JP3120272U - 底面給水式植物栽培器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本考案は底面給水式植物栽培器具で、市販の草花苗を土を使わずに栽培でき、しかも根を乾燥や害虫から守り、ペットボトルも無加工で利用できるようにする。
【解決手段】 本考案は筒座2と外容器3を植物搭載部とし、筒座は上部は鉢状に下部はスカート状に成形し、スカート状部位には複数の穴5を設け、その穴に防虫網4を被せ、外容器は底の一部を山形に成形し3a1、防根透水シート7や給水紐9を設置する。草花苗1を筒座の鉢状部位へ設置し、その筒座を外容器に設置すると、スカート状部位と外容器の山形状部位の間に空気を十分取り込んだ湿気空間11ができ、根が健全に生育できる環境となる。外容器の底の山形状部位には突起部位3a3や、ネジ部位3a2を設けて貯水部にペットボトルなどのボトル形状容器を使用できるようにした。
【選択図】図1

Description

市販の草花苗(花壇苗)を土を殆ど使わず栽培でき、ペットボトルを無加工で利用可能にした、底面給水式植物栽培器具に関するものである。
市販の草花苗を土を使わないで栽培する方法として、給水マット上に草花苗を設置し、給水紐との組み合わせによる底面給水式植物栽培方(登実第3106440号)や、スポンジを培地として栽培するものなどがある。
また、ペットボトルを再利用して植物栽培を行う場合、ペットボトル本体やキャップに穴を開けたり切ったりして加工し、土などを入れて栽培鉢としている。(登実第3106040号)など。
市販の草花苗を土を使わずに栽培する底面給水式植物栽培器具で、草花苗を給水マット上に載せて栽培する方法に於いて、草花苗の根は給水マット上や給水マットの中に食い込んで伸びる事になる。よって一度栽培に使用した給水マットや給水紐の再使用は困難なので不経済であり、栽培後の廃棄時には分別しなければならない煩わしさもある。また根が養液中に進入しやすく、吸収過多による生育不良も発生しやすい。さらにその草花苗の根は直接外気にさらされる部分も多く、乾燥や気温の影響を受けて痛みやすい。またタネバエなどの進入も容易なので、根が食害に遭う心配がある。
また、貯水器への水の補給は、その上部にある植物を入れた容器を取り外して行わなければならないが、植物が大きくなって茂ってきたり、鉢数が多くなると負担が大きい。
ペットボトルを植物栽培に利用するにあたって、ペットボトル本体やキャップに穴を開けたり切ったり加工しなければならないものが多い。しかし、そのような加工は面倒であり、怪我をしたり上手く加工できなかったりして、ペットボトルの使用を躊躇してしまうこともある。
ペットボトルを加工しないで植物栽培に利用する方法のひとつとして、ペットボトルを貯水器とする底面給水式の植物栽培容器に使用する考案がある。(登実第3106040号)参照。この実施例を見ると、貯水器のペットボトルは加工せずに使用しているが、貯水器のペットボトル上部に設置した植物を入れる容器は、ペットボトル本体を半分に切って加工したものであり、さらに、キャップに穴を開けて貯水器のペットボトルの注ぎ口とその加工した容器を固定している。そのためこの容器に植物を植えた後、貯水器のペットボトルへの水の補給は難しい。また、湿った土の入った容器に植物を植え、それを貯水器ペットボトルの注ぎ口の上に設置することになるので、上部が重くなって不安定になり、見栄えに問題も残る。
本考案は次のような手段で、上記の課題を解決している。貯水部の上部に植物搭載部を有する底面給水式植物栽培器具で、植物搭載部が外容器3と筒座2で構成され、筒座は筒状で上部は鉢状2aに、下部は前鉢状の底から連結してスカート状2bに成形され、スカート状部位に複数の穴5を設け、その穴に防虫用ネット4を被せ、外容器は、底面の一部が山形3aで、その山形状部位に1個又は複数の穴6を設け、防根透水シート7や給水紐9を設置した構造で、特にボトル形状の貯水部を持つ底面給水式植物栽培器具では、外容器の底の山形状部位3a1の一部から下方へ向けて筒状の突起部位3a3を設けたり、外容器の底の山形状部位の一部にネジ部位3a2を設けて、貯水部と植物搭載部を密着させ、同時に脱着をも容易にしている。また、外容器に筒座を設置後、筒座の高さが外容器の高さより高くなる構造とすることで外容器からの給水を可能にしている。また、貯水部となるボトル形状容器の注ぎ口から下の容器上位置に植物が根を張ることで、器具全体が安定し、見栄えもよくなる。
本考案は貯水部の上部の植物搭載部が外容器と筒座で構成され、この組み合わせによって生じる空間を利用することで、根が乾燥や害虫の被害を受けず、土を殆ど使わなくても、十分植物が生育できる環境を作っている。また貯水部への根の進入を防ぎ、部品も殆どを再使用できる。栽培器具を設置したままの状態での給水も可能にしている。更にボトル形状容器を貯水部とする場合は、その注ぎ口を利用して密着させ、着脱も簡単で容易に給水することができる。また、栽培容器が縦長になると不安定になり易いが、上部が軽量化できる上、ボトル形状容器の注ぎ口から下の容器上の位置に根を張る構造になるので重心が下がり安定しやすい。景観的にも良い。さらに外容器の下や側面には通気のための穴がないので、容器から水が垂れ落ちるのではないかという不安がない。このため安心して食卓や机上に置く事ができる。また流通段階での水漏れを心配する必要が無い。
以下添付図面に従って一実施例を説明する。1は草花苗で市販されているものでよいが、自分で育てた苗や球根を植えてもよい。市販のものは育苗鉢を外して2の筒座の上部の鉢状部位2aへ設置するが、この鉢状部位は一般流通の育苗鉢の寸法に合わせて、或いは栽培農家が出荷形態に合わせて成形し、草花苗を設置したとき密着できるようにする。また、筒座を外容器3に設置したとき、草花苗の底が外容器の山形状部位3aの上部へ確実に到達できるように成形する。外容器の山形状部位には給水紐9とその上に防根透水シート7が設置されていて、草花苗の根はここから水分を吸収する。筒座の下部のスカート状部位2bには複数の通気穴5があり、網や布類4を被せてある。これらにより空間11は空気を十分取り入れた湿気空間となり、根が乾燥して傷むことはない。防虫効果もある。
給水は基本的に外容器を外して行うが、筒座を外容器より高くすると、栽培容器を設置したまま、どの方向からでも給水できる。筒座を外容器より1cm程高くし、その高くなった所へ向けてジョウロなどで水を流すと、水は筒座の外壁を伝わって空間10、筒座の通気穴5、空間11、外容器の穴6、貯水部8へと流れる。空間11を流れるとき、根の老廃物や有害な酸などを洗い流す効果も期待できる。
貯水部にペットボトルなどのボトル形状容器8aを使う場合、外容器の底の山形状部位3a1の形状は、一般的なペットボトルの形状に類似して成形し、貯水部へ設置したときほぼ密着できるようにする。また山形状部位の突起部位3a3の一部に切れ目を入れておくと、ペットボトルの注ぎ口の内径に多少誤差があっても密着して外容器を固定することができる。さらにペットボトルの注ぎ口のオスネジに合致するネジ部位3a2を設ければ、より確実にペットボトルに外容器を設置できる。着脱も簡単にできるので養液補給も容易である。なお容器の材質はプラスチックでもよいが、筒座は保温性のあるものなら更に良い。
本考案の底面給水式植物栽培器具の一実施例の断面図(貯水部がボトル形状の場合) 本考案の底面給水式植物栽培器具の一実施例の断面図 本底面給水式植物栽培器具の筒座の斜視図 本底面給水式植物栽培器具の外容器の斜視図
符号の説明
1 草花苗
2 筒座
2a 鉢状部位
2b スカート状部位
3 外容器
3a 外容器の山形状部位
3a1 外容器の山形状部位(貯水部がボトル形状の場合)
3a2 ネジ部位
3a3 突起部位
4 防虫網
5 筒座の通気穴
6 外容器の穴
7 防根透水シート
7a 防根シート留め
8 貯水部
8a 貯水部(ボトル形状の場合)
9 給水紐
10 筒座と外容器の間の空間
11 筒座と外容器の山形状部位の間の空間

