JP3118163U - チルトヒンジ - Google Patents

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Abstract

【課題】自動開き角度を容易に変更できるチルトヒンジを提供する。
【解決手段】便蓋1の回動基端側に固定されたカムケース6と、便座2の回動基端側に固定されたばねケース7と、両ケース6,7を連結するヒンジ軸8と、該ヒンジ軸8に挿通されてばねケース7内に軸心方向に移動可能に且つ回り止め状に収容されたスライダー9と、ばねケース7内に収容されスライダー9をカムケース側に押圧付勢するばね部材10と、便蓋1が自動的に開き始める作用を働く自動開き角度を変更可能にした自動開き角可変機構27とを備える。自動開き角可変機構27は、カムケース6内のカム13をヒンジ軸8まわりに回転可能に且つ所定回転位置でカムケース6に対し固定可能に備えて、カム13の回転操作によりカムフォロア20の山頂部20aに対するカム13の山頂部13aの接触位置を変更させる。
【選択図】図7

Description

本考案は、洋式便器の便蓋・便座、ノート型パソコン、小型測定機器など開閉体の開閉回動機構に好適に用いられるチルトヒンジに関する。
例えば、洋式便器の便座のチルトヒンジとして、先に同一出願人により以下のようなチルトヒンジを提案した(特許文献1参照。)。そこでは、便座の回動基端側に固定されたカムケースと、このカムケース内に相対回転可能に嵌合されるように洋式便器側に固定された有底筒状のばねケースと、前記カムケースと前記ばねケースの同一回動軸心に貫通されて前記カムケースと前記ばねケースとを連結したヒンジ軸と、該ヒンジ軸に挿通されて前記ばねケース内に軸心方向に移動可能に且つ回り止め状に収容されたスライダーと、前記ばねケース内に収容され前記スライダーを前記カムケース側に押圧付勢するばね部材と、を備える。そして、前記カムケースの内底面の前記ヒンジ軸周りにはカムが一体に形成され、前記スライダーの先端における前記ヒンジ軸の周りに、前記カムケースの回転に伴い前記カムに対し摺接するカムフォロアが一体に形成され、前記便座の開き状態では、前記カムが、前記スライダーに作用する前記ばね部材のばね圧と、前記カムフォロアと接触する前記カムの傾斜面の傾斜角度とによって、前記便座の自重による閉じ方向への回転トルクよりも大きい開き方向の回転トルクが発生するようにしたものである。
このようなチルトヒンジによれば、便座の開き状態では、カムが、スライダーをカムケース側に押圧付勢するばね部材のばね圧と、スライダーのカムフォロアと接触するカムの傾斜面の傾斜角度とによって便座の自重による閉じ方向への回転トルクよりも大きい開き方向の回転トルクが発生するようにしてあるので、便座を手で持ち上げて開くときに要する操作力を軽減でき、また便座が開き状態で不用意に閉じ方向に倒れるようなことがなくてその開き状態を確保できる。したがって、とくに、介護用洋式便器に適用した場合は被介護者にとって使い勝手が良好であるという利点がある。
実用新案登録第3113963号
しかるに、上記のようなチルトヒンジでは、便座が開き途上において自動的に開く作用を働く自動開き角度は初期において一定(例えば、開角30°)に設定されたままであって、任意に自動開き角度を変更できるものが無かった為、洋式便器のサイズやユーザーのニーズに対応するには自動開き角度の異なる数種類のチルトヒンジを用意しておく必要があり、コスト高となり、在庫管理面においても不利であった。
本考案の目的は、このような問題を解決するためになされたもので、上記のような、カムケース、カム、ばねケース、ばね部材、スライダー、カムフォロアを備えるチルトヒンジにおいて、カムフォロアとの関係でカムの位相を変更・調整可能にすることにより自動開き角度を容易に変更できるチルトヒンジを提供することにある。
