JP3121016B2 - ヒトフェロモンを含有する芳香組成物および他の組成物 - Google Patents

ヒトフェロモンを含有する芳香組成物および他の組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、一般に身体のケア製品、化粧品および芳香
剤の分野に関し、そして消費製品に用いられる物質組成
物に関する。さらに詳細には、本発明は、新規の芳香組
成物およびそのような芳香組成物を含有する身体のケア
製品に関する。本発明はまた、ヒトにおいて活性である
フェロモン類に関し、そしてフェロモンを種々の組成物
中に取り込ませることに関する。
背景技術 本発明は、化粧品、特に芳香剤に関し、そしてヒトフ
ェロモンを含有し、消費製品の製造に有用である物質組
成物に関する。フェロモンは、動物またはヒトにより生
産される生化学物質であり、それは同一種のもう一方の
メンバーにおける整理学上特異的な、または行動上の反
応を引き起こす。異なるフェロモンが各々の性のメンバ
ーにより生産され、反対の性のメンバーの鼻内通路内の
特異的なレセプターによって受容される。本発明に関す
るヒトフェロモンは、ある種の16−アンドロステンステ
ロイドおよび/またはエストレンステロイドであり、そ
れらのうちいくつかが人体内で本来存在している。
アンドロステンのステロイド類は、テストステロンに
代表され、そして13位および通常10位でメチル化された
四環性ステロイド構造によって特徴付けられる。16−ア
ンドロステンは、さらに16位での二重結合により特徴付
けられる。このグループのいくつかのメンバーが、いく
つかの哺乳類の種でフェロモンとして作用することが報
告されている−例えば、豚での5α−アンドロスト−16
−エン−3α−オールおよび5α−アンドロスト−16−
エン−3−オン(Melrose,D.R.ら、Br.vet.J.(1971)1
27:497−502)が報告されている。これらの16−アンド
ロステンは、雄豚により生産され、発情期の雌豚の配偶
行動(mating behavior)を誘発する(Claus,ら、Exper
imentia(1979)35:1674−1675)。
いくつかの種では、ある種の16−アンドロステン(5
α−アンドロスト−16−エン−3α−オールおよび5α
−アンドロスト−16−エン−3−オンを含む)の種々の
特徴、例えば血中濃度、代謝、および局在化は、性的に
二相性であることが、いくつかの研究で明らかになった
(Brooksbankら、J.Endocr,(1972)52:239−251;Claus
ら、J.Endocr.(1976)68:483−484;Kwanら、Med.Sci.R
es.(1987)15:1443−1444)。例えば、5α−アンドロ
スト−16−エン−3α−オールおよび5α−アンドロス
ト−16−エン−3−オンおよび4,16−アンドロスタジエ
ン−3−オンは、男性と女性の末梢血液、唾液および腋
窩分泌物中では異なった濃度であることが分かった(Kw
an.T.K.ら、Med.Sci.Res.(1987)15:1443−1444)。
いくつかの16−アンドロステンのヒトフェロモンとし
て可能な機能が、選択および判断に影響を及ぼすほど
に、示唆された(同上;Gowerら、Perfumery,68−72頁、
Van Toller and Dodd,Eds.,Chapman and Hall,1988中の
「腋窩の匂い中の芳香性ステロイドの重要性(The Sign
ificance of Odorous Steroids in Axillary Odou
r)」;Kirk−Smith,D.A.ら、Res.Comm.Psychol.Psychia
t.Behav.(1978):379も参照のこと)。アンドロステ
ノール(5α−アンドロスト−16−エン−3α−オー
ル)は市販の男性用コロンおよび女性用香水(Jovan製
の男性用AndronTMおよび女性用AndronTM)中で、フェロ
モン様活性を示すと言われている。日本公開特許公報第
2295916号は、アンドロステノールおよび/またはその
類似体を含有する香料組成物について言及している。5
α−アンドロスタジエン−3β−オール(およびおそら
く3α−オール本体)もまた、ヒトの腋窩分泌物中で同
定されている(Gowerら、上述、57−60)。
エストレンステロイドは17β−エストラジオール(1,
3,5(10)−エストラトリエン−3,17β−ジオール)に
代表され、そしてフェノール性135(10)A環および3
位におけるヒドロキシまたはヒドロキシ誘導体(例えば
エーテルまたはエステル)により特徴付けられる。いく
つかの哺乳動物の種のいくつかのエストレンステロイド
のフェロモン特性が記載された。Michael,R.P.ら、Natu
re(1968)218:746は、雄アカゲザルのフェロモン性誘
引剤としてエストロゲン(特にエストラジオール)につ
いて言及している。Parrot,R.F.,Hormones and Behavio
r(1976):207−215は、エストラジオールベンゾエー
ト注射が卵巣摘出ラットの配偶行動を誘発することを報
告しており;そしてアカゲザルの雄の性反応(Phoenix,
C.H.,Physiol.and Behavior(1976)16:305−310)およ
び雌の性反応(Phoenix,C.H.,Hormones and Behavior
(1977):356−362)におけるエストラジオールの血
中レベルの役割が記載されている。
本出願に記載されたヒトフェロモンは、PCT/US92/002
19およびPCT/US92/00220に記載されている。
推定ヒトフェロモンの、最もありそうなコミュニケー
ションの手段は、もう一方の相手の皮膚に存在する天然
由来のフェロモンの吸入である。5α−アンドロスト−
16−エン−3α−オールおよび5α−アンドロスト−16
−エン−3−オン、4,16−アンドロスタジエン−3−オ
ン、5,16−アンドロスタジエン−3β−オール、および
ことによると、5,16−アンドロスタジエン−3α−オー
ルを包含するいくつかの16−アンドロステンステロイド
は、ヒトに本来存在し、そして皮膚上に存在し得る。ヒ
トの皮膚上の全ての16−アンドロステンステロイドの本
来存在し得る最高濃度は2〜7ng/cm2であると見積られ
ている。親密な接触の間、ヒトは700ng以下の天然由来
のステロイドに暴露されると見積られている。これらの
化合内は、比較的不揮発製であるので、親密な接触の間
でさえ、ヒト被験者はもう一方の相手の皮膚から0.7pg
以下の天然由来のステロイドを吸入すると見付られる。
本発明は、人と人との間での正常な親密な接触を行うよ
りも非常に多くの量の活性フェロモンステロイドを与え
るので、効果的である。
しかしながら、何らかの推定フェロモンが実際に、哺
乳動物の、特にヒトの性行動あるいは生殖行動におい
て、ある役割を演じているかどうかについて、文献中に
は、殆ど議論がなされていない。Mammalian Olfaction,
Reproductive Processes,and Behavior,Doty,R.L.,Ed.,
Academic Press,1976中のBeauchamp,G.K.ら、「哺乳動
物の化学コミュニケーションにおけるフェロモンの概
念:評価」を参照のこと。また、Gowerら、上述68−73
を参照のこと。
フェロモンのレセプターは、正常なヒトの鼻内通路に
開かれている小構造である鋤鼻機器(VNO)に見出され
る(Moran,D.T.ら、J.Steroid Biochem.and Molec.Bio
l.(1991)39:545;Stensaas,L.J.ら、J.Steroid Bioche
m.and Molec.Biol.(1991)39:553;Garcia−Velasco,
ら、J.Steroid Biochem.and Molec.Biol.(1991)39:56
1)。香気は、VNOレセプターには結合しない−フェロモ
ンのみが結合する。VNOレセプター上皮のフェロモン特
異的な電位変化は、Monti−Bloch,L.らにより記載され
るように測定され得る(J.Steroid Biochem.and Molec.
