JP2001143936A - ガス絶縁電気機器 - Google Patents

ガス絶縁電気機器

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JP2001143936A
JP2001143936A JP32394599A JP32394599A JP2001143936A JP 2001143936 A JP2001143936 A JP 2001143936A JP 32394599 A JP32394599 A JP 32394599A JP 32394599 A JP32394599 A JP 32394599A JP 2001143936 A JP2001143936 A JP 2001143936A
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heat
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JP32394599A
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Hiroshi Shioda
広 塩田
Tatsuya Higuchi
達也 樋口
Takeshi Masuda
剛 増田
Yoshifumi Nakahama
敬文 中濱
Masahiro Hamaguchi
昌弘 浜口
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却性能の改善を図り、設置スペースに有効
な小形軽量化を図り得るようにする。 【解決手段】 絶縁ガス3を封入した密閉容器2内に電
気機器本体1を収容したものにおいて、電気機器本体1
が発生する熱量の略10%から90%を、第1の放熱手
段6により該電気機器本体1からの直接の熱伝導により
容器2外部に放出すると共に、その残りの熱量を第2の
放熱手段9により前記絶縁ガス3を媒体として容器2外
部に放出する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷却媒体として絶
縁ガスを封入したガス絶縁電気機器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、ガス絶縁機器と
して、例えば変圧器やリアクトルなどの実用化におい
て、近年、ビルなどの建物内部の電気室にコンパクトに
設置可能とする要望が増えており、そのためにも難燃性
で且つ非爆発性の電気機器が望まれている。そこで、例
えば油入変圧器の如く可燃性の鉱物油を用いたものに対
し、不燃性の六弗化硫黄ガス(以下SF6 ガスと称す)
を絶縁媒体及び冷却媒体として用いたガス絶縁電気機器
が、防災上の安全性に優れ、また絶縁特性にも優れた特
徴を有することから需要が増大している。
【0003】しかしながら、上記ガス変圧器では油入変
圧器に比して冷却性能がやや劣る傾向にあることから、
その冷却性能を改善すべく一般的に絶縁ガスたる上記S
F6ガスの熱の授受に伴う自然対流作用を利用してこれ
を循環せしめ、その絶縁ガスの一部を外気にて常に冷却
し放熱させる所謂放熱器を備えた構成が多く認められ
る。
【0004】ところで、絶縁ガスとして本来の絶縁性能
を高めるには、密閉された容器内に封入する絶縁ガスの
密度を増すことにあり、通常、大気圧より高い圧力で封
入されるが、その内圧が所定の圧力を超えると法的に圧
力容器としての認定が必要となり、容器の構造などにも
制約を受けることになる。例えば、第二種圧力容器の規
制を回避するには、運転中における容器内のガス圧力
が、0.2MPaを超えないようにしなければならな
い。
【0005】そこで、これに対処すべく、今、変圧器本
体の発生熱量を一定としたとき、封入された絶縁ガスの
圧力を所定値以下にするには、密閉容器の容積を大きく
するか、若しくは上記の如き放熱器を容器の側方の複数
個所に設けたりして放熱面積を大幅に増やし、容器外部
へ流出する熱量を多くして熱流密度を下げる工夫を施し
ているが、いずれにしてもガス変圧器全体を大きくする
