JP3120918B2 - 内燃機関用ピストン - Google Patents

内燃機関用ピストン

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JP3120918B2
JP3120918B2 JP05058000A JP5800093A JP3120918B2 JP 3120918 B2 JP3120918 B2 JP 3120918B2 JP 05058000 A JP05058000 A JP 05058000A JP 5800093 A JP5800093 A JP 5800093A JP 3120918 B2 JP3120918 B2 JP 3120918B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧力リングが装着され
る圧力リング溝と、オイルリングが装着されるオイルリ
ング溝とを有する内燃機関のピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のピストン外周面には、燃焼室
側から順に1乃至2本の圧力リングと通常1本のオイル
リングを装着するためのピストンリング溝が設けられ、
ピストンの燃焼室側端部と第1リング溝との間にファー
ストランドが、第1リング溝と第2リング溝との間にセ
カンドランドが、第3リング溝がある場合は第2リング
溝と第3リング溝との間にサードランドが形成される。
つまり、圧力リングが1本でオイルリングが1本、合計
2本のリングを備えた2本リングタイプの場合は、セカ
ンドランドの下側に、又圧力リングを2本、オイルリン
グを1本備えた3本リングタイプの場合は、サードラン
ドの下側にオイルリング溝が位置することになる。
【0003】さて、オイルリング溝の直上のランドとこ
れに対向するシリンダ内壁面及びその両側のピストンリ
ングとで囲まれた空間(セカンドランド空間あるいはサ
ードランド空間と呼ばれる)容量が少ないと、掻き落さ
れたオイルにより圧力が高くなり、オイルの燃焼室側へ
の漏れが生じ、オイル消費が大きくなる。この傾向は2
本リング型で特に顕著である。
【0004】さらに、オイルリング溝直上のランド空間
の圧力が急に下ると、オイルリングの合口を介してこの
空間にオイルを吸上げ、オイル圧を上げ、オイル消費が
増大し、又この空間の圧力が急に大きくなると、その直
上にある圧力リングを持上げ、その圧力リングのシール
性を悪くする。
【0005】そこで、このランド空間の急激な圧力変動
を防止するため、従来より、オイルリング溝直上では、
図9に示す如く、このランド21のランド面にオイルリ
ング溝22側で中心線側に凹入するような段差3を設
け、この段差から下を一様な深さにカットしてランド空
間を増大させることが行なわれているが、このようにオ
イルリング溝22の上側でランドを一様な深さにカット
した場合は、オイルリング溝22の上側壁の長さ(T方
向)がシリンダ側で減少し、オイルリングが上下サイド
レールとスペーサエキスパンダとより成るスリーピース
型の場合、上レールの座りが悪くなり、シール性が悪く
なる。又、段差部23から下を一様な深さにカットした
場合は、この空間に溜ったオイルがブローバイガスによ
って吹き下げられにくい欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の内燃
機関のピストンの上述の欠点を除去した、オイルリング
溝直上のランド空間の急激な圧力変動を防止し、しかも
スリーピンスタイプのオイルリングを使用した場合に
も、オイルリングの上側サイドレールの座りが悪くなら
ず、この空間に溜ったオイルをブローバイガスにより吹
下げてオイルパンに戻りやすくしたピストンを提供する
ことを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるピストン
は、上記の課題を解決するため、オイルリング溝の直上
のランドに、該ランドの中間部より下方で、該ランドの
下端に掛らない範囲に、下から上に行くに従って深さが
零から漸次深くなる断面が略くさび状の環状溝状空間を
設けたことを特徴とする。
【0008】
【作用】オイルリング直上のピストンランドに上記の如
き断面形状の環状溝状空間を設けたことにより、ランド
空間容積が大きくなり、この部分の圧力変動が小さくな
ることは従来の段差付きランドを有するピストンと同様
であるが、溝状空間が、ランドの中間部より下方で、ラ
ンドの下端に掛らない範囲に上に行くに従って零から漸
次深くなる断面形状とされているので、オイルリング溝
の上側側壁が上記の溝によって半径方向の幅が減少する
こともなく、又下方からの圧力によって変形することも
なく、その結果、オイルリングがスリーピースタイプの
場合も、上側サイドレールの座りが悪くなることは確実
に防止される。
【0009】又、ランド部にオイル溜りができるが、そ
の断面形状が下方に行くに従って漸次浅くなり、ピント
レ円周面に一致しているので、ブローバイガスによっ
て、オイル溜りに溜ったオイルが容易にオイルリング溝
の方へ吹き下げられ、オイルアップを防止することがで
き、その結果、オイル消費を極めて少くすることができ
る。
【0010】圧力リングが2本とオイルリングが1本装
着されるピストンの場合、トップリング溝とセカンドリ
ング溝との間のセカンドリングにも、上記のオイルリン
グ溝直上のランドに設けたくさび状断面の環状溝と同様
の断面形状の環状溝状空間を設けることにより、セカン
ドリングから上方に洩れるオイルのオイル溜り空間が形
成され、その断面形状から、その空間に溜ったオイルが
ブローバイガスにより下方に吹き下げられ易くなり、オ
イルアップ防止作用が一層顕著になる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の実施例を、図面に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明を2本リングタイプのピ
ストンに適用した実施例を示す図であり、図2は、本発
明を3本リングタイプのピストンに適用した実施例を示
す図である。
