JP3108034B2 - 嵩高絹複合糸の製造方法 - Google Patents

嵩高絹複合糸の製造方法

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JP3108034B2 JP09110082A JP11008297A JP3108034B2 JP 3108034 B2 JP3108034 B2 JP 3108034B2 JP 09110082 A JP09110082 A JP 09110082A JP 11008297 A JP11008297 A JP 11008297A JP 3108034 B2 JP3108034 B2 JP 3108034B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣料のうち主とし
てハイグレード外衣分野に用いられる原糸特に春夏物と
して好適な嵩高絹複合糸の製造方法に関する。
【0002】従来、絹糸を嵩高加工する方法として、例
えば、繰糸浴の繭玉から繰糸した濡れた状態の生糸と他
の糸(例えばポリエステルマルチフィラメント、毛紡績
糸)を一緒にタスランノズルに通す方法(特開昭60−
155708号公報)、生糸に糸条擦過部(例えばナイ
フエッジ)を通過させる方法(特開平2−47323号
公報)、生糸を精練後加撚−熱セット−反対方向に加撚
と同程度の解撚を行う方法(特開平4−228642号
公報)などが試みられた。また、極一部の外衣分野の原
糸として従来からの屑繭や副蚕糸を原料とした絹紡績糸
がそのまま又は生糸と交織して用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来方法の原糸として生糸を用いる場合のうち、繰糸
浴の繭玉から繰糸した濡れた状態の生糸と他の糸によっ
て嵩高加工する方法では、嵩高加工ノズルに水滴が付着
し生糸中のセリシンや短繊維が水滴と混合して糊化して
固まり、糸道を塞ぎ円滑な糸の通過を妨げ、糸切れを多
発することとなり、実質的に生産困難である。又、繰糸
浴からの蒸気発生はさらに加工雰囲気の条件を悪化せし
める。又、加工後の糸は、嵩高発現が十分でない。一
方、従来からの絹紡績糸をそのまま用いる方法では、絹
は羊毛のようにスケールやクリンプがなく糸層内部に空
隙が少なく、このため織物は厚地になるほど膨らみがな
く、重く偏平で硬い風合となる。また、糸に毛羽が少な
く、糸面が滑らかなため、仕立て上がりの製品は、膨ら
みがなく偏平な布地使用のためまろやかな丸みが少なか
った。本発明は、上記従来方法の有する課題を解決して
絹100%の素材を用いているにも拘らず、嵩高で適度
の毛羽を有しながら糸表面が滑らかさを保ち、張り、腰
及びシャリ感を合わせ持つハイグレード外衣分野に用い
られる原糸特に春夏物向け紳士、婦人服分野に好適な嵩
高絹複合糸及びその効率良く製造可能な製造方法を得る
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を得るため、請
求項1の発明にあっては、実質的に密閉されたチャンバ
ー内のいずれかの面よりサクション空気を排出し、少な
くとも前記チャンバー内に固設された空気噴射加工装置
の糸入口近傍に実質的に流線が到達し堆積する屑を吹飛
ばし可能に調節された清掃用空気を噴射しつつ、自然乾
燥状態にある加撚された複数本の生糸と加撚された複数
本の絹紡績糸とを引揃えた原糸を前記空気噴射加工装置
に供給して外部より導入された噴射空気の旋回流により
嵩高加工し、前記空気噴射加工装置の糸出口を出て前記
チャンバー外に送出され巻取られて嵩高加工絹糸を得、
次いで前記嵩高加工絹糸に追撚を掛ける嵩高絹複合糸の
製造方法により解決した。
【0005】請求項2の発明にあっては、請求項1に記
載の嵩高絹複合糸の製造方法において、複数本の生糸は
上撚撚係数10〜70及び複数本の絹紡績糸は上撚撚係
数30〜100の範囲で加撚されている嵩高絹複合糸の
製造方法とするのが好ましい。請求項3の発明にあって
は、請求項1又は2に記載の嵩高絹複合糸の製造方法に
おいて、追撚撚係数を80〜150の範囲とする嵩高絹
複合糸の製造方法とするのが好ましい。請求項4の発明
にあっては、原糸の供給速度は嵩高加工絹糸の送出速度
