JP3116421B2 - ドライエッチング方法 - Google Patents

ドライエッチング方法

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JP3116421B2 JP03152414A JP15241491A JP3116421B2 JP 3116421 B2 JP3116421 B2 JP 3116421B2 JP 03152414 A JP03152414 A JP 03152414A JP 15241491 A JP15241491 A JP 15241491A JP 3116421 B2 JP3116421 B2 JP 3116421B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の製造分野
等において適用されるドライエッチング方法に関し、特
に対レジスト選択性及び対シリコン下地選択性に優れ、
しかも高速でパーティクル汚染が少ないシリコン化合物
層のドライエッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】VLSI、ULSI等にみられるように
半導体装置の高集積化及び高性能化に伴い、酸化シリコ
ン(SiO2 )に代表されるシリコン化合物層のドライ
エッチング方法についても技術的要求がますます厳しく
なってきている。
【0003】まず、高集積化によりデバイス・チップの
面積が拡大しウェハが大口径化していること、形成すべ
きパターンが高度に微細化されウェハ面内の均一処理が
要求されていること、またASICに代表されるように
多品種少量生産が要求されていること等の背景から、ド
ライエッチング装置はバッチ式から枚葉式に移行しつつ
ある。この際、従来と同等の生産性を維持するために
は、大幅なエッチング速度の向上が必須となる。
【0004】また、デバイスの高速化や微細化を図るた
めに不純物拡散領域の接合深さが浅くなり、各種の材料
層も薄くなっている状況下では、対下地選択性に優れダ
メージの少ないエッチング技術が要求される。例えば、
半導体基板内に形成された不純物拡散領域や、SRAM
の抵抗負荷素子として用いられるPMOSトランジスタ
のソース・ドレイン領域等にコンタクトを形成しようと
する場合に、シリコン基板や多結晶シリコン層を下地と
して行われるSiO2 層間絶縁膜のエッチング等がその
例である。
【0005】さらに、対レジスト選択比の向上も重要な
課題である。これは、サブミクロン・デバイスでは、レ
ジストの後退によるわずかな寸法変換差の発生も許容さ
れなくなってきているからである。
【0006】高速性、高選択性、低ダメージといった特
性は、互いに取捨選択される関係にあり、全てを満足で
きるエッチング・プロセスを確立することは極めて困難
である。
【0007】従来、シリコン系材料層に対して高い選択
比を保ちながらSiO2 層に代表されるシリコン化合物
層をドライエッチングするには、CHF3、CF4/H2
混合系、CF4/O2混合系、C26/CHF3混合系等
がエッチング・ガスとして典型的に使用されてきた。こ
れらは、いずれもC/F比(分子内の炭素原子数とフッ
素原子数の比)が0.25以上のフルオロカーボン系ガ
スを主体としている。これらのガス系が使用されるの
は、(a)フルオロカーボン系ガスに含まれるCがSi
2層の表面でC−Oを結合を生成し、Si−O結合を
切断したり弱めたりする働きがある、(b)SiO2
の主エッチング種であるCFn +(特にn=3) を生成で
きる、さらに(c)プラズマ中で相対的に炭素に富む状
態が作り出されるので、SiO2中の酸素がCO又はC
2の形で除去される一方、ガス系に含まれるC,H,
F等の寄与によりシリコン系材料層の表面では炭素系の
ポリマーが堆積してエッチング速度が低下し、シリコン
系材料層に対する高選択比が得られる、等の理由によ
る。
