JP3107002B2 - 電界効果トランジスタとその製造方法 - Google Patents

電界効果トランジスタとその製造方法

Info

Publication number
JP3107002B2
JP3107002B2 JP09185196A JP18519697A JP3107002B2 JP 3107002 B2 JP3107002 B2 JP 3107002B2 JP 09185196 A JP09185196 A JP 09185196A JP 18519697 A JP18519697 A JP 18519697A JP 3107002 B2 JP3107002 B2 JP 3107002B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
recess
effect transistor
contact resistance
cap layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09185196A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1131700A (ja
Inventor
恭子 堀
和彦 恩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP09185196A priority Critical patent/JP3107002B2/ja
Priority to US09/113,325 priority patent/US6262444B1/en
Publication of JPH1131700A publication Critical patent/JPH1131700A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3107002B2 publication Critical patent/JP3107002B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Junction Field-Effect Transistors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、InGaAsをキ
ャップ層として有することができるリセス型化合物半導
体電界効果トランジスタの高耐圧化を目的としたリセス
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】リセス構造を有する電界効果トランジス
タの場合、保護膜形成やFET動作することにより表面
に電子がトラップされ、電界集中部分がゲートのドレイ
ン端から、急峻な角度を有するドレイン側のリセス端に
移動する。電界効果トランジスタにおいて、ゲート・ド
レイン間逆耐圧特性を決定する要因の一つに電界集中部
分からのアバランシェやトンネル電流が考えられる。従
って、上記の場合、逆耐圧値はリセス端、すなわちリセ
ス形状によって制限されることになる。
【0003】第9図にGaAsキャップ層を有する従来
の代表的なヘテロ接合FETの模式的構造を示す。図に
おいて、半絶縁性のGaAs基板91上に、アンドープ
GaAsバッファ層92、アンドープAl0.3Ga0.7
sヘテロバッファ層93、アンドープGaAs電子走行
層94、不純物ドープAl0.3Ga0.7電子供給層95、
不純物ドープGaAsコンタクト抵抗低減用キャップ層
96が、エピタキシャル成長法により、順次積層されて
いる。そして、該不純物ドープGaAsコンタクト抵抗
低減用キャップ層96をリセスエッチングにより削り、
該不純物ドープAl0.3Ga0.7電子供給層95の表面上
にゲート電極97が形成され、該キャップ層96上にソ
ースおよびドレイン電極98、99がそれぞれ設けられ
ている。第9図に示す従来構造のFETに電圧を印加し
た場合の電位分布を第10図(a)に、その時の耐圧特
性を第10図(b)示す。一般にFET動作をしている
場合、保護膜形成時やFET動作のため表面に電子がト
ラップされる等の理由により、電界集中部分はゲートの
ドレイン端よりもドレイン側に移動することは知られて
いる。
【0004】10図(a)に示すように、ドレイン側へ
移動した電位分布は、ゲート電極が配される不純物ドー
プAl0.3Ga0.7As電子供給層95の表面と、不純物
ドープGaAsコンタクト抵抗低減用キャップ層96の
側面から形成される鈍角または鋭角の角度を有するドレ