Biol.(1991)39:573)。このレセプター結合活性は、
活性フェロモンの本質的な特性である。
多くの市販の香水および芳香剤の組成物は、哺乳動物
のフェロモンを含有する。フェロモンは一般に、種特異
的であるので、市販の香水中に見い出される哺乳動物の
フェロモンは、フェロモンとしては機能しないが、その
代わり、芳香組成物中に固定ノートを提供する。従っ
て、現在市販の香水、身体ケア製品および化粧品は、VN
O中のフェロモンレセプターに結合せず、そして脳の視
床下部と連絡している鋤鼻神経を刺激しない。さらに、
いくつかの場合では、動物フェロモンまたは動物フェロ
モンに関する合成物の使用は、ある人にとっては、皮膚
刺激またはアレルギー反応を引き起こし得る。なお、さ
らに、芳香剤中に使用される動物フェロモンの起源は、
要因となる動物の肛門腺であるので、ある人は、これら
の物質を用いることを不快に感じる。結局、市販の芳香
剤中に見い出される主要成分のどれも、ヒトの皮膚に本
来存在しないので、その結果生じる匂いは本来のヒトの
匂いではない。
芳香剤は、天然由来のヒトフェロモンを含有するのが
好ましい。なぜなら、これは、嗅覚(匂い)レセプター
およびフェロモンレセプターの両方の刺激を生じ、刺激
またはアレルギー反応の可能性を低減し、身体用のより
誘引的な組成物を提供し、そしてより本来のヒトの匂い
を有するからである。
さらに、繊維質の紙ティッシュ、塗料、ろうそく、香
料などのある種の物質組成物は、ヒトフェロモンの添加
により、改良され得る。
発明の要旨 従って、天然由来のヒトフェロモンを含有する芳香組
成物および他の物質組成物を提供することによって、当
該分野における上記のニーズに、取り組むことが、本発
明の第一の目的である。
VNO中の嗅覚レセプターおよびフェロモンレセプター
の両方を刺激する芳香性組成物および他の物質組成物を
提供することもまた、本発明の目的である。
ヒトの皮膚に刺激性がなさそうであり、吸入時に低ア
レルギー性でありそうな芳香組成物および他の物質組成
物を提供することが、本発明の別の目的である。
消費者の関心を引く天然由来のヒトフェロモンを有す
る、芳香組成物および他の物質組成物を提供すること
が、本発明の別の目的である。
本来のヒトの匂いを有する、芳香組成物および他の物
質組成物を提供することが、本発明の別の目的である。
本発明のさらなる目的、利点および新規の特徴は、以
下の説明の部分に述べられており、そしてそこでは、当
業者にとって以下の試験で明らかとなり、あるいは、本
発明の実施により知られ得る。
本発明の目的は、香水用香気物質およびヒトフェロモ
ンを含有する引治療的芳香組成物を提供することによっ
て、達成される。そのフェロモンは、ヒト被験者でのイ
ンビボ鋤鼻器官レセプター結合電位を生じる。
本発明の目的はまた、アンドロスタ−4,16−ジエン−
3−オン、アアンドロスタ−4,16−ジエン−3α−オー
ル、アンドロスタ−4,16−ジエン−3β−オール、19−
ノル−4,16−アンドロスタジエン−3−オン、19−ノル
−10−OH−4,16−アンドロスタジエン−3−オン、19−
OH−4,16−アンドロスタジエン−3−オン、5,16−アン
ドロスタジエン−3β−オール、5,16−アンドロスタジ
エン−3α−オール、19−ノル−16−アンドロステン−
3−オン、19−ノル−16−アンドロステン−3α−オー
ル、19−ノル−16−アンドロステン−3β−オール、1,
3,5(10)−エストラトリエン−3,17β−ジオール、1,
3,5(10)−エストラトリエン−3,16α,17β−トリオー
ル、1,3,5(10)−エトラトリエン−3−オール−17−
オン、1,3,5(10),16−エストラテトラエン−3−オー
メチルエーテル、1,3,5(10),16−エストラテトラエン
−3−イルアセテート、1,3,5(10),16−エストラテト
ラエン−3−イルプロピオネート、1,3,5(10),16−エ
トラテトラエン−3−オール、およびそれらの任意の組
み合わせからなる群から選択される香水用香気物質およ
びステロイド化合物を含有する芳香組成物を提供するこ
とにより達成される。
図面の説明 図1は、5α−アンドロスト−16−エン−3−オン、
5α−アンドロスト−16−エン−3α−オールおよび5
α−アンドロスト−16−エン−3β−オールの合成を図
式的に例示している。
図2は、アンドロスタ−Δ4,16−ジエン−3−オン、
アンドロスタ−Δ4,16−ジエン−3α−オール、および
アンドロスタ−Δ4,16−ジエン−3β−オールの合成を
図式的に例示している。
図3は、19−ノル−Δ4,16−アンドロスタジエン−3
−オン、19−ノル−Δ16−アンドロステン−3−オン、
19−ノル−Δ16−アンドロステン−3α−オール、19−
ノル−Δ16−アンドロステン−3β−オール、および19
−ノル−10−OH−Δ4,16−アンドロスタジエン−3−オ
ンの合成を図式的に例示している。
図4は、アンドロスタ−Δ5,16−ジエン−3α−オー
ルおよびアンドロスタ−Δ5,16−ジエン−3β−オール
の合成を図式的に例示している。
図5は、19−OH−アアンドロスタ−Δ4,16−ジエン−
3−オンの合成を図式的に例示している。
図6は、19−OH−アンドロスタ−Δ4,16−ジエン−3
−オンの代替合成を図式的に例示している。
図7は、1,3,5(10),16−エストラテトラエン−3−
オールの合成を図式的に例示している。
図8は、アンドロスタ−4,16−ジエン−3−オンの代
替合成を図式的に例示している。
図9A−Cは、特定の16−アンドロステンステロイドの
鋤鼻器官および嗅上皮への局所投与の電気生理学的効果
のグラフ表示である。
図10A−Dは、特定のエストレンステロイドの鋤鼻器
官および嗅上皮への局所投与の電気生理学的効果のグラ
フ表示である。
図11は種々の芳香剤により誘発されるVNOおよびOEの
局所電位の変化のグラフ表示である。
図12は、ヒトフェロモン、動物フェロモンおよび一般
の香気物質のヒトVNOおよびOEの局所電位に対する効果
を比較しているグラフ表示である。
詳細な説明 本組成物が開示され、説明される前に、本発明は、特
異的な芳香族、特異的なステロイド化合物などに限定さ
れるものでなく、もちろん、そのような成分は代わり得
ることが理解されるべきである。本明細書中で用いられ
る用語は、特定の態様を説明するためのみに用いられ、
限定することを意図するものではないこともまた理解さ
れるべきである。
明細書および添付の請求の範囲に用いられているよう
に、単数形「a」、「an」、および「the」は、その文
脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の
指示物を包含する。従って、例えば、「芳香用香気物
質」への言及は、香水用香気物質の混合物を包含し、
「ヒトフェロモン」への言及は、ヒトフェロモンの混合
物を包含する、などである。
A.定義 「環境的芳香」とは、ヒトあるいは対象物よりもむし
ろ、ある容量の空気に香りを付与するために用いられる
芳香または香りである。環境的芳香の起源は、対象物、
例えば芳香を付近の空気へ徐々に放出するように構成さ
れた対象物であり得る。
「香り」とは、それが心地よいものであっても不快な
ものであっても、任意の匂いまたは臭気である。香り
は、臭気分子が鼻内通路の嗅上皮に結合するときに、ヒ
トにより知覚的に認識される。「香気物質」とは、香り
のある物質である。香水原料は、天然のものであって
も、合成のものであっても、香気物質として記載され
る。「香水用香気物質」とは、第一に香りを与えるとい
う目的で用いられる香気物質である。「匂い」とは、動
物またはヒトのあとに、残された香りである。人々は、
自分自身の本来の匂いを増大するために香水を使用す
る。
「香水」または「芳香組成物」とは、ヒトに局部的に
使用する、特異的に心地よい香りの化粧品組成物であ
る。技術的には、香水は、種々の物質の混合物であり、
そして野菜起源または動物起源の天然材料を含有し得、
全体的または部分的に人工の化合物またはそれらの混合
物を含有する。アルコールに溶解すると、種々の揮発性
芳香物質のこれらの混合物は、それらの香気を通常の温
度で空気中に放出する。香水調合師にとっては、エキス
(extrait)−高い比率で芳香性濃縮物と可能な限り最
少量のアルコールを含有する混合物−のみが香水と呼ば
れる。低濃度の混合物としては、オードパルファン(ea
u de parfum),アフターシェイブ(after shave),オ
ードトワレ(eau de toilette),オードスポルト(eau
de sport),スプラッシュコロン、オーデコロン(eau
de cologne)、コロン,オーフレッシュ(eau fraich
e)、などが包含される。アルコールで希釈される芳香
溶液に加えて、オイルで希釈される芳香溶液もある。さ
らに、パラフィンまたは他のワックスのような固形物
で、25%までの芳香剤オイルを混合して、コンパクトな
香水およびクリーム香水が生産される。一般に、上記の
全ての芳香組成物は、香水として表現され、そして、そ
れが本明細書中での、その用語の使われ方である。
「フェロモン」は、同一種のもう一方の相手において
生理学的に特異的な反応または行動上の反応を引き出す
動物またはヒトにより生産される生化学物質である。生
理学的反応に加えて、フェロモンは、鋤鼻器官(VNO)
内のレセプターへの種特異的な結合によって同定され得
る。従って、ヒトフェロモンはヒトレセプターに結合す
る。これは、フェロモンの存在下で感覚上皮組織の総電
位の変化を測定することによって、実証され得る。ヒト
フェロモンは、適切な性のヒト感覚上皮組織中で、少な
くとも約5ミリボルト−秒の脱分極を引き起こす(フェ
ロモンの結合は、一般に性的に二相性である)。天然由
来のヒトフェロモンは、ヒトVNO中でインビボでのレセ
プター結合電位における性的に二相性の変化を引き起こ
す。天然由来のヒトフェロモンは、ヒトの皮膚から抽出
され、精製され得、そして本明細書中に記載のように、
それらはまた合成され得る。「ヒトフェロモン」は、ヒ
トに本来存在していて、そのフェロモンをどのようにし
て得たかに関係なく、ヒトVNO組織中で特異的に結合す
るリガンドとして効果的である。従って、合成分子およ
び精製分子はともに、ヒトフェロモンであると考えられ
得る。
「性的に二相性」は、同一種の雌雄間の化合物または
組成物の、効果の差異または反応の差異を言う。
「ティッシュペーパー」は、使い捨てハンカチまたは
トイレットペーパーとして、一般に用いられるタイプの
ような柔らかい、繊維質の、吸着性の紙である。
「鋤鼻器官」は、ヒトの鼻内通路に開かれ、フェロモ
ンに対する特異的レセプター細胞を含有する盲嚢(cul
−de−sac)である。
B.香水 香水の技術および科学は、数百年にわたって発展して
来て、現在十分に確立されている。香水の簡潔な要約は
本明細書中で提供される。この種大は、Wells,F.V.およ
びM.Billot,Perfumery Technology,Ellis Horwood,Lt
d.,出版社、第2版.1981を含む多くの出発物において、
より十分に取り扱われている。
1. 成分のタイプ 香料に用いられる、非動物で、天然の製品の多様性は
重要である。さらに、19世紀後半および20世紀の有機化
学の進歩は、天然の香気物質の天然由来の成分のいくつ
かを合成する能力だけでなく、同様に広く多様な人工香
気物質を提供した。たいていの香水は、天然由来の原料
調製物と合成香気物質とを一緒にしている。
香水調合において、一般に用いられる天然香気物質
は、動物および野菜の原料の両方から得られ、そしてそ
れらの処理方法に基づいて次の6つのカテゴリーに分類
され得る: 1)凝固オイル−炭化水素溶媒で、加熱なしで抽出され
る; 2)無水オイル−凝固オイルから加熱なしで抽出される
アルコール; 3)精油−天然由来の原料から蒸留される; 4)絞り油−天然原料から直接、物理的に取り除く; 5)アイソレート−精油からの分別蒸留; 6)チンキ剤−天然由来の原料から長時間のアルコール
抽出によって得られる。
香水調合師は、典型的には、各カテゴリー内で、種々
の天然起源から数多くのオイル、アイソレート、チンキ
剤を有している。香水調合師はまた、非常に多くの系列
の人工香気物質および天然由来の化合物の合成物を有し
ている。これらの原料の各々は、「ノート」として表わ
されている。香水調合の技術は、完成した芳香を生産す
るためにこれら種々のノートの混合を包含する。
香水の調合には、多くの主観的なアプローチがある
