JP3119995B2 - 静止誘導機器巻線の冷却構造 - Google Patents

静止誘導機器巻線の冷却構造

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JP3119995B2 JP06097295A JP9729594A JP3119995B2 JP 3119995 B2 JP3119995 B2 JP 3119995B2 JP 06097295 A JP06097295 A JP 06097295A JP 9729594 A JP9729594 A JP 9729594A JP 3119995 B2 JP3119995 B2 JP 3119995B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静止誘導機器の構成を
小形化及び軽量化するのに好適する静止誘導機器巻線の
冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市部への電力需要の増大に対応
して、都市部に電力機器を設置することが多くなってき
た。この種の電力機器のうち、ビルや地下街に設置され
る静止誘導機器、とりわけ変圧器のような大型機器に
は、難燃性が要求されており、このため、変圧器に使用
する絶縁媒体としても、従来の可燃性の鉱物油から、不
燃性のガスや難燃性のエポキシ樹脂などに置き換えられ
つつあり、さらにはシリコーンゲルなどの固液中間性状
の材料の適用研究もなされている。
【0003】しかしながら、これらの絶縁媒体を採用し
た場合、従来の油入変圧器のように液体の絶縁兼冷却媒
体が対流循環して機器本体を冷却するものに比べ、いず
れも冷却性が低下するため、巻線の電流密度を下げるな
どの対策が必要になり、機器の大形化、重量増加を招く
傾向にあった。一方、都市部では地価が高く、搬入制限
の厳しい所に変圧器を設置するという性格上、変圧器の
小形化及び軽量化が最優先の課題であり、そのために、
変圧器巻線(静止誘導機器巻線)の冷却性改善が強く望
まれている。
【0004】このような課題を解決する方法として、従
来からヒートパイプ利用に関する数多くの提案がなされ
ている。その中で、近年、ループ型細管ヒートパイプが
開発され、特公平6−3354号で出願公告されてい
る。更にこの出願の発明の応用例として「電磁機器の構
造」(特開昭64−84699号)が提案されている。
この提案に用いられているループ型細管ヒートパイプの
構造を図10に示す。この構造は、内部に作動液を封入
した細管コンテナ2を蛇行状に構成して受熱部2−H
(受熱部群H)と放熱部2−C(放熱部群C)を交互に
有する、ループ状のエンドレス流路を構成したもので、
この細管コンテナ2内を、液体部分4と気体部分5が分
布する作動液が循環方向規制手段3によって所定の方向
に強力に循環しつつ、蒸発と凝縮を繰り返しながら熱輸
送する構造である。
【0005】このループ型細管ヒートパイプによれば、
外径2mm程度に細管化が可能であるばかりでなく、そ
の長さを制限なく長尺化せしめることが可能であり、ま
た、トップヒート姿勢で使用してもボトムヒート姿勢で
使用した場合とほとんど変わらない熱輸送特性を発揮す
るものである。そして、このループ型細管ヒートパイプ
を変圧器巻線の冷却手段として適用する場合、次に述べ
るような構成で提案されている。
【0006】ループ型細管ヒートパイプは、細管コンテ
ナを蛇行させたループで構成され、そのターンの所定部
分の群が受熱部群として変圧器等の機器の所定の温度上
昇部に装着される。その装着状態は、図11に示すよう
に、ループ型細管ヒートパイプの受熱部2−Hを巻線1
内に巻線1と密着するように巻き込む構成、或いは、図
12に示すように、ループ型細管ヒートパイプの受熱部
2−H自身が巻線導体を兼ねて使用され、巻線全体また
は巻線の一部を形成する構成のいずれか、またはそれら
の構成の併用である。そして、ループ型細管ヒートパイ
プの各ターンの残余の群は、所定の放熱構造の放熱部と
