JP3115375U - 折畳式ラック - Google Patents

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Abstract

【課題】 左右の幅寸法を広く設定したり多段化しても、不使用時には自立可能な状態に折り畳んでコンパクトに保管できるようにする。
【解決手段】 対向配置した左右一対のフレーム14と15の後側端部同士を連結部材17を介し連結する。左右のフレーム14と15の間に、左右一対のパンタグラフ状のリンク19a,19bの前端部、後端部、下端部の所要個所同士を、前側支持桁部材20、後側支持桁部材21、下側支持桁部材22でそれぞれ連結した構成として、前後方向に拡縮できるようにした棚18を設ける。右側フレーム15を、前後方向の所要位置よりも前側となる前部回動部15aを、内側へ回動できるようにした構成とする。使用しないときには、棚18を奥側へ折り畳むと共に、該折り畳んだ棚18の前側へ重なるように右側フレーム15の前部回動部15aを回動させて折り畳むことにより、全体の平面形状をL字型とさせる。
【選択図】図1

Description

本考案は、不使用時にはコンパクトに折り畳んで保管可能な折畳式のラックに関するもので、特に、カルテ等のように所定形状のホルダや封筒に収めた書類や、その他、所定の方形としてある収納対象物を立てて収納するのに適した折畳式ラックに関するものである。
使用しないときにはコンパクトに折り畳んだ状態で保管できる折畳式のラックの一例としては、図4(イ)(ロ)に示す如く、矩形の四隅部と対応する前後左右の4個所に上下方向に延びる支柱1を配置し、該4本の支柱1の内側に、矩形の棚板2を上下方向へ所要間隔で平行配置すると共に、該各棚板2の前縁部における左右両側端部を、前側の左右の支柱1同士の対向面間に位置させて、左右方向に延びる枢軸3に上下方向に揺動(回動)可能に取り付け、且つ該各棚板2の後縁部における左右両側端部を、後側の左右の支柱1同士の対向面間に位置させて、左右方向に延びる枢軸3に上下方向に揺動(回動)可能に取り付けた構成としたものが提案されている。かかる構成としてある折畳式のラックによれば、使用しないときには、前後方向に対峙する支柱1同士を上下方向にずらしながら接近させるように平行移動させることにより、図4(ロ)に二点鎖線で示す如く、前後方向に扁平状に折り畳むことができるようにされている(たとえば、特許文献1参照)。なお、4は前後方向に対峙する支柱1同士を前後方向に展開した配置で固定できるようにするためのブレース、5は各支柱1の下端部に取付けたキャスタ、6は前側の左右の支柱1の対向面間における所要高さ位置に取り付けた把手兼用の横杆である。
ところで、荷を搬送するための台車の一形式として、矩形の荷台の奥側(後側)と左右両側の三方を、所要高さ位置まで立ち上がる背面パネルと左右の側面パネルで囲うようにしてなるかご型の台車がある。更に、この種のかご型の台車の分野においては、使用しないときには平面形状がL字型となるように折り畳めるようにした形式のものが従来提案されている。
図5(イ)(ロ)(ハ)は、上述したように平面形状をL字型に折り畳むことができるようにした荷搬送用台車の一例の概略を示すもので、左右方向に荷台7の幅寸法よりもやや大きな幅寸法を有する背面パネル8の左辺部の前側に、前後方向に荷台7の前後長とほぼ同様の寸法を有する左側面パネル9の後側(奥側)の辺部を一体に取り付ける。上記背面パネル8の右辺部の前側には、上記左側面パネル9と同様の形状としてある右側面パネル10の後側(奥側)の辺部を、水平方向に回動自在に取り付け、これにより、該右側面パネル10を、上記背面パネル8と直角な前後方向に沿う配置から、上記背面パネル8の内側に重なる配置となるように折り畳むことができるようにしてある。又、上記背面パネル8の下辺部の前側には、上記左右の両側面パネル9,10の内側に水平配置した荷台7の後側(奥側)の辺部を、上向きに回動できるよう取り付け、これにより、該荷台7を、水平な状態から上記背面パネル8の内側に重なる配置となるように折り畳むことができるようにしてある。更に、上記背面パネル8の左右両端部の下側と、左右の両側面パネル9,10の前端部の下側に、それぞれ車輪11を取り付けた構成としてある。