に対しオーバーフィード比を5%以下とした請求項1〜
3のいずれかに記載の嵩高絹複合糸の製造方法とするの
が好ましい。請求項5の発明にあっては、清掃用空気の
流線が実質的に清掃用空気ノズルを頂点とする円錐形を
なし頂角10度〜45度の範囲にある請求項1〜4のい
ずれかに記載の嵩高絹複合糸の製造方法とするのが好ま
しい。請求項6の発明にあっては、原糸の空気噴射加工
装置への供給は、空気噴射加工装置の糸入口までは生糸
と絹紡績糸を分離状態とし該糸入口において合わせる請
求項1〜5のいずれかに記載の嵩高絹複合糸の製造方法
とするのが好ましい。
【0006】本発明に用いる原糸としては、絹紡績糸と
生糸を引揃えて用いられる。絹紡績糸としては、通常の
絹紡績糸であればよく、複数本の撚糸で番手に制限はな
く、上撚撚係数は30〜100とするのが好ましい。生
糸としては、通常の生糸であればよく、複数本の撚糸で
デニールに制限はなく、上撚撚係数は10〜70とする
のが好ましい。空気噴射加工装置によって得られた嵩高
加工絹糸に加える追撚は特に限定はなく使用目的に合わ
せて選択されるが、通常追撚撚係数は80〜150とす
るのが好ましい。絹紡績糸、生糸共湿潤状態でなく自然
乾燥状態に置かれ、標準状態において公定水分率11%
前後を基準とするのが好ましい。これは、空気噴射加工
装置による嵩高加工を円滑ならしめるためである。本発
明に用いる空気噴射加工装置としては、例えば特公昭3
4−8969号公報、特公昭35−6684号公報記載
のものと同様に、走行する原糸に高圧空気の噴射旋回流
を加えることにより嵩高加工を行うという基本原理に基
づく型式であれば採択可能である。原糸の供給速度は嵩
高加工絹糸の送出速度に対し通常オーバーフィード比を
5%以下にとるのが好ましく、特に1.5〜2.5とす
るのが好ましい。オーバーフィード比をこれより大きく
とると、過大なループが発生し均整な太さでなくなり、
外観が損なわれ不安定となり、糸足が短くなり生産性が
低下する。清掃用空気の流線は発生する屑の吹飛ばしが
できる範囲であればよいが、通常円錐形とし頂角が10
度〜45度が好ましく、特に15度〜40度にとるのが
好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の嵩高絹複合糸の製造方法
に用いる装置の実施の形態を図面を参照しながら説明す
る。図1において、一対のチャンバー供給口21、2
1、チャンバー排出口22及び点検口(図示省略)以外
密閉した箱状のチャンバー16内に空気噴射加工装置1
が固設されている。空気噴射加工装置1は例えば図2に
示す通りである。すなわち、正面図(a)において、方
形のボデー5に埋設されたパイプ材40によって一方の
側面(本図では右)位置に糸入口2が設けられ、糸入口
2の対向するボデー5の他方の側面(本図では左)位置
に糸出口3が設けられ、糸入口2から糸入口路7及び糸
出口3から糸出口路8がそれぞれ同心でボデー5の内部
に延び、ボデー5の内部に刻設された糸入口路7及び糸
出口路8の断面より大径のリング状の空気旋回溝6を左
右に横切ってそれぞれ糸出口路8及び糸入口路7が連設
され、パイプ材40が空気旋回溝6を横切る位置に複数
の噴射空気流入小孔41が穿設されている。(以下の説
明において、本図の左側を前、右側を後とする)。一
方、ボデー5の下面に穿設された噴射空気入口4から鉛
直方向に噴射空気路9が延び、空気旋回溝6の下端部に
連通しているが、噴射空気路9先端部は、空気旋回溝6
の下端部手前で前寄りに僅かに向けられている。噴射空
気入口4にはチャンバー16外より端末にコンプレッサ
ーなどの圧縮空気源が繋がれた噴射空気輸送管10が延
び連通されている。
【0008】チャンバー16内で糸入口2の下方位置に
清掃用空気ノズル11が設けられ、チャンバー16外よ
り端末にコンプレッサーなどの圧縮空気源が繋がれた清
掃用空気輸送管12が延び先端に清掃用空気ノズル11
に連通されている。清掃用空気輸送管12の経路途中に
は空気量調節用のコック(図示省略)が介在されてい
る。チャンバー16の下底面にサクション空気取入口1
4が穿設され、チャンバー16外の端末にファンなどの
空気吸引源が繋がれたサクション空気輸送管15に連通
されている。
【0009】チャンバー16外上方において、複数本が
加撚された絹紡績糸Aをコーン状に巻取った巻取管18
a及び複数本が加撚された生糸Bをコーン状に巻取った
巻取管18bが架台FF上に装着されたペッグ13、1
3に挿着され、絹紡績糸A及び生糸Bは巻取管18a及
び巻取管18bから引出され引揃えられて逐次ガイド1
9、19、カッター29、29、原糸引出しローラー2
0a、20b、及び糸切検知用センサー兼ガイド24
a、24aを経て、チャンバー16上面に穿設されたチ
ャンバー供給口21、21から原糸17としてチャンバ
ー16内に導入可能とされている。ここで、カッター2
9、29は糸切検知用センサー24a、24a及び24
bでの糸切れ検知により電気的に作動可能とされてい
る。原糸17は空気噴射加工装置1によって嵩高加工さ
れ嵩高加工絹糸25となる。チャンバー16の側面に穿
設されたチャンバー排出口22からチャンバー16外に
出た嵩高加工絹糸25は、加工絹糸送出しローラー2
3、糸切検知用センサー兼ガイド24b及び左右に往復
動するトラバースガイド28を経て表面に接触する巻取
ドラム26の回転によってチーズ27に巻取可能とされ
ている。チャンバー供給口21、21及びチャンバー排
出口22には通過する原糸17及び嵩高加工絹糸25と
の耐摩耗性保持のため表面鍍金金属材又はセラミック被
覆材等を用いるのが好ましい。
【0010】本発明の嵩高絹複合糸の製造方法に用いる
装置は、上記説明したものに限定されない。空気噴射加
工装置1とチャンバー16を中部としてペッグ13、1
3回りと巻取ドラム26回りの各装置の位置関係を上下
逆としてもよい。チャンバー供給口21、21は、絹紡
績糸A及び生糸Bを分離した状態で空気噴射加工装置の
糸入口2まで供給してから合わせることとしているが、
これは望ましい選択的構成である。サクション空気取入
口14は、チャンバー16の側面に設けてもよいが、図
1に示す如く下底面に穿設するのが最も吸引効率がよ
い。又複数個のチャンバー16を隣り合うチャンバー1
6の側面同志を固着または共用して連結し、隣り合うチ
ャンバー16の側面の下部を切り欠いて通気可能とし、
複数個のチャンバー16に共用のサクション空気取入口
14を設けてもよいが、この場合2個のチャンバー16
を共用とするのが吸引バランス上望ましい。又、嵩高加
工絹糸25に加える追撚には、通常リング撚糸機、アッ
プツイスター等が用いる。
【0011】次に、本発明の嵩高絹複合糸の製造方法の
実施の形態を図1、2を参照しながら説明する。原糸1
7を形成する巻取管18a及び巻取管18bに巻かれた
自然乾燥状態の加撚された複数本の絹紡績糸A及び生糸
Bは、原糸引出しローラー20a、20bの駆動によっ
て供給し解舒され、ガイド19、19、カッター29、
29、原糸引出しローラー20a、20b及び糸切検知
用センサー兼ガイド24a、24aを経て原糸17とし
て、原糸供給方向Xに、チャンバー供給口21、21か
らチャンバー16内に導入され、チャンバー16内の空
気噴射加工装置1のボデー5の糸入口2から糸入口路
7、空気旋回溝6、糸出口路8及び糸出口3を通過中に
嵩高加工され糸出口3を出た直後に進路をほぼ直角に曲
げられ、チャンバー16外の加工絹糸送出しローラー2
3の駆動によって、チャンバー16内を進行するが、加
工絹糸送出しローラー23の送出表面速度よりも原糸引
出しローラー20bの供給表面速度を僅かに大きいオー
バーフィードとしてあるので、糸が弛緩して空隙、ケバ
を増大し、及び/又はループを発生するが、絹紡績糸A
の方が生糸Bより噴射する空気圧の影響を受け易く形状
変化が大きく嵩高に富むので、加撚された複数本の生糸
Bの開かれた撚り目間に加撚された複数本の絹紡績糸A
のケバ及び/又はループの一部を挟込んだ嵩高加工絹糸
25が得られる。原糸引出しローラー20a、20bは
通常同一表面速度とするのが好ましく、それにより供給
原糸17の供給を安定して行えるように作用する。チャ
ンバー供給口21、21は通常一対設けて、絹紡績糸A
及び生糸Bを分離した状態でチャンバー16内に導入
し、空気噴射加工装置1の糸入口2に達してから合わせ
こととしているが、これにより嵩高加工前の絹紡績糸A
と生糸Bのランダムなねじれ合いを防止し、嵩高加工の
