JP3108625B2 - 蛍光ガラス線量計測定装置および測定方法 - Google Patents

蛍光ガラス線量計測定装置および測定方法

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JP3108625B2
JP3108625B2 JP5406396A JP5406396A JP3108625B2 JP 3108625 B2 JP3108625 B2 JP 3108625B2 JP 5406396 A JP5406396 A JP 5406396A JP 5406396 A JP5406396 A JP 5406396A JP 3108625 B2 JP3108625 B2 JP 3108625B2
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radiation exposure
glass element
radiation
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和彦 杉本
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旭テクノグラス株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受けた放射線の量
に応じた蛍光を発する蛍光ガラス素子を利用して、放射
線被ばく線量を測定する蛍光ガラス線量計測定装置及び
測定方法に係り、特に、個々の蛍光ガラス素子の感度特
性の相違に基づく誤差を補正することにより、測定精度
の向上を図った蛍光ガラス線量測定装置及び測定方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉、加速器、X線発生器、ラジオア
イソトープ利用設備等を使用する際には、放射線管理に
万全を期し、これらの設備の利用者の安全を十分に確保
する必要がある。このため、このような放射線利用設備
においては、放射線を吸収する線量計を利用者各人が作
業中に携行し、あるいは設備内の各所に配置し、これら
の線量計から検出される放射線被ばく線量がどの程度の
ものであるか、そしてその量は基準値以下であったかが
線量計測定装置により常に統一的に管理されている。
【0003】かかる線量計測定装置として従来から使用
されているものに、蛍光ガラス線量計測定装置がある。
これは、放射線が照射された蛍光ガラス素子を紫外線で
励起すると、受けた放射線量に比例した蛍光を発する性
質を利用して、放射線被ばく線量を測定する装置であ
る。
【0004】このような蛍光ガラス線量計測定装置の一
例を、図4、図5に従って以下に説明する。まず、利用
者に携行される蛍光ガラス線量計を説明する。すなわ
ち、平板状の蛍光ガラス素子1は、インナーフレーム2
とアウターフレーム3から成るホルダー5によって保持
されている。アウターフレーム3には、蛍光ガラス素子
1からの蛍光出射用の窓3aが形成されるとともに、他
の蛍光ガラス素子1との識別用の識別コード4が付設さ
れている。そして、ホルダー5の一側面には、内部の蛍
光ガラス素子1への紫外線入射用の開口部5aが形成さ
れている。
【0005】このように蛍光ガラス素子1を収容したホ
ルダー5は、ロワーハウジング6とアッパーハウジング
7から成るカプセル8内に装填され、蛍光ガラス線量計
として作業者に携行される構成となっている。なお、か
かる蛍光ガラス線量計は、設備内の各所に設置すること
も可能である。
【0006】一方、蛍光ガラス線量計の放射線被ばく線
量を測定する測定装置は、蛍光を電気信号に変換して蛍
光量を検出する検出装置、識別コード4を読み取るコー
ド読取装置、前記検出装置により検出された蛍光量に基
づいて放射線被ばく線量を測定する演算処理回路、識別
コード4及び放射線被ばく線量の測定値を記録する記憶
装置等により構成されている。
【0007】以上のような蛍光ガラス線量計測定装置に
よる放射線被ばく線量の測定方法を説明する。まず、放
