JP3115911B2 - 光学活性2−スルホニルオキシ−シクロアルカノール類の製造方法 - Google Patents

光学活性2−スルホニルオキシ−シクロアルカノール類の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明は、光学活性な種々の医薬、農薬等
の出発物質あるいは中間体として有用な光学活性2−ス
ルホニルオキシ−シクロアルコール誘導体の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学活性スルホニルオキシアルコールの
製造方法としては、1−p−トルエンスルホニルオキシ
−2−プロパノールエステルをエステラーゼ活性を有す
る酵素で不斉加水分解し光学分割(特開昭61−227
797)する方法が知られている。しかし、この方法は
1個の不斉炭素を有する化合物にのみ適用されている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、二つの不
斉炭素を有するスルホニルオキシアルコール誘導体を酵
素を利用して効率よく光学分割する新規な方法を提供す
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、一
般式(I)
【化6】 (I) (式中、Aは炭素数1ないし4で飽和又は不飽和のアル
キレン基を表し、R1 はアルキル基もしくは芳香族炭化
水素基を表す。)で表される2−スルホニルオキシ−シ
クロアルコールを立体選択的エステル交換能を有する酵
素と下記一般式(II) R2CO23 (II) (式中、R2 は炭素数1ないし20のアルキル基又はア
ルケニル基を表し、R3は炭素数1ないし3のアルキル
基又はアルケニル基を表し、グリセライドも含まれ
る。)で表されるカルボン酸エステルの存在下に反応さ
せ、一般式(III)
【化7】 (III) (式中、A、R1 、R2 は前記に同じ。)で表される光
学活性2−スルホニルオキシ−シクロアルカノールエス
テルを生成せしめ、一般式(IV)
【化8】 (IV) (式中、A、Rは前記に同じ。)で表される対掌体の光
学活性2−スルホニルオキシ−シクロアルコールとに分
割し、それぞれの光学活性体を分離採取することを特徴
とする光学活性2−スルホニルオキシ−シクロアルカノ
ール誘導体の製造方法である。
【0005】本発明の出発原料となる前記一般式(I)
で表されるラセミ体の2−スルホニルオキシ−シクロア
ルコールの合成方法としては例えば、シクロアルケンオ
キサイドにスルホン酸を付加させる方法がある。この方
法で得られたスルホニルオキシアルコールはトランスの
立体構造を有し、具体的には(1S,2S)体と(1
R,2R)体の等量混合物であるラセミ体のスルホニル
オキシアルコールである。
【0006】また、別の方法としてシクロアルカン−
1,2−ジオールにスルホン酸クロライドを作用させモ
ノスルホニル化する方法がある。トランスのジオールを
用いた場合はトランスのスルホニルオキシアルコールが
得られ、シスのジオールを用いた場合はシスの立体構造
を有するスルホニルオキシアルコールが得られる。シス
の立体構造は具体的には(1S,2R)体と(1R,2
S)体の等量混合物である。
【0007】本発明はトランスのスルホニルオキシアル
コール及びシスのスルホニルオキシアルコールの両方の
ラセミ体の光学分割に適用できる。
【0008】一般式(I)で表されるスルホニルオキシ
アルコールとしては、具体的に例示すれば、2−メタン
スルホニルオキシ−シクロペンタノール、2−p−トル
エンスルホニルオキシ−シクロペンタノール、2−メタ
ンスルホニルオキシ−シクロヘキサノール、2−ベンゼ
ンスルホニルオキシ−シクロヘキサノール、2−p−ト
ルエンスルホニルオキシ−シクロヘキサノール、6−p
−トルエンスルホニルオキシ−3−シクロヘキセン−1
−オール、2−メタンスルホニルオキシ−シクロヘプタ
ノール、2−p−トルエンスルホニルオキシ−シクロヘ
プタノール、2−メタンスルホニルオキシ−シクロオク
タノール、2−p−トルエンスルホニルオキシ−シクロ
オクタノール等が挙げられる。