バラツキをなくすようにに作用する。糸切検知用センサ
ー兼ガイド24a、24aが絹紡績糸A及び/又は生糸
Bの切断又は異状を検知すると、カッター29、29が
同時に作動し、絹紡績糸A及び生糸Bを切断し、片切れ
状態で原糸17が供給されるのを阻止している。
【0012】嵩高加工絹糸25は、チャンバー16内を
進行した後、加工絹糸送出しローラー23の駆動によっ
てチャンバー排出口22からチャンバー16外に出て加
工絹糸排出方向Yに、加工絹糸送出しローラー23、糸
切検知用センサー兼ガイド24b及びトラバースガイド
28を経て巻取ドラム26の回転によってチーズ27に
巻取られる。チーズ27は、常法の例えばリング撚糸
機、アップツイスター等に仕掛けられて追撚を加えら
れ、嵩高絹複合絹糸が得られる。空気噴射加工装置1で
の嵩高加工は、ボデー5下面の噴射空気入口4にチャン
バー16外より端末に圧縮空気源が繋がれた噴射空気輸
送管10が連通され、噴射空気輸送方向Qに導入された
圧縮空気が、噴射空気入口4から噴射空気路9を経て空
気旋回溝6の下端部に達し前寄りに向けられた旋回流と
して糸入口2から糸入口路7に導入された原糸17に対
して加えられ、その後空気旋回溝6から糸出口路8を経
て糸出口3から空気流と共にボデー5外に出た直後に進
路をほぼ直角に曲げられてオーバーフィードされ嵩高加
工絹糸25となる。糸切検知用センサー兼ガイド24b
が嵩高加工絹糸25の切断又は異状を検知すると、カッ
ター29、29が同時に作動し、絹紡績糸A及び生糸B
を切断して原糸17が供給されるのを阻止している。
【0013】一方、糸入口2の下方位置に設けられた清
掃用空気ノズル11にチャンバー16外より端末に圧縮
空気源が繋がれた清掃用空気輸送管12に連通され、圧
縮空気が清掃用空気輸送方向Pに導入され清掃用空気と
して空気噴射加工装置1の運転中少なくとも糸入口2近
傍に実質的に流線が到達可能に調節されて噴射されてい
る。この清掃用空気の調節は、図3において、圧縮空気
の圧力及び/又は流量、糸入口2から清掃用空気ノズル
11先端までの距離d、清掃用空気ノズル11の形状等
を選択組合わせて行うが、調節の目途として清掃用空気
ノズル11を頂点とする実質的に円錐形の清掃用空気の
流線が糸入口2近傍に到達し、空気噴射加工装置1の運
転中少なくとも糸入口2に時間の経過と共に停滞堆積す
る可能性のある短繊維、飛散綿等の風綿及びセリシン等
の屑を吹飛ばしてチャンバー16下方へ落下せしめこと
が必要である。積極的に発生する屑の吹飛ばしを行わな
いと、発生する特有の屑の粘着性のために容易且つ短時
間に糸入口2近傍に停滞堆積して運転継続が不可能とな
る。
【0014】また同時に、チャンバー16の下底面のサ
クション空気取入口14にチャンバー16外の端末に空
気吸引源が繋がれたサクション空気輸送管15が連通さ
れ、空気噴射加工装置1の運転中常時チャンバー16内
の空気を吸引し、前記清掃用空気ノズル11によって積
極的に吹飛ばされた屑並びにその他原糸17及び嵩高加
工絹糸25の通過過程で発生した風綿等をサクション空
気と共にサクション空気取入口14からサクション空気
輸送方向Rに移動させチャンバー16外に取出し、端末
の空気吸引源に連通されたフィルター例えばバッグフィ
ルター等を備えた集塵装置に収容する。チャンバー16
内の空気バランスは、入力の「噴射空気入口4からの噴
射空気+清掃用空気ノズル11からの清掃用空気」と出
力の「サクション空気取入口14からのサクション空
気」と「糸入口21、21及び糸出口22からの漏れ」
であり、通常サクション空気を僅かに多めにしてチャン
バー16内の汚れた空気が直接外部の漏洩しないように
している。
【0015】次に、本発明の嵩高絹複合糸の実施の形態
を図4を参照しながら説明する。図4(a)は供給原糸
の概略正面図で、(d)は(a)の概略断面図である。
加撚された複数本の単位絹紡績糸a1 、a2 よりなる絹
紡績糸Aと、加撚された複数本の単位生糸b1 、b2
3 よりなる生糸Bとが引揃えられた原糸17の空気噴
射加工装置1に導入される嵩高加工前の状態を示し、絹
紡績糸A及び生糸B共空隙、嵩は少なく、絹紡績糸Aの
表面のケバは短くて少ない。図4(b)は嵩高加工絹糸
25の概略正面図で、(e)は(b)の概略断面図であ
る。原糸17が空気噴射加工装置1により嵩高加工され
た後の状態を示し、嵩高加工では絹紡績糸Aの方が生糸
Bより噴射する空気圧の影響を受け易く形状変化が大き
い為にケバ及び/又はループが多く嵩高性に富むので、
複数本の単位生糸b1 、b2 、b3 よりなる生糸Bの開
かれた撚り目間に絹紡績糸Aのケバ及び/又はループの
一部が挟込まれ、そのまま空気噴射加工装置1から出た
後に生糸の撚り目が元に戻り、絹紡績糸Aのケバ及び/
又はループ端を撚り込み、絹紡績糸Aの残余のケバ及び
/又はループが原糸17より表面部に長くのび嵩高で、
絹紡績糸Aと生糸Bの分離が僅かに抑制された嵩高加工
絹糸25が得られる。図4(c)は嵩高絹複合糸30の
概略正面図で、(f)は(c)の概略断面図である。嵩
高加工絹糸25を常法によって追撚を掛けた後の状態を
示し、実質的に嵩高レベルの低い生糸Bの内層部を嵩高
レベルの高い絹紡績糸Aの外層部によって撚られて形成
された芯部と、生糸Bの単位生糸b1 、b2 、b3 の開
かれた撚り目間に挟込まれた絹紡績糸Aの一部のケバ及
び/又はループと、表面部に発現されている残余のケバ
及び/又はループとを有する嵩高絹複合糸30が得られ
る。追撚が加えられた嵩高絹複合糸30では、ケバ及び
/又はループは嵩高加工絹糸25に比し、やや短めにな
っている。
【0016】
【実施例】
[実施例1]番手EC140の絹紡績糸2本を上撚S方
向760T/mで加撚した絹紡績糸Aと、21中の生糸
4本を上撚S方向150T/mで加撚した生糸Bとを引
揃えて原糸17として前記した空気噴射加工装置1を用
い、嵩高絹紡糸送出しローラーの表面速度150m/
分、噴射空気の圧力4.0kg/cm3 、オーバーフィ
ード比1.7%の条件で嵩高加工絹糸25を得た。得ら
れた嵩高加工絹糸25にS方向800T/mの追撚を掛
けて実施例1の番手M/C57の本発明の嵩高絹複合糸
30を得た。この時チャンバー16は、11000cm
3 の箱形のものを2個隣接して設け、それぞれに1個づ
つの空気噴射加工装置1を設置し、糸入口2からd=6
cmの位置に上向きの清掃用空気ノズル11から円錐の
頂角θ=25度、圧力2kg/cm3 の加圧空気を実質
的に円錐形の清掃用空気の流線が糸入口近傍に到達する
ように常時噴射し、隣り合うチャンバー16の側面の下
部を切り欠いて通気可能とし共用のサクション空気取入
口を設け、空気噴射加工装置1台当たり2m3/分の空
気を常時サクションして風綿、セリシン等の屑をチャン
バー16外に排出した。
【0017】[実施例2]番手EC140の絹紡績糸2
本を上撚S方向760T/mで加撚した絹紡績糸Aと、
21中の生糸3本を上撚S方向200T/mで加撚した
生糸Bとを引揃えて原糸17として前記した空気噴射加
工装置1を用い、嵩高絹紡糸送出しローラーの表面速度
150m/分、噴射空気の圧力3.5kg/cm3 、オ
ーバーフィード比1.7%のその他は実施例1と同条件
で嵩高加工絹糸25を得た。得られた嵩高加工絹糸25
にS方向800T/mの追撚を掛けて実施例2の番手M
/C64の本発明の嵩高絹複合糸30を得た。
【0018】嵩高絹紡糸の性能を評価する為に、絹紡績
糸使い100%織物及び生糸絹紡績糸交織使い織物と実
施例1の嵩高絹複合糸使い織物をそれぞれ表1の条件で
平織に製織し、各織物を10人で各項目10点満点で採
点して平均し表2の総合得点が得られた。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】表2より実施例1の嵩高絹複合糸使い織物
は、比較した他の織物に比し、高い総合得点が得られ、
ハイグレード外衣分野特に春夏物向け紳士、婦人服分野
に好適であることを示している。
【0022】
【発明の効果】本発明の嵩高絹複合糸は、実質的に生糸
が内層部を形成し絹紡績糸が外層部を形成した芯部と、
ケバ及び/又はループが発現されている表面部とを有す
るので、絹100%の素材を用いているにも拘らず、嵩
高で適度の毛羽を有しながら糸表面が滑らかさを保ち、
張り、腰及びシャリ感を合わせ持つハイグレード外衣分
野に用いられる原糸として好適である。また本発明の製
造方法によれば、本発明の嵩高絹複合糸を効率よく製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の嵩高絹複合糸の製造方法に用いる装置
の一例を示す概略説明図である。
【図2】図1の装置に用いる空気噴射加工装置の一例を
示す(a)側面図、(b)正面図、(c)背面図、
(d)一部のパイプ材概略図である。
【図3】図1の装置に用いる清掃用空気ノズルの一例の
位置関係を示す概略説明図である。
【図4】本発明の嵩高絹複合糸についての(a)供給原
糸の概略正面図、(b)、嵩高加工絹糸の概略正面図、
(c)嵩高絹複合糸の概略正面図、(d)(a)の概略
断面図、(e)(b)の概略断面図、(f)(c)の概
略断面図である。
【符号の説明】
1 空気噴射加工装置 2 糸入口 3 糸出口 4 噴射空気入口 5 ボデー 6 空気旋回溝 7 糸入口路 8 糸出口路 9 噴射空気路 10 噴射空気輸送管 11 清掃用空気ノズル 12 清掃用空気輸送管 13 ペッグ 14 サクション空気取入口 15 サクション空気輸送管 16 チャンバー 17 原糸 18a、18b 巻取管 19 ガイド 20a、20b 原糸引出しローラー 21 チャンバー供給口 22 チャンバー排出口 23 嵩高加工絹糸送出しローラー 24a、24b センサー 25 嵩高加工絹糸 26 巻取ドラム 27 チーズ 28 トラバースガイド 29 カッター 30 嵩高絹複合糸 40 パイプ材 41 噴射空気流入小孔 d 距離 A 絹紡績糸 a1 、a2 単位絹紡績糸 B 生糸 b1 、b2 、b3 単位生糸 P 清掃用空気輸送方向 Q 噴射空気輸送方向 R サクション空気輸送方向 X 原糸供給方向 Y 加工絹糸排出方向 θ 頂角

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に密閉されたチャンバー内のいず
    れかの面よりサクション空気を排出し、少なくとも前記
    チャンバー内に固設された空気噴射加工装置の糸入口近
    傍に実質的に流線が到達し堆積する屑を吹飛ばし可能に
    調節された清掃用空気を噴射しつつ、自然乾燥状態にあ
    る加撚された複数本の生糸と加撚された複数本の絹紡績
    糸とを引揃えた原糸を前記空気噴射加工装置に供給して
    外部より導入された噴射空気の旋回流により嵩高加工
    し、前記空気噴射加工装置の糸出口を出て前記チャンバ
    ー外に送出され巻取られて嵩高加工絹糸を得、次いで前
    記嵩高加工絹糸に追撚を掛けることを特徴とする嵩高絹
    複合糸の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の嵩高絹複合糸の製造方
    法において、複数本の生糸は上撚撚係数10〜70及び
    複数本の絹紡績糸は上撚撚係数30〜100の範囲で加
    撚されていることを特徴とする嵩高絹複合糸の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の嵩高絹複合糸の
    製造方法において、追撚撚係数を80〜150の範囲と
    することを特徴とする嵩高絹複合糸の製造方法。
  4. 【請求項4】 原糸の供給速度は嵩高加工絹糸の送出速
    度に対しオーバーフィード比を5%以下としたことを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の嵩高絹複合糸
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 清掃用空気の流線が実質的に清掃用空気
    ノズルを頂点とする円錐形をなし頂角10度〜45度の
    範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の嵩高絹複合糸の製造方法。
  6. 【請求項6】 原糸の空気噴射加工装置への供給は、空
    気噴射加工装置の糸入口までは生糸と絹紡績糸を分離状
    態とし該糸入口において合わせることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれかに記載の嵩高絹複合糸の製造方法。
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