本考案は、相対的に開閉回動される第1の部材と第2の部材のうちの一方の部材に固定された有底筒状のカムケースと、このカムケースの開放端部内に、その開放端部が相対回動可能に嵌合されるように前記第1の部材と第2の部材のうちの他方の部材に固定された有底筒状のばねケースと、前記カムケースと前記ばねケースの同一回動軸心に貫通されて前記カムケースと前記ばねケースとを連結したヒンジ軸と、該ヒンジ軸に挿通されて前記ばねケース内に軸心方向に移動可能に且つ回り止め状に収容されたスライダーと、前記ばねケース内に収容され前記スライダーを前記カムケース側に押圧付勢するばね部材と、前記カムケースの内底面の前記ヒンジ軸周りに配備され、径方向で対向する少なくとも一対の、断面台形の山形状で、平らな山頂面と、この山頂面の一端から前記カムケースの内底面に向かって所定の傾斜角度で下る自動開き作動用の傾斜面とを有するカムと、前記スライダーの先端における前記ヒンジ軸の周りに一体に形成され、前記カムケースの回動に伴い前記カムに対し摺接する平らな山頂面と、前記カムの傾斜面に倣う傾斜面を有する断面台形状のカムフォロアと、を備えており、前記第1の部材または第2の部材の開き状態では、前記カムが、前記スライダーに作用する前記ばね部材のばね圧と、前記カムフォロアの傾斜面と接触する前記カムの傾斜面の傾斜角度とによって、前記第1の部材または第2の部材の自重による閉じ方向への回転トルクよりも大きい開き方向の回転トルクが発生するようにしてあるチルトヒンジにおいて、前記第1の部材または第2の部材が自動的に開き始める作用を働く自動開き角度を変更可能にした自動開き角可変機構を備えていることに特徴を有するものである。
ひとつの好適な実施態様として、本考案によるチルトヒンジは、前記自動開き角可変機構として、前記カムを前記ヒンジ軸まわりに回転可能に且つ所定回転位置で前記カムケースに対し固定可能に備えてなるものとすることができる。この場合、前記カムを前記ヒンジ軸まわりに回転させる手段としては、前記カムケースの前記カム近傍箇所に、先端を前記カムに係合させて該カムを前記ヒンジ軸まわりに回転させる工具を抜差し可能とする操作口を開口してなるものとすることができる。前記カムを前記カムケースに対し固定させる手段としては、前記カムと前記カムケースとを止めつける止めねじからなるものとすることができる。
上記構成のチルトヒンジによれば、第1の部材又は第2の部材の開き状態では、カムが、スライダーをカムケース側に押圧付勢するばね部材のばね圧と、カムフォロアの傾斜面と接触するカムの傾斜面の傾斜角度とによって第1の部材又は第2の部材の自重による閉じ方向への回転トルクよりも大きい開き方向の回転トルクが発生するようにしてあるので、第1の部材又は第2の部材を手で持ち上げて開くときに要する操作力を軽減でき、また第1の部材又は第2の部材が開き状態で不用意に閉じ方向に倒れるようなことがなくてその開き状態を確保できる。したがって、介護用洋式便器等に適用した場合は被介護者にとって使い勝手の良好なものである。
とくに、自動開き角可変機構により第1の部材又は第2の部材が自動的に開き始める作用を働く自動開き角度を任意角度に変更可能にしてあるので、ひとつのチルトヒンジで洋式便器等のサイズやユーザーのニーズに適切に対応することができ、製造コストの低減、在庫管理面においても有利となる。
本考案の好適な実施形態を図面に基づき説明する。図1は本考案の一実施例を示すチルトヒンジを取付けた便蓋及び便座を全閉状態で示す洋式便器の斜面図、図2は同洋式便器の側面図、図3は同便蓋、便座及びチルトヒンジの分解斜視図、図4はチルトヒンジの分解斜視図、図5はチルトヒンジのカムケースの斜視図、図6の(a)はカムケースのカムを円周方向に切断して示す展開断面図、(b)はカムフォロアを円周方向に切断して示す展開断面図、図7はチルトヒンジによる全開作動状態図、図8はチルトヒンジによる全閉作動状態図、図9はチルトヒンジによる開閉中間位置の作動状態図、図10の(a)はチルトヒンジによる全閉作動状態時におけるカムとカムフォロアとの接触状態を示す展開断面図、(b)はチルトヒンジによる開閉中間位置におけるカムとカムフォロアとの接触状態を示す展開断面図、(c)はチルトヒンジによる全開作動状態時におけるカムとカムフォロアとの接触状態を示す展開断面図、図11はチルトヒンジのカムケース及びカムの一部断面図である。
