JP3115540B2 - Am・fm受信用アンテナ - Google Patents

Am・fm受信用アンテナ

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JP3115540B2 JP09007383A JP738397A JP3115540B2 JP 3115540 B2 JP3115540 B2 JP 3115540B2 JP 09007383 A JP09007383 A JP 09007383A JP 738397 A JP738397 A JP 738397A JP 3115540 B2 JP3115540 B2 JP 3115540B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はラジオの受信などに
用いられるAM・FM受信用のアンテナに関するもので
ある。さらに詳しくは、車両や狭い場所などに設置さ
れ、アンテナ素子が短くされるAM・FM受信用アンテ
ナにおいて、とくにAM受信の感度の向上に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】この種のAM・FM受信用のアンテナ
は、たとえば一例として図4(a)に構成図が示される
ように、AM帯帯域通過フィルタを構成するコイル11
およびキャパシタ12と、FM帯帯域通過フィルタ23
とがアンテナ素子1に並列に接続され、アンテナ素子1
で受信した信号をAM帯とFM帯に分離し、それぞれA
M帯増幅回路13、FM帯増幅回路24で増幅を行い、
増幅された受信信号をそれぞれAM受信部、FM受信部
に送るか、または図4(a)に示されるように、増幅さ
れた受信信号を出力合成回路31により再び合成し、出
力端子32よりAM・FM受信機に送り、AM・FM受
信を行う構成になっている。
【0003】アンテナ素子としてモノポールの線状アン
テナが用いられる場合、受信信号の波長の1/4の長さ
に形成されれば整合がとれ、次段の増幅器などへ少ない
減衰で受信信号を送ることができる。FM帯は、およそ
70〜110MHzの帯域である。100MHzの1/
4波長の長さは75cm程度であるので、物理長が10
〜50cmのアンテナであればヘリカル状にしてそのピ
ッチや径を変えることにより、実用範囲で整合をとるこ
とができる。しかし、AM帯は、およそ200kHz〜
1.6MHzと周波数が低く、1MHzの場合でも、1
/4波長の長さが75mとなり、50cm以下の物理長
ではとても自動車用などの小形アンテナとして整合をと
って使用することができない。
【0004】ここで、アンテナ素子も通常用いられてい
るAM帯増幅回路も共に容量性インピーダンスであり、
共役整合をとることもできない。そのため、従来は実用
的な長さ、たとえば1m程度の長さのアンテナを用い、
整合はとれていないが、アンテナ素子から見たAM帯増
幅回路側のインピーダンスが高くなるように設計して、
AM帯増幅回路に入力される受信信号の振幅が低下しな
いようにすることにより、必要な受信感度を得ている。
そのため、AM帯の増幅素子としては、この帯域におい
て入力インピーダンスが高く、入力容量が小さく、しか
も雑音の少ないジャンクション型電界効果トランジスタ
が多く用いられている。
【0005】一方、従来のAM・FM受信用アンテナ
は、前述のように、AM帯の受信信号とFM帯の受信信
号とを分離するために、AM帯帯域通過フィルタ11、
12およびFM帯帯域通過フィルタ23が並列に接続さ
れ、FM帯帯域通過フィルタ23としては、たとえば図
4(b)に示されるようなコイルLとキャパシタCが直
並列に接続された汎用のFM帯帯域通過フィルタが用い
られている。このFM帯帯域通過フィルタ23のコイル
は、AM帯においてはインピーダンスが低いので、図4
(c)に等価回路図で示されるように、コンデンサが並
列に接続された静電容量としてよい。そのように動作す
るため、アンテナ素子から見たAM帯における増幅回路
側の静電容量はFM帯帯域通過フィルタのために増加
し、インピーダンスが低くなり、受信感度が低下する一
因になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年の電子機器の軽薄
短小化に伴い、アンテナも小形化が要求され、アンテナ