イン側のリセス端で集中する。従って、電位分布が大き
な決定要因となっている逆方向耐圧値はドレイン側のリ
セス端で決定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、第9、10
図に示すFETにおいては、ドレイン側のリセス端が鋭
角または鈍角の形状を有しているため、ドレイン側に移
動する電界分布がこの角度を有するリセス端で集中して
しまう。従って、このリセス端に於いてアバランシェ降
伏が発生して、逆方向耐圧値を決定してしまう。すなわ
ちコンタクト抵抗低減用キャップ層の側面とゲート電極
接触する半導体面から形成される角度を有するドレイン
側のリセス端で耐圧特性を制限してしまうという問題が
あった。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するために、
リセス形状を曲線状にして角度をなくすことにより、リ
セス端形状を原因とする電界集中の緩和、即ちアバラン
シェ降伏を抑制して、耐圧特性の向上を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明における電界効果
トランジスタ及びその製造法は下記の発明及び実施態様
によって構成される。
【0008】 化合物半導体基板の上方に電子走行層
および電子供給層が積層され、ゲート電極が装着される
半導体層上にコンタクト抵抗低減用キャップ層が積層さ
れ、該コンタクト抵抗低減用キャップ層上にソース電極
およびドレイン電極が形成され、該ソース・ドレイン電
極間の該コンタクト抵抗低減用キャップ層をエッチング
により除去した部分にゲート電極が形成されたりリセス
構造を有する電界効果トランジスタにおいて、該リセス
形状を形成するコンタクト抵抗低減用キャップ層が少な
くとも底部から表面側に向けてエッチングされ易い組成
となるような層を用いており、該コンタクト抵抗低減用
キャップ層を選択エッチングすることによりリセス端が
電界を集中しない形状に形成されることを特徴とする電
界効果トランジスタ。
【0009】 該リセス端が曲線状であることを特徴
とする記載の電界効果トランジスタ。
【0010】
【0011】 リセスエッチングの工程でエッチング
される又は記載の電界効果トライジスタにおけるコ
ンタクト抵抗低減用キャップ層が底部から表面側に向け
てIn組成が高くなっているInGaAsグレーディッ
ド層を用いることを特徴とする電界効果トランジスタ。
【0012】 リセスエッチングの工程でエッチング
される又は記載の電界効果トライジスタにおけるコ
ンタクト抵抗低減用キャップ層が底部から表面側に向け
てIn組成が高くなり、更に最表面近くで再びIn組成
が低くなるInGaAsグレーディッド層を用いること
を特徴とした電界効果トランジスタ。
【0013】 リセスエッチングの工程でエッチング
される又は記載の電界効果トライジスタにおけるコ
ンタクト抵抗低減用キャップ層が底部から表面側に向け
てIn組成が階段状に高くなっているInGaAs層を
用いることを特徴とする電界効果トランジスタ。
【0014】 リセスエッチングの工程でエッチング
される又は記載の電界効果トライジスタにおけるコ
ンタクト抵抗低減用キャップ層が底部から表面側に向け
てIn組成が高くなり、更に最表面近くで再びIn組成
が低くなるInGaAs層を用いることを特徴とする電
界効果トランジスタ。
【0015】 リセスエッチングの工程でエッチング
されるまたは記載の電界効果トライジスタにおける
コンタクト抵抗低減用キャップ層が底部から表面側に向
けて少なくともIn組成が高くっているInGaAsグ
レーディッド層または階段状にIn組成が変化する
の何れか記載のInGaAs層がエピタキシャル法に
より形成され、該エピタキシャル法により形成された該
InグレーディッドInGaAs層を、GaAsよりも
InAsの方がエッチンググレートが高い選択エッチン
グを用いることにより、リセスエッチング工程でリセス
端が電界を集中しない形状で形成されることを特徴とす
るリセス構造を有する電界効果トランジスタの製造方
法。
【0016】 リセスエッチングの工程でエッチング
されるまたは記載の電界効果トライジスタにおける
コンタクト抵抗低減用キャップ層が底部から表面側に向
けてIn組成が少なくとも高くなっているInGaAs
グレーディッド層または階段状にIn組成が変化する
の何れか記載のInGaAs層が、一回または複数
回のInイオン注入を施すことにより形成され、該イオ