【0012】3本リングタイプのピストンについて、図
2を参照して説明すると、ピストン1は、トップリング
2、セカンドリング3の2本の圧力リングとスリーピー
スタイプのオイルリング4とをその外周面に設けたトッ
プリング溝5、セカンドリング溝6及びオイルリング溝
7に装着可能とされている。
【0013】セカンドランド10とサードランド10′
には、夫々トップリング溝5とセカンドリング溝6から
下方に離れた中間点から下方で、夫々のランドの下端に
掛らない範囲に、下から上に行くに従って深さが零から
漸次深くなる断面が三角形状の即ち略くさび状の環状溝
11、11′が設けられている。図2に示す実施例で
は、環状溝11、11′の上面は半径方向に拡がる水平
面となっており、テーパ面12、12′の下端はランド
10、10′の下端より上方でピストン外周面に収れん
している。
【0014】図1に示す2本リングタイプのピストンに
対する実施例は、上述の3本リングタイプのピストン
の、セカンドリング3、セカンドリング溝6、セカンド
ランド10を省略したものに相当する。
【0015】上記のオイルリング溝直上のランド及びト
ップリング直下のランドに設ける環状溝11、11′の
断面形状は、図3に示す如く上面を円弧状にしたもの、
図4に示す如くテーパ面の下端がランドの下端で、ピス
トン外周面に収れんするもの、テーパ面12、12′の
上方13、13′をピストン外周面に平行にしたもの、
あるいは、図6に示す如くテーパ面12、12′を中間
部で外方に突出した円弧状とする等種々の形状が採用可
能であり、同様の作用、効果が得られる。又、オイルリ
ング溝直上のランド及びトップリング溝直下のランドに
夫々形成される環状溝の断面形状が互いに異っても差支
えない。
【0016】以上の如く構成したことにより、作用の項
で説明したように、オイルアップが防止され、オイル消
費を顕著に減少させることが可能となった。本発明の実
施例と従来のピストンについて、ランドボリューム割合
を変化させた場合のオイル消費率の変化を、1.6リット
ル×φ76×L4エンジンで、高速高負荷運転時(4/
4×6000rpm )について計測した結果の比較を図7
に示す。図中の従来カット品は、図9で説明した段差部
23から下方を一様な深さにカットしたものであり、本
発明品は図1に示す2本リングに本発明を適用した実施
例である。なお、ランドボリューム割合とは、溝11の
容積の、溝のない場合のランド空間容積に対する割合を
云う。
【0017】図7より判るように、ランドボリューム割
合が80%の場合、オイル消費率が従来のカット品で約
60%であったものが、本発明品では約30%になり、
又ランドボリューム割合が100%になると、従来品で
約50%であったものが本発明品では約17%と顕著に
向上する。
【0018】次に、従来の3本リング仕様ピストンと、
図2に示す本発明を適用した3本リング仕様ピストンを
用いて、2リットル×φ86×L4のエンジンを用いて
高速高負荷(4/4×6000rpm )運転を行なった結
果のあるランドボリューム割合でのオイル消費量の比較
を図8に示す。この図より判る如く、本発明のピストン
は従来例の約40%のオイル消費量であった。
【0019】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、オイルリ
ング溝の直上のランドに、あるいは、さらにトップリン
グ溝の直下のランドに、ランドの下端に掛らない範囲に
上に行く程漸次深くなる断面がくさび状の環状溝状空間
を形成したことにより、オイル消費の顕著な低減を達成
することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のピストンの断面図である。
【図2】本発明の他の実施例のピストンの断面図であ
る。
【図3】本発明によりオイルリング溝直上又はトップリ
ング溝直下のランドに設ける環状溝状空間の断面形状の
他の例を示す断面図である。
【図4】上記環状溝状空間の断面形状のさらに他の例を
示す断面図である。
【図5】上記環状溝状空間の断面形状のさらに他の例を
示す断面図である。
【図6】上記環状溝状空間の断面形状のさらに他の例を
示す断面図である。
【図7】本発明のピストンによるランドボリューム割合
に対するオイル消費率曲線を示す曲線図である。
【図8】本発明のピストンのオイル消費量を従来品と比
較して示すグラフ図である。
【図9】従来のピストンのランド部に形成されたオイル
溜り空間の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ピストン 2 トップリング 3 セカンドリング 4 オイルリング 5 トップリング溝 6 セカンドリング溝 7 オイルリング溝 8 トップランド 9 シリンダ 10 セカンドランド 10′ サードランド 11、11′ 環状溝状空間 12、12′ テーパ面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭58−165238(JP,U) 実開 昭62−66248(JP,U) 実開 平6−63849(JP,U) 実開 昭62−122153(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力リングが装着される圧力リング溝
    と、オイルリングが装着されるオイルリング溝とを有す
    る内燃機関用ピストンにおいて、 上記のオイルリング溝の直上のランドに、下から上に行
    くに従って深さが零から漸次直線的に深くなる断面が
    角形の環状溝状空間を前記ランドの上部にピストン径相
    当部を残した形で一つ設けたことを特徴とするピスト
    ン。
  2. 【請求項2】 圧力リング溝を2条有し、トップリング
    溝直下のセカンドランドにも、下から上に行くに従って
    深さが零から漸次直線的に深くなる断面が三角形の環状
    溝状空間を前記ランドの上部にピストン径相当部を残し
    た形で一つ設けたことを特徴とする請求項1に記載のピ
    ストン。
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