が、たいていのものは、トップノート、ミドルノートお
よびバスノートの概念を取り込んでいるようである。ト
ップノートは、非常に揮発性であり、粘りを欠き、また
は持続力を欠いている。ミドルノートは、幾分揮発性が
低く、そしてトップノートの改変剤として用いられる。
バスノートは、さらに揮発性が低く、香りの効果が長く
続く。バスノートはまた、芳香の固定剤としても表わさ
れる。動物起源のノート、または動物性ノートを模倣す
る人工物は、通常バスノートである。
2. 動物性ノート 多くの市販の香水は、動物起源のノートを含有し、通
常その原料が得られる種のフェロモン、または動物性ノ
ートの特性を模倣する合成物および人工的ノートを含有
する。主要な動物由来のノートは、以下の通りである: 1)ムスク−ジャコウジカの匂い腺から由来である; 2)シベット−ジャコウネコの腺分泌物として得られ
る; 3)ビーバー香−ビーバーの包皮状卵胞から得られる;
そして 4)龍涎香−マッコウクジラから得られる吐き出し物ま
たは排泄物。
最初の3つは、その種起源のフェロモンであるが、フ
ェロモンは種に特異的であるので、ヒトにおいてフェロ
モン関連行動を誘発しない。動物性ノートは、香水芳香
剤の固定剤として用いられる。濃縮物として、動物性ノ
ートの香りは、心地よくないかもしれないが、希釈する
と、それらは最終製品に芳香を付与する。
3. ヒトフェロモン 本発明において、天然由来のヒトフェロモンは、動物
フェロモン、またはそれらの誘導体または同族体の代わ
りに、あるいは、それらに加えて、物質組成物中の成分
として用いられる。天然由来のヒトフェロモンは、いく
つかの利点を有する。
従来の市販の香水製品は、VNO受容基を刺激しなかっ
た。なぜなら、ヒトのフェロモンではない香気物質は、
鼻の嗅覚レセプターのみを刺激するからである。心地よ
い匂いで、しかもヒトフェロモンを含有する芳香組成物
は、ヒトのVNO内の嗅覚レセプターおよびフェロモンレ
セプターの両方を刺激する。そのような芳香組成物は、
従来可能であった組成物よりも、広範な嗅覚刺激を提供
する。
香水は、皮膚につける;しかしながら、生きている皮
膚は、その排泄および呼吸のメカニズムを有し、その分
泌物および変化し得る温度を有し、媒体につき変化し得
るので香水の良好な担体として使用できず、そして生き
ている皮膚と接触することによって香水の香りをしばし
ばゆがめる。ヒトフェロモンは、通常ヒトの皮膚に存在
するので、ヒトフェロモンを含有する芳香組成物は、皮
膚により安定な匂いを提供する。さらに、生じた匂い
は、より本来のヒトの匂いがする。一般に用いられてい
る動物性ノートに関連するいくつかの成分(例えば、ベ
ンジルベンゾエート、パラクレゾール、ニトロムスク)
は、あるヒトにとっては、皮膚刺激を引き起こすことが
わかった。さらに、ヒトによっては、ある種の香水にア
レルギー反応を示すことが報告されている。天然由来の
ヒトフェロモンを含有する芳香組成物は、一般に用いら
れる動物関連成分に比べて刺激またはアレルギー反応を
引き起こしそうにない。
結局、動物の肛門または包皮状腺由来の原料よりむし
ろ、天然由来のヒトフェロモンを用いる香水の方が、多
くの消費者に対して固有により関心を引くであろう。
濃縮物として、フェロモンは、感知可能な香りを有し
得るか、または有し得ない。それらは、物理的あるいは
機能的に嗅覚レセプターと異なるレセプターに結合する
ので、それらは、それら自体の匂いを運び得るか、また
は運び得ない。しかしながら、本明細書中に記載された
フェロモンのいくつかは、実際に香りを有する。濃縮物
として、これらのフェロモンの香りは必ずしも心地よい
ものではないかもしれない。従って、香水中に希釈する
時、その実際の上限濃度は、生じる芳香の心地よさによ
って決定される。一般に、ヒトフェロモンは、本発明の
芳香組成物中に、約200μg/ml以下の濃度で、より一般
的には、約100μg/ml以下の濃度で、好ましくは、約50
μg/ml以下の濃度で、そしてさらに好ましくは約25μg/
ml以下の濃度で存在する。
フェロモンは、感知可能なレセプター結合の非常に低
い閾値を有し、そして低濃度で効果的である。一般に、
ヒトフェロモンは、本発明の芳香組成物中に、少なくと
も約50ng/mlの濃度で、より一般的には、少なくとも約1
00ng/mlの濃度で、好ましくは、少なくとも約500ng/ml
の濃度で、さらに好ましくは、少なくとも約1μg/mlの
濃度で存在する。
C.フェロモンを含有する他の製品 香水は、一般に、それ自体で身体ケア製品として用い
られる。しかしながら、香りは、種々の身体ケア製品、
家庭製品および工業製品として用いられ得る。ヒトフェ
ロモンそれ自体、または天然由来のヒトフェロモンを含
有する香水の、これら他の製品における使用は、本主体
の適用の範囲内に入る。
1. 身体ケア製品 ヒトフェロモンを含有する芳香剤は、化粧品、メイク
アップ調製物、トイレットおよび美容の調製物、入浴お
よび美容の石鹸、入浴用オイル、フェイスおよびボディ
ーのクリームおよびオイル、腋の下の消臭剤などの調製
に用いられ得る。これらの身体ケア製品の調製物は、当
業者には周知である。これらの製品はしばしば芳香剤を
含有する。ヒトフェロモンまたはヒトフェロモンを含有
する芳香剤は、芳香剤それ自体が添加され得るのと同じ
方法でこれらの製品に添加される。
2. 環境的香気物質 フェロモンまたはヒトフェロモンを含有する芳香剤は
また、空気清浄剤、消臭剤中にあるような環境的香気物
質として、または商品(例えば、新車、販売展示台、な
ど)のマーケッティングプロモーションなどとしても用
いられ得る。芳香剤およびフェロモンは、エアーゾルデ
ィスペンサーの使用により、またはその組成物を大気に
さらすことにより、フェロモン、または芳香剤およびフ
ェロモンを、空気中にゆっくりと放出する、芳香剤およ
びフェロモンを含有する液体、ゲルまたは固形組成物の
調製により、空気中に分配され得る。
エアーゾル投与に対して、活性成分は、好ましくは、
界面活性剤または噴射剤とともに、液状または微細化さ
れた形で供給される。活性成分の代表的な割合は、0.00
1〜2重量%であり、好ましくは0.004〜0.10重量%であ
る。
もちろん、界面活性剤は、無毒性でなければならず、
好ましは、噴射剤に可溶性でなければならない。そのよ
うな薬剤の典型は、6〜22個の炭素原子を含有する脂肪
酸(例えばカプロン酸、オクタン酸、ラウリン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、オレオステアリ
ン酸(olestearic)およびオレイン酸)と脂肪族多価ア
ルコールまたはその環状無水物(例えばエチレングリコ
ール、グリセロール、エリトリトール、アラビトール、
マンニトール、ソルビトール、およびソルビトールから
誘導されるヘキシトール無水物(ソルビタンエステルは
「スパン」の商標で販売されている))のエステルまた
は部分エステル、およびこれらのエステルのポリオキシ
エチレンおよびポリオキシプロピレンの誘導体である。
混合グリセリドまたは天然のグリセリドのような混合エ
ステルが用いられ得る。好ましい界面活性な薬剤は、オ
レエートまたはソルビタンであり、例えば、これらは、
「アーラセルC」(ソルビタンセスキオレエート)、
「スパン80」(ソルビタンモノオレエート)および「ス
パン85」(ソルビタントリオレエート)の商標で販売さ
れている。界面活性剤は、組成物中で0.1−20重量%を
構成し得、好ましくは0.25−5重量%を構成し得る。
組成物の残りは、通常、噴射剤である。液化噴射剤
は、典型的には、周囲条件で気体であり、そして圧力下
で液化する。適切な液化噴射剤には、5個までの炭素原
子を含有する、低級アルカン(例えば、ブタン、プロパ
ン)がある;フッ素化アルカンまたはフッ素塩素化アル
カン(例えば「フレオン」の商標で販売されている)が
ある。上記の混合物もまた、用いられ得る。
エアゾールの製造においては、適切なバルブを備えた
容器は、適切な噴射剤で満たされ、微細化された活性な
成分および界面活性剤を含有する。従って、その成分
は、バルブの働きにより放出されるまで、高圧力に維持
されている。
芳香剤およびフェロモンを所定の空間に放出する代替
手段は、フェロモン、または芳香剤およびフェロモンを
含有する液体、半固体または固体の組成物から大気中に
徐々に蒸散させ、放出させることによる。ヒトフェロモ
ンまたはヒトフェロモンを含有する芳香剤は、組成物の
性質に依存して、種々の方法により組成物中に取り込ま
れ得る。
もし組成物が、液体、ゲル、クリームまたは軟膏であ
り、そしてフェロモン成分がその組成物に可溶であれ
ば、それは組成物中に簡単に溶解し得る。もしフェロモ
ン成分が、組成物中にわずかに可溶であるか、または不
溶であれば、懸濁液は添加および混合により調製され得
る。室内芳香剤、自動車芳香剤などのようないくつかの
場合には、フェロモンを含有する組成物は液体状態で使
用され、そして蒸散の間液体のままである。塗料などの
ような他の場合には、フェロモンを含有する組成物は液
体として塗布され、次いで固化させて、フェロモンを残
留させて固体からゆっくり蒸散させる。
組成物が固体ならば、最初に固体を最高温度100℃、
好ましくは75℃、さらに好ましくは50℃で溶解させ、フ
ェロモン成分を添加し、次いで混合物を冷却し、固化さ
せることによって、フェロモン成分が添加され得る。こ
のアプローチは、例えばワックスまたは樹脂と用いられ
得る。あるいは、フェロモン成分は最初にエタノール、
ジメチルスルホキシドなどのような揮発性溶媒内に混合
され、次いでティッシュペーパー、布などのような吸収
性固体組成物と混合され得る。次に、固体組成物中にフ
ェロモン残渣を残しながら、溶剤を蒸発させ、その組成
物から大気中にフェロモンがゆっくり蒸散する。
本明細書中に提供されている、ヒトフェロモンを含有
する芳香組成物の使用は、請求の範囲の意図した範囲内
に入る代替の使用例であり、そして、本発明の意図され
た使用の範囲を制限するものではない。
3. 他の製品 この混合物は、芳香剤を有するか、または有しないフ
ェロモンを吸収する繊維質材料のような他の製品を包含
する。例えば、布、紙(ティッシュペーパーを含む)、
衣類、ペーパータオル、文房具などのようなもの。これ
らの製品は、芳香剤を含有しなくてもよい。
D. ヒトフェロモン 本明細書中に記載されるように、ヒトフェロモンは、
ヒト対象のVNO中の感覚上皮のレセプター総電位の変化
を引き起こす。この変化は一般に、感覚上皮の脱分極ま
たは部分的脱分極である。そのような脱分極は、瞬間的
であり、時間(秒で測定)に対する電位(ミリボルトで
測定)変化の積分として表現される。この積分は、ミリ
ボルト−秒(mV X S)として表現される。今日まで
に同定された、本来存在するヒトフェロモンは、2つの
類に分かれるステロイド−16アンドロステンおよびエス
トレンである。ヒトフェロモンの生物学的活性は性的に
二相性である。16アンドロステンフェロモンは、男性よ
りも女性のレセプター電位に、より大きな変化を引き起
こす。反対に、エストレンフェロモンは。女性よりも男
性のレセプター電位に、より大きな変化を引き起こす。
16−アンドロステンステロイドは、13位でのメチル
化、および16位と17位との間での二重結合を有する四環
ステロイド構造で特徴付けられる脂肪族ポリ環状炭化水
素である。アンドロステンステロイドは、一般にこの化
合物が、13位および10位で、少なくとも2つのメチル化
を有するため、従って、それぞれ18位および19位の炭素
と成ることを意味すると理解される。化合物が明白に
「19ノル」として表現されない限り、この化合物は19位
炭素基を有すると理解される。しかしながら、19−ノル
−16−アンドロステンは一般に、本発明の目的のために
は、16−アンドロステンステロイドと見なされると、意
図する。
エストレンステロイドは、4環ステロイド構造を有す
る脂肪族ポリ環状炭化水素であり、芳香族1,3,5(10)
A環を有し、13位でメチル化され、3位で水酸基を有す
る。
16アンドロステンおよびエストレンステロイドの基お
よび置換基の位置を記載するのに、以下のナンバーリン
グシステムを用いる。
1. 本発明に関連して有用な16アンドロステン 本発明は、アンドロステンステロイド(テストステロ
ン(17−ヒドロキシ−Δ−アンドロステン−3−オ
ン)が例である)として知られる群に含まれ得るヒトフ
ェロモンを含有する芳香組成物、およびアンドロステン
ステロイドとエストレンステロイドの組み合せに関す
る。特に、代理人ドケットNo.(Attorney Docket No.)