ン注入により形成された該InグレーディッドInGa
As層を、GaAsよりもInAsの方がエッチンググ
レートが高い選択エッチングを用いることにより、リセ
スエッチング工程でリセス端が電界を集中しない形状で
形成されることを特徴とするリセス構造を有する電界効
果トランジスタの製造方法。
【0017】上記のように、リセス構造型化合物半導体
におけるリセス形状を形成するコンタクト抵抗低減用キ
ャップ層として、断面を図10で見た場合、リセル端の
形状が角度を持つと電界が集中するので、これを避ける
形状にすることが本発明の重要な構成であり、例えば曲
線状にすることによって目的は達成される。この構造に
する具体的方法は、リセスエッチングの工程でエッチン
グされるコンタクト抵抗低減用キャップ層が少なくとも
底部から表面側に向けてエッチングされ易い組成となる
ような層を用いることであり、例えば一つの実施態様と
して、該コンタクト抵抗低減用キャップ層底部から表面
側に向けてIn組成を高くし、必要により更に最上層近
くで再びIn組成を低くしたInグレーデッド層または
階段状にIn組成が変化するInGaAs層をエピタキ
シャル法によりまたはInのイオン注入により形成し、
更にこのInグレーデッド層をGaAsよりもInAs
の方がエッチングレートが高い選択エッチングを用いて
リセス端が曲線状に形成されることを特徴とするものが
挙げられる。
【0018】
【作用】本発明においては、例えばリセス構造型化合物
半導体におけるリセス形状を形成するコンタクト抵抗低
減用キャップ層として、該コンタクト抵抗低減用キャッ
プ層の底部から表面側に向けてIn組成を高くし、必要
により、更に最表面付近で再びIn組成を低くしたIn
グレーディッド層または階段状にIn組成が変化するI
nGaAs層をエピタキシャル法によりまたはInイオ
ン注入により形成する。更に該InGaAsコンタクト
抵抗低減用キャップ層をGaAsよりもInAsの方が
エッチングレートが高い選択エッチングを用いることに
より、エッチング工程で簡便に、例えば一回のエッチン
グ工程でリセス端が平面から成る鋭角または鈍角を有す
ることなく曲線状に形成することができる。その結果、
電界集中するドレイン側のリセス端角がなくなるので、
逆方向の耐圧値がリセス形状から逆方向耐圧値が制限を
受けることなく耐圧特性の向上が可能となる。
【0019】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0020】(実施例1)ここでは1例としてGaAs
系のヘテロ接合FETについての実施例を説明するが、
この材料系や構造のFETに限るものではない。この実
施例により、一回のエッチング工程でリセス形状を曲線
状に形成することが可能となり、高耐圧化が実現できる
ものである。
【0021】図1に本発明の実施例の素子断面を表わ
す。図1に示すように、半絶縁性GaAs基板11上に
次の各層がエピタキシャル成長により形成されている。 12:アンドープGaAsバッファ層 13:アンドープAl0.3Ga0.7Asヘテロバッファ層 14:アンドープGaAs電子走行層 15:不純物ドープAl0.3Ga0.7As電子供給層 16:不純物ドープInGaAsグレーディッドコンタ
クト抵抗低減用キャップ層100nm ここで、不純物ドープInGaAsグレーディッドコン
タクト抵抗低減用キャップ層16のIn組成は底部から
表面側に向かって50nmはIn組成が0から0.3ま
でグレーディッドに高くなり、更に次の15nmはIn
組成が0.3を保ち、残り表面近くの35nmは底部か
ら最表面に向かってIn組成を0.3から0に戻したプ
ロファイルとする。
【0022】次に、成長基板表面にオーミック・コンタ
クト用金属からなるソース及びドレイン電極18,19
がリフトオフ法等により形成され、該ソース及びドレイ
ン電極18及び19間の不純物ドープInGaAsグレ
ーディッドコンタクト抵抗低減用キャップ層16が部分
的にエッチング除去され、その部分に、該電子供給層と
ショットキー接合する金属をゲート電極17として形成
する。
【0023】このキャップ層16のエッチングすなわち
リセスエッチングの際に、GaAsよりもInAsの方
がエッチングレートが高い選択エッチングができるよう
な例えば塩酸系エッチャントを用いる。この結果、ゲー
ト蒸着面すなわちAlGaAs層は通常のリセス面と同
様に平坦に加工でき、且つ、リセス端はIn組成がグレ
ーディッドに変化しているため、角度を持つことなく曲
線状の形状に一回のエッチング工程で加工することがで
