JP3112381U - マスク - Google Patents
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Abstract
【課題】顔面フィット性を高め、呼吸のし易さ、漏れの少なさと共に耳部の着用負荷の低減を図り、もって着用時の快適性を良好ならしめた使い捨てマスクを提供する。
【解決手段】複合捲縮繊維よりなる伸縮性不織布を基布として、口及び鼻を覆うマスク本体1と、その上部に連続する折り返し部2を含むマスクを一体裁断により形成し、該マスク本体1の両側の耳部から頬部の間に耳掛け用切り込み3を形成すると共に、マスク本体1内面側に鼻部を挟むV形状のプラスチックノーズバーからなるパッド4を保持せしめた構成にある。
【選択図】 図1
【解決手段】複合捲縮繊維よりなる伸縮性不織布を基布として、口及び鼻を覆うマスク本体1と、その上部に連続する折り返し部2を含むマスクを一体裁断により形成し、該マスク本体1の両側の耳部から頬部の間に耳掛け用切り込み3を形成すると共に、マスク本体1内面側に鼻部を挟むV形状のプラスチックノーズバーからなるパッド4を保持せしめた構成にある。
【選択図】 図1
Description
本考案は一体裁断された自着性伸縮性不織布よりなる使い捨てマスク、詳しくは着用者の顔面の口と鼻部を覆い、耳部で固定する着用状態においてフィット感,呼吸のし易さ,耳部の着用負荷の低減等を改善し、着用時の快適性に優れた使い捨てマスクに関するものである。
塵埃や花粉,細菌等の微粒子を吸い込むのを防止するためのマスクは従来、一般に広く使用されており、通常、口と鼻部を覆うマスク本体部に耳に掛け止めるための紐状体を備えて形成されている。しかし、紐状体は長方形状の本体の短辺側に設けられているため、顔面に着用した場合には長方形状のマスク本体の短辺を収縮させる。そのため顔面との密着性が悪く、周辺に隙間を生じて微粒子の捕捉が不充分となる傾向があった。
一方、上記の如きマスクに対し使い捨てマスクとして低伸縮性不織布よりなる覆い部の左右端に高伸縮性不織布よりなる耳掛け部を接合したマスク(例えば特許文献1参照)や、伸縮性不織布を用い、耳掛け部は当初の伸縮性不織布の伸縮性を保持させたままとし、覆い部は伸縮性を抑制したマスク(例えば特許文献2参照)などが提案されてきた。しかし、これらのマスクはその作成にあたり左右いずれか一方の耳掛け部と、覆い部の半分とからなるマスク片を重合するための工程が必要であり、また、覆い部の端縁を接合することによりマスクの縦中央に接合部が形成され、美観において劣る難点があった。
そこで、近時、使い捨てマスクをより簡便に、かつ合理的に作成するため、潜在捲縮性複合繊維よりなる不織布に熱を与えて該繊維に捲縮を発現させ、この長尺状の不織布を幅方向に折り返して重合し、折り返し端縁の上辺及び下辺を熱溶断することによってマスクを作ることが提案されている。(例えば特許文献3参照)
特開平7−275384号公報
特開平9−149945号公報
特開2004−313635号公報
しかし、以上のような各使い捨てマスクは何れも着用時にマスク本体の周辺に隙間が生じ、充分なフィット感や塵埃,花粉等の吸い込み防止が得られず、より効果的な使い捨てマスクの開発が求められていた。
本考案は上述の如き実状に鑑み、特に自着性伸縮性不織布の使用と形状記憶Vカットノーズバーの使用を組み合わせることを見出すことにより顔面フィット性を高め、呼吸のし易さ、漏れの少なさと共に耳部の着用負荷の低減を図り、もって着用時の快適性を良好ならしめた使い捨てマスクを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するための本考案マスクは、基本的に複合捲縮繊維よりなる伸縮性不織布を基布として口及び鼻を覆うマスクを一体裁断により形成すると共に、該マスクの両側の耳部から頬部の間に耳掛け用切込みを切設し、かつマスク内面側に鼻部を挟むV形状のプラスチックノーズバーからなるパッドを前方へ彎曲状態で保持せしめた構成よりなる。
