JP3116232B2 - 動力伝動用vベルトの製造方法 - Google Patents

動力伝動用vベルトの製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は動力伝動用Vベルトの製造方法に関し、特
に、ベルトの圧縮ゴム層中に短繊維群をベルト幅方向に
混入埋設せしめたVベルトにあって、該圧縮ゴム層の成
形時のエンドレス化に伴い発生するジョイント面が、ベ
ルト圧縮ゴム層の下面にて、ベルト幅方向に対して一定
の傾斜角度を採用したことを特徴とする動力伝動用Vベ
ルトの製造方法に関する。
(従来の技術) Vベルト、Vリブドベルトなどに代表される動力伝動
用ベルトの使用条件は、近年増々過酷なものとなり、ベ
ルトに要求される伝動馬力容量も増大し、これに伴いベ
ルトがプーリより受ける圧力に耐えるために、ベルトを
構成する弾性体部分に短繊維をベルト長さ方向に対して
直角方向に配向せしめた構成のベルトが多用されてい
る。
また、近年動力伝動システムのコンパクト化要求は急
で、これに伴い使用されるプーリも小径化の傾向にあ
り、この小径プーリに巻掛けられたベルトの背面を他の
プーリにて押えつけるシステムあるいはベルト背面駆動
システムの増加に伴って、伝動ベルトの弾性体構成部に
多発する亀裂の発生の阻止および該亀裂の拡大の抑制は
重要な課題となって来ている。
従来の伝動ベルト、具体的に第3図にその底面図をも
って示すローエッジ−Vベルト(以下RE−Vベルトとい
う)(21)において、短繊維(28)群をベルト幅方向に
配向混入せしめた圧縮ゴム層(29)部分にあって、ベル
トのエンドレス化工程にて発生するジョイント面(30)
はベルト幅方向、すなわちベルト長手方向と直交する方
向に形成されているのがごく一般的な構成であった。
また、この種のベルトを構成する短繊維群を混入せし
め、この短繊維群をベルト幅方向に配向せしめた圧縮ゴ
ム層相当部の弾性体をうる方法としては、その一例を第
7図にて示すように、短繊維(28)を混入せしめた弾性
体(22)をロールまたは押出機の狭い間隙部を通過せし
めることにより、短繊維(28)の列理をストレート状の
帯状シート(23)の長さ方向に配列させた後、該シート
(23)を所定の長さに裁断し、得られたシート片(24)
群を接続する工程中にて、シートの長さ方向に配列して
いる短繊維をシート長さ方向とは直角の方向に変えて成
形ドラム(図示省略)に巻付けて使用する方法、あるい
はその一例を第8図に示すように、押出機(31)におい
て、その口金部分(32)を改良することにより、投入さ
れた短繊維を混入せしめた弾性体材料(34)を、この短
繊維(38)群を押出し成形されるストレート状の帯状シ
ートの長さ方向とは直角方向に配列せしめたストレート
状の帯状シート(33)を押し出し、該シート(33)をそ
のまま成形ドラム(図示省略)に巻き付けて使用する方
法などが提案されている。
これら、いずれの製造方法も、ベルト構成材の圧縮ゴ
ム層にはエンドレス化のためのジョイント面部による接
合線がベルト下面にあって、ベルト屈曲線と一致するベ
ルト幅方向に形成される。そしてベルト下面にて多発す
る亀裂は、このジョイント面部分にて集中し、特にジョ
イント部分のベルト下面に現れた接合線を出発点とし
て、さらにこの亀裂はベルト構成材のジョイント面に沿
って拡大する傾向にある。
この問題点、即ち圧縮ゴム層部にジョイント面を派生
せしめないための一手段として、予め短繊維群をその軸
方向に配向埋設せしめ、所望するベルトの周長に一致す
る周長の未加硫ゴムスリーブを予め成形し、このスリー
ブをもってベルト圧縮ゴム層を形成する製造方法もある
が、この製造方法にあっては、ベルトサイズ毎に未加硫
ゴムスリーブを押出成形しなければならず、そのために
は数多くの押出し用口金を必要とし、さらに手数のかか
る押出し工数を要し、コスト的にも、また作業能率の面
でも問題があった。
(発明が解決しようとする課題) 小径プーリに巻装され、かつ背面部に各種プーリで押
圧されての過酷な状態にて使用される伝動ベルトにあっ
て、前述の圧縮ゴム層部分に形成されるジョイント面が
ベルト長さ方向と直角なベルト幅方向に形成されている