【0008】なお、上記のH2,O2等の添加ガスは選択
比の制御を目的として用いられているものであり、それ
ぞれF*発生量を低減若しくは増大させることができ
る。つまり、エッチング反応系の見掛け上のC/F比を
制御する効果を有する。
【0009】これに対し、本願出願人は、先に特願平2
−75828号明細書において、炭素数2以上の飽和な
いし不飽和の鎖状高次フルオロカーボン系ガスを使用す
るシリコン化合物層のドライエッチング方法を提案して
いる。これは、C26、C38、C410、C48等の
高次フルオロカーボン系ガスを使用することによりCF
n +を効率良く生成させ、エッチングの高速化を図ったも
のである。
【0010】但し、高次フルオロカーボン系ガスを単独
で使用するのみでは、対レジスト選択比及び対シリコン
下地選択比を十分に大きくとることができない。例え
ば、C38をエッチング・ガスとしてシリコン基板上の
SiO2層をエッチングした場合、高速性は達成される
ものの、対レジスト選択比が1.3程度と低く、エッチ
ング耐性が不足する他、パターン・エッジの後退により
寸法変換差が発生してしまう。また、対シリコン選択比
も4.1程度であるので、オーバーエッチング耐性に問
題が残る。
【0011】これらの問題を解決するため、上記の先行
技術では鎖状高次フルオロカーボン・ガス単独によるエ
ッチングは下地が露出する直前で停止し、シリコン化合
物層の残余部をエッチングする際には炭素系ポリマーの
堆積を促進するためにこのガスにさらにエチレン(C2
4)等の炭化水素系ガスを添加するという、2段階エ
ッチングが行われている。これは、エッチング反応系内
にC原子を補給すると共に、プラズマ中に生成するH*
で過剰のF*を消費してHFに変化させ、見掛け上のC
/F比を高めることを目的としている。
【0012】半導体装置のデザイン・ルールが高度に微
細化されている現状では、既にエッチング・マスクとの
寸法変換差がほとんど許容できなくなりつつあり、上述
のような2段階エッチングを行うにしても、1段目のエ
ッチングにおける選択比をさらに向上させることが必要
となる。また、今後より一層微細化が進行すると、炭素
系ポリマーによるパーティクル汚染の影響が深刻化する
ことも考えられるので、2段階目のエッチングにおける
炭化水素系ガス等の堆積性ガスの使用量もできるだけ低
減させる必要がある。
【0013】そこで、本発明者は先に特願平2−295
225号明細書において、被処理基板の温度を50℃以
下に制御した状態で、分子内に少なくとも1個の不飽和
結合を有する鎖状不飽和フルオロカーボン系ガスを用い
てシリコン化合物層をエッチングする技術を提案してい
る。上記鎖状不飽和フルオロカーボン系ガスは、放電解
離により理論上は1分子から2個以上のCFn +を生成す
るので、SiO2を高速にエッチングすることができ
る。また、分子内に不飽和結合を有することから解離に
より高活性なラジカルを生成させ易く、炭素系ポリマー
の重合が促進される。しかも、被処理基板の温度が50
℃以下に制御されていることにより、上記炭素系ポリマ
ーの堆積が促進される。したがって、対レジスト選択性
及び対シリコン下地選択性を向上させることができる。
上記鎖状不飽和フルオロカーボン系ガスとしては、オク
タフルオロブテン(C48)やヘキサフルオロプロペン
(C36)等を使用している。
【0014】また、同明細書には、鎖状不飽和フルオロ
カーボン系ガス単独によるエッチングはシリコン化合物
層の途中までで停止し、残余のエッチング及びオーバー
エッチングを上記の鎖状不飽和フルオロカーボン系ガス
にC24等の炭化水素系ガスを添加したガスを用いて行
う技術も同時に提案している。これは、下地シリコンに
対する選択性を一層向上させるために、エッチングの中
途から堆積性ガスを併用しているのである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来提案されている鎖