きる。
【0024】その結果、第2図(a)に示すようにリセ
ス形状において電界の集中部分がなくなるので、ドレイ
ン側のリセス端で制限されることなく第2図(b)に示
すように耐圧向上が実現できるものである。
【0025】ここでは、1例としてAlGaAs/Ga
Asヘテロ接合FETの場合をあげたが、これに限るも
のではなく、キャップ層としてInGaAsを用いるこ
とができるFETであれば適用可能である。更に、In
GaAs層の厚さや組成についても自由に選択可能であ
る。また、選択エッチング液として塩酸系エッチャント
を用いたが、これに限るものではなく、InAsとGa
Asの選択性がある液、あるいはガスであれば適用可能
である。
【0026】(実施例2)ここでは1例としてInP系
のヘテロ接合FETについての実施例を説明するが、こ
の材料系や構造のFETに限るものではない。この実施
例により、1回のエッチング工程でリセス形状を曲線状
に形成することが可能となり、高耐圧化が実現できるも
のである。
【0027】図3に本発明の実施例の素子断面を表わ
す。図3に示すように、半絶縁性InP基板31上に次
の各層がエピタキシャル成長により形成されている。 32:アンドープIn0.48Al0.52Asバッファ層 33:アンドープIn0.53Ga0.47As電子走行層 34:アンドープIn0.48Al0.52As電子供給層 35:Siプレーナードープ 36:不純物ドープInGaAsグレーディッドコンタ
クト抵抗低減用キャップ層50nm ここで、不純物ドープInGaAsグレーディッドコン
タクト抵抗低減用キャップ層36のIn組成は底部から
表面側に向かって25nmはIn組成が0.5から0.
8までグレーディッドに高くなり、更に次の8nmはI
n組成が0.8を保ち、残り表面近くの17nmは底部
から最表面に向かってIn組成を0.8から0.5に戻
したプロファイルとする。
【0028】次に、成長基板表面にオーミック・コンタ
クト用金属からなるソース及びドレイン電極38,39
がリフトオフ法等により形成され、該ソース及びドレイ
ン電極38及び39間の不純物ドープInGaAsグレ
ーディッドコンタクト抵抗低減用キャップ層36が部分
的にエッチング除去され、その部分に、該電子供給層と
ショットキー接合する金属をゲート電極37として形成
する。このキャップ層36のエッチングすなわちリセス
エッチングの際に、GaAsよりもInAsの方がエッ
チングレートが高い選択エッチングができるような例え
ば塩酸系エッチャントを用いる。この結果、ゲート蒸着
面すなわちInAlAs層は通常のリセス面と同様に平
坦に加工でき、且つ、リセス端はIn組成がグレーディ
ッドに変化しているため、角度を持つことなく曲線形状
に1回のエッチング工程で加工することができる。その
結果、第4図に示すようにリセス形状において電界の集
中部分がなくなるので、ドレイン側のリセス端で制限さ
れることなく第2図(b)に示すのと同様の耐圧向上が
実現できるものである。
【0029】ここでは、1例としてInAlAs/Ga
Asプレーナードープヘテロ接合FETの場合をあげた
が、これに限るものではなく、キャップ層としてInG
aAsを用いることができるFETであれば適用可能で
ある。更に、InGaAs層の厚さや組成についても自
由に選択可能である。また、選択エッチング液として塩
酸系エッチャントを用いたが、これに限るものではな
く、InAsとGaAsの選択性がある液、あるいはガ
スであれば適用可能である。
【0030】(実施例3)ここでは1例としてGaAs
系のヘテロ接合FETについての実施例を説明するが、
この材料系や構造のFETに限るものではない。この実
施例により、1回のエッチング工程でリセス形状を曲線
状に形成することが可能となり、高耐圧化が実現できる
ものである。
【0031】図5に本発明の実施例の素子断面を表わ
す。図5に示すように、半絶縁性GaAs基板51上に
次の各層がエピタキシャル成長により形成されている。 52:アンドープGaAsバッファ層 53:アンドープAl0.3Ga0.7Asヘテロバッファ層 54:アンドープGaAs電子走行層 55:不純物ドープAl0.3Ga0.7As電子供給層 56:不純物ドープInイオン注入GaAsコンタクト
抵抗低減用キャップ層 ここで、不純物ドープGaAsコンタクト抵抗低減用キ
ャップ層56はInイオン注入により底部から表面側に
向かってIn組成がグレーディッドに高くなり、最表面
側では再度In組成を低く戻したプロファイルになるよ
うに注入する。
