JP3120622B2 - メタルガスケット - Google Patents

メタルガスケット

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JP3120622B2
JP3120622B2 JP05079111A JP7911193A JP3120622B2 JP 3120622 B2 JP3120622 B2 JP 3120622B2 JP 05079111 A JP05079111 A JP 05079111A JP 7911193 A JP7911193 A JP 7911193A JP 3120622 B2 JP3120622 B2 JP 3120622B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は真空フランジ用のメタル
ガスケットに関し、特に、高温での信頼性を高めて品質
を向上させたメタルガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、10-5Pa(10-7Torr)
以下の超高真空領域で使用する真空装置では、静止箇所
であるフランジ継手部分のシールを行うために銅,アル
ミ,金等から成るメタルガスケットが使用されている。
このメタルガスケットは、高い真空度を提供できること
からコンフラットタイプのフランジと組み合わせて使用
されることが多く、材質としては無酸素銅が広く用いら
れている。
【0003】図7には、上記したコンフラットタイプの
フランジとメタルガスケットを組み合わせたシール機構
が示されている。このシール機構は、ナイフエッジ3を
有する2つのフランジ2の間にメタルガスケット1を配
置させてシール機能を発揮させたものであり、フランジ
2をボルト4とナット5で締め付けて、フランジ2のナ
イフエッジ3をメタルガスケット1の表面に押し込み、
メタルガスケット1とナイフエッジ3の接触面に高い面
圧を発生させることによって、高い気密性を得るように
なっている。
【0004】一方、このような超高真空装置は、通常、
到達圧力を改善するために、容器と排気系を予め加熱し
て表面に吸着している水,油,及びガス分子を除去する
ベーキング処理を行っている。これを装置を組み上げた
状態で排気しながら行うと、より効果的に吸着分子を除
去することができる。一般的なベーキング処理の温度は
150〜300℃程度であるが、到達圧力をより低圧に
するためには高温に加熱することが必要であり、500
℃を越える温度でベーキング処理が行われている。この
ため、装置を組み上げ、排気しながらこのような高温で
のベーキング処理を行う場合、装置のフランジ継手部に
用いられるメタルガスケットは高温下でも十分な気密性
を保持する特性が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の無酸素
銅を用いたメタルガスケットでは、材料である無酸素銅
の軟化温度が低いため、300℃を越える温度でベーキ
ング処理を行うと、メタルガスケットが軟化してフラン
ジとの接触面に働く面圧が低下し、リークが生じる恐れ
がある。このため、排気しながらベーキング処理する
と、リークの発生によって外部からガスが侵入し、効果
的に吸着分子を除去することができなくなるという不都
合がある。また、たとえリークに至らなくてもメタルガ
スケットの軟化によってフランジとの間に緩みが生じる
ため、ベーキング処理後にフランジ継手部を増し締めす
る作業が必要になる。
【0006】また、前述したように、到達圧力をより低
圧にするために500℃を越える温度でベーキング処理
すると、フランジとメタルガスケットの間で原子の拡散
が起こり、両者が接着してしまう現象が生じる。このよ
うにメタルガスケットとフランジが接着してしまうと、
フランジの開閉ができなくなり、ベーキング処理後の作
業に困難が生じる。
【0007】従って、本発明の目的は300〜500℃
を越える高温でベーキング処理を行っても、リークやフ
ランジとの接着を防ぐことができるメタルガスケットを
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点に鑑
み、300〜500℃を越える高温でベーキング処理を
行っても、リークやフランジとの接着を防ぐため、酸素
含有量が10ppm以下の銅にジルコニウム,クロム,
ハフニウムの中から選ばれた少なくとも1種を0.01