22279−2003.21の米国特許出願に開示されたステロイド
が包含され、その全体は、注として取り込まれている。
16−アンドロステンは、さらに16−位での二重結合によ
り特徴付けられる。
本発明の16−アンドロステンは構造式 を有す: ここで、R1はオキソ、α−(β−)ヒドロキシ、α−
(β−)アセトキシ、α−(β−)プロピオノキシ、α
−(β−)α−(β−)メトキシ、α−(β−)低級ア
シルオキシ、α−(β−)低級アルキルオキシ、および
α−(β−)ベンゾイルオキシでなる群より選択され;R
2は、水素、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アル
コキシ、メチル、ヒドロキシメチル、アシルメチル、ア
シルオキシメチル、アルコキシメチル、低級アルキル、
ヒドロキシアルキル、アシルアルキル、アシルオキシア
ルキル、およびアルコキシアルキルでなる群より選択さ
れ;そして「a」および「b」は必要に応じて二重結合
になるように変更し得る部位である。
好ましい態様は、4,16−アンドロスタジエン−3−オ
ン(P1=オキソ、a=二重結合、P2=メチル、Steraloi
ds,Inc.から市販されており、アンドロスタジエノンと
も呼ばれる)、および19−ヒドロキシ−4,16−アンドロ
スタジエン−3−オン(P1=オキソ、a=二重結合、P2
=ヒドロキシメチル)、4,16−アンドロスタジエン−3
α(β)−オール(P1=ヒドロキシ、a=二重結合、P2
=メチル)、19−ノル−4,16−アンドロスタジエン−3
−オン(P1=オキソ、a=二重結合、P2=水素)、およ
び19−ノル−10−OH−4,16−アンドロスタジエン−3−
オン(P1=オキソ、a=二重結合、P2=ヒドロキシ)、
その合成は本明細書中に記載されている)。
2. 本発明に関連する有用なエストレン 本発明は、さらにエストレンステンステロイドの群に
含まれ得るヒトフェロモンを含有する芳香組成物、また
はエストレンステロイドと16−アンドロステンステロイ
ドとの組み合せに関する。特に、1,3,5(10)−エスト
ラトリエン−3,17β−ジオール;1,3,5(10)−エストラ
トリエン−3,16α,17β−トリオール;1,3,5(10)−エ
ストラトリエン−3−オール−17−オン;1,35(10),16
−エストラテトラエン−3−オール;1,3,5(10),16−
エストラテトラエン−3−オール メチルエーテル;お
よび1,3,5(10)−16−エストラテトラエン−3−イル
アセテートが包含される。これらのエストレンは、構
造的にエストラジオー(1,3,5(10)−エストラトリエ
ン−3,17β−ジオールとも呼ばれる)と類似している
が、しかしエストラジオールとは16−位の二重結合で区
別される。
これらのエストレンは、構造式 を有し、 ここで、R4は水素、アルキル、オキソ、α−ヒドロキ
シ、β−ヒドロキシ、スルフェート、シピオネート、ア
セテート、およびグルクロニドから成る群から選択さ
れ;R5は、水素、α−ヒドロキシ、およびβ−ヒドロキ
シから成る群から選択され;R6は、水素、低級アルキ
ル、低級アシル、ベンゾイル、シピオニル、アセチル、
グルクロニド、プロピオニル、およびスルフェートから
成る群から選択され;そして「c」は必要に応じて二重
結合である。
これらのエストレンは、16−位に必要に応じて二重結
合を有する、3−位の改変、17−位の改変および16−位
の改変により、各々から区別され得る。好ましい態様
は、1,3,5(10)−エストラトリエン−3,17β−ジオー
ル;1,3,5(10)−エストラトリエン−3,16α,17β−ト
リオール;1,3,5(10)−エストラトリエン−3−オール
−17−オン;および1,3,5(10),16−エストラテトラエ
ン−3−オールを包含する。これらのステロイドは、当
業者に知られた化合物であり、例えばSigma Chemical C
o.、Aldrich Chemical Co.などから市販されている。1,
3,5(10),16−エストラテトラエン−3−オールを、Re
search Plus,Inc.およびSteraloids,Inc.から入手出来
る。
E. ヒトフェロモンの合成 上記セクションD1に示したように、好ましい16−アン
ドロステンフェロモンのある種のものは、市販されてい
ない。それらの合成を本明細書中に示す。
1. 合成方法 a. 3−位、5−位、および19−ノル誘導体の調製 上記構造式Iに示したように、本発明の方法に用いら
れる化合物は、3−,5−,および19−位で置換された16
−アンドロステンステロイドである。多くの3−および
5−置換ステロイドは17−ヒドロキシ−ステロイドおよ
び17−オキソ−ステロイド(例えばAldrich Chemical C
oから市販されている)から、Δ16化合物への脱離また
は還元によって、誘導し得る公知の化合物である。これ
らの化合物の大部分の合成は、ohloff(上記)により記
載されている。図1に示すように、17β−ヒドロキシ−
5α−アンドロスタン−3−オン(I)およびメチルク
ロロフォルメート(a)は、ピリジン中でメチルカーボ
ネート、17β−メトキシカルボニロキシ−5α−アンド
ロスタン−3−オン(II)を与え、これは、5α−アン
ドロスト−16−エン−(3−オンおよび3−オール)
(Ohloff、上記200頁)のための出発物質を与える。
アルコキシ誘導体は、その関連するヒドロキシステロ
イドから、塩化メチレンなどのような不活性塩化炭素溶
媒(chlorocarbon solvent)中で、トリメチルオキソニ
ウムフルオロボレート、トリエチルオキソニウムフルオ
ロボレートまたはメチルフルオロスルフォネートのよう
なアルキル化剤と反応させることによって、調製され
る。別法として、アルキルハライド、アルキルトシレー
ト、アルキルメシレートおよびジアルキルスルフェート
のようなアルキル化剤を酸化銀または酸化バリウムのよ
うな塩基と、例えばDMF、DMSOおよびヘキサメチルホス
フォルアミドのような極性のある非プロトン性溶剤中で
用いてもよい。
ステロイドの合成反応の一般的な手法は当業者に公知
である(例えば、Fieser,L.F.およびM.Fieser,Steroid
s,Reinhold,N.Y.1959を参照のこと)。反応の時間およ
び温度を決定すべきところ、これらは、通常の方法論で
決定され得る。必要な薬剤を添加した後、混合物を不活
性ガス下で攪拌し、1時間毎の間隔で少量分取する。分
取物を薄相クロマトグラフィーで分析し、出発物質の消
失をチェックする。この時点で仕上げの(work up)手
順が始まる。出発物質が24時間以内に消費されなけれ
ば、混合物を加熱しして還流させ、出発物質が全く無く
なるまで、前述のように1時間毎に少量を分析する。こ
の場合、仕上げの手順を始める前に、この混合物を冷却
してもよい。
生成物の精製は、当業者に知られているように、クロ
マトグラフィーおよび/または結晶化によって、成し遂
げられる。
(i).10−ヒドロキシ−Δ4,16−アンドロスタジエン
−3−オンの合成 図3に記した様に、テトラヒドロフラン中で、19−ノ
ル−Δ4,16−アンドロスタジエン−3−オンを1等量の
リチウムイソプロピルシクロヘキシルアミド(LICA)
(e)で処理し、続いてヘキサメチルホスフォルアミド
/ピリジン(MOOPH)(f)中のモリブデンペントキサ
イドで処理した。水性反応物が出来上がった後、この反
応物の抽出および精製を行い、10−ヒドロキシ−Δ4,16
−アンドロスタジエン−3−オンを得た。この工程は、
Vedejs,J.Org.Chem.(1978)43:188の方法に従った。
b. 19−OH誘導体の調製 (i).19−OH−Δ4,16−アンドロスタジエン−3−オ
ンの合成 この化合物は、19−オキソ−3−アザ−A−ホモ−5
β−アンドロスタン(Habermehlら、Z.Naturforsch.(1
979)25b:191−195)の合成の中間体として開示されて
いる。この化合物の合成方法が与えられている。合成の
さらなる方法を実施例12および13に与える。
実施例 以下の実施例は、説明の目的のために与えられたもの
であり、本出願の記載された発明の制限と解釈されるべ
きでない。
実施例で用いられる略号は以下の様である:aq.=水性
の;RT.=室温;PE=石油エーテル(沸点50−70゜);DMF
=N,N−ジメチルホルムアミド;DMSO=ジメチルスルホキ
シド;THF=テトラヒドロフラン 実施例1−5α−アンドロスト−16−エン−3−オン
(1) この合成を図1に記す。メチルカーボネート、17β−
メトキシカルボニルオキシ−5α−アンドロスタン−3
−オン(II)(9.6g,27.6mmol)とトルエン(200ml)溶
液をパイレックスガラスカラム(1=10m,φ=9mm)中
で480゜(N2流量 約11ml/min)で約1g/hの割合で熱分
解(b)した。粗生成物(2つの液体N2冷却トラップで
捕集)を飽和(sat)NaHCO3およびNaCl水溶液で洗浄
し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。残留物(7.24g,97%)
を0℃でPEから再結晶し、6.42g(87%)の1を得た。
分析サンプルを室温でアセトニトリルから再結晶した。
融点(M.p.)142−144゜,[a]=+35.6゜(c=1.
