JP3116339B2 - 拡散用石英アンプル - Google Patents

拡散用石英アンプル

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JP3116339B2
JP3116339B2 JP06336596A JP33659694A JP3116339B2 JP 3116339 B2 JP3116339 B2 JP 3116339B2 JP 06336596 A JP06336596 A JP 06336596A JP 33659694 A JP33659694 A JP 33659694A JP 3116339 B2 JP3116339 B2 JP 3116339B2
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良太 池田
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株式会社高岳製作所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子製造におい
て、不純物拡散に用いる、拡散用石英アンプルに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子製造において、半導体基板
に、p型不純物源であるAlやGaを拡散する場合、図
3に示すような、内部に半導体基板3と拡散源2を真空
封入した拡散用石英アンプル1を用い、それを1200
℃〜1300℃程度の温度で、拡散炉4の中で、不活性
ガスを流しながら、数日間加熱する方法が用いられる。
この際、1200℃程度以上の温度で、真空の拡散用石
英アンプル1を加熱した場合に、内、外の圧力差で拡散
用石英アンプル1がつぶれて、内部の半導体基板3が破
損しないように、拡散用石英アンプル1を内側からシリ
コンまたはアルミナのスリーブ14を用いて補強した
り、拡散炉4を減圧にひいて圧力差を小さくしたり、拡
散用石英アンプル1内に不活性ガスを封入したりする方
法がとられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法において、
拡散用石英アンプル1を内側からシリコンまたはアルミ
ナのスリーブ14を用いて補強する場合には、素子特性
に悪影響を及ばさないようにするために、不純物を含ま
ない高純度のシリコンまたはアルミナを使用する必要が
あり、また、内外の圧力差に耐えるだけの機械的強度が
要求されるため、厚さの大きいスリーブ14が必要とな
り、高価なものになる。工業的には、同じスリーブを繰
り返し使用することになるが、2回め以降は、前回にお
いてAlやGaの拡散源2と反応した影響で、拡散の再
現性に問題が生じる場合がある。拡散炉4そのものを減
圧にひいて圧力差を小さくする方法においては、減圧装
置と、吸引したガスをクリーンルーム外に排気する排気
装置が必要となり、設備が大がかりなものとなる。拡散
用石英アンプル1内に不活性ガスを封入する方法におい
ては、アルゴンなどの不活性ガスの影響で不純物の表面
濃度が低くなってしまうことが知られている。また、従
来技術のもうひとつの課題は、高温拡散時に、内外の圧
力差で、石英に対する酸素、金属等の拡散係数が大きく
なるため、石英アンプル1の外の系から、石英壁を通り
ぬけて、酸素、金属等の不純物質が拡散用石英アンプル
1内部に混入する割合が高くなることである。本発明
は、1200℃程度以上の温度で加熱した際に、つぶれ
ないで形状を維持するとともに、不純物質が内部に混入
する確率が低い拡散用石英アンプルを提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の目的を達
成するために、拡散源および半導体基板を真空封入する
一端が開口した石英製の中筒と、この中筒の開口部を塞
ぐ石英製の内蓋と、前記中筒を挿入しこの中筒の外側を
減圧する石英製の外枠とで構成したことを特徴とするも
のである。
【0005】
【作用】拡散用石英アンプルを、常圧の拡散炉中で、1
200℃以上で加熱した場合、本発明の構造において
は、内、外の圧力差を外枠と内筒で分担して受け持ち、
それぞれにかかる荷重を石英の機械的降伏点以下におさ
えることができるため、つぶれることがない。また、同
時に、内、外の圧力差を外枠と内筒で分担して受け持つ