〜1重量%添加した銅合金の表面に、厚さ10〜50n
mの窒化チタン層,又は窒化クロム層を形成したメタル
ガスケットを提供するものである。
【0009】無酸素銅(酸素含有量10ppm以下)に
ジルコニウム,クロム,ハフニウムの中から選ばれた少
なくとも1種を添加する理由は、軟化温度を高くしてベ
ーキング処理時のメタルガスケットの軟化を防ぐためで
ある。銅に添加されたときその銅合金の軟化温度が高く
なる添加元素として、この他にインジウム,カドミウ
ム,スズ等があるが、これらはそれ自身の融点が低いた
め、加熱したときにメタルガスケットとフランジの融着
を引き起こす恐れがあって適当ではない。このため、上
記元素,或いはこれらに加えてチタン,銀等を用いるの
が適当である。これらの元素は活性なものが多いため、
ベースとなる銅中に含まれる酸素等の不純物の影響を受
けやすく、従って、銅中の酸素濃度を10ppm以下に
抑える必要がある。
【0010】また、元素の添加量を0.01〜1重量%
とする理由は、0.01重量%以下では、軟化温度を十
分に高めることができず、また、1重量%以上では、添
加量に対する軟化温度の上昇率が低下すると共に、フラ
ンジで締め付けた際に潰れ難くなる等の不都合が生じる
からである。
【0011】更に、上記元素を添加した銅合金の表面
に、厚さ10〜50nmの窒化チタン層,又は窒化クロ
ム層を形成する理由は、ベーキング処理時のフランジと
の接着を防ぐためである。すなわち、両者の界面に窒化
チタン層,又は窒化クロム層を形成して原子の拡散を妨
げるようにしている。また、厚さを10〜50nmにし
た理由は、被覆厚が薄すぎると、原子の拡散を妨げるこ
とができず、また厚すぎると、フランジとの接触面での
気密性を低下させる恐れがあるからである。
【0012】
【実施例】以下、本発明のメタルガスケットについて添
付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】図1,及び図2には、本発明の一実施例に
係るメタルガスケット1の構造が示されている。このメ
タルガスケット1は、酸素含有量10ppm以下の無酸
素銅にジルコニウム,クロム,ハフニウムの少なくとも
1種を0.01〜1重量%添加した銅合金11と、その
表面に形成された厚さ10〜50nmの窒化チタン,或
いは窒化クロム等の被覆層12より構成されている。
【0014】以上の実施例において、銅合金11として
無酸素銅にジルコニウムを0.05重量%添加した銅合
金インゴットを製造し、熱間圧延と冷間圧延して厚さ2
mmの板材を本発明品として得た。
【0015】一方、無酸素銅にジルコニウムを0.00
9重量%添加して同様に板材としたものを比較品1,添
加元素が含まれない無酸素銅を同様に板材としたものを
比較品2とした。
【0016】次に、上記3種(本発明品,比較品1,
2)の板材から20mm×20mmの試験片を採取し、
200〜700℃の温度で1時間加熱し、加熱後の硬度
を測定した。
【0017】図3には、その測定結果が示されている。
これから判るように、比較品1,2は300℃で軟化し
ているのに対し、無酸素銅にジルコニウムを0.05重
量%添加した本発明品は、600℃まで軟化せず、耐熱
性が良好になっている。
【0018】更に、本発明品と比較品2(無酸素銅)の
板材から外径48.2mm,内径37.0mmのリング
状にプレス打抜きしてメタルガスケットを製造した。こ
れらのメタルガスケットを排気用の配管を溶接したフラ
ンジと盲フランジの間の接続に用い、接続した状態で5
00℃×1時間の加熱を行った。加熱後、ヘリウムリー
クディテクターを用いてリークの有無を調べ、リークが
生じるまで加熱を繰り返した。その結果、比較品2のメ
タルガスケットが57回目の加熱でリークが発生したの
に対し、本発明品のメタルガスケットは223回目の加
熱でリークが発生した。これから判るように、本発明品
のガスケットは加熱時の耐リーク性が高くなっている。
【0019】このように耐熱性と耐リーク性が向上した
理由は、次のように考えられる。すなわち、本発明品は
銅にジルコニウムを0.05重量%添加しているが、ジ
ルコニウムは、図4に示すように、銅に添加したときに
その銅合金の軟化温度を高くする。また、ハフニウム,
チタン,クロム,銀等も同様の効果があるため、本発明
品に適用することができる。一方、インジウム,カドミ
ウム,スズ等も軟化温度が高いことを示しているが、こ