ことになる。従って、設置スペースの制約及び輸送等の
取り扱い性からも小形軽量化が望まれる状況下では、大
形化することなく、むしろ小形化が可能で、しかも圧力
容器としての法的認定をも回避可能な冷却性能の改善が
求められている。
【0006】本発明は、上述の事情に鑑みてなされたも
ので、従って、その目的は、冷却媒体として絶縁ガスを
封入したものにあって、一層の冷却性能の改善を図り、
併せて小形化が可能なガス絶縁電気機器を提供するにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のガス絶縁電気機器は、密閉の容器内に絶縁
ガスを封入すると共に、電気機器本体を収容したものに
おいて、前記電気機器本体が発生する熱量の略10%か
ら90%を、該電気機器本体からの直接の熱伝導により
容器外部に放出する第1の放熱手段と、その残りの熱量
を前記絶縁ガスを媒体として容器外部に放出する第2の
放熱手段を備えたことを特徴とする(請求項1の発
明)。
【0008】斯かる構成によれば、電気機器本体から発
生した熱に対し、第1の放熱手段では絶縁ガスを介する
ことなく直接容器外に放熱するので、絶縁ガスへの熱的
影響を軽減できて該絶縁ガスの本来の冷却及び絶縁性能
等は良好に維持できる。従って、絶縁ガスを介して冷却
する第2の放熱手段では上記絶縁ガスをフルに活用して
冷却・絶縁性能に寄与でき、以って冷却性能の改善が図
り得、容器の容積を大きくしたり放熱手段を大形化する
ことなく全体構成として簡易でコンパクトが可能とな
る。しかも、冷却性能(放熱量)の改善に伴い、封入さ
れた絶縁ガスの熱流密度を下げることができるので、そ
れだけガス圧力の調整自由度も高め得て取り扱いが容易
となる。
【0009】そして、請求項1記載のものにおいて、容
器内の絶縁ガスは、運転中におけるガス圧力が0.2M
Paを超えないように封入されていることを特徴とする
(請求項2の発明)。
【0010】斯かる構成によれば、容器内のガス圧力を
法的に規制する第二種圧力容器の規定値以下にできるの
で、圧力容器の認定作業や容器の構造等への制限も回避
できるなど、簡単な構成にて容易に提供できる。
【0011】また、請求項1記載のものにおいて、第1
の放熱手段として、一端が電気機器本体の内部に配設さ
れ、他端の放熱部が容器外部に延出されてなるヒートパ
イプを用いたことを特徴とする(請求項3の発明)。
【0012】斯かる構成によれば、ヒートパイプによる
作動液の蒸発・凝縮する作用を利用した簡単な構成にて
電気機器本体からの熱を、直接容器外まで搬送して外気
中に放出することが可能で、且つ絶縁ガスを介すること
なく電気機器本体の内部の熱を外部に放出するのに有効
である。
【0013】更にまた、請求項1記載のものにおいて、
第1の放熱手段として、電気機器本体の内部を挿通し容
器外部に導出された冷媒循環路と、この循環路中に設け
られた冷媒搬送用のポンプ及び冷媒冷却用のクーラとを
具備してなる強制冷却装置を用いたことを特徴とする
(請求項4の発明)。
【0014】斯かる構成によれば、強制冷却装置を用い
ることで冷却能力の格段の向上が図り得、機器全体をコ
ンパクト構成とすることに一層有利となる。
【0015】そして、請求項1ないし4のいずれかに記
載のものにおいて、密閉した容器に収容した電気機器本
体の表面積の少なくとも一部を断熱材で覆ったことを特
徴とする(請求項5の発明)。
【0016】斯かる構成によれば、電気機器本体からの
発熱に対し、容器内に封入された絶縁ガスへの熱伝達が
抑制されることに伴い熱量の制御が可能となる。従っ
て、最適な熱対応の設計ができると共に、第1及び第2
の放熱手段による冷却性能を個々に有効に発揮し得、且
つ絶縁ガスを本来の機能である冷却及び絶縁性能を得る
べく有効活用ができる利点は大きい。
【0017】また、請求項1ないし5のいずれかに記載
のものにおいて、電気機器本体は、鉄心を有する静止誘
導機器にあって、鉄心表面積の少なくとも一部を断熱材
で覆い、該鉄心の温度が約130°C〜760°Cで運
転されることを特徴とする(請求項6の発明)。
