JPH0536645A - ドライエツチング方法 - Google Patents

ドライエツチング方法

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JPH0536645A
JPH0536645A JP20722091A JP20722091A JPH0536645A JP H0536645 A JPH0536645 A JP H0536645A JP 20722091 A JP20722091 A JP 20722091A JP 20722091 A JP20722091 A JP 20722091A JP H0536645 A JPH0536645 A JP H0536645A
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JP
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etching
layer
gas
wafer
compound
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JP20722091A
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Shingo Kadomura
新吾 門村
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Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 SiO2 系材料層の高速異方性エッチングに
おいて、対シリコン下地選択性を向上させる。 【構成】 マグネトロンRIE装置のエッチング・チャ
ンバ1にS22 /H2 混合ガスを導入し、ウォーター
・ジャケット9と冷却配管8に冷却水を循環させながら
予備放電を行い、チャンバの内側壁面やウェハ載置電極
7の表面等にS層13を析出させる。次に、冷却水を止
め、ヒータ10でS層13を加熱しながらC4 8 を用
いてウェハ20上のSiO2 層間絶縁膜をエッチングす
る。S層13から昇華するSがC4 8 から生成する過
剰のF* を捕捉するので、反応系のC/F比が向上し、
下地選択性が向上する。従来のC/F比の向上策と異な
り水素が関与しないので、H+ に起因するシリコン基板
のダメージが生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の製造分野等
において適用されるドライエッチング方法に関し、特に
下地のシリコン系材料層に対してH+ に起因するダメー
ジを与えることなく選択性を向上させながら、シリコン
化合物層を高速異方性エッチングする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のVLSI,ULSI等にみられる
ように半導体装置の高集積化および高性能化が進展する
に伴い、酸化シリコン(SiO2 )に代表されるシリコ
ン化合物層のドライエッチング方法についても技術的要
求がますます厳しくなってきている。まず、高集積化に
よりデバイス・チップの面積が拡大しウェハが大口径化
していること、形成すべきパターンが高度に微細化され
ウェハ面内の均一処理が要求されていること、またAS
ICに代表されるように多品種少量生産が要求されてい
ること等の背景から、ドライエッチング装置の主流は従
来のバッチ式から枚葉式に移行しつつある。この際、従
来と同等の生産性を維持するためには、大幅なエッチン
グ速度の向上が必須となる。また、デバイスの高速化や
微細化を図るために不純物拡散領域の接合深さが浅くな
り、また各種の材料層も薄くなっている状況下では、従
来以上に対下地選択性に優れダメージの少ないエッチン
グ技術が要求される。たとえば、半導体基板内に形成さ
れた不純物拡散領域や、SRAMの抵抗負荷素子として
用いられるPMOSトランジスタのソース・ドレイン領
域等にコンタクトを形成しようとする場合等に、シリコ
ン基板や多結晶シリコン層を下地として行われるSiO
2 層間絶縁膜のエッチングがその例である。しかし、高
速性、高選択性、低ダメージ性といった特性は互いに取
捨選択される関係にあり、すべてを満足できるエッチン
グ・プロセスを確立することは極めて困難である。
【0003】従来、Si系材料層に対して高い選択比を