【0032】次に、成長基板表面にオーミック・コンタ
クト用金属からなるソース及びドレイン電極58,59
がリフトオフ法等により形成され、該ソース及びドレイ
ン電極58及び59間の不純物ドープInGaAsグレ
ーディッドコンタクト抵抗低減用キャップ層56が部分
的にエッチング除去され、その部分に、該電子供給層と
ショットキー接合する全属をゲート電極57として形成
する。
【0033】このキャップ層56のエッチングすなわち
リセスエッチングの際に、GaAsよりもInAsの方
がエッチングレートが高い選択エッチングができるよう
な例えば塩酸系エッチャントを用いる。この結果、ゲー
ト蒸着面すなわちAlGaAs層は通常のリセス面と同
様に平坦に加工でき、且つ、リセス端はIn組成がグレ
ーディッドに変化しているため、角度を持つことなく曲
線形状に1回のエッチング工程で加工することができ
る。その結果、第6図に示すようにリセス形状において
電界の集中部分がなくなるので、ドレイン側のリセス端
で制限されることなく第2図(b)に示すのと同様の耐
圧向上が実現できるものである。
【0034】ここでは、1例としてAlGaAs/Ga
Asヘテロ接合FETの場合をあげたが、これに限るも
のではなく、キャップ層としてInGaAsを用いるこ
とができるFETであれば適用可能である。また、選択
エッチング液として塩酸系エッチャントを用いたが、こ
れに限るものではなく、InAsとGaAsの選択性が
ある液、あるいはガスであれば適用可能である。
【0035】(実施例4)ここでは1例としてInP系
のヘテロ接合FETについての実施例を説明するが、こ
の材料系や構造のFETに限るものではない。この実施
例により、1回のエッチング工程でリセス形状を曲線状
に形成することが可能となり、高耐圧化が実現できるも
のである。
【0036】図7に本発明の実施例の素子断面を表わ
す。図7に示すように、半絶縁性In基板71上に次の
各層がエピタキシャル成長により形成されている。 72:アンドープIn0.48Al0.52Asバッファ層 73:アンドープIn0.53Ga0.47As電子走行層 74:アンドープIn0.48Al0.52As電子供給層 75:Siプレーナードープ 76:不純物ドープInイオン注入InGaAsコンタ
クト抵抗低減用キャップ層 ここで、不純物ドープInGaAsコンタクト抵抗低減
用キャップ層76はInイオン注入により底部から表面
側に向かってIn組成がグレーディッドに高くなり、最
表面側では再度In組成を低く戻したプロファイルにな
るように注入する。
【0037】次に、成長基板表面にオーミック・コンタ
クト用金属からなるソース及びドレイン電極78,79
がリフトオフ法等により形成され、該ソース及びドレイ
ン電極78及び79間の不純物ドープInGaAsグレ
ーディッドコンタクト抵抗低減用キャップ層36が部分
的にエッチング除去され、その部分に、該電子供給層と
ショットキー接合する金属をゲート電極77として形成
する。このキャップ層76のエッチングすなわちリセス
エッチングの際に、GaAsよりもInAsの方がエッ
チングレートが高い選択エッチングができるような例え
ば塩酸系エッチャントを用いる。この結果、ゲート蒸着
面すなわちInAlAs層は通常のリセス面と同様に平
坦に加工でき、且つ、リセス端はIn組成がグレーディ
ッドに変化しているため、角度を持つことなく曲線形状
に1回のエッチング工程で加工することができる。その
結果、第8図に示すようにリセス形状において電界の集
中部分がなくなるので、ドレイン側のリセス端で制限さ
れることなく第2図(b)に示すのと同様の耐圧向上が
実現できるものである。
【0038】ここでは、1例としてInAlAs/Ga
Asプレーナードープヘテロ接合FETの場合をあげた
が、これに限るものではなく、キャップ層としてInG
aAsを用いることができるFETであれば適用可能で
ある。また、選択エッチング液として塩酸系エッチャン
トを用いたが、これに限るものではなく、InAsとG
aAsの選択性がある液、あるいはガスであれば適用可
能である。
【0039】(実施例5)上記実施例1において、不純
物ドープInGaAsコンタクト抵抗低減用キャップ層
のInGaAsのIn組成をグレーディッドではなく、
底部から表面側に向けてIn組成が階段状に高く、最表
面近くで再びIn組成を下げたInGaAs層を用いる
ことによっても、図2に示されるのと同様の電位分布が
得られ、耐圧向上が実現できる。
【0040】(実施例6)上記実施例2において、不純