して構成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ループ
型細管ヒートパイプが有効に作動するための条件は、所
望の熱輸送量に対して細管コンテナに適切な割合で受熱
部と放熱部を交互に分布させる必要があることと、細管
コンテナに循環方向規制手段(逆止弁)3(図10参
照)を設ける必要があることである。
【0008】従って、ループ型細管ヒートパイプを用い
て変圧器巻線を構成する場合、その巻線作業は上記の通
り巻線途中から多くの放熱部を取り出す必要があるため
に作業能率を著しく阻害するものであった。また複数個
の逆止弁の配設は細管コンテナである巻線に機械的作動
部分が配設されることを意味すると共に細管コンテナに
接続部を増加せしめることを意味し、巻線構造の信頼性
を低下せしめることになる。更に逆止弁は手作業により
製作されるので、作業ミスの発生が無いとは言えず、こ
の点からも巻線構造の信頼性を低下せしめるものであっ
た。
【0009】尚、「最近のヒートパイプ応用技術」と題
して’91−3−15に日刊工業新聞社主催で実施され
たヒートパイプセミナーにおいて、新たに、「逆止弁を
用いないループ型細管ヒートパイプ」および「非ループ
型細管ヒートパイプ」が紹介され、そのテキストにはそ
れらの細管ヒートパイプは信頼性が高く且つ巻き付け性
が良好であるから、電動機器,静止機器等の自己冷却型
巻線として適しており、その応用を期待する旨が記載さ
れている。これらの細管ヒートパイプは前者が特開平4
−190090号及び後者が特開平4−251189号
として出願公開されている発明に基づくものである。
【0010】ここで、「逆止弁を用いないループ型細管
ヒートパイプ」とは、作動液の軸方向振動とゆるやかな
循環流とによって熱を輸送するものである。この型のル
ープ型細管ヒートパイプは逆止弁取り付け部が無いこと
により可撓性が改善され巻線作業の作業性が改善される
と共に、機械的作動部が皆無となることにより信頼性が
大幅に向上する利点がある。従ってこの型のループ型細
管ヒートパイプを用いて変圧器巻線の冷却手段として、
または変圧器巻線とその冷却手段を兼ねた巻線として適
用する場合には、従来の逆止弁付きループ型細管ヒート
パイプを用いた場合に比較して極めて信頼性の高い巻線
構造体を構成することが出来ると共に構成の為の作業時
間を短縮することが出来る。
【0011】また、「非ループ型細管ヒートパイプ」と
は、図13に示すように、細管コンテナ2の内部に作動
液を封入して両端を封じ切ったもので、蛇行状に構成し
て一方のループの群を受熱部群H、他方のループの群を
放熱部群Cとして構成したものである。そして、図14
に示すように、作動液の核沸騰7による蒸発・凝縮によ
り発生する作動液の軸方向振動(矢印8)のみによって
矢印9の方向に熱を輸送するものである。この「非ルー
プ型細管ヒートパイプ」は逆止弁取り付け部が無いこと
及びループが形成されないことの相乗効果により、導電
手段としても構造的にも取扱いがきわめて容易であり従
来の平角線と全く同等に取り扱うことが可能になる。
【0012】「非ループ型細管ヒートパイプ」を適用す
る場合には従来の逆止弁付きループ型細管ヒートパイプ
及び「逆止弁を用いないループ型細管ヒートパイプ」よ
り飛躍的に巻線作業の作業性が改善され作業時間が飛躍
的に短縮される。また機械的作動部分が無いだけで無
く、細管の接続部も皆無になるから他の型の細管ヒート
パイプを適用した巻線構造体より更に信頼性の高い巻線
構造体を構成することが出来る。更に細管の両端の構造
が封じ切りであってターン部(曲管部)が無いから巻線
構造体としての構成が簡易単純化出来るので、他の型の
細管ヒートパイプより軽量小型化を図ることも可能にな
る。
【0013】このように、「逆止弁を用いないループ型
細管ヒートパイプ」も「非ループ型細管ヒートパイプ」
も共に従来のループ型細管ヒートパイプより信頼性の高
い巻線構造体を、より効果的な作業時間で構成すること
が出来る。特に「非ループ型細管ヒートパイプ」の信頼
性の高さ、作業時間の短縮は飛躍的であって更に巻線構