状不飽和フルオロカーボン系ガス若しくは環状不飽和フ
ルオロカーボン系ガスを使用する技術においては、十分
な選択比を得るため実用上は炭化水素系の堆積性ガスと
併用することが必要であった。
【0016】しかし、上述の堆積性ガスが使用されてい
る限りは、パーティクル汚染を十分に低減させることは
できない。すなわち、上記の堆積性ガスは放電解離によ
り気相中に炭素系ポリマーを生成してしまうので、枚葉
処理において処理回数を重ねるごとにエッチング・チャ
ンバ内に該炭素系ポリマーが蓄積されてしまう。このこ
とは、エッチングの再現性の低下、歩留りの低下、エッ
チング・チャンバの頻繁なメンテナンスによるスループ
ットの低下等を招く。
【0017】そこで本発明は、高異方性、高速性、高下
地選択性、高レジスト選択性、低汚染性、再現性等に優
れる新規なドライエッチング方法を提供することを目的
とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに提案される本発明は、被エッチング基板の温度を5
0℃以下に制御し、一般式Cxy(但し、x,yは原子
数を示す自然数であり、x≧2、y≦2x+2の条件を
満足する。)で表されるフルオロカーボン系化合物とH
2S、H22、H23、H24、S22、SF2、S
4、S210、SOF2のうちの少なくとの一種類とを
含むエッチング・ガスを用い、シリコン化合物層のエッ
チングを行う。
【0019】また、本発明は、被エッチング基板の温度
を50℃以下に制御し、一般式Cxy(但し、x,yは
原子数を示す自然数であり、x≧2、y≦2x+2の条
件を満足する。)で表されるフルオロカーボン系化合物
を含むエッチング・ガスを用い、シリコン化合物層を実
質的にその層厚分だけエッチングする第1の工程と、前
記フルオロカーボン系化合物とH2S、H22、H
23、H24、S22、SF2、SF4、S210、SO
2のうちの少なくとの一種類とを含むエッチング・ガ
スを用い、オーバーエッチングを行う第2の工程とを有
する。
【0020】さらに、本発明は、被エッチング基板の温
度を50℃以下に制御し、一般式Cxy (ただし、
x,yは原子数を示す自然数であり、x≧2,y≦2x
+2の条件を満足する。)で表されるフルオロカーボン
系化合物とH2S、H22、H23、H24、S22
SF2、SF4、S210、SOF2のうちの少なくとの一
種類とを含むエッチング・ガスを用い、シリコン化合物
層を実質的にその層厚分だけエッチングする第1の工程
と、前記フルオロカーボン系化合物に対する前記H
2S、H22、H23、H24、S22、SF2、S
4、S210、SOF2のうちの少なくとの一種類の含
量比を前記第1の工程におけるよりも高めてなるエッチ
ング・ガスを用い、オーバーエッチングを行う第2の工
程とを有する。
【0021】本発明においてエッチング・ガスの一方の
主体をなすフルオロカーボン系化合物Cxyは、C原子
数xが2以上であることからいわゆる高次フルオロカー
ボンの誘導体である。C原子数xの上限は、上記フルオ
ロカーボン系化合物を気化させた状態でエッチング反応
系に導入し得る限りにおいて、特に限定されるものでは
ない。
【0022】さらに、y≦2x+2なる条件から、上記
フルオロカーボン系化合物は飽和、不飽和のいずれの化
合物であってもよく、その炭素骨格も鎖状、環状の別を
問わない。特に不飽和化合物を使用する場合には、不飽
和結合の開裂によりプラズマ中にモノラジカル、あるい
は場合によってはカルベン等の高活性なビラジカル(二
端遊離基)が生成し、これらが不飽和結合中のπ電子系
を攻撃することにより炭素系ポリマーの重合が促進され
る。また、炭素骨格が環状である場合には飽和化合物で
あってもC/F比が高くなるので、やはり炭素系ポリマ
ーの形成に有利である。
【0023】本発明においてエッチング・ガスの他方の