図1〜図3は本考案の実施形態を示しており、この実施形態では、第1の部材を構成する洋式便器3の上面に対し、第2の部材を構成する便蓋1および便座2が、チルトヒンジHを介して、図2(a)に仮想線で示すごとく垂直もしくは垂直に近い姿勢に開く開き状態と、図1、図2に実線状態で示すように洋式便器3の上面に水平もしくは水平に近い姿勢に閉じる閉じ状態とにわたって回動し、また便蓋1が、前記チルトヒンジHとは別のチルトヒンジHを介して、水平もしくは水平に近い姿勢の便座2の上面に対し図2(b)に仮想線で示すごとく垂直もしくは垂直に近い姿勢に開く開き状態と、図2(b)に実線で示すように便座2の上面に水平もしくは水平に近い姿勢に閉じる閉じ状態とにわたって回動するようにしたものである。
まず、第2の部材を構成する便座2が便蓋1ごと図2(a)に仮想線で示すように第1の部材である水平な洋式便器3の上面に対し垂直もしくは垂直に近い姿勢に開く開き状態と、図2(a)に実線で示すように洋式便器3の上面に水平もしくは水平に近い姿勢に閉じる閉じ状態とにわたって回動するようにした場合のチルトヒンジHの実施例について以下に説明する。
図1、図3に示すように、洋式便器3はこれの上面の後部に便座2を取付けるための左右一対の取付突起4,4を上向きに突設している。一方、便座2は洋式便器3の上面を覆い得る大きさの平面視で馬蹄形状に形成され、この便座2の後方の回動基端側には、洋式便器3の取付突起4,4に対応する左右一対のボス5,5(図3では一方のボス5のみを示す)が一体に備えられる。この便座2の一方のボス5と洋式便器3の一方の取付突起4間にチルトヒンジHが組込まれる。便座2のもう一方のボス5と洋式便器3のもう一方の取付突起4間には、通常の継手ピンによるヒンジ(図示せず)が組込まれる。
上記チルトヒンジHは、図3、図4に示すように、便座2のボス5に固定される有底筒状のカムケース6と、このカムケース6の開放端部6a内に、その開放端部7aが相対回転可能に嵌合されるように洋式便器3の取付突起4に固定される有底筒状のばねケース7と、カムケース6とばねケース7の同一回動軸心に貫通されて両ケース6,7を連結したヒンジ軸8と、該ヒンジ軸8に挿通されてばねケース7内に軸心方向に移動可能に且つ回り止め状に収容されるスライダー9と、ばねケース7内に収容されスライダー9をカムケース6側に押圧付勢する圧縮コイルばね等によるばね部材10と、便座2が便蓋1ごと自動的に開き始める作用を働く自動開き角度を変更可能にした自動開き角可変機構27(図11参照)とを備える。
図3、図4に示すように、カムケース6はこれの外周に複数個のキー状の突起11を軸心方向に設け、便座2のボス5の内周に突起11が嵌まる溝12をつけ、カムケース6をボス5に嵌合することによりカムケース6が便座2の回動基端側に固定される。
このカムケース6の内底面6bのヒンジ軸8周りには、図6(a)、図11に示すように、径方向で対向する少なくとも一対の、断面台形の山形状で、平らな山頂面13aと、この山頂面13aの一端からカムケース6の内底面6bに向かって比較的緩やかな勾配で下る傾斜面13bと、この傾斜面13bに連続して該傾斜面13bよりも急勾配で内底面6bに向かって下る自動開き作動用の傾斜面13cと、山頂面13aの他端から内底面6bに向かって直角に下るストッパー壁面13dとを有するカム13が配備されている。
