JPS63207483A - チタン・アルミクラツド板の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、拡散接合法によるチタン・アルミクラッド板
の製造方法に係わり、特に両素材の接合面積が大きい場
合に好適なチタン・アルミクラッド板の製造方法に関す
る。

（従来の技術） 拡散接合法による、チタン・アルミクラッド板の製造に
関しては、既にい（つかの文献に紹介されている。

例えば、溶接技術１９８１年２月号の５４ページからの
ｒ拡散溶接によるクラツド鋼の実験」の中に、各種材料
における接合可能材料組合せ（６２ペ一ジ表１３）とし
て、チタンとアルミが挙げられているが、具体的に製造
可能性を示したものではない。

又、溶接学会誌　第４６巻（１９７７）第２号３２ペー
ジからの「チタンとアルミニウムとの拡散溶接」に関す
る研究論文では、チタンとアルミニウムの丸棒を溶接温
度６００℃で圧力を付加せず３０分以上保持すれば母材
破断する良好な拡散継手が得られることが報告されてい
る。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、前記、溶接学会誌の文献に従い、同様の加熱温
度と圧力条件で板材のチタン材とアルミ材をクラツド化
しても、素材の接合面積が３．０　ｃｄ以上のものにつ
いては、均一に接合したクラツド板を得ることができな
かった。

第１表は、その時の結果を示したものである。

拡散接合条件は、６００℃の温度で圧力（面圧）を付加
せず６０分間保持。

このように、前記文献に記載されている条件にて、チタ
ン・アルミクラッド板を製造しても、板材の場合は丸棒
とは異なり反りなどが発生し均一な接合が得られ難い。

よって、本発明の目的とするところは、拡散接合法にて
板材のチタン材とアルミ材を接合性良くクラツド化でき
るチタン・アルミクラッド板の製造方法を得ることであ
る。

（問題点を解決するための手段） 本発明者らは、拡散接合にて均一に接合されたチタン・
アルミクラッド板を得るため、その製造条件について種
々検討を行った結果、表面に清浄・活性化の予備処理を
施したチタン板とアルミ板の素材を用い、真空雰囲気中
でこれら両素材に一定の面圧を付加しつつ、一定の温度
で保持することで、反りなどが発生せず全面が均一に接
合したチタン・アルミクラッド板が得られることを見出
し、本発明を完成した。

ここに、本発明の要旨は、拡散接合法にて、チタン・ア
ルミクラッド板を製造するに際し、素材のチタン板およ
びアルミ板に表面清浄・活性化の予備処理を施した後、
両素材を重ね合わせ、真空雰囲気中で０．３ｋｇｆ／ｍ
＋ｎ”以上の面圧を付加し、５５０℃以上の温度で３０
分以上保持することを特徴とするチタン・アルミクラッ
ド板の製造方法、にある。

上記、本発明の方法は、素材のチタン板およびアルミ板
の接合面積が比較的小さく、炉中で加圧可能な程度のも
のが対象となり、特に多様な形状寸法の部材の少量生産
に好適である。

本発明の実施に際し、素材のチタン板は、硝弗酸を用い
た酸洗処理或いは研磨処理にて、素材のアルミ板は脱脂
処理或いは研磨処理にて表面清浄・活性化の予備処理を
行うのが望ましい。

接合Ｊ駐方法としては、上記のように予備処理されたチ
タン板とアルミ板とを重ねて真空炉中に装入し、所定の
真空度になった後にプレス機構又は死荷重によって面圧
を加える方法、或いはチタンとアルミを重ねて、例えば
鉄製のケースに装入し、ケース内を真空引きして封じ、
炉内の大気中で死荷重を加えるか、炉内でガス圧を加え
る方法などがある。

（作用） 以下、本発明をさらに詳細に説明する。

本発明では、素材のチタン板及びアルミ板を拡散接合さ
せる前に、まず両素材に清浄・活性化のための予備処理
を施す。

素材のチタン板については、硝弗酸による酸洗処理或い
は砥石、パフ、ベーパなどによる研磨処理にて、一方案
材のアルミ板は、脱脂処理或いは砥石、パフ、ペーパな
どによる研摩処理にて行われる。