15)([2]:融点14−141゜,[a]D 17=+38゜(c
=2.08)).−IR.(CDCl3):1710s,1595w.−1H−NMR.
(360Mhz):0.79(s,3H);1.05(s,3H);5.70(m,1H);
5.84(m,1H). 実施例2−5α−アンドロスト−16−エン−3α−オー
ル(2). 図1にこの合成を記す。リチウムトリス(1,2 ジメ
チルプロピル)ヒドリドボレート(c,Aldrichから市販,
2.5ml,2.5mmol)の1M溶液に、−55゜で、N2下、ケトン
1(500mg,1.84mmol)のTHF(7ml)溶液を加え、混合物
を室温まで暖めた。3時間後、混合物を−55゜まで冷却
し、水(1ml)の添加により、加水分解し、続いてEtOH
(3ml)を加えた。混合物に−55゜でNaOHの10%水溶液
(5ml)を添加することによって、ボランを酸化し、続
いて、H2O2の30%水溶液(3ml)を加え、そして3時間
室温で攪拌した。シクロヘキサン(100ml)を添加し、
有機相を連続的に水、飽和NaHSO3水溶液、そして飽和Na
Cl水溶液で洗浄し;溶媒のNa2SO4による乾燥および濃縮
後、残留物をトルエン/エチルアセテート2:1でシリカ
ゲル(60g)のクロマトグラフにかけた。アキシャルな
アルコール2が最初に溶出し(443mg,89%)、そして2
番目の分画はエクァトリアルなアルコール3(24mg,4.8
%)を含有していた。2の分析サンプルを0゜でPEから
再結晶した。融点(M.p.)142−144゜、[a]=+15
゜(c=1.33)([2]:融点143.5−144゜,[a]D
16=+13.9゜(c=0.94)).−IR.(CDCl3):3625m,3
450w,1590w.−1H−NMR.(360Mhz):0.77(s,3H);0.82
(s,3H);4.03(m,w1/28,1H);5.70(m,1H);5.83
(m,1H). 実施例3−5α−アンドロスト−16−エン−3β−オー
ル(3). 図1にこの合成を記す。ケトン1(500mg,1.84mmol)
をTHF/MeOH 5:1(18ml)中で室温で、ホウ水素化ナトリ
ウム(d,75mg,2mmol)で還元した(2時間)。粗生成物
を、トルエン/エチルアセテート2:1を用いてシリカゲ
ル(60g)のクロマトグラフにかけた。微量のアキシャ
ルアルコール2(9mg,2%)の後、純粋なエクァトリア
ルアルコール3(388mg,77%)が溶出した。分析サンプ
ルをMeOH/水からで再結晶した。融点(M.p.)124−125
゜、[a]=+14.2゜(c=1.12)([2]:融点12
5−127゜,[a]D 17=+11.2゜(c=0.76)).−IR.
(CDCl3):3620m,3430w,1590w.−1H−NMR.(360Mhz):
0.77(s,3H);0.85(s,3H);3.60t x t,J=11と5,1H);
5.70(m,1H);5.84(m,1H). 実施例4−アンドロスタ−4,16−ジエン−3−オン
(4). 図2にこの合成を記す。テストステロンのアンドロス
タ−4,16−ジエン−3−オンへの転換には、いくつかの
方法が知られている(Brooksbankら、Biochem.J.(195
0)47:36)。別法として、テストステロンのメチルカー
ボネートの加熱分解(460゜)は、90%の収率でアンド
ロスタ−4,16−ジエン−3−オンを与えた。17β−メト
キシカルボニルキシ−アンドロスト−4−エン−3−オ
ン(IV)を、テストステロン(III.Fluka)とメチルク
ロロホルメート/ピリジン(a)から76%の収率(MeOH
で再結晶後)で調製した。融点(M.p.)140−141゜、
[a]=+95.4゜(c=1.10)−IR.(CDCl3):1740
s,1665s,1450s,1280s,−1H−NMR.(360Mhz):0.87(s,3
H);1.20(s,3H);3.77(s,3H);4.53(br.t,J=8,1
H);5.75(s,1H).メチルカーボネートIVのトルエン溶
液を1で記載したように熱分解した。粗生成物の、室温
におけるアセトンからの再結晶は、純粋ケトン4を90%
収率で与えた。融点(M.p.)127−129.5゜、[a]
+118.9゜(c=1.32)([3]:融点(m.p.)131.5−
133.5゜(ヘキサン),[a]D 16=+123±3.5゜(c=
1.03))。−IR.(CDCl3):3050w,1660s,1615m.−1H−N
MR.(360Mhz):0.82(s,3H);1.22(s,3H);5.70(m,1
H),5.73(s,1H);5.84(m,1H). 実施例5−アンドロスタ−4,16−ジエン−3α−オール
(5)および−3β−オール(6). 図2にこれらの合成を示す。アンドロスタ−4,16−ジ
エン−3オン(4)を−55゜で、2(図1)の調製で記
載したように、THF(c)中で、リチウムトリス(1,2
ジメチルプロピル)ヒドリドボレートで還元した。CH2C
l2/エチルアセテート9:1を用いた、シリカゲルのクロマ
トグラフは、純粋なアキシャルなアルコール15(48%収
率)、及び純粋なエクァトリアルなアルコール6(48%
収率)を与えた。分析サンプルをさらに再結晶で精製し
た(5を−30゜でPEから,6を室温でシクロヘキサンか
ら)。
5のデータ.融点(M.p.)77−79゜、[a]=+12
0.6゜(c=1.26)−IR.(CDCl3):3620m,3440m br.,16
60m,1595w.−1H−NMR.(360MHz):0.79(s,3H);1.02
(s,3H);4.07(m,w1/210,1H);5.48(d x d,J=5お
よび2,1H);5.71(m,1H);5.85(m,1H). 6のデータ.融点(M.p.)116−119゜、[a]=+
53.9゜(c=1.28)([47]:融点116−118゜,[a]
=+59.3゜(c=0.4).−IR.(CDCl3):3610m,3420
m br.,3050m,1660m,1590w.−1H−NMR.(360Mhz):0.78
(s,3H);1.08(s,3H);4.15(m,w1/220,1H);5.30
(m,w1/25,1H);5.71(m,1H);5.85(m,1H). 実施例6−アンドロスタ−Δ5,16−ジエン−3α−オー
ル(7). 図4にこの合成を示す。アルコール8(545mg,2.0mmo
l)のアセトン(100ml)溶液に、0゜でN2下、Jones試
薬(i,1.5ml,約4mmol)を急速に加えた。5分後、混合
物を希リン酸緩衝液(Ph7.2,1200ml)に注ぎ、エーテル
で抽出した。抽出物をNaClの飽和水溶液で洗浄し、Na2S
O4で乾燥し、濃縮し、主にアンドロスタ−5,16−ジエン
−3−オンを油状物として得た(567mg)。粗生成物をT
HF(7ml)に溶解し、2の調製で記載したように、−55
゜で、リチウムトリス(1,2−ジメチルプロピル)ヒド
リドボレート(c)で還元した。粗生成物(530mg)
を、CH2Cl2/エチルアセテート4:1で、シリカゲル(100
g)のクロマトグラフにかけ、280mg(51%)の純粋アル
コール7(最初に溶出)および13mgの出発アルコール8
を得た。7の少量サンプルを室温で、アセトン/水から
再結晶した。融点(M.p.)138゜,[a]=−77.5゜
(c=1.2).−IR.(CDCl3):3580m,3430m,1665w,1590
w.−1H−NMR.(360Mhz):0.80(s,3H);1.06(s,3H);
4.02(m,w1/28,1H);5.44(m,1H);5.72(m,1H);5.8
6(m,1H). 実施例7−△5,16−アンドロスタジエン−3β−オール
(8) この化合物を、市販(Fluka)の3β−ヒドロキシ−
アンドロスト−5−エン−17−オン(VII)から、既知
の方法(Marx,A.F.,ら、Ger.Offen.2,631,915;Chem.Abs
t.87:23614p(1977))を用いて、73%の収率で調製し
た。M.p.137゜、[a]=−71.9゜(C=1.5)([4
8):m.p.140−141゜、[a]=−68゜)。−IR.(CDC
l3):3600m,3420m br.,1670w,1590w,−1H−NMR.(360MH
z):0.80(s,3H);1.05(s,3H);3.53(m,w1/222,1
H);5.38(m,1H);5.72(m,1H);5.86(m,1H)。この合
成を図4に示す。
実施例8−19−ノル−アンドロスタ−4,16−ジエン−3
−オン(9) この合成を図3に示す。19−ノル−テストステロン
(XIX)が市販されており、例えばケミカルダイナミッ
クコーポレーション(Chemical Dynamics Corp.)より
販売されている。この化合物は、19−ノル−16−アンド
ロステン誘導体のための出発物質を提供する。19−ノル
−テストステロン(XIX)(Chemical Dynamics Corp.)
を、無水酢酸およびピリジン(a)で既知のアセテート
(Hartman,J.A.ら、J.Am.Chem.Soc.(1956)78:5662)
に転換した。このアセテート(4.8g,15.17mmol)のトル
エン(10ml)溶液を、石英断片に充填させたガラス管中
で、540℃(200トール、スローN2−気流)で熱分解させ
た(b)。粗熱分解物(3.1g)を、シリカゲル(150g)
でCH2Cl2を用いてクロマトグラフして、1.1gの均一な油
状ケトン9(28%)を得た;[a]=+57.9゜(c=
1)([27]:m.p.71−73゜)。−IR.(CHCl3):1660s,
1615m,1585w,−1H−NMR.(90Mhz):0.84(s,3H);5.82
(m,2H);5.87(br.s,1H)。
実施例9−19−ノル−△16アンドロステン−3−オン
(10) この合成を図3に示す。Villotti,R.らの方法(J.Am.
Chem.Soc.(1969)82:5693)に基づき、19−ノルテスト
ステロンを、リチウムおよびアンモニア(c)を用いて
19−ノル−5α−アンドロスタン−17−オール−3−オ
ン(XX)に還元させた。アンドロスタ−5α,17−ジオ
ール−3−オン(XX)を、無水酢酸およびピリジン
(a)で既知のアセテート(Hartman,J.A.ら、J.Am.Che
m.Soc.(1956)78:5662)に転換した。17β−アセトキ
シ−5α−エストラン−3−オン(8.0g,15.1mmol)の
オクタン/アセトン10:1(22ml)溶液を、550゜(200ト
ール、スローN2−気流)で熱分解させた(b)。粗生成
物(5.4g)を、シリカゲル(600g)でCH2Cl2を用いてク
ロマトグラフし、そして得られた均一の画分をPEから再
結晶して、3.13g(48.3%)の純粋なケトン10を得た。
M.p.51−54゜,[a]=+72.8゜(c=1.0)。−IR.
