JP3112277U - 玉葱の根茎切断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】玉葱の大きさ・形状に左右されることなく根と茎葉とを安全・確実に切断出来るようにした新規な根茎切断装置を提供する。
【解決手段】根部切断体1と茎葉切断体2とは、最小寸法の玉葱が入り込む隙間X1に接近させた並行姿勢に直立配置されており、上記根部切断体1は頂部に根を挿入する凹部1Aとこの凹部の奥方に切断刃K1,K2を設置しており、上記茎葉切断体2は上記根部切断体との隙間X1に挿入される玉葱により根部切断体から並行姿勢を保ったままで離反方向側に弾性抵抗力に抗して拡開押動され、且つ茎葉切断体の頂部に茎葉を挿入する凹部2Aとこの凹部の奥方に切断刃K3,K4を設置したものである。
【選択図】図1
【解決手段】根部切断体1と茎葉切断体2とは、最小寸法の玉葱が入り込む隙間X1に接近させた並行姿勢に直立配置されており、上記根部切断体1は頂部に根を挿入する凹部1Aとこの凹部の奥方に切断刃K1,K2を設置しており、上記茎葉切断体2は上記根部切断体との隙間X1に挿入される玉葱により根部切断体から並行姿勢を保ったままで離反方向側に弾性抵抗力に抗して拡開押動され、且つ茎葉切断体の頂部に茎葉を挿入する凹部2Aとこの凹部の奥方に切断刃K3,K4を設置したものである。
【選択図】図1
Description
本考案は、玉葱本体から根と茎葉とを切断して玉葱本体のみとする玉葱の根茎切断装置に係り、特に、玉葱の大きさ・形状に左右されることなく根と茎葉とを安全・確実に切断出来るようにした新規な根茎切断装置を提供するものに関する。
従来、玉葱本体から根と茎葉とを切断して玉葱本体のみとする玉葱の根茎切断装置には、例えば、作業者の完全な手動操作により行う切断器具(鎌)と、玉葱の搬送具と把持具と切断具と排出シュート等を備た全自動の切断装置(玉葱調整機)が提供されている。
以下、従来の玉葱の根茎切断装置の構成を説明する。まず、鎌による作業者の手動操作は、図13に示すように、畑等の地面Aに鎌3の柄3Aを置いて足・ひざ等で押さえ付けて刃部3Bを垂直に立てた状態に固定する。次に、玉葱5の根5Aと球体7を両手で持って水平姿勢とし、鎌3の刃部3Bに根5Aの根元を近付けて切断する。続いて、玉葱5の球体7と茎葉9を持ち、玉葱の球体から茎の肩部5Bを切断する。上記二度切りにより、玉葱5は根5Aと茎5Bが切断される。この時、球体の外観や切り口を見て良品と不良品(B級以下)を判別して、回収箱に一つ一つ入れる作業を繰り返し行う。
また、上記切断装置(玉葱調整機)は、水平方向に玉葱を搬送する搬送部を、前側の整列搬送装置と後側の挟持搬送装置により構成し、該挟持搬送装置の上方に玉葱の根を切断する根切断装置を、下方に玉葱の茎を切断する茎切断装置を配置し、前記整列搬送装置を、2本の平行する回転軸上に、螺旋状にブラシを装着し、互いに逆方向に回転して搬送するように構成し、前記整列搬送装置の中途部上方に反転機構を配置したものである(例えば、特許文献1参照。)。
上記手動操作による切断器具(鎌)では、簡便に切断作業ができる利点があるものの、多くの問題点が指摘されている。その問題点としては、(1).根と茎葉とを二度切りするから一個当たりの処理時間が長くなる。(2).切断位置は、作業者の目測によるから、個人差が生じるのは勿論のこと、一人の作業者によるときも、バラつきが生じ、同一品質に処理出来にくい。この為に、不良品(B級以下)の発生を多くする。(3).切断作業中は、鎌の刃部を垂直に立て全体が剥き出されている。このために、根の切断時等において、根を持つ手と刃部とが極端に接近するから注意意識を高めなければならず、不注意で指先を切る危険性が高い。(4).更に、玉葱畑の地面に鎌の柄をおいて、刃部を垂直に立てた状態に、足や膝等で柄を押さえ付けて固定する。この鎌の固定状態は、作業者が地面に座り込んだ姿勢で根と茎の切断作業を続け、畝から引き抜かれた玉葱の位置に対応して、少しずつ移動しながら沢山の玉葱を切断処理する作業が長時間にわたり行われる。このため、手足のしびれや腰痛を起こしてしまう、と言う問題点がある。更には、玉葱の根と茎の切断作業の効率も悪いものとしている。