更に又、上記背面パネル8と左右の両側面パネル9,10における上下方向中間部の内側に、上記荷台7と同様の形状としてある中間棚12を配置し、該中間棚12の左側辺部を、上記折畳不可としてある左側面パネル9の上下方向中間部位置に、上下方向回動自在に取り付け、且つ該中間棚12の右側辺部には、係止用フック13を突設して、該係止用フック13を右側面パネル10の対応する高さ位置の所要個所に係脱自在に係止させることにより、該中間棚12を、左右の両側面パネル9,10で支持できるようにした構成としてある。
以上の如き構成としてある荷搬送用台車によれば、使用時は、図5(イ)に示す如く、右側面パネル10を背面パネル8と直角方向に展開し、且つ荷台7及び中間棚12を水平な状態として、該荷台7及び中間棚12に、それぞれ所要の搬送対象物(図示せず)を載置することにより、該搬送対象物の搬送や保管を行なうことができるようになる。一方、上記荷搬送用台車を使用しないときには、先ず、図5(ロ)に示す如く、中間棚12を、左側辺部側を中心に上下方向へ回転させて左側面パネル9の内側に重なるように折り畳んで図示しない保持手段により保持させ、次に、図5(ハ)に示す如く、荷台7を、後側辺部側を中心に上方へ回動させて背面パネル8の内側に重なるように折り畳んでから、右側面パネル10を、後側辺部側を中心にして背面パネル8の内側に重なる配置となるまで水平方向に折り畳むことにより、平面形状がL字型とされるようにしてある。したがって、図5(ハ)に示すように平面形状がL字型となるように折り畳んだ状態としてある上記荷搬送用台車を、順次、入れ子状に並べて密集させることにより、多数の荷搬送用台車をコンパクトに保管することが可能になる(たとえば、特許文献2参照)。
特開2005−40185号公報 特開2004−268652号公報
ところが、図4(イ)(ロ)に示した折畳式ラックでは、使用しないときに折り畳んだ状態とすると、全体形状が扁平状になってしまうため自立させることが困難になり、このため、立てた姿勢で保管するには何らかの固定物に立て掛けなければならない。更に、図4(イ)(ロ)に示したように支柱1の下端部にキャスタ5を備えている場合には、立て掛けた姿勢を保持させることも困難になる虞がある。そのために、横に寝かせた姿勢で保管することも考えられるが、この場合には、折畳式ラックの高さ寸法が高いときには、保管スペースが大きくなる虞があると共に、再度使用するときに、横に寝かせてある姿勢の折畳式ラックを立てた姿勢としなければならず、労力が嵩むという問題がある。しかも、横に寝かせた姿勢ではキャスタ5を利用して走行させることができないため、折り畳んだ状態で保管しているときには、移動が困難になるという問題もある。
なお、図5(イ)(ロ)(ハ)に示したような荷搬送用台車によれば、折り畳んだ状態でも自立させることができるため、固定物に立て掛ける必要がなくなり、又、折り畳んだ状態でも車輪11により走行させることができて移動が容易になり、更に、折り畳んだ状態から再使用する場合の労力を削減できるようになると考えられる。しかし、上記図5(イ)(ロ)(ハ)に示した荷搬送用台車の如き構成では、高さ寸法に比して左右の幅寸法を広く設定しようとすると、左右幅寸法が大きな中間棚12を左側面パネル9の内側に折り畳んだ姿勢とするときに、該中間棚12が左側面パネル9の上方へ大きく突出して、保管スペースが大きくなる虞があると共に、バランスが悪化する虞も懸念される。又、中間棚12は、背面パネル8と左右の側面パネル9,10を平面形状がL字型となるように折り畳むときに、背面パネル8の内側に固定されている左側の側面パネル9の内側に重なるように折り畳むようにしてあるため、左右の幅寸法が大きな中間棚12を上下方向複数段に亘って設けようとすると、左側面パネル9の内側に折り畳むべき中間棚12同士が干渉して折り畳みが困難になる虞も懸念される。
更に、図4(イ)(ロ)に示した折畳式ラックの棚板2、及び、図5(イ)(ロ)(ハ)に示した荷搬送用台車の荷台7や中間棚12は、いずれも前後左右方向に平面的な形状としてあるため、カルテ等のように所定形状のホルダや封筒に収めた書類や、その他の方形の収納対象物を立てて収納しようとする場合には、以下のような問題が生じる虞も懸念される。
すなわち、上記したような方形の収納対象物を前後方向に沿う鉛直面方向に立てた姿勢で収納するためには、左右方向に倒れないように支持させる必要があるため、図4(イ)(ロ)に示した折畳式ラックの場合は、棚板2上に収納する収納対象物を、左右両端部の支柱1に立て掛ける必要が生じ、又、図5(イ)(ロ)(ハ)に示した荷搬送用台車の場合は、荷台7や中間棚12上に収納する収納対象物を、左右の側面パネル9,10に立て掛けなければならず、左右幅方向の両端部から順に収納する必要が生じるため、収納対象物を収納したり取り出したりするときの作業効率が低いものとなる。