造体の小型軽量化をも可能にしその効果は極めて大きな
ものである。
【0014】然しこれらは何れも基本的にループ型細管
ヒートパイプであることに変わりは無いので、その熱輸
送性能を維持した侭で巻線構造体の冷却構造を構成する
為には、細管ヒートパイプに適切な割合で受熱部と放熱
部を交互に分布させる必要があり、それに起因する巻線
構造体の構造の複雑さ、巻線構造体構成作業の非能率さ
の問題点を解決するには至らないものであった。
【0015】そこで、本発明の目的は、巻線の製造性を
損なうことなく、巻線内で発生する熱を細管ヒートパイ
プの特性を利用して効率的に放熱することができ、ま
た、全体の構成を小形且つ軽量に構成することができる
静止誘導機器巻線の冷却構造を提供するにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の静止誘導機器巻
線の冷却構造は、中空管状の電気絶縁電線として形成さ
れた細管コンテナの内部に作動液を封入した非ループ型
細管ヒートパイプを備え、この非ループ型細管ヒートパ
イプで構成され且つ横置き状に配設された巻線本体を備
え、この巻線本体の頂上部分に設けられた放熱部を備
え、この放熱部に密接された集熱部を有し内部に冷却媒
体を封入した冷却パイプを備え、この冷却パイプに設け
られ前記冷却媒体からの熱を前記巻線本体の外へ放熱さ
せる外部熱交換器を備え、そして、前記冷却パイプに設
けられ前記冷却媒体を循環させる循環ポンプを備えて成
るところに特徴を有する。
【0017】この場合、前記集熱部を、前記放熱部に配
設された絶縁スペーサと、この絶縁スペーサに設けられ
た冷媒流路とから構成することが好ましい。また、前記
巻線本体の上方に、前記外部熱交換器や前記循環ポンプ
等の冷却用装置を配設することも一層好ましい。更に、
前記巻線本体の上方に、断路器や遮断器等の開閉装置を
配設することも考えられる。一方、前記巻線本体が複数
ある場合、これら複数の巻線本体を上下方向に積み重ね
状に配設することも好ましい構成である。
【0018】
【作用】上記手段のように構成された静止誘導機器巻線
においては、巻線本体を形成するにあたって、非ループ
型細管ヒートパイプを構成する細管コンテナを用いるた
め、ループを形成する必要がなく、また、放熱部を形成
するべく巻線途中から電線を引き出す必要もなく、更に
は、逆止弁を取り付ける必要もないため、巻線の製造性
を良好に保持できる。また、巻線本体を非ループ型細管
ヒートパイプとして作動させるために適度に分散配置す
る必要のある放熱部は、別個に設けた冷却パイプの集熱
部を所望の位置に密着装着することにより容易に形成し
得る。
【0019】そして、巻線で発生した熱は、非ループ型
細管ヒートパイプ内に封入された作動液の軸方向振動に
より放熱部(冷却パイプの集熱部)に輸送され、さらに
その熱は、冷却パイプ内の冷却媒体によって巻線本体外
へ輸送され、外部熱交換器を介して放熱される。ここ
で、巻線本体を横置き状に配設したので、非ループ型細
管ヒートパイプ内に封入された作動液が各ターン毎に均
一に分布し、巻線全体に均等な熱輸送特性を得ることが
できる。そして、巻線本体の頂上部分に放熱部を設ける
構成であるので、非ループ型細管ヒートパイプにおける
巻線下部付近の受熱部にて蒸発した作動液は、上記頂上
部の放熱部にて凝縮し、重力作用により下方へ流下して
再び受熱部へ戻るようになり、いわゆる「ボトムヒート
モード」となる。このため、巻線本体を縦置き状に配設
する構成に比べて、熱輸送特性を向上させることがで
き、ひいては、全体の構成を小形化することができる。
この場合、冷却パイプの集熱部としては、冷却パイプの
一部分を非ループ型細管ヒートパイプの放熱部に密接さ
せることにより該一部分を集熱部としても良いし、上記
放熱部に配設された絶縁スペーサに冷媒流路を形成する
ことにより該絶縁スペーサを集熱部としても良い。
【0020】また、横置き状に配置した巻線本体の上方
に、外部熱交換器や循環ポンプ等の冷却用装置を配設し
たり、或いは、断路器や遮断器等の開閉装置を配設した
