JP2724515B2 - 接合強度の優れたチタンクラッド鋼板の製造方法 - Google Patents

接合強度の優れたチタンクラッド鋼板の製造方法

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    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
    • B21B1/38Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling sheets of limited length, e.g. folded sheets, superimposed sheets, pack rolling
    • B21B2001/383Cladded or coated products

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  • Metal Rolling (AREA)
  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は接合強度の優れたチタンおよびチタン合金の
爆着法による圧延クラッド鋼板の製造方法に係わり、特
に爆着後の熱延および熱処理条件に関する。
〔従来の技術〕 チタンクラッド鋼板の製造方法には主として爆着法と
圧延法の2種類があり、前者の爆着後は爆着のままの状
態では、後者の圧延法に比べて接合強度が高いという利
点を有する。しかしながら、板厚を薄くする目的で熱間
圧延を施こすと接合強度が低下し、甚しい場合には圧延
法に比べて見劣りすることもあり、減厚による薄板化お
よび量産化に際しての大きな問題となっている。この原
因は熱延前の加熱時および熱延時等にチタンと鉄の接合
界面において金属間化合物および炭化チタンが生成・発
達し、界面の接合強度が低下することによるものである
と考えられている。
こうした問題は圧延法においても共通するものであっ
て、従来より種々の方策が提案されてきた。
例えばチタンと鋼板との間にニッケル等の異種金属を
介在させる方法(特開昭55−5803号公報、特開昭60−18
205号公報)、あるいは特定の熱延条件、即ち熱延加熱
温度を800〜885℃、圧延終了温度700℃以上とする方法
(特開昭56−163005号公報)等の提案がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前者の提案の場合、Ni等の異種金属を
介在させることによって接合界面における炭化チタンの
形成は抑制できても、FeあるいはTiと異種金属間の化合
物の微量、極薄層の形成を抑制することは困難である。
また後者の提案の場合、接合界面におけるFeとTiの金属
間化合物等の生成を特に抑制するものでもなく、これら
の方法は、いずれも接合強度の劣化原因を未だ十分には
排除することができない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、このような接合強度の劣化原因となる金属
間化合物等の生成を抑制するため、熱延条件および熱処
理条件の影響について種々検討し、熱延工程での金属間
化合物等の生成を抑制し、引き続く冷却工程でこれらを
低減、消滅することが可能な熱処理条件を知見すること
によって構成するに至ったものである。
即ち、本発明の要旨とするところは、基材としての鋼
材と合わせ材としてのチタン材を爆着後、熱間圧延を施
こす、いわゆる爆着法による熱延クラッド鋼板の製造方
法において、爆着後の熱間圧延を900〜700℃の温度範囲
内で施こした後、50℃/分以上の冷却速度で600℃以下
の温度まで冷却し、次いで300〜580℃の温度範囲内に0.
5〜24時間加熱保持することを特徴とする接合強度の優
れたチタンクラッド鋼板の製造方法にある。
〔作 用〕
ここで基材としての鋼材の鋼種は特に限定されるもの
ではなく、普通鋼あるいはステンレス鋼等の高合金鋼等
いずれでも良いが、鋼成分、特に鋼表面層の鋼成分とし
ては先述の如き炭化チタンの生成を抑制する観点からC
(TiC等の安定な炭化物を形成していない炭素)量の少
ないことが望ましい。この観点から、鋼基材として高炭
素鋼を用いる場合には、表面脱炭処理を施こすか、ある
いは純鉄板等を介在させて爆着することが望ましい。一
方、合わせ材としてのチタンの種類は特に制約されるも
のでなく、純チタンあるいは合金チタンのいずれも使用
できる。
かかる鋼基材およびチタン材を公知の方法で爆着した
後、減厚のための熱間圧延を施す。
ここで本発明においては900〜700℃の温度範囲内で速
やかに熱間圧延を施こした後、50℃/分以上の冷却速度
で600℃以下の温度まで冷却することを一つの特徴とす
る。この趣旨は金属間化合物の生成を可能な限り抑制
し、且つ鉄とチタン原子の相互拡散を図り易くすること
にある。即ち、熱延温度が900℃を超えると金属間化合
物の生成が著しくなり、一方700℃未満では接合界面で
の鉄とチタンの金属原子の相互拡散が起こりにくいため
未圧着部が生ずる恐れがあることによる。
また、熱延前の加熱温度および均熱時間は不必要に高
温および長時間保定とならないように注意すべきであ
り、この観点から急速加熱を施し易い熱源あるいは炉容
