JP3936623B2 - 油入電気機器の冷却装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、油入電気機器、例えば窒素ガス等を封入したガス封入式の油入変圧器の冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油入電気機器は、通常本体タンク内に電気機器本体を収納し、絶縁と冷却の目的で絶縁油が充填されている。油入変圧器を例に従来の技術を説明する。図6は窒素ガス封入式の油入変圧器の冷却装置を示す正面断面図である。図において、1は本体タンク、2は本体タンク1に収納された巻線、3は鉄心、4は鋼板を折り曲げて本体タンク1に一体に取り付けられた鉄心押え金、5は鉱油やシリコーン油などの絶縁油、6は絶縁油5の油面上に形成され絶縁油5の劣化防止のために窒素ガスなどが封入されたガス封入空間、7は本体タンク1の側面上部に設けた上部接続管、8は側面下部に設けた下部接続管、9は発熱部である巻線2や鉄心3などにより熱せられた絶縁油5を冷却するために上部接続管7と下部接続管8とに取り付けられた放熱器である。放熱器9は必要な冷却容量に応じ本体タンク1の側面に1個〜複数個並設されている。
【0003】
次に動作について説明する。巻線2に電圧をかけ電流を流すと、巻線2および鉄心3は発熱し、この熱により熱せられた絶縁油5は上部接続管7に導かれ、放熱器9内を通過する間に外気によって冷却されて下降し下部接続管8を通って本体タンク1内に戻される。
【0004】
絶縁油5の体積膨張率は、例えば鉱油は7〜8×10−4[1/℃]、シリコーン油(50cSt)は10〜11×10−4[1/℃]である。通常、油入変圧器は運転時に−20℃〜80℃程度の温度変化があるので、例えば鉱油の場合その体積が約7〜8%変化する。この絶縁油5の体積変化は油面高さの変化としてあらわれる。図6において、H1は最高温度油面高さ、H2は最低温度油面高さを示している。なお、最低温度油面高さH2の下限は、巻線2等の充電部高さに使用電圧から決まる油中絶縁距離を加えた寸法から決められる。
【0005】
一般に、放熱器高さHRの中心と巻線高さの中心の差分ΔHが大きい程、絶縁油の循環が良くなることが知られている。また当然放熱器9の冷却面積が大きいと冷却性能は向上することなどから、放熱器高さHRを大きくし、上部接続管7は本体タンク1の側面のできるだけ高い位置に取り付けるのが冷却上は好ましいが、絶縁油5の最低温度時でも上部接続管7内部に絶縁油5が流れる必要があるため、上部接続管7の高さは最低温度油面高さH2近傍より高くすることができない。一方、本体タンク1の高さは、最高温度油面高さH1にガスクッションとなるガス封入空間6の高さをプラスした高さが必要となる。つまり、本体タンク1の高さは、概略、上部接続管7の取付け高さに最高温度油面高さH1と最低温度油面高さH2の差分(H1−H2)とガス封入空間6の高さを加えた寸法となる。
【0006】
最高油温度近傍でも十分な冷却性能を確保するためには、それに見合った冷却容量が必要である。冷却容量の増加手段としては、放熱器高さHRを高くしたり、放熱器9の幅方向寸法を増やしたり、放熱器9の並設本数を増やす方法等があるが、放熱器高さHRを高くすれば本体タンク1の高さが高くなり、幅方向寸法を増やせば変圧器幅WTRが大きくなるので、輸送寸法や据付寸法が大きくなる。
特に、シリコーン油は鉱油に比べ体積膨張率が約1.4倍も大きいため温度変化による体積の変化、つまり油面の変化が大きい上に、冷却性能は鉱油より劣るため、上述の影響の度合いが更に大きくなる。
【0007】
図7は大容量変圧器の場合の一例である。図において1〜9,H1,H2,HR,ΔHおよびWTRは図6と同一または相当部分なので符号の説明は省略する。10はコンサベータ、11は本体タンク1とコンサベータ10とを接続するコンサベータ接続管である。
【0008】
大容量変圧器になれば、本体タンク1は大きくなり、絶縁油5の量も多くなって、体積膨張量が大きくなる。そこで、タンク高さを輸送制限などに抑えるため、絶縁油5の膨張分は本体タンク1上方に設けたコンサベータ10によって吸収させるものである。最低温度油面高さH2はコンサベータ10の下面としているので、上部接続管7は本体タンク1の最上部近傍に設けている。輸送時はコンサベータ10を解体して別送等の措置をとる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の油入変圧器は以上のように構成されていたので、その冷却構造に次のような問題点があった。
すなわち、上部接続管7は絶縁油5の最低温度時でも絶縁油5が放熱器9へ流入するように最低温度油面高さH2を基準に決定されていたので、冷却性能が最も必要な最高温度時においても放熱器高さの中心と巻線高さの中心の差分ΔHは最低温度時と同じである。最高温度時に必要な冷却性能を得るためにΔHを大きくしようとすれば放熱器高さHRを高くしなければならず、最低温度油面高さH2を必要以上に高く設定することになるので、絶縁油5が増加し、本体タンク1の高さが高くなる。高さを抑えれば放熱器9の幅方向寸法を広げて変圧器幅WTR大きくするか、放熱器9の並設本数を多くする必要があり、いずれも油入変圧器のコンパクト化が図れないという問題点があった。