りしても良く、このように構成すると、全体構成の設置
床面積を低減できる。更に、巻線本体が複数ある場合、
これら複数の巻線本体を上下方向に積み重ね状に配設す
れば、やはり全体構成の設置床面積を低減できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を変圧器に適用した第1の実施
例について図1及び図2を参照しながら説明する。尚、
変圧器は、通常、低圧巻線と高圧巻線の二つの巻線から
構成されているが、以下の説明では、一つの巻線につい
てだけ説明し、他方の巻線については説明及び図示する
ことを省略する。そして、図1は円筒形巻線の全体構成
を示す斜視図、図2は同縦断面図である。これら図1及
び図2において、絶縁筒21の上には、中空管状の電気
絶縁電線(導体)として形成された細管コンテナ22
を、巻始め部22aから巻終り部22bまで、同心円状
に巻き付けて巻線本体23を構成している。上記細管コ
ンテナ22は、例えば銅やアルミニウム製の中空管状導
体の外周面上に所定の厚さの絶縁層を設けて構成されて
おり、該絶縁層は高熱伝導率を有する材料から形成する
ことが好ましい。
【0022】また、本実施例では、巻線本体23は、最
内側から最外側まで計5層で構成されており、1層巻き
上げるごとに、その両端部に端部支持部材24を取り付
けている。このような巻線層を順次第5層まで形成して
いる。各層間25には、絶縁或いは冷却性向上などのた
めに、間隔片(図示しない)を挿入させており、これに
よって各層間に所定のギャップを設ける構成となってい
る。そして、上記巻線本体23は、横置き状に配設され
るものである。更に、上記巻線作業中又は巻線作業後
に、巻線本体23を横置き状に配設したときに巻線の頂
上部となる部分の各層間には、冷却パイプ26が横方向
(巻線本体23の軸方向)に沿ってほぼ「U字状」をな
すように設けられ且つ細管コンテナ22と密接する構成
となっている。この冷却パイプ26の「U字状」部分
が、冷却パイプ26の集熱部27である。また、巻線本
体23の頂上部が放熱部28となっている。
【0023】そして、細管コンテナ22の巻始め部22
aまたは巻終り部22bから所定量の作動液を封入する
ことにより、巻線本体23自身を非ループ型細管ヒート
パイプ29として構成している。また、巻線本体23に
は、図示しない口出し導体が接続されている。尚、上記
作動液としては、通常、純水やフッ素性液体などを用い
ている。
【0024】一方、上記冷却パイプ26には、外部熱交
換器及び循環ポンプ(いずれも図示しない)がループを
形成するように連通して設けられている。そして、冷却
パイプ26内には、冷媒(例えば純水やフッ素性液体
等)が封入されている。この構成の場合、循環ポンプを
駆動することにより、冷却パイプ26内に封入された冷
媒が強制循環され、集熱部27で集熱された熱が外部熱
交換器へ輸送されてここで外部へ放熱されるようになっ
ている。尚、冷却パイプ26は、絶縁材料(例えばテフ
ロンや塩化ビニリデン等の樹脂)で構成されている。こ
の場合、冷却パイプ26のうちの集熱部27周辺部分だ
けを上記絶縁材料により構成し、残りの部分は金属製の
パイプで構成しても良い。
【0025】このような構成の本実施例によれば、巻線
本体23を巻回形成するにあたっては、非ループ型細管
ヒートパイプ29を構成する細管コンテナ22を用いて
いるため、通常の巻線導体と同様に巻回作業を行うこと
ができる。このため、細管コンテナ22にループを形成
する必要もなく、また、放熱部を形成するために巻線本
体23途中から導体を引き出す必要もなく、更には、逆
止弁を取り付ける必要もないので、従来の一般的な巻線
工程と何等変わりのない製造能率を維持でき、製造性が
損なわれることがないものである。また、細管コンテナ
22の巻回間には絶縁層が存在するので、絶縁的にも問
題がない。
【0026】更に、上記実施例では、通電により巻線本
体23で発生した熱は、まず非ループ型細管ヒートパイ
プ29の作動、すなわち細管コンテナ22内に封入され
た作動液の軸方向振動により、放熱部28(冷却パイプ