ことにより、それぞれの圧力差が小さくなり、酸素、金
属等が石英壁を通り抜けるだけの拡散係数をもたなくな
るため、酸素、金属等の不純物質が内部に混入する割合
が少なくなる。
【0006】
【実施例】図2(A)および(B)に本発明の拡散用石
英アンプルの製造方法を示す。図2(A)に示すよう
に、まず一端が開口した石英製の中筒6の中に、拡散源
2および半導体基板3を入れ、次にこの中筒6の開口部
に石英製の内蓋5を入れる。この時、内蓋5の外径は中
筒6の内径より1mm程度小さくし、それにより内蓋5
の上部にギャップ12が生じるようにする。次にこの開
口部にフランジ9を装着し、このフランジ9を介してタ
ーボ分子ポンプ等を接続し(図示しない)、それによっ
て真空引きを行う。Al拡散の場合、10-7Torr程度の
高真空度が必要である。次に、真空引きを行いながら、
中筒6の外部より溶着部10をバーナーにより一周にわ
たって加熱し、内蓋5と中筒6を溶着させる。この時、
溶着部10は内外の圧力差のため、中筒が内蓋に吸い寄
せられる形で溶着される。特にギャップ12を有する内
蓋5の上部においては、溶融された中筒6の溶着部10
が自重と圧力差で下方に垂れ下がることにより内蓋に溶
着される。これにより、拡散源2および半導体基板3が
真空封入される。
【0007】次に、フランジ9より中筒6を取り外し、
これを一端が開口した石英製の外枠7の中に挿入し、図
2(B)に示すように、再度フランジ91に取り付け
る。このフランジ91を介して、ロータリポンプ等を接
続し(図示しない)、それによって中筒6と外枠7との
間の減圧を行う。上記と同様に、外枠7の内径は中筒6
の外径より1mm程度大きくし、それにより生じるギャ
ップ13を介して減圧する。中筒6の外径が70mm、
肉厚3mmの場合、10-2Torr程度に減圧する。この減
圧の状態で、外枠7の外部より溶着部11をバーナーに
より加熱し、内筒6と外枠7とを溶着することにより減
圧部8が形成される。溶着後、フランジ91を取り外
す。以上の方法により、図1に示す、本発明の構造をも
つ拡散用石英アンプル1が得られる。
【0008】これにより、中筒6中の高真空(10-7To
rr)と外部雰囲気(常圧)の圧力差を緩和して、中筒
6、外枠7それぞれにかかる荷重を石英の機械的降伏点
(200GPa程度)以下におさえ、1200℃、96
時間程度の高温、長時間加熱に耐えてアンプル形状を保
つことができる。ここで、内蓋5と外の系の間において
は、直接、中筒6中の高真空(10-7Torr)と外部雰囲
気(常圧)の圧力差が内蓋5の球面部にかかるが、形状
的に、筒の中央部よりも数倍の荷重に耐える部分である
ので、機械的強度の上では問題なく、したがって、酸
素、金属等の不純物質が中筒6内部に混入するのを防ぐ
目的で、内蓋5の厚みを中筒6の厚みより数mm厚くし
ておけばよい。
【0009】
【発明の効果】本発明により、高価なスリーブが必要で
なく、よって繰り返しスリーブを使用した場合の再現性
の問題もなく、また拡散炉そのものを減圧にするための
大がかりな減圧装置と排気装置も必要なく、また不活性
ガスを封入して表面濃度を低くすることもなく、高温長
時間の拡散においてもつぶれることのない、高真空のア
ンプル拡散を行うことができる。また、同時に、拡散用
石英アンプルの外の系から、石英壁を通りぬけて、酸
素、金属等の不純物質が混入する割合が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の拡散用石英アンプルの構造の一例を示
す図である。
【図2】本発明の製造方法を示す図である。
【図3】従来のアンプルを用いた拡散方法の一例を示す
図である。
【符号の説明】
1 拡散用石英アンプル 2 拡散源 3 半導体基板 4 拡散炉 5 内蓋 6 中筒 7 外枠

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】拡散源および半導体基板を真空封入する一
    端が開口した石英製の中筒と、前記中筒の開口部を塞ぐ
    石英製の内蓋と、この中筒を挿入しこの中筒の外側を減
    圧する石英製の外枠とで構成したことを特徴とする拡散
    用石英アンプル。
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