JP3114178U - 図柄表示装置キャリア - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型化・軽量化が可能な図柄表示装置キャリアを提供すること。
【解決手段】 液晶式図柄表示装置51を収容して搬送する図柄表示装置キャリア11は、互いに開閉可能に構成された第1箱状部材20及び第2箱状部材40を備える。第1箱状部材20は第1接合面21に第1開口部22を有し、第2箱状部材40は第2接合面41に第2開口部42を有する。また、第1箱状部材20は第1保持フレーム24を備える。第1保持フレーム24は、液晶式図柄表示装置51を第1箱状部材20の内面から離間した状態で保持する。なお、図柄表示装置キャリア11には、大きくて重い遊技盤は収容されていない。
【選択図】 図3

Description

本考案は、遊技機用図柄表示装置を収容した図柄表示装置キャリアに関するものである。
一般的に、遊技機の営業・販売活動においては、ビデオなどを使って商品説明を行っている。ところで、ビデオをテレビで再生した場合、遊技機の中で最も顧客が関心を寄せる図柄表示装置は、テレビ画面に比べてかなり小さいために、テレビ画面上にて拡大表示されることが多い。しかし、拡大表示された図柄表示装置は、実際の図柄表示装置とはかなり雰囲気が異なっている。このため、図柄表示装置が遊技機に搭載されたときの雰囲気が顧客に上手く伝わらず、顧客に違和感を与えてしまう。従って、営業・販売活動においては、実際の遊技機を使って商品説明をするのが好ましい。しかし、遊技機は、大きくて重く、携帯に適しているとは言い難い。このため、顧客店舗に出向いて営業・販売活動を行う場合に遊技機を持参することは、営業マンにとって酷である。そこで、遊技機の中で最も顧客が関心を寄せる遊技盤、及び、その遊技盤を制御する制御装置のみを収容した、携帯に適したキャリアが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−104631号公報
しかし、遊技盤は年々大型化、重量化しているため、遊技盤のみを携帯することも次第に困難になりつつある。ところが、遊技盤の中で顧客が最も関心を寄せる部分は図柄表示装置であって、特にそれが液晶式である場合には、図柄以外の情報も表示されるため、遊技中に遊技者に提示される情報量が極めて多い。また、液晶式の図柄表示装置は、年々大型化するとともに、高精度化・高画質化する傾向にある。このため、営業・販売活動において顧客に強いインパクトを与えるためには、実際の図柄表示装置を使って商品説明をしたいという要求が高い。よって、営業マンが携帯するキャリアを、より小型化、軽量化することが求められている。
本考案は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化・軽量化が可能な図柄表示装置キャリアを提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の考案は、複数種類の図柄を複数列で変動または停止表示して遊技演出を行う遊技機用図柄表示装置を収容して搬送するための図柄表示装置キャリアであって、第1接合面に第1開口部を有する第1箱状部材と、前記第1接合面と接合しうる第2接合面に第2開口部を有する第2箱状部材とを備え、前記第1箱状部材及び前記第2箱状部材が開閉可能に構成されるとともに、前記第1箱状部材は、前記遊技機用図柄表示装置を前記第1箱状部材の内面から離間した状態で保持する第1保持部材を備えることを特徴とする図柄表示装置キャリアをその要旨とする。
従って、請求項1に記載の考案によると、図柄表示装置キャリアには、大きくて重い遊技盤全体が収容されるのではなく、遊技盤の中で顧客が最も関心を寄せる遊技機用図柄表示装置が収容される。よって、遊技機用図柄表示装置を支持する板材(ベニヤ)等が省略されることで、図柄表示装置キャリア内を構成する部品点数が減少するため、図柄表示装置キャリアの小型化・軽量化が可能となる。
さらに、第1箱状部材及び第2箱状部材がヒンジを介して開閉可能に構成されている場合、例えば開状態のときに第1箱状部材及び第2箱状部材を所望の角度で保持できる。
また、遊技機用図柄表示装置は、第1箱状部材に直付けされるのではなく、第1保持部材により第1箱状部材の内面に接触しないように保持されている。このため、第1箱状部材の内面との接触による遊技機用図柄表示装置の破損を防止できる。しかも、第1箱状部材の開放状態において、遊技機用図柄表示装置から発生した熱を、遊技機用図柄表示装置と第1箱状部材との間から第1箱状部材の外部に放出しやすくなるため、熱の影響による遊技機用図柄表示装置の故障等を防止できる。
ここで、図柄表示装置キャリアは、強度が低いソフトケースではなく、強度が高いハードケースであることが好ましい。このようにすれば、図柄表示装置キャリアに衝撃が加わった際に、図柄表示装置キャリアの内部にある遊技機用図柄表示装置などの破損を防止できる。
なお、第1箱状部材の形状、及び、第2箱状部材の形状は、特に限定されないが、例えば略直方体状であることが好ましい。このようにすれば、第1箱状部材及び第2箱状部材の形状が最も一般的な形状となるため、図柄表示装置キャリアを作製するに際して、市販のアルミトランクやアタッシュケースを利用しやすくなる。また、第1箱状部材及び第2箱状部材が開状態であっても閉状態であっても、図柄表示装置キャリアを安定的に設置できるため、図柄表示装置キャリアの内部にある遊技機用図柄表示装置などの破損を防止できる。さらに、第1箱状部材の第1開口部及び第2箱状部材の第2開口部は、互いに同一形状であって、互いに同一面積であることが好ましい。このようにすれば、第1箱状部材及び第2箱状部材が閉状態となる際に、第1開口部及び第2開口部を完全に閉じることができるため、図柄表示装置キャリアの内部にある遊技機用図柄表示装置などを確実に保護できる。
また、本考案の図柄表示装置キャリアは、液晶式、ドットマトリックス式、エレクトロルミネッセンス素子式、7セグメント式などの各種の遊技機用図柄表示装置を収容するためのものとして具体化できる。これらの中でも、複雑な演出が可能な液晶式の遊技機用図柄表示装置を収容するためのものとして適用することが好ましい。このようにすれば、遊技機用図柄表示装置の表示を見せた際に、顧客により強いインパクトを与えることができるため、実際の遊技機用図柄表示装置を使って商品説明をすることの効果が大きくなる。