また、上記切断装置(玉葱調整機)では、玉葱を搬送する搬送部と、挟持搬送装置と、該挟持搬送装置の上方に玉葱の根を切断する根切断装置と、下方に玉葱の茎を切断する茎切断装置と、整列搬送装置は2本の平行する回転軸上に、螺旋状にブラシを装着し、互いに逆方向に回転して搬送し、整列搬送装置の中途部上方に反転機構を配置したものであるから、玉葱の根と茎の切断作業が全自動に行われて作業能率が高められる利点がある。しかし、上記機械化・自動化は、大規模な玉葱栽培には向くが、小規模な玉葱栽培の生産者には向かない。即ち、機械化の為には、多額の資本投入と機械のメンテナンスや償却費を伴い、小規模生産者にとっては、玉葱生産による利潤確保が困難であると言う問題点がある。
本考案は、小規模生産者にとって、上記従来の切断器具(鎌)や切断装置(玉葱調整機)が持つ問題に鑑みてなされたものである。本考案はこのような問題点に基づいてなされたものでその目的は、玉葱の大きさ・形状に左右されることなく根と茎葉とを確実に切断出来るようにした新規な根茎切断装置を提供することにある。
上記目的を逹成するべく本考案の請求項1による玉葱の根茎切断装置は、収穫した玉葱を手に持ち根と茎葉とを同時に切断する玉葱の根茎切断装置であって、据付基部上に剛性物の根部切断体と可撓性物の茎葉切断体とを最小寸法の玉葱が入り込む隙間に接近させた並行姿勢に直立配置させ、上記根部切断体は頂部に根を挿入する凹部とこの凹部の奥方に切断刃を設置し、上記茎葉切断体は上記根部切断体との隙間に挿入される玉葱により根部切断体から並行姿勢を保ったままで離反方向側に弾性抵抗力に抗して拡開押動される関係とし、且つ茎葉切断体の頂部に茎葉を挿入する凹部とこの凹部の奥方に切断刃を設置したことを特徴とするものである。
また、請求項2による根茎切断装置は、請求項1記載の玉葱の根茎切断において、上記茎葉切断体は、2枚の可撓バネ板を接近して直立配置し、上記可撓バネ板の対向する内壁面に多数の凸片を間隔を空けて付設し、上記凸片の自由端面が相手側の対向内壁面に可撓バネ板の撓み時に当接することを特徴とするものである。
また、請求項3による根茎切断装置は、請求項1記載の玉葱の根茎切断において、上記茎葉切断体は、2枚の可動板を接近してこの下端部をベース板に蝶番で枢支するとともに、上端部を凹部と切断刃を備えたヘッド本体の下端に蝶番で枢支させて直立配置し、上記2枚の可動板が平行四辺形に平行移動して根部切断体から離反・接近することを特徴とするものである。
また、請求項4による玉葱の根茎切断装置は、請求項1記載の玉葱の根茎切断装置において、上記根切断体の凹部は、玉葱の根を挿通させるとともに、根の外周を受け止める基準面を有し、上記茎葉切断体の凹部は、玉葱の茎葉を挿通させるとともに、玉葱の球体から茎が出ている肩部外周を受け止める基準面となる一対のガイド棒を有することを特徴とするものである。
また、請求項5による玉葱の根茎切断装置は、請求項1記載の玉葱の根茎切断装置において、上記根部切断体と上記茎葉切断体との間に、この隙間を縮める弾性体を架絡させたことを特徴とするものである。
また、請求項6による玉葱の根茎切断装置は、請求項1記載の玉葱の根茎切断装置において、上記各切断刃は、一対の薄手の回転刃を左右に重ねたものであることを特徴とするものである。
また、請求項7による玉葱の根茎切断装置は、請求項1記載の玉葱の根茎切断装置において、上記据付基部は、車輪付き座椅子の座部の前側に設置されていることを特徴とするものである。
また、請求項8による玉葱の根茎切断装置は、請求項6記載の玉葱の根茎切断装置において、上記据付基部は、座部に対して高さ調節機構により設置されていることを特徴とするものである。