図3、図4に示すように、ばねケース7はこれの外周に複数個のキー状の突起15を軸心方向に設け、洋式便器3の一方の取付突起4の先端部に設けた横孔16の内周に突起15が嵌まる溝17をつけ、ばねケース7を横孔16に挿入嵌合することによりばねケース7が洋式便器3の取付突起4に固定される。そして、便座2は洋式便器3の上に重ねられるとともに、カムケース6の開放端部6a内に、ばねケース7の開放端部7aが相対回転可能に嵌合される。図4に示すように、ばねケース7の開放端部7aには一対の切欠18,18が径方向に対向するよう設けられ、スライダー9の先端部の外周に切欠18,18に嵌まる回り止め突起19,19が設けられ、スライダー9は回り止め突起19を切欠18に嵌め込むことによりばねケース7の開放端部7a内に軸心方向に移動可能に且つ回り止め状に収容される。
スライダー9の先端におけるヒンジ軸8の周りには、図4、図6(b)に示すように、カムケース6の回転に伴いカム13に対し摺接するカムフォロア20,20が一体に形成されている。カムフォロア20は、カム13の山頂面13aの距離S1より短い距離S2をもつ平らな山頂面20aと、カム13の傾斜面13b、傾斜面13c、ストッパー壁面13dにそれぞれ倣う傾斜面20b、傾斜面20c、ストッパー壁面20dを有する断面台形状に形成されている。
カム13の自動開き作動用の傾斜面13cの傾斜角度(カムケース6の平らな内底面6bと成す角度)は、便座2の開き状態で、図7、図10(c)に示すように、カムフォロア20の傾斜面20cと接触し、スライダー9に作用するばね部材10のばね圧Wを伴って便蓋1と便座2の自重による閉じ方向への回転トルクよりも大きい開き方向Xの回転力が発生する角度に設定している。
自動開き角可変機構27は、図11に示すように、カム13をヒンジ軸8まわりに回転可能に且つ所定回転位置でカムケース6に対し固定可能に備えてなる。
カム13をヒンジ軸8まわりに回転可能にする手段としては、図5、図11に示すように、カムケース6のカム13近傍箇所に操作口28を周方向に開口し、この操作口28に六角レンチ等工具29を差込み、該工具29の先端をカム13の外周の凹部30に係合させ、該工具29を操作口28内に沿って移動させることで該カム13を所定位置にまで回転させるようにしてある。その所定位置とは、図10(a)において、カム13の山頂部13aの距離S1がカム位相の変更・調整可能な範囲で、初期設定においてこのカムの山頂部13aのいずれの箇所をカムフォロア20の山頂部20aに接触させておくかによって自動開き角を任意に変更できる。洋式便器のサイズやユーザーのニーズに適切に対応させるために、たとえば、自動開き角可変範囲を開角10°〜40°の範囲とした場合、その範囲内の最小の開角10°から自動的に開くように設定するには、山頂部13aの緩やかな傾斜面13b寄りの一端部位がカムフォロア20の山頂部20aに接触するように(図10(a)中の実線で示す状態を参照)設定し、最大の開角40°から自動的に開くように設定するには、山頂部13aのストッパー壁面13d寄りの他端部位がカムフォロア20の山頂部20aに接触するように(図10(a)中の仮想線Mで示す状態を参照)設定し、その中間の開角(例えば、30°)で自動的に開くように設定するには山頂部13aの前記一端部位と前記他端部位の中間部位がカムフォロア20の山頂部20aに接触するように設定する。
カム13を所定の回転位置に固定する手段としては、図11に示すように、カムケース6の底部にヒンジ軸8を中心とする円弧状のねじ装入孔31を1個もしくは2個以上開口し、このねじ装入孔31内の段部31aに座る頭部32aを付けた止めねじ32をカム13の背面側の雌ねじ33にねじ込むことによりカムケース6の内底面6bに対し固定するようにしている。
次に、上記構成のチルトヒンジHの作動について図7〜図9、図10(a)〜(c)を参照して説明する。
