JP3112220B2 - 硬貨識別装置 - Google Patents

硬貨識別装置

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JP3112220B2
JP3112220B2 JP05168107A JP16810793A JP3112220B2 JP 3112220 B2 JP3112220 B2 JP 3112220B2 JP 05168107 A JP05168107 A JP 05168107A JP 16810793 A JP16810793 A JP 16810793A JP 3112220 B2 JP3112220 B2 JP 3112220B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動販売等の各種自動
サ―ビス機器に用いられる硬貨識別装置に関し、特に硬
貨表面の凹凸を光により非接触で検出することにより硬
貨の種別を識別するようにした硬貨識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動販売等の各種自動サ―ビス機
器に用いられる硬貨識別装置としては、機械的に硬貨を
識別する機械式硬貨識別装置、電子的に硬貨を識別する
電子式硬貨識別装置、機械式硬貨識別装置と電子式硬貨
識別装置とを組み合わせて構成した硬貨識別装置等が知
られている。
【0003】ところで、最近は、硬貨識別装置の識別精
度を向上させるために、光により非接触で硬貨表面の凹
凸を検出して硬貨の判別を行う光学的硬貨識別装置が提
案され、この光学的硬貨識別装置を機械式硬貨識別装置
または/および電子式硬貨識別装置に組み合わせて硬貨
の識別の精度の向上を図るようにした構成が考えられて
いる。
【0004】図10は、従来提案されている光学的硬貨
識別装置の硬貨識別原理を示すもので、この従来の光学
的硬貨識別装置は、1つの光源2から出た光をレンズ3
で集光して矢印X方向に移動する硬貨1の表面を斜めか
ら照射し、この硬貨1の表面からの反射光を1つの受光
素子4で受光するように構成されている。
【0005】この構成によると、硬貨1の表面の凸部に
おいては、図10(a)に示すように、受光素子4で受
光する光量は多くなり、反対に硬貨1の表面の凹部にお
いては、図10(b)に示すように受光素子4で受光す
る光量は少なくなるので、硬貨1の移動に対応して受光
素子4の出力から硬貨1の表面の凹凸に対応する信号を
得ることができ、この信号の波形を予め測定した正貨に
対応する信号波形と比較することより硬貨1の識別を行
うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この図10に
示した従来の光学的硬貨識別装置によると、例えば、硬
貨と同一の外形を有するメタルに硬貨の凹凸に対応して
画像をコピーしたコピー紙を貼付したような偽貨を除く
ことができない。
【0007】図11は、硬貨と同一の外形を有するメタ
ル5に硬貨の凹凸に対応した画像をコピーしたコピー紙
6を貼付して形成した偽貨7を図10に示した装置と同
一の装置で識別する場合を示したもので、図11(a)
に示すように、この偽貨7の硬貨の凸部に対応する画像
部分(コピー紙6の白部)においては、受光素子4で受
光する光量は多くなり、反対に図11(b)に示すよう
に、この偽貨7の硬貨の表面の凹部に対応する画像部分
(コピー紙6の黒部)においては、受光素子4で受光す
る光量は少なくなり、結局、図10に示した正貨と図1
1に示したメタル5にコピー紙6を貼付した偽貨7とを
区別することはできず、図11に示したメタル5にコピ
ー紙6を貼付した偽貨7を正貨として受け入れてしまう
ことになる。
【0008】また、上記メタル5にコピー紙6を貼付し
た偽貨7は誰でも偽貨は容易に作ることができ、硬貨識
別装置としては問題である。
【0009】また、この種の硬貨識別装置は、硬貨を硬
貨通路内で転動させ、この状態で硬貨を識別することに
なるが、この硬貨通路は硬貨を転動させるために硬貨の
厚みより若干大なる寸法に設定されており、硬貨は硬貨
通路を転動中にその位置がその都度変化する。そして、
硬貨の厚みは硬貨の種類によって異なる。そこで、硬貨
通路を転動中の硬貨と光源との距離を一定に維持するこ
とは困難である。そのため、光源からの光を常に硬貨表
面の近傍に焦点を結ばせることは難しく、例えば図12
(a)および(b)に示す如く、光源2からの光が硬貨