すなわち、本考案の玉葱の根茎切断装置は、剛性物の根部切断体と可撓性物の茎葉切断体とは、最小寸法の玉葱が入り込む隙間に接近させた並行姿勢に直立配置されており、上記根部切断体は頂部に根を挿入する凹部とこの凹部の奥方に切断刃を設置しており、上記茎葉切断体は上記根部切断体との隙間に挿入される玉葱により根部切断体から並行姿勢を保ったままで離反方向側に弾性抵抗力に抗して拡開押動され、且つ茎葉切断体の頂部に茎葉を挿入する凹部とこの凹部の奥方に切断刃を設置したものである。従って、収穫した玉葱を手に持ち根と茎葉とを同時に切断するにあたり、水平姿勢にした玉葱の根と茎葉とを両手に持ち、根部切断体の凹部に根を挿入し、茎葉切断体の凹部に茎葉を挿入すると、玉葱の球体が根部切断体と可撓性物の茎葉切断体の隙間に挿入される。この時、球体の大きさに対応して、茎葉切断体が根部切断体から弾性抵抗を起こしながら離反され、球体を茎葉切断体と根部切断体とで軽く挟んだ状態となる。更に、根と茎葉を押し込むと、各々の凹部の奥方に待機する切断刃により正確な裁断位置で切断される。そして、根と茎葉を切り落とされた玉葱の球体だけが下方に落下して玉葱の根茎切断処理が容易・安全・正確に行われる。
また、本考案の茎葉切断体は、2枚の可撓バネ板を接近して直立配置させ、上記可撓バネ板の対向する内壁面に多数の凸片が間隔を空けて付設されており、上記凸片の自由端面が相手側の対向内壁面に可撓バネ板の撓み時に当接して撓むから、茎葉切断体が根部切断体から弾性抵抗を起こしながら離反する時、茎葉切断体の腰折れ現象が起きない。従って、茎葉切断体は、玉葱の挿入時に、根部切断体から弾性抵抗を起こしながら水平方向に上下動することなく円滑に離反される。更に、本考案の茎葉切断体は、接近した2枚の可動板の上下端部を蝶番で枢支させて直立配置し、2枚の可動板が平行四辺形に平行移動して根部切断体から離反・接近するから、茎葉切断体が根部切断体から抵抗を起こしながら離反する時、茎葉切断体の腰折れ現象が起きず、平行移動して上下動することなく円滑に離反される。
また、本考案は、根部切断体と茎葉切断体との間に、この隙間を縮める弾性体を架絡させたから、玉葱の挿入時に、茎葉切断体は、根部切断体から適度の弾性抵抗力を起こしながら水平方向に円滑に離反される。
また、本考案は、根切断体の凹部は玉葱の根を挿通させるとともに、根の外周を受け止める基準面を有し、茎葉切断体の凹部は玉葱の茎葉を挿通させるとともに、玉葱の球体から茎が出ている肩部外周を受け止める基準面となる一対のガイド棒を有しているから、玉葱の球体の大きさ・形状の異形等に係わりなく、根と茎葉のより正確な位置での切断処理が容易に行われる。
また、本考案は、各切断刃は、一対の薄手の回転刃を左右に重ねたものであるから、玉葱の球体の大きさ・形状の異形等に係わりなく、根と茎葉とを正確な位置で切断処理が容易に行われる。
また、本考案は、据付基部は、車輪付き座椅子の座部の前側に設置されているから、座椅子の座部に腰掛けての処理作業ができ、腰痛等の身体障害を起こさない。更に、車輪付き座椅子により、畑の畦に沿って作業をしながら少しずつ移動でき、立ったり座ったりの煩わしさから解放され、作業効率が高められる。
また、本考案は、据付基部が座部に対して高さ調節機構により設置されているから、作業者の体格や姿勢に対応して根切断体の凹部と茎葉切断体の凹部との高さ位置が最適位置に調節でき、楽な姿勢での切断処理が行われる。
本考案の玉葱の根茎切断装置によると、まず、球体を茎葉切断体と根部切断体とで軽く挟んだ状態で、根と茎葉を押し込むと、各々の凹部の奥方に待機する切断刃により切断でき、根と茎葉を切り落とす玉葱の根茎切断処理が容易・安全・正確にできる。
また、茎葉切断体は、根部切断体と茎葉切断体との弾性体により、根部切断体から弾性抵抗を起こしながら水平方向に上下動することなく円滑に離反でき、茎葉の切断時に腰折れ現象が起きない。
また、根切断体の凹部は玉葱の根の外周を受け止める基準面を有し、茎葉切断体の凹部は茎葉の肩部外周を受け止める基準面となる一対のガイド棒により、玉葱の球体の大きさ・形状の異形等に係わりなく、根と茎葉のより正確な位置で切断処理が容易にできる。
また、切断刃は一対の回転刃により、玉葱の球体の大きさ・形状の異形等に係わりなく、根と茎葉とを正確な位置で切断処理が容易にできる。
また、据付基部は、車輪付き座椅子の座部の前側に設置されているから、腰痛等の身体障害を起こさずに切断作業できるとともに、少しずつ移動でき、立ったり座ったりの煩わしさから解放され、作業効率が高くできる。
また、据付基部は高さ調節機構で、作業者の体格や姿勢に対応して根切断体の凹部と茎葉切断体の凹部との高さ位置が最適位置に調節でき、楽な姿勢での切断処理が行できる。