図2(a)中、仮想線では、便座2が便蓋1ごと開角90度を少し越えて後方へ少し傾いた開き状態を示している。この開き状態では、図7、図10(c)に示すように、ばねケース7は固定状態にあり、カム13は、スライダー9に作用するばね部材10のばね圧Wと、スライダー9のカムフォロア20の傾斜面20cと接触しているカム13の傾斜面13cの傾斜角度とにより開き方向Xの回転力が発生している。その開き方向Xの回転力は任意の角度(カム13の傾斜面13cとカムフォロア20の傾斜面20cとが接触している間)で働き、自由に角度設定ができる。全開状態時ではストッパー壁面13dとカムフォロア20のストッパー壁面20dとが接触することにより最大開角を規制する。この便座2の最大開角の規制手段としては、図4、図7に示すように、ばねケース7の開放端部7aにストッパー突起21を設け、カムケース6の開放端部6aに設けた切欠22内の一端部22aをストッパー突起21に係合させ、この係合により便座2の最大開角を規制することもできる。
この開き状態から便座2を便蓋1ごと閉じる方向にヒンジ軸8回りに手動で回動させて行くと、図9、図10(b)に示すように、一旦、カム13の緩やかな傾斜面13bがカムフォロア20の緩やかな傾斜面20bに乗り上げる。更に、便座2を閉じ方向に手動で回動させて行くと、図8、図10(a)に示すように、カム13は、平らな山頂面13aがスライダー9の山頂面20aに乗り上げ、便座2が便蓋1ごと洋式便器3上に閉じ合わされる。
便座2を閉じ状態から手で持ち上げて便蓋1ごと開き状態に戻す時には、カム13は、一旦、緩やかな傾斜面13bがカムフォロア20の緩やかな傾斜面20bと面接触してから、傾斜面13cがカムフォロア20の傾斜面20cに接触し始める。この接触により、カム13が、スライダー9に作用するばね部材10によるばね圧Wと、カムフォロア20の傾斜面20cと接触するカム13の傾斜面13cの傾斜角度とにより便座2の自重による閉じ方向への回転トルクよりも大きい開き方向Xの回転トルクが発生するようにしてあるため、この回転トルクの作用により、軽い操作力で便座2を全開状態に容易に戻すことができるし、また便座2が不用意に閉じ方向に倒れるようなことがなくてその開き状態を確保できる。このように便座2を便蓋1ごと開くときに、大きな操作力を必要としないようにしてあるため、介護用洋式便器に適用しても被介護者などの負担を軽減できる。
その際、便座2が自動的に開き始める自動開き角度が小さ過ぎたり、あるいは大き過ぎたりしてユーザーの好みに合わない場合は、その自動開き角度を任意に変更することができる。便座2の自動開き角度は、上述のとおり、図10(a)の便座2の全閉状態時におけるカム13の山頂部13aの、カムフォロア20の山頂部20aとの接触位置の設定を変更することにより変更させることができる。その変更に際しては、止めねじ32によるカム13の固定状態を解除したうえで、図11のように、カムケース6の操作口28に六角レンチ等工具29を差込み、工具29の先端をカム13の外周の凹部30に係合させ、工具29を操作口28内に沿って移動させることで該カム13を回転させることにより、図10(a)の便座2の全閉状態時におけるカムフォロア20の山頂部20aに対するカム13の山頂部13aの接触位置を変更させることができ、この変更により便座2の自動開き角度を変更させることができる。
変更後は、止めねじ32の締め込みによりカム13をカムケース6に固定する。このカム13の固定手段としては、その他に、例えば、図12に示すように、カムケース6の周壁一部に設けた雌ねじ34に止めねじ35をねじ込み、この止めねじ35の先端でカム13の外周面一部を押し付けるようにすることもできる。
次に、第1の部材を構成する、洋式便器3上に閉じた水平もしくは水平に近い状態の便座2の上面に対して、第2の部材を構成する便蓋1が、図2(b)に仮想線で示すごとく垂直もしくは垂直に近い姿勢に開く開き状態と、図2(b)に実線で示すように便座2の上面に水平もしくは水平に近い姿勢に閉じる閉じ状態とにわたって回動するようにした場合のチルトヒンジHの実施例について以下に説明する。
