JP3109033B2 - 核酸配列の増幅方法、検出方法およびそれらの試薬キット - Google Patents

核酸配列の増幅方法、検出方法およびそれらの試薬キット

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JP3109033B2
JP3109033B2 JP04110959A JP11095992A JP3109033B2 JP 3109033 B2 JP3109033 B2 JP 3109033B2 JP 04110959 A JP04110959 A JP 04110959A JP 11095992 A JP11095992 A JP 11095992A JP 3109033 B2 JP3109033 B2 JP 3109033B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料中に存在する特定
の核酸配列を増幅し、それを検出するための方法に関す
る。この発明は特に与えられた核酸から、任意に特定の
核酸配列を初期に存在する量に比較して、より大量に生
成させる方法に関する。該核酸は単鎖でも二重鎖でも良
く、比較的純粋な状態であっても混合物の一成分であっ
てもよい。
【0002】
【従来技術】近年、ハイブリダイゼーションによる核酸
配列の検出は、遺伝病、癌、感染症等の診断のために有
効な手段として汎用されるようになってきた。核酸配列
検出法において、標的とする塩基配列は対象となる核酸
のほんのわずかな部分である場合があり、非放射性標識
プローブや末端を放射性同位体で標識したオリゴヌクレ
オチドプローブを用いた検出法では、感度上の問題等に
よりその検出が困難である。そのため、プローブ検出シ
ステムの感度を向上させるための努力が多くなされてい
る(W087/03622など)。また、感度向上の手段として、
目的とする特定核酸配列をDNAポリメラーゼにより増
幅させる方法(特開昭61-274697号公報等;以下「PCR」
と略すことがある)が開示された。しかしこの方法で
は、プライマーのアニール、伸長反応、変性を繰返すた
めの加熱、冷却操作を頻繁に行なう必要があり、特別の
機器を用いるか、又は、繁雑な労力を要する。また、該
方法では、プライマーとして2本のオリゴヌクレオチド
を用いるが、これらが非特異的にアニールした場合でも
DNAポリメラーゼによる増幅が起こる場合があり、プ
ライマーの特異性が厳しく要求されている。DNAリガ
ーゼを用いる増幅法も開示された(WO089/12696、特開平
2-2934号公報など) 。しかし、この方法ではDNAリガ
ーゼが平滑末端を連結する反応 (blunt and ligation)
により非特異的増幅が起こる。これらの回避法としてWO
089/12696 では3組以上のプローブを用いているが、プ
ローブ数が多くコスト高となってしまう。さらにDNA
リガーゼとDNAポリメラーゼを組合せて使用する方法
が発表されている。一つの方法は、2組4本以上のオリ
ゴヌクレオチドを用いる必要があり、コストが高くなる
という問題があり(WO90/01069)、他法では、3本のオリ
ゴヌクレオチドを必要とし、そのうちの2本は数10ヌク
レオチドを必要とするのでコストが高くなる(特開平2-
268683号公報)。また、RNAポリメラーゼを用いてD
NAよりRNAが生成されることは周知であり、RNA
ポリメラーゼを用いて核酸配列の増幅を行う方法も発表
されている(WO089/01050) 。しかしながら、この方法で
はRNAポリメラーゼによる転写増幅のみでは充分な増
幅は困難である。従って、生成したRNAに再度、逆転
写酵素を作用させDNAを生成させる操作を実施してい
る。一般的に逆転写酵素によるDNAへの転写は、DN
AポリメラーゼによるDNA複製に比べて、読取り間違
いを生じ易いという欠点がある。一方、目的とする核酸
にプローブをハイブリダイズさせた後、正しくハイブリ
ダイズしたプローブのみを増幅する方法も知られている
(BIO/TECHNOLOGY vol.6, 1197, 1988)。しかしこの方
法では、非特異反応により結合したプローブも増幅さ
れ、ブランク値の上昇をきたすという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、目的
とする特定核酸配列を簡便に増幅させる方法を提供する
ことである。また本発明の他の目的は試料中の特定核酸
配列を検出する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの課
題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、試料中に含まれ
る少なくとも一つの特定核酸配列の一部に相補的な第一
オリゴヌクレオチドおよび5’末端から3’末端に向っ
て、特定核酸配列の他の一部に相補的な塩基配列Bと第
一オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列Aを順次有す
る第二オリゴヌクレオチドを用いることによって、上記
課題が解決されることを見出して、本発明を完成させる
に到った。即ち本発明は、少なくとも塩基配列Aおよび
塩基配列Bを含有するオリゴヌクレオチドであって、
5’末端から3’末端に向かって、順次、特定核酸配列
の一部に相補的な塩基配列Bと、該特定核酸配列の一部
の3’下流の配列に相同な塩基配列Aを有するオリゴヌ
クレオチドである(図1)。
【0005】また本発明の特定核酸の増幅方法は、次の
操作(a)〜(e)を原則的に含む。 操作(a):特定核酸配列の一部に相補的な第一オリゴ
ヌクレオチドおよび5’末端から3’末端に向って、順
次、特定核酸配列の他の一部に相補的な塩基配列Bと該
第一オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列Aを少なく
とも有する第二オリゴヌクレオチドを試料と混合して反
応させ、試料中の特定核酸配列に該第一オリゴヌクレオ