保ちながらSiO2系材料層をドライエッチングするに
は、CHF3 、CF4 /H2 混合系、CF4 /O2 混合
系、C2 6 /CHF3 混合ガス等がエッチング・ガス
として典型的に使用されてきた。これらは、いずれもC
/F比(分子内の炭素原子数とフッ素原子数の比)が
0.25以上のフルオロカーボン系ガスを主体としてい
る。これらのガス系が使用されるのは、(a)フルオロ
カーボン系ガスに含まれるCがSiO2 層の表面でC−
O結合を生成し、Si−O結合を切断したり弱めたりす
る働きがある、(b)SiO2 層の主エッチング種であ
るCFn + (特にn=3) を生成できる、さらに(c)
プラズマ中で相対的に炭素に富む状態が作り出されるの
で、SiO2 中の酸素がCOまたはCO2 の形で除去さ
れる一方、ガス系に含まれるC,H,F等の寄与により
シリコン系材料層の表面では炭素系のポリマーが堆積し
てエッチング速度が低下し、シリコン系材料層に対する
高選択比が得られる、等の理由にもとづいている。
【0004】ここで、上述のエッチング・ガスの中に
は、CHF3 のように分子内に構成元素として水素を有
する化合物を使用したり、あるいはH2 を添加ガスとし
て使用するなど、何らかの形で水素を含んでいるものが
多い。これは、プラズマ中に発生するH* で過剰なF*
を捕捉し、HF(フッ化水素)の形でエッチング反応系
外へ除去するためである。これにより、エッチング反応
系の見掛け上のC/F比が増大し、炭素系ポリマーの堆
積が促進されるので、シリコン系の下地に対して高い選
択比が達成できる。
【0005】また、本願出願人は先に特願平2−295
225号明細書において、被エッチング基板(ウェハ)
の温度を50℃以下に制御した状態で、分子内に少なく
とも1個の不飽和結合を有する鎖状不飽和フルオロカー
ボン系ガスを用いてシリコン化合物層をエッチングする
技術を提案している。上記鎖状不飽和フルオロカーボン
系ガスは、放電解離により理論上は1分子から2個以上
のCFn + を生成し得るので、たとえばSiO2 系材料
層を高速にエッチングすることができる。また、分子内
に不飽和結合を有することから解離により高活性なフル
オロカーボン系ラジカルを生成させ易く、炭素系ポリマ
ーの重合が促進される。しかも、ウェハの温度が50℃
以下に制御されていることにより、上記炭素系ポリマー
のウェハ上への堆積が促進される。したがって、対レジ
スト選択性および対シリコン下地選択性を向上させるこ
とができる。上記鎖状不飽和フルオロカーボン系ガスと
しては、オクタフルオロブテン(C4 8 )やヘキサフ
ルオロプロペン(C3 6)等を使用している。また、
同明細書には、鎖状不飽和フルオロカーボン系ガス単独
によるエッチングはシリコン化合物層の途中までで停止
し、残余のエッチングおよびオーバーエッチングを上記
の鎖状不飽和フルオロカーボン系ガスにC2 4 等の炭
化水素系ガスを添加したガスを用いて行う技術も同時に
提案している。これは、下地シリコンに対する選択性を
一層向上させるために、エッチングの中途から堆積性ガ
スとしてC2 4 を併用しているのである。ここでも、
水素を構成元素とする化合物がC/F比の制御に利用さ
れているわけである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これまでの説明からも
明らかなように、従来のシリコン化合物層のエッチング
では、実用上十分な選択比を得るために、分子内に水素
を構成元素として有するフルオロカーボン系ガスを使用
するか、もしくはH2 や炭化水素系ガスを添加すること
が必要であった。しかし、デザイン・ルールの微細化と
共に、これらのエッチング・ガス系に含まれる水素の影
響が無視できなくなってきた。たとえば、Applie
d Physics Letters 1988年第5
3巻18号,1735〜1737ページには、水素プラ
ズマによる単結晶シリコンの欠陥誘発が報告されてい
る。つまり、水素プラズマ中に生成するH+ はイオン半
径も質量も極めて小さいため、シリコン基板へ注入され
ると大きな飛程で侵入し、その後のプロセスにおいて結
晶欠陥を誘発する核として作用するのである。また、結
晶欠陥までには至らなくとも、H+ の注入により引き起
こされる結晶歪みがコンタクト抵抗の増大につながるこ
とが懸念される。そこで、通常のプロセスでは、シリコ