なお、第1保持部材は、前記第1箱状部材の内側であれば任意の位置に遊技機用図柄表示装置を保持することが可能であるが、第1箱状部材の中央部に遊技機用図柄表示装置を保持することが好ましい。このようにすれば、遊技機用図柄表示装置の表示が見やすくなる。また、第1箱状部材の重量バランスが良くなるため、図柄表示装置キャリアの搬送が容易になる。さらに、遊技機用図柄表示装置の周囲に空間を形成できるため、第1箱状部材の開放状態において、遊技機用図柄表示装置から発生した熱を、空間から第1箱状部材の外部に放出しやすくなる。また、第1保持部材は、任意の向きで遊技機用図柄表示装置を保持することが可能であるが、表示画面を第1箱状部材の第1開口部側に向けた状態で遊技機用図柄表示装置を保持することが好ましい。このようにすれば、図柄表示装置キャリアを開けた状態で表示画面が露出するため、遊技機用図柄表示装置の表示が見やすくなる。
また、第1保持部材は、第1箱状部材の第1開口部から突出しないように遊技機用図柄表示装置を保持することが好ましい。このようにすれば、第2箱状部材、または、第2箱状部材内に配置された部材との接触による、遊技機用図柄表示装置の破損を防止できる。
請求項2に記載の考案は、請求項1において、前記第1保持部材は、遊技機の電気的構成部品であって機種ごとの交換が必要な専用装置を保持し、前記第2箱状部材は、遊技機の電気的構成部品であって機種ごとの交換が不要な共用装置を前記第2箱状部材の内面から離間した状態で保持する第2保持部材を備えることをその要旨とする。
従って、請求項2に記載の考案によると、図柄表示装置キャリアを他機種の遊技機用に変更する場合、第1箱状部材に収容されている専用装置のみを交換すれば済む。このとき、第2箱状部材に収容されている共用装置への作業は何ら必要ないため、変更作業が容易になる。さらに、第1箱状部材及び第2箱状部材がヒンジを介して開閉可能に構成され、そのヒンジが脱着可能である場合、ヒンジを取り外した状態で、第1箱状部材を、他機種の専用装置が取り付けられている第1箱状部材に交換すれば済む。このとき、第1箱状部材内の専用装置の交換作業は何ら必要ないため、変更作業がよりいっそう容易になる。また、図柄表示装置キャリアを元の状態に戻す場合などにおいて、変更作業において取り外した第1箱状部材を再度利用することもできる。
ここで、専用装置としては、遊技機用図柄表示装置の表示内容を制御する表示制御基板、遊技機用図柄表示装置にて行われる音声演出を制御する音声制御基板などが挙げられる。
一方、共用装置が含む電源装置としては、外部電源の電圧(例えば100V)を変換(例えば24Vに変換)するための第1電源装置、第1電源装置によって変換された電源を最適化(例えば5Vに変換)するための第2電源装置などが挙げられる。ここで、外部電源は、一般的に用いられる家庭用電源であることが好ましい。このようにすれば、営業・販売活動において顧客店舗などに出向いた際であっても、電源を容易に得ることができる。また、電源装置以外の共用装置としては、前記遊技機用図柄表示装置の表示内容を変更するための表示内容変更装置、前記遊技機用図柄表示装置の表示内容を説明するための表示内容説明装置、音声制御基板からの音声信号に基づいて音声を出力するスピーカ、スピーカから出力される音声の音量を調整する音声出力調整装置、などが挙げられる。
なお、第1保持部材は、第1箱状部材の第1開口部から突出しないように専用装置を保持することが好ましい。このようにすれば、第2箱状部材や共用装置との接触による専用装置の破損を防止できる。同様に、第2保持部材は、第2箱状部材の第1開口部から突出しないように共用装置を保持することが好ましい。このようにすれば、第1箱状部材や専用装置との接触による共用装置の破損を防止できる。
さらに、第1保持部材が第1箱状部材の内底面に設置される場合、第1保持部材の設置面積は、第1箱状部材の内底面の面積と等しくてもよいし、内底面の面積よりも小さくてもよいが、内底面の面積よりも小さいことが好ましい。このようにすれば、第1保持部材の外周面と前記第1箱状部材の内壁面との間に隙間を形成できるため、第1箱状部材の開放状態において、専用装置から発生した熱を、隙間から第1箱状部材の外部に放出することができる。よって、熱の影響による専用装置の故障等を防止できる。さらに、隙間内に、例えば専用装置と共用装置とを繋ぐ配線を通すことができるため、配線の自由度が大きくなる。同様に、第2保持部材が第2箱状部材の内底面に設置される場合、第2保持部材の設置面積は、第2箱状部材の内底面の面積と等しくてもよいし、内底面の面積よりも小さくてもよいが、内底面の面積よりも小さいことが好ましい。このようにすれば、第2保持部材の外周面と前記第2箱状部材の内壁面との間に隙間を形成できるため、第2箱状部材の開放状態において、共用装置から発生した熱を、隙間から第2箱状部材の外部に放出することができる。よって、熱の影響による共用装置の故障等を防止できる。さらに、隙間内に、例えば専用装置と共用装置とを繋ぐ配線を通すことができるため、配線の自由度が大きくなる。
なお、前記第1箱状部材の内面または前記第2箱状部材の内面に、弾性材を配置することが好ましいが、第1箱状部材の内面及び第2箱状部材の内面の両方に、弾性材を配置することがより好ましい。このようにすれば、専用装置と第1箱状部材の内面との接触による衝撃が弾性材で吸収され、共用装置と第2箱状部材の内面との接触による衝撃が弾性材で吸収されるため、専用装置及び共用装置の破損を防止できる。さらに、弾性材は、第1箱状部材の内面全体に亘って配置されるとともに、第2箱状部材の内面全体に亘って配置されることが好ましい。このようにすれば、専用装置及び共用装置が弾性材以外の部分に接触しにくくなるため、専用装置及び共用装置の破損をより確実に防止できる。なお、弾性材としては、ポリウレタンフォーム(いわゆるスポンジ)製のクッション材やゴム製のクッション材などが挙げられる。
請求項3に記載の考案は、請求項2において、前記第2保持部材は、前記遊技機用図柄表示装置の表示内容を変更するための表示内容変更装置を保持することをその要旨とする。
遊技機用図柄表示装置にて表示される表示内容が多数存在する場合、顧客が希望する内容が表示されるまでに長時間待たなければならない場合があり、営業・販売活動をスムーズに行うことができない。その点、請求項3に記載の考案によれば、表示内容変更装置を操作することにより、顧客が希望する表示内容に即座に変更することができる。よって、営業・販売活動をスムーズに行うことができる。
ここで、表示内容変更装置としては、同表示内容変更装置を操作している間のみ信号を出力する機械式スイッチ(メカスイッチ)、例えば営業マンの手が近づいたときに信号を出力する電磁式スイッチ(近接スイッチ)、例えば営業マンの手が接触したときに信号を出力するタッチセンサなどが挙げられる。さらに、表示内容変更装置が設けられる場所は、手が届きやすい第2箱状部材の第2開口部近傍であることが好ましく、具体的には、第2保持部材において第2箱状部材の第2開口部側に位置する面などが挙げられる。なお、表示内容変更装置は、前記各表示内容に対応するように複数設けられていてもよい。