便蓋1は、図1、図3に示すように、洋式便器3及び便座2の上面全体を覆い得る大きさの平面視において馬蹄形状の盲壁に形成される。便蓋1の後方の回動基端側には、便座2の一方のボス5に対応するボス26が一体に備えられる。この便蓋1の一方のボス26と便座2の一方のボス5間にチルトヒンジHが組込まれる。便蓋1のもう一方のボス26と便座2のもう一方のボス5間には、通常の継手ピンによるヒンジ(図示せず)が組込まれる。
この場合のチルトヒンジHそれ自体は、上記実施例のチルトヒンジHと同一構造に構成されるものであって、便蓋1のボス26に固定される有底筒状のカムケース6と、このカムケース6の開放端部6a内に、その開放端部7aが相対回転可能に嵌合されるように便座2のボス5に固定される有底筒状のばねケース7と、カムケース6とばねケース7の同一回動軸心に貫通されて両ケース6,7を連結したヒンジ軸8と、該ヒンジ軸8に挿通されてばねケース7内に軸心方向に移動可能に且つ回り止め状に収容されるスライダー9と、ばねケース7内に収容されスライダー9をカムケース6側に押圧付勢する圧縮コイルばね等によるばね部材10と、便蓋1が自動的に開き始める作用を働く自動開き角度を変更可能にした自動開き角可変機構27と、を備える。
上記実施例でも説明したとおり、カムケース6はこれの外周に複数個のキー状の突起11を軸心方向に設け、便蓋1のボス26の内周に突起11が嵌まる溝(図示せず)をつけ、カムケース6をボス26に嵌合することによりカムケース6が便蓋1の回動基端側に固定される。このカムケース6の内底面6bのヒンジ軸8周りには、図6(a)、図11に示すように、径方向で対向する少なくとも一対の、全体が断面台形の山形状で、平らな山頂面13aと、この山頂面13aの一端から内底面6bに向かって比較的緩やかな勾配で下る傾斜面13bと、この傾斜面13bに連続して該傾斜面13bよりも急勾配で内底面6bに向かって下る自動開き作動用の傾斜面13cと、山頂面13aの他端から内底面6bに向かって直角に下るストッパー壁面13dとを有するカム13が配備されている。
また、上記実施例でも説明したとおり、ばねケース7はこれの外周に複数個のキー状の突起15を軸心方向に設け、便座2の回動基端側に一体に突設したボス5の内周に突起15が嵌まる溝12をつけ、ばねケース7をボス5内の上記実施例のカムケース6の軸方向外方に並ぶよう該ボス5内に嵌合することによりばねケース7が便座2の回動基端側に固定される。そして、便蓋1は便座2の上に重ねられるとともに、カムケース6の開放端部6a内に、ばねケース7の開放端部7aが相対回転可能に嵌合される。ばねケース7の開放端部7aには一対の切欠18,18が径方向に対向するよう設けられ、スライダー9の先端部の外周に切欠18,18に嵌まる回り止め突起19,19が設けられ、スライダー9は回り止め突起19を切欠18に嵌め込むことによりばねケース7の開放端部7a内に軸心方向に移動可能に且つ回り止め状に収容される。
スライダー9の先端におけるヒンジ軸8の周りには、これ又、上記実施例で説明した通り、図4、図6(b)に示すように、カムケース6の回転に伴いカム13に対し摺接するカムフォロア20,20が一体に形成されている。カムフォロア20は、平らな山頂面20aと、カム13の傾斜面13b、傾斜面13c、ストッパー壁面13dに倣う傾斜面20b、傾斜面20c、ストッパー壁面20dを有する断面台形状に形成されている。
カム13の傾斜面13cの傾斜角度(平らな内底面6bと成す角度)は、便蓋1の開き状態で、図7、図10(c)に示すように、カムフォロア20の傾斜面20cと接触し、スライダー9に作用するばね部材10のばね圧Wを伴って便蓋1の自重による閉じ方向への回転トルクよりも大きい開き方向Xの回転力が発生する角度に設定している。
ばね圧調整手段27は、上記実施例の自動開き角可変機構27と同様の自動開き角可変機構27を採用する。