ン基板の表層部から数十nmの深さまでライトエッチを
行い、ダメージを生じた層を除去している。
【0007】しかし、半導体装置の製造分野では前述の
ように枚葉処理が主流となりつつあり、ドライエッチン
グ装置としても、マグネトロン放電やECR(電子サイ
クロトロン共鳴)放電を利用して高密度プラズマを生成
させながら高速エッチングを行うタイプの装置が多用さ
れるようになっている。このような高密度プラズマ中に
ウェハが置かれた場合、炭化水素系ガスから放電解離に
より生成するH+ がシリコン基板へ大きなダメージを与
えることは十分に予測される。また、ダメージを生じた
層をライトエッチにより除去するにしても、不純物拡散
領域の接合深さがますます浅くなっている現状では、こ
のような後処理によるシリコン基板の除去量も軽視でき
ないレベルになってきている。したがって、プラズマ中
にH+ を発生させないガス系によりエッチングを行うこ
とが望まれている。
【0008】この点に鑑みて、本願出願人は先に特願平
3−40966号明細書において飽和または不飽和の環
状フルオロカーボン系化合物を使用するプロセスを提案
している。上記化合物は、自身の骨格構造に起因しても
ともと高いC/F比を有しているので、エッチング反応
系内に水素を共存させなくても比較的高い下地選択性を
達成できる。しかし、高密度プラズマを生成するタイプ
のエッチング装置を使用した場合には、化合物の解離が
促進されて大量のF* が生成する可能性があり、高いレ
ベルの対下地選択性を望むためには、いま一層のプロセ
スの改良が必要である。そこで本発明は、シリコン基板
へダメージを惹起させることなく選択性に優れるシリコ
ン化合物層のエッチングを行う方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のドライエッチン
グ方法は、上述の目的を達成するために提案されるもの
である。すなわち、本願の第1の発明にかかるドライエ
ッチング方法は、エッチング・チャンバの内壁面および
/または内部構成部材の表面の少なくとも一部をイオウ
系材料層で被覆した状態で、一般式Cx y (ただし
x,yは原子数を表す自然数であり、x≧2,y≦2x
+2の条件を満足する。)で表されるフルオロカーボン
系化合物を含むエッチング・ガスを用いて酸化シリコン
化合物層をエッチングすることを特徴とする。
【0010】さらに、本願の第2の発明にかかるドライ
エッチング方法は、前記イオウ系材料層を、放電解離条
件下で遊離のイオウを生成する化合物を含むガスを用い
て予備放電を行うことにより形成することを特徴とす
る。
【0011】
【作用】本発明で使用されるフルオロカーボン系化合物
は、C原子数x≧2であることからいわゆる高次フルオ
ロカーボン系化合物であり、またF原子数y≦2x+2
であることから飽和もしくは不飽和の化合物である。炭
素骨格も直鎖状,分枝状,環状等の種々の構造をとり得
る。いずれにしても、高次フルオロカーボン系化合物の
1分子からは、理論上は2個以上のCFn + が生成する
可能性がある。したがって、ガス流量が同じであればC
3 H,CF2 2 といった従来公知のガスを使用した
場合と比べてプラズマ中におけるCFn + の絶対量が多
くなり、高速エッチングが可能となる。
【0012】ここで、上述のような高次フルオロカーボ
ン系化合物を使用すれば、必然的にプラズマ中における
* の生成量は多くなる。特に、マグネトロン放電やE
CR放電を利用して高密度プラズマを生成させる装置に
おいては、F* が顕著に増大してしまう。しかし、上記
高次フルオロカーボン系化合物は水素を構成元素として
含まないため、自身は放電解離条件下でC/F比を調節
する機能を備えていない。そこで従来は、エッチング反
応系のC/F比を増大させるためにH2 や炭化水素系ガ
スを添加していたが、本発明ではエッチング開始前に予
めエッチング・チャンバの内壁面および/または内部構
成部材の表面の少なくとも一部をイオウ(S)系材料層
で被覆しておく。このような状態では、高次フルオロカ
ーボン系化合物が放電解離下でプラズマ中に生成したF
* の一部は、上記イオウ系材料層から供給されるSと結
合することにより蒸気圧の高いSFx に変化し、エッチ
ング反応系外へ除去される。つまり、エッチング反応系
の見掛け上のC/F比が増大するのである。したがって
炭素系ポリマーの堆積が促進され、対シリコン下地選択