また、茎葉切断体は、根部切断体と茎葉切断体との弾性体により、根部切断体から弾性抵抗を起こしながら水平方向に上下動することなく円滑に離反でき、茎葉の切断時に腰折れ現象が起きない。
また、根切断体の凹部は玉葱の根の外周を受け止める基準面を有し、茎葉切断体の凹部は茎葉の肩部外周を受け止める基準面となる一対のガイド棒により、玉葱の球体の大きさ・形状の異形等に係わりなく、根と茎葉のより正確な位置で切断処理が容易にできる。
また、切断刃は一対の回転刃により、玉葱の球体の大きさ・形状の異形等に係わりなく、根と茎葉とを正確な位置で切断処理が容易にできる。
また、据付基部は、車輪付き座椅子の座部の前側に設置されているから、腰痛等の身体障害を起こさずに切断作業できるとともに、少しずつ移動でき、立ったり座ったりの煩わしさから解放され、作業効率が高くできる。
また、据付基部は高さ調節機構で、作業者の体格や姿勢に対応して根切断体の凹部と茎葉切断体の凹部との高さ位置が最適位置に調節でき、楽な姿勢での切断処理が行できる。
即ち、本考案によると、収穫した玉葱は、根と茎葉との切断処理作業が従来の切断器具(鎌)に比べ、切断処理時間が約1/2に短縮されて作業効率が高められるばかりか、車輪付き座椅子の座部に腰掛けた楽な姿勢での作業であるから腰痛などの問題が解消できる。また、根切断体と可動する根部切断体及びこれに設けた凹部とこの奥部に備えた一対の回転刃や基準面により、玉葱の球体の大きさ・形状の異形等に係わりなく、根と茎葉が規定位置で安全・正確に切断処理できる。そして、小規模な玉葱栽培の生産者に向き、小規模生産者にとって、玉葱生産による利潤確保が可能である。
以下、図1乃至図6を参照して本考案の第1の実施の形態を説明する。図1は本実施の形態による玉葱の根茎切断装置を示す斜視図であり、図2はその側面図、図3は平面図、図4はその正面図である。更に、図5と図6は作用図である。
図1において、玉葱の根茎切断装置100の概要を説明する。まず、玉葱の根茎切断装置100は、車輪付き座椅子50の座部50Aの前側に設置した両側の取付面50B,50Cに対し、据付基部40を蝶ビスCBにより固着される。この据付基部40に剛性物の根部切断体1と可撓性物の茎葉切断体2とを最小寸法L1の玉葱10が入り込む隙間X1に接近させた並行姿勢に直立配置させている。そして、収穫した玉葱10を両手Hに持ち、根10Aと茎葉10Bとを同時に切断するものである。更に、車輪付き座椅子50の座部50Aに腰掛けた作業者Mは、足で地面を蹴って車輪付き座椅子50を少しずつ移動させ、畑の畦に置かれた玉葱10を順次に手に取り、椅子に座ったままでの切断作業が行えるものとしている。そして、上記根部切断体1は、頂部に根10Aを挿入する凹部1Aとこの凹部の奥方に切断刃K1,K2を設置している。上記切断刃K1,K2は、一対の薄手の回転刃C1,C2を軸で回転可能に左右から重ねて支持したものであるから、押し込まれた根10Aを両側から巻き込むようにして凹部1Aの中央位置で正確に切断する機能を持っている。他方、上記茎葉切断体2は、上記根部切断体1との隙間X1に挿入される玉葱10により根部切断体1から並行姿勢を保ったままで離反方向側に弾性抵抗力に抗して拡開押動される関係をなしている。そして、茎葉切断体2の頂部に茎葉10Bを挿入する凹部2Aとこの凹部の奥方に切断刃K3,K4を設置している。上記切断刃K3,K4は、一対の薄手の回転刃C3,C4を軸で回転可能に左右から重ねて支持したものであるから、押し込まれた茎葉10Bを両側から巻き込むようにして凹部2Aの中央位置で正確に切断する機能をもつ。