主体をなすSを構成元素として有するイオウ系化合物と
しては、硫化水素(H2 S)、ポリ硫化水素(H2
2 ,H23 ,H24 )、フッ化イオウ(S22
SF2 ,SF4 ,S210)、フッ化チオニル(SOF
2 )等を使用することができる。常温で液体の物質につ
いては、不活性ガスを用いるバブリングにより気化させ
てから、エッチング反応系内に供給すればよい。これら
は、いずれも放電解離によりプラズマ中に遊離のSを生
成し得る化合物である。
【0024】なお、フッ化イオウの中でも最も良く知ら
れているSF6 は、放電解離によっても遊離のSを生成
せず、大量のF*を生成して選択性や異方性を低下させ
るおそれがあるので不適切である。また、SO2やSO3
等のように1分子内にS原子数よりも多いO原子を有す
る化合物は、O*による燃焼反応を起こしてレジスト・
マスク、あるいは堆積した炭素系ポリマーやSを除去す
るおそれがあるので好ましくない。
【0025】さらに本発明では、エッチング中の被エッ
チング基板の温度を50℃以下に制御する。この温度制
御は室温域でも、あるいは低温エッチングのごとく0℃
以下の温度域で行ってもよい。通常、ドライエッチング
の過程では冷却を特に行わなければ、被エッチング基板
の温度は200℃程度にも上昇する。しかし、温度を5
0℃以下に制御すれば、蒸気圧の低下により効率良く炭
素系ポリマーやSを堆積させることができる。特に、0
℃以下に冷却して低温エッチングを行えば、選択性の向
上は一層顕著となる。すなわち、レジスト材料やシリコ
ン系材料層のエッチングは、F*(フッ素ラジカル)に
よる化学反応を主体として進行するので、反応系の温度
が低下してラジカルの運動が抑制されるとエッチング速
度も低下する。これに対し、SiO2等のシリコン化合
物層のエッチングは、イオンによるスパッタリングを主
体として物理的に進行するので、冷却によるエッチング
速度の低下はレジスト材料やシリコン系材料ほど顕著で
はない。したがって、低温域では選択比の一層の向上が
期待できる。
【0026】
【作用】本発明で使用されるフルオロカーボン系化合物
の1分子からは、理論上は少なくとも2個のCFn +が生
成する。したがって、同じガス圧下ではCF3H、CF2
2といった公知のガスを使用した場合と比べてプラズ
マ中におけるCFn +の絶対量が多くなる。これにより、
シリコン化合物層のエッチングは高速に進行する。
【0027】特に、フルオロカーボン系化合物として不
飽和化合物若しくは環状化合物を使用する場合には不飽
和結合の開裂により高活性のラジカルが生成し、炭素系
ポリマーの重合が促進される。この炭素系ポリマーは、
50℃以下に温度制御されたウェハの表面に吸着され
る。ここで、レジスト・マスク及びシリコン下地の上面
では、炭素系ポリマーの堆積と垂直入射するイオンによ
る該炭素系ポリマーのスパッタ除去とが競合するため、
エッチング速度が大幅に低下して高い対レジスト選択比
が得られる。これに対し、エッチングすべきシリコン化
合物層の露出面では、炭素系ポリマーが堆積してもエッ
チング速度が低下することはない。例えば、シリコン化
合物層がSiO2層である場合、該SiO2層から放出さ
れるO原子が炭素系ポリマーの分解に寄与し、CO、C
2等の形で速やかにこれを脱離させるからである。こ
の過程は、大量に発生したCFn +にアシストされてい
る。一方、原理的にイオンの垂直入射が起こらないパタ
ーン側壁部では、上記炭素系ポリマーは側壁保護の役割
を果たし高異方性の達成に寄与する。
【0028】なお、フルオロカーボン系化合物が飽和化
合物であっても、添加するイオウ系化合物にエッチング
反応系の見掛け上のC/F比を増大させる効果がある場
合には炭素系ポリマーの堆積が期待できる。
【0029】ところで、上述のようなフルオロカーボン
系化合物からは、分子構造によってはF*も大量に生成
するが、本発明ではこのF*による選択性の低下や異方
