JP3112353B2 - 多層熱収縮性フィルム - Google Patents

多層熱収縮性フィルム

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JP3112353B2
JP3112353B2 JP04253411A JP25341192A JP3112353B2 JP 3112353 B2 JP3112353 B2 JP 3112353B2 JP 04253411 A JP04253411 A JP 04253411A JP 25341192 A JP25341192 A JP 25341192A JP 3112353 B2 JP3112353 B2 JP 3112353B2
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ethylene
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアミド系樹脂層を
備えた高熱収縮性及び自然収縮性が少ない多層熱収縮性
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、加工肉等の食品を包装するた
めの包装材としては、柔軟性、高熱収縮性及びガスバリ
ヤーを有するポリ塩化ビニリデン系樹脂からなるフィル
ムが使用されている。しかし近年、衛生性及び環境汚染
防止等のため、非ポリ塩化ビニリデン系樹脂からなる包
装材の要求が高まり、種々の非ポリ塩化ビニリデン系多
層熱収縮性フィルムが知られているが、その中でもポリ
アミド系樹脂層を備えた多層熱収縮性フィルムが知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ポリアミド系樹脂層を備えてた多層熱収縮性フィルム
は、ポリ塩化ビニリデン系樹脂からなる包装材料に比
し、高熱収縮性、柔軟性、自然収縮性の防止等が劣るも
のであった。本発明者らは、かかる状況に鑑み、鋭意研
究を重ねた結果、高熱収縮性を有し、かつダレ、蛇行
(自然収縮に起因する)の少ない柔軟性がすぐれた多層
熱収縮性フィルムを提供することに到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリアミド系
樹脂層、変性ポリオレフィン系樹脂層、ポリオレフィン
系樹脂層もしくはポリアミド系樹脂層、変性ポリオレフ
ィン系樹脂層、ポリオレフィン系樹脂とエチレン及び/
又はプロピレン並びに炭素数4以上のα−オレフィンの
共重合体との混合樹脂層が、この順序で積層され、かつ
90℃(熱水)×30秒における熱収縮率が縦、横とも
に30%以上であり、40℃×90%RHにおける自然
収縮率が縦、横ともに5%以下、好ましくは3%以下で
ある多層熱収縮性フィルム、更にはナイロン6−66共
重合体60〜90重量%と非晶質ナイロン5〜40重量
%とを含有するポリアミド系樹脂層、変性エチレン−酢
酸ビニル共重合体樹脂層、エチレン−酢酸ビニル共重合
体60〜100重量%と低結晶性のエチレン及び/又は
プロピレン並びに炭素数4以上のα−オレフィンとの共
重合体0〜40重量%とを含有する樹脂層とがこの順序
で積層され、かつ90℃(熱水)×30秒における熱収
縮率が縦、横ともに30%以上であり、40℃×90%
RHにおける自然収縮率が縦、横ともに5%以下、好ま
しくは3%以下である多層熱収縮性フィルムを提供しよ
うとするものである。
【0005】本発明に係るポリアミド系樹脂層を形成す
るポリアミド系樹脂としては、例えばナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン610、ナイロン12等の外にナイ
ロン6−66共重合体、ナイロン6−610共重合体、
ナイロン6−12共重合体等の共重合体、非晶質ナイロ
ン、ポリメタキシリレンアジパミド等の芳香族系ポリア
ミド重合体等や、これ等の混合物等を例示できる。具体
的には、ナイロン6−66共重合体と非晶質ナイロンと
を含有するポリアミド系樹脂が望ましいが、これのみに
限定されない。この際、非晶質ナイロンとは、結晶性が
ないものか、結晶性の乏しいもの等を総称しており、一
般には主鎖及び/又は測鎖等に芳香族環を有する半芳香
族性ポリアミドを例示でき、具体的にはテレフタル酸、
イソフタル酸等のジカルボン酸とヘキサメチレンジアミ
ン等のジアミンとの重合体、三元共重合体等を例示でき
るが、特に制限はない。
【0006】本発明のポリオレフィン系樹脂層を形成す
るポリオレフィン系樹脂としとは、特に制限はないが、
例えば、オレフィン類の単独重合体、相互共重合体、他
の共重合体可能なモノマー、例えばビニル系モノマー等
との共重合体及びこれ等の変性重合体等を例示でき、具
体的には、低密度から高密度に互る各種密度のポリエチ
レン(直鎖状低密度ポリエチレンを含む)、ポリプロピ
レン、炭素数4以上のα−オレフィン、これ等の共重合
体(例えば、低結晶性ポリオレフィン系改質重合体)、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性ポリオレフィン系