続いて、上記玉葱の根茎切断装置100において、各部の詳細構成を説明する。まず、上記茎葉切断体2は、ステンレス板材等からなる2枚の可撓バネ板20,22を接近して据付基部40に下端部を直立配置し、上端部をヘッド本体2IIに接続している。上記可撓バネ板20,22は、その対向する内壁面20A,22Aに多数の凸片23,25が等間隔に空けて付設され、上記凸片23,25の自由端面が相手側の対向内壁面20A,22Aに可撓バネ板20,22の撓み時に当接する。これで、茎葉切断体2は、反根部切断体1側に玉葱の挿入により押されるとき、腰折れの座屈を起こすことなく元に戻ろうとする弾性力に抗して水平移動することができる。また、上記根部切断体1と上記茎葉切断体2との間に、この隙間を適度の強さで縮める弾性体(拡張したバネ)30を架絡させている。従って、上記茎葉切断体2は上記根部切断体1との隙間を最小隙間X1から最大隙間X3まで、玉葱10の球体10Cの大きさに連続してその隙間が可変される。更に、上記根切断体1の凹部1Aは、玉葱10の根10Aを挿通させるとともに、根10Aの外周を受け止める基準面1Bを形成し、上記茎葉切断体2の凹部2Aは、玉葱10の茎葉10Bを挿通させるとともに、玉葱の球体から茎10Bが出ている肩部外周を受け止める基準面2Bを形成している。
更に、上記据付基部40は、車輪付き座椅子50の座部50Aの前側に設置されており、この据付基部40は、座部50Aに対して高さ調節機構60により設置されている。上記高さ調節機構60は、据付基部40の両側面に付設したナットNに対して、車輪付き座椅子50の取付板50B,50Cに明けた多数の小孔h1〜h3の一つに蝶ビスCBを通して螺合することにより連着される。尚、根部切断体1と茎葉切断体2とが作業者M側へ傾斜した取付姿勢となっている。そして、各小孔h1〜h3と蝶ビスとの連結位置の調節は、各小孔h1〜h3の選択により、上記根部切断体1と茎葉切断体2との高さ位置が調節され、体格の作業者にとって最適位置に固定される。これにより、作業効率と腰痛等の肉体的な負担が軽減される。勿論、各小孔h1,h2を長孔としても良く、この構成によると高さ調節位置が段階的ではなく連続して行える。更には、高さ調節機構60は上記構成に限定されず、適宜に設計変更できる。
以上の構成を基に本考案の玉葱の根茎切断装置100の作用を説明する。まず、玉葱の根茎切断装置100は、剛性物の根部切断体1と可撓性物の茎葉切断体2とは、最小寸法L1の玉葱10が入り込む隙間X1に接近させた並行姿勢に直立配置されいる。また、上記根部切断体1は頂部に根10Aを挿入する凹部1Aとこの凹部1Aの奥方に切断刃K1,K2を設置している。上記茎葉切断体2は上記根部切断体1との最小隙間X1に挿入される玉葱10により根部切断体1から並行姿勢を保ったままで離反方向側に弾性抵抗力に抗して拡開押動される。そして、茎葉切断体2の頂部に茎葉10Bを挿入する凹部2Aとこの凹部の奥方に切断刃K1,K2を設置したものである。
従って、図3〜図6に示すように、収穫した玉葱10の根10Aと茎葉10Bとを同時に切断するに当たり、水平姿勢に玉葱10の根10Aと茎葉10Bとを両手Hに持ち、根部切断体1の凹部1Aに根10Aを挿入し、茎葉切断体2の凹部2Aに茎葉10Bを挿入すると、玉葱10の球体10Cが根部切断体1と可撓性物の茎葉切断体2におけるヘッド本体2Hの最小隙間X1に挿入される。この時、球体10Cの大きさに対応して、茎葉切断体2が根部切断体1から弾性抵抗を起こしながら離反され、球体10Cを茎葉切断体2と根部切断体1とで軽く挟んだ状態となる。更に、根10Aと茎葉10Bを押し込むと、各々の凹部2A,1Aの奥方に待機する切断刃K1,K2とK3,K4の回転刃C1,C2とC3,C4により切断され、根10Aと茎葉10Bを切り落とされた玉葱10の球体10Cだけが下方に落下してシュートSから外部へ搬出され、玉葱10の根茎切断処理が容易・安全・正確に行われる。
尚、上記茎葉切断体2は、図5,図6に示すように、2枚の可撓バネ板20,22を接近して直立配置され、上記可撓バネ板20,22の対向する内壁面20A,22Aに多数の凸片23,25が間隔を空けて付設されており、上記凸片23,25の自由端面が相手側の対向内壁面20A,22Aに可撓バネ板20,22の撓み時に当接して撓む。これにより、茎葉切断体2が根部切断体1から弾性抵抗を起こしながら離反する。この時、茎葉切断体2の腰折れ現象が起きない。従って、茎葉切断体2は、玉葱10の挿入時に、根部切断体1から弾性抵抗を起こしながら水平方向に上下動することなく円滑に離反される。そして、根部切断体1と茎葉切断体2との間に、この隙間を縮める弾性体30が伸ばされて架絡されているから、玉葱10の挿入時に、茎葉切断体2は、根部切断体1から適度の弾性抵抗力を起こしながら水平方向に円滑に離反される。また、上記根切断体1の凹部1Aは玉葱10の根10Aを挿通させるとともに、根10Aの外周を受け止める基準面1Bを有し、茎葉切断体2の凹部2Aは玉葱10の茎葉10Bを挿通させるとともに、玉葱10の球体10Cから茎10Bが出ている肩部10Dの外周を受け止める基準面2Bを有しているから、玉葱10の球体10Cの大きさ・形状の異形等に係わりなく、根10Aと茎葉10Bの正確な位置での切断処理が容易に行われる。