チドおよび該第二オリゴヌクレオチドをアニールさせ
る。 操作(b):操作(a)で得られたアニール物の第一オ
リゴヌクレオチドをプライマーとして、該アニール物の
第二オリゴヌクレオチドの5’末端までヌクレオチドの
伸長反応を行う。 操作(c):操作(b)で伸長生成したポリヌクレオチ
ドの3’末端を該アニール物の第二オリゴヌクレオチド
の5’末端と連結させる。 操作(d):操作(c)で連結した生成物を、それらが
合成された鋳型から分離し、単鎖分子を生成させる。お
よび 操作(e):操作(d)で生成した単鎖分子を鋳型と
し、かつ第一オリゴヌクレオチドをプライマーとして用
い、ヌクレオチド伸長生成物を合成させる。
【0006】本発明の実施態様としては、次のものが挙
げられる。 (1)試料中に含まれる少なくとも一つの特定核酸配列
の増幅方法であって、下記操作を含むことを特徴とする
核酸配列の増幅方法。 操作(a):特定核酸配列の一部に相補的な第一オリゴ
ヌクレオチドおよび5’末端から3’末端に向って、順
次、特定核酸配列の他の一部に相補的な塩基配列Bと該
第一オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列Aを少なく
とも有する第二オリゴヌクレオチドを試料と混合して反
応させ、試料中の特定核酸配列に該第一オリゴヌクレオ
チドおよび該第二オリゴヌクレオチドをアニールさせ
る。 操作(b):操作(a)で得られたアニール物の第一オ
リゴヌクレオチドをプライマーとして、該アニール物の
第二オリゴヌクレオチドの5’末端までヌクレオチドの
伸長反応を行う。 操作(c):操作(b)で伸長生成したポリヌクレオチ
ドの3’末端を該アニール物の第二オリゴヌクレオチド
の5’末端と連結させる。 操作(d):操作(c)で連結した生成物を、それらが
合成された鋳型から分離し、単鎖分子を生成させる。お
よび 操作(e):操作(d)で生成した単鎖分子を鋳型と
し、かつ第一オリゴヌクレオチドをプライマーとして用
い、ヌクレオチド伸長生成物を合成させる。
【0007】(2)試料中に含まれる少なくとも一つの
特定核酸配列の増幅方法であって、下記工程を含むこと
を特徴とする核酸配列の増幅方法。 操作(a):特定核酸配列の一部に相補的な第一オリゴ
ヌクレオチドおよび5’末端から3’末端に向って、順
次、特定核酸配列の他の一部に相補的な塩基配列Bと該
第一オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列Aを少なく
とも有する第二オリゴヌクレオチドを試料と混合して反
応させ、試料中の特定核酸配列に該第一オリゴヌクレオ
チドおよび該第二オリゴヌクレオチドをアニールさせ
る。 操作(b):操作(a)で得られたアニール物の第一オ
リゴヌクレオチドをプライマーとして、該アニール物の
第二オリゴヌクレオチドの5’末端までヌクレオチドの
伸長反応を行う。 操作(c):操作(b)で伸長生成したポリヌクレオチ
ドの3’末端を該アニール物の第二オリゴヌクレオチド
の5’末端と連結させる。 操作(d):操作(c)で連結した生成物を、それらが
合成された鋳型から分離し、単鎖分子を生成させる。お
よび 操作(e):操作(d)で生成した単鎖分子を鋳型と
し、かつ第一オリゴヌクレオチドをプライマーとして用
い、ヌクレオチド伸長生成物を合成させる。および 操作(f):操作(e)で得られた増幅産物に、操作
(d)のおける合成された鋳型からの分離、および操作
(e)における生成した単鎖分子を鋳型とし、かつ第一
オリゴヌクレオチドをプライマーとするヌクレオチド伸
長生成物の合成を少なくとも1回繰返す。
【0008】(3)試料中に含まれる少なくとも一つの
特定核酸配列の増幅方法であって、下記工程を含むこと
を特徴とする核酸配列の増幅方法。 操作(a):特定核酸配列の一部に相補的な第一オリゴ
ヌクレオチドおよび5’末端から3’末端に向って、順
次、特定核酸配列の他の一部に相補的な塩基配列Bと該
第一オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列Aを少なく
とも有する第二オリゴヌクレオチドを試料と混合して反
応させ、試料中の特定核酸配列に該第一オリゴヌクレオ
チドおよび該第二オリゴヌクレオチドをアニールさせ
る。 操作(b):操作(a)で得られたアニール物の第一オ
リゴヌクレオチドをプライマーとして、該アニール物の
第二オリゴヌクレオチドの5’末端までヌクレオチドの
伸長反応を行う。 操作(c):操作(b)で伸長生成したポリヌクレオチ
ドの3’末端を該アニール物の第二オリゴヌクレオチド
の5’末端と連結させる。 操作(d):操作(c)連結した生成物を、それらが合
成された鋳型から分離し、単鎖分子を生成させる。およ
び 操作(e):操作(d)で生成した単鎖分子を鋳型と
し、かつ第一オリゴヌクレオチドをプライマーとして用
い、ヌクレオチド伸長生成物を合成させる。および 操作(f’):操作(e)で得られた増幅産物に、上記
操作(a)〜(e)を少なくとも一回繰り返す。
【0009】(4)試料中に含まれる少なくとも一つの
特定核酸配列の増幅方法であって、下記工程を含むこと
を特徴とする核酸配列の増幅方法。 操作(a):特定核酸配列の一部に相補的な第一オリゴ
ヌクレオチドおよび5’末端から3’末端に向って、順
次、特定核酸配列の他の一部に相補的な塩基配列Bと該
第一オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列Aを少なく
とも有する第二オリゴヌクレオチドを試料と混合して反
応させ、試料中の特定核酸配列に該第一オリゴヌクレオ
チドおよび該第二オリゴヌクレオチドをアニールさせ
る。 操作(b):操作(a)で得られたアニール物の第一オ
リゴヌクレオチドをプライマーとして、該アニール物の
第二オリゴヌクレオチドの5’末端までヌクレオチドの
伸長反応を行う。 操作(c):操作(b)で伸長生成したポリヌクレオチ
ドの3’末端を該アニール物の第二オリゴヌクレオチド