樹脂等を例示できる。この際、変性ポリオレフィン系樹
脂としては、上記オレフィン類の単独又は共重合体等
に、例えばマレイン酸、フマル酸、アクリル酸等の不飽
和カルボン酸又はその酸無水物、エステルもしくは金属
塩等の誘導体を共重合、例えば、グラフト共重合した変
性重合体を代表的なものとして例示でき、上記変性重合
体の単独又は、他の成分、例えば他の変性又は未変性の
ポリオレフィン系樹脂との混合物も前記変性ポリオレフ
ィン系樹脂に含まれる。
【0007】本発明に係る多層熱収縮性フィルムのポリ
アミド系樹脂層を形成するポリアミド系樹脂の一例とし
ては、ナイロン6−66共重合体60〜95重量%と非
晶質ナイロン5〜40重量%とを含有するものを挙げる
ことができる。また、こうしたポリアミド系樹脂層に必
要ならば、MXDナイロンで知られるポリメタキシリレ
ンアジパミド系の芳香族系ポリアミドなど適宜の第3成
分を所定量加えることはいっこうに差し支えない。この
際、前記したナイロン6−66共重合体が95重量%を
越えると残留収縮応力、吸湿による結晶化等で自然収縮
が大きく成り易い傾向があり、60重量%未満では、柔
軟性がなくなり、低温延伸が困難となり易く好ましくな
い場合が多い。又、非晶質ナイロンが40重量%を越え
ると、ガスバリアー性はあるが、低温延伸が困難と成り
がちであり、機械的強度が弱いものになる傾向がある。
5重量%未満では、同様に低温延伸が困難で高熱収縮性
を得られにくく、自然収縮も大きくなりがちであり好ま
しくない場合が多い。しかしながら、以上に例示された
範囲を外れても使用できることは勿論である。
【0008】本発明に係る変性ポリオレフィン系樹脂層
を形成する変性ポリオレフィン系樹脂としては、具体的
には、前記記載の変性ポリオレフィン系樹脂を例示で
き、就中、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体が望まし
いものとして例示できる。
【0009】本発明に係る多層熱収縮性フィルムのポリ
オレフィン系樹脂とエチレン及び/又はプロピレン並び
に炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体の樹脂層
を形成する樹脂としては、具体的には、エチレン−酢酸
ビニル共重合体60〜100重量%と低結晶性エチレン
及び/又はプロピレン並びに炭素数4以上のα−オレフ
ィンとの共重合体0〜40重量%を含有するポリオレフ
ィン系樹脂を例示できる。この際、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体のエチレン含有量は、特に制限はないが、7
5〜95重量%が望ましい。エチレン含有量が95重量
%を越えると柔軟性が低下する傾向になり、高収縮性が
期待できず、用途が制限され好ましくない場合が多く、
75重量%未満では風合いが柔らかくなるが、耐熱性が
不足となり易く、ブロッキングが発生する傾向があり好
ましくない場合が多いが、必ずしもこの範囲のみに限定
されず、目的に応じ適宜のエチレン−酢酸ビニル共重合
体を選定すればよい。エチレン−酢酸ビニル共重合体の
含有量が60重量%未満では、耐熱性が不足しがちで用
途が制限される場合が多いが、以上の値は限定されるも
のでない。更に、低結晶性のエチレン及び/又はプロピ
レン並びに炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体が
40重量%を越えると、風合いが柔らかくなり易く、自
然収縮を抑えにくくなる場合が多いが、以上の値は限定
されるべきものでない。炭素数4以上のα−オレフィン
としては、特に制限はないが、好ましくは4〜8程度が
望ましい。炭素数が8上になると風合いが硬くなり易
く、延伸が困難となることもあり、熱収縮率の高い多層
熱収縮性フィルムが得がたい傾向になり、好ましくない
場合が多いが、特に制限はない。
【0010】本発明の多層熱収縮性フィルムのより好ま
しい態様としては、チューブ状フィルムであって、かつ
ポリアミド系樹脂層、変性ポリオレフィン系樹脂層、ポ
リオレフィン系樹脂層もしくはポリアミド系樹脂層、変
性ポリオレフィン系樹脂層、ポリオレフィン系樹脂とエ
チレン及び/又はポロピレン並びに炭素数4以上のα−
オレフィンの共重合体との混合樹脂層がこの順序になる
ように、少なくとも三層を基本構成とするものを例示で
き、本発明は基本構成と順序さえ備えていれば、さらに
一層以上を加えることはいっこうに差支えなく、こうし
た多層の場合、前記基本構成さえ備えていれば、他はい
かなる層構成であっても差しつかえないのは勿論であ
る。こうした一層以上の層に用いる重合体としては、本
発明の基本構成で例示した各樹脂を初め、エチレンビニ
ルアルコール共重合体、ポリエステル系重合体、ポリ塩
化ビニル系重合体等を例示でき、特に制限はない。
【0011】本発明は共押出等適宜の装置を用い、イン
フレート法によりチューブ状フィルムもしくは共押出T
ダイ法によりフラット状フィルム等として成膜すればよ
く、製造方法について特に制限はない。しかしながら高
熱収縮性、低自然収縮性を有する必要があり、熱収縮性