また、玉葱の根茎切断装置100は、根部切断体1の凹部1Aと茎葉切断体2の凹部2Aとの各切断刃K1〜K4は、一対の薄手の回転刃C1,C2とC3,C4を左右に重ねたものであるから、玉葱10の球体10Cの大きさ・形状の異形等に係わりなく、根10Aと茎葉10Bとを正確な位置で切断処理が容易に行われる。そして、根部切断体1と茎葉切断体2とを配置している据付基部40は、車輪付き座椅子50の座部50Aの前側に設置されているから、作業者が座椅子50の座部50Aに腰掛けての楽な処理作業ができ、腰痛等の身体障害を起こさない。更に、車輪付き座椅子50により、畑の畦に沿って作業をしながら少しずつ移動でき、立ったり座ったりの煩わしさから解放され、作業効率が高められる。また、玉葱10の根茎切断装置100は、据付基部40が座部50Aに対して高さ調節機構60により設置されているから、作業者の体格や姿勢に対応して根切断体1の凹部1Aと茎葉切断体2の凹部2Aとの高さ位置が最適位置に調節でき、楽な姿勢での切断処理が行われる。
以上、第1の実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、玉葱10の球体10Cは、根10Aと茎葉10Bを切り落とす玉葱の根茎切断処理が容易・安全・正確にできる。また、茎葉切断体2は、根部切断体1に対して弾性抵抗を起こしながら水平方向に上下動することなく円滑に離反でき、茎葉10Bの切断時に腰折れ現象が起きない。根切断体1の凹部1Aに玉葱10の根10Aの外周を受け止める基準面1Bを有し、茎葉切断体2の凹部2Aに茎葉10Bの肩部外周を受け止める基準面2B及びガイド棒G1,G2を有しているから、玉荵10の球体10Cの大きさ・形状の異形等に係わりなく、根と茎葉の正確な位置での切断処理が容易にできる。また、一対の回転刃C1,C2とにより、玉荵10の球体10Cの大きさ・形状の異形等に係わりなく、根と茎葉とを正確な位置で切断処理が容易にできる。
まず、玉葱10の球体10Cは、根10Aと茎葉10Bを切り落とす玉葱の根茎切断処理が容易・安全・正確にできる。また、茎葉切断体2は、根部切断体1に対して弾性抵抗を起こしながら水平方向に上下動することなく円滑に離反でき、茎葉10Bの切断時に腰折れ現象が起きない。根切断体1の凹部1Aに玉葱10の根10Aの外周を受け止める基準面1Bを有し、茎葉切断体2の凹部2Aに茎葉10Bの肩部外周を受け止める基準面2B及びガイド棒G1,G2を有しているから、玉荵10の球体10Cの大きさ・形状の異形等に係わりなく、根と茎葉の正確な位置での切断処理が容易にできる。また、一対の回転刃C1,C2とにより、玉荵10の球体10Cの大きさ・形状の異形等に係わりなく、根と茎葉とを正確な位置で切断処理が容易にできる。
また、据付基部40は、車輪付き座椅子50の座部50Aの前側に設置されているから、腰痛等の身体障害を起こさずに切断作業できるとともに、少しずつ移動でき立ったり座ったりの煩わしさから解放され、作業効率が高くできる。また、据付基部40は高さ調節機構60で、作業者の体格や姿勢に対応して根切断体1の凹部1Aと茎葉切断体2の凹部2Aとの高さ位置が最適位置に調節でき、楽な姿勢での切断処理が行できる。
しかして、収穫した玉葱10は、根10Aと茎葉10Bとの切断処理作業が従来の切断器具(鎌)に比べ、切断処理時間が約1/2に短縮されて作業効率が高められるばかりか、車輪付き座椅子50の座部50Aに腰掛けた楽な姿勢での作業であるから腰痛などの問題が解消できる。また、根切断体1と可動する根部切断体2及びこれに設けた凹部1A,2Aとこの奥部に備えた一対の回転刃C2,C2とC3,C4により、玉葱10の球体10Cの大きさ・形状の異形等に係わりなく、根と茎葉が規定位置で安全・正確に切断処理できる。更に、本考案の玉葱の根茎切断装置100は、小規模な玉葱栽培の生産者に向き、小規模生産者にとって、玉葱生産による利潤確保が確実にできる。