(CHCl3):1705s,1585w,−1H−NMR.(90MHz):0.79(s,
3H);5.71(m,1H);5.87(m,1H)。
実施例10−19−ノル−△16−アンドロステン−3α−オ
ール(11) この合成を図3に示す。L−セレクトリッド(Select
ride)(d、リチウムトリ(sec−ブチル)ヒドリドボ
レート、1MのTHF溶液4ml、4mmol)を、0゜でケトン10
(800mg、3.10mmol)の乾燥エーテル(5ml)溶液に滴下
した。0゜で1時間撹拌した後、水を加えた(10ml)。
ボランを、10%のNaOH水溶液(5ml)、次いで30%のH2O
2水溶液(3ml)を添加し、そして室温で3時間攪拌して
酸化させた。仕上げ工程(エーテル層)後、粗生成物
(790mg、11および12の約9:1の混合物)を、シリカゲル
でCH2Cl2を用いてクロマトグラフして、700mg(87%)
の純粋なアコール11を得た。M.p.119−120゜→123−124
゜(PEから)、[a]=+40.6゜(c=1.0)。−IR.
(CHCl3):3640m,3500br.,1585w。−1H−NMR.(90Mh
z):0.78(s,3H);4.09(m,w1/28,1H);5.71(m,1
H),5.87(m,1H)。
実施例11−19−ノル−△16−アンドロステン−3β−オ
ール(12) この合成を図3に示す。ケトン10(800mg、3.10mmo
l)の乾燥エーテル溶液(5ml)を、室温でLiAlH4のスラ
リー(38mg、1mmol;エーテル3ml)(e)に滴下した。
1時間後、この混合物を10%のH2SO4水溶液で加水分解
した。仕上げ工程(エーテル層)後、粗生成物(802m
g、12および11の9:1の混合物)をシリカゲルでCH2Cl2
用いてクロマトグラフした。微量画分11(70mg)が先
に、次に取画分12(705mg、87%)が溶出した。M.p.113
−115゜、[a]=+36.3゜(c=1.0)。−IR.(CHC
l3):3640m,3500br.,1585w。−1H−NMR.(90MHz):0.78
(s,3H);3.60(m,w1/220,1H);5.71(m,1H),5.87
(m,1H)。
実施例12−19−OH−△4,16−アンドロスタジエン−3−
オン(18)の合成 19−OH−△4, 16−アンドロスタジエン−3−オンの以
下に示す3通りの合成方法を図5に示す。
アンドロスト−4−エン−17,19−ジオール−3−オン
(12): 19−ヒドロキシテストステロンとしても知られてお
り、この化合物は、ステラロイドインコーポレーション
(Steraloids,Inc.)より市販されている。または、19
−ヒドロキシアンドロスト−4−エン−3,17−ジオン
(11)を、エタノール中で−10゜から0℃で、ホウ水素
化カリウム(KBH4、a)で処理する。水性反応物が出来
上がった後、この反応物を抽出し、そして精製して19−
ヒドロキシテストステロン(12)を得る。
19−アセトキシアンドロスト−4−エン−3,17−ジオン
(14): アンドロスト−4−エン−19−オール−3,17−ジオン
(11)をピリジン中で無水酢酸(Ac2O、b)を用いて処
理する。水性反応物が出来上がった後、この反応物を抽
出し、そして精製してアセテート(14)を得る。
19−アセトキシテストステロンアセテート(13): 4,4−ジメチルアミノピリジン触媒を有するピリジン
(c)中で、19−ヒドロキシテストシテロン(12)をAc
2Oで処理する。水性反応物が出来上がった後、この反応
物を抽出し、そして精製してアセテート(13)を得る。
19−アセトキシテストステロン(15)(方法1): ピリジン(d)中で、19−ヒドロキシテストステロン
(12)をAc2Oで処理する。水性反応物が出来上がった
後、この反応物を抽出し、そして精製してアセテート
(15)を得る。
19−アセトキシテストステロン(15)(方法2): エタノール中で、19−アセトキシアンドロスト−4−
エン−3,17−ジオン(14)を−10゜から0℃でKBH
4(e)を用いて処理した。水性反応物が出来上がった
後、この反応物を抽出し、そして精製してアセテート
(15)を得た。
19−アセトキシテストステロントシレート(16、R=T
s): ピリジン中で、19−アセトキシテストステロン(15)
をp−トルエンスルホニルクロライド(TsCl、f)で処
理する。水性反応物が出来上がった後、抽出および精製
によりトシレート(16、R=Ts)が得られる。
19−アセトキシテストステロンメチルカーボネート(1
6、R=COOCH3): ピリジン中で、19−アセトキシテストステロン(15)
をクロロギ酸メチル(ClCOOCH3、g)で処理する。水性
反応物が出来上がった後、抽出および精製により、メチ
ルカーボネート(16、R=COOCH3)が得られる。
19−アセトキシアンドロスタ−4,16−ジエン−3−オン
(17)(方法1): 19−アセトキシテストステロンアセテート(13)の熱
分解を行った。粗熱分解物を精製してアセテート(17)
を得る。
19−アセトキシアンドロスタ−4,16−ジエン−3−オン
(17)(方法2): 19−アセトキシテストステロントシレート(16、R=
Ts)を2,4,6−コリジン(h)中で加熱する。冷却した
後、水性反応物が出来上がった後、抽出および精製によ
り、アセテート(17)が得られる。
19−アセトキシアンドロスタ−4,16−ジエン−3−オン
(17)(方法3): 19−アセトキシテストステロンメチルカーボネート
(16、R=COOCH3)の熱分解を行い、粗熱分解物を精製
してアセテート(17)を得る。
19−ヒドロキシアンドロスタ−4,16−ジエン−3−オン
(18): メタノール(i)中で、19−アセトキシアンドロスタ
−4,16−ジエン−3−オン(17)を水酸化カリウムで処
理する。水性反応物が出来上がった後、抽出および精製
により、アルコール(18)が得られる。
実施例13−19−OH−△4,16−アンドロスタジエン−3−
オン(22)の代替合成 下記の合成方法を図6に示す: 3,19−ジヒドロキシアンドロスト−4−エン−17−オル
トシルヒドラゾン(20) メタノール中で、3,19−ジヒドロキシアンドロスト−
4−エン−17−オン(19)と1当量のp−トルエンスル
ホニルヒドラジド(TsNHNH2、a)とを16時間加熱還流
する。この混合物を冷却した後、溶媒を濃縮して粗生成
物を得る。精製により、トシルヒドラゾン(20)が得ら
れる。
3,19−ジヒドロキシアンドロスタ−4,16−ジエン(21) テトラヒドロフラン中のトシルヒドラゾン(20)を、
ヘキサン中のn−ブチルリチウム(BuLi、b)で処理
し、得られた混合物を室温で16時間攪拌する。水性反応
物が出来上がった後、抽出および精製により、ジエン
(21)が得られる。
19−ヒドロキシアンドロスタ−4,16−ジエン−3−オン
(22) ヘキサン中で、3,19−ジヒドロキシアンドロスタ−4,
16−ジエン(21)を二酸化マンガン(MnO2、c)で処理
する。混合物を濾過し、濃縮して、粗生成物を得る。精
製により、エノン(22)が得られる。
実施例14−アンドロスタ−4,16−ジエン−3−オン(2
5)の代替合成 下記合成方法を図8に示す: デヒドロエピアンドロステロンp−トルエンスルホニル
ヒドラゾン(23) 乾燥メタノール(300ml)中で、デヒドロエピアンド
ロステロン(VII)(14.4、50.0m mole)とp−トルエ
ンスルホニルヒドラジド(12.75g、68.5m mole)とを20
時間加熱還流した。混合物を三角フラスコに移して冷却
した。結晶状の生成物を吸引濾過し、メタノール(50m
l)で洗浄した。さらに、濾液を順次に75mlおよび20ml
までに濃縮、結晶させることを2回繰り返して、生成物
を次々と得た。生成物は合計で21.6g(95%)であっ
た。
アンドロスタ−5,16−ジエン−3β−オール(24) 乾燥テトラヒドロフラン(1.0リットル)中のデヒド
ロエピアンドロステロンp−トルエンスルホニルヒドラ
ゾン(23)(22.8g、50.0m mole)をドライアイ/イソ
プロパノール浴で冷却させた。n−ブチルリチウム(12
5mlの1.6Mヘキサン溶液、200m mole)を添加しつつ、混
合物を攪拌した。この混合物を室温までに温め、そして
24時間攪拌した。次に、氷冷しながら、水(50ml)を加
えた。この混合物を飽和塩化アンモニウム溶液/氷(50
0ml)に注ぎ、エーテル(x2)で抽出した。有機層を飽
和炭酸水素ナトリウム溶液(500ml)および飽和塩化ナ
トリウム溶液(500ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、そし
て減圧濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物を、エチ
ルアセテート/ヘキサン(20:80→50:50)で溶出する、
190gのシリカゲル60(230−400メッシュ)でのフラッシ
ュクロマトグラフィーによって精製して結晶状の物質を
得た。この生成物をメタノール(45ml)/3%過酸化水素
(8ml)から再結晶し、メタノール(30ml)/水(8ml)
で洗浄して純粋な生成物(6.75g、50%)を得た。
アンドロスタ−4,16−ジエン−3−オン(25) 水分を除くために、アンドロスタ−5,16−ジエン−3
β−オール(24)(10g)のトルエン(475cc)およびシ
クロヘキサノン(75cc)の溶液を蒸留し(約50ccの蒸留
物が収集された)、5gのAl(OPriのトルエン(50c
c)溶液を加え、そしてこの溶液を1時間還流した。次
に、水を加え、揮発性成分を蒸発蒸留で取り除き、残留
物をクロロホウムで抽出した。乾燥した抽出物を濃縮し
た後、この残留物をクロロホルム−ヘキサンから再結晶
して7.53gのアンドロスタ−4,16−ジエン−3−オン(2
5)を得た。他の0.97g(合計8.5g、86%)が、母液を中
性アルミナでクロマトグラフすることにより、得られ
た。
実施例15−エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3
−オール(28)の合成 下記合成法を図7に示す: エストロンp−トルエンスルホニルヒドラゾン(27) 乾燥メタノール(2.5リットル)中で、エストロン(2
6)(270g、1.00mole)およびp−トルエンスルホニル
ヒドラジド(232.8g、1.25mole)を20時間加熱還流し
た。混合物を三角フラスコに移して冷却した。結晶状の
生成物を吸引濾過し、メタノール(300ml)で洗浄し
た。さらに、濾液を順次に2000ml、800mlおよび400mlま
でに濃縮、結晶させることを3回繰り返して、生成物を
次々と得た。生成物は合計433.5g(99%)であった。
1,3,5(10),16−エストラテトラエン−3−オール(2
8) 乾燥テトラヒドロフラン(8.0リットル)中のエスト
ロンp−トルエンスルホニルヒドラゾン(27)(219.0