については90℃(熱水)×30秒浸漬した際に縦横と
もに30%以上であり、40℃×90%RHに於ける自
然収縮率が縦横ともに5%以下、好ましくは3%以下に
なることが必要である。
【0012】上記のような熱収縮率、自然収縮を付与せ
しめるためには、延伸を行う必要があり、延伸について
は特に制限はなく適宜の方法で行えば良い。延伸倍率も
特に制限はないが、例えば縦横方向に2〜4倍程度を例
示できる。延伸温度も特に制限はないが、熱収縮性に影
響するので注意を要するが、通常は60〜80℃を例示
できる。多層熱収縮性フィルムの厚みは目的に応じて適
宜に設定すればよいが、好ましくは25〜10μ/3〜
8μ/25〜10μをあげることができる。
【0013】本発明に係る多層熱収縮性フィルムの用途
をしては、食肉、加工肉、レトルト食品、ボイル殺菌食
品、水物食品等の食品包装用包装材料に好適がある。こ
れ以外にも各分野での包装資材等にも使用でき特に制限
はない。包装形態としてはヒートシールにより袋状が望
ましいが、クリップ等で結索包装してもよく、シールし
ないでスリーブ状として使用してよく、包装形態に特に
制限はない。
【0014】以下実施例に基づいて本発明を説明する。
【0015】
【実施例】
【0016】実施例1 外層よりナイロン6−66共重合体80重量%と非晶質
ナイロン20重量%を含有するポリアミド系樹脂層、変
性エチレン−酢酸ビニル共重合体(エチレン含有量89
重量%)層、エチレン−酢酸ビニル共重合体(エチレン
含有量89重量%)80重量%及び低結晶性エチレンと
α−オレフィンの共重合体20重量%との混合物に、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体及び低結晶性エチレンとα
−オレフィンとの共重合体の混合物100重量部に対し
てブロッキング防止剤(マスターバッチ)6重量部、滑
剤(マスターバッチ)2重量部配合せしめた樹脂層と成
るように共押出しインフレート成膜してなるチューブ状
フイルムを温度72℃で縦横に3×3倍インフレーショ
ン延伸を行い多層熱収縮性フィルムを得た。得られた多
層熱収縮性フィルムは90℃(熱水)×30秒における
熱収縮率が縦横共に35%であり、40℃×90%RH
に於ける自然収縮率が縦横共に2.4%の値であった。
尚、各層の厚さは16/5/19μであった。この多層
熱収縮性フィルムの物性値を表1に示す。
【0017】比較例1 実施例1におけるポリアミド系樹脂をナイロン6−66
共重合体、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体を変性線
状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体及び低結晶性エチレンとα−オレフィンとの共重合
体混合物を線状低密度ポリエチレン樹脂にかえて用いる
以外は実施例1と同様にして多層熱収縮性フィルムを得
た。得られたフィルムの同条件での熱収縮率は縦26
%、横28%、自然収縮率は縦3.5%、横4.0%で
あった。尚、各層の厚みはポリアミド樹脂層から20/
5/15μであった。物性値を表1に示す
【0018】
【表1】
【0019】こうして得られた実施例1の多層熱収縮性
フィルムは、従来の非ポリ塩化ビニリデン系樹脂からな
る比較例1の多層熱収縮性フィルムより高熱収縮率、自
然収縮率が優れた値を示す。更に、実施例1のポリアミ
ド系脂層の厚みは比較例1より薄いにもかかわらず、ガ
スバリヤー性は変化せず、柔軟性が優れた包装材料とし
て使用することができる。こうしたチューブ状フィルム
を所定の寸法にシール、カットし袋状として、そのなか
に食肉類を入れ、入り口をシールして熱収縮せしめたと
ころ、食肉類とチューブ状フィルムとが密着しており、
経時によるドリップなどの発生が認められなかった。
【0020】
【発明の効果】本発明の多層熱収縮性フィルムは特定の
樹脂層を用いるために熱収縮性、自然収縮性、柔軟性が
良好で、各種の包装材料として好適に用いられ、今後非
塩素系包材として用途拡大が期待できる。例えば加工肉
分野での非塩化ビニリデン系包装材料として使用した場
合でも熱収縮性が良好であり、柔軟性もすぐれているた
めに肉にぴったりと密着包装され、経時によるドリップ
などの発生が押さえられ加工肉類等の包装分野でも格別
な効果が期待できる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド系樹脂層、変性ポリオレフィ
    ン系樹脂層、ポリオレフィン系樹脂層もしくはポリアミ
    ド系樹脂層、変性ポリオレフィン系樹脂層、ポリオレフ
    ィン系樹脂とエチレン及び/又はプロピレン並びに炭素
    数4以上のα−オレフィンの共重合体との混合樹脂層と
    がこの順序で積層され、かつ、90℃(熱水)×30秒
    における熱収縮率が縦、横ともに30%以上であり、4
    0℃×90%RHにおける自然収縮率が縦、横ともに5
    %以下である多層熱収縮性フィルム。
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