性の低下を回避するためにイオウ系化合物を添加してい
る。すなわち、イオウ系化合物は放電解離によりプラズ
マ中にSを生成し、50℃以下に温度制御されたウェハ
の表面へこれを堆積させる。ウェハ表面のSのうち、イ
オンの垂直入射面に堆積した部分は直ちにスパッタ除去
されるが、原理的にイオンの垂直入射が起こらないパタ
ーン側壁部等にはそのまま残り側壁保護効果を発揮す
る。したがって、F*が多少過剰となっても、異方性加
工を行うことができる。特に、シリコン化合物層がSi
2層である場合には、該SiO2層の表面に堆積したS
はSiO2から供給されるO原子と結合してSO2、SO
3等の形で速やかに脱離するため、エッチング速度が低
下するおそれはほとんどない。しかも、パターン側壁部
に堆積したSは、エッチング終了後にウェハを90℃程
度に加熱すれば容易に昇華除去できるためパーティクル
汚染を惹起させることもない。
【0030】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0031】実施例1 本実施例は、本発明をコンタクト・ホールの加工に適用
し、オクタフルオロプロパン(C38)とH2Sとの混
合ガスを用いてSiO2層間絶縁膜をエッチングした例
である。
【0032】ここで、本発明で使用するマグネトロンR
IE(反応性イオン・エッチング)装置について簡単に
説明する。
【0033】本発明では、エッチング中にはウェハを5
0℃以下に冷却し、エッチング終了後には堆積したSを
昇華除去するためにウェハをおおよそ90℃以上に加熱
することから、冷却機構と加熱機構の両方が必要とな
る。このため、本願出願人が先に特願平2−30117
3号明細書において提案したマグネトロンRIE装置を
使用する。この装置は、ウェハ載置電極が冷却機構を内
蔵する固定電極と加熱機構を内蔵する可動電極との2つ
の部分から構成されている。エッチング中は、固定電極
と可動電極とを接触保持し、加熱機構を休止させ冷却機
構のみを作動させて両電極を同時に冷却することによ
り、ウェハを冷却する。また、エッチング終了後には、
可動電極を固定電極から離間させ、加熱機構を作動させ
ることによりウェハを加熱する。この装置は、装置自体
の大型化を招くことなく単一のチャンバ内で迅速なウェ
ハの加熱・冷却を行うことができる。
【0034】以下、上述のマグネトロンRIE装置を使
用した実際のプロセス例について図1を参照しながら説
明する。なお、図1は、模式的な表現の都合上、実際よ
りもアスペクト比が圧縮して描かれている。また、本明
細書及び図面では、種々の化学種について組成を表す一
般式に便宜的に共通の添字nを使用するが、これはそれ
ぞれの化合物の種類に応じて適宜設定される数であり、
どの化学種についても同時に同じ値をとることを示すも
のではない。
【0035】本実施例においてエッチング・サンプルと
して使用した被エッチング基板(ウェハ)は、図1の
(a)に示すように、予め不純物拡散領域2が形成され
た単結晶シリコン基板1上にSiO2層間絶縁膜3が形
成され、さらにSiO2層間絶縁膜のエッチング・マス
クとして開口部4aを有するレジスト・パターン4が形
成される。
【0036】このウェハを上述のマグネトロンRIE装
置のウェハ載置電極上にセットし、固定電極に内蔵され
る冷却配管に装置外部のチラーからエタノール冷媒を供
給循環させることにより、エッチング中のウェハ温度が
−30℃に維持されるようにした。この状態で、一例と
してC38流量45SCCM、H2S流量15SCC
M、ガス圧2Pa、RFパワー密度2.0W/cm2
磁場強度150Gaussの条件でSiO2層間絶縁膜
3のエッチングを行った。
【0037】このエッチングが進行する機構を、図1の
(b)に模式的に示す。図中、堆積とスパッタ除去が競
合する化学種の組成式は点線で囲み、安定に堆積してい
る化学種の組成式は実線で囲んだ。
