JP3218892U - ナノ薄膜マスク - Google Patents

Abstract

【課題】蒸れ、密着性が悪いこと及び着用部位に圧迫感が生じる問題を解決する超軽薄のナノ薄膜マスクを提供する。【解決手段】ナノ薄膜マスクであって、外表層１２、第１保護層１４、第２保護層１５、薄膜層１６及び内表層１３を積層して成る本体１０と、本体１０の両側縁と互いに連結される少なくとも１本の掛け紐と、を含む。薄膜層１６は、第１保護層１４と第２保護層１５との間に位置し、第１保護層１４と第２保護層１５が外表層１２と内表層１３との間に位置する。薄膜層１６は、ポリテトラフルオロエチレン薄膜層であり、内表層１３は複合繊維層であり、外表層１２はポリプロピレン層である。【選択図】図１

Description

本考案は、医療用薄膜マスクに関し、特に、ポリテトラフルオロエチレンを主要濾過材質として利用した超軽薄マスクに関する。

医療用マスクは、主に人体の呼吸系が外界の病原菌の侵害を受けないように保護するためのものであり、生物粒子の遮断を目的として、米国国立労働安全衛生研究所（Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｉｎｓｔｉｔｕｔｅ ｆｏｒ Ｏｃｃｕｐａｔｉｏｎａｌ Ｓａｆｅｔｙ ａｎｄ Ｈｅａｌｔｈ、ＮＩＯＳＨ）において、Ｎ、Ｒ、Ｐ三大分類のＮ種に属し、非油性微粒子の濾過材に適用される。

一般的に、Ｎ９５と呼ばれるマスクは、９５％以上の非油性微粒子を濾過でき、医療用マスクに通常見られるグレードである。

市販されているＮ９５マスクの材質は、多層のポリプロピレン（Ｐｏｌｙｐｒｏｐｙｌｅｎｅ、ＰＰ）、ポリエチレンテレフタレート（Ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ Ｔｅｒｅｐｈｔｈａｌａｔｅ、ＰＥＴ）或いはそれらの組み合わせで構成され、９５％以上の非油性微粒子の濾過効果を奏するため、Ｎ９５マスクのＰＰ、ＰＥＴ或いはそれらの組み合わせの積層数は５〜８層であり、マスクの厚さは２ミリメートル（ｍｍ）より厚くされていた。

さらに、ＰＰ或いはＰＥＴを非表層の主要濾過構造として利用するマスクは、均しくその静電気による吸着効果に依存するため、濾過層の厚さが厚ければ厚いほど、濾過効果も益々良好となる。よって、市販されているＮ９５マスクは、一般的なマスクに比べ、常に蒸れ、重厚で、顔とのフィット性が低下する等の問題があった。

Ｎ９５マスクの重厚な構造を支え、また着用時にマスクを上下左右に動かし、顔によくなじませるため、一般的なマスクに比べ、Ｎ９５マスクに用いられる掛け紐の材質は、通常比較的硬くすることで、十分な引張強度を提供できる。しかしながら、類似の設計は、着用者がＮ９５マスクを着用した時、常に頭又は耳がマスクの掛け紐に引っ張られることにより、長時間着用すると着用部位に痛み或いは圧迫等の不快感の状況があった可能性もある。

また、市販されているＮ９５マスクの重厚な構造は、マスクと鼻翼の密着が困難で、追加の金属又はその他の硬質のノーズピースをマスクの上縁に設けることで、Ｎ９５マスクを鼻翼に押し付けてフィットさせるために用いられる。しかしながら、この種の加圧フィットの方式は、常に着用者に着用時の不快感を与え、かつ硬質のノーズピースも鼻翼の形に合わせて調整し難く、常に密着性が悪いという問題があった。

市販されているＮ９５マスクの様々な欠陥に鑑み、本考案は、新世代の薄膜層を主要濾過構造として利用し、従来のマスクの厚さ及び重量を半分以上減らすことで、蒸れ、密着性が悪いこと及び着用部位に圧迫感等が生じる問題を解決する超軽薄の薄膜マスクを提供することを目的とする。

本考案の薄膜マスクは、外表層、第１保護層、第２保護層、薄膜層及び内表層を積層して成り、薄膜層は第１保護層と第２保護層との間に位置し、第１保護層と第２保護層が外表層と内表層との間に位置する本体と、本体の両側縁と互いに連結される少なくとも１本の掛け紐と、を含む。