硝弗酸は、通常用いられているものであればよく、特に
その組成は限定されない。

この予備処理は、両素材板上の汚染及び酸化皮膜を除去
し接合を促進させるものである。

予備処理を施された両素材は、重ね合わされ真空雰囲気
中で拡散接合される。

この拡散接合時の真空雰囲気は、接合面の酸化防止のた
めに必要であるが、その真空度は通常のロータリポンプ
で得られる排気程度（Ｉ　Ｘｌ０−”ｔ。

ｒｒ以下）で充分あり、本発明では特にその限界は設け
ない。

拡散接合時の条件としては、面圧、温度、保持時間が最
も重要なものであって、これら３つの条件が相互に作用
しあって、全面にわたり均一に接合されたクラツド板の
製造が可能となる。

本発明者の多数の実験結果によれば、０．３ｋｇｆ／ｍ
１１１２以上の面圧と、５５０℃以上の温度と、３０分
以上の保持時間が必要である。

即ち、接合初期に、両素材が全面に均一な接触を得るた
めには、０．３ｋｇｆ／ｍｍ”以上の面圧と、５５０℃
以上の温度が必要である。

これは、５５０℃以上の高温により素材が軟化して密着
性が良くなること、チタンとアルミの相互拡散を促進さ
れること、０．５ｋｇｆ／＋ｎｎ＋”以上の適当な面圧
により接合時素材の反りが抑制および矯正され、密着性
が良くなること、更に、冷却中のチタン材とアルミ材の
熱収縮差に起因するクラツド板としての反りの発生が防
止されること、等の理由によるものである。

又、接合初期に、両素材の接触界面で隙間が存在するが
、これを消滅させるためには、素材の接触界面間で変形
及び拡散が生じることが必要である。この変形と拡散を
充分に行わせるためにも、０．３　ｋｇｆ／ｍｍ”以上
の面圧と５５０℃以上の温度と３０分以上の保持時間が
必要である。

尚、これら条件は、特にその上限を規定するものではな
いが、アルミの融点が約６６０℃であること、アルミと
チタンの接合界面に形成される金属間化合物の過度の生
長を抑制する必要があること等から面圧については、１
　ｋｇｆ／ｍｍ２、温度及び保持時間については、それ
ぞれ６４０℃、２時間程度を上限とするのが好ましい。

本発明では、素材表面品質に関しては冷間圧延等の普通
の方法で作られた素材を用いる限り、両素材の表面粗さ
は、本発明の条件範回内で接合する場合には、特にクラ
ツド板の品質に影響を与えない。

又、これらチタン及びアルミの両素材とは、純チタン、
純アルミだけでなく、チタン合金及びアルミ合金を包含
するものである。

（実施例１） チタン・アルミクラッド板の製造条件を求めるため、第
２表に示す温度、面圧、保持時間及び予備処理の有無の
各条件で実験を行った。

用いた素材は、チタン板については市販の純チタン（Ｊ
ＩＳ　２種、０．１ｍｍ厚）及びアルミ板については市
販のアルミ合金（ＪＩＳ　１１００．０．１ｍｍ厚）で
ある。

両素材とも、冷延仕上りままの状態のものを用いた。

予備処理は、チタン板については硝弗酸（ＨＰ：３％、
ＨＮＯ３：１０％、ＨｚＯ：８７％、Ｖ、１．％）によ
る酸洗処理にて、アルミ板についてはアセトンによる脱
脂処理にて行った。

尚、第２表中の予備処理欄の○印は予備処理を実施、Ｘ
印は予備処理を行わず冷延仕上りままの状態で用いたも
のを表す。

面圧は真空炉中で死荷重を加えた。

以上の条件にて、１０−　’　ｔｏｒｒの真空度に保持
された中で拡散接合法にて、１００ｍｍ　Ｘ　７５ｍｍ
のチタン・アルミクラッド板を製造した。

このようにして得られた、チタン・アルミクラッド板の
接合状態を調べた結果を第２表に示す。

第　　　　２　　　　表 面圧をかけずに行った試料ＮＯ６１〜３では、６００℃
の温度で最大６００分保持しても、均一な接合面を有す
るクラツド板は得られなかった。即ち、一部で非接合部
が残っており、これは初期段階で両素材の接触不十分又
は素材の反りが残り均一に接触しなかったためと考えら
れる。