g、500m mole)を塩化ナトリウム/氷浴中で冷却した。
n−ブチルリチム(800mlの2.5Mヘキサン溶液、2.00mol
e)を両頭針(double−ended needle)を通じて添加し
つつ、この混合物を機械的に攪拌した。この混合物を室
温で3日間攪拌した。そこに、氷(250g)を加えた後、
さらに飽和塩化アンモニウム溶液(500ml)を加えた。
これらの相を攪拌により混合した後、放置した。水相を
テフロン管を用いて吸引することにより移して、エーテ
ル(500ml)で抽出した。2つの有機相を同じバッチの
飽和炭酸水素ナトリウム溶液(500ml)、次いで飽和塩
化ナトリウム溶液(500ml)で洗浄した。これらの有機
相をMgSO4で乾燥し、そして減圧濃縮して粗生成物を得
た。これを、エチルアセテート/ヘキサン(25:75、2.5
リットル)で溶出する、500gのシリカゲル60(230−400
メッシュ)でのフラッシュ濾過にかけた。濾過物を減圧
濃縮して結晶状の物質を得た。この生成物をメタノール
(300ml)/水(75ml)から再結晶してメタノール(80m
l)/水(20ml)で洗浄した。さらに、エチルアセテー
ト/ヘキサン(12.5:87.5)から再結晶して純粋な生成
物(88.9g、70%)を得た。
実施例16−ヒトVNOおよび嗅上皮に対する16−アンドロ
ステン刺激の電気生理学 ヒト鋤鼻器官(VNO)および嗅上皮(OE)からの局所
殿域を記録するために、非侵襲方法が使用されている。
両方の鼻構造に、特別に設計された多チャネル物質送達
システムに連結するカテーテル/電極を用いて、種々の
場合において局所ガス刺激を与えた。VNOおよびOEの局
所反応は刺激物の濃度と相互関係を示した。
研究は、臨床上正常である(スクリーニングされた)
の志望者10人(男性2人、女性8人;年齢が18から85
才)で行った。研究は、全身麻酔および局所麻酔をせず
に行った。
カテーテル/電極は、その位置に配置される刺激物を
送達すると同時に反応を記録するように設計された。VN
Oを記録する場合、被験者の右鼻窩(nasal fosa)を鼻
鏡を用いて検査し、鋤鼻の開口部は、鋤骨の前端および
鼻床(nasal floor)の交差部分に近い点に限られた。
カテーテル/電極をVNO−開口部を通じてゆっくりと駆
動し、この電極の先端をこの器官の管腔の開口部より1
から3mmのところに置くことにした。その後、鼻鏡を取
り外した。OEの場合では、このカテーテル/電極を中央
鼻涙管の外側部にゆっくりと深く置き、嗅覚粘膜に到達
させること以外、記録の方法は類似である。
局所ガス刺激はこのカテーテル/電極を通じて行っ
た。清潔で、無臭で、湿潤した常温空気からなる一定の
気流を、刺激システムのチャネルを通じて連続的に通過
させた。刺激物質を、プロピレングリコールで希釈し、
湿潤した空気と混合し、そしてカテーテル/電極を通じ
て1から2秒間一吹きした。この投与により、鼻腔に約
25ピコグラムのステロイドが供給されると見積られる。
この研究の結果は図9に示されている。ミリボルト−
秒(mV X S)で測定した局所電位(脱分極)では、反応
は負変化である。△4,16−アンドロスタジエン−3−オ
ンは、女性において、ほかの試験された化合物より著し
く強いVNO反応を引き出した(図9a)。さらに、△4,16
−アンドロスタジエン−3−オンに対するVNO反応は性
的に二相であり、男性より女性の方が2倍強い(図9
B)。対して、チョウジのような強い香気物質に較べ、O
E反応は、男性および女性の両方共に低い(図9C)。
実施例17−ヒトVNOおよび嗅上皮に対するエストレン刺
激の電気生理学 ヒト鋤鼻器官(VNO)および嗅上皮(OE)からの局所
電位を記録するために、非侵襲方法が使用されている。
両方の鼻構造に、特別に設計された多チャネル物質伝送
システムに連結するカテーテル/電極を用いて、種々の
場合において局所ガス刺激を与えた。VNOおよびOEの局
所反応は刺激物の濃度と相互関係を示した。
研究は、臨床上正常である(スクリーニングされた)
の志望者10人(男性2人、女性8人;年齢が18から85
才)で行った。研究は、全身麻酔および局所麻酔をせず
に行った。
カテーテル/電極は、その位置に配置される刺激物を
送達すると同時に反応を記録するように設計された。VN
Oを記録する場合、被験者の右鼻窩を鼻鏡を用いて検査
し、鋤鼻の開口部は、鋤骨の前端および鼻床の交差部分
に近い点に限られた。カテーテル/電極をVNO−開口部
を通じてゆっくりと駆動し、この電極の先端をこの器官
の管腔の開口部より1から3mmのところに置くことにし
た。その後、鼻鏡を取り外した。OEの場合では、このカ
テーテル/電極を中央鼻涙管の外側部にゆっくりと深く
置き、嗅覚粘膜に到達させること以外、記録の方法は類
似である。
局所ガス刺激はこのカテーテル/電極を通じて行っ
た。清潔で、無臭で、湿潤した常温空気からなる一定の
気流を、刺激システムのチャネルを通じて連続的に通過
させた。刺激物質を、プロピレングリコールで希釈し、
湿潤した空気と混合し、そしてカテーテル/電極を通じ
て1から2秒間一吹きした。この投与により、鼻腔に約
25ピコグラムのステロイドが供給されると見積られる。
この研究の結果は図10に示されている。ミリボルト−
秒(mV X S)で測定した局所電位(脱分極)では、反応
は負変化である。1,3,5(10),16−エストラテトラエン
−3−オールは、男性において、ほかの試験された化合
物より著しく強いVNO反応を引き出した(図10A)。1,3,
5(10)−エストラトリエン−3,16α,17β−トリオール
も強いVNO反応を誘導した。さらに、この2つのエスト
レンに対するVNO反応は性的に二相であり、女性より男
性の方がおよそ4倍強い(図10B)。対して、チョウジ
のような強い香気物質に較べ、OE反応は、男性および女
性の両方共に低い(図10C)。
実施例18−アンドロスタ−4,16−ジエン−3−オンを含
有する芳香剤およびアンドロステノールを含有する芳香
剤に誘導された局部電位の変化の比較 アンドロスタジエノンで処方した芳香剤(4マイクロ
グラム/ml)と、ブタフェロモンであるアンドロステノ
ールを含有する市販の芳香剤(ロンドン、サンフランシ
スコ、カリフォルニアのDinelyが製造したLydia)(2
ミリグラム/ml)とを、別々に6人の女性の志望者のVNO
および嗅上皮に投与した。これらの芳香剤を、前記実施
例16と17に記載のカテーテル−電極装置および方法を用
いて投与した。両芳香の投与容量は約10ナノリットルで
あった。よって、アンドロスタジエノンおよびアンドロ
ステノールの投与量はそれぞれ約30ピコグラムおよび約
15ミリグラムであった。各投与による局所電位の変化
は、別々に、嗅感覚上皮(電気嗅覚グラム(electroolf
actogram−“EOG"))またはVNO感覚上皮(電気鋤鼻グ
ラム(electrovomeonasogram−“EVG"))から記録し
た。図11はこれらの変化の平均値および標準偏差を示す
(脱分極は絶対変化として表される)。
図11Aは、アンドロスタジエノンを含有する芳香が、
試験された全ての被験者におけるVNOの感覚上皮のレセ
プターに対し顕著な効果を有するのに対して、アンドロ
ステノールを含有する芳香剤の効果は小さいことを示
す。対して、図11Bは、量芳香剤が、嗅上皮の感覚上皮
レセプターを同様の程度で刺激することを示す。これ
は、香気物質およびヒトフェロモンを含有する芳香剤は
嗅覚の感覚および鋤鼻の感覚器官の両方を刺激すること
と、これに対して動物フェロモンを含有する芳香剤は嗅
覚の感覚しか刺激しないこととを証明する。
実施例19−ヒト鋤鼻器官および嗅覚上皮の感覚上皮レセ
プターに対するヒトおよび動物のフェロモンおよび一般
的な香気物質の効果 ヒトのフェロモンであるアンドロスタ−4,16−ジエン
−3−オンおよび1,3,5(10),16−エストラテトラエン
−3−オールと、いくつの動物フェロモン、すなわち、
シベトン(ジャコウネコ)、ムスコン(ジャコウジ
カ)、およびアンドロステノンおよびアンドロステノー
ル(ブタ)、およびいくつかの一般に使われている主な
香気物質、すなわち、トナリッド(Tonalid)、スカト
ールおよび1−カルボンとを、女性6人および男性9人
の志望者において、ヒトのVNOおよび嗅上皮(OE)の感
覚上皮レセプターの脱分極(合計)を誘導するそれらの
能力について比較した。各物質は、実施例16と17に記載
の組み合わせたカテーテル電極装置を用いて投与した。
全ての物質を等量モル濃度に希釈し、そして各投与では
約0.1ピコモルを送達した。図12はこれらの脱分極変化
(絶対変化として表される)の平均値および標準偏差を
示す。
図12Aは、投与された全ての物質中で、アンドロスタ
−4,16−ジエン−3−オールのみが女性において5mV X
Sより大きい反応を誘導することを示す。図12Bは、投与
された全ての物質中で、1,3,5(10),16−エストラテト
ラエン−3−オールのみが男性において5mV X Sより大
きい反応を誘導することを示す。対して、図12Cおよび1
2Dは、動物フェロモンおよび香気物質が嗅覚の反応を誘
導するのに対し、2つのヒトフェロモンは誘導しないこ
とを示す。さらに、男性および女性志望者の嗅覚の反応
には、性的二相が見られない。これは、動物フェロモン
はヒトにおける嗅覚物質であり得るのに対し、ヒトフェ
ロモンのみがヒト鋤鼻の感覚を刺激し得ることを証明す
る。
本発明の目的は、本明細書中に記載の組成物を提供す
ることにより既に達成されたことが、当業者に明らかで
ある。本発明の趣旨から逸脱することな、フェロモンの
構造およびフェロモンを含有する組成物に対する各種の
改変がなされ得る。さらに、この出願に開示されたいく
つかの組成物の特徴が、ほかの組成物の特徴と共に使用
され得る。従って、本発明の範囲は、添付した請求の範
囲の術語およびこれに相当する法律用語によって決めら
れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C11B 9/00 C11B 9/00 U (56)参考文献 特開 平2−295916(JP,A) 1.Chem.Signals Ve rtebr.5(1990)p.34−47”Q uantification of o durous 16−androsten e steroids in vert ebrates" 2.Perfumery:The P sychology and Biol ogy of Fragrance; 1988,Van Toller et a l.,p.47−75”The Signi ficance of Odorous Steroids in Auxil lary odour”,Chapma n X Hall 3.Chemical Abstra cts Vol.99:64581 4.Chemical Abstra cts Vol.111:50616 5.Chemical Abstra cts Vol.108:69177 6.Chemical Abstra cts Vol.101:66244 7.Chemical Abstra cts Vol.95:184547 8.Chemical Abstra cts Vol.82:165215 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11B 9/00 A61K 7/46