Claims (5)

  1. 貯水部の上部に植物搭載部を有する底面給水式植物栽培器具で、植物搭載部が外容器と筒座で構成され、筒座は筒状で上部は鉢状に、下部は前鉢状の底から連結してスカート状に成形され、前スカート状部位に複数の穴を設け、或はその穴に防虫網を設置し、外容器の底面は一部は山形に成形され、或は凸物を設置し、1個又は複数の穴を設け、前山形状部位、或は凸物の一部に防根透水シート或は給水紐或は給水マット、スポンジなどの人口培地或はバーミキュライト、腐葉土などの天然土を設置し、これらの一部が、植物を筒座に設置してこの筒座を外容器に設置したとき、植物の根或は培地に接し又は近接する構造の、底面給水式植物栽培器具。
  2. 外容器の底の一部から下方へ向けて筒状の突起部位を設けた構造の、請求項1に記載の底面給水式植物栽培器具。
  3. 外容器の底の一部にネジ部位を設けた構造の、請求項1又は2に記載の底面給水式植物栽培器具。
  4. 外容器に筒座を設置後、筒座の高さが外容器の高さより高くなる構造の、請求項1に記載の底面給水式植物栽培器具。
  5. 下部の貯水部がボトル形状の容器で、上部の植物搭載部の容器の底の一部を山形状にして、その一部にネジ部位を設け、或は底の一部から下方へ筒状の突起部位を設け、それらによってボトル形状容器の注ぎ口へ密着し、注ぎ口から下の容器上の位置に植物が根を張る構造の、底面給水式植物栽培器具。
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