折には、小径プーリ上での過度な屈曲、背面プーリとの
接触部にては反対の反り曲げと、交互に繰り返される逆
方向の曲げ運動により、ベルトの圧縮ゴム層のうち特に
そのジョイント面の一部に、より具体的にベルト下面に
現れたジョイント面部の接合線部分に発生した小さな亀
裂部をベルト曲げ方向に一致するこのジョイント面に沿
って拡大せしめる結果となる。
また、ベルトの圧縮ゴム層を形成する短繊維入り弾性
材料による帯状シートの短繊維の所望方向への配向方法
にあって、前述のストレート状の帯状シートの改めての
裁断とこれにつづくシートの短繊維の列理をシートの長
さ方向と直角方向へ配列せしめる方法にあっては、確か
に短繊維の配列を比較的均一にすることが可能であり、
ベルトの性能を保持する上からも優れている面があり、
現在多用されているも、第7図に示すように、シート長
さ方向を90゜変えることが必要となるため、ストレート
状の帯状シートの裁断作業、さらにこの裁断されたシー
トを再度接続する作業が必要で、これらの多段な作業工
程は一連の作業の効率を低下せしめる結果となり、また
その裁断工程にて余分な裁断層の発生をみるなどの弊害
も存在している。
またこの接続部は完成せるVベルトの圧縮ゴム層中に
て、ベルト長さ方向に対して直角に近いジョイント面と
なって現れ、前述のとおり、この種のVベルトの脆弱個
所となって現れる。
また第8図に示す押出機利用による短繊維を帯状シー
トの幅方向に一致せしめてストレート状の帯状シートを
予め成形しておく方法は、短繊維の所望方向の配列がい
まだ正確に行うことが困難で、十分実用の段階にいたっ
ておらず、この手段を用いた折にも同じく、Vベルト圧
縮ゴム層のジョイント面はベルトの曲げ方向線と略一致
するベルト長手方向と直角に近い線上に発生して、圧縮
ゴム層下面のジョイント面に発生した亀裂はベルトの曲
げ方向に一致するベルト幅方向すなわちベルトのジョイ
ント面に沿って拡大し、これまたベルトの脆弱個所とな
って現れる。
この発明は、Vベルトがプーリを通過する折に発生す
る曲げ応力が一致するベルト幅方向とVベルトの圧縮ゴ
ム層中のジョイント面部によりベルトの下面に現れる接
合線との角度において意図的に変更、不一致なものとす
ることにより、ベルト亀裂部およびその拡大を阻止せし
めうるVベルトを得るにあたり短繊維混入のゴム弾性体
シートをもってVベルトの圧縮ゴム層を形成する折に、
故意に該ベルトの圧縮ゴム層のエンドレス化の折、該部
に発生するジョイント面をベルトの曲げ応力が集中する
ベルト幅方向と角度的に変化せしめうるVベルト、特に
Vベルトの圧縮ゴム層部分の成形を中心とする製造方法
を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) この目的を達成させるために、この発明はつぎのよう
な構成を採用している。
すなわち、この発明に係る動力伝動用Vベルトの製造
方法により、完成せるVベルトの構成は、抗張体ロープ
を埋め込んでなる接着ゴム層の上部には、その表面をゴ
ム引き帆布にて被覆してなる伸張ゴム層が、また接着ゴ
ム層の下部には短繊維群をベルト幅方向に配向埋設せし
めた圧縮ゴム層が積層一体化されている。そしてベルト
のエンドレス化の折、発生する圧縮ゴム層のジョイント
面にあって、ベルト下面にてその現れるジョイント接合
線がベルトの長さ方向と直交するベルト幅方向との間に
て所定の傾斜角を保有してなること、そしてその所定の
傾斜角度は10゜〜45゜の範囲に設定されている。
そして、この発明に係る動力伝動用Vベルトの製造方
法は、つぎの各工程を順次実施する構成からなる。
(1) 第一工程……押出機にて短繊維群を混入した未
加硫ゴム配合物を、この短繊維群が、その軸方向に一致
する長さ方向に配向せしめた弾性体スリーブを形成す
る、 (2) 第二工程……前記スリーブを短繊維の配向方向
に対して裁断角度α、裁断幅Wにてスパイラル状に裁断
して帯状シートを形成する、 (3) 第三工程……前記スパイラル状の帯状シートを
成型ドラムの周面に前記裁断角度αと同一の巻付角度β
にてスパイラル状に巻付け、短繊維群を成型ドラムの軸
方向に一致せしめてVベルトの圧縮ゴム層相当部を形成
する、 (4) 第四工程……前記圧縮ゴム層相当部の周面に他
のベルト構成材を順次巻付け積層せしめて、スリーブ状
の未加硫ベルト成形体を形成する、 (5) 第五工程……前記未加硫ベルト成形体の加硫
後、これを輪状にカットする、 の各工程からなることを特徴とする。そしてこの発明の
特徴は前記第二工程および第三工程に存在する。
(実施例) まずこの発明を実施して得られた動力伝動用Vベルト
につき、その具体例をRE−Vベルトにとり乍ら図面を用
いて説明する。
第1図はこの発明にて得られたRE−Vベルトの一部の
斜視図、第2図は同ベルトの底面図である。
このVベルト(1)の構成は、NR、SBR、CR、HNBRな
どゴム材の単独、またはこれらの混合材からなる上部接
着ゴムシート(3)および下部接着ゴムシート(4)よ
り構成された接着ゴム層(2)内には低伸度高強力の抗
張体ロープ(5)が埋め込まれている。そしてこの接着
ゴム層(2)の上部には、外表面をゴム引き帆布(6)
をもって被覆された、前記接着ゴム層(2)と同一材か
らなる伸張ゴム層(7)が、また接着ゴム層(2)の下
部にはナイロン、ビニロン、ポリエステル、アラミドな
どからなる短繊維(8)群をベルト幅方向への配向性を
もって、前記伸張ゴム層(7)と同一材からなるゴム層
内に所定量混入した圧縮ゴム層(9)が積層一体化され
ている。この圧縮ゴム(9)の加硫エンドレス化の折に
発生するジョイント面部(10)にて現出する接合線はベ
ルト下面にて、ベルトの屈曲線に一致するベルト長手方
向と直交するベルト幅方向に対して10゜〜45゜の範囲に
設定された所定の傾斜角度をもってのびた構成に特徴が
ある。
以下第1図および第2図をもって説明したRE−Vベル
ト(1)を一例にとり乍ら、その具体的同ベルトの製造
法を図面を用いて説明する。
第4図は公知の押出機などをもって押出し成形した所
定サイズの短繊維(8)群をその軸(長さ)方向に配向
混入した弾性体スリーブ(11)の斜視図である。
この弾性体スリーブ(11)はNR、SBR、CR、HNBRなど
のゴム材単独またはこれらの混合材からなる未加硫ゴム
配合物(12)内に、ナイロン、ビニロン、ポリエステ
ル、アラミドなどからなる短繊維(8)の所定量を混入
せしめて、これを押出し成形機にて押し出し、短繊維
(8)をその長手方向(軸方向)に配向せしめた一定厚
みの弾性体スリーブ(11)を予め形成する。この弾性体
スリーブ(11)をもってVベルトの圧縮ゴム層を形成す
る。
つぎに、この弾性体スリーブ(11)はスリーブの軸方
向に一致する短繊維(8)の配向方向に対して裁断角度
αを10〜45゜の範囲内にて、所定幅Wで裁断しスパイラ
ル状の帯状シート(13)を得る。
第5図はこのスパイラル状の帯状シート(13)を用い
てのスリーブ状の未加硫ベルト積層体の成形工程の一部
を示す斜視図で、円筒型成形ドラム(D)の外周面に前
記スパイラル状の帯状シート(13)を、埋設短繊維
(8)の配向方向がドラムの軸方向に一致する横方向
で、かつドラムの軸方向に対し、その巻付角βが前記帯
状シート(13)を得る折の裁断角度αと同一角度をもっ
てスパイラル状に巻き付け、Vベルトの圧縮ゴム層相当
部(9′)を形成する。
よって、成形ドラム(D)の外径が弾性体スリーブ
(11)の内径と同径の場合、成形ドラム(D)上のベル
トの圧縮ゴム層相当部(9′)の形状は弾性体スリーブ
(11)と同一のものとなる。
当然目的とするベルト長さに一致とする成形ドラム
(D)の外径と弾性体スリーブ(11)の内径が一致しな
い折には、成形ドラム(D)上に巻きつける帯状シート
(13)のピッチ間隔も変って来る。すなわち成形ドラム
(D)の外径の方が大きい場合には、巻き付け帯状シー
トのピッチ間隔が広くなり、従ってその間隔の大きさに
応じて別個の帯状シートを補充的に巻付ける必要があ
る。また反対に成形ドラム(D)の外径の方が小さい場
合には、帯状シート(13)の巻付けピッチ間隔が狭くな
るため、その余剰部分を帯状シートの側縁部分にてカッ
トし除去する必要が生じてくる。
よって、この巻付けピッチ調整のため、弾性体スリー
ブ(11)における裁断幅Wを変化せしめて、その裁断幅
の異なる数種のものを予め準備しておき、適宜選択する
手段を採用するとよい。
つぎに成形ドラム(D)外面にカット用ゴム製敷板
(15)を介してスパイラル状に巻付け形成された圧縮ゴ
ム層相当部(9′)、その外周面に公知の方法にて順次
下部接着ゴムシート(4)、低伸度高強力の抗張体ロー
プ(5)、上部接着ゴムシート(3)、伸張ゴムシート
(7)および伸縮性するゴム引き帆布(6)を少なくと
も1枚巻付けて、スリーブ状の未加硫ベルト積層体(1
4)を形成する(第6図参照)。
以上の構成からなる未加硫ベルト積層体(14)は、公
知の加圧、加熱手段にて加硫され、巾広の加硫ベルトス
リーブが製造される。
この加硫ベルトスリーブは断面V形に輪状にカットさ
れ、必要なベルト幅、RE−Vベルト(1)が完成する。
以上はRE−Vベルトの製造方法について記述したが、
ベルトの種類によってはVリブドベルトのように逆成形
によっても目的とするベルトを得ることができる。
すなわち、円筒型成型ドラム(D)の外周面に、伸縮
性ゴム引き帆布を少なくとも1枚巻付け、ついで上部接
着ゴムシート、抗張体ロープ、下部接着ゴムシートを順
次巻付けてのち、その外周面に問題となる短繊維群の配
向方向が成型ドラム(D)の軸方向に一致する横方向に
配されつつ、かつ成型ドラム(D)軸に対し、巻付け角
度βが前記スパイラル状の帯状シートを得る折の裁断角
度αが一致するよう帯状シートをスパイラル状に巻付
け、スリーブ状の未加硫ベルト積層体を形成し、その後
につづく加硫、研磨、輪状カット作業、さらに逆転作業
にて目的とするVリブドベルトを得ることができる。
なお、これまでスパイラル状の帯状シート(13)の厚
みはベルト圧縮ゴム層相当厚のものをもって、同シート
の1プライ使用する場合を中心に述べたが、必要とあれ
ば、同シート厚を意図的に薄くなし、成型ドラム(D)
周面への巻付けを、複数プライの巻付けにより所望厚み
の圧縮ゴム層相当部(9′)を形成することもできる。
帯状シート(13)の複数プライの巻付け作業時、各プ
ライの巻付け方向が逆方向となるよう巻付けてもよく、
この場合でも帯状シートを得る折の裁断角度αと巻付け
角度βは一致せしめておくことを要する。
なお帯状シート(13)の裁断角度α、すなわち同シー
トの成型ドラム面への巻付け角度β、さらにVベルトの
ベルト幅方向に対するジョイント面部の傾斜角度が10゜
未満では、ベルトの圧縮ゴム層(9)のジョイント面部
(10)の接合線がベルト幅方向に一致するベルト屈曲線
に近づきすぎ、ベルト圧縮ゴム層の下面に発生した亀裂
および亀裂の拡大を抑止することを最大の目的とするこ
の発明の趣旨から大きくはずれる結果となる。
また反対に、帯状シート(13)の裁断角度αが45゜以
上では、裁断作業につづく、成型ドラム(D)への巻付
け作業時、この成型ドラム(D)の外径が弾性体スリー
ブ(11)の内径より小さい場合には、巻付けた帯状シー
ト(13)が部分的に重なり合うため、シート裁断時の幅
Wを極端に小さく設定しなければならず、これに伴い裁
断シートの巻付け回数も増加し、作業効率を低下せし
め、加工がしにくくなる不都合がある。
(発明の効果) この発明を実施した動力伝動用Vベルトにおいて、ベ
ルトのエンドレス化の折発生する該ベルトを構成する短
繊維入り圧縮ゴム層に形成されたジョイント面は、圧縮
ゴム層下面においてベルト屈曲方向と直交するジョイン
ト幅方向とは所定角度の傾斜角度を保つよう構成してい
るので、ベルトの曲げ応力の分散が実現し、ベルト下
面、即ち圧縮ゴム層下面に多発する亀裂および該亀裂部
より該ジョイント面に沿っての亀裂の拡大を容易に阻止
することができる。
この発明を実施した動力伝動用Vベルトの製造方法に
おいては、一定径の短繊維入り弾性体スリーブより、成
型ドラムの外径に対応して、各種サイズの、即ち裁断角
度および裁断幅の帯状シートを作り出すことにより、大
きさの異なる成型ドラム、即ち各種大きさの異なるVベ
ルトに即座に対応することができ、一連の成形作業の能
率向上に大きく寄与することができ、この発明にあって
は、短繊維入り弾性体スリーブよりスパイラル状に裁断
して、帯状シートを得、同じくこのスパイラル状の帯状
シートを成型ドラムの周面にスパイラル状に巻付けてV
ベルトの一構成部たる圧縮ゴム層相当部を形成すること
により、短繊維群の所望方向への配向性の確保が容易な
ものとなり、また帯状シートはスパイラル状の裁断によ
り形成されるので、裁断屑などの材料損の発生を極力阻
止できる。
また、Vベルトを構成する圧縮ゴム層は専らスパイラ
ル状の裁断、巻付け作業が作業の中心となるため、圧縮
ゴム層相当部の成形が容易で、作業能率向上の面でもみ
るべきものがある。
また、圧縮ゴム層相当部形成のためのエンドレス化の
折発生するジョイント面は、圧縮ゴム層の下面にてベル
トの曲げ応力が同時に集中するベルト幅方向を故意にさ
けて、その応力の分散を実現できるベルト幅方向と所定
の傾斜角度を保ちうるジョイント面をこのスパイラル状
の巻付けを中心とする作業工程にてきわめて容易に、か
つ確実に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明を実施して得られたVベルトの一部斜
視図、第2図は同ベルトの底面図、第3図は従来のVベ
ルトの第2図に相当する図、第4図はこの発明に係るV
ベルト製造方法にて使用される弾性体スリーブの一部の
斜視図、第5図は成型ドラムに巻付けられた帯状シート
の一部の斜視図、第6図は成型ドラム上に形成されたス
リーブ状の未加硫ベルト積層体の一部の横断面図、第7
図は従来の短繊維入り帯状弾性体シートの成形工程を示
す概略斜視図、第8図は同じく短繊維入り帯状弾性体の
押出機を用いての成形時の概略斜視図である。 1……Vベルト 2……接着ゴム層 5……抗張体ロープ 6……ゴム引き帆布 7……伸張ゴム層 8……短繊維 9……圧縮ゴム層 9′……圧縮ゴム層相当部 10……ジョイント面 11……弾性体スリーブ 13……帯状シート 14……スリーブ状の未加硫ベルト積層体 D……成型ドラム α……裁断角度 β……巻付け角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉見 圭一 兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21 号 三ツ星ベルト株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−220741(JP,A) 特開 昭61−48630(JP,A) 特開 昭61−104824(JP,A) 特開 昭56−76745(JP,A) 特開 平1−307544(JP,A) 特開 昭64−45889(JP,A) 特開 昭60−219034(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16G 1/00 - 5/20 B29D 29/00 - 29/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】短繊維群を混入した未加硫ゴム配合物を押
    出機にて、短繊維をその軸方向に一致する長さ方向に埋
    設配向せしめた弾性体スリーブを形成する第一工程、該
    スリーブを短繊維の配向方向に対し、裁断角度α、幅W
    でスパイラル状に裁断して帯状シートを形成する第二工
    程、該帯状シートを成型ドラムに前記裁断角度αと同一
    の巻付角度βにてスパイラル状に巻付け、短繊維群を成
    型ドラムの軸方向に一致せしめてベルトの圧縮ゴム層相
    当部を形成する第三工程、該ベルトの圧縮ゴム層相当部
    の外周面に、他のベルト構成材を巻付け積層せしめて、
    スリーブ状の未加硫ベルト成型体を形成する第四工程、
    該ベルト成型体を加硫後、輪状にカットする第五工程か
    らなる動力伝動用Vベルトの製造方法。
  2. 【請求項2】前記帯状シートを得るための裁断角度αお
    よび成型ドラムへのこの帯状シートのスパイラル状の巻
    付け角度βは埋設短繊維の配向方向に対して10゜〜45゜
    の範囲にある請求項2記載の動力伝動用Vベルトの製造
    方法。
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