Claims (27)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】香気物質およびヒトにおけるVNOレセプタ
    ーを刺激する化合物を含有する非治療的芳香組成物であ
    って、該化合物が、以下の式を有する少なくとも1種類
    の16−アンドロステンステロイド: ここで、R1はオキソ、α−(β−)ヒドロキシ、α−
    (β−)アセトキシ、α−(β−)プロピオノキシ、α
    −(β−)メトキシ、α−(β−)低級アシルオキシ、
    α−(β−)低級アルキルオキシ、およびα−(β−)
    ベンゾイルオキシでなる群から選択される;R2は、水
    素、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、
    メチル、ヒドロキシメチル、アシルメチル、アシルオキ
    シメチル、アルコキシメチル、低級アルキル、ヒドロキ
    シアルキル、アシルアルキル、アシルオキシアルキル、
    およびアルコキシアルキルでなる群から選択される;そ
    して「a」および「b」は必要に応じて二重結合に変更
    し得る部位であり、 および、以下の式を有する少なくとも1種類のエストレ
    ンステロイド: ここで、R4は水素、アルキル、オキソ、α−ヒドロキ
    シ、β−ヒドロキシ、スルフェート、シピオネート、ア
    セテート、およびグルクロニドでなる群から選択され
    る;R5は、水素、α−ヒドロキシおよびβ−ヒドロキシ
    からなる群から選択される;R6は、水素、低級アルキ
    ル、ベンゾイル、シピオニル、アセチル、グルクロニ
    ド、低級アシル、プロピオニル、およびスルフェートで
    なる群からされる;そして「c」は必要に応じて二重結
    合である; を包含し、該化合物が、ヒト被験者において約5mVXS以
    上のインビボ鋤鼻器官負レセプター結合電位を生じる、
    非治療的芳香組成物。
  2. 【請求項2】前記負レセプター結合電位が、約10mVXS以
    上である、請求項1に記載の芳香組成物。
  3. 【請求項3】前記化合物が、4,16−アンドロスタジエン
    −3−オン、1,3,5(10),16−エストラテトラエン−3
    −オールおよびそれらの混合物でなる群から選択され
    る、請求項1に記載の芳香組成物。
  4. 【請求項4】前記芳香組成物中の前記化合物の濃度が、
    少なくとも約100ng/mlであるが、約100μg/ml以下であ
    る、請求項3に記載の芳香組成物。
  5. 【請求項5】前記芳香組成物中の前記化合物の濃度が、
    少なくとも約1μg/mlであるが、約25μg/ml以下であ
    る、請求項4に記載の芳香組成物。
  6. 【請求項6】前記組成物が、皮膚への外用剤として製剤
    化される、請求項3に記載の芳香組成物。
  7. 【請求項7】前記組成物が、香水である、請求項6に記
    載の芳香組成物。
  8. 【請求項8】香気物質および以下の式を有する16−アン
    ドロステンステロイドでなる群から選択される少なくと
    も1種類のヒトにおけるVNOレセプターを刺激して、約5
    mVXS以上のインビボ鋤鼻器官負レセプター結合電位を生
    じる化合物を含む、芳香組成物: ここで、R1はオキソ、α−(β−)ヒドロキシ、α−
    (β−)アセトキシ、α−(β−)プロピオノキシ、α
    −(β−)メトキシ、α−(β−)低級アシルオキシ、
    α−(β−)低級アルキルオキシ、およびα−(β−)
    ベンゾイルオキシでなる群から選択される;R2は、水
    素、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、
    メチル、ヒドロキシメチル、アシルメチル、アシルオキ
    シメチル、アルコキシメチル、低級アルキル、ヒドロキ
    シアルキル、アシルアルキル、アシルオキシアルキル、
    およびアルコキシアルキルでなる群から選択される;そ
    して「a」および「b」は二重結合に変更し得る部位で
    あり、ここで該化合物は、アンドロステノールまたはア
    ンドロステノンではない。
  9. 【請求項9】以下の式を有する16−アンドロステンステ
    ロイドでなる群から選択される少なくのも1種類の、香
    りを有しかつヒトにおけるVNOレセプターを刺激して、
    約5mVXS以上のインビボ鋤鼻器官負レセプター結合電位
    を生じる化合物を含む、芳香組成物: ここで、R1はオキソ、α−(β−)ヒドロキシ、α−
    (β−)アセトキシ、α−(β−)プロピオノキシ、α
    −(β−)メトキシ、α−(β−)低級アシルオキシ、
    α−(β−)低級アルキルオキシ、およびα−(β−)
    ベンゾイルオキシでなる群から選択される;R2は、水
    素、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、
    メチル、ヒドロキシメチ、アシルメチル、アシルオキシ
    メチル、アルコキシメチル、低級アルキル、ヒドロキシ
    アルキル、アシルアルキル、アシルオキシアルキル、お
    よびアルコキシアルキルでなる群から選択される;そし
    て「a」および「b」は二重結合に変更し得る部位であ
    り、ここで該化合物は、アンドロステノールまたはアン
    ドロステノンではない。
  10. 【請求項10】前記芳香組成物中の前記化合物の濃度
    が、少くなとも約100ng/mlであるが、約100μg/ml以下
    である、請求項8または9に記載の芳香組成物。
  11. 【請求項11】前記芳香組成物中の前記化合物の濃度
    が、少なくとも約1μg/mlであるが、約25μg/ml以下で
    ある、請求項10に記載の芳香組成物。
  12. 【請求項12】前記組成物が、皮膚への外用剤として製
    剤化される、請求項8または9に記載の芳香組成物。
  13. 【請求項13】前記組成物が、香水である、請求項12に
    記載の芳香組成物。
  14. 【請求項14】香気物質および以下の式を有するエスト
    レンステロイドでなる群から選択される少なくとも1種
    類のヒトにおけるVNOレセプターを刺激して、約5mVXS以
    上のインビボ鋤鼻器官負レセプター結合電位を生じる化
    合物を含む、芳香組成物: ここで、R4は、水素、アルキル、オキソ、α−ヒドロキ
    シ、β−ヒドロキシ、スルフェート、シピオネート、ア
    セテート、およびグルクロニドでなる群から選択され
    る;R5は、水素、α−ヒドロキシ、およびβ−ヒドロキ
    シでなる群から選択される;R6は、水素、低級アルキ
    ル、ベンゾイル、シピオニル、アセチル、グルクロニ
    ド、低級アシル、プロピオニル、およびスルフェートで
    なる群から選択される;そして「c」は必要に応じて二
    重結合である。
  15. 【請求項15】以下の式を有するエストレンステロイド
    でなる群から選択される少なくとも1種類の、香りを有
    しかつヒトにおけるVNOレセプターを刺激して、約5mVXS
    以上のインビボ鋤鼻器官負レセプター結合電位を生じる
    化合物を含む、芳香組成物: ここで、R4は水素、アルキル、オキソ、α−ヒドロキ
    シ、β−ヒドロキシ、スルフェート、シピオネート、ア
    セテート、およびグルクロニドでなる群から選択され
    る;R5は、水素、α−ヒドロキシ、およびβ−ヒドロキ
    シでなる群から選択される;R6は、水素、低級アルキ
    ル、ベンゾイル、シピオニル、アセチル、グルクロニ
    ド、低級アシル、プロピオニル、およびスルフェートで
    なる群から選択される;そして「c」は必要に応じて二
    重結合である。
  16. 【請求項16】前記芳香組成物中の前記化合物の濃度
    が、少なくとも約100ng/mlであるが、約100μg/ml以下
    である、請求項14または15に記載の芳香組成物。
  17. 【請求項17】前記芳香族組成中の前記化合物の濃度
    が、少なくとも約1μg/mlであるが、約25μg/ml以下で
    ある、請求項16に記載の芳香組成物。
  18. 【請求項18】前記組成物が、皮膚への外用剤として製
    剤化される、請求項14または15に記載の芳香組成物。
  19. 【請求項19】前記組成物が香水である、請求項18の芳
    香組成物。
  20. 【請求項20】前記16−アンドロステンが、4,16−アン
    ドロスタジエン−3−オンであり、そして前記エストレ
    ンが、1,3,5(10),16−エストラテトラエン−3−オー
    ルである、請求項1に記載の芳香組成物。
  21. 【請求項21】前記芳香組成物中の前記化合物の濃度
    が、少なくとも約100ng/mlであるが、約100μg/ml以下
    である、請求項20に記載の芳香組成物。
  22. 【請求項22】前記芳香組成物中の前記化合物の濃度
    が、少なくとも約1μg/mlであるが、約25μg/ml以下で
    ある、請求項21に記載の芳香組成物。
  23. 【請求項23】前記組成物が、皮膚への外用剤として製
    剤化される、請求項20に記載の芳香組成物。
  24. 【請求項24】前記組成物が、香水である、請求項23に
    記載の芳香組成物。
  25. 【請求項25】請求項8で特定化される16−アンドロス
    テンステロイドまたは請求項14で特定化されるエストレ
    ンステロイドから選択される少なくとも1つの化合物
    を、ヒトVNOレセプターを刺激して、約5mVXS以上のイン
    ビボ鋤鼻器官負レセプター結合電位を生じるのに効果的
    な量含有する繊維質材料。
  26. 【請求項26】さらに香気物質を含有する請求項25に記
    載の繊維質材料。
  27. 【請求項27】請求項8で特定化される16−アンドロス
    テンステロイドまたは請求項14で特定化されるエストレ
    ンステロイドから選択される少なくとも1つの化合物
    を、ヒトVNOレセプターを刺激して、約5mVXS以上のイン
    ビボ鋤鼻器官負レセプター結合電位を生じるのに効果的
    な量含有する身体ケア製品。
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