量とすることが好ましい。
更に、熱間圧延後、600℃以下の温度に冷却するまで
の冷却速度が50℃/分未満では、接合界面において金属
間化合物が肥大化し接合強度を劣化する。冷却速度の上
限は特に限定されるものでないが、冷却速度が速くなる
と鋼基材等の成分によっては加工性が劣化するので用途
等に応じて適宜選定することが望ましい。600℃以下の
温度となるまで特定の冷却速度以上で冷却する理由は60
0℃を境いとして金属間化合物の生成挙動が異なり、600
℃以下の温度で金属間化合物は逆に衰退、消滅する特異
な傾向があることを見い出したことによるもので、600
℃以下の温度での冷却速度は特に速くする必要がなく自
然放冷でよい。
本発明の他の重要な特徴は、かかる条件で冷却した
後、300〜580℃の温度範囲に0.5時間以上加熱保持する
ことにある。この加熱保持には2つの方法があり、一つ
は600℃以下の温度まで50℃/分以上の冷却速度で冷却
後、更に室温まで自然放冷等で冷却した後再加熱して加
熱保持する方法、他は600℃から室温への冷却途中にお
いて加熱保持する方法、換言すると段付け冷却処理する
方法がある。
このような加熱保持処理は本発明の極めて重要な構成
要件であって、これは次のような知見に基づく。即ち、
接合界面の透過電子顕微鏡観察の結果、接合強度の主た
る阻害因子は界面に生成した厚さが数百Å程度の金属間
化合物(Ti2Fe,TiFe等)であって、この薄い層は400〜5
00℃程度の加熱処理によって消滅する傾向にあることが
判明した。この理由については未だ不明な点もあるが、
Feの固溶量が大きいβ−Ti相に金属間化合物中のFeが吸
収されることによるものではないかと考えられる。
いずれにしても、かかる加熱保持処理によって従来に
ない接合強度を有するチタンクラッド鋼板の提供が可能
となった。加熱保持の温度を300〜580℃とした理由は58
0℃を超える高い温度では、金属間化合物が生成する方
向にあり、300℃未満の低い温度では金属間化合物の消
滅に長時間を要することにある。また加熱時間が0.5時
間未満では接合強度の改善寄与は小さく、24時間を超え
ても改善効果は飽和する。
〔実施例〕
次に実施例によって本発明の効果を詳述する。
鋼基材として鋼成分がC:0.20,Si:0.10,Mn:1.00,P:0.0
13,S:0.011(重量%)である板厚40mmのSS41鋼板、合わ
せ材として板厚20mmの純チタン材(JIS A4600,1種)を
用いて板厚60mmの爆着クラッド鋼板を作製した。
次いで第1表に示す10種類の熱延、熱処理条件によっ
て板厚6mmのチタンクラッド鋼板を作製し、T剥離強度
およびせん断剥離強度を測定した。第1図および第2図
はそれぞれT剥離強度およびせん断剥離強度の測定に用
いた試験片を示すための長手方向断面図であって、1は
鋼板、2はチタン板、3は縦割りスリットおよび4は幅
方向スリットである。
即ち、T剥離強度は長さ100mm、幅25mmの試験片の一
端に長さ方向に深さ25mmの縦割りスリット3(幅1mm)
を接合界面に沿って鋼板1側に設け、スリット3で分離
された鋼板1およびチタン板2をそれぞれ外側に直角に
T字型に折り曲げて掴み部とし、引張り試験機で50mm/
分の速度で引張り、接合部を引き剥す方法で測定し、そ
のまま荷重を表示した。一方、せん断剥離強度は長さ10
0mm、幅25mmの試験片のほぼ長さ方向の中央部に幅1mmの
2本の幅方向スリット4を試験片の幅方向の全長に2mm
の間隔で、それぞれチタン側および鋼板側から接合界面
に達する深さまで切込み加工し、引張速度10mm/分で試
験片の両端を掴んで引張り、2本のスリット間の接合界
面を引き剥がす方法によって測定し、荷重を剥離面積
(50mm2)で除して表示した。これらの測定結果を第1
表に併記した。
第1表の評価結果から明らかなように、本発明によれ
ば比較例に比べて接合強度の高いチタンクラッド鋼が製
造できることが明らかである。
〔発明の効果〕 本発明によるチタンクラッド鋼板は接合強度、特にT
剥離強度が従来材に比べて格段に優れており、海洋構造
物、化学プラント、各種乗り物あるいは建築材料等に使
用した場合の信頼性が高く、関連産業分野に与える利点
は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はそれぞれT剥離強度およびせん断
剥離強度を測定するために用いた試験片の長手方向の断
面図である。 1……鋼板、2……チタン板、2……縦割りスリット、
4……幅方向スリット。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材としての鋼材と合わせ材としてのチタ
    ン材を爆着後、熱間圧延を施こす、いわゆる爆着法によ
    る熱延クラッド鋼板の製造方法において、 爆着後の熱間圧延を900〜700℃の温度範囲内で施こした
    後、50℃/分以上の冷却速度で600℃以下の温度まで冷
    却し、次いで300〜580℃の温度範囲内に0.5〜24時間加
    熱保持することを特徴とする接合強度の優れたチタンク
    ラッド鋼板の製造方法。
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