【0010】
この発明は上記の間題点を解決するためになされたもので、高温での油面上昇時において、放熱器の冷却面積を拡大し、かつ放熱器高さの中心と巻線高さの中心の差分ΔHを大きくし、冷却性能を向上させて、コンパクト化を図ることができる油入電気機器の冷却装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る油入電気器の冷却装置は、電気機器本体を収納し絶縁油を充填した本体タンクの側面に上部接続管と下部接続管を設け、この両接続管を介し本体タンクに連結した放熱器に絶縁油を循環させ冷却する油入電気機器の冷却装置において、上部接続管は、本体タンクの側面の絶縁油の最低温度油面高さ近傍の位置に設けた第1の上部接続管と、 絶縁油の最高温度油面高さ近傍の位置に設けた第2の上部接続管とで構成され、放熱器は、第1の上部接続管と下部接続管とに接続した第1の放熱器と、上部を第2の上部接続管に接続し下部を第1の放熱器の上部に連通させて接続した第2の放熱器とで構成されているものである。
【0012】
また、電気機器本体を収納し絶縁油を充填した本体タンクの上方に絶縁油の膨張を吸収するコンサベータを有し、本体タンクの側面に第1の上部接続管と下部接続管を設け、この両接続管を介し本体タンクに連結した第1の放熱器に絶縁油を循環させ冷却する油入電気機器の冷却装置において、コンサベータの最高温度油面高さ近傍の位置に第2の上部接続管を設け、上部を第2の上部接続管に接続し下部を第1の放熱器の上部に連通させて接続した第2の放熱器を備えたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は実施の形態1による油入変圧器の冷却装置を示す正面断面図である。図において、1は本体タンク、2は本体タンク1に収納された巻線、3は鉄心、4は鋼板を折り曲げて本体タンク1に一体に取り付けられた鉄心押え金、5は鉱油やシリコーン油などの絶縁油、6は絶縁油5の油面上に形成され絶縁油5の劣化防止のために窒素ガスなどが封入されたガス封入空間、12は本体タンク1の側面下部に設けた下部接続管、13はA−Aから見た開口部断面が長円または矩形状をした上部接続管で、その長手方向を上下方向あわせ本体タンク1の側面に設けている。開口部の上下方向の寸法と取り付け位置は後述する。14は発熱部である巻線2や鉄心3などにより熱せられた絶縁油5を冷却するための放熱器で、上部接続管13に適合する接続部14aと下部接続管12に適合する接続部14bを有し、両接続管13,12に取り付けられている。通常、放熱器14は必要とする冷却容量に応じ本体タンク1の側面の一面または複数面に複数個並設されている。
H1は最高温度油面高さ、H2は最低温度油面高さを示す。また、HRは放熱器高さ、ΔHは放熱器高さの中心と巻線高さの中心の差分、WTRは変圧器幅である。
【0014】
ここで、上部接続管13の開口部の上下方向の寸法は絶縁油5の最高温度油面高さH1と最低温度油面高さH2の差分(H1−H2)とほぼ等しくし、本体タンク1への高さ方向の取付け位置は開口部の上面を最高温度油面高さH1の近傍としている。なお、最高温度油面高さH1のときには完全に絶縁油5が開口部に充満するよう、開口部上面がH1を超えない方が望ましい。
【0015】
次に動作について説明する。巻線2に電圧をかけ電流を流すと、巻線2および鉄心3は発熱し、この熱により熱せられた絶縁油5は上部接続管13に導かれ、放熱器14内を通過する間に外気によって冷却されて下降し下部接続管12を通って本体タンク1内に戻される。
絶縁油5は負荷状態や外気温度の変化によって膨張・収縮し油面が変化する。本実施の形態の上部接続管13は開口部の寸法を最低温度油面高さH2から最高温度油面高さH1までの温度変化をカバーするよう上下方向に拡大したので、全温度範囲にわたって上部接続管13に絶縁油5が流入し、温度上昇にしたがって実質の放熱器面積が増え、最高温度時は放熱器14全体に絶縁油5が充満し、放熱器14の機能をフルに発揮する。そして、放熱器高さHRは最高温度油面高さH1を基準に決定しているので、実質の放熱器高さの中心と巻線高さの中心の差分ΔHは油面上昇にしたがって大きくなり、高温になるほど絶縁油5の循環がよくなる。
【0016】
本実施の形態によれば、放熱器14の高さHRを最高温度油面高さH1近傍まで高くできるので、放熱器14の放熱面積を拡大することができ、かつ放熱器高さの中心と巻線高さの中心の差分△Hを従来例に比べ大きくできるため、冷却性能、効率が向上し、油入変圧器のコンパクト化を図ることができる。
また、最高温度油面高さH1近傍に達するまでは放熱器14の上部はガス封入空間6の一部となっているので、本体タンク1側の高さを低減できる一方、絶縁油5と窒素ガスとの接触面積が増える分だけ冷却効率が向上する。
【0017】
実施の形態2.
図2は実施の形態2による油入変圧器の冷却装置を示す正面断面図である。図において、1〜6,12およびH1,H2,HR,WTR,ΔHは実施の形態1で示した図1と同一または相当部分なので符号の説明は省略する。15は本体タンク1の側面上部に設けた第1の上部接続管で、その取付け高さは最低温度油面高さH2近傍としている。なお、最低温度のときでも絶縁油5が流入するよう開口部下面が最低温度油面高さH2より低い方が望ましい。16は第1の接続管15の上方に設けた第2の上部接続管で、その取付け高さは最高温度油面高さH1近傍としている。なお、最高温度のときには完全に開口部に絶縁油5が充満するよう開口部上面が最高温度油面高さH1より低い方が望ましい。17は絶縁油5を冷却する放熱器で、上部に設けた接続部17aを第1の上部接続管15に、接続部17bを第2の上部接続管16に接続し、下部に設けた接続部17cを下部接続管12に接続している。
【0018】
次に動作について説明する。低負荷または周囲温度の低いとき、すなわち油面高さが低いときは第1の上部接続管15を通って絶縁油5が放熱器17に導かれ、高負荷または周囲温度が高くなると油面が上昇して第2の上部接続管16にも絶縁油5が流入し放熱器高さHR全体が冷却に寄与するようになる。すなわち高温になるに従い放熱器17の放熱面積が拡大すると共に放熱器高さの中心と巻線高さの中心の差分ΔHが大きくなり冷却効率が向上する。
【0019】
本実施の形態によれば、低油面時と高油面時のそれぞれに適した放熱器の高さを有効に利用できるので、冷却性能、効率が向上し、それによって油入変圧器のコンパクト化を図ることができる。
また、低温での油面下降時には放熱器17上部もガス封入空間6の一部となり、本体タンク1側の高さを低減できる一方、絶縁油5と窒素ガスとの接触面積が増える分だけ冷却効率が向上する。
【0020】
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3による油入変圧器の冷却装置を示す正面断面図である。図において、1〜6,12,15,16およびH1,H2,HR,WTR,ΔHは実施の形態2で示した図2と同一または相当部分なので符号の説明は省略する。18は第1の放熱器で、上部には垂直方向に開口した連通口18aを備え、水平方向に開口した上部の接続部18bを第1の上部接続管15に、下部の接続部18cを下部接続管12にそれぞれ接続している。19は第1の放熱器18の上方に配置した第2の放熱器で、下部に垂直方向に開口した連通口19aを備え、これを第1の放熱器18の連通口18aに接続し、上部に水平方向に設けた接続部19bを第2の上部接続管16に接続している。
【0021】
次に動作について説明する。低負荷または周囲温度の低いとき、すなわち油面高さが低いときには、絶縁油5は第1の上部接続管15を通って第1の放熱器18に導かれ外気によって冷却されて下降し下部接続管12を通って本体タンク1内に還流する。高負荷または周囲温度が高くなると油面が上昇して第2の上部接続管16にも絶縁油5が流入し第2の放熱器19が冷却機能を発揮する。このとき、放熱器高さHRは両放熱器高さの合計となるので、高温時には第2の放熱器19によって放熱面積が拡大すると共に放熱器高さの中心と巻線高さの中心の差分ΔHが大きくなり冷却効率が向上する。
【0022】
本実施の形態によれば、低油面時と高油面時のそれぞれに適した放熱器の高さを有効に利用できるので、冷却性能、効率が向上し、それによって油入変圧器のコンパクト化を図ることができる。
また、低温での油面下降時には第2の放熱器19の上部はガス封入空間6の一部となり、本体タンク1側の高さを低減できる一方、絶縁油5と窒素ガスとの接触面積が増える分だけ冷却効率が向上する。
さらに、第2の放熱器19はその部分を解体して輸送できるので、輸送制限の制約が緩和される。
【0023】
実施の形態4.
図4は実施の形態4による油入変圧器の冷却装置を示す正面断面図である。図において、1〜6,15,16およびWTRは実施の形態2で示した図2と同一または相当部分なので符号の説明は省略する。ただし、図2と異なり上部接続管15と16は本体タンク1の異なる側面に設けている。20は第1の上部接続管15に対応して本体タンク1の下部側面に設けた第1の下部接続管、21は第2の上部接続管16に対応して本体タンク1の下部側面に設けた第2の下部接続管、22は第1の上部接続管15と第1の下部接続管20とに接続した第1の放熱器、23は第2の上部接続管16と第2の下部接続管21とに接続した第2の放熱器である。また、HRLは第1の放熱器高さ、HRRは第2の放熱器高さ、ΔHLは第1の放熱器高さHRLの中心と巻線高さの中心との差分、ΔHRは第2の放熱器高さHRRの中心と巻線高さの中心との差分である。
【0024】
次に動作について説明する。低負荷または周囲温度の低いときすなわち油面高さが低いときは、絶縁油5は第1の放熱器22によって冷却される。高負荷または周囲温度が高くなると油面が上昇して第2の上部接続管16にも絶縁油5が流入し第2の放熱器23が冷却機能を発揮する。高温時に機能する第2の放熱器23側のΔHRは第1の放熱器22側のΔHLより大きいので、第2の放熱器23は長さが長く放熱面積が増えることに加えて冷却効率も高い。
【0025】
本実施の形態によれば、冷却能力をより必要とする高温時にはより冷却性能の優れた効率のよい放熱器を提供することができる。
また、低温時は第2の放熱器23の上部はガス封入空間6の一部となり、本体タンク1側の高さを低減できる一方、絶縁油5と窒素ガスとの接触面積が増える分だけ冷却効率が向上する。
【0026】
なお、図4では放熱器22,23を本体タンク1の左右の側面にそれぞれ設けた場合を示したが、他の側面でもよく、同一側面に混在させて設けてもよい。
【0027】
実施の形態5.
図5はこの発明の実施の形態5による油入変圧器の冷却装置を示す正面断面図である。図において、1〜6,12およびH1,H2,HR,WTR,ΔHは実施の形態3で示した図3と同一または相当部分なので説明は省略する。24は絶縁油5の膨張分を吸収するコンサベータ、25は本体タンク1とコンサベータ24とを接続し絶縁油5の通路となるコンサベータ接続管である。26は本体タンク1の上部に設けた第1の上部接続管、27はコンサベータ24の最高温度油面高さH1近傍の位置に設けた第2の上部接続管である。28は第1の放熱器で、上部には垂直方向に開口した連通口28aを備え、水平方向に開口した上部の接続部28bを第1の上部接続管26に、下部の接続部28cを下部接続管12にそれぞれ接続している。29は第1の放熱器28の上方に配置した第2の放熱器で、下部に垂直方向に開口した連通口29aを備え、これを第1の放熱器28の連通口28aに接続し、上部に水平方向に設けた接続部29bを第2の上部接続管27に接続している。
なお、最低温度油面高さH2はコンサベータ24の下面としているので、第1の上部接続管26は本体タンク1の最上部近傍に設けている。
【0028】
次に動作について説明する。低負荷または周囲温度の低いとき、すなわち油面高さが低いときには、絶縁油5は第1の上部接続管26を通って第1の放熱器28に導かれ外気によって冷却されて下降し下部接続管12を通って本体タンク1内に還流する。高負荷または周囲温度が高くなると油面が上昇して第2の上部接続管27にも絶縁油5が流入し第2の放熱器29が冷却機能を発揮する。このとき、放熱器高さHRは両放熱器高さの合計となるので、高温時には第2の放熱器29によって放熱面積が拡大すると共に放熱器高さの中心と巻線高さの中心の差分ΔHが大きくなり冷却効率が向上する。
【0029】
本実施の形態によれば、低油面時と高油面時のそれぞれに適した放熱器の高さを有効に利用できるので、冷却性能、効率が向上し、それによって油入変圧器のコンパクト化を図ることができる。
また、低温時は第2の放熱器29の上部はガス封入空間6の一部となり、本体タンク1側の高さを低減できる一方、絶縁油5と窒素ガスとの接触面積が増える分だけ冷却効率が上がる。
さらに、第2の放熱器とコンサベータを解体して輸送できるので、輸送制限の制約は大きく緩和される。
【0030】
なお、上記実施の形態1〜5は外鉄形の油入変圧器を例にとって説明したが、内鉄形の油入変圧器でもよく、また変圧器以外にリアクトルや変成器等の他の油入電気機器の冷却装置に適用しても同様の効果を得ることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、放熱器を接続する上部接続管を、本体タンクの側面の絶縁油の最低温度油面高さ近傍の位置に設けた第1の上部接続管と、絶縁油の最高温度油面高さ近傍の位置に設けた第2の上部接続管とで構成し、放熱器を、第1の上部接続管と下部接続管とに接続した第1の放熱器と、上部を第2の上部接続管に接続し下部を第1の放熱器の上部に連通させて接続した第2の放熱器とで構成したので、高油面高さ時には放熱器高さの中心と巻線高さの中心の差分を大きくでき、低油面時と高油面時のそれぞれに適した放熱器の高さを有効に利用できるので、冷却性能、効率が向上し、それによって油入変圧器のコンパクト化を図ることができる。さらに、第2の放熱器部分を解体できるので、輸送制限の制約は緩和される。
【0032】
また、請求項2の発明によれば、コンサベータ付の油入電気機器において、本体タンクに設けた第1の放熱器に加えて、コンサベータの最高油面高さ近傍の位置に設けた第2の上部接続管と第1の放熱器の上部連通部とに第2の放熱器を設けたので、低油面時と高油面時のそれぞれに適した放熱器を有効に利用でき、冷却性能、効率が向上し、それによって油入変圧器のコンパクト化を図ることができるとともに、第2の放熱器とコンサベータを解体して輸送できるので、輸送制限の制約は大きく緩和される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による油入変圧器の冷却装置を示す正面断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態2による油入変圧器の冷却装置を示す正面断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態3による油入変圧器の冷却装置を示す正面断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態4による油入変圧器の冷却装置を示す正面断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態5による油入変圧器の冷却装置を示す正面断面図である。
【図6】 従来の油入変圧器の冷却装置を示す正面断面図である。
【図7】 従来のコンサベータ式の油入変圧器の冷却装置を示す正面断面図である。
【符号の説明】
1 本体タンク 2 巻線
3 鉄心 5 絶縁油
12 下部接続管 13 上部接続管
14、17 放熱器 15 第1の上部接続管
16 第2の上部接続管 18、22、28 第1の放熱器
18a、19a、28a、29a 連通口
19 23、29 第2の放熱器 20 第1の下部接続管
21 第2の下部接続管 24 コンサベータ。
Claims (2)
- 電気機器本体を収納し絶縁油を充填した本体タンクの側面に上部接続管と下部接続管を設け、この両接続管を介し上記本体タンクに連結した放熱器に上記絶縁油を循環させ冷却する油入電気機器の冷却装置において、上記上部接続管は、上記本体タンクの側面の上記絶縁油の最低温度油面高さ近傍の位置に設けた第1の上部接続管と、上記絶縁油の最高温度油面高さ近傍の位置に設けた第2の上部接続管とで構成され、上記放熱器は、上記第1の上部接続管と上記下部接続管とに接続した第1の放熱器と、上部を上記第2の上部接続管に接続し下部を上記第1の放熱器の上部に連通させて接続した第2の放熱器とで構成されていることを特徴とする油入電気機器の冷却装置。
- 電気機器本体を収納し絶縁油を充填した本体タンクの上方に上記絶縁油の膨張を吸収するコンサベータを有し、上記本体タンクの側面に第1の上部接続管と下部接続管を設け、この両接続管を介し上記本体タンクに連結した第1の放熱器に上記絶縁油を循環させ冷却する油入電気機器の冷却装置において、上記コンサベータの最高温度油面高さ近傍の位置に第2の上部接続管を設け、上部を上記第2の上部接続管に接続し下部を上記第1の放熱器の上部に連通させて接続した第2の放熱器を備えたことを特徴とする油入電気機器の冷却装置。
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