【0009】本発明で用いられる酵素は、ラセミ体のス
ルホニルオキシアルカノールに作用して、どちらか一方
の対掌体を優先的に不斉エステル交換反応する能力を有
する酵素としてリパーゼが使用できる。
【0010】具体的に例示すれば、カンジダ属、アスペ
ルギウス属、ムコール属、クロモバクテリウム属、リゾ
プス属、シュウドモナス属に属する微生物由来の酵素が
挙げられる。また、ブタ膵臓リパーゼなどの動物由来の
酵素も利用できる。
【0011】このような酵素はそのまま用いても良い
が、セライトやアルミナに吸着固定化したものや各種イ
オン交換樹脂に固定化したものも用いることができる。
【0012】本発明に用いられる不斉エステル交換反応
のためのアシル供与体となる一般式(II)で示される
カルボン酸エステルとしては、トリグリセライドも含ま
れる。
【0013】具体的に例示すれば、トリアセチン、トリ
プロピオニン、トリブチリン、トリステアリン、トリラ
ウリン、トリミリスチン、トリオレインなどのグリセラ
イド類、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、クロル酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸
ビニル、オクタン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどのビ
ニルエステル類が好ましい。
【0014】これらカルボン酸エステルは単独でも用い
ることができるが、酵素反応を阻害しない溶媒で希釈し
ても用いることができる。酵素反応を阻害しない溶媒と
は、具体的に例示すればn−ヘキサン、トルエン等の炭
化水素系溶媒やジイソプロピルエーテル、テトラヒドロ
フラン等のエーテル系溶媒が挙げられる。
【0015】本発明の一実施態様を述べれば、ラセミ体
のスルホニルオキシアルコールを酵素の存在下カルボン
酸エステルと効率よく混合し、エステル交換反応を行わ
せる。この時の反応温度は、酵素を失活させない範囲の
温度であれば特に限定されないが、20〜70℃が好ま
しい。
【0016】また、酵素の使用量はスルホニルオキシア
ルコール1モル当たり50万ないし1億単位が適当であ
る。スルホニルオキシアルコールに対するカルボン酸エ
ステルの割合は、トリグリセライドでは0.3〜5倍モ
ルであり、好ましくは1〜2の範囲である。ビニルエス
テルの場合は0.5〜10倍モルが良く、好ましくは2
〜5倍モルの範囲が良い。
【0017】この不斉エステル交換反応によって、トラ
ンスのスルホニルオキシアルコールを原料とした場合
は、(1R,2R)体のみがエステル化され、一般式
(III)で表される光学活性なスルホニルオキシエス
テルとなる。(1S,2S)体はスルホニルオキシアル
コールのままで存在する。
【0018】不斉エステル交換反応が終わった後、酵素
は通常の濾過方法で除去することができ、そのまま再使
用することができる。濾過された反応液は用いたカルボ
ン酸エステルがスルホニルオキシアルコールより低沸点
の場合は減圧濃縮して余分のカルボン酸エステルを除去
する。濃縮された光学活性なスルホニルオキシエステル
と光学活性なスルホニルオキシアルコールは、減圧蒸留
やカラムクロマトグラフィーなどの通常の分離精製手段
によってそれぞれの光学活性な化合物に分離することが
できる。
【0019】以下、実施例により本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0020】
【実施例】(±)−トランス−2−p−トルエンスルホ
ニルオキシ−シクロヘキサノール13.52g(0.0
5mol)、酢酸ビニル20.66g(0.24mo
l)、テトラヒドロフラン20g及びリポザイムIM2
0(ノボ製)2.15gを三角フラスコに入れ、37℃
で10日間振盪して反応を行った。濾過によって酵素を
除き、これをn−ヘキサンで洗浄し洗液を濾液に加えた
後、減圧濃縮した。この濃縮液をシリカゲルクロマトグ
ラフィー(マイクロビーズ4B、L/D=50/4.5
cm、展開液はn−ヘキサン−酢酸エチルの5:5混合