【0018】斯かる構成によれば、鉄心を覆う断熱材の
熱的物性等に応じて、該鉄心の温度を任意の値に調整す
ることができる。従って、鉄心の温度を上げるに伴い電
気抵抗が上昇して渦電流損が低下することに起因して鉄
損を減少することができる。ただし、キュリー点で磁化
を失うので温度の上限は、約760°Cとすることによ
って対応し、また下限は約130°Cとすることにより
有効な減少効果が得られる。
【0019】そして、請求項6記載のものにおいて、絶
縁ガスとして、窒素ガスを用いたことを特徴とする(請
求項7の発明)。
【0020】斯かる構成によれば、一般に鉄心は珪素鋼
帯の積層鋼板にて構成されているが、高温の鉄は酸素と
反応し易く、従って絶縁ガスがSF6ガスの場合、高温
下の鉄心素材中の珪素がSF6ガスと反応してこれを分
解する作用をなすが、窒素ガスを用いることにより耐熱
分解性に優れ、上記の有害な反応を防止することができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明のガス絶縁電気機器を、ガス変圧器に適用した第1実
施例につき図1を参照して説明する。図1は、変圧器全
体の概略構成を示す縦断面図で、変圧器は、電気機器本
体としての例えば三相用の変圧器本体1を、絶縁ガスを
封入した密閉容器2内に収容して構成され、絶縁ガスと
しては、冷却媒体を兼ねた例えばSF6 ガス3を封入し
ている。そして、上記密閉容器2としては、例えば箱状
の直方体をなし、剛性を有する炭素鋼板により形成され
ている。
【0022】一方、前記変圧器本体1は、容器2内に縦
置き状態に配設され、例えば珪素鋼帯の積層鋼板からな
る三脚鉄心4の各脚に巻線5を巻装した構成にあって、
換言すれば鉄心4を有する静止誘導機器でもある。そし
て、上記巻線5は、例えばアルミニウム製の導体を前記
鉄心4の脚に同心円状に巻回し、図示しないが内方側に
低圧巻線を配し、外方側に高圧巻線を配した構成として
いる。また、この高,低圧の巻線層間には、絶縁紙を介
して間隙保持用のスペーサ(いずれも図示せず)が挿入
されている。
【0023】しかるに、上記構成の変圧器には、変圧器
本体1から発生する熱を直接容器2の外部に搬送し外気
中に放出する第1の放熱手段6を備えている。即ち、第
1の放熱手段は、ヒートパイプ7を用いた構成にあっ
て、具体的には、下端部の受熱側を、変圧器本体1の内
部である例えば前記巻線5の高,低圧巻線層間の間隙に
挿入し、絶縁紙を介して巻線5に密着した状態に配設す
る。そして、上方に延出された上端部の放熱側は、容器
2の天板部を気密に貫通し、これに多数の放熱フィン8
を設けている。このヒートパイプ7の内部には、図示し
ないが熱の授受に反応して蒸発・凝縮する作動液を封入
している。このように構成された第1の放熱手段によ
り、運転時に変圧器本体1から発生した熱量の略10%
から90%を容器2外に放出可能としている。尚、本構
成の場合、この第1の放熱手段6は、上記したように変
圧器本体1を構成し、且つ発熱量が多い巻線5に対し特
に有効な冷却手段として作用する。
【0024】また、変圧器の一側方には、変圧器本体1
から発生する熱を冷却媒体でもある絶縁ガスを介して外
部に放出する第2の放熱手段9を備えている。即ち、第
2の放熱手段9は、放熱器10を用いた構成にあって、
具体的には、容器2の一側壁に上部開口部2a、及び下
部開口部2bを設けており、これら上,下部開口部2
a,2bに外部から気密に接続されて容器2内と連通す
ると共に、外気に晒された複数の放熱用パイプ10a、
10bを具備してなるアルミニウム製の放熱器10を設
けている。従って、詳細は後述するが、容器2と放熱器
10とは上,下部開口部2a,2bを通してガス循環路
が形成され、封入されたSF6 ガス3は、斯かる放熱器
10にて常に外気により冷却される。しかして、このよ
うに構成された第2の放熱手段9においては、運転時に
変圧器本体1から発生した熱量のうち、上記第1の放熱
手段6により放出された残りの略90%から10%の熱
量を容器2の外部に放出可能としている。
【0025】以上のように構成された本実施例の作用に