1の表面の凸部を照射していても受光素子4により検出
される反射光の光量はその硬貨1の位置により変動して
しまい、硬貨識別装置としては安定性に欠けることにな
る。
【0010】また、従来の硬貨識別装置においてはレン
ズ3を使用して光源からの光を硬貨表面の近傍に焦点を
結ばせるように調整しているため、装置が複雑かつ高価
になるという問題もある。
【0011】そこで、この発明は、簡単かつ低価格に構
成でき、しかも、安定して各種硬貨表面の凹凸を確実に
検出できる硬貨識別装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明においては、硬貨通過路に沿って転動する
硬貨を識別する硬貨識別装置において、前記硬貨に光を
投光する投光手段と、前記硬貨からの反射光を受光する
少なくとも2つの受光手段と、前記少なくとも2つの受
光手段の受光出力に基づき前記硬貨表面の凹凸を判別す
る指標となる値を演算する演算手段と、前記演算手段の
出力に基づき前記硬貨を識別する識別手段とを具備する
ことを特徴とする。
【0013】また、この発明においては、光を発光する
発光素子と、前記発光素子からの光を規制して識別すべ
き硬貨の表面に所定の照射パターンを形成するスリット
と、前記識別すべき硬貨からの反射光を検出する第1お
よび第2の受光素子と、前記第1の受光素子の出力と前
記第2の受光素子の出力との差を前記第1の受光素子の
出力と前記第2の受光素子の出力との和で除算した信号
を出力する演算回路と、前記演算回路の出力に基づき前
記識別すべき硬貨を識別する識別回路とを具備すること
を特徴とする。
【0014】
【作用】この発明では、硬貨通過路に沿って転動する硬
貨に、投光手段から発せられた光を投光し、硬貨からの
反射光を少なくとも2つの受光手段により受光する。そ
して、演算手段により、この少なくとも2つの受光手段
の受光出力に基づき前記硬貨表面の凹凸を判別する指標
となる値を演算し、識別手段により、この演算手段の出
力に基づき前記硬貨を識別する。
【0015】ここで、投光手段は、光源と、この光源か
らの光の一部を通過させて、硬貨の表面の所定の照射パ
ターンを形成するスリットから構成することができる。
【0016】また、受光手段は、硬貨からの反射光を受
光する第1の受光器と第2の受光器とを具備し、演算手
段は、第1の受光器の出力と第2の受光器の出力との差
を第1の受光器の出力と第2の受光器の出力との和で除
算した信号を出力するように構成することができる。
【0017】また、この発明では、光を発光する発光素
子からの光をスリットで規制して識別すべき硬貨の表面
に所定の照射パターンを形成し、この識別すべき硬貨か
らの反射光を第1および第2の受光素子で検出し、この
第1の受光素子の出力と第2の受光素子の出力との差を
第1の受光素子の出力と第2の受光素子の出力との和で
除算した信号を演算回路から出力し、この演算回路の出
力に基づき識別すべき硬貨を識別回路により識別する。
【0018】
【実施例】以下、この発明に係わる硬貨識別装置の実施
例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】図1は、この発明に係わる硬貨識別装置の
一実施例を示したものである。図1において、投光器1
0には光源11が内蔵されるとともにその前面にスリッ
ト板12が配設される。ここで、光源2はレ―ザダイオ
―ドまたは発光ダイオ―ドから構成される。
【0020】スリット板12には、長方形状のスリット
12aが形成されるともに、2つの受光素子13および
14が配設される。
【0021】光源2からの発光された光はスリット板1
2の長方形状のスリット12aを通過し、硬貨通路15
を転動する硬貨1の表面に長方形の照射パタ―ンを形成
する。 硬貨1の表面より乱反射した光の一部は2個の
受光素子13および14に入射し、受光素子13および
14はその受光光量に比例した信号AおよびBを出力す
る。この受光素子13および14から出力された信号A
およびBは演算回路20に加えられる。
【0022】演算回路20は、受光素子13および14
から出力された信号AおよびBに基き演算式(1)、す
なわち C=(A−B)/(A+B) ……(1) の演算を行い、信号Cを出力する。
【0023】この信号Cは、識別回路30に加えられ、
識別回路30はこの信号Cに基き硬貨1の種別を識別す
る。すなわち、識別回路30は、信号Cの値、すなわ
ち、0、正、または負の判別を行い、これに基き硬貨1
の表面の凹凸を検出し、この検出した凹凸と予め設定さ
れている正貨の凹凸との比較の基に硬貨1の種別を判別
する。
【0024】ここで、演算回路20から出力される信号
は、式(1)に示すように、受光素子13および14の
出力の差(A−B)を、受光素子13および14の出力
の受光素子13および14の和(A+B)で割った値で
あるので、温度およびほこり等により光源11の発光量
および受光素子13、14の受光特性が変動し、また硬
貨1の転動により硬貨1と投光器10との距離が変動し
ても、これらの変動要素は相殺され、これらの変動の影
響を受けることはない。
【0025】図2は、この実施例における硬貨1と投光
器10の位置関係を示したものである。図2において、
硬貨通路15は、複数種類の使用硬貨の転動を可能にす
るために、使用硬貨の内の最大の厚み以上にその幅D0
が設定されている。このため硬貨の種類が変れば硬貨1
の表面と投光器10の前面のスリット板12との間の距
離D2 と投光器との距離は変化する。また、同一種類の
硬貨であっても、硬貨1は、転動に際して硬貨通路15
の幅D0 の範囲内でその位置が変動し、これにより硬貨
1の表面と投光器10の前面のスリット板12との間の
距離D2 も変動する。
【0026】この硬貨1の表面と投光器10の前面のス
リット板12との間の距離D2 の変動が硬貨の識別に悪
影響を与えないようにするには、スリット板12のスリ
ット12aから出た光がほぼ平行光として硬貨1の表面
に照射され、距離D2 が変動しても、硬貨1の表面上の
照射パタ―ンが変動しないことが理想である。
【0027】ここでできるだけ理想に近づける方法とし
ては、図2の光源11とスリット板12との距離D1 と
スリット板12と硬貨1の表面との距離D2 との比、す
なわちD1 /D2 が大なる方が硬貨表面上の照射パタ―
ンの形状の変動は小である。つまり、硬貨1の表面上の
照射パタ―ンの形状は、光源11からスリット板12ま
での距離D1 が長い方が変動が少なく、また、スリット
板12と硬貨1の表面との距離D2 が短い方が変動が少
ない。
【0028】例えば、スリット12aを0.3mm×3
mmの長方形の穴とし、D1 =10mm、D2 =1±
0.5mm(±0.5mmは硬貨1の表面とスリット板
12との距離の変動分)、光源11としてレ―ザダイオ
―ドを使用して点光源とみなせるとすると、硬貨表面上
の照射パタ―ン形状は短辺が 0.3×(11±0.5)/10=0.33±0.01
5(mm) 長辺が 3×(11±0.5)/10=3.3±0.15(m
m) の長方形となり、その変動は約4.5%となり、この照
射パタ―ンの形状の変動分は無視できる。
【0029】硬貨1と投光器10との距離が変動するこ
とは硬貨10と受光素子13および14との間の距離も
変動することを意味する。したがって、受光素子13お
よび14に到達する反射光の光量も変動する。
【0030】しかしながら、これら受光素子13および
14に到達する反射光の光量の変動があっても、受光素
子13および14の出力信号AおよびBも同じ割合で変
動し、ここで、前掲の式(1)の分母及び分子とも同じ
割合で変動するので、この影響は演算回路20の出力信
号Cには現れない。
【0031】これにより、硬貨1と投光器10の距離が
変動しても安定した識別が可能となる。
【0032】図3は、図1に示した投光器10の具体的
配設例を示したものである。図3において、投光器10
は硬貨通路15の側壁15aに、該硬貨通路15を臨む
ように形成された穴部10a内に配設される。ここで、
レ―ザダイオ―ドからなる光源11から出力された光L
は、スリット板12のスリット12aを通り、硬貨1の
表面で反射され、2つの受光素子13および14で受光
される。
【0033】図4は、この投光器10の駆動回路部を示
したものである。レ―ザダイオ―ド等からなる発光素子
としての光源11はドライブ回路16により駆動され
る。また、受光素子13および14の出力はそれぞれア
ンプ17および18で増幅され、信号AおよびBとして
演算回路20に加えられる。演算回路20は前述した式
(1)の演算、すなわち(A−B)/(A+B)の演算
を行い、信号Cを出力する。
【0034】次に、図5を参照してこの実施例の装置に
より硬貨表面の凹凸を光学的に検知する具体的手法につ
いて説明する。
【0035】図5(a)は、硬貨1の縁に光源11から
の光が照射された場合を示している。この場合、受光素
子13および14で受光する硬貨1からの反射光の光量