次に、図7と図8を参照して第2の実施の形態となる玉葱の根茎切断装置200を説明する。上記第1の実施の形態における茎葉切断体2において、凹部2Aに直接設けた基準面2Bに替えて、玉葱の球体10Cから茎10Bが出ている肩部10Dの外周を受け止める一対のガイド棒G1,G2を上下方向に向けて並設されている。
上記ガイド棒G1,G2を並設した茎葉切断体2によると、玉葱10の球体から茎10Bが出ている肩部10Dの外周を受け止める基準面2Bに替わる一対のガイド棒G1,G2により、玉葱の球体の大きさ・形状の異形等に係わりなく、球体10Cに続く首部の裁断位置の寸法がより一層に正確な位置で切断処理が容易に行われる。
次に、図9〜図11を参照して第3の実施の形態となる玉葱の根茎切断装置300を説明する。図9と図10に示すように、茎葉切断体2′は、2枚の可動板20′,22′を接近してこの下端部をベース板となる据付基部40に蝶番J1で枢支するとともに、上端部を凹部2Aと切断刃K3,K4を備えたヘッド本体2Hの下端に蝶番J2で枢支して直立配置されている。また、上記茎葉切断体2′の凹部2Aは、玉葱10の茎葉10Bを挿通させるとともに、玉葱の球体10Cから茎10Bが出ている肩部10Dの外周を受け止める基準面2Bに替わる一対のガイド棒G1,G2を上下方向に向けて並設されている。これで、図11に示すように、上記2枚の可動板20′,22′が平行四辺形に平行移動して根部切断体1から離反・接近する。これで、茎葉切断体2が根部切断体1から平行四辺形で平行移動して離反する。この時、茎葉切断体2の腰折れ現象が起きないように構成されている。
上記茎葉切断体2によるときは、上記2枚の可動板20′,22′が平行四辺形に平行移動して根部切断体1から離反・接近する。これで、茎葉切断体2′の腰折れ現象がおきず円滑に離反される。そして、図8と同様に、玉葱10の球体から茎10Bが出ている肩部10Dの外周を受け止める基準面2Bに替わる一対のガイド棒G1,G2により、玉葱の球体の大きさ・形状の異形等に係わりなく、球体10Cに続く首部の裁断位置の寸法がより正確な位置で切断処理が容易に行われる。
更に、図12を参照して第4の実施の形態となる玉葱の根茎切断装置400を説明する。この第4の実施の形態の場合は、前記第1の実施の形態における据付基部40を地面に置く基台(車輪付き座椅子から車輪を外したもの)70に設置したものである。その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであるので、同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
上記第4の実施の形態における玉葱の根茎切断装置400は、定位置での玉葱10の根・茎葉の切断作業に向いている。特に、畑で収穫した玉葱を作業場まで搬送し、ここでの切断処理作業用に向いている。その他、上記第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏することができるのは勿論である。
本考案は、玉葱の根茎葉の切断装置として説明したが、それに限定されるものではなく、様々な球根類(百合・チューリップ・水仙等)の根茎切断装置にも適用可能である。
1 根部切断体
1A 凹部
1B 基準面
2 茎葉切断体
2′ 茎葉切断体
2A 凹部
2B 基準面
2H ヘッド本体
10 玉葱
10A 根
10B 茎葉
10C 球体
10D 首部
20,22 可撓バネ板
20′,22′ 可動板
20A,22A 内壁面
23,25 凸片
40 据付基部
50 車輪付き座椅子
50A 座部
70 基台
100 玉葱の根茎切断装置
200 玉葱の根茎切断装置
300 玉葱の根茎切断装置
400 玉葱の根茎切断装置
C1〜C4 回転刃
CB 蝶ビス
G1,G2 ガイド棒
L1 最小寸法
L2 中間寸法
L3 最大寸法
h1〜h3 小孔
K1〜K4 切断刃
X1 最小隙間