また、表示内容変更装置を、第1保持部材ではなく第2保持部材に設けることにより、以下の利点が得られる。例えば、遊技機用図柄表示装置の周囲に表示内容変更装置が設けられることで顧客にとって目障りになることが防止される。しかも、表示内容変更装置の操作時に遊技機用図柄表示装置が手で覆われることを防止できる。よって、遊技機用図柄表示装置が見やすくなる。また、図柄表示装置キャリアにおいて設置部分となる第2保持部材に表示内容変更装置が設けられているため、操作時に第2保持部材が動きにくい。よって、表示内容変更装置を安定的に操作できる。なお、表示内容変更装置は、具体的には、第2保持部材において第2箱状部材の第2開口部側に位置する面に設けられることが好ましい。
請求項4に記載の考案は、請求項2または3において、前記第2保持部材は、前記遊技機用図柄表示装置の表示内容を説明するための表示内容説明装置を保持することをその要旨とする。
従って、請求項4に記載の考案によると、表示内容説明装置の説明に基づいて遊技機用図柄表示装置の表示内容を確認できるため、表示内容をあまり把握していない営業マンであっても、顧客への説明が容易となる。
ここで、遊技機用図柄表示装置とは別の表示内容説明装置としては、液晶式、ドットマトリックス式、エレクトロルミネッセンス素子式、7セグメント式の表示装置などが挙げられる。また、遊技機用図柄表示装置とは別の表示内容説明装置としては、スピーカなどの音声出力装置などが挙げられる。この場合、表示内容説明装置からの音声の出力だけで、顧客への説明を行うことができる。よって、営業マンが敢えて表示内容の説明をしなくても済むため、営業マンの負担を低減できる。
なお、表示内容説明装置が前記表示装置である場合、表示内容を説明する具体例としては、文字、記号などが表示内容を明示的に示唆するものや、暗示的に示唆するものが挙げられる。表示内容を明示的に示唆する具体例としては、例えば、「ハズレ」、「ハズレリーチ」、「大当り」、「確変大当り」という文字を表示装置に表示することなどが挙げられる。一方、表示内容を暗示的に示唆する具体例としては、各表示内容に対応する数字(例えば、「表示内容3」を示す「3」)を表示装置に表示することなどが挙げられる。また、表示内容説明装置が前記音声出力装置である場合、表示内容を説明する具体例としては、言葉が表示内容を明示的に示唆するものや、暗示的に示唆するものが挙げられる。表示内容を明示的に示唆する具体例としては、例えば、「ハズレ」、「ハズレリーチ」、「大当り」、「確変大当り」という言葉を音声出力装置から出力することなどが挙げられる。一方、表示内容を暗示的に示唆する具体例としては、各表示内容に対応する数字を音声出力装置から出力することなどが挙げられる。
さらに、表示内容説明装置を、第1保持部材ではなく第2保持部材に設けることにより、以下の利点が得られる。例えば、遊技機用図柄表示装置の周囲に表示内容説明装置が設けられることで顧客にとって目障りになることが防止される。このため、遊技機用図柄表示装置が見やすくなる。なお、表示内容説明装置は、具体的には、第2保持部材において第2箱状部材の第2開口部側に位置する面に設けられることが好ましい。また、表示内容説明装置は、前記表示内容変更装置の近傍に設けられることが好ましい。このようにすれば、表示内容説明装置を見ながら表示内容変更装置を操作できる。
請求項5に記載の考案は、請求項2乃至4のいずれか1項において、前記第1保持部材及び前記第2保持部材は、板状部材を屈曲させることで形成されるとともに、孔部を備えていることをその要旨とする。
従って、請求項5に記載の考案によると、第1保持部材及び第2保持部材が板状部材によって形成されるとともに、孔部を備えるため、第1保持部材及び第2保持部材が軽量化される。よって、図柄表示装置キャリア全体の軽量化が可能となる。また、第1箱状部材の開放状態において、専用装置から発生した熱を、孔部を介して第1箱状部材の外部に放出することができる。同様に、第2箱状部材の開放状態において、共用装置から発生した熱を、孔部を介して第2箱状部材の外部に放出することができる。このため、熱の影響による専用装置や共用装置の故障等を防止できる。さらに、孔部を介して配線を通すことができるため、配線の自由度が大きくなる。また、第1保持部材及び第2保持部材は、板状部材を屈曲させることで形成されるため、板状部材が薄くても剛性を確保できる。しかも、金型などを用いて第1保持部材及び第2保持部材を形成する場合に比べて、第1保持部材及び第2保持部材の形成が容易になる。
請求項6に記載の考案は、請求項1乃至5のいずれか1項において、前記第1保持部材は、前記遊技機用図柄表示装置が取り付けられる図柄表示装置取付孔を備え、前記図柄表示装置取付孔と前記遊技機用図柄表示装置との隙間の形状及び大きさに対応したスペーサが、前記第1保持部材に取付可能であることをその要旨とする。
従って、請求項6に記載の考案によると、遊技機用図柄表示装置を、外形や大きさが異なる別の遊技機用図柄表示装置に交換する場合、スペーサの交換または取り外しを行うだけで、遊技機用図柄表示装置を第1保持部材に保持できる。即ち、第1保持部材の交換が不要になるため、遊技機用図柄表示装置の交換作業が容易になる。また、様々なサイズの遊技機用図柄表示装置が取付可能となるため、第1保持部材の汎用性が高くなる。
ここで、スペーサとしては、遊技機用図柄表示装置の外周面と第1保持部材との隙間を埋めるように配置される板状部材であることが好ましい。このようにすれば、遊技機用図柄表示装置の外周面全体が板状部材に接触するため、遊技機用図柄表示装置をより確実に保持できる。また、スペーサは、外形や大きさが異なる複数種類の遊技機用図柄表示装置が取付可能であることが好ましい。このようにすれば、遊技機用図柄表示装置の外形及び大きさに合わせて複数種類のスペーサを用意しなくても済むため、スペーサの汎用性が高くなる。
請求項7に記載の考案は、請求項1乃至6のいずれか1項において、前記第1箱状部材の外側部に、前記第2箱状部材の第2接合面に対して前記第1箱状部材の第1接合面を垂直または傾斜状態に支持する脚部を設けたことをその要旨とする。
従って、請求項7に記載の考案によると、第1箱状部材を脚部によって支持することで、第1箱状部材内の遊技機用図柄表示装置も垂直または傾斜状態となるため、垂直または傾斜状態にない場合に比べて遊技機用図柄表示装置が見やすくなる。なお、垂直または傾斜状態とは、第2接合面に対して第1接合面が90°以上180°未満の角度をなしていること、好ましくは約120°の角度をなしていることをいう。さらに、前記脚部は、例えば伸縮可能、格納可能、折り畳み可能に設けられていることが好ましい。このようにすれば、図柄表示装置キャリアを持ち運びする際に、脚部が出っ張らず邪魔にならない。
以上詳述したように、請求項1〜7に記載の考案によれば、小型化・軽量化が可能な図柄表示装置キャリアを提供することができる。
特に、請求項2に記載の考案によれば、図柄表示装置キャリアを他機種の遊技機用に変更する場合、第1箱状部材に収容されている専用装置のみを交換すれば済むため、変更作業が容易になる。