はほぼ等しい。すなわち、受光素子13から出力される
信号Aと受光素子14から出力される信号Bとは等し
く、この場合前掲の式(1)より演算回路20から出力
される信号Cは0である。
【0036】図5(b)は、硬貨1の縁の端部に光源1
1からの光が照射された場合を示している。この場合、
受光素子13で受光する硬貨1からの反射光の光量は受
光素子14で受光する硬貨1からの反射光の光量より小
になる。すなわち、受光素子13から出力される信号A
と受光素子14から出力される信号Bとの間にはA<B
の関係が成立し、前掲の式(1)よりC<0となり、演
算回路20から出力される信号Cは負になる。
【0037】つまり、転動する硬貨1の表面の凹凸の端
部に光が照射されれば演算回路20から出力される信号
Cの値は正あるいは負の値を有し、それ以外の硬貨1の
平担部では演算回路20から出力される信号Cの値は0
になる。すなわち、演算回路20から出力される信号C
の値から硬貨1の表面の凹凸の端部の向きがわかること
になる。
【0038】そこで、識別回路30では、この信号Cの
値の変動を検出して、硬貨表面の凹凸を検出することが
できる。
【0039】図6は、図11に示した硬貨と同一の外形
を有するメタル5に硬貨の凹凸に対応した画像をコピー
したコピー紙6を貼付して形成した偽貨7がこの実施例
の装置に投入された場合を示している。
【0040】ここで、図6(a)は、この偽貨7の硬貨
の凸部に対応する画像部分(コピー紙6の白部)に光源
11からの光が照射された場合を示している。この場
合、受光素子13および14で受光する硬貨1からの反
射光の光量はほぼ等しく、受光素子13から出力される
信号Aと受光素子14から出力される信号Bとは等し
く、前掲の式(1)より演算回路20から出力される信
号Cは0である。
【0041】図6(b)は、この偽貨7の硬貨の凹部に
対応する画像部分(コピー紙6の黒部)の端部に光源1
1からの光が照射された場合を示している。この場合も
受光素子13および14で受光する硬貨1からの反射光
の光量はほぼ等しく、受光素子13から出力される信号
Aと受光素子14から出力される信号Bとは等しくな
り、前掲の式(1)より演算回路20から出力される信
号Cは0となる。
【0042】また、図6(c)は、この偽貨7の硬貨の
凹部に対応する画像部分(コピー紙6の黒部)に光源1
1からの光が照射された場合を示している。この場合も
受光素子13および14で受光する硬貨1からの反射光
の光量はほぼ等しく、受光素子13から出力される信号
Aと受光素子14から出力される信号Bとは等しくな
り、前掲の式(1)より演算回路20から出力される信
号Cは0となる。
【0043】つまり、図6(b)および(c)のいずれ
の場合でもA=Bとなるので、演算回路20から出力さ
れる信号Cは0とり、識別回路30ではメタル5に硬貨
の凹凸に対応した画像をコピーしたコピー紙6を貼付し
て形成した偽貨7を用いてもこれを明確に識別すること
ができる。
【0044】図7は、縁なしの硬貨、縁ありの硬貨、縁
がありかつ縁の内側近傍に凸部がある硬貨の3種類の硬
貨に対してこの実施例の演算回路20から出力される信
号Cの波形を示したものである。ここで、図7(a)は
硬貨検出信号で、ハイレベルの部分は硬貨が通過してい
ることを示す。図7(b)は、縁なしの硬貨の場合のこ
の実施例の演算回路20から出力される信号Cの波形を
示したもので、この場合は、図7(b)に示すように、
硬貨の前端の端部において正のピーク100が生じ、硬
貨の後端の端部において負のピーク101が生じる。
【0045】また、図7(c)は、縁ありの硬貨の場合
のこの実施例の演算回路20から出力される信号Cの波
形を示したもので、この場合は、図7(c)に示すよう
に、硬貨の端部において、図7(b)の場合と同様の正
のピーク100および負のピーク101が生じるととも
に、正のピーク100に続いて負のピーク102が生
じ、また負のピーク101の前に正のピーク103が生
じる。
【0046】また、図7(d)は、縁がありかつ縁の内
側近傍に凸部がある硬貨の場合を示すもので、この場合
は、この凸部のために図7(c)に示した負のピーク1
02および正のピーク103が、図7(d)に104お
よび105で示すように複数のピークになる。
【0047】図8は、図7に示した硬貨の縁部における
演算回路20から出力される信号Cの波形に着目して硬
貨の種別を識別するようにした具体的回路例を示したも
のである。すなわち、図7の波形から明らかなように、