射線利用設備内の作業員が上記のような蛍光ガラス線量
計を携行すると、内部の蛍光ガラス素子1が放射線を受
ける。そして、作業後に、蛍光ガラス線量計を所定の測
定位置に配置すると、コード読取装置によって識別コー
ド4が読み取られ、記憶装置に記憶される。次に、ホル
ダー5の開口部5aを介して、その内部の蛍光ガラス素
子1に対して紫外線が照射される。この紫外線の照射
は、一般には、窒素ガスレーザ装置によってパルス発振
されたレーザ光から、フィルタを介して取り出された紫
外線パルスを用いて行われる。
【0008】このように紫外線パルスが照射された蛍光
ガラス素子1からは、放射線被ばく線量に応じた蛍光パ
ルスがアウターフレーム3の窓3aを介して出射する。
この蛍光パルスは、検出装置によってその強度に応じた
電気的パルスに変換され、演算処理回路に出力される。
演算処理回路においては、入力された電気的パルスに応
じて放射線被ばく線量が測定される。測定された放射線
被ばく線量は、対応する識別コード4に関連づけられて
記憶装置に記録される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように蛍光ガラス線量計に収容される個々の蛍光ガラス
素子1は、それぞれの製造工程やガラス組成などによっ
て、測定時の感度特性が微妙に異なる。従って、全く同
一量の放射線を受けた蛍光ガラス素子1であっても、紫
外線励起によって発生する蛍光量が異なることになり、
測定装置における放射線被ばく線量の測定値の誤差につ
ながる。
【0010】これに対処するため、従来から、あらかじ
め測定用の個々の蛍光ガラス素子1に対応する感度補正
係数を設定し、この感度補正係数によって測定値を補正
することが行われている。
【0011】このような補正を可能とする蛍光ガラス線
量計測定装置の一例として、本出願人により特許第18
07401号に示すものが提案されている。この従来技
術は、ある製造ロットにおける基準となる蛍光ガラス素
子の感度を1.000として、これと同一の製造ロット
に属する蛍光ガラス素子の感度補正係数を、以下のよう
に算出するものである。すなわち、基準となる蛍光ガラ
ス素子と、これと同一の製造ロットに属する実測用の蛍
光ガラス素子とに同一の放射線を照射し、それぞれの蛍
光量を測定する。そして、実測用の蛍光ガラス素子の測
定値をA、基準となる蛍光ガラス素子の測定値をBとし
た場合、感度補正係数はA/Bとして算出され、識別コ
ードに関連づけられて記憶装置に記憶される。
【0012】次に、当該実測用の蛍光ガラス素子に対し
て加熱による再生処理が施された後、この実測用の蛍光
ガラス素子を収容した蛍光ガラス線量計が作業員により
携行される。作業後の実測用の蛍光ガラス素子の放射線
被ばく線量の測定は、上記のように演算処理回路によっ
て行われるが、その際、当該実測用の蛍光ガラス素子の
識別コードに対応した感度補正係数に基づいて測定値が
補正される。
【0013】以上のような測定値の補正方法によれば、
実測用の蛍光ガラス素子の感度特性と、これと同一製造
ロットの基準となる蛍光ガラス素子の感度特性との差を
補正することは可能である。しかし、個々の実測用の蛍
光ガラス素子が実際に受けた放射線量と、当該実測用の
蛍光ガラス素子に基づいて測定される放射線被ばく線量
との間に生ずる絶対的な誤差は必ずしも補正されない。
【0014】また、各製造ロットごとの蛍光ガラス素子
の感度補正係数は、製造者側が管理することになるの
で、以上のように算出される感度補正係数を使用者が独
自に管理することができない。
【0015】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたものであり、その主たる目
的は、基準となる蛍光ガラス素子を用いることなく、実
測用の蛍光ガラス素子の放射線被ばく線量の測定値を正
確に補正することができ、高精度の放射線被ばく線量の
測定が可能な蛍光ガラス線量計測定装置を提供すること
である。
【0016】本発明の他の目的は、基準となる蛍光ガラ