【0038】SiO2層間絶縁膜3のエッチングは、プ
ラズマ中に生成するS*、F*等によるラジカル反応がS
+、Fn +等のイオンにアシストされる機構により進行す
る。このとき、SiO2層間絶縁膜3中のSi原子はS
iFnの形で、またO原子はSOn(n=2,3)及びC
n(n=1,2)の形でそれぞれ除去される。
【0039】一方、レジスト・パターン4の上面にはC
38のフラグメントに由来する炭素系ポリマーCFn
びH2Sに由来するSが吸着され、これらの堆積とスパ
ッタ除去とが競合している。ここで、C38はもともと
堆積性ガスではないが、このようにCFnが堆積するの
は、C38から生成するF*の一部がH2Sから生成する
*に捕捉されてフッ化水素(HF)の形で除去され、
エッチング反応系の見掛け上のC/F比が増大している
からである。かかるCFnとSの堆積により、レジスト
・パターン4の表面におけるエッチング速度が大幅に低
下し、対レジスト選択比が高くとれるようになる。ま
た、原理的にイオンの垂直入射が起こらないパターンの
側壁部ではCFn、Sが堆積し、側壁保護効果を発揮し
た。これにより、ラジカルの側方攻撃からパターン側壁
部を保護し、垂直壁を有するコンタクト・ホール3aを
形成することができる。
【0040】さらにエッチングが進み、シリコン下地で
ある不純物拡散領域2が露出した状態を図1の(c)に
示す。この段階では、被エッチング領域から酸素が供給
されなくなるので、不純物拡散領域2の表面にもCFn
やSが吸着され、これらの堆積とスパッタ除去とが競合
する。この結果、不純物拡散領域2の表面におけるエッ
チング速度が大幅に低下し、この後引き続いてオーバー
エッチングを行ったとしても、対シリコン選択比が大き
くとれる。この間に、レジスト・パターン4の膜厚は若
干減少するが、依然としてその表面ではCFnやSの堆
積と除去が競合し、十分な対レジスト選択比が維持され
ている。ここで、オーバーエッチング工程では結合の相
手を失って相対的に過剰となったラジカルがウェハ表面
でマイグレーションを起こすが、パターン側壁部に堆積
したCFn、Sの側壁保護効果によりコンタクト・ホー
ル3aの異方性形状が維持された。
【0041】なお、本実施例のエッチングにおけるエッ
チング速度は800nm/分、対レジスト選択比は3以
上、対シリコン選択比は15以上であった。上述の対レ
ジスト選択比が得られたことにより、寸法変換差は従来
と比べて大幅に低減された。また、上述のように高い対
シリコン選択比が得られたことにより、50%ものオー
バーエッチングを行っても単結晶シリコン基板及び不純
物拡散層が大きくダメージを受けることはなかった。
【0042】エッチング終了後、可動電極を上昇させて
内蔵するヒータに通電し、ウェハを約100℃に加熱し
た。このとき、Sは速やかに昇華し、除去された。この
とき、CFnはウェハ上に残存するが、これはアッシン
グの際にレジスト・パターン4と同時に除去された。
【0043】実施例2 本実施例は、コンタクト・ホール加工に適用した他の例
であり、ヘキサフルオロプロペン(C36)とS22
の混合ガスを用いてSiO2層間絶縁膜をエッチングし
た例である。
【0044】本実施例で使用したウェハは、前述した実
施例1で使用したものと同様である。
【0045】ウェハを、マグネトロンRIE装置にセッ
トし、一例としてC36流量40SCCM、S22流量
10SCCM、ガス圧2Pa、RFパワー密度2.0W
/cm2、磁場強度150Gauss、ウェハ温度0℃
の条件でエッチングを行った。
【0046】上述のエッチング過程におけるエッチング
反応の進行及び炭素系ポリマーCFnやイオウSの堆積
機構は、ほぼ実施例1で上述した通りであるが、プラズ
マ中には前述のイオンに加えてS22に由来するSFn +
が生成し、イオン・アシスト反応に寄与する。また、S
は、S22の放電解離により供給される。 本実施例で