26の集熱部27)に向かって輸送される。そして、放
熱部28で集熱部27内の冷媒に伝達され、伝達された
冷媒は循環ポンプの作用により冷却パイプ26内を循環
して外部熱交換器へ輸送され、ここで外部へ放熱される
ようになっている。
【0027】ここで、非ループ型細管ヒートパイプ29
の内部には、最大の熱輸送特性が得られるように、所定
の割合で作動液部分と気体部分とが存在している。そし
て、上記構成の巻線本体23において全体に均一に非ル
ープ型細管ヒートパイプ29を作動させるためには、作
動液部分と気体部分とを各ターン毎に均等な割合で分布
させる必要がある。
【0028】巻線本体を縦置き状に配置した場合には、
中空孔の内径が大きい細管コンテナや中空孔が矩形状の
細管コンテナを使用すると、作動液が重力により巻線本
体の下部のターンに片寄る傾向があり、熱輸送特性が不
均一になる不具合があるが、上記実施例では、巻線本体
23を横置き状に配置する構成としたので、重力による
作動液のターン間の移動がなくなり、作動液がターン毎
に均一に分布するようになる。従って、巻線本体23の
全体に均等な熱輸送特性を得ることができる。また、上
記実施例では、巻線本体23を横置き状に配置したの
で、各ターンにおいて、放熱部28(冷却パイプ26の
集熱部27)が巻線本体23の頂上部に配置され、受熱
部(冷却部がなく巻線内の最高温度に達する部分)が底
部に配置される「ボトムヒートモード」となる。これに
より、底部の受熱部で蒸発した作動液は、頂上の冷却部
で凝縮し、更に重力の作用により再び受熱部へ戻るよう
になっている。従って、中空孔の内径が大きい細管コン
テナや中空孔が矩形状の細管コンテナを使用した場合で
も、巻線本体を縦置きする場合に比べて、熱輸送特性を
向上させることができる。この結果、熱輸送能力の向上
により、巻線内の電流密度を高めることができ、同一定
格であれば、より断面積の小さい導体を使用することが
でき、巻線全体の構成を小形化することができるのであ
る。
【0029】図3ないし図5は本発明の第2の実施例を
示すものであり、第1の実施例と同一部分には同一符号
を付し、異なるところを説明する。この第2の実施例お
いては、図3及び図4に示すように、巻線本体23に代
わる巻線本体30は、所定の層数の円板状巻線ユニット
31を図中左右方向に間隔片32を介して積み重ねた形
態になるように構成されていると共に、横置き状に配設
されている。そして、横置き状に配設した場合におい
て、円板状巻線ユニット31の層間のうちの巻線本体3
0の頂上部、即ち、放熱部30aに相当する部位には、
間隔片32に代えて絶縁スペーサ33を挿入して密接す
るように配設している。この絶縁スペーサ33は、図5
に示すように、板状部材から構成されており、その内部
にほぼU字状をなす冷媒流路33aが形成されている。
更に、上記絶縁スペーサ33は、絶縁性を有すると共に
熱伝導性が良い部材(例えばセラミック)から構成され
ている。尚、絶縁スペーサ33は、金属製の板状部材か
ら構成し、その表面に十分な絶縁コーティングを施すよ
うに構成しても良い。
【0030】そして、上記絶縁スペーサ33の冷媒流路
33aの両端部に、冷却パイプ26に代わる冷却パイプ
34がパイプ接続部35を介して接続されている。これ
により、絶縁スペーサ33の冷媒流路33a内を冷媒が
循環する構成となっている。この場合、絶縁スペーサ3
3が冷却パイプ34の集熱部を構成している。尚、上述
した以外の構成は、第1の実施例の構成と同じ構成とな
っている。
【0031】従って、上記第2の実施例においても、第
1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特
に、第2の実施例では、冷却パイプ34の集熱部として
の絶縁スペーサ33と巻線本体30の放熱部30aとの
接触面積が大きくなるので、両者の間の熱伝導性が大幅
に向上し、ひいては巻線本体30の冷却性能を大幅に高
くすることができる。
【0032】図6及び図7は本発明の第3の実施例を示
すものであり、第1の実施例と同一部分には同一符号を