以下、本考案を具体化した一実施形態を図1〜図10に基づき説明する。
(1)図柄表示装置キャリア11の構成
図1〜図3に示される図柄表示装置キャリア11は、パチンコ機(遊技機)用の液晶式図柄表示装置51(遊技機用図柄表示装置)を収容して搬送するハードケースである。図柄表示装置キャリア11は、略直方体状をなす第1箱状部材20と、同じく略直方体状をなす第2箱状部材40とを備えている。第1箱状部材20及び第2箱状部材40は、2つのヒンジ12(図3参照)を介して互いに開閉可能に構成されている。また、第1箱状部材20及び第2箱状部材40は、2つのロック手段13によって閉状態に固定されている。なお、両ロック手段13は、図柄表示装置キャリア11においてヒンジ12が設けられている面とは反対側の面に設けられている。また、両ロック手段13間には把手取付部14が設けられ、把手取付部14には把手15が取り付けられている。
(2)第1箱状部材20の構成
図1〜図3に示されるように、第1箱状部材20は、略矩形板状をなす底壁20aと、周壁20bとからなっている。周壁20bの先端部分は第1開口部22を構成しており、周壁20bの先端面は、第2箱状部材40と接合しうる第1接合面21となっている。
また、底壁20aの内面全体及び周壁20bの内面全体には、硬質の発泡ウレタン材23(弾性材)が配置されている。そして、底壁20aには、第1保持フレーム24(第1保持部材)が取り付けられている。図5に示されるように、第1保持フレーム24は、板状部材の両側部分をそれぞれ90°屈曲させ、さらに屈曲部分の先端側を反対方向に90°屈曲させることで、断面略コ字状に形成される。なお、板状部材において屈曲していない部分が略矩形状をなす正面板25となり、屈曲部分の基端側が側面板26となり、屈曲部分の先端側が取付板27となる。
図2に示されるように、正面板25は、第1開口部22の近傍において第1接合面21よりも10〜20mm程度引っ込んだ状態で配置されている。図2,図3,図5に示されるように、正面板25には略矩形状をなす図柄表示装置取付孔28が設けられており、図柄表示装置取付孔28の略中央部には、図柄表示装置ユニット50が取り付けられている。なお、取付状態において、図柄表示装置ユニット50は、底壁20aの内面から離間した状態に保持される(図6参照)。
図8に示されるように、図柄表示装置ユニット50は、前記液晶式図柄表示装置51(専用装置)と、液晶式図柄表示装置51の裏側に配置された表示制御基板34(専用装置)と、表示制御基板34の裏側に配置された音声制御基板32(専用装置)とを備えている。なお、液晶式図柄表示装置51では、変動画像(または画像表示)に基づく遊技演出が行われるようになっている。また、液晶式図柄表示装置51には、表示画面Hが第1開口部22側を向いた状態で配置されている。そして、表示画面Hには、複数種類の図柄を複数列で変動または停止表示させて図柄組み合わせを導出させる図柄組み合わせゲームが表示可能となっている。具体的には、複数種類の図柄が左、右、中の3列で変動し、左→右→中の順番で停止するようになっている。さらに、表示画面Hには、魚などのキャラクタを登場させるといった演出が表示される。図4に示されるように、表示制御基板34は、液晶式図柄表示装置51に電気的に接続されており、液晶式図柄表示装置51を表示制御するための図柄信号を出力する。また、音声制御基板32は、液晶式図柄表示装置51にて行われる音声演出を制御する。
なお、図2,図3,図7,図8に示されるように、図柄表示装置ユニット50の正面の面積は、図柄表示装置取付孔28の面積よりもかなり小さくなっている。このため、図柄表示装置ユニット50は、合成樹脂製のスペーサ52を介して正面板25に取り付けられている。スペーサ52は、略矩形板状をなすスペーサ本体53と、図柄表示装置ユニット50の側面に沿ってスペーサ本体53の裏面側に突出する取付部54とからなっている。スペーサ本体53は、液晶式図柄表示装置51と図柄表示装置取付孔28との隙間と同一の形状かつ同一の大きさに設定されている。取付部54には、図柄表示装置ユニット50の側面に突設されたブラケット50aが固定されている。これにより、図柄表示装置ユニット50がスペーサ52に取り付けられる。
また、図3,図5,図6に示されるように、前記第1保持フレーム24の正面板25には、スピーカ用透孔部30が左右一対に設けられている。各スピーカ用透孔部30は、第1保持フレーム24の表裏を連通させる複数の透孔からなっている。各透孔は、それぞれ同一の内径を有しており、互いに等間隔に配置されている。そして、正面板25において一対のスピーカ用透孔部30に対応する位置の裏側には、遊技の状態に応じて各種音声(効果音など)を出力するスピーカ35がそれぞれ配設されている。図4に示されるように、スピーカ35は、音声制御基板32に電気的に接続されており、音声制御基板32からの音声信号に基づいて音声を出力する。
図5,図6に示されるように、前記第1保持フレーム24の側面板26は略長形状をなしており、側面板26には、長方形状をなす孔部29が側面板26の長手方向に沿って複数設けられている。なお、第1保持フレーム24を前記第1箱状部材20の底壁20aに取り付けた状態において、側面板26と周壁20bとの間には隙間S1(図3参照)が形成される。この隙間S1には、図柄表示装置ユニット50から延設されて孔部29を通過した配線33が配置されるようになっている。
また、前記取付板27は帯板状をなしており、取付板27には複数の雌ネジ部27aが配設されている。そして、取付板27を底壁20a上に配置し、底壁20aの外面側から貫通させたネジ27b(図6参照)を各雌ネジ部27aに螺着させることにより、第1箱状部材20に対して第1保持フレーム24が着脱可能に取り付けられる。
(3)第2箱状部材40の構成
図1〜図3に示されるように、第2箱状部材40は、略矩形板状をなす底壁40aと、周壁40bとからなっている。周壁40bの先端部分は第2開口部42を構成しており、周壁40bの先端面は、第1箱状部材20の前記第1接合面21と接合しうる第2接合面41となっている。
また、底壁40aの内面全体及び周壁40bの内面全体には、硬質の発泡ウレタン材44(弾性材)が配置されている。また、底壁40aには、第2保持フレーム43(第2保持部材)が取り付けられている。図9に示されるように、第2保持フレーム43は、板状部材の両側部分をそれぞれ90°屈曲させ、さらに屈曲部分の先端側を反対方向に90°屈曲させることで、断面略コ字状に形成される。なお、板状部材において屈曲していない部分が略矩形状をなす正面板45となり、屈曲部分の基端側が側面板46となり、屈曲部分の先端側が取付板47となる。