面圧の影響を調べた試料Ｎ００４〜６から、６００℃の
温度で３０分保持時間の条件下で、均一に接合させるた
めには、０．３ｋｇｆ／ｍｍ”以上の面圧が必要なこと
が判る。

尚、第１表、第２表で示す“均一接合”とは、接合界面
を５００倍に拡大して観察してもボイドが発生していな
いことである。

処理温度の影響を調べた試料ＮＯ，７〜Ｂから、０．３
ｋｇｆ／ｍｍ”の面圧で３０分の保持時間では、５５０
°Ｃ以上の温度が必要であることが判る。

又、その保持時間は、試料Ｎｏ、　９〜１３の結果から
みて、５５０℃の温度、０．３ｋｇｆ／ｍｍ２の面圧下
では、３０分以上必要である。

一方、試料ＮＯ，１４〜１５から判るように、５００°
Ｃ以下の低温では、高面圧を付加し長時間保持しても均
一な接合は得られない。これは接合面にボイドが残存し
ており、この低温域では変形又は拡散が充分生じないた
めである。

又、試料ＮＯ，１６のように、５５０℃の温度で１２０
分保持しても面圧が低い場合、非接合部が残り均一な゛
接合は得られない。これは、接合初期の素材同志の接触
が不十分であることに起因するものと考えられる。

試料ＮＯ，１７〜１９は、予備処理の影響について調べ
たもので、どちらか一方或いは両方の素材の予備処理を
省略すれば、良好な接合は行えない。これは、素材の接
合面上の油脂が気化して接合を妨げ、或いは表面酸化皮
膜により拡散が充分生じなかったことなどが原因と考え
られる。

（実施例２） 第３表 第３表は、素材表面粗さの影響を調べた結果を示したも
のである。

前記、実施例１と同じのチタン板およびアルミ板の両素
材を用いた。

これら、両素材の接合面上を、＃１００〜＃Ｉ２００の
粗さの異なるベーパで研磨後、拡散接合させた。

研磨後、酸洗及び脱脂処理は実施しなかった。

接合条件は、実施例１と同様であり、０．５ｋｇｆ／ｍ
ｍ２の面圧を付加し６００℃の温度で３０分保持した。

第３表より、素材の表面粗さに関係なく全て均一な接合
が得られることが判る。

このことは、本発明方法が表面粗さの影響を受けないこ
と、及び研磨処理が酸洗或いは脱脂処理と同様の効果を
有することを示すものである。

尚、実施例１及び２で得られた均一接合のクラツド板を
、１８０度の曲げ試験を行ったところ、接合界面での剥
離は生じなかった。

これら実施例より、均一な接合を有するチタン・アルミ
クラッド板を得るためには、適切な表面清浄・活性化の
予備処理と、０．３ｋｇｆ／ｍｍ”以上の面圧、５５０
℃以上の温度、３０分以上の保持時間が必要であること
が判る。

（発明の効果） 以上説明した如く、本発明によれば、表面清浄・活性化
の予備処理を施したチタン板とアルミ板を、拡散接合す
るに際し、特定の条件のもとで行うことで、均一に接合
したクラツド板とすることができる。特に本発明は接合
面積の大きいクラツド板を均一に接合させることができ
るため生産性或いは歩留の向上更には製造コストの低減
等、その効果は大である。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）拡散接合法にて、チタン・アルミクラッド板を製
   造するに際し、素材のチタン板およびアルミ板に表面清
   浄・活性化の予備処理を施した後、両素材を重ね合わせ
   、真空雰囲気中で０．３ｋｇｆ／ｍｍ＾２以上の面圧を
   付加し、５５０℃以上の温度で３０分以上保持すること
   を特徴とするチタン・アルミクラッド板の製造方法。
2. （２）素材のチタン板の表面清浄・活性化の予備処理を
   、硝弗酸を用いた酸洗処理或いは研磨処理にて行うこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載のチタン・アル
   ミクラッド板の製造方法。
3. （３）素材のアルミ板の表面清浄・活性化の予備処理を
   、脱脂処理或いは研磨処理にて行うことを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載のチタン・アルミクラッド板の
   製造方法。