溶媒)で処理して、(1R,2R)−トランス−2−p
−トルエンスルホニルオキシ−シクロヘキサノールアセ
テート7.80g(収率96%)及び(1S,2S)−
トランス−2−p−トルエンスルホニルオキシシクロヘ
キサノール6.70g(収率:99%)を得た。各生成
物の分析結果は下記のごとくであった。 (1R,2R)−トランス−2−p−トルエンスルホニ
ルオキシ−シクロヘキサノールアセテート ・無色油状物 ・比旋光度 [α]D20
−22.3゜(c=1.02,CHCl 3) ・1H−NMR(250MHz,CDCl3) δ
(ppm):1.25−1.42(2H,m),1.5
9−1.80(2H,m),1.83(3H,s),
2.00−2.20(2H,m),2.43(3H,
s),4.46−4.56(1H,m),4.72−
4.79(1H,m),7.31(2H,d),7.7
8(2H,d) ・赤外吸収スペクトル 液膜法、極大吸収(cm-1):
2956,2872,1746,1360,1228,
1180 ・不斉収率 99.6%ee〔Eu(TFC)3を用い
1H−NMR分析より〕 (1S,2S)−トランス−2−p−トルエンスルホニ
ルオキシ−シクロヘキサノール ・融点 81〜84℃ ・比旋光度 [α]D20
+9.5゜(c=1.01,CHCl 3) ・1H−NMR(250MHz,CDCl3) δ
(ppm):1.20−1.65(4H,m),1.6
2−1.72(2H,m),1.94−2.04(3
H,br),2.45(3H,s),3.53−3.6
2(1H,m),4.25−4.34(1H,m),
7.35(2H,d),7.83(2H,d) ・赤外吸収スペクトル 臭化カリウム錠剤法、極大吸収
(cm-1):3572,3460,1360,1176 ・不斉収率 72.8%ee〔無水酢酸でアセチル化し
たのち、Eu(TFC)3を用いた1H−NMR分析よ
り〕
【0021】
【発明の効果】本発明により、一段階の反応で医農薬の
出発原料として有用な光学純度の高い不斉炭素を2個有
する光学活性2−スルホニルオキシ−シクロアルカノー
ル誘導体を容易に製造することが可能となった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Aは炭素数1ないし4の飽和または不飽和のア
    ルキレン基を表し、R1はアルキル基もしくは芳香族炭
    化水素基を表す。)で表される2−スルホニルオキシ−
    シクロアルカノールを、ラセミ体に作用してどちらか一
    方の対掌体を優先的に不斉エステル交換反応する能力を
    有する酵素としてリパーゼと下記一般式(II) R2CO23 (II) (式中、R2は炭素数1ないし20のアルキル基または
    アルケニル基を表し、R3は炭素数1ないし3のアルキ
    ル基またはアルケニル基を表し、グリセライドも含まれ
    る。)で表されるカルボン酸エステルの存在下に反応さ
    せ、一般式(III) 【化2】 (式中、A、R1、R2は前記に同じ。)で表される光学
    活性2−スルホニルオキシ−シクロアルカノールエステ
    ルを生成せしめ、一般式(IV) 【化3】 (式中、A、R1は前記に同じ。)で表される対掌体の
    光学活性2−スルホニルオキシ−シクロアルコールとに
    分割し、それぞれの光学活性体を分離採取することを特
    徴とする光学活性2−スルホニルオキシ−シクロアルカ
    ノール誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(III)においてAが炭素数2
    の飽和アルキレン基、R1がp−トルイル基、R2がメチ
    ル基であり、絶対配置が(1R,2R)である、請求項
    1記載の製造方法。 【化4】
  3. 【請求項3】 一般式(IV)においてAが炭素数2の
    飽和アルキレン基、R1がp−トルイル基であり、絶対
    配置が(1S,2S)である、請求項1記載の製造方
    法。 【化5】
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