X3 最大隙間
1A 凹部
1B 基準面
2 茎葉切断体
2′ 茎葉切断体
2A 凹部
2B 基準面
2H ヘッド本体
10 玉葱
10A 根
10B 茎葉
10C 球体
10D 首部
20,22 可撓バネ板
20′,22′ 可動板
20A,22A 内壁面
23,25 凸片
40 据付基部
50 車輪付き座椅子
50A 座部
70 基台
100 玉葱の根茎切断装置
200 玉葱の根茎切断装置
300 玉葱の根茎切断装置
400 玉葱の根茎切断装置
C1〜C4 回転刃
CB 蝶ビス
G1,G2 ガイド棒
L1 最小寸法
L2 中間寸法
L3 最大寸法
h1〜h3 小孔
K1〜K4 切断刃
X1 最小隙間
X3 最大隙間
Claims (8)
- 収穫した玉葱を手に持ち根と茎葉とを同時に切断する玉葱の根茎切断装置であって、据付基部上に剛性物の根部切断体と可撓性物の茎葉切断体とを最小寸法の玉葱が入り込む隙間に接近させた並行姿勢に直立配置させ、上記根部切断体は頂部に根を挿入する凹部とこの凹部の奥方に切断刃を設置し、上記茎葉切断体は上記根部切断体との隙間に挿入される玉葱により根部切断体から並行姿勢を保ったままで離反方向側に弾性抵抗力に抗して拡開押動される関係とし、且つ茎葉切断体の頂部に茎葉を挿入する凹部とこの凹部の奥方に切断刃を設置したことを特徴とする玉葱の根茎切断装置。
- 上記茎葉切断体は、2枚の可撓バネ板を接近して直立配置し、上記可撓バネ板の対向する内壁面に多数の凸片を間隔を空けて付設し、上記凸片の自由端面が相手側の対向内壁面に可撓バネ板の撓み時に当接することを特徴とする請求項1記載の玉葱の根茎切断装置。
- 上記茎葉切断体は、2枚の可動板を接近してこの下端部をベース板に蝶番で枢支するとともに、上端部を凹部と切断刃を備えたヘッド本体の下端に蝶番で枢支させて直立配置し、上記2枚の可動板が平行四辺形に平行移動して根部切断体から離反・接近することを特徴とする請求項1記載の玉葱の根茎切断装置。
- 上記根切断体の凹部は、玉葱の根を挿通させるとともに、根の外周を受け止める基準面を有し、上記茎葉切断体の凹部は、玉葱の茎葉を挿通させるとともに、玉葱の球体から茎が出ている肩部外周を受け止める基準面となる一対のガイド棒を有することを特徴とする請求項1記載の玉葱の根茎切断装置。
- 上記根部切断体と上記茎葉切断体との間に、この隙間を縮める弾性体を架絡させたことを特徴とする請求項1記載の玉葱の根茎切断装置。
- 上記各切断刃は、一対の薄手の回転刃を左右に重ねたものであることを特徴とする請求項1記載の玉葱の根茎切断装置。
- 上記据付基部は、車輪付き座椅子の座部の前側に設置されていることを特徴とする請求項1記載の玉葱の根茎切断装置。
- 上記据付基部は、座部に対して高さ調節機構により設置されていることを特徴とする請求項7記載の玉葱の根茎切断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005001012U JP3112277U (ja) | 2005-01-31 | 2005-01-31 | 玉葱の根茎切断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP3112277U true JP3112277U (ja) | 2005-08-11 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3112277U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101381446B1 (ko) * | 2012-12-20 | 2014-04-07 | 한영식 | 양파의 뿌리 및 줄기 절단장치 |
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2005
- 2005-01-31 JP JP2005001012U patent/JP3112277U/ja not_active Expired - Fee Related
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