使用したC36は分子内に二重結合を1個有し、実施例
1で使用したC38よりも炭素系ポリマーを重合させ易
い。また、S22は1分子中に2個のS原子を含有する
ため、放電解離によるSの生成効率も高い。したがっ
て、炭素系ポリマーCFnとSが効率的に堆積し、実施
例1よりもウェハ温度が高いにもかかわらず、高選択性
と高異方性とを達成することができた。
【0047】実施例3 本実施例は、コンタクト・ホール加工に適用したもので
あって、ジャスト・エッチングまでの工程ではオクタフ
ルオロシクロブタン(c−C48)を単独で使用し、オ
ーバーエッチング工程ではこれにH2Sを添加したエッ
チング・ガスを用いてSiO2層間絶縁膜をエッチング
した例である。
【0048】本実施例で使用したウェハも、前述した実
施例1で使用したものと同様である。
【0049】ウェハを、マグネトロンRIE装置にセッ
トし、一例としてc−C48流量50SCCM、ガス圧
2Pa、RFパワー密度2.0W/cm2、磁場強度1
50Gauss、ウェハ温度10℃の条件でSiO2
間絶縁膜3をまずジャスト・エッチング状態までエッチ
ングした。この過程では、c−C48のフラグメントに
由来する炭素系ポリマーCFnの堆積により優れた対レ
ジスト選択性が達成された。
【0050】次に、一例としてc−C48流量45SC
CM、H2S流量15SCCM、ガス圧2Pa、RFパ
ワー密度1.0W/cm2、磁場強度150Gaus
s、ウェハ温度10℃の条件でオーバーエッチングを行
った。
【0051】この過程では、CFnに加えてSも堆積
し、しかもRFパワー密度を下げて入射イオン・エネル
ギーが低減されている。したがって、ウェハ温度が一般
的な低温エッチングよりは高いにもかかわらず、優れた
対レジスト選択性と対シリコン選択性が達成された。
【0052】なお、上記c−C48に代えてその構造
異性体であるオクタフルオロブテンを使用した場合に
も、同様の結果が得られた。
【0053】実施例4 本実施例は、コンタクト・ホール加工に適用したもので
あって、ジャスト・エッチング工程とオーバーエッチン
グ工程との間でC38とH2Sの流量比を変化させてS
iO2層間絶縁膜をエッチングした例である。
【0054】本実施例で使用したウェハも、前述した実
施例1で使用したものと同様である。
【0055】ウェハを、マグネトロンRIE装置にセッ
トし、一例としてC38流量45SCCM、H2S流量
5SCCM、ガス圧2Pa、RFパワー密度2.0W/
cm2、磁場強度150Gauss、ウェハ温度10℃
の条件でSiO2層間絶縁膜3をまずジャスト・エッチ
ング状態までエッチングした。
【0056】次に、一例としてC38流量30SCC
M、H2S流量20SCCM、ガス圧2Pa、RFパワ
ー密度1.0W/cm2、磁場強度150Gauss、
ウェハ温度10℃の条件でオーバーエッチングを行っ
た。
【0057】本実施例では、オーバーエッチング工程に
おいてジャストエッチング工程と比べてH2Sの流量が
増大されており、ウェハ温度が10℃であるにもかかわ
らず、オーバーエッチング時の対シリコン選択性及び対
レジスト選択性が大幅に向上した。
【0058】以上、本発明を4種類の実施例を挙げて説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はなく、例えばスパッタリング効果、希釈効果、冷却効
果等を期待する意味で上述のエッチング・ガスにHe、
Ar等の希ガスを適宜添加してもよい。
【0059】さらに、被エッチング材料層は、上述のS
iO2に限られるものではなく、PSG、BSG、BP
SG、AsSG、AsPSG、AsBSG、SiN等で
あってもよい。
【0060】
【発明の効果】上述したように、本発明は、高次フルオ
ロカーボン系化合物を用いるシリコン化合物層のエッチ
ングにおいて、選択性の向上手段としてH2S、H
22、H23、H24、S22、SF2、SF4、S2
