録し、網内トラ
ヒックまたは他の呼の通信要求に応じて、適宜、前記管
理テーブルから当該通信リソースを抹消し、当該通信リ
ソースを解放するので、コネクションレス・サービスな
みのサービスを提供することができ、大手企業を中心と
するクラス4でのLAN間接続のみならず、一般ユーザ
によるクラス3でのパソコン通信などにも大きな利便を
与え、同時に網内通信リソースも効率的に運用できる。
【0168】さらに、上述の各サービス体系を踏まえ、
伝送速度に基づくセル単価と通信時間単価並びにパス保
留時間単価などについて具体的算出方法を提供すること
により、適切な網内通信リソースの使用を促すととも
に、虚偽の申告による他ユーザへの迷惑を防ぎ、更に網
の安定な運用にも効果的である。
【0169】また、網でのポリーシング機能や優先制御
が不要になり、呼受付制御が簡素化されるなど、広帯域
ISDN網あるいは広帯域企業情報通信網を構成する交
換ノードあるいは中継(クロスコネクト)ノードなどの
開発が容易になる。
【0170】
【発明の効果】本発明の広帯域交換ネットワークによれ
ば、セルに設けられた優先・非優先セルを識別するため
の情報領域に前記固定ビットレート伝送によって伝送さ
れているセルであるか前記可変ビットレート伝送によっ
て伝送されているセルであるかを識別する識別情報を書
き込むので特別の情報領域を設けること無く、セルの伝
送形態を識別することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である広帯域交換網の概略構
成を示す図である。
【図2】図1に示すB−TE1の概略構成を示す図であ
る。
【図3】加入者線インタフェース回路を中心に、ATM
交換ノード2の概略構成を示した図である。
【図4】呼の設定時にB−TEより申告される属性デー
タの例を示す図である。
【図5】終端するATM交換ノード間に設定された論理
パス内に複数台のB−TEからの呼が登録されている様
子を例示する図である。
【図6】可変ビットレート伝送におけるATMセル送出
シーケンスの例を示す図である。
【図7】固定ビットレート伝送におけるセル送出シーケ
ンスの例を示す図である。
【図8】個別バッファ型(Separatetd)と共通バッファ型
(Shared)のATMスイッチを試作し、ランダム性が強い
トラヒックとバースト性の強いトラヒックについて、セ
ル廃棄率とバッファ容量との関係を実験により求めた図
である。
【図9】5本の入線からCBR/VBR/MBRサービ
スを問わずランダムな時間間隔でセルがATMスイッチ
に流入し、3本の出線に出力される様子を示した図であ
る。
【図10】SDH(同期ディジタルハイアラーキ)ベー
スを示す図である。
【図11】セルベースインターフェイスによるマルチポ
イント接続におけるフレームを示す図である。
【図12】制御ウインドウ領域のSOHセルを示す図で
ある。
【図13】本発明における接続形態の一例を示す図であ
る。
【図14】接続形態における呼制御シーケンスの例を示
した図である。
【図15】中断メッセージを使用する場合のATM交換
ノード内の管理テーブルの例を示す図である。
【図16】切断、解放メッセージを使用する場合のシー
ケンスを示す図である。
【図17】図16に示すシーケンスに用いられる管理テ
ーブルを示す図である。
【図18】固定ビットレート伝送と可変ビットレート伝
送の伝送速度別の料金を示す図である。
【図19】CBRサービス,MBRサービス、VBRサ
ービスについて具体的な通信料金を示す図である。
【図20】B−TE間に中継交換機を介して複数の論理
パスが介在する場合を示す図である。
【図21】共通バッファ方式の64×64スイッチ(バ
ッファ長2560)におけるランダムトラフィックと平
均バースト長10のバーストトラフィックが流入したと
きのセル廃棄率(上段)と99.9%遅延時間(下段)
をまとめた表である。
【図22】レイヤ3のシグナリングによる各フェーズで
の処理を示すシーケンス図である。
【図23】接続情報管理テーブルを示す図である。
【図24】使用帯域・設定VC数管理テーブルを示す図
である。
【図25】仮想帯域データを示す図である。
【図26】呼受付制御のアルゴリズムを示すフローチャ
ートである。
【図27】呼受付制御のアルゴリズムを示すフローチャ
ートである。
【図28】呼受付制御のアルゴリズムを示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1a、1b…広帯域ISDN端末 2a、2b…ATM交換ノード 3a、3b…加入者線インタフェース 4…論理パス
フロントページの続き (72)発明者 会田 一夫 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会 社東芝 柳町工場内 (72)発明者 池田 貴志 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会 社東芝 柳町工場内 (72)発明者 矢野 基光 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会 社東芝 柳町工場内 (72)発明者 嘉村 幸一郎 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会 社東芝 柳町工場内 (56)参考文献 1991年電子情報通信学会春季全国大会 講演論文集B−475 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/28 H04L 12/56

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも伝送レートが固定である固定
    ビットレート伝送と伝送レートが可変である可変ビット
    レート伝送とを用いて、ATMセルを該固定ビットレー
    ト伝送か該可変ビットレート伝送かに関わりなく対等に
    処理しつつ情報を伝送する広帯域交換ネットワークであ
    って、前記ATMセルに設けられた優先・非優先セルを識別す
    るためのセル・ロス・プライオリティ・ビットに書き込
    まれた前記固定ビットレート伝送によって伝送されてい
    るATMセルであるか前記可変ビットレート伝送によっ
    て伝送されているATMセルであるかを識別する識別情
    報を参照して、該固定ビットレート伝送によって伝送さ
    れている該ATMセルを前記広帯域交換ネットワークに
    接続されている狭帯域のネットワークに取り込ませる手
    段を具備する広帯域交換ネットワーク。
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