性および対レジスト選択性を向上させることができる。
本発明によれば、エッチング反応系に水素が関与してい
ないため、H+ に起因するダメージを本質的に回避する
ことができる。したがって、シリコン基板の表層部に形
成されたダメージ層を除去するためのライトエッチも不
要となる。
【0013】本願の第2の発明では、上記イオウ系材料
層を形成するための実用性の高い方法として、予備放電
を提案する。この予備放電では、エッチング・チャンバ
内にガスを導入して放電を行い、プラズマ中に解離生成
した遊離のSを該エッチング・チャンバの内壁部や内部
構成部材の表面に堆積させる。この方法によれば気相中
から固体粒子を堆積させるので、既存の装置の構成材料
を何ら変更する必要がなく、しかもその形状等の制約を
受けることなく堆積可能な部位にはほぼ均一にイオウ系
材料層を形成することができる。
【0014】実施例 以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0015】実施例1 本実施例は、本願の第2の発明をコンタクト・ホール加
工に適用し、マグネトロンRIE装置のエッチング・チ
ャンバ内でS2 2 /H2 混合ガスを用いて予備放電を
行うことによりチャンバ内にSを堆積させた後、C4
8 (オクタフルオロブテン)を用いてSiO2 層間絶縁
膜をエッチングした例である。
【0016】まず、本実施例で使用するマグネトロンR
IE装置の構成を、図1を参照しながら概略的に説明す
る。この装置は、エッチング・チャンバ1の蓋部を構成
する上部電極3と該上部電極3と対向配置されるウェハ
載置電極7との間にRF電源12からRFパワーを印加
し、上記エッチング・チャンバ1に導入された希薄なエ
ッチング・ガスを放電解離させてプラズマを生成し、そ
のプラズマ中の化学種を利用してウェハ20上の所定の
材料層をエッチングするものである。上部電極3はエッ
チング・チャンバ1のチャンバ壁の一部を構成する部材
であり、側壁部とは絶縁シール2により電気的に絶縁さ
れている。エッチング・チャンバ1の側壁部上方には図
中矢印A方向からエッチング・ガスを導入するためのガ
ス導入管4が開口されており、また底部にはチャンバ内
部を図中矢印D方向に排気するための排気口5が開口さ
れている。エッチング・チャンバ1の内部には、チャン
バ壁に絶縁ブロック6を介して固定保持されるウェハ載
置電極7が収容されている。上記ウェハ載置電極7はR
F電源12に接続されており、またその内部には冷却水
を循環させるための冷却配管8が内蔵されている。さら
に、エッチング・チャンバ1の外部であって上部電極3
の背面側には、RF電界に直交する磁場を形成するた
め、偏心回転機構を備えたマグネット11が配設されて
いる。
【0017】以上は、一般的なマグネトロンRIE装置
の構成とほぼ同様であるが、上記エッチング・チャンバ
1の側壁部には、本発明への適用を考慮してさらに冷却
/加熱機構が加えられている。すなわち、エッチング・
チャンバ1の外表面を周回するように配設されるウォー
ター・ジャケット9と、側壁部の内部に埋設されるヒー
タ10である。上記ウォーター・ジャケット9は、図中
矢印B方向から導入される冷却水を循環させることによ
り、プラズマ輻射熱で昇温するチャンバ壁を冷却するこ
とができ、逆に上記ヒータ10は、プラズマ輻射熱の作
用を補ってチャンバ壁を加熱することができる。この機
構により、エッチング・チャンバ1の内壁部においてS
の堆積または放出を促進することができる。
【0018】次に、上述のマグネトロンRIE装置を使
用した実際のコンタクト・ホール加工のプロセス例につ
いて説明する。まず、図1(a)に示されるように、ヒ
ータ10はオフ(OFF)とし、ウォーター・ジャケッ
ト9に冷却水を循環させた。また、ウェハ載置電極7上
にはダミー・ウェハ14をセットし、冷却配管8に冷却
水を循環させた。ここで、上記ダミー・ウェハ14は放
電状態を安定化させ、かつウェハ載置面へのSの付着を
防止するためにセットされている。この状態で、ガス導
入管4からS2 2 /H2 混合ガスを供給して予備放電
を行った。予備放電の条件は、一例としてS22 流量
20SCCM,H2 流量20SCCM,ガス圧1.3P
a(10mTorr),RFパワー密度1.27W/c
2 (2MHz),磁場強度150Gaussの放電時
間1分間とした。ここで使用したS2 2 は、本発明者
が特願平2−198045号明細書を始めとする一連の
出願により提案しているフッ化イオウのひとつであり、
放電解離条件下でSFx + ,Sx + 等のイオン、および
* を生成することから、条件の設定によりSiO2
化合物、シリコン系化合物、アルミニウム系化合物等の
各種材料層のエッチングに適用できるものである。この
2 2 を使用するプロセスの最大の特長は、プラズマ
中に生成する遊離のSをウェハ上に堆積させて側壁保護
に利用し、エッチング終了後にはこのSを昇華除去して
クリーンなエッチングが行えることである。しかし、本
発明ではS2 2 をエッチング・ガスとして使用するの
ではなく、Sの堆積に利用する。この目的のためには、
ガス系のS/F比(S原子数とフッ素原子数との比)を
高めた方が都合が良い。そこで、前述のようにH2 を混
合し、過剰なF* をH* で捕捉させているのである。こ
の予備放電により、エッチング・チャンバ1の内側壁
面、ウェハ載置電極7の表面、ダミー・ウェハ14の表
面等の冷却された表面には、S層13が形成された。
【0019】次に、ウェハ載置電極7上のダミー・ウェ
ハ14を取り外して代わりに被エッチング基板であるウ
ェハ20をセットした。ここで、上記ウェハ20は図2
(a)に示されるように、予め不純物拡散領域22が形
成された単結晶シリコン基板上21にSiO2 層間絶縁
膜23が形成され、さらに該SiO2 層間絶縁膜23の
エッチング・マスクとして開口部24aを有するレジス
ト・パターン24が形成されてなるものである。さら
に、ウォーター・ジャケット9および冷却配管8への冷
却水の供給を停止し、ヒータ10をオン(ON)とし、
ガス導入管4からはC4 8 を供給した。この状態で、
一例としてC4 8 流量50SCCM,ガス圧1.3P
a(10mTorr),RFパワー密度3.18W/c
2 ,磁場強度150Gaussの条件でエッチングを
行った。このエッチング過程では、C4 8 が放電解離
条件下でプラズマ中に大量に生成するCFn + により、
SiO2 層間絶縁膜23のエッチングがイオン・アシス
ト反応を主体とする機構により高速に進行した。また、
4 8 は分子内に二重結合を1個有しており、この二
重結合のπ電子系に高活性なラジカルが作用することに
より効率良く炭素系ポリマーを形成することができる。
この炭素系ポリマーは、レジスト・パターン24の表面
で堆積とスパッタ除去とを競合させることにより対レジ
スト選択比を向上させることに寄与する一方、イオンの
垂直入射が原理的に起こらないパターンの側壁部に堆積
し、図2(b)に示されるような側壁保護膜25を形成
した。この側壁保護膜25の存在により、エッチングは
異方的に進行し、ほぼ垂直壁を有するコンタクト・ホー
ル23aが形成された。
【0020】ところで、マグネトロンRIE装置のよう
な高密度プラズマ生成型の装置では、C4 8 のように
1分子中に8個ものF原子を含む化合物を放電解離させ
ると大量のF* が生成してしまう。この大量のF* は、
不純物拡散領域22が露出した時点で下地選択性を大き
く低下させる虞れがある。従来の技術では、C4 8
使用した場合の対シリコン下地選択比は6程度であっ
た。しかし、本発明によれば、エッチング・チャンバ1
の内側壁面がヒータ10で加熱され、またウェハ・ステ
ージ7の表面がプラズマ輻射熱で加熱されることによ
り、これらの表面に予め形成されているS層13から昇
華したSがプラズマ中に供給される。このSがF* を捕
捉してSFx の形で揮発させるため、エッチング反応系
は見掛け上のC/F比が増大し、炭素に富む状態とな
る。したがって、対シリコン下地選択比は約15に向上
した。しかも、従来技術とは異なりC/F比の増大に水
素が関与していないので、水素に起因するダメージ等も
当然起こらず、サーマル・ウェーブ法により評価した基
板ダメージは従来の1/2程度に抑えられていた。さら
に、エッチング後のウェハの断面を透過型電子顕微鏡で
観察したところ、従来、Hを含有するエッチング・ガス
でエッチングを行った場合に不純物拡散領域の表層部に
特徴的にみられた結晶歪みが、本実施例では全くみられ
なかった。したがってライトエッチも不要であった。な
お、本発明はSでF* を消費してエッチング反応系の見
掛け上のC/F比を増大させるとの発想にもとづいてい
るので、予備放電を行わずにS2 2を直接C4 8