前記マスク本体の構造は、外表層、第１保護層と第２保護層、薄膜層及び内表層を積層して成るのみで、その厚さは１ミリメートルを超えず、市販されているＮ９５マスクより遥かに薄い。また、本考案は、従来の静電気による吸着方式を用いることなく、薄膜層の多孔質特性を利用して微粒子及び汚染物質を濾過することで、高い濾過効果を維持すると同時に、軽薄で柔軟な効果を奏することができる。

よって、本考案の薄膜マスクは、ノーズピース又は掛け紐等の部品で提供した構造改良に結合でき、硬質のノーズピース或いは耳掛け部を使用する必要もなく、着用者に更に快適かつ圧迫の無い着用方式を提供できる。

本考案の本体を示す模式図である。 本考案の別の本体を示す模式図である。 本考案の実施例１の正面図である。 本考案の実施例１の背面図である。 本考案の実施例２の概念図である。 本考案の実施例３の概念図である。 本考案の実施例４の概念図である。

本考案の技術的特徴及び実用効果を理解し、また明細書の内容に基づいて実施できるようにするため、更に図面に示す好ましい実施例を用いて後記通り詳細に説明する。

図１を参照すると、本考案の本体を示す模式図である。本考案のナノ薄膜マスクの本体１０は、外表層１２、第１保護層１４と第２保護層１５、薄膜層１６及び内表層１３を積層して成る。薄膜層１６は、第１保護層１４と第２保護層１５との間に位置し、第１保護層１４と第２保護層１５は外表層１２と内表層１３との間に位置する。

本体１０において、薄膜層１６の材質は、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）としてもよく、外表層１２の材質は防湿・通気効果を有する多層のポリプロピレン（ＰＰ）としてもよく、第１保護層１４と第２保護層１５の材質は薄膜層１６を支える超軽薄ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）としてもよく、内表層１３の材質は皮膚に親和する複合繊維としてもよい。皮膚に親和する複合繊維は、超柔軟な複合繊維不織布、羊毛の複合繊維或いは大豆タンパク複合繊維等としてもよい。

薄膜層１６は、濾過率が９９％以上に達し、０．３マイクロメートル（μｍ）を濾過できるポリテトラフルオロエチレン薄膜層を主構造として選定する。よって、外表層１２として選定したＰＰ、第１保護層１４と第２保護層１５として選定したＰＥＴ又は内表層１３の皮膚に親和する複合繊維層は、いずれも超軽薄の構造を互いに積層して本体１０を形成する。

図２を参照すると、本考案の別の本体を示す模式図であり、天候が寒い時、着用者としてマスクに防寒機能を含んで欲しいという可能性がある。これにより、外表層１２と第１保護層１４との間に保温層１８を設けることができ、保温層１８は、ＰＰ或いはＰＥＴ等のポリエステル材質としてもよい。

図３を参照すると、本考案の実施例１の正面図であり、薄膜マスクは、本体１０を含み、本体１０が側縁２０、上縁３０及び下縁４０に更に区分され、また側縁２０を着用者が着用した時に頬と接触する側辺部分とし、上縁３０が着用者の鼻根部或いは鼻翼と接触する上側部分とし、下縁４０で着用者の顎と接触する下側部分を定義する。

本体１０の左右両側の側縁２０には、各々掛け紐６０と互いに連結する複数の通し穴２２を備えることができる。本実施例において、掛け紐６０は、着用者の頭部或いは首に掛けるために用いられ、また上縁３０の位置にノーズピース５０が設けられてもよい。ノーズピース５０は、金属製とすることができ、また比較的柔軟な弾性を有するプラスチック材質としてもよい。

次に、図４を参照すると、本考案の実施例１の背面図である。本実施例において、着用者の着用面は、掛け紐６０を左右両側の側縁２０にある複数の通し穴２２に通し、かつ上縁３０の位置にノーズパッド５２が設けられ、ノーズピース５０の圧迫に比較的敏感な着用者は、ノーズパッド５２を備えた薄膜マスクを選択して着用することで、鼻根部或いは鼻翼部が締め付けられるという不快感を軽減できる。

図５を参照すると、本考案の実施例２の概念式図であり、本体１０の主構造は、ホットスタンプを通じて形成するため、熱プレスにより形成された側縁２０がプレス痕構造を有する。側縁の部分拡大図Ａを参照すると、本体１０の側縁２０の位置に第１プレス痕２４、第２プレス痕２６或いはそれらの組み合わせを有することで、本体１０の多層構造をしっかりと固定させることができる。

本実施例において、掛け紐６０は、弾性バンドで、本体１０の両側縁２０と複数の通し穴２２を通じて互いに連結され、かつ、掛け紐６０上にアジャスター６４も備え、アジャスター６４が掛け紐６０と互いに連接し、着用者はアジャスター６４を通じて締めたり緩めたりする方式で掛け紐６０の張り具合を調節できる。