10、SOF2のうちの少なくとの一種類を添加する。エ
ッチングの高速性は、高次フルオロカーボン系化合物か
ら生成する大量のCFn +により可能となる。また、高選
択性は、炭素系ポリマーCFnやイオウSの堆積とスパ
ッタ除去とがレジスト材料やシリコン系材料の表面にお
いて競合することによりもたらされる。従来の選択性の
向上手段とは異なり堆積性ガスが添加されていないの
で、パーティクル汚染を惹起させるおそれがない。
【0061】本発明は、微細なデザイン・ルールに基づ
いて設計され、高集積度と高性能を有する半導体装置の
製造に極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をコンタクト・ホールに適用したプロセ
ス例をその工程順にしたがって示す模式的断面図であ
り、(a)はエッチング前のウェハの状態、(b)はS
iO2 層間絶縁膜のエッチングが途中まで進行した状
態、(c)はSiO2 層間絶縁膜のエッチングが終了し
てシリコン下地が露出した状態をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1 単結晶シリコン基板、 2 不純物拡散領域、 3
SiO2 層間絶縁膜、 3a コンタクト・ホール、
4 レジスト・パターン、 4a 開口部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被エッチング基板の温度を50℃以下に
    制御し、 一般式Cxy(但し、x,yは原子数を示す自然数であ
    り、x≧2、y≦2x+2の条件を満足する。)で表さ
    れるフルオロカーボン系化合物と 2 S、H 2 2 、H 2
    3 、H 2 4 、S 2 2 、SF 2 、SF 4 、S 2 10 、SOF 2
    のうちの少なくとの一種類とを含むエッチング・ガスを
    用い、シリコン化合物層のエッチングを行うことを特徴
    とするドライエッチング方法。
  2. 【請求項2】 被エッチング基板の温度を50℃以下に
    制御し、 一般式Cxy(但し、x,yは原子数を示す自然数であ
    り、x≧2、y≦2x+2の条件を満足する。)で表さ
    れるフルオロカーボン系化合物を含むエッチング・ガス
    を用い、シリコン化合物層を実質的にその層厚分だけエ
    ッチングする第1の工程と、 前記フルオロカーボン系化合物と 2 S、H 2 2 、H 2
    3 、H 2 4 、S 2 2 、SF 2 、SF 4 、S 2 10 、SOF 2
    のうちの少なくとの一種類とを含むエッチング・ガスを
    用い、オーバーエッチングを行う第2の工程とを有する
    ことを特徴とするドライエッチング方法。
  3. 【請求項3】 被エッチング基板の温度を50℃以下に
    制御し、 一般式Cxy (ただし、x,yは原子数を示す自然数
    であり、x≧2,y≦2x+2の条件を満足する。)で
    表されるフルオロカーボン系化合物と 2 S、H 2 2
    2 3 、H 2 4 、S 2 2 、SF 2 、SF 4 、S 2 10 、S
    OF 2 のうちの少なくとの一種類とを含むエッチング・
    ガスを用い、シリコン化合物層を実質的にその層厚分だ
    けエッチングする第1の工程と、 前記フルオロカーボン系化合物に対する前記 2 S、H 2
    2 、H 2 3 、H 2 4 、S 2 2 、SF 2 、SF 4 、S
    2 10 、SOF 2 のうちの少なくとの一種類の含量比を前
    記第1の工程におけるよりも高めてなるエッチング・ガ
    スを用い、オーバーエッチングを行う第2の工程とを有
    することを特徴とするドライエッチング方法。
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