付し、異なるところを説明する。この図6及び図7にお
いて、冷却パイプ26に設けられた外部熱交換器36及
び循環ポンプ37は、横置き状に配置した巻線本体23
の上方に配設されている。具体的には、巻線本体23を
鉄心38に装着することにより変圧器本体39が構成さ
れており、この変圧器本体39は架台40、41に支承
されている。そして、上記架台41の上部に、外部熱交
換器36及び循環ポンプ37が取付けられている。この
場合、外部熱交換器36の下方には、ファン装置42が
配設されており、このファン装置42の送風作用により
外部熱交換器36から外気への放熱を促進する構成とな
っている。尚、上記した以外の構成は、第1の実施例の
構成と同じ構成となっている。
【0033】従って、上記第3の実施例においても、第
1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特
に、第3の実施例では、外部熱交換器36や循環ポンプ
37等の冷却用装置を巻線本体23の上方に配設する構
成としたので、全体構成の設置床面積を低減することが
できる。また、第3の実施例では、巻線本体23の放熱
部と外部熱交換器36及び循環ポンプ37とを近付けて
配置する構成としたので、冷却パイプ26の配管距離を
極力短くすることができ、冷媒流路の圧力損失を低減す
ることができる。従って、外部熱交換器36及び循環ポ
ンプ37を小形化することが可能になる。更に、変圧器
のうちの変圧器本体39が機器の底部近くに配置される
構成となるので、機器(変圧器)全体としての重心が低
くなり、耐震性も向上する。
【0034】図8は本発明の第4の実施例を示すもので
あり、第3の実施例と同一部分には同一符号を付し、異
なるところを説明する。この第4の実施例では、図8に
示すように、断路器や遮断器等の開閉装置43を横置き
状に配置した巻線本体23の上方に配設している。具体
的には、開閉装置43を架台41の上部における図8中
左方に載置して取付けている。上記開閉装置43から
は、ケーブル44、45が導出されており、このうちの
一方のケーブル44は巻線本体23に接続されている。
尚、ケーブル44、45は、開閉装置43及び巻線本体
23に機器直結形ケーブル端子46を介して接続されて
いる。また、上記した以外の構成は、第3の実施例の構
成と同じ構成となっている。
【0035】従って、上記第4の実施例においても、第
3の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特
に、第4の実施例では、開閉装置43を巻線本体30の
上方に配設する構成としたので、全体構成の設置床面積
をより一層低減することができる。
【0036】図9は本発明の第5の実施例を示すもので
あり、第3の実施例と同一部分には同一符号を付し、異
なるところを説明する。この第5の実施例では、図9に
示すように、巻線本体23が複数例えば3個ある場合
に、これら3個の巻線本体23を上下方向に積み重ね状
に配設する構成としたものである。尚、これ以外の構成
は、第3の実施例の構成と同じ構成となっている。従っ
て、上記第5の実施例においても、第3の実施例とほぼ
同じ作用効果を得ることができる。特に、第5の実施例
では、3個の巻線本体23を上下方向に積み重ね状に配
設する構成としたので、設置床面積を更に一層低減する
ことができる。
【0037】
【発明の効果】本発明は以上の説明から明らかなよう
に、中空管状の電気絶縁電線として形成された細管コン
テナの内部に作動液を封入した非ループ型細管ヒートパ
イプで構成した巻線本体を横置き状に配設し、この巻線
本体の頂上部分に放熱部を設け、そして、外部熱交換器
及び循環ポンプを備えると共に内部に冷却媒体を封入し
た冷却パイプの集熱部を前記放熱部に密接させる構成と
したので、巻線の製造性を損なうことなく、巻線内で発
生する熱を細管ヒートパイプの特性を利用して効率的に
放熱することができ、また、全体の構成を小形且つ軽量
に構成することができるという優れた効果を奏する。こ
の場合、集熱部を、放熱部に配設された絶縁スペーサ