物ドープInGaAsコンタクト抵抗低減用キャップ層
のInGaAsのIn組成をグレーディッドではなく、
底部から表面側に向けてIn組成が階段状に高く、最表
面近くで再びIn組成を下げたInGaAs層を用いる
ことによっても、図4に示されるのと同様の電位分布が
得られ、耐圧向上が実現できる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来角張ったリセス形状のため、ドレイン側のリセス端
における電界集中によるアバランシェ降伏により耐圧値
が制限されてしまうという問題があったが、リセス型化
合物半導体FETのコンタクト抵抗低減用キャップ層と
してIn組成がグレーディッドまたは階段状に変化する
InGaAs層を用いて、更にリセスエッチング時にI
nAsとGaAsの選択エッチングを用いることにより
リセス形状を曲線形状にして、電界集中がリセス端で起
こらない様にすることで、リセス形状による耐圧値の制
限が無くなるため、高耐圧化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のGaAs系FETの実施例を示す素子
構造の断面図である。
【図2】図1をFET動作させた場合の電位分布図
(a)と耐圧波形(b)、である。
【図3】本発明のInP系FETの実施例を示す素子構
造の断面図である。
【図4】図3をFET動作させた場合の電位分布図であ
る。
【図5】本発明のGaAs系FETの実施例を示す素子
構造の断面図である。
【図6】図5をFET動作させた場合の電位分布図であ
る。
【図7】本発明のInP系FETの実施例を示す素子構
造の断面図である。
【図8】図7をFET動作させた場合の電位分布図であ
る。
【図9】従来のFETの素子構造の断面図である。
【図10】図9の従来構造素子をFET動作させた場合
の電位分布図(a)と耐圧波形(b)である。
【符号の説明】
11 半絶縁性GaAs基板 12 アンドープGaAsバッファ層 13 アンドープAl0.3Ga0.7Asヘテロバッファ
層 14 アンドープGaAs電子走行層 15 不純物ドープAl0.3Ga0.7As電子供給層 16 不純物ドープInGaAsグレーディッドコン
タクト抵抗低減用キャップ層 17 ゲート電極 18 ソース電極 19 ドレイン電極 21 従来構造の耐圧特性 22 本発明の耐圧特性 23 従来構造の耐圧値V1 24 本発明の耐圧値V2 31 半絶縁性InP基板 32 アンドープIn0.48Al0.52Asバッファ層 33 アンドープIn0.53Ga0.47As電子走行層 34 アンドープIn0.48Al0.52As電子供給層 35 Siプレーナードープ 36 不純物ドープInGaAsグレーディッドコン
タクト抵抗低減用キャップ層 37 ゲート電極 38 ソース電極 39 ドレイン電極 51 半絶縁性GaAs基板 52 アンドープGaAsバッファ層 53 アンドープAl0.3Ga0.7Asヘテロバッファ
層 54 アンドープGaAs電子走行層 55 不純物ドープAl0.3Ga0.7As電子供給層 56 不純物ドープInイオン注入GaAsコンタク
ト抵抗低減用キャップ層 57 ゲート電極 58 ソース電極 59 ドレイン電極 71 半絶縁性InP基板 72 アンドープIn0.48Al0.52Asバッファ層 73 アンドープIn0.53Ga0.47As電子走行層 74 アンドープIn0.48Al0.52As電子供給層 75 Siプレーナードープ 76 不純物ドープInイオン注入InGaAsコン
タクト抵抗低減用キャップ層 77 ゲート電極 78 ソース電極 79 ドレイン電極 91 半絶縁性GaAs基板 92 アンドープGaAsバッファ層 93 アンドープAl0.3Ga0.7Asヘテロバッファ
層 94 アンドープGaAs電子走行層 95 不純物ドープAl0.3Ga0.7As電子供給層 96 不純物ドープGaAsコンタクト抵抗低減用キ
ャップ層 97 ゲート電極 98 ソース電極 99 ドレイン電極 101 従来構造の耐圧特性 102 従来構造の耐圧値V1
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−29356(JP,A) 特開 昭54−12573(JP,A) 特開 平1−183858(JP,A) 特開 昭62−213279(JP,A) 特開 昭62−229972(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/338 H01L 29/812

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化合物半導体基板の上方に電子走行層およ
    び電子供給層が積層され、ゲート電極が装着される半導
    体層上にコンタクト抵抗低減用キャップ層が積層され、
    該コンタクト抵抗低減用キャップ層上にソース電極およ
    びドレイン電極が形成され、該ソース・ドレイン電極間
    の該コンタクト抵抗低減用キャップ層をエッチングによ
    り除去した部分にゲート電極が形成されたリセス構造を
    有する電界効果トランジスタにおいて、該リセス形状を
    形成するコンタクト抵抗低減用キャップ層が少なくとも
    底部から表面側に向けてエッチングされ易い組成となる
    ような層を用いており、該コンタクト抵抗低減用キャッ
    プ層を選択エッチングすることによりリセス端に電界が
    集中しない形状に形成されることを特徴とする電界効果
    トランジスタ。
  2. 【請求項2】該リセス端が曲線状であることを特徴とす
    る請求項1記載の電界効果トランジスタ。
  3. 【請求項3】リセスエッチングの工程でエッチングされ
    る請求項1又は2記載の電界効果トランジスタにおける
    コンタクト抵抗低減用キャップ層が底部から表面側に向
    けてIn組成が高くなっているInGaAsグレーディ
    ッド層を用いることを特徴とする電界効果トランジス
    タ。
  4. 【請求項4】リセスエッチングの工程でエッチングされ
    る請求項1又は2記載の電界効果トランジスタにおける
    コンタクト抵抗低減用キャップ層が底部から表面側に向
    けてIn組成が高くなり、更に最表面近くで再びIn組
    成が低くなるInGaAsグレーディッド層を用いるこ
    とを特徴とした電界効果トランジスタ。
  5. 【請求項5】リセスエッチングの工程でエッチングされ
    る請求1又は2記載の電界効果トランジスタにおけるコ
    ンタクト抵抗低減用キャップ層が底部から表面側に向け
    てIn組成が階段状に高くなっているInGaAs層を
    用いることを特徴とする電界効果トランジスタ。
  6. 【請求項6】リセスエッチングの工程でエッチングされ
    る請求項1又は2記載の電界効果トランジスタにおける
    コンタクト抵抗低減用キャップ層が底部から表面側に向
    けて階段状にIn組成がに高くなり、更に最表面近くで
    再びIn組成が低くなるInGaAs層を用いることを
    特徴とする電界効果トランジスタ。
  7. 【請求項7】リセスエッチングの工程でエッチングされ
    る請求項1または2記載の電界効果トランジスタにおけ
    るコンタクト抵抗低減用キャップ層が底部から表面側に
    向けて少なくともIn組成が高くっているInGaAs
    グレーディッド層または階段状にIn組成が変化する請
    求項3〜6の何れか記載のInGaAs層がエピタキシ
    ャル法により形成され、該エピタキシャル法により形成
    された該InグレーディッドInGaAs層を、GaA
    sよりもInAsの方がエッチンググレートが高い選択
    エッチングを用いることにより、リセスエッチング工程
    でリセス端が電界を集中しない形状で形成されることを
    特徴とするリセス構造を有する電界効果トランジスタの
    製造方法。
  8. 【請求項8】リセスエッチングの工程でエッチングされ
    る請求項1または2記載の電界効果トランジスタにおけ
    るコンタクト抵抗低減用キャップ層が底部から表面側に
    向けてIn組成が少なくとも高くなっているInGaA
    sグレーディッド層または階段状にIn組成が変化する
    請求項3〜6の何れか記載のInGaAs層が、一回ま
    たは複数回のInイオン注入を施すことにより形成さ
    れ、該イオン注入により形成された該Inグレーディッ
    ドInGaAs層を、GaAsよりもInAsの方がエ
    ッチンググレートが高い選択エッチングを用いることに
    より、リセスエッチング工程でリセス端が電界を集中し
    ない形状で形成されることを特徴とするリセス構造を有
    する電界効果トランジスタの製造方法。
JP09185196A 1997-04-23 1997-07-10 電界効果トランジスタとその製造方法 Expired - Fee Related JP3107002B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09185196A JP3107002B2 (ja) 1997-07-10 1997-07-10 電界効果トランジスタとその製造方法
US09/113,325 US6262444B1 (en) 1997-04-23 1998-07-10 Field-effect semiconductor device with a recess profile

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09185196A JP3107002B2 (ja) 1997-07-10 1997-07-10 電界効果トランジスタとその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1131700A JPH1131700A (ja) 1999-02-02
JP3107002B2 true JP3107002B2 (ja) 2000-11-06

Family

ID=16166550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09185196A Expired - Fee Related JP3107002B2 (ja) 1997-04-23 1997-07-10 電界効果トランジスタとその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3107002B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1131700A (ja) 1999-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3716906B2 (ja) 電界効果トランジスタ
US5181087A (en) Semiconductor device and method of producing the same
US5023674A (en) Field effect transistor
JP2679653B2 (ja) 半導体装置
JPH0435904B2 (ja)
JPH05275463A (ja) 半導体装置
JP3376078B2 (ja) 高電子移動度トランジスタ
US6624440B2 (en) Field effect transistor
JP2914049B2 (ja) ヘテロ接合を有する化合物半導体基板およびそれを用いた電界効果トランジスタ
US6262444B1 (en) Field-effect semiconductor device with a recess profile
US6255673B1 (en) Hetero-junction field effect transistor
JP3107002B2 (ja) 電界効果トランジスタとその製造方法
JP2730544B2 (ja) 電界効果トランジスタ及びその製造方法
JP3446664B2 (ja) トンネルトランジスタおよびその製造方法
JP3707766B2 (ja) 電界効果型半導体装置
US7705377B2 (en) Field effect transistor comprising compound semiconductor
US5408111A (en) Field-effect transistor having a double pulse-doped structure
JPH08316461A (ja) 電界効果型半導体装置
JP3112075B2 (ja) 電界効果トランジスタ及びその製造方法
JP2970783B2 (ja) 高電子移動度トランジスタとその製造方法
JPH06151469A (ja) 化合物半導体装置
JP3304343B2 (ja) 電界効果トランジスタ
JPH0789586B2 (ja) 半導体装置
JP3505884B2 (ja) 電界効果トランジスタ及びその製造方法
JP3077653B2 (ja) 電界効果トランジスタ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080908

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080908

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090908

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090908

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100908

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110908

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120908

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130908

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees