JP3109243B2 - 極低温冷凍機 - Google Patents

極低温冷凍機

Info

Publication number
JP3109243B2
JP3109243B2 JP04134636A JP13463692A JP3109243B2 JP 3109243 B2 JP3109243 B2 JP 3109243B2 JP 04134636 A JP04134636 A JP 04134636A JP 13463692 A JP13463692 A JP 13463692A JP 3109243 B2 JP3109243 B2 JP 3109243B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow path
pressure gas
gas flow
heat exchanger
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04134636A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05322342A (ja
Inventor
修一 曽地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP04134636A priority Critical patent/JP3109243B2/ja
Publication of JPH05322342A publication Critical patent/JPH05322342A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3109243B2 publication Critical patent/JP3109243B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、圧縮されたヘリウム
等の冷媒ガスの断熱膨張により極低温レベルの寒冷を発
生させる極低温冷凍機に関し、特に、圧縮機からの高圧
高温の冷媒ガスを圧縮機に戻る低圧低温の冷媒ガスと熱
交換させて冷却する熱交換器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば4K程度の極低温レベ
ルで作動させる低温作動機器を同温度レベルまで冷却す
るための極低温冷凍機として、例えば米国特許第422
3540号等に記載されているように予冷冷凍機とJ−
T冷凍機とを組み合わせた2元回路の冷凍機が知られて
いる。
【0003】上記予冷冷凍機はGMサイクル(ギフォー
ド・マクマホンサイクル)や改良ソルベーサイクル等の
冷凍機からなるもので、圧縮機で圧縮されたヘリウムガ
ス(冷媒ガス)を膨張機で断熱膨張させてそのガスの温
度降下によりヒートステーションに極低温レベルの寒冷
を発生させる。
【0004】一方、J−T冷凍機は、圧縮機から供給さ
れたヘリウムガスをジュール・トムソン膨張させるJ−
T弁と、圧縮機からJ−T弁に至るヘリウムガスを上記
予冷冷凍機における膨張機のヒートステーションとの間
で熱交換して予冷する予冷器と、圧縮機からJ−T弁に
至る高圧のヘリウムガス(1次側)及びJ−T弁から圧
縮機に戻る低圧ヘリウムガス(2次側)の間で互いに熱
交換させるJ−T熱交換器と呼ばれる複数段の熱交換器
とを備えており、圧縮機からのヘリウムガスを予冷器で
予冷するとともに、該予冷されたヘリウムガスをJ−T
弁でジュール・トムソン膨張させて気液混合状態とし、
そのヘリウムの蒸発潜熱によりさらに低い4Kレベルの
寒冷を発生させるようになされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ヘリウ
ムガスには水分を主成分とする不純物(その他、酸素や
窒素等)が微少量含有されているが、これら不純物を可
及的に除去することは困難である。そして、上記J−T
冷凍機においては、この不純物がJ−T熱交換器内の高
圧ガス流路で圧縮機に戻る低温のヘリウムガスにより冷
却された際、その不純物は凝固点以下への温度降下によ
り凝固してガス流路の壁面に付着するとともに、その付
着部分を核として成長し、この成長によりついには高圧
ガス流路が閉塞されるという問題があった。
【0006】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、上記の熱交換器における高圧ガス流路
に改良を加えることで、特に冷媒ガス中の不純物管理が
不十分な条件下で冷凍機が使用される場合であっても、
不純物によるガス流路の閉塞を防止して冷凍機の信頼性
を向上させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、請求項1の発明では、熱交換器における高圧ガス流
路の壁面の所定部分を潤滑性に富んだ平滑面として、不
純物が凝固したときにそれがガス流路の壁面に付着する
のを阻止するようにした。
【0008】具体的には、この発明では、図1〜図3に
示すように、冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、この圧縮機
から吐出された高圧冷媒ガスを膨張させて極低温レベル
の寒冷を発生させる膨張手段(18)と、上記圧縮機か
ら膨張手段(18)に供給される高圧冷媒ガスを流す高
圧ガス流路(23)、及び膨張手段(18)から圧縮機
に戻る低圧ガスを流す低圧ガス流路(24)の各一部を
それぞれ有し、高圧ガス流路(23)の高温ガスを低圧
ガス流路(24)の低温ガスとの間で熱交換させて冷却
する熱交換器(13)とを備えた極低温冷凍機が前提で
ある。
【0009】そして、上記熱交換器(13)内の高圧ガ
ス流路(23)の壁面に、冷媒ガス中の不純物の凝固温
度になる部分を含む所定範囲に亘り、潤滑性を有する平
滑面(30)を設ける。
【0010】請求項2の発明では、上記熱交換器(1
3)よりも下流側の高圧ガス流路(23)に、凝固した
不純物を捕集するフィルタ手段(20)を設ける。
【0011】請求項3の発明では、図2に示す如く、上
記熱交換器(13)を、互いに同心状に配置された内外
のシェル(25),(26)と、該両シェル(25),
(26)間に螺旋状に配置され、外周にフィン(2
7),(27),…が立設された伝熱管(28)とから
なり、伝熱管(28)内部に高圧ガス流路(23)が、
また伝熱管(28)の周囲に低圧ガス流路(24)がそ
れぞれ形成されてなる構成とする。
【0012】請求項4の発明では、熱交換器(13)内
の高圧ガス流路(23)の壁面に被膜処理により平滑面
(30)を設ける。
【0013】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、熱交
換器(13)における高圧ガス流路(23)の壁面の所
定部分に潤滑性を有する平滑面(30)が設けられてい
るので、冷媒ガス中の不純物が熱交換器(13)内の高
圧ガス流路(23)で圧縮機に戻る低温低圧の冷媒ガス
により冷却されて、その凝固点以下への温度降下により
凝固する際、その凝固しようとする不純物は上記平滑面
(30)つまりガス流路(23)の壁面に付着し難くな
る。そして、凝固が完了した不純物は冷媒ガス中に分散
して混じった状態でガス流路(23)を流下するように
なる。このため、不純物の凝固が壁面の1箇所で成長し
て高圧ガス流路(23)を閉塞することはなくなり、冷
凍機の信頼性を向上させることができる。
【0014】また、上記平滑面(30)は、冷媒ガス中
の不純物の凝固温度になる部分を含む所定範囲に限定し
て設けているので、熱交換器(13)自体の性能が損な
われることはない。
【0015】請求項2の発明では、熱交換器(13)よ
りも下流側の高圧ガス流路(23)にフィルタ手段(2
0)が設けられているので、上記のように凝固不純物が
熱交換器(13)の高圧ガス流路(23)の壁面に付着
することなく流下しても、その凝固不純物をフィルタに
より捕集して膨張手段(18)に到達するのを確実に防
止でき、冷凍機の信頼性をさらに向上させることができ
る。
【0016】請求項3の発明では、上記熱交換器(1
3)が内外のシェル(25),(26)と、該両シェル
(25),(26)間に螺旋状に配置され、外周にフィ
ン(27),(27),…が立設された伝熱管(28)
とからなり、伝熱管(28)内部に高圧ガス流路(2
3)が、また伝熱管(28)の周囲の内外シェル(2
5),(26)間に低圧ガス流路(24)がそれぞれ形
成されているので、極低温冷凍機用の熱交換器(13)
として最適な構成が得られる。
【0017】請求項4の発明では、熱交換器(13)内
の高圧ガス流路(23)の壁面に被膜処理による平滑面
(30)を設けたので、上記効果を有する平滑面(3
0)の構成が容易に得られる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。この実施例では、図3に示すように、冷凍機
(R)は予冷冷凍機(1)とJ−T冷凍機(11)とを
組み合わせた2元回路の冷凍機で構成されている。
【0019】上記予冷冷凍機(1)は、G−M(ギフォ
ード・マクマホン)サイクルの冷凍機で構成されてい
て、J−T冷凍機(11)におけるヘリウムガス(冷媒
ガス)を予冷するためにヘリウムガスを圧縮及び膨張さ
せる。この冷凍機(1)は図外の予冷用圧縮機と、クラ
イオスタット(C)に取り付けられた膨張機(2)とを
閉回路に接続してなる。上記膨張機(2)は、クライオ
スタット(C)の外部に配置される密閉円筒状のケース
(3)と、該ケース(3)の下部に連設された大小2段
構造のシリンダ(4)とを有する。上記ケース(3)に
は上記予冷用圧縮機の吐出側に接続される高圧ガス入口
(5)と、同吸込側に接続される低圧ガス出口(6)と
が開口されている。一方、シリンダ(4)は上記クライ
オスタット(C)の上壁を貫通してその内部に延びてお
り、その大径部(4a)の下端部は所定温度レベルに冷
却保持される第1ヒートステーション(7)に、また小
径部(4b)の下端部は上記第1ヒートステーション
(7)よりも低い温度レベルに冷却保持される第2ヒー
トステーション(8)にそれぞれ形成されている。
【0020】すなわち、ここでは図示しないが、シリン
ダ(4)内には、上記各ヒートステーション(7),
(8)に対応する位置にそれぞれ膨張空間を区画形成す
るフリーのディスプレーサ(置換器)が往復動可能に嵌
挿されている。一方、上記ケース(3)内には、回転す
る毎に開閉するロータリバルブと、該ロータリバルブを
駆動するバルブモータとが収容されている。ロータリバ
ルブは、上記高圧ガス入口(5)から流入したヘリウム
ガスを上記シリンダ(4)内の各膨張空間に供給し、又
は各膨張空間内で膨張したヘリウムガスを低圧ガス出口
(6)から排出するように切り換わる。そして、このロ
ータリバルブの開閉により高圧ヘリウムガスをシリンダ
(4)内の各膨張空間でサイモン膨張させて、その膨張
に伴う温度降下により極低温レベルの寒冷を発生させ、
その寒冷を第1及び第2ヒートステーション(7),
(8)にて保持する。つまり、予冷冷凍機(1)では、
圧縮機から吐出された高圧のヘリウムガスを膨張機
(2)に供給し、その膨張機(2)での断熱膨張により
ヒートステーション(7),(8)の温度を低下させ
て、J−T冷凍機(11)における後述の予冷器(1
6),(17)を予冷するとともに、膨張した低圧ヘリ
ウムガスを圧縮機に戻して再圧縮するように構成されて
いる。尚、上記シリンダ(4)の第1ヒートステーショ
ン(7)にはクライオスタット(C)内に配置した略密
閉円筒状の輻射シールド(S)が伝熱可能に支持されて
いる。
【0021】一方、上記J−T冷凍機(11)は、約4
Kレベルの寒冷を発生させるためにヘリウムガスを圧縮
して膨張させる冷凍機であって、ヘリウムガスを圧縮す
るJ−T圧縮機(図示せず)と、その圧縮されたヘリウ
ムガスをジュール・トムソン膨張させる膨張機(12)
とを備えている。この膨張機(12)は、上記クライオ
スタット(C)における輻射シールド(S)内に位置す
る第1〜第3のJ−T熱交換器(13)〜(15)を備
えている。この各J−T熱交換器(13)〜(15)は
1次側(後述の伝熱管(28)内の高圧ガス流路(2
3))及び2次側(同低圧ガス流路(24))をそれぞ
れ通過するヘリウムガス間で互いに熱交換させるもの
で、第1J−T熱交換器(13)の1次側はJ−T圧縮
機の吐出側に高圧配管(21)を介して接続されてい
る。また、第1及び第2のJ−T熱交換器(13),
(14)の各1次側同士はフィルタ(20)、及び上記
予冷冷凍機(1)における膨張機(2)の第1ヒートス
テーション(7)外周に配置した第1予冷器(16)を
介して接続されている。同様に、第2及び第3J−T熱