図2に示されるように、正面板45は、第2開口部42の近傍において第2接合面41よりも10〜20mm程度引っ込んだ状態で配置されている。図3,図9に示されるように、正面板45には矩形状をなすスイッチ取付孔48が設けられており、スイッチ取付孔48には電源スイッチ49が取り付けられている。電源スイッチ49は、オン位置に操作されることにより、前記液晶式図柄表示装置51などに電源を供給する機能を有している。また、正面板45におけるスイッチ取付孔48の近傍には、矩形状をなす差込口取付孔63が設けられ、差込口取付孔63には、電源コード差込口38がネジ止めされている。電源コード差込口38には、外部電源(家庭用電源)に接続可能な電源コード(図示略)が差し込まれている。なお、電源コードは、例えば前記隙間S1に収納されるようになっている。
また、正面板45には円形状をなすダイヤル取付孔61が設けられ、ダイヤル取付孔61には音量調整ダイヤル62(音声出力調整装置、共用装置)が取り付けられている。図4に示されるように、音量調整ダイヤル62は、配線33を介して前記音声制御基板32に電気的に接続されている。よって、音声制御基板32は、音量調整ダイヤル62の回動操作時に出力される操作信号に基づいて、前記スピーカ35から出力される音声の音量を調整する。
図3,図9に示されるように、正面板45には矩形状をなす説明装置取付孔71が設けられ、説明装置取付孔71には、液晶式図柄表示装置51の表示内容を説明するための表示内容説明装置72(共用装置)が取り付けられている。本実施形態において、表示内容説明装置72は、7セグメント式の表示装置である。つまり、表示内容説明装置72に表示される番号(例えば、「表示内容3」を示す「3」)が、液晶式図柄表示装置51の表示内容の種類(例えば、ハズレ演出、ハズレリーチ演出、大当り演出など)を示している。
また、正面板45において説明装置取付孔71の近傍には、矩形状をなすスイッチ取付孔73が所定間隔ごとに複数設けられており、各スイッチ取付孔73には、表示内容変更装置74(共用装置)を構成する切換スイッチが取り付けられている。表示内容変更装置74は、液晶式図柄表示装置51の表示内容を変更する機能を有している。
図3,図4に示されるように、正面板45の裏側には、第1電源装置75(共用装置)と、第1電源装置75に電気的に接続される第2電源装置76(共用装置)とが取り付けられている。第1電源装置75は、電源スイッチ49を介して電源コード差込口38に電気的に接続されている。第1電源装置75は、電源基板や変圧器などを備えている。第1電源装置75の変圧器は、電源基板に取り付けられており、電源コード差込口38に差し込まれた電源コードが外部電源に接続され、電源スイッチ49がオン位置に操作された際に、外部電源の電圧(100V)を24Vに変換する機能を有している。また、第2電源装置76も、電源基板や変圧器などを備えている。第2電源装置76の変圧器は、電源基板に取り付けられており、第1電源装置75によって変換された電源をさらに最適化(5Vに変換)する機能を有している。第2電源装置76は、主制御基板31に電気的に接続されており、主制御基板31を介して、各制御基板31,32,34,37及び液晶式図柄表示装置51に電源を供給するようになっている。
また、図3,図10に示されるように、正面板45の裏側には、主制御基板31(専用装置)及び統括制御基板37(専用装置)がネジ止めされている。図10に示されるように、主制御基板31は、複数のボス77を介して正面板45にネジ止めされており、統括制御基板37も、複数のボス77を介して正面板45にネジ止めされている。これにより、主制御基板31と正面板45との間に隙間が生じるとともに、統括制御基板37と正面板45との間に隙間が生じる。同様に、第1電源装置75の電源基板は、複数のボス77を介して正面板45にネジ止めされており、第2電源装置76の電源基板も、複数のボス77を介して正面板45にネジ止めされている。これにより、第1電源装置75の電源基板と正面板45との間に隙間が生じるとともに、第2電源装置76の電源基板と正面板45との間に隙間が生じる。また、図4に示されるように、主制御基板31には統括制御基板37が電気的に接続されており、統括制御基板37は、前記配線33を介して前記音声制御基板32及び前記表示制御基板34にそれぞれ電気的に接続されている。主制御基板31は、液晶式図柄表示装置51にて行われる遊技演出を制御する。統括制御基板37は、音声制御基板32及び表示制御基板34を統括的に制御する。
図9,図10に示されるように、前記第2保持フレーム43の側面板46は略長形状をなしており、側面板46には、長方形状をなす孔部81が側面板46の長手方向に沿って複数設けられている。なお、第2保持フレーム43を前記第2箱状部材40の底壁40aに取り付けた状態において、側面板46と周壁40bとの間には隙間S2(図3参照)が形成される。この隙間S2には、前記第1箱状部材20の隙間S1から延びる配線33が配置されるようになっている。この配線33は、孔部81を通過して、主制御基板31、統括制御基板37、第1電源装置75の電源基板及び第2電源装置76の電源基板に接続されるようになっている。
また、前記取付板47は帯板状をなしており、取付板47には複数の雌ネジ部47aが配設されている。そして、取付板47を底壁40a上に配置し、底壁40aの外面側から貫通させたネジ47b(図10参照)を各雌ネジ部47aに螺着させることにより、第2箱状部材40に対して第2保持フレーム43が着脱可能に取り付けられる。
次に、図柄表示装置キャリア11の使用方法を説明する。
図柄表示装置キャリア11を搬送するには、まず、第1箱状部材20及び第2箱状部材40を閉状態にする。なお、第1保持フレーム24の正面板25は、第1箱状部材20の第1接合面21からは突出しておらず、第2保持フレーム43の正面板45は、第2箱状部材40の第2接合面41からは突出していない。よって、第1箱状部材20及び第2箱状部材40を閉状態にする際の、第1保持フレーム24と第2保持フレーム43との接触が防止される。
次に、第1箱状部材20及び第2箱状部材40をロック手段13によって閉状態に固定する。その結果、営業マンは、把手15を把持して図柄表示装置キャリア11を搬送できるようになる。なお、図柄表示装置キャリア11には、液晶式図柄表示装置51は収容されるが、大きくて重い遊技盤は収容されない。よって、遊技盤が収容される場合に比べて図柄表示装置キャリア11が軽量化されるため、図柄表示装置キャリア11の搬送が容易になる。また、第1箱状部材20の略中央部には図柄表示装置ユニット50が位置しているため、第1箱状部材20の重量バランスは良好である。よって、図柄表示装置キャリア11を安定した状態で提げることができる。しかも、図柄表示装置キャリア11は剛性のあるハードケースなので、把手15を上側にした状態で安定的に置くことができる。