素子に関しても一層の小形化が要求されている。前述の
ように、AM帯では1/4波長より充分短いアンテナで
あり、感度はアンテナの長さの比の2乗に比例して低下
する(たとえば従来1mの長さのアンテナ素子を15c
mにすると、(15/100)2 =2.3%に減少す
る)ため、アンテナ素子の縮小化はその感度に非常に大
きく影響する。そこで、アンテナの縮小化に伴う感度の
低下を補うため、アンテナ素子からAM帯増幅回路側を
見た静電容量の一層の低減化が要求されている。
【0007】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、アンテナ素子を小形化しても、AM
帯におけるAM帯増幅回路側の静電容量を小さくして、
AM受信信号の感度を必要なレベル以上に保ったAM・
FM受信用アンテナを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によるAM・FM
受信用アンテナは、アンテナ素子と、該アンテナ素子の
一端側に並列に接続されるFM帯帯域阻止フィルタもし
くはAM帯帯域通過フィルタおよびFM帯帯域通過フィ
ルタと、該FM帯帯域阻止フィルタもしくはAM帯帯域
通過フィルタの前記アンテナ素子と反対側に接続される
AM帯増幅回路とを有しているものにおいて、前記アン
テナ素子の一端と前記FM帯帯域通過フィルタとの間に
FM帯共振キャパシタおよびFM帯共振コイルが直列に
接続され、前記FM帯帯域通過フィルタの入力容量と前
記FM帯共振キャパシタの容量との直列接続により前記
AM帯に対してハイインピーダンスとなるように形成さ
ている。この構造にすることにより、AM帯において
はFM帯共振キャパシタと、FM帯帯域通過フィルタの
入力キャパシタとが直列接続されることにり、合成容
量が小さくなる。一方、FM帯においては、FM帯共振
キャパシタおよびFM帯共振コイルは直列共振をするた
め、減衰することなく通過し、FM帯の特性変化は殆ど
ない。
【0009】ここにFM帯共振キャパシタおよびFM帯
共振コイルとは、FM帯において直列共振をし得るキャ
パシタおよびコイルを意味する。
【0010】なお、FM受信できる放送局の数が多くF
M帯増幅回路が歪を発生するおそれのある地域で使用す
るものにおいては、前述の構成でFM帯増幅回路を省略
すれば、アンテナの部品の節約をすることができると共
に、FM受信時の歪の発生の問題もなくAM帯における
感度も充分に得ることができる。
【0011】前記アンテナ素子の物理的長さが50cm
以下である場合には、従来の回路ではAM帯における感
度が非常に低くなるため、とくにAM帯における入力容
量を小さくすることによる感度改善効果が大きく現れ
る。
【0012】また、前記FM帯共振キャパシタ、FM帯
共振コイル、FM帯帯域通過フィルタ、FM帯増幅回
路、FM帯帯域阻止フィルタもしくはAM帯帯域通過フ
ィルタ、およびAM帯増幅回路が前記アンテナ素子と共
にユニット化されておれば、AM・FM受信機に容易に
一体構造に組み込まれ得るため、小形で感度のよい、A
M・FM受信機を提供できる。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに、図面を参照しながら本発
明のAM・FM受信用アンテナについて説明をする。
【0014】図1は、本発明のAM・FM受信用アンテ
ナの構成説明図である。図1において、1はアンテナ素
子で、11はAM帯帯域通過フィルタを構成するコイ
ル、12はAM帯帯域通過フィルタを構成するキャパシ
タ、13はAM帯増幅回路である。また、21はFM帯
の直列共振回路を構成するFM帯共振キャパシタ、22
は同じくFM帯の直列共振回路を構成するFM帯共振コ
イル、23は従来から用いられているFM帯帯域フィル
タ、24はFM帯の増幅回路である。この両増幅回路1
3、24によりそれぞれ増幅された信号が出力合成回路
31で合成され、その合成出力が出力端子32から取り
出されてAM・FM受信機に送られる。
【0015】本発明のAM・FM受信用アンテナは、図
1に示されるように、アンテナ素子1の一端側にAM帯
帯域通過フィルタ11、12とFM帯帯域通過フィルタ
23とが並列に接続され、FM帯帯域通過フィルタ23
とアンテナ素子1との間に、FM帯で直列共振回路を構
成するFM帯共振キャパシタ21とFM帯共振コイル2
2とが直列に接続されていることに特徴がある。このF
M帯共振キャパシタ21とFM帯共振コイル22の容量
およびインダクタンスは、FM帯において直列共振をす
るように選定されると共に、FM帯共振キャパシタ21
の容量ができるだけ小さい値のものを使用することがA
M帯の感度改善には好ましい。
【0016】この構成にすることにより、アンテナ素子
1から並列に分岐されたAM帯側10には、AM帯帯域
通過フィルタ11、12があるためFM帯の信号が通過
することができず、AM帯の受信信号のみがAM帯の増
幅回路13に入力されて増幅される。このとき、FM帯
で直列共振回路を構成するFM帯共振キャパシタ21お
よびFM帯共振コイル22は、AM帯に対してはFM帯
共振キャパシタ21のみによる容量性インピーダンスと
してのみ作用する(共振コイル22は周波数の低いAM
帯にはインダクタンスとしての作用を無視することがで
きる)。FM帯の受信信号が入力されたときは、直列共
振回路を構成するFM帯共振キャパシタ21およびFM
帯共振コイル22を殆ど減衰することなく(直列共振を
しているため、インピーダンスが殆ど0)通過し、さら
にFM帯帯域通過フィルタ23をも殆ど減衰することな
く通過し、FM帯の増幅回路24に供給される。その結
果、FM帯の受信信号は殆ど減衰することなく、従来と
同様に増幅して出力され、それ以外の信号は遮断され
る。
【0017】つぎに、本発明のAM・FM受信用アンテ
ナが、アンテナ素子1からAM帯の増幅回路13側を見
た容量が小さくなり、AM帯の感度を向上させることが
できる理由について説明をする。前述のように、AM帯
におけるアンテナ素子1から増幅回路13側を見る容量
は、FM帯帯域通過フィルタ23の容量により大きくな
る。このFM帯帯域通過フィルタ23の入力容量をCi
とし、直列共振回路を構成するFM帯共振キャパシタ2
1の容量をCo として、FM帯共振キャパシタ21、F
M帯共振コイル22、およびFM帯帯域通過フィルタ2
3の部分の等価回路図で表すと図2(a)に示されるよ
うになる。すなわち、FM帯帯域通過フィルタ23側の
AM帯におけるインピーダンスは、図2(b)に示され
るように、FM帯共振コイル22は周波数の低いAM帯
には殆ど作用せず、容量Co とC i が直列接続されたも
のと見なせる。したがって、アンテナ素子1からFM帯
帯域通過フィルタ23側を見た容量Ct は、 1/Ct =1/Co +1/Ci となる。
【0018】たとえばFM帯帯域通過フィルタ23の入
力容量がCi =13pF、FM帯共振キャパシタ21の
容量がCo =47pFである場合、Ct =10.2pF
となり、3pF程度下げることができる。この3pF程
度の入力容量の低減は、AM帯の感度の1dB程度の改
善となり、感度向上の効果がある。すなわち、同じ長さ
のアンテナ素子に対してAM帯の受信感度が改善され、
または同じ受信感度を得るのにアンテナ素子の長さを短
くすることができる。
【0019】図1に示される構成のAM帯帯域通過フィ
ルタ11、12、AM帯増幅回路13、FM帯共振キャ
パシタ21およびFM帯共振コイル22、FM帯帯域通
過フィルタ23、FM帯増幅回路24、およびAM帯と
FM帯との合成回路31とを1枚の基板33または1つ
のケースなどに一体に組み立てて、アンテナ素子1と共
にユニット化することにより、たとえば図3に示される
ように、アンテナ素子1が短いため、AM・FM受信機
35に簡単に組み込むことができる。その結果、従来の
AM・FM受信機に直接小形のAM・FMアンテナを組
み込むことができる。なお、図3において36はスピー
カである。
【0020】前述の各例では、AM帯およびFM帯の両
方の信号を増幅できるように、AM帯増幅回路およびF
M帯増幅回路の両方を設けているが、FM帯の放送局の
数が多く、FM帯増幅回路で歪を発生するおそれのある
地域で使用する場合は、アンテナ素子から帯域通過フィ
ルタ部までは同じ構成にしておき、FM帯増幅回路だけ
を省けば、部品代を節約したAM・FM受信用アンテナ
を提供することもできる。この場合でも、AM帯におけ
る入力容量を小さくしているため、本発明の効果である
AM帯の感度を改善したAM・FM受信用アンテナであ
ることは当然である。もちろん、FM帯増幅回路を除い
た共用化しないAM・FM受信用アンテナも本発明の目