ス素子を用いることなく、実測用の蛍光ガラス素子の放
射線被ばく線量の測定値を正確に補正することができ、
高精度の放射線被ばく線量の測定が可能な蛍光ガラス線
量計測定方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、放射線の照射を受けた蛍
光ガラス素子が、紫外線照射により励起されて発生する
蛍光量を検出する検出手段と、前記検出手段によって検
出された蛍光量に基づいて、前記蛍光ガラス素子が受け
た放射線被ばく線量を測定する放射線被ばく線量測定手
段とを有する蛍光ガラス線量計測定装置において、前記
蛍光ガラス素子が実際に受けた放射線量と、前記放射線
被ばく線量測定手段によって測定される放射線被ばく線
量との差を補正する感度補正係数を、個々の蛍光ガラス
素子ごとに算出する感度補正係数算出手段と、前記感度
補正係数に基づいて、前記放射線被ばく線量測定手段に
よって測定される放射線被ばく線量を補正する補正手段
とを備えたことを特徴とする。
【0018】以上のような請求項1記載の発明では、他
に基準となる蛍光ガラス素子を用いることなく、感度補
正係数算出手段によって、個々の蛍光ガラス素子ごとに
感度補正係数を算出する。そして、この感度補正係数に
基づいて、補正手段によって放射線被ばく線量の測定値
を実際に受けた放射線量に補正するので、高精度の放射
線被ばく線量の測定が可能となる。
【0019】請求項2記載の発明は、請求項1記載の蛍
光ガラス線量計測定装置において、前記感度補正係数算
出手段は、量の明らかな基準放射線を照射した後におけ
る前記蛍光ガラス素子の基準放射線被ばく線量から、前
記蛍光ガラス素子の初期放射線被ばく線量を差し引き、
差し引いた値と前記基準放射線量との比から感度補正係
数を算出する手段であり、前記補正手段は、前記被測定
現場におかれた後の前記蛍光ガラス素子の放射線被ばく
線量から、前記蛍光ガラス素子に再生処理を施した後の
初期放射線被ばく線量を差し引き、差し引いた値と前記
感度補正係数とに基づいて、前記被測定現場において前
記蛍光ガラス素子が受けた放射線量を算出する手段であ
ることを特徴とする。
【0020】以上のような請求項2記載の発明では、蛍
光ガラス素子の初期放射線被ばく線量と、基準放射線照
射後の当該蛍光ガラス素子の基準放射線被ばく線量と、
当該基準放射線量とに基づいて、感度補正係数算出手段
によってあらかじめ感度補正係数を算出しておく。従っ
て、他に基準となる蛍光ガラス素子を用いることなく、
感度補正係数の算出を個々の蛍光ガラス素子ごとに行う
ことが可能となる。
【0021】そして、被測定現場におかれた後の当該蛍
光ガラス素子の放射線被ばく線量と、当該蛍光ガラス素
子に再生処理を施した後の初期放射線被ばく線量と、前
記感度補正係数とに基づいて、補正手段によって最終的
な放射線被ばく線量を算出する。従って、放射線被ばく
線量の測定値を、被測定現場において実際に受けた放射
線量に補正することができ、高精度の放射線被ばく線量
の測定が可能となる。
【0022】請求項3記載の発明は、放射線の照射を受
けた蛍光ガラス素子を紫外線で励起し、この際に前記蛍
光ガラス素子の蛍光検出面から発生する蛍光量に基づい
て、前記蛍光ガラス素子の放射線被ばく線量を測定する
蛍光ガラス線量計測定方法において、前記蛍光ガラス素
子が実際に受けた放射線量と、放射線被ばく線量の測定
値との差を補正する感度補正係数を、個々の蛍光ガラス
素子ごとに算出し、前記感度補正係数に基づいて、前記
放射線被ばく線量の測定値を補正することを特徴とす
る。
【0023】以上のような請求項3記載の発明では、他
に基準となる蛍光ガラス素子を用いることなく、個々の
蛍光ガラス素子ごとに感度補正係数を算出する。そし
て、この感度補正係数に基づいて、放射線被ばく線量の
測定値を実際に受けた放射線量に補正するので、高精度
の放射線被ばく線量の測定が可能となる。
【0024】請求項4記載の発明は、放射線の照射を受
けた蛍光ガラス素子を紫外線で励起し、この際に前記蛍
光ガラス素子の蛍光検出面から発生する蛍光量に基づい
て、前記蛍光ガラス素子の放射線被ばく線量を測定する
蛍光ガラス線量計測定方法において、前記蛍光ガラス素
子の初期放射線被ばく線量を測定し、前記蛍光ガラス素
子に対して、量の明らかな基準放射線を照射し、前記基
準放射線照射後における前記蛍光ガラス素子の基準放射
線被ばく線量を測定し、前記基準放射線被ばく線量から
前記初期放射線被ばく線量を差し引き、差し引いた値と
前記基準放射線量との比から、感度補正係数を算出し、
前記蛍光ガラス素子に再生処理を施し、前記再性処理後
の初期放射線被ばく線量を測定し、前記蛍光ガラスを被
測定現場におき、前記被測定現場におかれた後の前記蛍
光ガラスの放射線被ばく線量を測定し、前記被測定現場
におかれた後の前記蛍光ガラスの放射線被ばく線量か
ら、前記再生処理後の初期放射線被ばく線量を差し引
き、差し引いた値と前記感度補正係数とに基づいて、前
記被測定現場において前記蛍光ガラス素子が受けた放射
線量を算出することを特徴とする。
【0025】以上のような請求項4記載の発明では、蛍
光ガラス素子の初期放射線被ばく線量と、基準放射線照
射後の当該蛍光ガラス素子の基準放射線被ばく線量と、
当該基準放射線量とに基づいて、あらかじめ感度補正係
数を算出しておく。従って、他に基準となる蛍光ガラス
素子を用いることなく、感度補正係数の算出を個々の蛍
光ガラス素子ごとに行うことが可能となる。
【0026】そして、被測定現場におかれた後の当該蛍
光ガラス素子の放射線被ばく線量と、当該蛍光ガラス素
子に再生処理を施した後の初期放射線被ばく線量と、前
記感度補正係数とに基づいて、最終的な放射線被ばく線
量を算出する。従って、放射線被ばく線量の測定値を、
被測定現場において実際に受けた放射線量に補正するこ
とができ、高精度の放射線被ばく線量の測定が可能とな
る。
【0027】
【発明の実施の形態】請求項1及び請求項2記載の発明
に対応する一つの実施の形態を、図面に従って以下に説
明する。なお、本実施の形態の蛍光ガラス線量計測定装
置は、請求項1及び請求項2記載の発明に対応し、本実
施の形態の作用は、請求項3及び請求項4記載の発明に
対応するものである。また、本実施の形態において、請
求項1及び請求項2記載の検出手段は検出装置、放射線
被ばく線量測定手段は放射線被ばく線量測定部、感度補
正係数算出手段は感度補正係数算出部、補正手段は補正
部とする。 (1)実施の形態の構成 まず、本実施の形態の構成を説明する。すなわち、蛍光
ガラス線量計は、図4、図5に示す従来技術と同様に、
蛍光ガラス素子1がホルダー5によって保持され、この
ホルダー5がカプセル8に収容可能に設けられている。
【0028】一方、蛍光ガラス線量計測定装置は、図1
に示すように、搬送装置9、コード読取装置10、検出
装置11、演算処理回路12、記憶装置13、表示装置
14、プリンタ15、入力装置16によって構成されて
いる。搬送装置9は、測定対象である蛍光ガラス線量計
を測定位置にまで搬送する装置であり、コード読取装置
10は、搬送装置9によって搬送中の蛍光ガラス線量計
の識別コード4を読み取り、記憶装置13に出力するも
のである。また、検出装置11は、蛍光ガラス素子1の
蛍光パルスを電気パルス信号に変換して蛍光量を検出す
る装置であり、光電子倍増管等の光電変換素子によって
構成されている。
【0029】演算処理回路12は、前記検出装置11に
よって検出された蛍光量に基づいて放射線被ばく線量を
測定する放射線被ばく線量測定部12aと、感度補正係
数を算出する感度補正係数算出部12bと、その感度補
正係数に基づいて放射線被ばく線量を補正する補正部1
2cとを有する。また、記憶装置13は、前記コード読
取装置10により送られる識別コードと、この識別コー
ドに対応した感度補正係数及び放射線被ばく線量が記録
される装置である。さらに、表示装置14は、演算処理
回路12によって測定された放射線被ばく線量等を表示
するCRT等のディスプレイである。なお、この放射線
被ばく線量は、プリンタ15からも出力可能な構成とな
っている。そして、以上の装置の管理は、キーボード等
の入力装置16によって行われる。 (2)実施の形態の作用 以上のような構成を有する本実施の形態の作用を、
「放射線被ばく線量の測定作業」、「放射線被ばく線
量の補正作業」とに分けて以下に説明する。
【0030】放射線被ばく線量の測定作業 本実施の形態においては、次に説明する「放射線被ばく
線量の補正作業」を行うために、同一の蛍光ガラス線量
計の放射線被ばく線量の測定を、放射線照射条件を変え
て複数回行うことが必要となる。
【0031】そこで、まず、上記複数回の放射線被ばく
線量の測定に共通する作業手順を、図2の流れ図に従っ
て以下に説明する。すなわち、蛍光ガラス線量計を搬送
装置9にセットすると(ステップ201)、搬送装置9
が蛍光ガラス線量計を測定位置に搬送する過程でコード
読取装置10によって識別コード4が読み取られる(ス
テップ202)。なお、この識別コード4は、初めの測
定作業の際には記憶装置13に記録されるが、次回の測
定作業の際には、既に記録された識別コード4と照合さ
れることとなる。
【0032】そして、測定位置まで搬送されたホルダー
5内の蛍光ガラス素子1に対して、窒素ガスレーザ装置
によって紫外線パルスが照射される(ステップ20
3)。このように紫外線パルスが照射された蛍光ガラス
素子1からは、放射線被ばく線量に応じた蛍光パルスが
出射される(ステップ204)。この蛍光パルスは、検
出装置11によってその強度に応じた電気的パルスに変
換されて検出され、演算処理回路12に入力される(ス
テップ205)。演算処理回路12の放射線被ばく線量
測定部12aにおいては、入力された電気的パルスに応
じて、放射線被ばく線量が測定される(ステップ20
6)。
【0033】放射線被ばく線量の補正作業 次に、本実施の形態によって感度補正係数を算出し、こ
の感度補正係数に基づいて放射線被ばく線量の補正を行
う手順を、図3の流れ図に従って以下に説明する。ま
ず、使用される蛍光ガラス素子1は、あらかじめ加熱に
より再生処理が施され、放射線の照射前の初期状態にさ
れる(ステップ301)。そして、この初期状態の蛍光
ガラス素子1の初期放射線被ばく線量H1oが、図2に
示した測定手順に従って測定され、識別コード4に関連
付けられて記憶装置13に記録される(ステップ30
2)。次に、当該蛍光ガラス素子1に対して、照射線量
H1uの明らかな放射線が照射され(ステップ30
3)、照射後の蛍光ガラス素子1の基準放射線被ばく線
量H1が、図2の測定手順に従って測定される(ステッ
プ304)。
【0034】感度補正係数算出部12bにおいては、こ
の基準放射線被ばく線量H1から初期放射線被ばく線量
H1が差し引かれ、差し引いた放射線被ばく線量の値と
入力装置16によって入力される照射線量H1uとの比
から、感度補正係数nbが算出される(ステップ30
5)。この感度補正係数nbは、識別コード4に関連付
けて記録される。このような感度補正係数nbの計算式
を、以下の式1に示す。
【0035】
【数1】 nb=H1u/(H1−H1o) …式1 以上のように感度補正係数nbが算出された蛍光ガラス
素子1は、再び再生処理が施され(ステップ306)、
図2の測定手順に従って初期放射線被ばく線量H2oが
測定され、識別コード4に関連付けられて記憶装置13
に記録される(ステップ307)。
【0036】次に、当該蛍光ガラス素子1を収容した蛍
光ガラス線量計を作業員が携帯するか、もしくは設備内
の各所に設置する(ステップ308)。その後、当該蛍
光ガラス素子1の放射線被ばく線量H2が、図2の測定
手順に従って測定される(ステップ309)。そして、
補正部12cにおいて、この放射線被ばく線量H2から
再生処理後の初期放射線被ばく線量H2oを差し引き、
差し引いた放射線被ばく線量に感度補正係数nbを乗じ
ることにより感度補正が行われ、最終的な補正放射線被
ばく線量Hが算出される(ステップ310)。この補正
放射線被ばく線量Hを求める計算式を、以下の式2に示
す。
【0037】
【数2】 H=(H2−H2o)×nb …式2 以上のように算出された補正放射線被ばく線量Hは、識
別コード4に関連付けられて記憶装置13に記録される
とともに、表示装置14に表示される。また、必要に応
じて、プリンタ15により出力される。 (3)実施の形態の効果 以上のような本実施の形態の効果は以下の通りである。
すなわち、あらかじめ個々の蛍光ガラス素子1のみで算
出した感度補正係数nbによって、当該蛍光ガラス素子
1が実際に受けた放射線量と、当該蛍光ガラス素子1に
基づいて算出される放射線被ばく線量との間に生ずる誤
差を補正することができるので、基準となる蛍光ガラス
素子を別個に用いることなく、蛍光ガラス素子1の放射
線被ばく線量を高精度に算出することができる。
【0038】また、基準となる蛍光ガラス素子1が不要
となるので、測定者側が独自に個々の蛍光ガラス素子1
の感度補正係数を管理することができる。 (4)他の実施の形態 本発明は上記のような実施の形態に限定されるものでは
なく、各構成部材の種類等は適宜変更可能である。例え
ば、演算処理回路12を構成する放射線被ばく線量測定
部12a、感度補正係数算出部12b及び補正部12c
は、単独の又は別個の専用回路によって実現することも
でき、ソフトウェアの形式でコンピュータ上に実現する
ことも可能である。
【0039】そして、検出装置11に用いる光電変換素
子としては、光電子増倍管に限定されるものではなく、
フォトダイオード等の他の素子も適用可能である。記憶
装置13としては、フロッピーディスク等を用いる磁気
記録装置、光ディスク等を用いる光学磁気記録装置など
様々なものが適用可能である。さらに、表示装置14と
してはCRTに限らず、液晶のディスプレイ等も適用可
能であり、プリンタ15及び入力装置16の種類も自由
に選択可能である。
【0040】また、感度補正係数算出部12b及び補正
部12cにおいて行われる計算式も、上記実施の形態に
限定されるものではなく、適宜変更可能である。例え
ば、感度補正係数算出部12bによる感度補正係数nb
´の算出式を以下の式3とし、補正部12cによる補正
放射線被ばく線量Hの算出式を以下の式4とすると、上
記実施の形態と同様に補正放射線被ばく線量Hを求める
ことができる。
【0041】
【数3】 nb´=(H1−H1o)/H1u …式3
【0042】
【数4】 H=(H2−H2o)×1/nb´ …式4
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基準となる蛍光ガラス素子を用いることなく、実測用の
蛍光ガラス素子の放射線被ばく線量の測定値を正確に補
正することができ、高精度の放射線被ばく線量の測定が
可能な蛍光ガラス線量計測定装置を提供することができ
る。
【0044】また、本発明によれば、基準となる蛍光ガ
ラス素子を用いることなく、実測用の蛍光ガラス素子の
放射線被ばく線量の測定値を正確に補正することがで
き、高精度の放射線被ばく線量の測定が可能な蛍光ガラ
ス線量計測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光ガラス線量計測定装置の一つの実
施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施の形態による放射線被ばく線量の測
定手順を示す流れ図である。
【図3】図1の実施の形態による放射線被ばく線量の補
正手順を示す流れ図である。
【図4】一般的な蛍光ガラス線量計のホルダーを示す分
解斜視図である。
【図5】図1のホルダーを収容するカプセル状の蛍光ガ
ラス線量計を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1…蛍光ガラス素子 2…インナーフレーム 3…アウターフレーム 3a…窓 4…識別コード 5…ホルダー 5a…開口部 6…ロワーハウジング 7…アッパーハウジング 8…カプセル 9…搬送装置 10…コード読取装置 11…検出装置 12…演算処理回路 12a…放射線被ばく線量測定部 12b…感度補正係数算出部 12c…補正部 13…記憶装置 14…表示装置 15…プリンタ 16…入力装置

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線の照射を受けた蛍光ガラス素子
    が、紫外線照射により励起されて発生する蛍光量を検出
    する検出手段と、前記検出手段によって検出された蛍光
    量に基づいて、前記蛍光ガラス素子が受けた放射線被ば
    く線量を測定する放射線被ばく線量測定手段とを有する
    蛍光ガラス線量計測定装置において、 前記蛍光ガラス素子が実際に受けた放射線量と、前記放
    射線被ばく線量測定手段によって測定される放射線被ば
    く線量との差を補正する感度補正係数を、個々の蛍光ガ
    ラス素子ごとに算出する感度補正係数算出手段と、 前記感度補正係数に基づいて、前記放射線被ばく線量測
    定手段によって測定される放射線被ばく線量を補正する
    補正手段とを備えたことを特徴とする蛍光ガラス線量計
    測定装置。
  2. 【請求項2】 前記感度補正係数算出手段は、量の明ら
    かな基準放射線を照射した後における前記蛍光ガラス素
    子の基準放射線被ばく線量から、前記蛍光ガラス素子の
    初期放射線被ばく線量を差し引き、差し引いた値と前記
    基準放射線量との比から感度補正係数を算出する手段で
    あり、 前記補正手段は、前記被測定現場におかれた後の前記蛍
    光ガラス素子の放射線被ばく線量から、前記蛍光ガラス
    素子に再生処理を施した後の初期放射線被ばく線量を差
    し引き、差し引いた値と前記感度補正係数とに基づい
    て、前記被測定現場において前記蛍光ガラス素子が受け
    た放射線量を算出する手段であることを特徴とする請求
    項1記載の蛍光ガラス線量計測定装置。
  3. 【請求項3】 放射線の照射を受けた蛍光ガラス素子を
    紫外線で励起し、この際に前記蛍光ガラス素子の蛍光検
    出面から発生する蛍光量に基づいて、前記蛍光ガラス素
    子の放射線被ばく線量を測定する蛍光ガラス線量計測定
    方法において、 前記蛍光ガラス素子が実際に受けた放射線量と、放射線
    被ばく線量の測定値との差を補正する感度補正係数を、
    個々の蛍光ガラス素子ごとに算出し、 前記感度補正係数に基づいて、前記放射線被ばく線量の
    測定値を補正することを特徴とする蛍光ガラス線量計測
    定方法。
  4. 【請求項4】 放射線の照射を受けた蛍光ガラス素子を
    紫外線で励起し、この際に前記蛍光ガラス素子の蛍光検
    出面から発生する蛍光量に基づいて、前記蛍光ガラス素
    子の放射線被ばく線量を測定する蛍光ガラス線量計測定
    方法において、 前記蛍光ガラス素子の初期放射線被ばく線量を測定し、 前記蛍光ガラス素子に対して、量の明らかな基準放射線
    を照射し、 前記基準放射線照射後における前記蛍光ガラス素子の基
    準放射線被ばく線量を測定し、 前記基準放射線被ばく線量から前記初期放射線被ばく線
    量を差し引き、差し引いた値と前記基準放射線量との比
    から、感度補正係数を算出し、 前記蛍光ガラス素子に再生処理を施し、 前記再性処理後の初期放射線被ばく線量を測定し、 前記蛍光ガラスを被測定現場におき、 前記被測定現場におかれた後の前記蛍光ガラスの放射線
    被ばく線量を測定し、 前記被測定現場におかれた後の前記蛍光ガラスの放射線
    被ばく線量から、前記再生処理後の初期放射線被ばく線
    量を差し引き、差し引いた値と前記感度補正係数とに基
    づいて、前記被測定現場において前記蛍光ガラス素子が
    受けた放射線量を算出することを特徴とする蛍光ガラス
    線量計測定方法。
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