そして、商品説明を行うにあたり、第2箱状部材40を下側にして図柄表示装置キャリア11を机等に載置し、ロック手段13を解除して第1箱状部材20及び第2箱状部材40を開状態にする。このとき、第1箱状部材20は傾斜した状態となり、第1箱状部材20の第1接合面21は、第2箱状部材40の第2接合面41に対して120°程度の角度をなすようになる(図2参照)。また、液晶式図柄表示装置51の表示画面Hは、第1箱状部材20の第1開口部22側を向いた状態で配置されているため、第1箱状部材20及び第2箱状部材40を開状態にすると液晶式図柄表示装置51が直ちに露出する。
次に、第1箱状部材20の隙間S1に収納された電源コードを取り出して、電源コードの一端を電源コード差込口38に接続するとともに、電源コードの他端を外部電源(家庭用電源)に接続する。そして、電源スイッチ49をオン位置に操作すると、外部電源の電圧(100V)が第1電源装置75の変圧器によって24Vに変換される。さらに、第1電源装置75によって変換された電源は、第2電源装置76の変圧器によって最適化(5Vに変換)される。その結果、第2電源装置76によって変換された電源が各制御基板31,32,34,37及び液晶式図柄表示装置51に供給され、液晶式図柄表示装置51が動作可能になる。
なお、本実施形態では、図柄表示装置キャリア11の外部電源として、一般に普及している家庭用電源を用いているため、顧客店舗に出向いた際に外部電源を容易に確保できる。また、第1電源装置75及び第2電源装置76には変圧器が設けられているため、変圧器を別途用意しなくても、液晶式図柄表示装置51に電源を供給することができる。従って、図柄表示装置キャリア11を用いて商品説明を行うことが容易になる。
次に、表示内容変更装置74の切換スイッチを操作して液晶式図柄表示装置51の表示内容を選択すると、主制御基板31は、選択された表示内容に基づいて統括制御基板37に遊技演出の実行を指示するための各種信号を出力する。そして、統括制御基板37は、主制御基板31から入力された各種信号を表示制御基板34及び音声制御基板32に出力する。さらに、表示制御基板34は、統括制御基板37から入力された各種信号に基づいて表示演出の演出実行を指示する。また、音声制御基板32は、統括制御基板37から入力された各種信号に基づいて音声演出の演出実行を指示する。その結果、液晶式図柄表示装置51による図柄変動が開始されるとともに、スピーカ35から音声が出力されるため、営業マンは、遊技演出の説明を開始することができる。
商品説明の終了後に、図柄表示装置キャリア11の片付けを行う際には、電源コードを外部電源及び電源コード差込口38から取り外し、取り外した電源コードを第1箱状部材20の隙間S1に収納する。そして、第1箱状部材20及び第2箱状部材40を閉状態にし、両者をロック手段13によって閉状態に固定する。その結果、図柄表示装置キャリア11の片付けが終了する。
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の図柄表示装置キャリア11には、大きくて重い遊技盤全体が収容されるのではなく、遊技盤の中で顧客が最も関心を寄せる液晶式図柄表示装置51が収容される。よって、液晶式図柄表示装置51を支持する板材(ベニヤ)等が省略されることで、図柄表示装置キャリア11内を構成する部品点数が減少するため、図柄表示装置キャリア11の小型化・軽量化が可能となる。
さらに、第1箱状部材20及び第2箱状部材40がヒンジ12を介して開閉可能に構成されているため、開状態のときに第1箱状部材20及び第2箱状部材40を所望の角度で保持できる。
また、図柄表示装置ユニット50は、第1箱状部材20の底壁20aに直付けされるのではなく、第1保持フレーム24により底壁20aの内面に接触しないように保持されている。よって、外部から第1箱状部材20に加わった衝撃が図柄表示装置ユニット50に伝わりにくくなるため、外部からの衝撃に起因した図柄表示装置ユニット50の破損を防止できる。しかも、第1箱状部材20及び第2箱状部材40が開状態のときに、図柄表示装置ユニット50から発生した熱を、図柄表示装置ユニット50と第1箱状部材20との間から第1箱状部材20の外部に放出しやすくなるため、熱の影響による図柄表示装置ユニット50の故障等を防止できる。
(2)本実施形態では、第1保持フレーム24及び第2保持フレーム43が板状部材によって形成されるとともに、孔部29,81を備えるため、第1保持フレーム24及び第2保持フレーム43が軽量化される。よって、図柄表示装置キャリア11全体の軽量化が可能となる。
また、第1箱状部材20及び第2箱状部材40が開状態のときに、第1保持フレーム24によって保持されるパチンコ機の電気的構成部品(液晶式図柄表示装置51、表示制御基板34及び音声制御基板32など)から発生した熱を、孔部29を介して第1箱状部材20の外部に放出することができる(図5の矢印F1参照)。同様に、第2保持フレーム43によって保持されるパチンコ機の電気的構成部品(第1電源装置75、第2電源装置76、主制御基板31及び統括制御基板37など)から発生した熱を、孔部81を介して第2箱状部材40の外部に放出することができる(図9の矢印F2参照)。従って、熱の影響による電気的構成部品の故障等を防止できる。
(3)本実施形態では、第1保持フレーム24の側面板26と第1箱状部材20の周壁20bとの間には隙間S1が形成されており、第2保持フレーム43の側面板46と第2箱状部材40の周壁40bとの間には隙間S2が形成されている。このため、第1箱状部材20及び第2箱状部材40が開状態のときに、第1保持フレーム24の孔部29を介して第1保持フレーム24の外部に放出された熱を、隙間S1を介して第1箱状部材20の外部に容易に放出できる。同様に、第2保持フレーム43の孔部81を介して第2保持フレーム43の外部に放出された熱を、隙間S2を介して第2箱状部材40の外部に容易に放出できる。また、隙間S1を設けることで、孔部29を通過する配線33のスペースを確保できるとともに、隙間S2を設けることで、孔部81を通過する配線33のスペースを確保することができる。
(4)本実施形態では、主制御基板31、統括制御基板37、第1電源装置75の電源基板及び第2電源装置76の電源基板が、第2箱状部材40の底壁40aに直付けされるのではなく、ボス77を介して第2保持フレーム43の正面板45にネジ止めされている。よって、各制御基板31,37及び各電源基板と、正面板45との間に隙間が生じるため、外部から第2箱状部材40に加わった衝撃が各制御基板31,37及び各電源基板に伝わりにくくなる。従って、外部からの衝撃に起因した各制御基板31,37及び各電源装置75,76の破損を防止できる。しかも、第1箱状部材20及び第2箱状部材40が開状態のときに、各制御基板31,37及び各電源基板から発生した熱を、正面板45との間から第2保持フレーム43の外部に放出しやすくなるため、熱の影響による各制御基板31,37及び各電源装置75,76の故障等を防止できる。さらに、各制御基板31,37及び各電源装置75,76を取り付けるにあたって、第2箱状部材40を加工しなくても済む。
