JP3119164B2 - アンテナへの着雪防止システム - Google Patents

アンテナへの着雪防止システム

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JP3119164B2
JP3119164B2 JP08147244A JP14724496A JP3119164B2 JP 3119164 B2 JP3119164 B2 JP 3119164B2 JP 08147244 A JP08147244 A JP 08147244A JP 14724496 A JP14724496 A JP 14724496A JP 3119164 B2 JP3119164 B2 JP 3119164B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンテナ、特に平
面的広がりを有するアンテナへの着雪防止システムに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、平面的広がりのあるアンテナへの
着雪防止システムにあっては、機械的振動を利用する場
合も、振動方向を制御するような考慮はなされておら
ず、振動を加えることにより単に雪を振り落すかまたは
自重によって滑り落ちるのを補助することを狙いとする
ものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特に衛星通信の場合な
ど、アンテナの抑角が高くなり、アンテナ反射鏡の大地
面に対する傾斜が緩くなるにしたがって、重力を利用す
ることは難しく、また湿った雪の場合には特に困難さを
加えるようになる。
【0004】本発明の目的は、アンテナ反射鏡の傾斜が
緩い場合や湿った雪の場合でも十分に効果を発揮するこ
とができる着雪防止システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のアンテナへの着
雪防止システムは、着雪防止の対象となる着雪面に対
し、着雪面上における着雪搬送方向と着雪面に垂直な方
向との合成方向に作用する振動を加える着雪面振動手段
を有する。
【0006】上述の着雪面振動手段は着雪面を直接に、
または着雪面支持構造を介し間接に振動させる。
【0007】着雪面がパラボラ反射鏡に取付けられたレ
ドームであるとき、着雪面振動手段がパラボラ反射鏡に
対するレドームの支持構造を介してレドウムを駆動して
もよい。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0009】図1は本発明の着雪防止システムを施した
パラボラアンテナの例を示す概念図、図2は図1のパラ
ボラアンテナにおける着雪防止動作の説明用図である。
【0010】図1において、給電ホーン10に対するパ
ラボラ反射鏡11の前面に平板状のレドーム12が取付
けられているが、このレドーム12を支持するため、
ラボラ反射鏡11の中心を挟む反射鏡の両端部分にアン
テナ指向方向から一定の角度だけ傾斜した鉄片付きの板
バネ13が設けられており、板バネ(13)に隣接して
設けられた電磁石14に通電することにより板バネ13
が振動し、したがってレドーム12が一定の方向に振動
するようになっている。
【0011】次に図1のパラボラアンテナにおけるレド
ーム12への着雪防止動作について、図2を参照して詳
細に説明する。
【0012】図2(a)において、板バネ13はパラボ
ラ反射鏡のアンテナ指向方向に垂直な平面(11)(反
射鏡周縁を含む平面すなわちレドーム12にも平行な平
面)に設けられ、アンテナ指向方向から角度θだけ傾
斜しており、板バネ13に取付けられた鉄片21は電磁
石14と対向している
【0013】着雪搬送方向はレドーム12上の雪片22
を移動させようとするレドーム12の表面における方向
であり、鉄片21と電磁石14が対向する方向に一致す
る。上の着雪搬送方向は気象条件等により、特にレドウ
ム12の表面の大地面にたいする傾斜が緩い場合には,
最大傾斜方向とは限らない。
【0014】電磁石14に通電すると鉄片21が吸引さ
れ、その結果板バネ13、さらにはレドーム12が移動
する。その移動方向は、板バネ13の取付けにθの角度
が設けられているため、レドーム12の表面に垂直かつ
搬送方向に平行な平面上において、レドーム12の表面
からαの角度をもったV(+)方向となる。すなわち、
V(+)方向は、レドーム表面上の搬送方向とレドーム
表面に垂直な方向との中間にあり、αはほぼθに等し
い。続いて電磁石14の電流を断にすると吸引力が失わ
れ、板バネ13の弾性によってレドーム12はV(−)
方向に移動する。以上の動作を繰り返し連続的に行え
ば、レドーム12はV(+)方向およびV(−)方向に
振動する。なお、このとき電磁石をON/OFFする周
期は、レドーム12と板バネ13からなる振動系の共振
周波数に一致させれば効率をよくすることができる。
【0015】図2(b)および(c)は上述の振動がレ
ドーム12上の雪片22に及ぼす作用を示している。
【0016】上述のような振動によりV(+)方向に加
速度31が加わると、レドーム12上に付着した雪片2
2にはその反作用として慣性力32が発生する。この慣
性力32はレドーム12に対して水平な水平成分33
と、垂直な垂直成分34とに分解される。このように、
垂直成分34があるため雪片22はレドーム12に押し
付けられ、摩擦力が増大して水平成分33の方向への滑
りが抑制される。
【0017】一方、V(−)方向に加速度35が加わる
と、雪片22には、水平成分37と垂直成分38とから
なる慣性力36が発生する。この垂直成分38はレドー
ム12から離れる方向であるので摩擦力が減少し、水平
成分37の方向への滑りを生ずる。
【0018】以上の結果、雪片22は水平成分37の方
向、すなわち搬送方向へ移動していくことになる。
【0019】
【発明の効果】レドームなどへの着雪を効果的に搬送す
る力が働くように方向を定めて振動を加えることによ
り、パラボナアンテナの大地面に対する傾斜が緩いとき
や湿った雪の場合にも、十分に着雪を防止することがで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の着雪防止システムを施したパラボナア
ンテナの例を示す概念図である。
【図2】本発明の着雪防止システムの動作説明用図であ
る。
【符号の説明】
10 給電ホーン 11 パラボラ反射鏡 12 レドーム 13 板バネ 14 電磁石 21 鉄片 22 雪片 31 加速度 32 慣性力 33 水平成分 34 垂直成分 35 加速度 36 慣性力 37 水平成分 38 垂直成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 1/02 H01Q 15/14 H01Q 15/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面的広がりを有するアンテナへの着雪
    防止システムにおいて、 着雪防止の対象であり、着雪面支持構造を介してアンテ
    ナ前面に取り付けられる着雪面に対し、該着雪面上にお
    ける着雪搬送方向と前記着雪面に垂直な方向との合成方
    向に作用する振動を断続的または継続的に加える着雪面
    振動手段を有することを特徴とするアンテナへの着雪防
    止システム。
  2. 【請求項2】 アンテナ、あるいは着雪面支持構造、あ
    るいは着雪面に固定された着雪面振動手段が、前記着雪
    面を直接に、あるいは前記着雪面支持構造を介して間接
    に振動させる請求項1記載のアンテナへの着雪防止シス
    テム。
  3. 【請求項3】 着雪面がパラボラ反射鏡に取り付けられ
    たレドームであり、前記着雪面振動手段が、前記パラボ
    ラ反射鏡に対する前記レドームの支持構造を介して該レ
    ドームを振動させる装置である請求項2記載のアンテナ
    への着雪防止システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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