添加してエッチングを行うことも考えられる。しかし、
この場合にはS2 2 自身がF* の供給源となってしま
うため、余り効果的な方法とは言えない。
【0021】実施例2 本実施例も実施例1と同様、本願の第2の発明をコンタ
クト・ホール加工に適用した例であるが、エッチング装
置としてはRFバイアス印加型の有磁場マイクロ波プラ
ズマ・エッチング装置を使用し、S2 2 /H2 混合ガ
スを用いて予備放電を行った後、C3 6 (ヘキサフル
オロプロペン)を用いてSiO2 層間絶縁膜をエッチン
グした例である。本実施例で使用した有磁場マイクロ波
プラズマ・エッチング装置の図示および構成の詳述は省
略するが、この装置はエッチング・チャンバの上部が石
英製のベルジャーであり、この部分がマイクロ波の導入
窓にもなっているため、チャンバ内壁面の広い範囲を冷
却してS層を形成することは構造上難しい。そこで、S
層の形成は、ウェハ載置電極に内蔵される冷却配管に冷
却水を循環させることにより冷却できる範囲のみとし
た。すなわち、まずダミー・ウェハをウェハ載置電極上
にセットし、該ウェハ載置電極を冷却し、一例としてS
22 流量20SCCM,H2 流量20SCCM,ガス
圧1.3Pa(10mTorr),マイクロ波パワー8
50W,放電時間1分間の条件で予備放電を行った。こ
の予備放電により、プラズマ中に生成したSがウェハ載
置電極,ウェハ・クランプ,ダミー・ウェハ等の表面に
堆積し、S層が形成された。
【0022】次に、冷却配管への冷却水の供給を停止
し、ウェハ載置電極上に前述の図2(a)に示したもの
と同じウェハ20をセットし、一例としてC36 流量
50SCCM,ガス圧1.3Pa(10mTorr),
マイクロ波パワー850W,RFバイアス・パワー20
0W(400kHz)の条件でSiO2 層間絶縁膜23
をエッチングした。この過程では、前述のC4 8 を用
いた実施例1とほぼ同様の機構によりエッチングが進行
し、良好な異方性形状を有するコンタクト・ホール23
aが高速に形成された。本実施例における対シリコン下
地選択比も、約15と高い値であった。
【0023】以上、本発明を2つの実施例にもとづいて
説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではなく、たとえば放電解離条件下で遊離のイオウ
を生成する化合物としては、上述のS2 2 の他にもS
2 ,SF4 ,S2 10,S2 Cl2 ,S3 Cl2 ,S
Cl2 ,S2 Br2 ,S3 Br2 ,SBr2 等のハロゲ
ン化イオウや、SOF2 ,SOCl2 ,SOBr2 等の
ハロゲン化チオニルを使用することができる。また、予
備放電時にこれらの化合物から生成するハロゲン・ラジ
カルを捕捉するために添加される化合物としては、上述
のH2 の他、H2 Sやシラン系化合物を使用することも
できる。H2 SはS供給源でもあるため、チャンバ内に
おけるSの堆積を促進することができる。また、シラン
系化合物を用いた場合は、H* とSi* の双方がハロゲ
ン・ラジカルの捕捉に寄与するため、やはりSの堆積を
促進することができる。エッチング・ガスに含まれるフ
ルオロカーボン系化合物も、上述のC4 8 ,C3 6
に限定されるものではない。C原子数xの上限は、上記
鎖状化合物を気化させた状態でエッチング反応系に導入
し得る限りにおいて、特に限定されるものではない。F
原子数yはy≦2x+2の条件を満足することから、上
記フルオロカーボン系化合物は飽和,不飽和のいずれで
あっても良く、またその骨格構造も鎖状,環状の別を問
わない。さらに、上記エッチング・ガスには、スパッタ
リング効果,希釈効果,冷却効果等を期待する意味でH
e,Ar等の希ガスを適宜添加しても良い。
【0024】上述の各実施例では、上記フルオロカーボ
ン系化合物を用いてエッチングを行う際にはウェハ載置
電極内の冷却配管への冷却水の供給を停止したが、炭素
系ポリマーの堆積を促進したい場合には、むしろ積極的
に冷媒を利用してウェハを低温冷却しても良い。ただ
し、エッチング装置の構造上、S層の形成部位がウェハ
載置電極等の表面に限定されている場合には、かかる低
温冷却によりプラズマ中へのSの供給が不足する虞れが
あるので、好ましくない。被エッチング材料層であるシ
リコン化合物層は上述のSiO2 層間絶縁膜に限られる
ものではなく、PSG,BSG,BPSG,AsSG,