と、この絶縁スペーサに設けられた冷媒流路とから構成
すると、より一層冷却性能が向上する。
【0038】また、横置き状に配置した巻線本体の上方
に、外部熱交換器や循環ポンプ等の冷却用装置を配設し
たり、或いは、断路器や遮断器等の開閉装置を配設した
りする構成とすると、全体構成の設置床面積を低減でき
る。更に、巻線本体が複数ある場合、これら複数の巻線
本体を上下方向に積み重ね状に配設すると、一層全体構
成の設置床面積を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す巻線本体の斜視図
【図2】巻線本体の縦断面図
【図3】本発明の第2の実施例を示す図1相当図
【図4】図2相当図
【図5】絶縁スペーサの斜視図
【図6】本発明の第3の実施例を示す正面図
【図7】側面図
【図8】本発明の第4の実施例を示す正面図
【図9】本発明の第5の実施例を示す側面図
【図10】従来構成を示すもので、弁体付きループ型細
管ヒートパイプの概略構成図
【図11】細管ヒートパイプを用いた変圧器巻線の冷却
構造を示す断面図
【図12】細管ヒートパイプを用いた他の変圧器巻線の
冷却構造を示す断面図
【図13】非ループ型細管ヒートパイプの概略構成図
【図14】非ループ型細管ヒートパイプの作動を説明す
る概略構成図
【符号の説明】
21は絶縁筒、22は細管コンテナ、23は巻線本体、
26は冷却パイプ、27は集熱部、28は放熱部、29
は非ループ型細管ヒートパイプ、30は巻線本体、30
aは放熱部、31は円板状巻線ユニット、32は間隔
片、33は絶縁スペーサ、33aは冷媒流路、34は冷
却パイプ、35はパイプ接続部、36は外部熱交換器、
37は循環ポンプ、38は鉄心、39は変圧器本体、4
3は開閉装置を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−271807(JP,A) 特開 昭59−46013(JP,A) 実開 昭55−58016(JP,U) 実開 昭57−191022(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 27/10 H01F 27/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空管状の電気絶縁電線として形成され
    た細管コンテナの内部に作動液を封入した非ループ型細
    管ヒートパイプと、 この非ループ型細管ヒートパイプで構成され且つ横置き
    状に配設された巻線本体と、 この巻線本体の頂上部分に設けられた放熱部と、 この放熱部に密接された集熱部を有し、内部に冷却媒体
    を封入した冷却パイプと、 この冷却パイプに設けられ、前記冷却媒体からの熱を前
    記巻線本体の外へ放熱させる外部熱交換器と、 前記冷却パイプに設けられ前記冷却媒体を循環させる循
    環ポンプとを備えて成ることを特徴とする静止誘導機器
    巻線の冷却構造。
  2. 【請求項2】 前記集熱部を、前記放熱部に配設された
    絶縁スペーサと、この絶縁スペーサに設けられた冷媒流
    路とから構成したことを特徴とする請求項1記載の静止
    誘導機器巻線の冷却構造。
  3. 【請求項3】 前記巻線本体の上方に、前記外部熱交換
    器や前記循環ポンプ等の冷却用装置を配設したことを特
    徴とする請求項1又は2記載の静止誘導機器巻線の冷却
    構造。
  4. 【請求項4】 前記巻線本体の上方に、断路器や遮断器
    等の開閉装置を配設したことを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の静止誘導機器巻線の冷却構造。
  5. 【請求項5】 前記巻線本体が複数ある場合、これら複
    数の巻線本体を上下方向に積み重ね状に配設したことを
    特徴とする請求項1又は2に記載の静止誘導機器巻線の
    冷却構造。
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