の5’末端と連結させる。 操作(d):操作(c)で連結した生成物を、それらが
合成された鋳型から分離し、単鎖分子を生成させる。お
よび 操作(e):操作(d)で生成した単鎖分子を鋳型と
し、かつ第一オリゴヌクレオチドをプライマーとして用
い、ヌクレオチド伸長生成物を合成させる。 操作(f):操作(e)で得られた増幅産物に、操作
(d)における合成された鋳型からの分離および操作
(e)における生成した単鎖分子を鋳型とし、第一オリ
ゴヌクレオチドをプライマーとするヌクレオチド伸長生
成物の合成を少なくとも一回繰返す。および 操作(g):操作(f)で得られた増幅産物に、上記操
作(a)〜(e)あるいは操作(a)〜(f)を少なく
とも一回繰り返す。
【0010】本発明の標的核酸配列を増幅するための試
薬キットは、上記第一オリゴヌクレオチドおよび/また
は第二オリゴヌクレオチド、連結酵素、核酸ポリメラー
ゼおよび/または逆転写酵素、4種のデオキシリボヌク
レオチド三リン酸、反応緩衝液を含有する。
【0011】また本発明の特定核酸配列の検出方法は、
上記第一オリゴヌクレオチドおよび/または第二オリゴ
ヌクレオチドを標識した第一オリゴヌクレオチドおよび
/または第二オリゴヌクレオチドを用い、上記操作
(a)(b)(c)(d)および(e)、または操作
(a)(b)(c)(d)(e)および/または
(f)、または操作(a)(b)(c)(d)(e)お
よび(f’)を実施した後、該標識を測定することによ
り、標的核酸配列を検出することを特徴とする。さらに
本発明の特定核酸配列の検出方法は、上記第一オリゴヌ
クレオチドおよび/または第二オリゴヌクレオチドを用
い、上記操作(a)(b)(c)(d)および(e)、
または操作(a)(b)(c)(d)(e)および
(f)、または操作(a)(b)(c)(d)(e)お
よび(f’)を実施した後、生成物に検出されるべき配
列および/またはその変異体とハイブリダイズすること
ができる標識されたオリゴヌクレオチドプオーブを加
え、標的核酸配列を検出することを特徴とする。
【0012】また本発明の特定核酸配列を検出するため
の試薬キットは、上記第一オリゴヌクレオチドおよび/
または第二オリゴヌクレオチドを標識した第一オリゴヌ
クレオチドおよび/または第二オリゴヌクレオチド、連
結酵素、核酸ポリメラーゼおよび/または逆転写酵素、
4種のデオキシヌクレオチド三リン酸、反応緩衝液、お
よび標識を検出する系を含む。さらに本発明の特定核酸
配列を検出するための試薬キットは、上記第一オリゴヌ
クレオチドおよび/または第二オリゴヌクレオチド、連
結酵素、核酸ポリメラーゼおよび/または逆転写酵素、
4種のデオキシヌクレオチド三リン酸、反応緩衝液、標
識されたオリゴヌクレオチドプローブおよび標識を検出
する系を含む。
【0013】本発明において、操作(f’)で使用され
る第一オリゴヌクレオチドおよび/又は第二オリゴヌク
レオチドは、第一回の操作(a)で使用された第一オリ
ゴヌクレオチドおよび/又は第二オリゴヌクレオチドと
異なっていてもよい。また、操作(g)で使用される第
一オリゴヌクレオチドおよび/又は第二オリゴヌクレオ
チドは、第1回の操作(a)で使用された第一オリゴヌ
クレオチドおよび/又は第二オリゴヌクレオチドと異な
っていてもよい。
【0014】本発明の第一オリゴヌクレオチドは、試料
中の特定核酸の一部に相補的な塩基配列を有すればよ
く、構造、長さは制限されない(図2の2参照)。一般
的にその長さが6〜100 ヌクレオチド、好ましくは10〜
30ヌクレオチドであるものが使用される。本発明の第二
オリゴヌクレオチドは、5’末端から3’末端に向っ
て、特定核酸の他の一部に相補的な塩基配列と第一オリ
ゴヌクレオチドに相補的な塩基配列を順次有する(図2
の3参照)。特定核酸の一部である第一オリゴヌクレオ
チドに相補的部分が、特定核酸の他の一部である第二オ
リゴヌクレオチドに相補的な部分より3’末端側に存在
するように、第一オリゴヌクレオチドおよび第二オリゴ
ヌクレオチドを選択する。そして上記第一オリゴヌクレ
オチドを伸長して、第二オリゴヌクレオチドの3’末端
とその伸長生成物の5’末端が連結されるように設計す
れば、その構造、長さは制限されない。一般的に、特定
核酸の他の一部に相補的な塩基配列の長さは、6〜100
ヌクレオチド、好ましくは10〜30ヌクレオチドの長さが
使用される。本発明の第二オリゴヌクレオチドは、特定
核酸の他の一部に相補的な塩基配列と第一オリゴヌクレ
オチドに相補的な塩基配列との間に、所望によりスペー
サーを設けることも可能である。このスペーサーは一般
的に1〜100 個、好ましくは1〜20個のヌクレオチドで
あればよい。 これらのオリゴヌクレオチドは、例えば
ABI 社(Applied Biosystems Inc. )のDNAシンセサ
イザー391 型を用いてホスホアミダイト法により合成で
きる。他にもリン酸トリエステル法、H-ホスホネート
法、チオホスファイト法等いかなる方法で合成してもよ
い。また、生物学的起源、例えば制限エンドヌクレアー
ゼ消化物から単離してもよい。第二オリゴヌクレオチド
の5’末端には,リン酸基を付加しておくことが好まし
い。リン酸基の付加は、例えばATPの存在下でT4ポ
リヌクレオチドキナーゼにより行うことができる。
【0015】本発明の理解のため図2に本発明の原理を
模式的に示した。この図に基づいて、以下本発明を説明
する。尚、図中1は特定核酸配列、2は第一オリゴヌク
レオチド、3は第二オリゴヌクレオチドを示す。 操作(a):特定核酸配列に第一オリゴヌクレオチドと
第二オリゴヌクレオチドを同時に又は別々にアニールさ
せる。本発明では、第二オリゴヌクレオチドは、第一オ
リゴヌクレオチドの3’下流側にアニールするように設
計しておく必要がある。特定核酸配列が二重鎖の場合は
加熱、アルカリ処理、酸処理などにより変性して一本鎖
としておく。加熱変性は例えば80〜105 ℃で1〜5分間
処理することで実施できる。アルカリ処理は例えば、0.