AsPSG,AsBSG,SiN等からなる層であって
も良い。エッチング装置の構成も上述の構成に何ら限定
されるものではなく、たとえばウェハ載置電極側にもヒ
ータを設けたり、あるいは冷却/加熱をペルチェ素子で
行う構成とする等、種々の変更が可能である。さらに、
上記各実施例では特に本願の第2の発明を適用した例に
ついて述べてきたが、イオウ系材料層は予備放電により
形成されるものであるとは限らず、たとえばチャンバ内
壁部やウェハ載置電極の表面の一部にイオウ板等を貼付
したものであっても良い。
【0025】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明ではチャンバ内に予めS系材料層を配し、高次フルオ
ロカーボン系化合物を用いてシリコン化合物層の高速異
方性エッチングを行う。ここで、上記S系材料層からプ
ラズマ中に供給されるSが過剰なF* を捕捉し、エッチ
ング反応性のC/F比を増大させるので、対シリコン下
地選択性を向上させることができる。しかも、従来の選
択性の向上手段とは異なり、プラズマ中にH+ を生成し
得る化合物が添加されていないので、シリコン基板に欠
陥を発生させる虞れがなく、またダメージ層を除去する
ためのライトエッチも不要となる。したがって本発明
は、微細なデザイン・ルールにもとづいて設計され、高
集積度と高性能を有する半導体装置の製造に極めて好適
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願の第2の発明にかかるドライエッチング
方法を実施するために使用されるマグネトロンRIE装
置の一構成例およびその使用状態を示す概略断面図であ
り、(a)は予備放電時の使用状態、(b)はエッチン
グ時の使用状態をそれぞれ表す。
【図2】 本発明のドライエッチング方法をコンタクト
・ホールに適用した場合のプロセス例を工程順にしたが
って示す概略断面図であり、(a)はSiO2 層間絶縁
膜上にレジスト・パターンが形成された状態、(b)は
コンタクト・ホールが形成された状態をそれぞれ表す。
【符号の説明】
1 ・・・エッチング・チャンバ 3 ・・・上部電極 4 ・・・ガス導入管 7 ・・・ウェハ載置電極 8 ・・・冷却配管 9 ・・・ウォーター・ジャケット 10 ・・・ヒータ 11 ・・・マグネット 13 ・・・S(イオウ)層 14 ・・・ダミー・ウェハ 20 ・・・ウェハ 21 ・・・単結晶シリコン基板 22 ・・・不純物拡散領域 23 ・・・SiO2 層間絶縁膜 23a・・・コンタクト・ホール 24 ・・・レジスト・パターン 25 ・・・側壁保護膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エッチング・チャンバの内壁面および/
    または内部構成部材の表面の少なくとも一部をイオウ系
    材料層で被覆した状態で、一般式Cx y (ただしx,
    yは原子数を表す自然数であり、x≧2,y≦2x+2
    の条件を満足する。)で表されるフルオロカーボン系化
    合物を含むエッチング・ガスを用いてシリコン化合物層
    をエッチングすることを特徴とするドライエッチング方
    法。
  2. 【請求項2】 前記イオウ系材料層を、放電解離条件下
    で遊離のイオウを生成する化合物を含むガスを用いて予
    備放電を行うことにより形成することを特徴とする請求
    項1記載のドライエッチング方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007142273A (ja) * 2005-11-21 2007-06-07 Renesas Technology Corp バイポーラトランジスタを有する半導体装置
JP2016039309A (ja) * 2014-08-08 2016-03-22 東京エレクトロン株式会社 多層膜をエッチングする方法

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JP2007142273A (ja) * 2005-11-21 2007-06-07 Renesas Technology Corp バイポーラトランジスタを有する半導体装置
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