的にかなうものである。
【0021】図1に示される例では、説明の簡単化のた
め最も簡単な構成例で示したが、これらの例の部品など
には限定されない。たとえば、アンテナ素子からの入力
部には、通常静電気に対する破壊防止の素子が設けら
れ、また実際のコイルは周波数特性を有しているため、
複数個のコイルの組み合わせで必要な特性が得られるよ
うに構成されることもあるが、本発明でも同様に行われ
ることは言うまでもない。また、アンテナ素子側からF
M帯共振キャパシタとFM帯共振コイルの順で設けられ
ているが、この接続順に限定されるものではなく、逆で
も本発明の目的、効果は得られる。要は、FM帯で直列
共振するようにキャパシタとコイルが直列接続されてい
ればよい。さらに、出力合成回路および出力端子が設け
られないで、FM帯増幅信号およびAM帯増幅信号を、
それぞれ直接FM受信部、AM受信部に接続してもよい
ことは言うまでもない。さらに、AM帯帯域通過フィル
タを用いたが、その代りにFM帯帯域阻止フィルタを用
いても同じである。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、AM帯およびFM帯の
両方を受信し得るAM・FMアンテナにおいて、大量生
産されて安価なFM帯帯域通過フィルタを用いながら、
アンテナ素子からAM帯の増幅回路側の入力静電容量を
小さくしているため、AM帯の感度を向上させることが
できる。その結果、電子機器の軽薄短小化の要求に伴い
アンテナの小形化要請に対しても、とくに影響を受けや
すいAM帯の感度を下げることなくアンテナを短くする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のAM・FM受信用アンテナの一実施形
態の構成説明図である。
【図2】図1の構成で、FM帯共振キャパシタおよびF
M帯共振コイルとFM帯帯域通過フィルタ部の等価回路
説明図およびAM帯での等価回路説明図である。
【図3】図1の構成をユニット化し、AM・FM受信機
に組み込む例の模式図である。
【図4】従来のAM・FM受信用アンテナの一例の構成
説明図およびFM帯帯域通過フィルタの等価回路図であ
る。
【符号の説明】
1 アンテナ素子 13 AM帯増幅回路 21 FM帯共振キャパシタ 22 FM帯共振コイル 23 FM帯帯域通過フィルタ 24 FM帯増幅回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/16 H04B 1/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナ素子と、該アンテナ素子の一端
    側に並列に接続されるFM帯帯域阻止フィルタもしくは
    AM帯帯域通過フィルタおよびFM帯帯域通過フィルタ
    と、該FM帯帯域阻止フィルタもしくはAM帯帯域通過
    フィルタの前記アンテナ素子と反対側に接続されるAM
    帯増幅回路とを有するAM・FM受信用アンテナであっ
    て、前記アンテナ素子の一端と前記FM帯帯域通過フィ
    ルタとの間にFM帯共振キャパシタおよびFM帯共振コ
    イルが直列に接続され、前記FM帯帯域通過フィルタの
    入力容量と前記FM帯共振キャパシタの容量との直列接
    続により前記AM帯に対してハイインピーダンスとなる
    ように形成されてなるAM・FM受信用アンテナ。
  2. 【請求項2】 前記FM帯帯域通過フィルタの前記アン
    テナ素子と反対側にFM帯増幅回路が接続されてなる請
    求項1記載のAM・FM受信用アンテナ。
  3. 【請求項3】 前記アンテナ素子の物理的長さが50c
    m以下である請求項1または2記載のAM・FM受信用
    アンテナ。
  4. 【請求項4】 前記FM帯共振キャパシタ、FM帯共振
    コイル、FM帯帯域通過フィルタ、FM帯増幅回路、F
    M帯帯域阻止フィルタもしくはAM帯帯域通過フィル
    タ、およびAM帯増幅回路が配置されて前記アンテナ素
    子と共にユニット化され、AM・FM受信機に一体構造
    に組み込まれてなる請求項1、2または3記載のAM・
    FM受信用アンテナ。
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