更に、上記図4(イ)(ロ)に示した折畳式ラックでは、棚板2上に立てた姿勢で載置する方形の収納対象物を左右の支柱1に立て掛ける際、該収納対象物は、前後方向の両端部のみが折畳式ラックの前端部と後端部に配されている支柱1によって支持されるため、上記方形の収納対象物が、たとえば、書類を入れたホルダや封筒のように平面部に直角方向より作用する力に対し、ある程度の柔軟性を有するものの場合には、自重やラック中央側に隣接する他の収納対象物より幅方向外向きに作用する荷重によって、該収納対象物の前後方向の中間部が、上記前後の支柱1の間から押し出されるように変形してしまい、支持が困難になることがある。
更には、図4(イ)(ロ)に示した折畳式ラックでは、棚板2の上に載置された収納対象物の前方への移動が横杆6により制限されるとしても、収納対象物の後方への移動を規制する部材はなく、又、図5(イ)(ロ)(ハ)に示した荷搬送用台車の場合には、荷台7や中間棚12の上に載置された物の後方への移動は背面パネル8によって制限されるとしても、前方への移動を規制する部材はない。よって、上記図4(イ)(ロ)に示した折畳式ラックや、図5(イ)(ロ)(ハ)に示した荷搬送用台車では、たとえば、上記棚板2、荷台7、中間棚12の上に、上記方形の収納対象物を立てて左右方向に配列させた状態で収納している場合には、列の途中に位置している所要の収納対象物を抜き出したり、収納対象物を列の途中位置に差し入れるときに、抜き差しされる収納対象物につられてその左右に隣接する収納対象物が前後方向にずれてしまう虞もある。
そこで、本考案は、左右の幅寸法を広く設定したり、多段化しても不使用時には平面形状L字型に折り畳んだ状態として安定して自立させることができ、しかも、カルテ等のように所定形状のホルダや封筒に収めた書類や、その他、方形の収納対象物を、前後方向の鉛直面に沿って立てた姿勢で収納するのに適した折畳式ラックを提供しようとするものである。
本考案は、上記課題を解決するために、請求項1に係る考案に対応して、左右方向へ所要間隔を隔てて対向配置した左右一対のフレームの後側端部の所要個所同士を連結部材を介し連結し、該左右のフレームの間に、左右方向に延びる複数本の支持桁部材を前後方向に位置変動可能に支持させてなる棚を設けて、該棚を前後方向に拡縮できるようにし、更に、上記左右のフレームのいずれか一方のフレームを前後方向所要位置より内側へ屈曲して回動できるようにした構成とする。
又、上記構成における前後方向に拡縮可能とした棚を、左右のフレームの内側に沿って前後方向に拡縮できるようにしてある左右一対のパンタグラフ状のリンクと、該左右のリンクに両端を連結して左右のフレーム間に配置した左右方向に延びる前側支持桁部材、後側支持桁部材、下側支持桁部材とからなる構成とする。
更に、上記構成において、左右のリンクの前後方向への拡縮を、該左右のリンクの各後端側を左右のフレームの後部側に連結支持させ、左右のリンクの前端側を左右のフレームに備えた前後方向に延びるガイドレールに係合させて、ガイドレールに沿って行わせるようにした構成とする。
更に又、上記構成におけるガイドレールの前端側に屈曲部を設け、左右のリンクの前端側を該屈曲部に係止させて、棚の展張状態を保持するようにした構成とする。
上述の各構成において、前側支持桁部材と後側支持桁部材における長手方向所要間隔位置同士の間に、略V字状又は略逆V字状のリンク構造の支持部材を設けるようにした構成とする。
本考案の折畳式ラックによれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1)左右方向へ所要間隔を隔てて対向配置した左右一対のフレームの後側端部の所要個所同士を連結部材を介し連結し、該左右のフレームの間に、左右方向に延びる複数本の支持桁部材を前後方向に位置変動可能に支持させてなる棚を設けて、該棚を前後方向に拡縮できるようにし、更に、上記左右のフレームのいずれか一方のフレームを前後方向所要位置より内側へ屈曲して回動できるようにした構成とし、具体的には、前後方向に拡縮可能とした棚を、左右のフレームの内側に沿って前後方向に拡縮できるようにしてある左右一対のパンタグラフ状のリンクと、該左右のリンクに両端を連結して左右のフレーム間に配置した左右方向に延びる前側支持桁部材、後側支持桁部材、下側支持桁部材とからなる構成としてあるので、使用時には、カルテ等のように所定形状のホルダや封筒に収めた書類や、その他、方形の収納対象物を、前後方向の鉛直面に沿って立てた姿勢として、前後方向へ展張させた棚の下側支持部材上に載置すると、該収納対象物の前後方向の両側を、上記前側と後側の各支持桁部材によりそれぞれ支持させることができて、上記収納対象物を棚上に確実に収納することができる。又、棚上に載置された収納対象物は、前後方向への移動が上記前側と後側の各支持桁部材よって規制された状態で、上方へ抜き出すように取り出しが行われると共に、上方から差し込むようにして棚上への収納が行われるようになるため、上記収納対象物が左右方向に配列するように収納されている場合に、列の途中に位置する収納対象物を抜き出したり、収納対象物を列の途中位置に差し入れるときにも、抜き差しする収納対象物の左右に隣接する収納対象物を、自重によって棚上に留まらせることができて、上記抜き差しする収納対象物につられて隣接する収納対象物が前後方向にずれる虞を未然に防止できる。
(2)一方、使用しないときには、棚を後側へ折り畳むと共に、上記一方のフレームを、該折り畳んだ棚の前側に重なるように折り畳むことにより、全体の平面形状をL字型とすることができることから、別の固定物に立て掛けることなく自立させた状態で保管できると共に、折り畳んだ状態としてあるもの同士を、順次、入れ子状に並べて密集させることにより、多数の折畳式ラックをコンパクトに保管することが可能になる。又、棚を前後方向に拡縮できるようにしてあるので、ラック全体を高さ寸法に比して幅寸法を広く設定しても、折り畳んだ棚が上方に突出して保管スペースが大となる虞を防止できると共に、保管するときのバランスが悪化する虞を解消でき、又、棚を多段に設ける場合であっても、該各棚を折り畳むときに棚同士が干渉する虞を未然に解消できる。
(3)左右のリンクの前後方向への拡縮を、該左右のリンクの各後端側を左右のフレームの後部側に連結支持させ、左右のリンクの前端側を左右のフレームに備えた前後方向に延びるガイドレールに係合させて、ガイドレールに沿って行わせるようにした構成とすることにより、左右のリンクの前端側を、左右のガイドレールに沿って前方へ引き出したり、後方へ押し込むことにより、棚の前後方向への展張と、奥側への折り畳みを容易に行なうことができる。
(4)ガイドレールの前端側に屈曲部を設け、左右のリンクの前端側を該屈曲部に係止させて、棚の展張状態を保持するようにした構成とすることにより、使用時に、棚を容易に展張状態とさせることができる。
(5)前側支持桁部材と後側支持桁部材における長手方向所要間隔位置同士の間に、略V字状又は略逆V字状のリンク構造の支持部材を設けるようにした構成とすることにより、棚の前後方向の拡縮動作に支障を来たす虞なしに上記前側支持桁部材と後側支持桁部材との間をつなぐように上記支持部材を設けることができることから、前後方向の鉛直面に沿って立てた姿勢として棚の下側支持桁部材上に載置する収納対象物を、左右方向に位置する上記支持部材に立て掛けることによって、該収納対象物を左右方向に倒れないよう支持することが可能となる。
以下、本考案を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3(イ)(ロ)は本考案の折畳式ラックの実施の一形態を示すもので、前後方向両端部の下端部にキャスタ16をそれぞれ備えている左側フレーム14と右側フレーム15を、左右方向に所要間隔を隔てて対向するように平行配置して、該左右のフレーム14と15の後側(奥側)端部の所要個所同士を連結部材17を介して連結する。上記左右のフレーム14と15の間には、該左右のフレーム14と15の内側に沿ってそれぞれ前後方向(手前側と奥側方向)に拡縮可能なパンタグラフ状としてあるリンクロッド31,34,35,36からなる左右一対のリンク19a,19bと、該左右のリンク19aと19bにおけるリンクロッド34と36の枢着個所同士、リンクロッド31と35の枢着個所同士及びリンクロッド34の所要個所同士をそれぞれ連結する左右方向に延びる前側支持桁部材20、後側支持桁部材21及び下側支持桁部材22とを具備してなる構成として前後方向に展開させた状態と、後側(奥側)へ折り畳んだ状態とに変形できるようにしてある棚18を、一段又は上下方向所要間隔で複数段設ける(図では棚18を2段設けた場合を示してある)。更に、上記左右のフレーム14又は15のうちのいずれか一方、たとえば、右側フレーム15を、該右側フレーム15における前後方向後側寄りの途中個所を水平方向内向きに回動できるようにしてなる構成として、上記棚18を奥側へ折り畳んだ状態とさせた後、上記右側フレーム15における前部の回動部15aを、上記折り畳んだ棚18の前側に重なるように回動させて折り畳むことにより、全体の平面形状をL字型とすることができるようにする。
詳述すると、上記左側フレーム14は、上下方向に延びる前後一対の支柱部23の上端部同士及び下部同士をそれぞれ前後方向に延びる上部と下部の水平部24,25で一体に連結し、上記前部と後部の各支柱部23の下端部に、それぞれキャスタ16を取り付けてなる構成としてある。
一方、右側フレーム15は、上記左側フレーム14と同様の、下端部にキャスタ16を取り付けた前後一対の支柱部23と、該各支柱部23の上端部同士及び下部同士を連結する上部と下部の水平部24と25とからなる構成における上記上部と下部の水平部24と25とを、それぞれ後部寄りの所要位置で前後方向に分割してなる水平部24a,24bと25a,25bとし、該前後方向に分割された前側の上下の水平部24aと25aの後端部同士、及び、後側の上下の水平部24bと25bの前端部同士を、それぞれ上下方向に延びる前部と後部の垂直部材26及び27を介し連結する。更に、上記前部垂直部材26と後部垂直部材27の所要個所同士、たとえば、上部同士及び下部同士を、前端部に上記前部垂直部材26の外周に固定するための上下方向の前側筒状部28aを備え且つ後端部に上記後部垂直部材27の外周に遊嵌させるための上下方向の後側筒状部28bを備えてなるヒンジ部材28を介してそれぞれ連結する。更に又、上記後部垂直部材27における上部と下部の各ヒンジ部材28の取付位置と対応する所要高さ位置の周方向所要個所、たとえば、左側面部に、係止ピン29をそれぞれ水平方向に突設すると共に、上記上部と下部の各ヒンジ部材28の後側筒状部28bの周壁に、上記各係止ピン29を係合させるための長孔30を、左側面部から前方へ向けて周方向に沿って90度延びるようにそれぞれ穿設して、該各ヒンジ部材28の後側筒状部28bに設けた長孔30に、上記後部垂直部材27の係止ピン29を係合させることにより、上記後部垂直部材27と、その外周に遊嵌させてある各ヒンジ部材28の後側筒状部28bとの上下方向の相対変位を防止すると共に、上記各ヒンジ部材28の後側筒状部28bを上記後部垂直部材27の外周で回転させるときの角度範囲を、上記長孔30の周方向に延びる角度範囲で規制できる構成としてある。これにより、上記右側フレーム15における前端の垂直部23及び該垂直部23の下端部のキャスタ16と、上部と下部の前側の各水平部24aと25aと、前部垂直部材26とからなる前側可動部15aを、上記ヒンジ部材28を介して後部垂直部材27を中心に、前後方向に沿う配置から、内側、すなわち、左側へ直角に屈曲した配置まで水平方向に回動させることができるようにしてある。
上記左右のフレーム14と15は、それぞれの後端部の支柱部23における所要個所同士、たとえば、上下方向の2個所同士を、左右方向に延びる連結部材17を介し連結して一体化するようにしてある。
上記棚18の左右一対のパンタグラフ状のリンク19a,19bは、所要の長さ寸法を有し且つ前方へ斜め下向きに延びる直線状の下部後側リンクロッド31の上端部(後端部)を、上記連結部材17の左右両端部位置の前面に設置してあるブラケット32に、ピン33を介して上下方向に揺動可能にそれぞれ取り付ける。該各下部後側リンクロッド31の下端部(前端部)には、前方へ斜め上向きに延び且つ上端部(前端部)を前方へやや下向きに屈曲させて上記下部後側リンクロッド31とほぼ同様の長さ寸法としてある下部前側リンクロッド34の下端部(後端部)を、ラック中央側に重ねるようにしてそれぞれピン接合し、上記下部前側のリンクロッド34と下部後側のリンクロッド31が、V字状にピン接合された互いの下端部を中心として、上端側を前後方向に近接、離反するよう変形できるようにする。更に、前方へ斜め上向きに所要寸法延びる円弧形状として、下端部(後端部)を上記各下部後側リンクロッド31の上部所要位置にそれぞれピン接合した上部後側リンクロッド35の上端部(前端部)と、前方へ斜め下向きに所要寸法延びる円弧形状として、下端部(前端部)を上記各下部前側リンクロッド34の屈曲部にそれぞれピン接合してある上部前側リンクロッド36の上端部(後端部)とを、それぞれピン接合した構成として、上記下部前側と下部後側のリンクロッド34と31の上端側同士の近接、離反動作に追従して、上記上部前側のリンクロッド36と上部後側のリンクロッド35が、略逆V字状にピン接合された互いの上端部を中心として、下端側を前後方向に近接、離反するよう変形できるようにしてある。
上記左右の各パンタグラフ状のリンク19a,19bにおける下部前側リンクロッド34の前端部は、左右方向に延びる連結ロッド37を介して一体に連結する。該連結ロッド37の左右両端部にはガイドローラ38をそれぞれ取り付けて、該左右の各ガイドローラ38を、上記左右のフレーム14,15の内側に左右で対向するよう取り付けた前後方向に延びる溝状のガイドレール39に前後方向に移動可能に係合させる。これにより、図示しない作業者が上記連結ロッド37を把持して上記左右のガイドローラ38がガイドレール39にガイドされるようにしながら該連結ロッド37を前後方向へ移動させることにより、上記パンタグラフ状のリンク19a,19bを前後方向に展開させた状態と、後側へ折り畳んだ状態に変形させることができるようにしてある。
なお、上記右側フレーム15の内側に取り付けるガイドレール39は、該右側フレーム15の前部回動部15aの後部垂直部材27を中心とする回動動作に支障が生じないように、後端が上記後部垂直部材27と対応する位置でカットした形状としてある。
更に、上記パンタグラフ状のリンク19a,19bを前後方向に展開させた状態で、ロックできるようにするために、上記ガイドレール39の前端部には、直角方向下向きに屈曲させた屈曲部39aを設けて、該屈曲部39aに、上記左右のガイドローラ38を落とし込むようにして離脱可能に係止させることができるようにしてある。
上記左右の各パンタグラフ状のリンク19a,19bの間に設ける上記前側支持桁部材20と後側支持桁部材21は、該前側支持桁部材20と後側支持桁部材21との間に、カルテ等のように所定形状のホルダや封筒に収めた書類や、その他、方形の収納すべき収納対象物40を前後方向の鉛直面に沿って立てた姿勢とするときの該収納対象物40の前後長とほぼ等しいかやや大きな間隔が形成されるように取り付ける。たとえば、上記前側支持桁部材20は、左右の下部前側リンクロッド34と上部前側リンクロッド36とのピン接合部位置同士の間に取り付けるようにすると共に、後側支持桁部材21は、左右の下部後側リンクロッド31と上部後側リンクロッド35とのピン接合部位置同士の間に取り付けるようにしてある。更に、上記下側支持桁部材22は、左右の下部前側リンクロッド34の下端部近傍位置同士を連結するように取り付けるようにしてある。
更に、上記前側支持桁部材20と、後側支持桁部材21の長手方向所要間隔の複数個所(図では3個所)同士の間には、上記上部前側リンクロッド36と同様の湾曲形状としてある前側リンクロッド41の上端部(後端部)と、上記上部後側リンクロッド35と同様の湾曲形状としてある後側リンクロッド42の上端部(前端部)とをピン接合して略逆V字状のリンク構造を有してなる支持部材41をそれぞれ設ける。これにより、前後方向の鉛直面に沿うよう立てた姿勢として上記下側支持桁部材22上に載置する上記収納対象物40の前後方向の両端部を、上記前側支持桁部材20と後側支持桁部材21によってそれぞれ支持させて該収納対象物40の前後方向への変位を防止できるようにすると共に、該下側支持桁部材22上に載置される収納対象物40を、上記リンク19a,19bにおける上部前側リンクロッド36と上部後側リンクロッド35により形成される略逆V字状の構造、又は、該構造と同様の略逆V字状のリンク構造としてある支持部材41に立て掛けることにより、左右方向へ倒れないように支持することができるようにしてある。
以上の構成としてある本考案の折畳式ラックを使用する場合は、右側フレーム15の前部回動部15aを前後方向の配置となるようにした状態で連結ロッド37を前方(手前側)へ引き出して、該連結ロッド37の左右位置に設けてあるガイドローラ38を、ガイドレール39の屈曲部39aに係止させることにより、各棚18を前後方向に展開(展張)させた状態でロックさせる。この状態において、カルテ等のように所定形状のホルダや封筒に収めた書類や、その他、方形の収納対象物40を、図1及び図2(イ)に二点鎖線で示す如く、前後方向の鉛直面に沿うように立てた姿勢として上記各棚18の下側支持桁部材22上に載置すると、上記収納対象物40は前側と後側の各支持支持桁部材20と21によって前後両側からそれぞれ支持されると共に、左右方向からは上記左右のリンク19a,19bにおける上部前側リンクロッド36と上部後側リンクロッド35からなる略逆V字状の構造、又は、支持部材41によって支持され、これにより、上記収納対象物40は、各棚18上に確実に収納されるようになる。又、個々の収納対象物40は、上記各棚18上にて、前後方向への移動が上記前側と後側の各支持桁部材20,21より規制された状態とされ、この状態において、上方へ抜き出すように取り出しが行われると共に、上方から差し込むようにして収納が行われるようになるため、上記収納対象物40が左右方向に配列させた状態で収納されている場合において、列の途中に位置する収納対象物40を抜き出したり、収納対象物40を列の途中位置に差し入れるときには、抜き差しする収納対象物40の左右に隣接する収納対象物40は、自重によって上記棚18上に留まるようになるため、上記抜き差しする収納対象物40につられて隣接する収納対象物40がずれる虞を未然に防止できる。
一方、本考案の折畳式ラックを使用しないときには、収納対象物40が載置されていない空の状態の各棚18の連結ロッド37を把持して、両端部のガイドローラ38を、ガイドレール39の屈曲部39aより引き上げて係止状態を解除してから後方(奥側)へ押し込むことにより、図3(イ)に示す如き状態から、図3(ロ)に示す如く、左右のパンタグラフ状のリンク19a,19bをそれぞれ前方から後方(奥側)へ押しつぶすように変形させて各棚18を奥側へ折り畳む。この際、リンク19a,19bのリンクロッド35と36と支持部材41は、ともに上方へ突出するように折り畳まれ、リンク19a,19bのリンクロッド31と34は下方へ突出するように折り畳まれる。次いで、右側フレーム15の前部回動部15aを、上記折り畳んだ各棚18の前側に重なるように内側へ屈曲させて折り畳むことにより、平面形状がL字型となるようにする。これにより、本考案の折畳式ラックは平面形状をL字型となるように折り畳んだ状態としても自立させることができて、保管時に別の固定物に立て掛ける必要はなく、又、折り畳んだ状態でもキャスタ16により走行させて移動を容易なものとすることができて、折り畳んだ状態から再使用する場合に要する労力を低減できる。更に、本考案の折畳式ラックは、図3(ロ)に示すように平面形状がL字型となるように折り畳んだ状態としてあるもの同士を、順次、入れ子状に並べて密集させることにより、多数の本考案の折畳式ラックをコンパクトに保管することが可能になる。
しかも、本考案の折畳式ラックによれば、棚18を前後方向に拡縮できるようにした構成としてあるので、ラック全体を高さ寸法に比して幅寸法を広く設定しても、折り畳んだ棚18が上方に突出して保管スペースが大となる虞を防止できると共に、保管とするときのバランスが悪化する虞はなく、又、棚18を多段に設ける場合であっても、該各棚18を折り畳むときに棚18同士が干渉する虞を解消できる。
なお、本考案は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、各棚18の左右両端部のパンタグラフ状のリンク19a,19bは、湾曲形状の上部前側リンクロッド36と上部後側リンクロッド35とを備えてなるものとして示したが、上部前側リンクロッド36と上部後側リンクロッド35は、湾曲率を変更したり直線状としてもよく、又、上部前側リンクロッド36の後端部と上部後側リンクロッド35の前端部とのピン接合点の位置が、上部前側リンクロッド36の前端部と下部前側リンクロッド34とのピン接合点位置と、上部後側リンクロッド35の後端部と下部後側リンクロッド31とのピン接合点位置とを結ぶ線よりも下方に位置するようにして、棚18を折り畳むときに、上記上部前側リンクロッド35と後側リンクロッド36が互いのピン接合部を下方へ突出させるように略V字型に折り畳まれるようにしてもよい。
下側支持桁部材22は、左右の下部前側リンクロッド34の下端部近傍位置同士の間に設けるものとして示したが、左右の下部前側リンクロッド34と下部後側リンクロッド31とのピン接合部位置同士の間に設けるようにしてもよく、更には、下部後側リンクロッド31の下端部の外側(フレーム14,15側)に下部前側リンクロッド34の下端部を重ねてピン接合する形式とする場合には、左右の下部後側リンクロッド31の下端部近傍位置同士の間に取り付けるようにしてもよい。
前側支持桁部材20と後側支持桁部材21は、下側支持桁部材22上に立てた状態で載置する収納対象物40の前側と後側をそれぞれ支持することができるようにすれば、前側支持桁部材20の両端部を、左右の下部前側リンクロッド34における上部前側リンクロッド36の前端部とのピン接合部位置からずれた位置に取り付けるようにしてもよく、又、後側支持桁部材21の両端部を、左右の下部後側リンクロッド31における上部後側リンクロッド35の後端部とのピン接合部位置からずれた位置に取り付けるようにしてもよい。
前側支持桁部材20と後側支持桁部材21との間に取り付ける支持部材41は、湾曲形状の前側リンクロッド42と後側リンクロッド43とを備えてなるものとして示したが、前側リンクロッド42と後側リンクロッド43は、湾曲率を変更したり直線状としてもよく、又、前側リンクロッド42の後端部と後側リンクロッド43の前端部とのピン接合点の位置が、前側支持桁部材20と後側支持桁部材21とを結ぶ線よりも下方に位置するようにして、棚18を折り畳むときに、上記前側リンクロッド42と後側リンクロッド43が互いのピン接合部を下方へ突出させるように略V字型に折り畳まれるようにしてもよい。
上記前側支持桁部材20と後側支持桁部材21との間に取り付ける支持部材41の数は、本考案の折畳式ラックの幅寸法に応じて適宜増減させてもよく、幅寸法が狭い場合には、省略するようにしてもよい。又、棚18の段数は、本考案の折畳式ラック全体の高さ寸法と、棚18上へ収納対象物40を立てた状態で収納したり取り出すために必要な作業スペースの高さ寸法に応じて適宜増減してもよい。その他本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本考案の折畳式ラックの実施の一形態を示す概略斜視図である。 (イ)は図1の装置の左側フレーム部分を内側から見た拡大側面図、(ロ)は図1の装置の右側フレーム部分を内側から見た拡大側面図である。 図1の装置の使用時と不使用時の変形状態を示すもので、(イ)は使用状態を示す概略平面図、(ロ)は不使用時に折り畳んだ状態を示す概略平面図である。 従来提案されている折り畳み式のラックの一例を示すもので、(イ)は概略正面図、(ロ)は概略側面図である。 従来提案されている折り畳み式の荷搬送用台車の一例を示すもので、(イ)は使用状態を、(ロ)は中間棚を折り畳んだ状態を、(ハ)は平面形状がL字型となるように折り畳んだ状態をそれぞれ示す概略斜視図である。
符号の説明
14 左側フレーム(フレーム)
15 右側フレーム(フレーム)
15a 前部回動部
17 連結部材
18 棚
19a,19b リンク
20 前側支持桁部材
21 後側支持桁部材
22 下側支持桁部材
41 支持部材
42 前側リンクロッド
43 後側リンクロッド

Claims (5)

  1. 左右方向へ所要間隔を隔てて対向配置した左右一対のフレームの後側端部の所要個所同士を連結部材を介し連結し、該左右のフレームの間に、左右方向に延びる複数本の支持桁部材を前後方向に位置変動可能に支持させてなる棚を設けて、該棚を前後方向に拡縮できるようにし、更に、上記左右のフレームのいずれか一方のフレームを前後方向所要位置より内側へ屈曲して回動できるようにした構成を有することを特徴とする折畳式ラック。
  2. 前後方向に拡縮可能とした棚を、左右のフレームの内側に沿って前後方向に拡縮できるようにしてある左右一対のパンタグラフ状のリンクと、該左右のリンクに両端を連結して左右のフレーム間に配置した左右方向に延びる前側支持桁部材、後側支持桁部材、下側支持桁部材とからなる構成とした請求項1記載の折畳式ラック。
  3. 左右のリンクの前後方向への拡縮を、該左右のリンクの各後端側を左右のフレームの後部側に連結支持させ、左右のリンクの前端側を左右のフレームに備えた前後方向に延びるガイドレールに係合させて、ガイドレールに沿って行わせるようにした請求項2記載の折畳式ラック。
  4. ガイドレールの前端側に屈曲部を設け、左右のリンクの前端側を該屈曲部に係止させて、棚の展張状態を保持するようにした請求項2又は3記載の折畳式ラック。
  5. 前側支持桁部材と後側支持桁部材における長手方向所要間隔位置同士の間に、略V字状又は略逆V字状のリンク構造の支持部材を設けるようにした請求項1、2、3又は4記載の折畳式ラック。
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