つき述べると、変圧器の運転に伴い巻線5の銅損による
発熱を主に鉄心4の鉄損による発熱も加わり、その熱に
より変圧器本体1が温度上昇する。この変圧器本体1か
ら発生した熱は、第1及び第2の放熱手段6及び9によ
り容器1外に搬送され放出される。そのうち、まず第1
の放熱手段6では、変圧器本体1の内部たる巻線5の
高,低圧の巻線層間に密着して配設されたヒートパイプ
7の下端部が受熱し、内部の作動液が蒸発・凝縮を繰り
返し行うことにより上端部に向って熱伝導され、容器2
の外部にて放熱フィン8を介して放熱されることにより
効率良く冷却される。
【0026】従って、この第1の放熱手段6では、変圧
器本体1から生じた熱のうち、略10%から90%の熱
量を、容器2内のSF6 ガス3を媒体とすることなくヒ
ートパイプ7を介して直接容器2外に放出する。このこ
とは、冷却媒体でもあり絶縁媒体でもあるSF6 ガス3
に対し、これら本来の機能に対する熱的損失を招くこと
なく変圧器本体1の冷却に有効に寄与させることができ
るものである。
【0027】これに対し、第2の放熱手段9において
は、SF6 ガス3を冷却媒体としてフルに活用し、上記
した第1の放熱手段6にて放熱した残りの略90%から
10%の熱量を外部に搬送し放出する。即ち、変圧器本
体1から生じた熱は、まず容器2内のSF6 ガス3に伝
達吸収されることによって熱が奪われ冷却される。そし
て、この熱により温められたSF6 ガス3は、図中矢印
Aで示すように自然対流作用によって容器2の上部開口
部2aから放熱器10内部に流入し、複数の放熱用パイ
プ10a,10bにて外気とより多く接触して冷却され
た後、下部開口部2bから再び容器2内に戻るとする動
作が繰り返し行われる。このようにSF6 ガス3は、所
謂循環動作により常に放熱器10により冷却されると共
に、鉄心4の表面及び巻線5の図示しないスペーサによ
る間隙を対流してこれらを効果的に冷却する。
【0028】しかして、第2の放熱手段では、変圧器本
体1から発生した熱に対して、まずSF6 ガス3により
冷却し、そして該SF6 ガス3自体も放熱器10により
常に冷却されて、所期の冷却性能を長く維持できると共
に、当該SF6 ガス3及び放熱器10を介して効率良く
外部に放熱することができる。
【0029】また、このような構成により密閉容器2内
のSF6ガス3の圧力は、封入時の初期圧力と、電気機
器本体たる変圧器本体1からの発熱量と、容器2外部へ
の放熱量のバランスとにより一義的に決定される容器2
の容積拡大や放熱器10の放熱面積の増大を防止できる
もので、因みに本構成では変圧器本体1に対し、上記第
1及び第2の放熱手段6及び9により効果的に冷却性能
が改善されることに伴い、絶縁ガスたるSF6 ガス3の
容器2内の圧力調整の自由度が高まり、絶縁性能を高め
るべく大気圧より高圧力で封入されても、冷却性能に優
れ放熱量が多くなる本構成によれば、SF6 ガス3の熱
流密度を下げることが可能となり、容器2内のガス圧力
を法的に規制する第二種圧力容器の規定値0.2MPa
以下に抑えることができる。従って、容器2の容積を大
きくしたり、放熱器10の個数など放熱面積を増すなど
変圧器全体の構成を大形化するようなこともなければ、
容器2が法的認定をを受けるような制約から回避できる
など、コンパクト化が可能で、しかも簡易な構成にて容
易に提供できるものである。
【0030】上記の構成に対し、図2ないし図5は本発
明の第2及び第3実施例を示し、夫々第1実施例と同一
の部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分
についてのみ述べる。
【0031】(第2の実施の形態)まず、図2は、本発
明の第2実施例を示す図1相当図である。しかして、本
実施例における変圧器は、上記第1実施例における第1
の放熱手段6にヒートパイプ7を用いた構成であったの
に対し、本実施例における第1の放熱手段11では、強
制冷却装置12を採用した点で異なり、その余の第2の
放熱手段9などの構成は、第1実施例と共通とするもの
である。