請求項2は上記構成のより具体的態様であり、複合捲縮繊維よりなる伸縮性不織布を基布として、口及び鼻を覆うマスク本体と、その上部に連続する折り返し部を含むマスクを一体裁断により形成し、前記マスク本体の両側の耳部から頬部の間に耳掛け用切り込みを形成すると共に、マスク本体内面側に鼻部を挟むV形状のプラスチックノーズバーからなるパッドを前方へ彎曲させ、その上端を前記折り返し部を折り返し、下端をマスク本体下端部で保持せしめた構成よりなる。請求項3は上記各構成において、伸縮性不織布を構成する複合捲縮繊維が捲縮度を異にする少なくとも2種の複合繊維よりなることを特徴とする。
請求項4は上記基布を構成する前記伸縮性不織布の縦または横方向、特に顔から耳方向の50%伸張後の回復率が50%以上であり、初期伸張弾性率が0.1N/5cm/100%〜30N/5cm/100%であること、また請求項5は前記伸縮性不織布の縦方向及び横方向、特に顔から耳方向の50%伸張応力が6N/5cm以下であることを特徴とする。
請求項6は、前記伸縮性不織布を構成する繊維が高融点ポリエステル樹脂と低融点ポリエステル樹脂からなり、低融点ポリエステル樹脂の融点が高融点ポリエステル樹脂の融点よりも15℃以上低い融点を有する樹脂からなる複合捲縮繊維であることを特徴とする。請求項7に係る発明は前記プラスチックノーズバーからなるパッドが前記伸縮性不織布と変形保持性ポリオレフィン樹脂の薄板よりなることを特徴とする。
本考案マスクは複合捲縮繊維よりなる伸縮性不織布によって構成されているため捲縮繊維同士が絡着し合って自着性を有し、切り込み部は互いにくっついて顔とマスク周りの隙間をなくする。そして、伸縮性不織布の各特性により顔へのフィット性ならびに耳への負荷を低減することができると共に、使用時の形態を保持する。更にマスクと同じ伸縮性不織布を用い形態保持性プラスチックの薄板からなるパッドを鼻部内面側に前方へ彎曲させた状態で保持させたことにより口部に空間が作られ、呼吸のし易さを確保する。
以下、添付図面に基づいて本考案の具体的態様を説明する。
図1は本考案に係るマスクの正面図、図2はノーズバーからなるパッド装着前のマスクの正面図、図3はノーズバーからなるパッドで、(イ)は側面図,(ロ)は閉じた状態,(ハ)は開いた状態,(ニ)は彎曲状態を示す。
図1において、1は口及び鼻を覆うマスク本体、2はマスク本体1の上部に連続形成された折り返し部であり、これらマスク本体1及び折り返し部2は複合捲縮繊維よりなる伸縮性不織布を基布として一体裁断することによってマスク布として形成されており、マスク本体の左右両側には両側耳部から頬部の間に耳掛け用の切り込み3が切設されている。
ここで、一体裁断されたマスク本体と折り返し部の形状は図示の菱形類似形状に限らず、長楕円形状,長方形状に類似する形状でも可能であり、また上部の折り返し部2は一連の布片に限らず、中央より左右に分割され、夫々折り返しが可能となっている分割折り返し片でも差し支えない。そして、本考案マスクの上記マスク本体1には内面側、即ち、口及び鼻に接する側において口部に空間を作り、呼吸をし易くするため鼻部を挟むV形状のプラスチックノーズバーからなるパッド4が前方に彎曲した状態で配設保持されている。
以下、上記各部について更に詳細に説明する。
先ずマスク本体1及び折り返し部2を構成する一連の基布には複合捲縮繊維よりなる伸縮性不織布が用いられる。伸縮性不織布を構成する複合捲縮繊維は1種類のみでもよいが、捲縮度を異にする少なくとも2種の複合捲縮繊維を混繊比率90:10〜10:90で混合使用することがより好ましい。混繊比率が10%未満であると捲縮繊維の混繊の効果が薄くなる。殊に捲縮度を異にする複合捲縮繊維を混繊すれば互いに異なる捲縮繊維が入り込むことにより夫々の収縮差と捲縮差により繊維の密着性がより高まり、不織布の自着性と伸縮性がよくなり、繰り返し伸縮や摩擦による不織布の解れや印刷保持性を良化する。
複合捲縮繊維に用いられる熱可塑性樹脂としてはポリエステル,ナイロン,ポリプロピレン,ポリエチレンの何れか1種又は2種以上であり、例えばポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂,ポリプロピレン樹脂,ポリエチレン樹脂の何れかの熱可塑性樹脂の高融点成分と低融点成分からなる偏芯芯鞘型,サイドバイサイド型構造の複合繊維が用いられ、具体例としては高融点ポリエステル繊維(融点250℃〜270℃程度)と低融点ポリエステル繊維(融点100℃〜250℃程度)の複合繊維やポリエステル/ナイロン複合繊維,ポリエステル/ポリエチレン複合繊維,ポリプロピレン/ポリエチレン複合繊維などが挙げられる。特に高融点ポリエステルと低融点ポリエステルとの複合繊維は最も実用的である。
なお、上記高融点成分と低融点成分からなる複合繊維では、低融点ポリエステル樹脂の融点が高融点ポリエステル樹脂よりも15℃以上低い融点を有する樹脂であることが爾後において熱処理し、捲縮を発現させる上で好適である。なお、混繊する前記捲縮度の異なる2種の捲縮繊維にあっては、低融点成分の融点差が少なくとも3℃以上あることが肝要で、それ以下では捲縮繊維の特性差が出にくくなる。
上記捲縮繊維を構成する繊維は中実繊維又は中空繊維の何れでもよく、また混合でもよい。中実又は中空の繊度は1.0〜10デシテックス(dtex)の範囲が好適であり、混繊比率は中実/中空繊維は0〜100質量%でもよい。繊度が1.0デシテックス未満であると繊維層が緻密になりすぎ、一方、10デシテックスを越えると粗くなり好適でない。中空繊維と中実繊維の繊度が同じであれば中空繊維の方が空気を抱え込んでいる分だけ嵩
高性がある。かくして以上のような複合捲縮繊維により作成された不織布は伸縮性を有し、自着性を有している。
高性がある。かくして以上のような複合捲縮繊維により作成された不織布は伸縮性を有し、自着性を有している。
この伸縮性不織布のマスクとしての目付は50〜200g/m2が好ましく、50g/m2未満であれば機材の効果がなく、薄く透けた感じとなるため製品として劣り、好ましくない。また、200g/m2を越えると、厚すぎて伸縮性の特性が失われるので好ましくない。また、厚さは0.3〜5.0mmが好適であり、0.3mm未満では僅かの変形で薄くなるので適切でなく、5.0mmを越えると捲縮を生じたソフトなものを得ることができない。一方、伸縮性不織布の密度は0.05〜0.20g/ccが好適であり、0.5g/cc未満では製品が柔らかすぎて好ましくなく、逆に0.20g/ccを越えると製品が硬くなり好ましくない。
更に上記マスクを構成する伸縮性不織布の特性は、その初期伸張弾性率が0.1N/5cm/100%〜30N/5cm/100%の範囲が好ましく、0.1N/5cm/100%未満であるとフィット性はよいが繊維同士の密着性が低下するので好ましくない。初期伸張弾性率が30N/5cm/100%を越えると、不織布の触感が硬くなり、また不織布の追従性が低下し、突っ張り感を生じるので好ましくない。また、伸縮性不織布の50%伸張応力については、6N/5cm以下が好ましい。伸縮性不織布の50%伸張応力が6N/5cmを越えると小さな外力で伸ばすことができ、伸張容易性に欠けてくるのでマスクを着用したときの耳への負担が大きくなり好ましくない。従って伸縮性不織布の50%伸張応力については6N/5cm以下がよい。
一方、伸縮性不織布の50%伸張回復率は50%以上が好ましい。伸縮性不織布の50%回復率が50%未満であると伸張した後の回復が乏しくなり、不織布のたるみが顕著になるので好ましくない。従って伸縮性不織布の50%の伸張回復率は50%以上、好ましくは60%以上である。
本考案マスクは上記の如き伸縮性不織布を基布として前記マスク本体1とこれに連続する折り返し部2が一体裁断によって作成され、両側の耳部から頬の間に耳掛けのための切り込み(スリット線)3が施されてノーズバーからなるパット4が一組として使用される。
ノーズバーからなるパッド4は幅4mm,厚さ0.5mm程度の形態保持性ポリオレフィン樹脂板が用いられ、図1及び図3に示すように該樹脂板5を前記した伸縮性不織布6でカバーして作成時、閉じ、使用時開くVカット松葉形状としてマスク本体1にV形状に開いてマスク本体1の内面側鼻部に図3(ニ)の如く前方へ彎曲させて口部に空間を作るように配設されている。そして、マスク折り返し部2を折り返し線P−P´より折り返してパッド4の上端を包み込み、一方、下端は随時、マスク本体1下端を折り返して保持させて、両側の切り込み3に手を入れ左右に広げながら両耳に装着する。
上記ノーズバーからなるパッド4は図示例では左右片(4a),(4b)を連結部(4c)で連結した松葉形状となっているが、口部に空間を形成できるならば別段、これに拘束されず他の形状とすることも差し支えない。
なお、この形態保持性、もしくは形状記憶性ポリオレフィン樹脂からなるノーズバーによるパッド4はこれに保水機能を持たせ保水面に水道水など水をスプレーするだけで上気道を過湿化してインフルエンザウイルスの増殖を抑制することもでき、またキトサン抗菌液をこのパッドに垂らすといつまでも爽やかさが持続する。
かくして頬面に軽く抑えるだけで頬の隙間を縮小し、一人一人の顔によくフィットする簡易な使い捨てマスクを提供することができ、花粉のような比較的大きな粒子の吸入を防止すると共にウィルスに対しても低い圧損で息がし易く適度に阻止することができる。
1:マスク本体
2:折り返し部
3,3´:切り込み
4:ノーズバーからなるパッド
5:プラスチック板
6:伸縮性不織布
2:折り返し部
3,3´:切り込み
4:ノーズバーからなるパッド
5:プラスチック板
6:伸縮性不織布
Claims (7)
- 複合捲縮繊維よりなる伸縮性不織布を基布として口及び鼻を覆うマスクを一体裁断により形成すると共に、該マスクの両側の耳部から頬部の間に耳掛け用切り込みを切設し、かつマスク内面側に鼻部を挟むV形状のプラスチックノーズバーからなるパッドを前方へ彎曲させた状態で保持せしめてなることを特徴とするマスク。
- 複合捲縮繊維よりなる伸縮性不織布を基布として、口及び鼻を覆うマスク本体と、その上部に連続する折り返し部を含むマスクを一体裁断により作成し、該マスク本体の両側の耳部から頬部の間に耳掛け用切り込みを形成すると共に、マスク本体内面側に鼻部を挟むV形状のプラスチックノーズバーからなるパッドを位置させ、前方へ彎曲させた状態でその上端を前記折り返し部を折り返し、下端をマスク本体下端部で保持せしめてなることを特徴とするマスク。
- 伸縮性不織布を構成する複合捲縮繊維が捲縮度を異にする少なくとも2種の複合繊維よりなる請求項1または2記載のマスク。
- 前記伸縮性不織布の顔から耳方向の50%伸張後の回復率が50%以上であり、初期伸張弾性率が0.1N/5cm/100%〜30N/5cm/100%の範囲にある請求項1〜3の何れか1項に記載のマスク。
- 前記伸縮性不織布の顔から耳方向の50%伸張応力が6N/5cm以下である請求項1〜4の何れか1項に記載のマスク。
- 前記伸縮性不織布を構成する繊維が高融点ポリエステル樹脂と低融点ポリエステル樹脂からなり、前記低融点ポリエステル樹脂の融点が前記高融点ポリエステル樹脂の融点よりも15℃以上低い融点を有する樹脂からなる複合捲縮性繊維である請求項1〜5の何れか1項に記載のマスク。
- 前記プラスチックノーズバーからなるパッドが変形保持性ポリオレフィン樹脂の薄板よりなるプラスチックノーズバーと前記伸縮性不織布からなる請求項1〜6の何れか1項に記載のマスク。
Priority Applications (1)
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2005
- 2005-05-10 JP JP2005003050U patent/JP3112381U/ja not_active Expired - Fee Related
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