2 〜1規定のNaOH存在下で1〜30分処理し、等量のHCl
で中和して用いることができる。酸処理は例えば0.01〜
1規定のHCl 存在下で1〜30分処理しNaOHで中和して用
いることができる。他の方法として酵素的に鎖分解を行
なうこともできる。アニールは第一オリゴヌクレオチド
および第二オリゴヌクレオチドについて、各々、好まし
くは最大のアニール選択性をもたらすように、選択され
た温度において行われる。一般的には特定核酸配列と第
一オリゴヌクレオチドおよび第二オリゴヌクレオチドが
それぞれ特異的に結合し、且つミスマッチによる非特異
的結合が最小となるように、昇温させて行われる。通常
は30〜70℃付近でアニールさせるが特に限定されない。 操作(b):上記第一オリゴヌクレオチドをプライマー
として核酸ポリメラーゼを用いて核酸合成反応を行う。
当該操作は、例えばdNTP(dATP, dCTP, dGTP, dTTP の4
種のデオキシリボヌクレオチド) およびDNAポリメラ
ーゼ(例えば大腸菌(E.coli)DNA1A ポリメラーゼ、ク
レノウフラグメント(Klenow fragment)、T4 DNAポリメ
ラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、Thermus aquaticus DNA
ポリメラーゼ、Thermus thermophilus DNAポリメラーゼ
等又は逆転写酵素)を用いて、特定核酸を鋳型にして伸
長反応を行わせることによって行われる。上記方法は例
えばジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー
(Journal of Molecular Biology;56,341-361,1971.)
に記載されている。 操作(c):上記伸長反応が、操作(a)でアニールさ
せた第二オリゴヌクレオチドの5’末端まで進んだとこ
ろで第二オリゴヌクレオチドと連結させる。当該操作は
T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、大腸菌(E. coli)DNA
リガーゼ、Thermus thermophilus DNAリガーゼ等の連結
酵素を使用する方法が好ましい。 操作(d):操作(c)で得られた伸長、連結生成物を
変性させて単鎖とする。該操作において、変性は前記特
定核酸配列の変性と同様な方法により実施できるが、特
に加熱による変性が好ましい。 操作(e):上記単鎖、伸長、連結生成物を鋳型とし
て、第一オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて
核酸合成反応を行なう。
【0016】操作(d)における単鎖の生成および操作
(e)における第一オリゴヌクレオチドをプライマーと
する核酸合成を繰返すことにより、核酸の特定の配列を
簡便に大量に得ることができる。また操作(e)の生成
物および/又は操作(d)および操作(e)を繰返して
得られた増幅物を試料核酸として、操作(a)以降を行
なうことにより、より大量の増幅物を得ることができ
る。さらに操作(f’)で使用される第一オリゴヌクレ
オチドおよび/又は第二オリゴヌクレオチドは、第一回
の操作(a)で使用された第一オリゴヌクレオチドおよ
び/又は第二オリゴヌクレオチドと異なっていてもよ
い。さらに操作(g)で使用される第一オリゴヌクレオ
チドおよび/又は第二オリゴヌクレオチドは、第1回の
操作(a)で使用された第一オリゴヌクレオチドおよび
/又は第二オリゴヌクレオチドと異なっていてもよい。
この時、操作(e)の第一および/又は第二オリゴヌク
レオチドを異なるオリゴヌクレオチドに換えて行なうこ
とにより、より特異性の高い特定核酸配列の増幅物が得
られる。
【0017】本発明の特定核酸を検出する方法として
は、第一オリゴヌクレオチドおよび/又は第二オリトヌ
クレオチドに予め標識をつけておく方法、標識核酸プロ
ーブを用いて検出する方法などがある。第一オリゴヌク
レオチドおよび/又は第二オリゴヌクレオチドに予め標
識をつけておく方法では、放射性同位元素、酵素、蛍光
物質、発光物質、ビオチン、ハプテン等の公知の標識の
うち、オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションや
連結反応などに影響のない物質を用いることが好まし
い。これらの手法としては、連結反応における標識とし
て特開平2-2934号公報、伸長反応における標識として特
開平1-252300号公報に開示される方法などがある。これ
らの検出は一般的な手法による。標識核酸プローブを用
いる方法では、標識物として放射性同位元素、酵素、蛍
光物質、発光物質、ビオチン、ハプテン等を使用する。
【0018】
【発明の効果】本発明の増幅法によれば、第一オリゴヌ
クレオチドが特定核酸配列にアニールして伸長された
後、第二オリゴヌクレオチドと連結された場合にのみ増
幅反応が行われる。したがってオリゴヌクレオチドの塩
基配列による特異性と、伸長物とオリゴヌクレオチドが
連結される条件を満たす特異性の2つの特異性が要求さ
れ、それだけ非特異反応が抑制される。その上、操作
(d)および操作(e)の繰返し反応においては、第一
オリゴヌクレオチド1本をプライマーとして使用するた
め、ミスハイブリダイゼーションをした場合でも、非特
異物の顕著な増幅が行なわれないので高いS/N(Signal/
Noise)比が得られる。また伸長、連結反応は耐熱性D
NAポリメラーゼや耐熱性DNAリガーゼを用いて、反
応液の温度を変化させるだけで反応が進行し、簡便に増
幅を行なうことができる。さらに、本発明の増幅法はプ
ローブを使用する増幅方法に比して、ミスマッチや非特
異的ハイブリダイゼーションにより残存したプローブの
増幅がなく、S/N (Signal/Noise)比を増加させること
ができる。本発明の検出法によれば試料中の特定核酸配
列を有効に検出することができる。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の実施例及び比較例を示すこ
とによって、本発明の効果をより一層明確なものとする
が、これら実施例によって本発明の範囲は限定されな
い。 (参考例1) 各種オリゴヌクレオチドの合成 ABI 社DNA シンセサイザー391 型を用いて、ホスホアミ
ダイト法にて下記配列のオリゴヌクレオチドを各種合成
した。 1)第一オリゴヌクレオチド:本オリゴヌクレオチドは腸
炎ビブリオTDH(Thermostable Direct Haemolysin) 遺伝
子の483 番目から504 番目のヌクレオチド配列と相補的
な配列を有する(配列表1)。 2)第二オリゴヌクレオチド:本オリゴヌクレオチドは腸
炎ビブリオTDH(Thermostable Direct Haemolysin) 遺伝
子の52番目から78番目のヌクレオチド配列と相補的な配
列、スペーサー、第一オリゴヌクレオチドと相補的な配
列を有する(配列表2)。また、5'末端にリン酸基が結
合している。 3)第三オリゴヌクレオチド:本オリゴヌクレオチドは腸
炎ビブリオTDH(Thermostable Direct Haemolysin) 遺伝
子の400 番目から421 番目のヌクレオチド配列と相補的
な配列を有する(配列表3)。 4)第四オリゴヌクレオチド:本オリゴヌクレオチドは腸
炎ビブリオTDH(Thermostable Direct Haemolysin) 遺伝
子の 144番目から 170番目のヌクレオチド配列と相補的
な配列、スペーサー、第三オリゴヌクレオチドと相補的
な配列を有する(配列表4)。また、5'末端にリン酸基
が結合している。 5)第五オリゴヌクレオチド:本オリゴヌクレチドは、腸
炎ビブリオTDH(Thermostable Direct Hemolycin) 遺
伝子の 103番目から 126番目の配列に相補的なオリゴヌ
クレオチドプローブ(24mer)(配列表5)である。また、
必要により5'末端のリン酸基は32P 標識されている。
【0020】手法はABI 社マニュアルに従い、0.2 μM
スケールで実施した。各種オリゴヌクレオチドの脱保護
はアンモニア水で55℃で一夜実施した。精製はファルマ
シア社製FPLCで逆相カラムにて実施した。なお合成した
オリゴヌクレオチドは必要により以下の方法で5'末端に
リン酸基を結合させた。 オリゴヌクレオチド 5 〜 20 pmoles 10× protruding end kinase buffer 10 μl 1 mM ATP 1 μl T4 polynucleotide kinase (東洋紡製) 10 単位 水を加えて全量を100 μl として、37℃で1 時間反応さ
せる。 ここで 10 × protruding end kinase buffer とは 0.5M Tris-HCl(pH8.0) 0.1M MgCl2 0.1M 2-メルカプトエタノール を示す。
【0021】(実施例1) 特定核酸の増幅方法 操作(a) 参考例1 の第一オリゴヌクレオチド40pmol、第二オリゴ
ヌクレオチド0.4pmol、TDH 産性腸炎ビブリオの培養菌
体から分離、部分精製したゲノム核酸1ng および100pg
とを共に20μl の反応液に加えた。94℃に5 分間保った
後、50℃に2分間保温し、アニールさせた。 反応液 10 mM Tris-HCl(pH 8.9) 1.5 mM MgCl2 80 mM KCl 500μg/ml BSA 0.1% コール酸ナトリウム 0.1% TritonX-100 2 mM ATP,GTP,CTP,TTP 100 μM NAD 操作(b) 上記反応液に、Tth DNA ポリメラーゼ(東洋紡製)4単
位、耐熱性 DNAリガーゼ(EPICENTRE TECHNOLOGIES) 10
0 単位を加え、65℃で2分間保温した後、50℃で3分間
保温して、オリゴヌクレオチドの伸長、連結反応を行な
った。 操作(c) 操作(b) でえられた伸長、連結反応生成物を鋳型とし
て、以下の増幅サイクルにより増幅反応を実施した。 増幅サイクル 変性 94℃ 60秒 アニール 50℃ 120秒 伸長反応 75℃ 90秒 サイクル数 30回 操作(d) その後、アガロースゲルで電気泳動し、エチジウムブロ
マイド染色法により合成されたDNA を確認した(図
3)。結果は480mer付近にDNA が合成されていた。これ
は、第一オリゴヌクレオチドが伸長し、第二オリゴヌク
レオチドと連結され、この伸長、連結生成物を鋳型とし
てDNA 分子が合成されたことを示している。
【0022】(実施例2) 増幅産物からの特定核酸の増幅方法 操作(a) 参考例1 の第三オリゴヌクレオチド40pmol、第四オリゴ
ヌクレオチド0.4pmol、実施例1 で得られた増幅産物を1
0万倍に希釈したもの1 μl および0.1 μl とを 共に2
0μl の反応液に加えた。94℃に5 分間保った後、50℃
に2分間保温し、アニールさせた。 反応液 10 mM Tris-HCl(pH 8.9) 1.5 mM MgCl2 80 mM KCl 500μg/ml BSA 0.1% コール酸ナトリウム 0.1% TritonX-100 2 mM ATP,GTP,CTP,TTP 100 μM NAD 操作(b) 上記反応液に、Tth DNA ポリメラーゼ(東洋紡製)4単
位、耐熱性 DNAリガーゼ(EPICENTRE TECHNOLOGIES) 10
0 単位を加え、65℃で2分間保温した後、50℃で3分間
保温して、オリゴヌクレオチドの伸長、連結反応を行な
った。 操作(c) 操作(b) でえられた伸長、連結反応生成物を鋳型とし
て、以下の増幅サイクルにより増幅反応を実施した。 増幅サイクル 変性 94℃ 60秒 アニール 50℃ 120秒 伸長反応 75℃ 90秒 サイクル数 30回 操作(d) その後、アガロースゲルで電気泳動し、エチジウムブロ
マイド染色法により合成されたDNA を確認した(図
4)。結果は305mer付近にDNA が合成されていた。これ
は、第三オリゴヌクレオチドが伸長し、第四オリゴヌク
レオチドと連結され、この伸長、連結生成物を鋳型とし
てDNA 分子が合成されたことを示している。
【0023】(実施例3)実施例1の操作(d)で得ら
れたアガロースゲルの増幅生成部を、サザンブロット法
によりナイロン膜Hybond-n (Amwesherm 社製) 上に転写
した。ナイロン膜を 6×SSC, 5×デーンハート液、 1mM
EDTA 、10μl の煮沸したサケ精液DNA(平均 500塩基)
を含む液 100μl 中で60℃、 1時間プレハイブリダイズ
した後、上記液に参考例 1で調製した第五オリゴヌクレ
オチドの 5' 末端リン酸基を32P 標識したプローブを加
え、60℃で 1時間ハイブリダイズした。60℃の 6×SSC
中出ナイロン膜を充分洗浄した後、乾燥させた。X線フ
ィルム(New AIF RX 富士写真工業製) を密着させ、 -80
℃で一昼夜感光させた。結果は、エチジウムブロマイド
染色法により認められたDNA と同じ場所に、フィルムが
感光していた。これはエチジウムブロマイド染色法によ
り認められたDNA が、標的核酸を正確に増幅した生成物
であることを示している。また、微量の標的核酸を容易
に検出できたことを示す (図5)。
【0024】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..22 特徴を決定した方法:S 他の特徴:腸炎ビブリオTDH(Thermostable Direct Haem
olysin) 遺伝子の483番目から504 番目のヌクレオチド
配列と相補的な配列を有する。 配列 ACTACCACTC TCATATGCTT CT 22
【0025】配列番号:2 配列の長さ:54 配列の型:核酸 トポロジー:一本鎖 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..27 特徴を決定した方法:S 他の特徴:腸炎ビブリオTDH(Thermostable Direct Haem
olysin) 遺伝子の52番目から78番目のヌクレオチド配列
と相補的な配列を有する。 存在位置:28..32 他の特徴:スペーサー 存在位置:33..54 他の特徴:第一オリゴヌクレオチドと相補的な配列を有
する。 配列 CTCAAAAGCA GATGTTTTGA ATGCAGCAAA AAAGAAGCAT ATGAGAGTGG TAGT 54
【0026】配列番号:3 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..22 特徴を決定した方法:S 他の特徴:腸炎ビブリオTDH(Thermostable Direct Haem
olysin) 遺伝子の400番目から421 番目のヌクレオチド
配列と相補的な配列を有する。 配列 CTTCACCAAC AAAGTTAGCT AC 22
【0027】配列番号:4 配列の長さ:54 配列の型:核酸 トポロジー:一本鎖 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..27 特徴を決定した方法:S 他の特徴:腸炎ビブリオTDH(Thermostable Direct Haem
olysin) 遺伝子の144番目から170 番目のヌクレオチド
配列と相補的な配列を有する。 存在位置:28..32 他の特徴:スペーサー 存在位置:33..54 他の特徴:第三オリゴヌクレオチドと相補的な配列を有
する。 配列 ACATTGACCG GAGCTTGGGT ATTAAAAAAA AAGTAGCTAA CTTTGTTGGT GAAG 54
【0028】配列番号:5 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 存在位置:1..24 特徴を決定した方法:S 他の特徴:腸炎ビブリオTDH(Thermostable Direct Haem
olysin) 遺伝子の 103番目から 126番目のヌクレオチド
配列と相補的な配列を有する。 配列 AAACAATATC TCATCAGAAC CGGG 24
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオリゴヌクレオチドの一例を示した図
である。
【図2】本発明の原理を模式的に示した図である。
【図3】実施例1において合成されたDNA の電気泳動パ
ターンを示す。
【図4】実施例2において合成されたDNA の電気泳動パ
ターンを示す。
【図5】実施例3において感光したX線フィルムの感光
パターンを示す。感光部は、実施例1のエチジウムブロ
マイド染色法により認められたDNA と同じ部分を示す。
【符号の説明】
図1中、Aは特定核酸配列の一部に相同な塩基配列、B
は該特定核酸配列の一部の3'下流の配列に相補的な塩基
配列である。 図2中、1は特定核酸、2は第一オリゴヌクレオチド、
3は第二オリゴヌクレオチドを指す。 図3中、レーン1はマーカー、2、3、4はそれぞれ実
施例1の核酸試料1ng、100pg 、0gに対応している。 図4中、レーン1はマーカー、2、3、4および5はそ
れぞれ実施例1の増幅産物、実施例2の核酸試料 1μl
、0.1 μl および 0μlに対応している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/68 C12N 15/09 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) WPI(DIALOG)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中に含まれる少なくとも一つの特定
    核酸配列の増幅方法であって、下記操作を含むことを特
    徴とする核酸配列の増幅方法。 操作(a):特定核酸配列の一部に相補的な第一オリゴ
    ヌクレオチドおよび5’末端から3’末端に向って、順
    次、特定核酸配列の他の一部に相補的な塩基配列Bと該
    第一オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列Aを少なく
    とも有する第二オリゴヌクレオチドを試料と混合して反
    応させ、試料中の特定核酸配列に該第一オリゴヌクレオ
    チドおよび該第二オリゴヌクレオチドをアニールさせ
    る。 操作(b):操作(a)で得られたアニール物の第一オ
    リゴヌクレオチドをプライマーとして、該アニール物の
    第二オリゴヌクレオチドの5’末端までヌクレオチドの
    伸長反応を行う。 操作(c):操作(b)で伸長生成したポリヌクレオチ
    ドの3’末端を該アニール物の第二オリゴヌクレオチド
    の5’末端と連結させる。 操作(d):操作(c)で連結した生成物を、それらが
    合成された鋳型から分離し、単鎖分子を生成させる。お
    よび 操作(e):操作(d)で生成した単鎖分子を鋳型と
    し、かつ第一オリゴヌクレオチドをプライマーとして用
    い、ヌクレオチド伸長生成物を合成させる。
  2. 【請求項2】 試料中に含まれる少なくとも一つの特定
    核酸配列の増幅方法であって、下記工程を含むことを特
    徴とする核酸配列の増幅方法。 操作(a):特定核酸配列の一部に相補的な第一オリゴ
    ヌクレオチドおよび5’末端から3’末端に向って、順
    次、特定核酸配列の他の一部に相補的な塩基配列Bと該
    第一オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列Aを少なく
    とも有する第二オリゴヌクレオチドを試料と混合して反
    応させ、試料中の特定核酸配列に該第一オリゴヌクレオ
    チドおよび該第二オリゴヌクレオチドをアニールさせ
    る。 操作(b):操作(a)で得られたアニール物の第一オ
    リゴヌクレオチドをプライマーとして、該アニール物の
    第二オリゴヌクレオチドの5’末端までヌクレオチドの
    伸長反応を行う。 操作(c):操作(b)で伸長生成したポリヌクレオチ
    ドの3’末端を該アニール物の第二オリゴヌクレオチド
    の5’末端と連結させる。 操作(d):操作(c)で連結した生成物を、それらが
    合成された鋳型から分離し、単鎖分子を生成させる。お
    よび 操作(e):操作(d)で生成した単鎖分子を鋳型と
    し、かつ第一オリゴヌクレオチドをプライマーとして用
    い、ヌクレオチド伸長生成物を合成させる。および 操作(f):操作(e)で得られた増幅産物に、操作
    (d)における合成された鋳型からの分離および操作
    (e)における生成した単鎖分子を鋳型とし、かつ第一
    オリゴヌクレオチドをプライマーとするヌクレオチド伸
    長生成物の合成を少なくとも1回繰返す。
  3. 【請求項3】 試料中に含まれる少なくとも一つの特定
    核酸配列を増幅する方法であって、下記工程を含むこと
    を特徴とする核酸配列の増幅方法。 操作(a):特定核酸配列の一部に相補的な第一オリゴ
    ヌクレオチドおよび5’末端から3’末端に向って、順
    次、特定核酸配列の他の一部に相補的な塩基配列Bと該
    第一オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列Aを少なく
    とも有する第二オリゴヌクレオチドを試料と混合して反
    応させ、試料中の特定核酸配列に該第一オリゴヌクレオ
    チドおよび該第二オリゴヌクレオチドをアニールさせ
    る。 操作(b):操作(a)で得られたアニール物の第一オ
    リゴヌクレオチドをプライマーとして、該アニール物の
    第二オリゴヌクレオチドの5’末端までヌクレオチドの
    伸長反応を行う。 操作(c):操作(b)で伸長生成したポリヌクレオチ
    ドの3’末端を該アニール物の第二オリゴヌクレオチド
    の5’末端と連結させる。 操作(d):操作(c)連結した生成物を、それらが合
    成された鋳型から分離し、単鎖分子を生成させる。およ
    び 操作(e):操作(d)で生成した単鎖分子を鋳型と
    し、かつ第一オリゴヌクレオチドをプライマーとして用
    い、ヌクレオチド伸長生成物を合成させる。および 操作(f’):操作(e)で得られた増幅産物に、上記
    操作(a)〜(e)を少なくとも1回繰り返す。
  4. 【請求項4】 試料中に含まれる少なくとも一つの特定
    核酸配列を増幅する方法であって、下記工程を含むこと
    を特徴とする核酸配列の増幅方法。 操作(a):特定核酸配列の一部に相補的な第一オリゴ
    ヌクレオチドおよび5’末端から3’末端に向って、順
    次、特定核酸配列の他の一部に相補的な塩基配列Bと該
    第一オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列Aを少なく
    とも有する第二オリゴヌクレオチドを試料と混合して反
    応させ、試料中の特定核酸配列に該第一オリゴヌクレオ
    チドおよび該第二オリゴヌクレオチドをアニールさせ
    る。 操作(b):操作(a)で得られたアニール物の第一オ
    リゴヌクレオチドをプライマーとして、該アニール物の
    第二オリゴヌクレオチドの5’末端までヌクレオチドの
    伸長反応を行う。 操作(c):操作(b)で伸長生成したポリヌクレオチ
    ドの3’末端を該アニール物の第二オリゴヌクレオチド
    の5’末端と連結させる。 操作(d):操作(c)で連結した生成物を、それらが
    合成された鋳型から分離し、単鎖分子を生成させる。お
    よび 操作(e):操作(d)で生成した単鎖分子を鋳型と
    し、かつ第一オリゴヌクレオチドをプライマーとして用
    い、ヌクレオチド伸長生成物を合成させる。 操作(f):操作(e)で得られた増幅産物に、操作
    (d)における合成された鋳型からの分離および操作
    (e)における生成した単鎖分子を鋳型とし、かつ第一
    オリゴヌクレオチドをプライマーとするヌクレオチド伸
    長生成物の合成を少なくとも一回繰返す。および 操作(g):操作(f)で得られた増幅産物に、上記操
    作(a)〜(e)あるいは操作(a)〜(f)を少なく
    とも一回繰り返す。
  5. 【請求項5】 操作(f’)で使用される第一オリゴヌ
    クレオチドおよび/又は第二オリゴヌクレオチドが、第
    一回の操作(a)で使用された第一オリゴヌクレオチド
    および/又は第二オリゴヌクレオチドと異なることを特
    徴とする請求項の核酸配列の増幅方法。
  6. 【請求項6】 操作(g)で使用される第一オリゴヌク
    レオチドおよび/又は第二オリゴヌクレオチドが、第1
    回の操作(a)で使用された第一オリゴヌクレオチドお
    よび/又は第二オリゴヌクレオチドと異なることを特徴
    とする請求項の核酸配列の増幅方法。
  7. 【請求項7】 特定核酸配列の一部に相補的な第一オリ
    ゴヌクレオチドおよび5’末端から3’末端に向って、
    順次、特定核酸配列の他の一部に相補的な塩 基配列Bと
    該第一オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列Aを少な
    くとも有する第二オリゴヌクレオチド、連結酵素、核酸
    ポリメラーゼおよび/または逆転写酵素、4種のデオキ
    シヌクレオチド三リン酸、および反応緩衝液を含有する
    ことを特徴とする標的核酸を増幅するための試薬キッ
    ト。
  8. 【請求項8】 特定核酸配列の一部に相補的な第一オリ
    ゴヌクレオチドおよび5’末端から3’末端に向って、
    順次、特定核酸配列の他の一部に相補的な塩基配列Bと
    該第一オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列Aを少な
    くとも有する第二オリゴヌクレオチドを標識した第一オ
    リゴヌクレオチドおよび第二オリゴヌクレオチドを用
    い、請求項記載の操作(a)(b)(c)(d)およ
    び(e)、または請求項記載の操作(a)(b)
    (c)(d)(e)および/または(f)、または請求
    記載の操作(a)(b)(c)(d)(e)および
    (f’)を実施した後、該標識を測定することにより、
    標的核酸配列を検出することを特徴とする核酸配列の検
    出方法。
  9. 【請求項9】 特定核酸配列の一部に相補的な第一オリ
    ゴヌクレオチドおよび第二オリゴヌクレオチドを標識し
    た第一オリゴヌクレオチドおよび5’末端から3’末端
    に向って、順次、特定核酸配列の他の一部に相補的な塩
    基配列Bと該第一オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配
    列Aを少なくとも有する第二オリゴヌクレオチドを用
    い、請求項記載の操作(a)(b)(c)(d)およ
    び(e)、または請求項2記載の操作(a)(b)
    (c)(d)(e)および(f)、または請求項3記載
    の操作(a)(b)(c)(d)(e)および(f’)
    を実施した後、生成物に検出されるべき配列および/ま
    たはその変異体とハイブリダイズすることができる標識
    されたオリゴヌクレオチドプーブを加え、標的核酸配
    列を検出することを特徴とする核酸配列の検出方法。
  10. 【請求項10】 特定核酸配列の一部に相補的な第一オ
    リゴヌクレオチドおよび5’末端から3’末端に向っ
    て、順次、特定核酸配列の他の一部に相補的な塩基配列
    Bと該第一オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列Aを
    少なくとも有する第二オリゴヌクレオチドを標識した第
    一オリゴヌクレオチドおよび第二オリゴヌクレオチド、
    連結酵素、核酸ポリメラーゼおよび/または逆転写酵
    素、4種のデオキシヌクレオチド三リン酸、反応緩衝
    液、および標識を検出する系を含むことを特徴とする標
    的核酸を検出するための試薬キット。
  11. 【請求項11】 特定核酸配列の一部に相補的な第一オ
    リゴヌクレオチドおよび5’末端から3’末端に向っ
    て、順次、特定核酸配列の他の一部に相補的な塩基配列
    Bと該第一オリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列Aを
    少なくとも有する第二オリゴヌクレオチド、連結酵素、
    核酸ポリメラーゼおよび/または逆転写酵素、4種のデ
    オキシヌクレオチド三リン酸、反応緩衝液、標識された
    オリゴヌクレオチドプローブおよび標識を検出する系を
    含む標的核酸配列を検出するための試薬キット。
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