JP3113515B2 - Mri用磁界発生装置 - Google Patents

Mri用磁界発生装置

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JP3113515B2
JP3113515B2 JP06225858A JP22585894A JP3113515B2 JP 3113515 B2 JP3113515 B2 JP 3113515B2 JP 06225858 A JP06225858 A JP 06225858A JP 22585894 A JP22585894 A JP 22585894A JP 3113515 B2 JP3113515 B2 JP 3113515B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、医療用磁気共鳴断層
撮影装置等に用いられる磁界発生装置の改良に係り、永
久磁石構成体の中央部に配置された磁界均一度調整用の
ボス部材を、該装置の設置後、現場での磁界均一度の調
整に際して、極めて容易に位置調整することが可能とな
ったMRI用磁界発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】医療用磁気共鳴断層撮影装置(以下MR
Iという)は、強力な磁界を形成する磁界発生装置の空
隙内に、被検者の一部または全部を挿入して、対象物の
断層イメージを得てその組織の性質まで描き出すことが
できる装置である。上記MRI用の磁界発生装置におい
て、空隙は被検者の一部または全部が挿入できるだけの
広さが必要であり、かつ鮮明な断層イメージを得るため
に、通常、空隙内の撮像視野内には、0.02〜2.0
Tでかつ1×10-4以下の精度を有する安定した強力な
均一磁界を形成することが要求される。
【0003】MRIに用いる磁界発生装置として、磁界
発生源としてR−Fe−B系磁石を用いた一対の永久磁
石構成体の各々の一方端に磁極片を固着して対向させ、
他方端を継鉄にて連結し、磁極片間の空隙内に、静磁界
を発生させる構成が知られている。上記磁極片の周辺部
に環状突起を設けることにより、空隙外に漏洩する磁束
を減少させて空隙内における均一な磁界域を拡大できた
(特開昭60−88407号公報)。また、磁極面を凹
状湾曲面として形成するように構成し、永久磁石からの
磁束を有効に集中させて永久磁石を低減して小型軽量化
を達成した構成が提案されている(特開昭61−218
120号)。
【0004】さらに、板状継鉄を複数の柱状継鉄で所要
の空隙を介して対向配置し、該対向面の各々に磁極片を
有する永久磁石を設けた構成において、磁極片間の中央
部で磁極片の外側に磁化方向が前記一対の永久磁石と逆
向きとなる一対の磁界調整用磁石を配置した構成が提案
されている(特開平2−184003号)。かかる構成
により、一対の永久磁石から発生する磁束を所要空隙に
集中させかつ均一度を一層向上させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のごとく、MRI
用磁界発生装置の空隙に安定した強力な均一磁界を形成
し、装置の小型軽量化を可能にするため、種々の提案が
なされているが、工場内での均一磁界の初期設定が完全
に完了したとしても、いずれも当該装置を設置する病院
や研究施設の建屋の構造、すなわち、壁や床内の鉄筋の
有無や配置量の違い、その設置位置近傍にエレベーター
が設置されていたり、階上や階下の部屋内に磁性材の設
置物がある場合など、種々の設置空間条件により微妙に
変動することが避けられず、設置現場にて磁性材からな
る磁界調整片を磁極片の所要位置に着設するなどの手作
業が不可欠であった。例えば、上下に対向配置されてい
る磁極片間の一方に均一磁界の中心位置がずれた場合等
は多数の磁界調整片を磁極片の所要位置に着設する必要
があり、これを容易に補正する手段が提案されていなか
った。
【0006】この発明は、MRI用磁界発生装置におけ
るかかる現状に鑑み、設置現場にて磁界均一度の微調整
を行うに際し、装置内外に磁界調整片を着脱するなどの
変更を加えることなく、かつ極めて容易に当該微調整を
可能にする構成からなるMRI用磁界発生装置の提供を
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者は、MRI用磁界
発生装置の設置現場において、磁界均一度の微調整を極
めて容易に達成できる構成を目的に種々検討した結果、
永久磁石構成体の中央部に空間を設けて、継鉄を貫通し
て磁石外端面側から磁極片対向間空隙側へ磁性材のボス
部材を挿入出させることにより磁界均一度の微調整が可
能であること、また、対向配置する一対の永久磁石構成
体の一方あるいは両方にこのボス部材を配置して、両方
に配置した場合は必要な側のボス部材を前記方向に挿入
出させると磁界均一度の微調整が容易にできること、さ
らに、このボス部材を水平配置する永久磁石構成体中央
の空間部に挿入出させるため、ボス部材をウォームホイ
ールのシャフトに螺合させて上下動可能配置し、ウォー
ムホイールに水平方向のシャフトで回転するウオームギ
アに噛合させ、水平方向のシャフト端のハンドルを回転
させることにより、ウオームギアとウォームホイールを
介してボス部材を上下方向に微動させることができ、装
置外から簡単に磁界均一度の微調整が可能になることを
知見し、この発明を完成した。
【0008】すなわち、この発明は、空隙を介して対向
する一対の永久磁石構成体を継鉄で磁気的に結合し、各
磁石構成体対向磁極面に磁極片を着設して該空隙に磁界
を発生させるMRI用磁界発生装置において、少なくと
も一方の永久磁石構成体の中央部に形成された空間内
に、磁性材からなるボス部材をその頭部が該空隙中心方
向へ侵入出可能に配置し、該ボス部材をハンドルによる
回転運動を該回転軸に交差する直線方向に変換する機械
運動機構にて微動させることを特徴とするMRI用磁界
発生装置である。
【0009】この発明において、対象とするMRI用磁
界発生装置の構成は、磁極面に磁極片を着設した一対の
永久磁石構成体を空隙を介して対向配置して継鉄で磁気
的に結合する構成であれば、箱状継鉄、水平配置の角筒
状の継鉄、対向する一対の継鉄板を柱状継鉄で接続した
構成、3方が開放されたコ字型継鉄などいずれのものも
採用できる。また、永久磁石構成体には、フェライト磁
石、アルニコ系磁石、希土類コバルト系磁石が使用でき
るが、特に、RとしてNdやPrを中心とする資源的に
豊富な軽希土類を用い、B、Feを主成分として30M
GOe以上の極めて高い磁気エネルギー積を示す、Fe
−B−R系永久磁石を使用することにより、著しく小型
化することができる。
【0010】磁極片には、永久磁石が円形である場合は
その円周上に環状突起を、又は筒状・箱状継鉄の開口部
空隙対向面両端部に突起(シム)を配置することによ
り、その磁束を装置内部に押し込める機能を有し開口部
の磁束漏洩を低減でき、装置の小型化、軽量化を達成で
きる。また、磁極片の中央にも中央突起部を設けること
により、さらに空隙部の磁界均一度を向上できるため、
さらに磁石重量を低減することができる。また、筒状継
鉄・箱状継鉄内に永久磁石を配置した構成である場合
は、一対の永久磁石の奥行き方向の長さよりも短い磁極
片を該永久磁石構成体の空隙対向面に設置したり、さら
にその永久磁石構成体の両端部に形成される非磁極片設
置部の磁石露出面に、磁気回路開口部に向かって開くよ
う奥行き方向に対し30°〜60°程度傾斜した磁化方
向を有する永久磁石シムを設置することにより、従来装
置と比べ磁界分布を改善でき、磁石重量も低減すること
が可能である。
【0011】この発明において、ボス部材をハンドルに
よる回転運動を該回転軸に交差する直線方向に変換する
機械運動機構は、実施例に示すウオームギアとウォーム
ホイールによる機構の他、ピニオンとラック、ピニオン
とピンラック、リサーキュレーティングボールなどの機
構を適宜採用できるが、ボス部材の直線運動は高々数m
m単位であることから、実施例の如く、回転ハンドルの
多数の回転数に対する直線運動量が極僅かとなるよう、
ギヤ比を選定することが望ましい。
【0012】
【作用】この発明は、一対の永久磁石構成体を継鉄で磁
気的に結合し、各磁石構成体対向磁極面に磁極片を着設
して該空隙に磁界を発生させる磁界発生装置において、
少なくとも一方の永久磁石構成体の中央部に形成された
空間内に、磁性材からなるボス部材を該空隙中心方向へ
侵入出可能に配置することにより、例えば、当初このボ
ス部材を基準位置に移動させて当該磁気回路の該空隙に
発生させた磁界を所定の均一度となるように調整した
後、この装置の設置現場において、壁や床内の鉄筋の有
無や配置量の違いや近隣の磁性材の有無などの設置環境
条件に影響されて該空隙内の磁界が変化した場合、後述
する実施例のごとき機械運動機構により、該ボス部材を
空隙中心方向へ微動させることで磁界均一度の補正が可
能になり、しかもハンドルを回転させるだけの容易な操
作で磁界均一度の微調整を実現できる。
【0013】磁界均一度の微調整用のボス部材は、一対
の永久磁石構成体の一方又は両方に設けることができ、
ボス部材を設けない側の永久磁石構成体に中央空間部が
ない場合でも他方側のボス部材の作用効果は上述のとお
りであり、一対の永久磁石構成体の両方に設けた場合
は、磁界均一度の微調整に必要な側あるいは両方のボス
部材を移動させるが、例えば、後述する実施例の如く、
空間的余裕がない装置下側にこの発明による機械運動機
構を設けてボス部材の移動操作を容易にし、対向する上
側には当該機械運動機構を設けずに、例えばボス部材を
ボルトで継鉄の貫通孔に侵入出可能に支持させて磁界均
一度の微調整を行っても、同様の作用効果が得られる。
【0014】
【実施例】この発明によるMRI用磁界発生装置を図面
に基づいて詳述する。ここでは、開口部を水平配置した
角筒状の継鉄の対向上下内面に永久磁石構成体を配置
し、各永久磁石構成体の対向磁極面に磁極片を着設した
構成の磁気回路を用いるが、図1には下側永久磁石構成
体に磁界均一度の調整機構を設けた例を示し、磁界均一
度調整用のボス部材などの要部を誇張して図示してい
る。図中、符号1は開口部を水平配置した角筒状の継鉄
であり、下側水平部を示し、継鉄1の上にはFe−B−
R系永久磁石ブロックを組み合せたリング状の永久磁石
構成体2を配置してあり、永久磁石構成体2の中心部に
は磁石のない空間部3が形成してあり、継鉄1には該空
間部3へ連通する孔部4が設けられている。
【0015】永久磁石構成体2の上には、純鉄、電磁軟
鉄等の透磁率の高い磁性材料からなる薄いベース材5を
介して、空隙対向面に電気抵抗が高くしかも透磁率の高
いソフトフェライトや無方向性けい素鋼板の積層体から
なる複数のブロックを敷設して磁極片6が形成され、そ
の外周部には環状突起部7、中央には台形突起部8が形
成してある。かかる構成により空隙部に発生する磁界に
極めて高い磁界均一度を設定でき、かつ磁極片6の近傍
に配置される傾斜磁界コイル(図示せず)に印加するパ
ルス電流を要因とする磁極片6内での渦電流の発生や残
磁現象を低減することができる。なお、実施例では、空
隙中心に半径250mmの領域に磁場強度の均一度が6
0ppmとなるように設定された。
【0016】継鉄1の孔部4には、磁性材からなる円柱
状のボス部材10を永久磁石構成体2および継鉄1の直
交軸方向に侵入出可能に配置するが、ボス部材10の下
端に周設したフランジ部11に設けられた孔部に、継鉄
1に立設するボルト12を遊挿して軸方向に移動可能に
かつ軸回りに回転しないよう配置してある。一方、ボス
部材10の中心軸にはシャフト13が螺合し、このシャ
フト13下端はウォームホイール14の軸心に固着さ
れ、ウォームホイール14は継鉄1下面に平行にベアリ
ング17で軸支配置したシャフト16先端に設けたウオ
ームギア15と噛合している。ウオームギア15のシャ
フト16他端は、継鉄1外端まで延出されており、図示
しない着脱自在のハンドルにて回転駆動される。
【0017】ハンドルにてシャフト16が回転すること
により、噛合するウオームギア15を介してウォームホ
イール14並びにシャフト13が回転することになり、
ここでは、ハンドルにてシャフト16が50回転する
と、ウォームホイール14が1回転するようにギア比を
設定してある。また、ウォームホイール14のシャフト
13には、1回転でこれに螺合するボス部材10が回転
方向に応じて上下いずれかに2.5mm移動できるよう
にねじピッチが設定、螺刻されている。すなわち、水平
方向のシャフト16端のハンドルを50回転させること
により、ウオームギア15とウォームホイール14を介
してボス部材10を1ピッチ分、2.5mmだけ上下方
向のいずれかに微動させることができ、これによりボス
部材10の頭部は継鉄1の孔部4から永久磁石構成体2
の空間部3へ侵入出することができ、装置外から簡単に
磁界均一度の微調整が可能になる。実施例では、下側に
のみ設けた例を示したが、同様構成で上側に設けること
ができ、上下のいずれかあるいは両方の当該機構部を作
動させて磁界均一度の微調整を行うことができる。
【0018】
【発明の効果】この発明は、永久磁石構成体の中央部に
空間を設けて、磁石外端面側から磁極片対向間空隙側へ
磁性材のボス部材を挿入出させるに際し、実施例のごと
く、ボス部材を水平配置する永久磁石構成体の中央部空
間下端にウォームホイールのシャフトに螺合させて上下
動可能配置し、ウォームホイールに水平方向のシャフト
で回転するウオームギアに噛合させ、水平方向のシャフ
ト端のハンドルを回転させて、ウオームギアとウォーム
ホイールを介してボス部材を上下方向に微動させること
ができ、装置外から簡単に磁界均一度の微調整が可能と
なる。
【0019】また、実施例の如く装置の下側に配置する
構成の場合、製造工程時は容易に手作業が可能でも、設
置後は同部に空間的余裕がなく、ボス部材を侵入出させ
ることが困難となるが、この発明の機械運動機構を有す
る構成は、例えば、50mm以下の僅かな空間部に設置
することが可能で、装置外に突出させたシャフト端にハ
ンドルを装着するだけで容易に磁界均一度の微調整が可
能となる。しかも、ボス部材は実施例の場合、400k
g以上の力で磁石に吸引されているが、かかる機械運動
機構により約5kg〜10kgのハンドル操作で微動さ
せることが可能で、ボス部材の移動量もねじピッチ等で
自由に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるMRI用磁界発生装置の下側永
久磁石構成体に磁界均一度の調整機構を設けた例を示す
要部縦断説明図である。
【符号の説明】
1 継鉄 2 永久磁石構成体 3 空間部 4 孔部 5 ベース材 6 磁極片 7 環状突起部 8 台形突起部 10 ボス部材 11 フランジ部 12 ボルト 13,16 シャフト 14 ウォームホイール 15 ウオームギア 17 ベアリング

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空隙を介して対向する一対の永久磁石構
    成体を継鉄で磁気的に結合し、各磁石構成体対向磁極面
    に磁極片を着設して該空隙に磁界を発生させるMRI用
    磁界発生装置において、少なくとも一方の永久磁石構成
    体の中央部に形成された空間内に、磁性材からなるボス
    部材をその頭部が該空隙中心方向へ侵入出可能に配置
    し、該ボス部材をハンドルによる回転運動を該回転軸に
    交差する直線方向に変換する機械運動機構にて微動させ
    ることを特徴とするMRI用磁界発生装置。
JP06225858A 1994-08-26 1994-08-26 Mri用磁界発生装置 Expired - Lifetime JP3113515B2 (ja)

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IT1305960B1 (it) * 1998-05-11 2001-05-21 Esaote Spa Struttura di magnete in particolare per macchine per il rilevamentod'immagine in risonanza magnetica nucleare.
JP4871529B2 (ja) * 2005-05-25 2012-02-08 株式会社日立メディコ 磁気共鳴イメージング装置
JP2012213459A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc コイル装置および磁気共鳴イメージング装置
JP6486470B2 (ja) * 2015-06-24 2019-03-20 株式会社日立製作所 磁気共鳴イメージング装置

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