【0032】詳述すると、上記強制冷却装置12は、変
圧器本体1の内部たる前記した巻線5の高,低圧巻線層
間の間隙に密着状態で挿通され、その両端部を容器2外
に導出して冷媒循環路を構成する循環パイプ13と、こ
の循環パイプ13の容器2外部における両端部間に連通
接続されたクーラ14及びポンプ15とを備え、この循
環パイプ13内には冷却媒体として、例えば、巻線5の
間隙内を挿通する構成上からその安全性を考慮し、図示
しないが絶縁性に優れたパーフルオロカーボン液(以下
PFC液と称す)を封入した構成としている。そして、
上記クーラ14は、詳細は略すが風冷或いは水冷式の熱
交換機能を有し、また、ポンプ15は、PFC液を強制
的に搬送し所謂冷媒循環路内を図中矢印Bで示すように
循環流通するようにしている。
【0033】斯かる構成において、変圧器本体1から発
生した熱に対し、第1の放熱手段11では、上記第1実
施例における第1の放熱手段6と同様に、容器2内のS
F6ガス3を介することなく熱を直接外部に搬送し放出
する。即ち、変圧器本体1から発生した熱は、巻線5の
高,低圧の巻線層間に密着して配設した循環パイプ13
内のPFC液に奪われて冷却され、温められたPFC液
はポンプ15にて強制的に搬送され、容器2の外部にお
いてクーラ14で冷却され、再び容器2内に送り込ま
れ、このPFC液の矢印B方向への強制循環により変圧
器本体1の主として巻線5の銅損に伴う発熱に対して迅
速で有効な冷却作用を発揮する。
【0034】従って、本構成にあっても、上記第1実施
例と同様に、第1の放熱手段11により、変圧器本体1
の熱を直接容器2の外部に放出できると共に、特に強制
冷却装置12を採用したので冷却能力は格段に向上で
き、且つ容器2内のSF6 ガス3への熱の移行を軽減で
きるので、該SF6ガス3を本来の冷却・絶縁機能に対
し熱的に損失することなく維持できる。
【0035】一方、放熱器10を用いたもう一つの第2
の放熱手段9による冷却作用は、上記第1実施例で述べ
たと同様に機能し、即ち、SF6 ガス3を冷却媒体及び
絶縁媒体としてフルに活用し、上記第1の放熱手段11
で放熱した残りの略90%から10%の熱量を効果的に
外部に放出する。結果、本実施例においても第1実施例
と同様に変圧器本体1に対し、第1及び第2の放熱手段
11及び9が優れた冷却性能を発揮するばかりか、特に
は第1の放熱手段11に強制冷却装置12を用いたの
で、上記第1実施例に増して一層冷却性能の向上が期待
できる。
【0036】(第3の実施の形態)次いで、図3ないし
図5は、本発明の第3実施例を示したもので、これら図
面に開示された変圧器は、概述すると上記第1実施例と
同様の第1の放熱手段6、または上記第2実施例におけ
る第1の放熱手段11と、上記第2の放熱手段9を共通
に備えた構成にあって、ただ変圧器本体1の表面積の少
なくとも一部を断熱材16または17で覆った構成とす
る点で異なるものである。
【0037】即ち、まず図3に開示する実施例において
は、変圧器本体1を構成する巻線5の表面積の少なくと
も一部、例えば外表面を断熱材16で覆った構成にる。
尚、この断熱材16の材質としては巻線5の発熱温度に
対する耐熱性及び絶縁性を考慮して、例えばマイカ,ガ
ラス繊維などの材料を接着剤と共に用いて被覆した構成
としている。
【0038】斯かる構成によれば、変圧器本体1から発
生した熱のうち、巻線5からの大半の熱は断熱材16で
遮られるので、SF6 ガス3への熱伝達は抑制され、直
接第1の放熱手段6を介して集中的に外部に放熱され
る。このように、容器2内のSF6 ガス3に対し、上記
の如く巻線5からの熱伝達が大幅に制限されることは、
断熱材16の熱的物性や被覆厚さを適宜選定することに
より、SF6ガス3へ移行する熱量を制御可能とするも
ので、従って熱に対応した最適の設計ができると共に、
該SF6 ガス3を介して残りの熱である主に鉄心4から
の熱の冷却作用に集中的に充当でき、冷却性能は大幅に
向上する。以って、SF6 ガス3の熱膨張を抑制するた
めの第2の放熱手段9を構成する放熱器10の放熱面積