れらはそれ自身の融点が低いため、加熱したときガスケ
ットとの融着を引き起こす恐れがあり適当ではない。
【0020】次に、本発明品のメタルガスケットの表面
をイオンプレーディング処理し、厚さ10nmの窒化チ
タン層を形成した。また、この本発明品と比較するため
に、無酸素銅にジルコニウムを0.05重量%添加した
メタルガスケットの表面に上記方法で厚さ200nmの
窒化チタン層を形成したメタルガスケットと、同一の銅
合金にイオンプレーディング処理をしていないメタルガ
スケットを製造した。これらのガスケットをフランジ間
の接続に用い、接続した状態で600℃×24時間の加
熱を行った。その結果、被覆層がないものはフランジと
の接着が生じたに対し、被覆層を形成したものは接着が
生じなかった。また、厚さを200nmにしたメタルガ
スケットについてはリークの発見が見られた。以上の結
果から判るように、被覆層の形成は接着防止の効果を奏
するが、被覆厚が厚すぎると気密性の低下を招くことに
なる。
【0021】以上述べた実施例は、コンフラットタイプ
のフランジによるシール機構について説明したが、本発
明のメタルガスケットは、図5に示すようなSF(コン
プレッションシール)型フランジ6,或いは図6に示す
ようなCS(ホイラー)型フランジ7についても同様の
効果を奏することができる。SF型フランジ6では、ガ
スケット溝6aの一部が斜面となっており、この部分で
メタルガスケット1を押し潰して面圧を発生させる。一
方、CS型フランジ7では、メタルガスケット1の断面
形状は平角ではなく、丸型のリング形状となるが、フラ
ンジ7の2つの斜面7a,及び垂直面7bで面圧を発生
させてシールする構成になっている。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のメタルガ
スケットによると、酸素含有量が10ppm以下の銅に
ジルコニウム,クロム,ハフニウムの中から選ばれた少
なくとも1種を0.01〜1重量%添加した銅合金の表
面に、厚さ10〜50nmの窒化チタン層,又は窒化ク
ロム層を形成したため、300〜500℃を越える高温
でベーキング処理を行っても、リークやフランジとの接
着を防ぐことができる。従って、高温での信頼性を高め
て品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す説明図。
【図2】本発明の一実施例を示す断面図。
【図3】ジルコニウム添加量と軟化特性の関係を表すグ
ラフ。
【図4】主な元素を銅に添加したときの軟化温度の変化
を表すグラフ。
【図5】本発明の他の実施例の使用状態を示す断面図。
【図6】本発明の他の実施例の使用状態を示す断面図。
【図7】コンフラット型フランジにおける使用状態を示
す断面図。
【符号の説明】
1 メタルガスケット 2 コンフラ
ット型フランジ 3 ナイフエッジ 4 ボルト 5 ナット 6 SF型フ
ランジ 6a ガスケット溝 7 CS型フ
ランジ 7a 斜面 7b 垂直面 11 銅合金 12 被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−263941(JP,A) 特開 平3−7793(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 F16J 15/00 - 15/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素含有量が10ppm以下の銅にジル
    コニウム,クロム,ハフニウムの中から選ばれた少なく
    とも1種を0.01〜1重量%添加した銅合金の表面
    に、厚さ10〜50nmの窒化チタン層,又は窒化クロ
    ム層を形成したことを特徴とするメタルガスケット。
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JP2008232399A (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Mitsubishi Cable Ind Ltd シール構造及びそれに用いる金属シール材
KR101078164B1 (ko) * 2010-03-11 2011-10-28 포항공과대학교 산학협력단 전자빔 발생장치 및 이를 제조하는 방법

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