同時に、アジャスター６４を組み合わせる掛け紐６０は、複数の凸模様６６を有してもよい。該掛け紐６０の部分拡大図Ｂを参照すると、複数の凸模様６６は、掛け紐６０とアジャスター６４との間の摩擦力を増やすことができ、アジャスター６４を掛け紐６０の上に自然に固定させることができ、外力で引っ張らない限り、アジャスター６４が容易に脱落することがない。

図６を参照すると、本考案の実施例３の概念図であり、本実施例において、本体１０は、ノーズピース５０と複数のノーズワイヤー５４を更に備え、組み立て方式で外表層１２の上縁３０の位置に設けられる。

本実施例において、複数の掛け紐６０は、耳掛け紐６８の方式であり、各々本体１０の側縁２０と互いに連結し、かつ側縁２０上に通し穴２２を備えなくもよく、皮膚に親和する複合繊維で構成され、耳掛け紐６８は、着用者が耳に掛けた時、完全に圧迫感がないようにすることができる。

図７を参照すると、本考案の実施例４の概念図であり、本考案の薄膜マスクは非常に軽薄で柔軟なため、本実施方式において、本体１０は上縁３０の位置に複数のノーズワイヤー５４が設けられているだけで、ノーズピースもなく、着用時、複数のノーズワイヤー５４で微突起の空間構造を形成し、子供等の鼻根部が比較的低い着用者でも着用に適し、比較的圧迫感もない。

本実施例１、２、３或いは４の本体１０は、いずれも保温層１８を備え、又は保温層１８を備えない方式で構成されることができ、かつ各実施形態内の技術的特徴は、いずれも実用新案登録の範囲にあるという前提において、互いに組み合わせて使用できる。

上記をまとめると、本考案の薄膜マスクは、超軽薄の利点を有し、比較的柔軟な弾性に富んだノーズピース、又は掛け紐等の部品を組み合わせて使用でき、成人或いは子供を問わず気軽に着用でき、Ｎ９５等の医療用マスクと同等の遮断効果を奏し、かつより快適で、通気性がよく、かつ蒸れない。

１０本体
１２外表層
１３内表層
１４第１保護層
１５第２保護層
１６薄膜層
１８保温層
２０側縁
２２通し穴
２４第１プレス痕
２６第２プレス痕
３０上縁
４０下縁
５０ノーズピース
５２ノーズパッド
５４ノーズワイヤー
６０掛け紐
６４アジャスター
６６凸模様
６８耳掛け紐
Ａ側縁の部分拡大図
Ｂ掛け紐の部分拡大図

Claims (10)

1. 外表層、第１保護層、第２保護層、薄膜層及び内表層を積層して成り、前記薄膜層は前記第１保護層と前記第２保護層との間に位置し、前記第１保護層と前記第２保護層が前記外表層と前記内表層との間に位置する本体と、
   前記本体の両側縁と互いに連結される少なくとも１本の掛け紐と、
   を含むことを特徴とする、ナノ薄膜マスク。
2. 前記薄膜層は、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）薄膜層であることを特徴とする、請求項１に記載のナノ薄膜マスク。
3. 前記内表層は、複合繊維層であることを特徴とする、請求項２に記載のナノ薄膜マスク。
4. 前記外表層は、ポリプロピレン（ＰＰ）層であることを特徴とする、請求項３に記載のナノ薄膜マスク。
5. 前記外表層と前記第１保護層との間には、保温層を更に有することを特徴とする、請求項４に記載のナノ薄膜マスク。
6. 前記本体は、前記外表層の上縁に位置するノーズピース、複数本のノーズワイヤー或いはそれらの組み合わせを更に備えることを特徴とする、請求項４に記載のナノ薄膜マスク。
7. 前記本体は、第１プレス痕、第２プレス痕或いはそれらの組み合わせを有することを特徴とする、請求項４に記載のナノ薄膜マスク。
8. 前記少なくとも１本の掛け紐は、耳掛け紐であることを特徴とする、請求項４に記載のナノ薄膜マスク。
9. 前記少なくとも１本の掛け紐は、弾性バンドであり、かつ前記本体の両側縁と複数の通し穴を通じて互いに連結されることを特徴とする、請求項４に記載のナノ薄膜マスク。
10. 前記少なくとも１本の掛け紐と互いに連接されるアジャスターを更に備えることを特徴とする、請求項９に記載のナノ薄膜マスク。