次に、上記便蓋1のボス26と便座2のボス5間のチルトヒンジHの作動について図7〜図9、図10(a)〜(c)を参照して説明する。
図2(a)は便蓋1が開角90度を少し越えて後方へ少し傾いた開き状態を示している。この開き状態では、図7、図10(c)に示すように、ばねケース7は固定状態にあり、カム13はばね部材10のばね圧と、スライダー9のカムフォロア20の傾斜面20cと接触しているカム13の傾斜面13cの傾斜角度とにより開き方向Xの回転力が発生している。その開き方向の回転力は任意の角度(カム13の傾斜面13cとカムフォロア20の傾斜面20cとが接触している間)で働き、自由に角度設定ができる。開き状態時ではストッパー壁面13dとカムフォロア20のストッパー壁面20dとが接触することにより最大開角を規制する。この便座2の最大開角の規制手段としては、ばねケース7の開放端部7aにストッパー突起21を設け、カムケース6の開放端部6aに設けた切欠22内の一端部22aをストッパー突起21に係合させ、この係合により便座2の最大開角を規制することもできる。
この開き状態から便蓋1を閉じる方向にヒンジ軸8回りに手動で回動させて行くと、図9、図10(b)に示すように、一旦、カム13の緩やかな傾斜面13bがカムフォロア20の緩やかな傾斜面20bに乗り上げる。更に、便蓋1を閉じ方向に手動で回動させて行くと、図8、図10(a)に示すように、カム13は、平らな山頂面13aがスライダー9の山頂面20aに乗り上げ、便蓋1が便座2上に閉じ合わされる。
便蓋1を閉じ状態から手で持ち上げて開き状態に戻す時には、カム13は、一旦、緩やかな傾斜面13bがカムフォロア20の緩やかな傾斜面20bと面接触してから、傾斜面13cがカムフォロア20の傾斜面20cに接触し始める。この接触により、カム13が、スライダー9に作用するばね部材10によるばね圧Wと、カムフォロア20の傾斜面20cと接触するカム13の傾斜面13cの傾斜角度とにより便蓋1の自重による閉じ方向への回転トルクよりも大きい開き方向Xの回転トルクが発生するようにしてあるため、この回転トルクの作用により、軽い操作力で便蓋1を全開状態に容易に戻すことができるし、また便蓋1が不用意に閉じ方向に倒れるようなことがなくてその開き状態を確保できる。このように便蓋1を開くときも、上記実施例の便座2の場合と同様に、大きな操作力を必要としないようにしてあるため、介護用洋式便器に適用しても被介護者などの負担を軽減できる。
その際、便蓋1が自動的に開き始める自動開き角度が小さ過ぎたり、あるいは大き過ぎたりしてユーザーの好みに合わない場合は、上述した便座2の自動開き角度の変更操作要領と同じ要領で、便蓋1の自動開き角度を好みに合うように変更することができる。
上記実施例では、便座2の一方のボス5と洋式便器3の一方の取付突起4間にチルトヒンジHが組込まれ、便座2のもう一方のボス5と洋式便器3のもう一方の取付突起4間には、通常の継手ピンによるヒンジが組込まれるが、便座2の両方のボス5,5と洋式便器3の両方の取付突起4,4間にそれぞれ上記チルトヒンジHを組込むこともできる。同様に、便蓋1の一方のボス26と便座2の一方のボス5間にチルトヒンジHを組込み、便蓋1のもう一方のボス26と便座2のもう一方のボス5間には、通常の継手ピンによるヒンジを組込むという上記実施例に代えて、便蓋1に左右一対のボス26,26を設け、この両方のボス26,26と便座2の両方のボス5,5間にそれぞれ上記チルトヒンジHを組込むこともできる。
本考案のチルトヒンジは、洋式便器の便蓋や便座以外に、第1の部材を構成するキーボード本体と第2の部材であるディスプレイ装置からなるノート型パソコン、その他に小型測定機器等の開閉体の開閉用ヒンジとしても同様に適用できる。