硬貨の前端部の波形に着目すると、 1)正のピーク100に続いて負のピーク102が生じ
なければ縁なしの硬貨 2)正のピーク100に続いて負のピーク102が生じ
れば縁ありの硬貨 3)正のピーク100に続いて負のピーク102が生
じ、かつこの負のピーク102が複数のピークを含んで
いれば縁がありかつ縁の内側近傍に凸部がある硬貨 と判別できるので、図8に示す回路においては、この点
を着目して硬貨の種別の識別を行う。なお、図8におい
て一点鎖線で囲んだ部分は図1に示した識別回路30に
対応している。
【0048】図8において、演算回路20から出力され
る信号C、すなわち、受光素子13の出力信号Aおよび
受光素子14の出力信号Bに対して(A−B)/(A+
B)の演算を行って得た信号Cは識別回路30のトリガ
部31、ピーク検知部32、低レベル検知部33に加え
られる。
【0049】ここで、トリガ部31は信号Cの最初のピ
ークを検出するもので、演算回路20から出力される信
号C=(A−B)/(A+B)の波形は図9(a)に示
すような波形であるとすると、トリガ部31からは図9
(b)に示すパルス波形が出力される。なお、図9
(a)に示す波形は、縁がありかつ縁の内側近傍に凸部
がある硬貨の場合を示している。
【0050】トリガ部31から出力されるパルス波形は
タイマ部34に加えられる。タイマ部34は、例えば、
6msの時間が設定されており、このタイマ部34は、
トリガ部31から出力されるパルス波形の立ち下がりに
同期してタイマ動作を開始し、図9(c)に示すような
6ms幅のパルス信号を出力する。この6ms幅のパル
ス信号はアンド回路35に加えられる。
【0051】ピーク検知部32は、演算回路20から出
力される信号Cのピークを検出するもので、図9(e)
に示すように信号Cのピークに対応するパルス信号を出
力する。このピークに対応するパルス信号もアンド回路
35に加えられる。
【0052】また、低レベル検知部33は、演算回路2
0から出力される信号Cが所定のスレッショルドレベル
以下に低下するとハイレベルとなる信号を出力するもの
で、この低レベル検知部33からは図9(d)に示すよ
うなパルス信号が出力される。この低レベル検知部33
から出力されたパルス信号もアンド回路35に加えられ
る。
【0053】アンド回路35は、タイマ部34の出力、
ピーク検知部32の出力、低レベル検知部33の出力の
アンド条件をとり、その出力をカウンタ部36に加え
る。ここで、演算回路20から出力される信号Cが、図
9(a)に示すように縁がありかつ縁の内側近傍に凸部
がある硬貨の場合であると、アンド回路35の出力は図
9(f)に示すようになる。そこで、カウンタ部36は
図9(g)に示すように「2」を計数することになる。
【0054】このカウンタ部36の計数値は判定部38
に加えられ、判定部38においてはカウンタ部36の計
数値に基き硬貨の判定を行う。すなわち、判定部38に
おいては 1)カウンタ部36の計数値が0の場合は縁なしの硬貨 2)カウンタ部36の計数値が1の場合は縁ありの硬貨 3)カウンタ部36の計数値が2以上の場合は縁があり
かつ縁の内側近傍に凸部がある硬貨 と判定する。
【0055】例えば、図9に示した例においては、カウ
ンタ部36の計数値は2となるので、この場合は縁があ
りかつ縁の内側近傍に凸部がある硬貨と判定する(図9
(h)参照)。
【0056】なお、上記実施例においては、この発明に
係わる光による硬貨識別の手法についてのみ示したが、
硬貨の識別精度を上げるために、この光による硬貨識別
の手法に加えて、従来の機械的に硬貨を識別する手法ま
たは/および電子的に硬貨を識別する手法を加えて硬貨
識別装置を構成してもよい。
【0057】また、上記実施例においては、演算回路2
0においてC=(A−B)/(A+B)の演算を行うよ
うに構成したが、この演算に限定されず、例えば、C=
B/AあるいはC=A/B等の演算を行うように構成し
てもよい。
【0058】また、上記実施例においては受光素子を2
個使用して構成したが、3個以上の受光素子を使用し、
これらの出力を硬貨表面の各部の凹凸を相互に関係づけ
る演算を行うことによっても同様に構成することができ
る。
【0059】また、上記実施例においてはスリットの形
状を長方形のスリットとしたが、硬貨の縁を検出しやす
いよう、硬貨の円周に沿った円弧状のスリット形状でも
良く、また硬貨表面の特徴である凹凸を検出するに都合
の良い他の形状のスリット形状を採用してもよい。
【0060】また、正貨に対応して演算回路20から出
力される信号Cの値を硬貨の前端部から終端部まで識別
回路30に予め記憶しておき、識別回路30では予め記
憶したこの硬貨の凹凸(模様)パタ―ンと演算回路20
の出力とを比較することにより硬貨の種別を識別するよ
うに構成してもよい。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明は硬貨通
過路に沿って転動する硬貨に、投光手段から発せられた
光を投光し、硬貨からの反射光を少なくとも2つの受光
手段により受光する。そして、演算手段により、この少
なくとも2つの受光手段の受光出力に基づき前記硬貨表
面の凹凸を判別する指標となる値を演算し、識別手段に
より、この演算手段の出力に基づき前記硬貨を識別する
ように構成したので、温度が変動したり、ほこりが付着
したり、硬貨と投光器との距離が変動しても、安定して
硬貨表面の凹凸を検出する硬貨識別装置を簡単かつ低価
格に提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる硬貨識別装置の一実施例の概
略構成を示す図。
【図2】図1に示した実施例における硬貨と投光器の位
置関係を示した図。
【図3】図1に示した投光器の具体的配設例を示した断
面図。
【図4】図1に示した投光器の駆動回路部を示した回路
図。
【図5】図1に示した実施例装置により硬貨表面の凹凸
を光学的に検知する具体的手法を説明するための図。
【図6】図1に示した実施例装置によりメタルに硬貨の
凹凸に対応した画像をコピーしたコピー紙を貼付して形
成した偽貨を識別することができることを説明するため
の図。
【図7】縁なしの硬貨、縁ありの硬貨、縁がありかつ縁
の内側近傍に凸部がある硬貨の3種類の硬貨に対してこ
の実施例の演算回路から出力される信号Cの波形を示し
た波形図。
【図8】図7に示した硬貨の縁部における演算回路から
出力される信号Cの波形に着目して硬貨の種別を識別す
るようにした識別回路の具体的例を示す回路図。
【図9】図8に示した回路の動作を説明するためのタイ
ミングチャート。
【図10】従来提案されている光学的硬貨識別装置の硬
貨識別原理を示す図。
【図11】従来提案されている光学的硬貨識別装置の欠
点を説明するための図。
【図12】従来提案されている光学的硬貨識別装置の他
の欠点を説明するための図。
【符号の説明】
1 硬貨 10 投光器 11 光源 12 スリット板 12a スリット 13、14 受光素子 15 硬貨通路 20 演算回路 30 識別回路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬貨通過路に沿って転動する硬貨を識別す
    る硬貨識別装置において、 前記硬貨に光を投光する投光手段と、 前記硬貨からの反射光を受光する少なくとも2つの受光
    手段と、 前記少なくとも2つの受光手段の受光出力に基づき前記
    硬貨表面の凹凸を判別する指標となる値を演算する演算
    手段と、 前記演算手段の出力に基づき前記硬貨を識別する識別手
    段とを具備することを特徴とする硬貨識別装置。
  2. 【請求項2】前記投光手段は、 光源と、 前記光源からの光の一部を通過させて、前記硬貨の表面
    の所定の照射パターンを形成するスリットとを具備する
    ことを特徴とする請求項1記載の硬貨識別装置。
  3. 【請求項3】前記受光手段は、 前記硬貨からの反射光を受光する第1の受光器と第2の
    受光器とを具備し、 前記演算手段は、 前記第1の受光器の出力と前記第2の受光器の出力との
    差を前記第1の受光器の出力と前記第2の受光器の出力
    との和で除算した信号を出力することを特徴とする請求
    項1記載の硬貨識別装置。
  4. 【請求項4】光を発光する発光素子と、 前記発光素子からの光を規制して識別すべき硬貨の表面
    に所定の照射パターンを形成するスリットと、 前記識別すべき硬貨からの反射光を検出する第1および
    第2の受光素子と、 前記第1の受光素子の出力と前記第2の受光素子の出力
    との差を前記第1の受光素子の出力と前記第2の受光素
    子の出力との和で除算した信号を出力する演算回路と、 前記演算回路の出力に基づき前記識別すべき硬貨を識別
    する識別回路とを具備することを特徴とする硬貨識別装
    置。
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