を更に小さく、或いは設置個数を減らすことが可能とな
るなど、この放熱器10の小形化は特に設置場所の省ス
ペースに寄与すること大である。
【0039】一方、図4,5に示す実施例は、この第3
実施例の変形例に相当するもので、図4に示すように、
第1の放熱手段11として第2実施例で述べた強制冷却
装置12を採用し、特には鉄心4の表面積の少なくとも
一部、例えば外表面を断熱材17で覆った構成とし、且
つ冷却・絶縁媒体として窒素ガス18を容器2内に封入
したものである。尚、上記断熱材17の材質としては、
鉄心4の使用温度での耐熱性及び絶縁性を考慮して、例
えば生マイカ,石綿,磁器など、更にはこれらを接着剤
と共に用いて被覆したものである。
【0040】斯かる構成によれば、変圧器本体1からの
熱に対する外部への放熱作用は、第2実施例と同様に第
1及び第2の放熱手段11及び9により行われる。しか
るに、本構成では、鉄心4は断熱材17で覆われている
ため、該鉄心4の温度はその断熱度合により変化する。
即ち、前述したように断熱材17の熱的物性や被覆厚さ
を適宜選定することにより、鉄心4の温度を任意の値に
調整可能である。因みに、図5は鉄心4に用いられる一
般的な珪素鋼帯による磁束密度(T)と鉄損(W/k
g)の関係を示すと共に、特に温度別による鉄損の特性
関係を表したものである。
【0041】この図5から明らかとなるように、鉄心4
の温度が高温になるに伴い鉄損の発生が減少することが
理解できる。この現象は、鉄心4の電気抵抗が温度が上
がるに伴い上昇して、渦電流損が低下することが大きく
寄与している。従って、図5から例えば、鉄心4の温度
を約300°Cとして磁束密度1.5(T)の場合、鉄
損が約4.6(W/kg)であるのに対し、常温たる室
温での鉄損は約3.3(W/kg)で、およそ30%の
鉄損の減少がみられる。しかしながら、鉄心4は、キュ
リー点で磁化機能を失うため温度の上限は約760°C
として対処し、下限は好ましくは約130°C以上の温
度とすることが有効である。
【0042】ところで、鉄心4は、高温下に晒されると
酸素と反応して酸化し易く、従って高温下では鉄心4の
素材中の珪素がSF6ガス3と反応して、これを分解す
る作用を有する。そこで本構成では、SF6ガス3に代
えて容器2内に耐熱分解性に優れた窒素ガス18を採用
して封入することにより、そのような有害な分解作用を
なくすことができる。そして、鉄心4の鉄損による発生
熱量を軽減して、その周辺の巻線5や冷却・絶縁媒体で
ある窒素ガス18の温度上昇を抑えることができるの
で、巻線5や第2の放熱手段9の放熱器10の放熱面積
を小さくできることに伴い、それだけ小形化が可能とな
る。
【0043】尚、これら第3実施例における図3及び図
4にて開示した第1及び第2の放熱手段6及び11は、
いずれの組み合わせとしても良く、いずれも同等の作用
効果を奏するものである。また、上記変圧器に限らず、
例えば図4の実施例にあっては電気機器本体として鉄心
4を有する静止誘導機器であれば応用可能である。その
他、本発明は、上記し且つ図面に示された実施例に限定
されるものではなく、リアクトルや計器用変成器などの
ガス絶縁電気機器に関して、実用に際し種々変更して実
施できるものである。
【0044】
【発明の効果】本発明は以上説明した通り、絶縁ガスを
封入した密閉容器内に電気機器本体を収容したものにお
いて、電気機器本体が発生する熱量の略10%から90
%を、第1の放熱手段により該本体からの直接の熱伝導
により容器外部に放出すると共に、その残りの熱量を第
2の放熱手段により前記絶縁ガスを媒体として容器外部
に放出する構成とした。これによって、絶縁ガスの冷却
媒体としての寄与度が高まり、冷却性能の向上が図り
得、結果として冷却手段を簡易にコンパクト構成とする
ことができ、また、容器内に封入する絶縁ガスの圧力調
整も容易に設定できて所望の絶縁効果が得られるなど、
実用に好適するガス絶縁電気機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を変圧器に適用した第1実施例を示す全
体の概略構成の縦断面図
【図2】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図3】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図4】変形例を示す図1相当図
【図5】珪素鋼帯における温度に対する鉄損の関係を表
した特性図
【符号の説明】
1は変圧器本体(電気機器本体)、2は容器、3はSF
6ガス(絶縁ガス)、4は鉄心、5は巻線、6,11は
第1の放熱手段、7はヒートパイプ、9は第2の放熱手
段、10は放熱器、12は強制冷却装置、13は循環パ
イプ(冷媒循環路)、14はクーラ、15はポンプ、1
6,17は断熱材、及び18は窒素ガス(絶縁ガス)を
示す。
フロントページの続き (72)発明者 増田 剛 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地株式 会社東芝三重工場内 (72)発明者 中濱 敬文 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地株式 会社東芝三重工場内 (72)発明者 浜口 昌弘 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地株式 会社東芝三重工場内 Fターム(参考) 5E050 CA03 CA06 CB03 HA06 HA09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉の容器内に絶縁ガスを封入すると共
    に、電気機器本体を収容したものにおいて、 前記電気機器本体が発生する熱量の略10%から90%
    を、該電気機器本体からの直接の熱伝導により容器外部
    に放出する第1の放熱手段と、その残りの熱量を前記絶
    縁ガスを媒体として容器外部に放出する第2の放熱手段
    を備えたことを特徴とするガス絶縁電気機器。
  2. 【請求項2】 容器内の絶縁ガスは、運転中におけるガ
    ス圧力が0.2MPaを超えないように封入されている
    ことを特徴とする請求項1記載のガス絶縁電気機器。
  3. 【請求項3】 第1の放熱手段として、一端が電気機器
    本体の内部に配設され、他端の放熱部が容器外部に延出
    されてなるヒートパイプを用いたことを特徴とする請求
    項1記載のガス絶縁電気機器。
  4. 【請求項4】 第1の放熱手段として、電気機器本体の
    内部を挿通し容器外部に導出された冷媒循環路と、この
    循環路中に設けられた冷媒搬送用のポンプ及び冷媒冷却
    用のクーラとを具備してなる強制冷却装置を用いたこと
    を特徴とする請求項1記載のガス絶縁電気機器。
  5. 【請求項5】 密閉した容器に収容した電気機器本体の
    表面積の少なくとも一部を断熱材で覆ったことを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれかに記載のガス絶縁電気
    機器。
  6. 【請求項6】 電気機器本体は、鉄心を有する静止誘導
    機器にあって、鉄心表面積の少なくとも一部を断熱材で
    覆い、該鉄心の温度が約130°C〜760°Cで運転
    されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに
    記載のガス絶縁電気機器。
  7. 【請求項7】 絶縁ガスとして、窒素ガスを用いたこと
    を特徴とする請求項6記載のガス絶縁電気機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114464412A (zh) * 2022-03-10 2022-05-10 江苏德瑞赛尔电气有限公司 一种配电系统用干式变压器
CN115107983A (zh) * 2021-03-19 2022-09-27 株式会社岩谷技研 飞行体用容器

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