(5)例えば、図柄表示装置キャリア11自体にキャスター(車輪)を取り付けることにより、図柄表示装置キャリア11の搬送を容易にすることが考えられる。しかし、図柄表示装置キャリア11を例えば傾斜地などに載置すると、図柄表示装置キャリア11を安定させることができない。それに対して、本実施形態の図柄表示装置キャリア11はキャスターを備えていないため、安定的に載置することができる。また、必要に応じて市販のキャスター付きの台を用いれば、図柄表示装置キャリア11を台に載せて容易に運ぶことができる。
(6)本実施形態では、図柄表示装置ユニット50のみが存在し、スペースに余裕がある第1保持フレーム24に、スピーカ35が取り付けられている。よって、主制御基板31、統括制御基板37、第1電源装置75、第2電源装置76が存在し、スペースに余裕がない第2保持フレーム43にスピーカ35を取り付ける場合に比べて、スピーカ35の取り付けが容易になる。また、第1保持フレーム24にスピーカ35を取り付けることで、第1箱状部材20及び第2箱状部材40を開状態にした場合に、スピーカ35の前側にあるスピーカ用透孔部30が顧客の方向に向くようになる。その結果、スピーカ35の発する音声が顧客の耳に届きやすくなる。さらに、液晶式図柄表示装置51とスピーカ35との位置関係が実機に近付くため、リアリティが高くなる。
(7)本実施形態の主制御基板31は、第1保持フレーム24に保持されているのではなく、第2保持フレーム43に保持されている。これにより、主制御基板31と、主制御基板31に電気的に接続される統括制御基板37及び第2電源装置76とが、互いに近傍に位置するようになる。よって、主制御基板31と統括制御基板37との間の配線が容易になるとともに、主制御基板31と第2電源装置76と間の配線が容易になる。ひいては、配線の量が少なくて済むため、図柄表示装置キャリア11の軽量化にも繋がる。
(8)本実施形態の図柄表示装置キャリア11は、パチンコ機用の電気的構成部品(具体的には、液晶式図柄表示装置51、スピーカ35、主制御基板31、音声制御基板32、表示制御基板34、統括制御基板37、第1電源装置75、第2電源装置76)を利用して製作されている。よって、図柄表示装置キャリア11を低コストかつ容易に製作することができる。
なお、本考案の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、第1保持フレーム24の正面板25にスピーカ用透孔部30及びスピーカ35が設けられ、第2保持フレーム43の正面板45に主制御基板31及び統括制御基板37がネジ止めされていた。しかし、図11に示されるように、第2保持フレーム43の正面板45にスピーカ用透孔部30及びスピーカ35を設け、第1保持フレーム24の正面板25に主制御基板31及び統括制御基板37をネジ止めしてもよい。
このようにした場合、機種ごとの交換が必要な専用装置(液晶式図柄表示装置51、主制御基板31、統括制御基板37、音声制御基板32、表示制御基板34)のみが第1箱状部材20に収容される。また、機種ごとの交換が不要な共用装置(スピーカ35、第1電源装置75、第2電源装置76、表示内容説明装置72、表示内容変更装置74など)のみが第2箱状部材40に収容される。よって、図柄表示装置キャリア11を他機種のパチンコ機用に変更する場合、第1箱状部材20に収容されている専用装置のみを交換すれば済む。このとき、第2箱状部材40に収容されている共用装置への作業は何ら必要ないため、変更作業が容易になる。
さらに、第1箱状部材20及び第2箱状部材40を開閉可能とするヒンジ12を脱着可能としてもよい。このようにすれば、ヒンジ12を取り外した状態で、第1箱状部材20を、他機種の専用装置が取り付けられている第1箱状部材20に交換すれば済む。このとき、第1箱状部材20内の専用装置の交換作業は何ら必要ないため、変更作業がよりいっそう容易になる。また、図柄表示装置キャリア11を元の状態に戻す場合などにおいて、変更作業において取り外した第1箱状部材20を再度利用することもできる。
・上記実施形態において、第1保持フレーム24に保持される液晶式図柄表示装置51の周囲に役物を設けてもよい。さらに、上記役物は、モータなどで駆動する電動役物(可動体)であってもよい。この場合、役物は、表示制御基板34からの指示に基づいてモータなどを駆動させることにより、動くようになる。また、第1保持フレーム24に保持された図柄表示装置ユニット50内にランプ制御基板を設け、液晶式図柄表示装置51の周囲にランプなどの発光手段を設けてもよい。この場合、発光手段は、ランプ制御手段からの指示に基づいて発光するようになる。
従って、上記のようにすれば、液晶式図柄表示装置51がパチンコ機に搭載されたときの雰囲気がより上手く顧客に伝わるため、営業・販売活動において顧客により強いインパクトを与えることができる。また、近年では、可動体を用いた演出を行う割合が高いため、上記のようにすることでリアリティがよりいっそう高くなる。
・上記実施形態の音声制御基板32及び表示制御基板34は、第1保持フレーム24の正面板25に取り付けられる図柄表示装置ユニット50の構成部材であった。しかし、音声制御基板32及び表示制御基板34を、ボス77を介して第1保持フレーム24の正面板25にネジ止めしてもよい。
・上記実施形態において、第1箱状部材20(底壁20a)の外側部に、第2箱状部材40の第2接合面41に対して第1箱状部材20の第1接合面21を垂直状態に支持する脚部を設けてもよいし、傾斜状態に支持する脚部91(図12参照)を設けてもよい。このようにすれば、第1箱状部材20を脚部91によって支持することで、第1箱状部材20内の液晶式図柄表示装置51の表示画面Hも垂直または傾斜状態となるため、垂直または傾斜状態にない場合に比べて液晶式図柄表示装置51が見やすくなる。
さらに、図12に示されるように、前記脚部91は、回動軸部92を中心として回動させることにより折り畳み可能となることが好ましい。また、脚部91は、回動軸部92に連結される基端部93と、基端部93に対して出没可能な突出部94とにより、伸縮可能となることが好ましい。このようにすれば、図柄表示装置キャリア11を持ち運びする際に、脚部91があまり出っ張らず邪魔にならない。
次に、実用新案登録請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項2乃至5のいずれか1項において、前記第2保持部材は、前記共用装置が収容される共用装置取付孔を備え、前記共用装置取付孔と前記共用装置との隙間の形状及び大きさに対応したスペーサが、前記第2保持部材に取付可能であること。
(2)請求項1乃至7のいずれか1項において、前記第1保持部材の外周面と前記第1箱状部材の内壁面との間に隙間が設けられていること。
(3)請求項2乃至5のいずれか1項において、前記第2保持部材の外周面と前記第2箱状部材の内壁面との間に隙間が設けられていること。
(4)請求項1乃至7のいずれか1項において、前記第1保持部材と、前記第1保持部材が保持する基板とが、ボスを介して取り付けられること。
(5)請求項2乃至5のいずれか1項において、前記第2保持部材と、前記第2保持部材が保持する基板とが、ボスを介して取り付けられること。
(6)請求項1乃至7のいずれか1項において、前記第1箱状部材及び前記第2箱状部材の少なくとも一方の内面に、弾性材を配置したこと。
(7)請求項7において、前記脚部は伸縮可能に設けられていること。
(8)請求項2乃至5のいずれか1項において、前記専用装置及び前記共用装置の電源は家庭用電源であること。
(9)請求項2乃至5のいずれか1項において、前記共用装置は、外部電源の電圧を変換するための第1電源装置と、前記第1電源装置によって変換された電源をさらに最適化するための第2電源装置と、前記遊技機用図柄表示装置の表示内容を説明するための表示内容説明装置と、前記遊技機用図柄表示装置にて行われる音声演出を制御する音声制御基板と、前記音声制御基板からの音声信号に基づいて音声を出力するスピーカと、前記スピーカから出力される音声の音量を調整する音声出力調整装置とを含むこと。
(10)複数種類の図柄を複数列で変動または停止表示して遊技演出を行う遊技機用図柄表示装置を収容して搬送するための図柄表示装置キャリアであって、第1接合面に第1開口部を有する第1箱状部材と、前記第1接合面と接合しうる第2接合面に第2開口部を有する第2箱状部材とを備え、前記第1箱状部材及び前記第2箱状部材がヒンジを介して開閉可能に構成されるとともに、前記第1箱状部材は、遊技機の電気的構成部品であって機種ごとの交換を必要とする専用装置を、前記第1箱状部材の内面から離間した状態で保持する第1保持部材を備え、前記第2箱状部材は、遊技機の電気的構成部品であって機種ごとの交換が不要な共用装置を、同第2箱状部材の内面から離間した状態で保持する第2保持部材を備え、前記第2保持部材は、前記遊技機用図柄表示装置の表示内容を変更するための表示内容変更装置と、前記遊技機用図柄表示装置の表示内容を説明するための表示内容説明装置とを保持することを特徴とする図柄表示装置キャリア。
本考案における図柄表示装置キャリアを示す上面図。 第1箱状部材及び第2箱状部材を開状態にしたときの図柄表示装置キャリアを示す斜視図。 第1箱状部材及び第2箱状部材を開状態にしたときの図柄表示装置キャリアを示す正面図。 図柄表示装置キャリアにおける主制御基板、統括制御手段、音声制御基板及び表示制御基板などを示すブロック図。 第1保持フレームを示す斜視図。 第1箱状部材に取り付けられた第1保持フレームを示す側面図。 第1保持フレーム、図柄表示装置ユニット及びスペーサを示す正面図。 図7のA−A線断面図。 第2保持フレームを示す斜視図。 第2箱状部材に取り付けられた第2保持フレームを示す側面図。 他の実施形態において、第1箱状部材及び第2箱状部材を開状態にしたときの図柄表示装置キャリアを示す正面図。 他の実施形態において、第1箱状部材及び第2箱状部材を開状態にしたときの図柄表示装置キャリアを示す側面図。
符号の説明
11…図柄表示装置キャリア
20…第1箱状部材
21…第1接合面
22…第1開口部
24…第1保持部材としての第1保持フレーム
28…図柄表示装置取付孔
29…孔部
31…専用装置としての主制御基板
32…専用装置としての音声制御基板
34…専用装置としての表示制御基板
37…専用装置としての統括制御基板
40…第2箱状部材
41…第2接合面
42…第2開口部
43…第2保持部材としての第2保持フレーム
51…遊技機用図柄表示装置及び専用装置としての液晶式図柄表示装置
52…スペーサ
62…共用装置としての音量調整ダイヤル
72…共用装置としての表示内容説明装置
74…共用装置としての表示内容変更装置
75…共用装置としての第1電源装置
76…共用装置としての第2電源装置
81…孔部
91…脚部

Claims (7)

  1. 複数種類の図柄を複数列で変動または停止表示して遊技演出を行う遊技機用図柄表示装置を収容して搬送するための図柄表示装置キャリアであって、
    第1接合面に第1開口部を有する第1箱状部材と、前記第1接合面と接合しうる第2接合面に第2開口部を有する第2箱状部材とを備え、前記第1箱状部材及び前記第2箱状部材が開閉可能に構成されるとともに、
    前記第1箱状部材は、前記遊技機用図柄表示装置を前記第1箱状部材の内面から離間した状態で保持する第1保持部材を備えることを特徴とする図柄表示装置キャリア。
  2. 前記第1保持部材は、遊技機の電気的構成部品であって機種ごとの交換が必要な専用装置を保持し、
    前記第2箱状部材は、遊技機の電気的構成部品であって機種ごとの交換が不要な共用装置を前記第2箱状部材の内面から離間した状態で保持する第2保持部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の図柄表示装置キャリア。
  3. 前記第2保持部材は、前記遊技機用図柄表示装置の表示内容を変更するための表示内容変更装置を保持することを特徴とする請求項2に記載の図柄表示装置キャリア。
  4. 前記第2保持部材は、前記遊技機用図柄表示装置の表示内容を説明するための表示内容説明装置を保持することを特徴とする請求項2または3に記載の図柄表示装置キャリア。
  5. 前記第1保持部材及び前記第2保持部材は、板状部材を屈曲させることで形成されるとともに、孔部を備えていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の図柄表示装置キャリア。
  6. 前記第1保持部材は、前記遊技機用図柄表示装置が取り付けられる図柄表示装置取付孔を備え、
    前記図柄表示装置取付孔と前記遊技機用図柄表示装置との隙間の形状及び大きさに対応したスペーサが、前記第1保持部材に取付可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の図柄表示装置キャリア。
  7. 前記第1箱状部材の外側部に、前記第2箱状部材の第2接合面に対して前記第1箱状部材の第1接合面を垂直または傾斜状態に支持する脚部を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の図柄表示装置キャリア。
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JP2014004429A (ja) * 2013-08-12 2014-01-16 Sanyo Product Co Ltd 遊技機

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