本考案の一実施例を示すチルトヒンジにより取付けられた便蓋及び便座を全閉状態で示す洋式便器の斜面図である。 同洋式便器の側面図である。 同便蓋、便座及びチルトヒンジの分解斜視図である。 チルトヒンジの分解斜視図である。 チルトヒンジのカムケースの斜視図である。 (a)はカムを円周方向に切断して示す展開断面図、(b)はカムフォロアを円周方向に切断して示す展開断面図である。 チルトヒンジによる全開作動状態図である。 チルトヒンジによる全閉作動状態図である。 チルトヒンジによる開閉中間位置の作動状態図である。 (a)はチルトヒンジによる全閉作動状態時におけるカムとカムフォロアとの接触状態を示す展開断面図、(b)はチルトヒンジによる開閉中間位置におけるカムとカムフォロアとの接触状態を示す展開断面図、(c)はチルトヒンジによる全開作動状態時におけるカムとカムフォロアとの接触状態を示す展開断面図である。 チルトヒンジのカムケース及びカムの一部断面図である。 チルトヒンジのカム固定手段の他の実施例を図11に相応して示す断面図である。
符号の説明
H チルトヒンジ
1 便蓋
2 便座
3 洋式便器
6 カムケース
6a 開放端部
6b 内底面
7 ばねケース
7a 開放端部
8 ヒンジ軸
9 スライダー
10 ばね部材
13 カム
13a 山頂面
13c 傾斜面
20 カムフォロア
20a 山頂面
20c 傾斜面
27 自動開き角可変機構
28 操作口
29 工具
31 ねじ装入孔
32,35 止めねじ

Claims (4)

  1. 相対的に開閉回動される第1の部材と第2の部材のうちの一方の部材に固定された有底筒状のカムケースと、このカムケースの開放端部内に、その開放端部が相対回動可能に嵌合されるように前記第1の部材と第2の部材のうちの他方の部材に固定された有底筒状のばねケースと、前記カムケースと前記ばねケースの同一回動軸心に貫通されて前記カムケースと前記ばねケースとを連結したヒンジ軸と、該ヒンジ軸に挿通されて前記ばねケース内に軸心方向に移動可能に且つ回り止め状に収容されたスライダーと、前記ばねケース内に収容され前記スライダーを前記カムケース側に押圧付勢するばね部材と、前記カムケースの内底面の前記ヒンジ軸周りに配備され、径方向で対向する少なくとも一対の、断面台形の山形状で、平らな山頂面と、この山頂面の一端から前記カムケースの内底面に向かって所定の傾斜角度で下る自動開き作動用の傾斜面とを有するカムと、前記スライダーの先端における前記ヒンジ軸の周りに一体に形成され、前記カムケースの回動に伴い前記カムに対し摺接する平らな山頂面と、前記カムの傾斜面に倣う傾斜面を有する断面台形状のカムフォロアと、を備えており、
    前記第1の部材または第2の部材の開き状態では、前記カムが、前記スライダーに作用する前記ばね部材のばね圧と、前記カムフォロアの傾斜面と接触する前記カムの傾斜面の傾斜角度とによって、前記第1の部材または第2の部材の自重による閉じ方向への回転トルクよりも大きい開き方向の回転トルクが発生するようにしてあるチルトヒンジにおいて、
    前記第1の部材または第2の部材が自動的に開き始める作用を働く自動開き角度を変更可能にした自動開き角可変機構を備えていることを特徴とする、チルトヒンジ。
  2. 前記自動開き角可変機構が、前記カムを前記ヒンジ軸まわりに回転可能に且つ所定回転位置で前記カムケースに対し固定可能に備えて、前記カムの回転操作により前記カムフォロアの山頂部に対する前記カムの山頂部の接触位置を変更させるようにしてなる、請求項1記載のチルトヒンジ。
  3. 前記カムを前記ヒンジ軸まわりに回転させる手段が、前記カムケースの前記カム近傍箇所に、先端を前記カムに係合させて該カムを前記ヒンジ軸まわりに回転させる工具を抜差し可能とする操作口を開口してなる、請求項2記載のチルトヒンジ。
  4. 前記カムを前記カムケースに対し固定させる手段が、前記カムと前記カムケースとを止めつける止めねじからなる、請求項2記載のチルトヒンジ。

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