交換器(14),(15)の各1次側同士は膨張機
(2)の第2ヒートステーション(8)外周に配置した
第2予冷器(17)を介して接続されている。さらに、
上記第3J−T熱交換器(15)の1次側は、高圧のヘ
リウムガスをジュール・トムソン膨張させて極低温レベ
ルの寒冷を発生させる膨張手段としてのJ−T弁(1
8)を介して冷却器(19)に接続され、この冷却器
(19)に冷却対象(図示せず)が伝熱可能に接続され
ている。上記J−T弁(18)はクライオスタット
(C)外から操作ロッド(18a)によって開度が調整
される。上記冷却器(19)は上記第3及び第2J−T
熱交換器(15),(14)の各2次側を経て第1J−
T熱交換器(13)の2次側に接続され、該第1J−T
熱交換器(13)の2次側は上記J−T圧縮機の吸込側
に低圧配管(22)を介して接続されている。
【0022】J−T冷凍機(11)では、上記J−T圧
縮機の吐出側から高圧配管(21)、第1〜第3J−T
熱交換器(13)〜(15)の1次側、フィルタ(2
0)並びに第1及び第2予冷器(16),(17)を経
てJ−T弁(18)に至るまでの流路が、圧縮機からJ
−T弁(18)に供給される高圧ヘリウムガスを流す高
圧ガス流路(23)とされている。一方、冷却器(1
9)から第3〜第1J−T熱交換器(15)〜(13)
の2次側及び低圧配管(22)を経てJ−T圧縮機の吸
込側に至るまでの流路が、J−T弁(18)から圧縮機
に戻る低圧ガスを流す低圧ガス流路(24)とされてい
る。そして、J−T圧縮機によりヘリウムガスを高圧に
圧縮して高圧配管(21)を介して膨張機(12)に供
給し、それを、膨張機(12)の第1〜第3のJ−T熱
交換器(13)〜(15)において、圧縮機側に戻る低
温低圧のヘリウムガスと熱交換させるとともに、第1及
び第2予冷器(16),(17)でそれぞれ膨張機
(2)の第1及び第2ヒートステーション(7),
(8)で冷却した後、J−T弁(18)でジュール・ト
ムソン膨張させて冷却器(19)で1気圧、約4Kの気
液混合状態のヘリウムとなし、このヘリウムの蒸発潜熱
により冷却器(19)を極低温レベル(約4K)に冷却
する。しかる後、上記膨張によって低圧となったヘリウ
ムガスを第3〜第1J−T熱交換器(15)〜(13)
の各2次側及び低圧配管(22)を通してJ−T圧縮機
に吸入させて再圧縮するように構成されている。
【0023】上記第1〜第3J−T熱交換器(13)〜
(15)の構成は基本的にいずれも同じであるので、こ
こでは第1J−T熱交換器(13)のみについて説明す
る。すなわち、第1J−T熱交換器(13)は、図2に
示すように、内部にグラスウール(図示せず)が収容さ
れた密閉円筒状の内側シェルとしてのマンドレル(2
5)と、その外側に間隔をあけて同心に配置固定された
略密閉円筒状の外側シェルとしてのシェル管(26)と
を備え、両者間の空間には、図1に拡大詳示するように
多数のフィン(27),(27),…を外周に取り付け
た伝熱管(28)(高圧管)が螺旋状に巻かれて収容さ
れている。上記伝熱管(28)の一端は上記高圧配管
(21)に、また他端は第2J−T熱交換器(14)の
1次側(伝熱管)にそれぞれ接続されている。また、シ
ェル管(26)の一端部には上記低圧配管(22)が、
また他端部には第2J−T熱交換器(14)の2次側に
連通する配管(29)がそれぞれ接続されており、伝熱
管(28)内部に上記高圧ガス流路(23)の一部が形
成されている一方、伝熱管(28)の周囲でマンドレル
(25)とシェル管(26)との間の空間が上記低圧ガ
ス流路(24)の一部とされている。図2中、(31)
は熱交換器(13)におけるシェル管(26)の高温側
外周に同心に配置された輻射シールド用のシールド管で
ある。そして、これらJ−T熱交換器(13)〜(1
5)では、圧縮機からJ−T弁(18)ないし冷却器
(19)に向かって流れる高圧ガス流路(23)内の高
温ガスを、J−T弁(18)ないし冷却器(19)から
圧縮機に戻る低圧ガス流路(24)内の低温ガスとの間
で熱交換させて冷却する。具体的には、第1J−T熱交
換器(13)では高圧ヘリウムガスを例えば室温から5
0Kまで、また第2J−T熱交換器(14)ではヘリウ
ムガスを50Kから15Kまで、さらに第3J−T熱交
換器(15)ではヘリウムガスを15Kから約5Kまで
それぞれ冷却するようにしている。
【0024】さらに、本発明の特徴として、図1に拡大
詳示するように、上記第1J−T熱交換器(13)にお
いて高圧ガス流路(23)の壁面を構成する伝熱管(2
8)の内壁面の所定部分には平滑面(30)が設けられ
ている。上記平滑面(30)は、伝熱管(28)の内壁
面に被膜処理して四弗化エチレン樹脂の被膜層を生成す
ることで形成されている。また、この平滑面(30)が
設けられる部分は、伝熱管(28)全体においてヘリウ
ムガス中の不純物の凝固温度になる部分を含む所定範囲
に部分的に限定され、例えば不純物が水分である場合は
その凝固温度である273K(=0°C)になる部分
を、また酸素や窒素では80Kになる部分をそれぞれ含
む範囲とされる。
【0025】次に、上記実施例の作用について説明す
る。冷凍機(R)が定常運転状態になると、予冷冷凍機
(1)では、予冷用圧縮機から供給された高圧のヘリウ
ムガスが膨張機(2)の各膨張空間で膨張し、このガス
の膨張に伴う温度降下によりシリンダ(4)の第1ヒー
トステーション(7)が所定温度レベルに、また第2ヒ
ートステーション(8)が第1ヒートステーション
(7)よりも低い温度レベルにそれぞれ冷却される。上
記第1ヒートステーション(7)の冷却に伴い、該ヒー
トステーション(7)に伝熱可能に接触している輻射シ
ールド(S)の温度が第1ヒートステーション(7)と
同じ温度レベルまで降下し、このことでクライオスタッ
ト(C)内の中心部が外部から輻射シールドされる。
【0026】一方、これと同時に、J−T冷凍機(1
1)では、圧縮機から吐出された高圧のヘリウムガスが
第1J−T熱交換器(13)の1次側に入り、そこで圧
縮機側へ戻る2次側の低圧ヘリウムガスと熱交換されて
室温から約50Kまで冷却され、その後、上記膨張機
(2)の第1ヒートステーション(7)外周の第1予冷
器(16)に入ってさらに冷却される。この冷却された
ガスは第2J−T熱交換器(14)の1次側に入って、
同様に2次側の低圧ヘリウムガスとの熱交換により約1
5Kまで冷却された後、膨張機(2)の第2ヒートステ
ーション(8)外周の第2予冷器(17)に入ってさら
に冷却される。この後、ガスは第3J−T熱交換器(1
5)の1次側に入って2次側の低圧ヘリウムガスとの熱
交換により約5Kまで冷却され、しかる後にJ−T弁
(18)に至る。このJ−T弁(18)では高圧ヘリウ
ムガスは絞られてジュール・トムソン膨張し、1気圧、
約4Kの気液混合状態のヘリウムとなって冷却器(1
9)へ供給される。そして、この冷却器(19)におい
て、上記気液混合状態のヘリウムにおける液部分の蒸発
潜熱により4Kの極低温レベルが得られ、冷却器(1
9)に接続されている冷却対象が冷却される。
【0027】この場合、上記第1J−T熱交換器(1
3)において高圧及び低圧ガス流路(23),(24)
を区画する伝熱管(28)内壁面のうち、ヘリウムガス
中の水分や酸素、窒素等の不純物の凝固温度になる部分
を含む所定範囲に、潤滑性を有する平滑面(30)が設
けられているので、ヘリウムガス中の不純物が伝熱管
(28)内の高圧ガス流路(23)で低温ヘリウムガス
により冷却されて、その凝固点以下への温度降下により
凝固する際、その凝固しようとする不純物が伝熱管(2
8)の内壁面に付着するのを平滑面(30)により抑制
することができる。また、凝固が完了した不純物はヘリ
ウムガス中に分散して混じった状態で伝熱管(28)内
を流下するようになる。このため、伝熱管(28)内壁
面への凝固不純物の付着により不純物の凝固が伝熱管
(28)内壁面の1箇所で成長して高圧ガス流路(2
3)を閉塞するようなことは生じず、冷凍機(R)の信
頼性が向上する。
【0028】しかも、上記平滑面(30)は、ヘリウム
ガス中の不純物の凝固温度になる部分を含む所定範囲に
限定して設けられているので、熱交換器(13)自体の
性能が損なわれることはない。
【0029】また、上記のように凝固不純物が熱交換器
(13)の伝熱管(28)の内壁面に付着することなく
ヘリウムガス中に混じって流下すると、この凝固不純物
がJ−T弁(18)に至ってそれを閉塞することが懸念
される。しかし、この実施例では、上記第1J−T熱交
換器(13)よりも下流側の高圧ガス流路(23)にフ
ィルタ(20)が設けられているので、上記凝固不純物
をフィルタ(20)により捕集してJ−T弁(18)に
到達するのを確実に防止でき、冷凍機(R)の信頼性を
さらに向上させることができる。
【0030】尚、上記実施例では、伝熱管(28)の内
壁面に被膜処理して四弗化エチレン樹脂の被膜層を生成
することで、伝熱管(28)内壁面の平滑面(30)を
形成しているが、この他、伝熱管(28)の内壁面を表
面粗度が小さくなるように加工処理してもよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、極低温冷凍機の熱交換器における高圧ガス流路
の壁面に、冷媒ガス中の不純物の凝固温度になる部分を
含む所定範囲に亘り平滑面を設けたことにより、冷媒ガ
ス中の不純物が熱交換により冷却されて凝固する際、そ
の凝固しようとする不純物のガス流路壁面への付着を抑
制して、不純物凝固の1箇所での成長による高圧ガス流
路の閉塞を防止でき、熱交換器自体の性能を損なうこと
なく冷凍機の信頼性の向上を図ることができる。
【0032】請求項2の発明によれば、熱交換器よりも
下流側の高圧ガス流路にフィルタ手段を設けたことによ
り、凝固が完了した不純物が冷媒ガス中に分散して混じ
った状態でガス流路を流下しても、その凝固不純物をフ
ィルタにより捕集して膨張手段に到達するのを確実に防
止し、冷凍機の信頼性をさらに向上させることができ
る。
【0033】請求項3の発明によれば、上記熱交換器を
内外のシェルと、該両シェル間に螺旋状に配置され、外
周にフィンが立設された伝熱管とからなし、伝熱管内部
に高圧ガス流路を、また伝熱管の周囲の内外シェル間に
低圧ガス流路をそれぞれ形成した構成としたので、極低
温冷凍機用の熱交換器として最適な構成が得られる。
【0034】請求項4の発明によれば、熱交換器内の高
圧ガス流路の壁面に被膜処理により平滑面を設けたの
で、上記効果を奏する平滑面の構成が容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における第1J−T熱交換器の
要部を示す拡大断面図である。
【図2】第1J−T熱交換器の一部破断正面図である。
【図3】極低温冷凍機の全体構成を示す冷媒回路図であ
る。
【符号の説明】
(R) 極低温冷凍機 (1) 予冷冷凍機 (11) J−T冷凍機 (12) 膨張機 (13) 第1J−T熱交換器 (18) J−T弁 (20) フィルタ (23) 高圧ガス流路 (24) 低圧ガス流路 (25) マンドレル(内側シェル) (26) シェル管(外側シェル) (27) フィン (28) 伝熱管 (30) 平滑面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 9/00 F25B 9/00 395 F25B 9/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、 上記圧縮機から吐出された高圧冷媒ガスを膨張させて極
    低温レベルの寒冷を発生させる膨張手段(18)と、 上記圧縮機から膨張手段(18)に供給される高圧冷媒
    ガスを流す高圧ガス流路(23)、及び膨張手段(1
    8)から圧縮機に戻る低圧ガスを流す低圧ガス流路(2
    4)の各一部をそれぞれ有し、高圧ガス流路(23)の
    高温ガスを低圧ガス流路(24)の低温ガスとの間で熱
    交換させて冷却する熱交換器(13)とを備えた極低温
    冷凍機において、 上記熱交換器(13)内の高圧ガス流路(23)の壁面
    に、冷媒ガス中の不純物の凝固温度になる部分を含む所
    定範囲に亘り、潤滑性を有する平滑面(30)を設けた
    ことを特徴とする極低温冷凍機。
  2. 【請求項2】 請求項1の極低温冷凍機において、 熱交換器(13)よりも下流側の高圧ガス流路(23)
    に、凝固した不純物を捕集するフィルタ手段(20)を
    設けたことを特徴とする極低温冷凍機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の極低温冷凍機におい
    て、 熱交換器(13)は互いに同心状に配置された内外のシ
    ェル(25),(26)と、該両シェル(25),(2
    6)間に螺旋状に配置され、外周にフィン(27),
    (27),…が立設された伝熱管(28)とからなり、
    伝熱管(28)内部に高圧ガス流路(23)が形成され
    る一方、伝熱管(28)の周囲に低圧ガス流路(24)
    が形成されてなることを特徴とする極低温冷凍機。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3の極低温冷凍機にお
    いて、 熱交換器(13)内の高圧ガス流路(23)の壁面に被
    膜処理により平滑面(30)を設けたことを特徴とする
    極低温冷凍機。
JP04134636A 1992-05-27 1992-05-27 極低温冷凍機 Expired - Fee Related JP3109243B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04134636A JP3109243B2 (ja) 1992-05-27 1992-05-27 極低温冷凍機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04134636A JP3109243B2 (ja) 1992-05-27 1992-05-27 極低温冷凍機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05322342A JPH05322342A (ja) 1993-12-07
JP3109243B2 true JP3109243B2 (ja) 2000-11-13

Family

ID=15133006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04134636A Expired - Fee Related JP3109243B2 (ja) 1992-05-27 1992-05-27 極低温冷凍機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3109243B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05322342A (ja) 1993-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS5880474A (ja) 極低温冷却装置
JP3109243B2 (ja) 極低温冷凍機
JP2734893B2 (ja) 極低温冷凍機
JP2891144B2 (ja) 極低温冷凍機
JP3278973B2 (ja) 極低温冷凍機
JP2697476B2 (ja) 極低温冷凍機の熱交換器
JP3756711B2 (ja) 極低温冷凍装置
JPH05126426A (ja) 極低温冷凍機
JPH10246524A (ja) 冷凍装置
JPH05332655A (ja) 極低温冷凍機の取付装置
JP3589434B2 (ja) 極低温冷凍装置
JP2723342B2 (ja) 極低温冷凍機
JP3596825B2 (ja) 極低温冷凍機の低圧制御装置
JPH09236340A (ja) 極低温冷凍装置
JP2003214719A (ja) 極低温冷却方法及び装置
JPS59183259A (ja) 極低温冷凍機
JPH09236344A (ja) 極低温冷凍装置
JP3267163B2 (ja) 極低温冷凍機
JPS6317360A (ja) 極低温冷凍装置の予冷方法
JPH11108476A (ja) 極低温冷却装置
JPH0285653A (ja) 極低温冷凍機
JPH0643646Y2 (ja) 冷凍装置の流路
JPS63210572A (ja) 極低温冷凍機
JP3278993B2 (ja) 冷凍機の運転制御装置及び運転制御方法
JPS63302280A (ja) ヘリウム液化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000815

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees