JP3106780U - 自動メッキ装置のワーク取付治具および通電板ばね - Google Patents

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Abstract

【課題】自動メッキ装置におけるワーク取付治具および通電板ばねの交換作業の所要時間を短縮する。
【解決手段】チェンコンベア1に金属板からなるワーク取付治具12を吊り下げ、該ワーク取付治具12にワークを挟着して、チェンコンベア1により搬送すると同時に通電板ばね14によりワーク取付治具12を介してワークに通電しながらワークをメッキ槽に浸してメッキをする自動メッキ装置のワーク取付治具12および通電板ばね14において、ワーク取付治具12および通電板ばね14の取付孔の一端をワーク取付治具および通電板ばね14の端部まで切り欠いてU字形の切り込みとして、ボルト8を外すことなくナット9を緩めるだけで交換可能にする。
【選択図】図1

Description

本考案は、自動メッキ装置のワーク取付治具および通電板ばねに関し、詳しくはチェンコンベアに金属板からなるワーク取付治具を吊り下げ、そのワーク取付治具にワークを挟着して、チェンコンベアにより搬送すると同時に通電板ばねによりワーク取付治具を介してワークに通電しながらワークをメッキ槽に浸してメッキをする自動メッキ装置において、消耗したワーク取付治具および通電板ばねを定期的に交換する際に、その交換作業時間を飛躍的に短縮することのできるワーク取付治具および通電板ばねに関する。
従来、自動メッキ装置の一形態として、図5に示される自動メッキ装置がある。図5(a)はワーク搬送部の搬送方向に直交する面の断面図であり、図5(b)は図5(a)の側面図である。図示されるように、チェンコンベア1に金属板からなるワーク取付治具2が吊り下げられ、そのワーク取付治具2の下端部にワーク(図示せず)が挟着されて、ワーク取付治具2がチェンコンベア1により搬送されるとともに、チェンコンベア1と並行するバスバー3に、ワーク取付治具2の上部に取り付けられた通電板ばね4が摺動されることにより、ワーク取付治具2を介してワークが通電されながらメッキ槽内のメッキ液に浸されことでメッキされる。
ワーク取付治具2は、図6および図7に示されるように、四角形のステンレス製の板5の下部に 4個のコイルばね6が装着されており、このコイルばね6と板5の間にワークが挟みこまれる。また、板5は上端の左右の取付孔5a,5bにより、チェンコンベア1の取付金具7にボルト8とナット9により締結されている。通電板ばね4は、図8に示されるように、ステンレス板をくの字状に折曲し、先端側に摺動部4aを形成しその先端を折り曲げたものであり、基端部に形成された取付孔4bにより、チェンコンベア1の取付金具7にボルト8とナット9により、ワーク取付治具2と重ねられて締結されている。
ところで、下端にワークを挟み込んだワーク取付治具2は、メッキ槽(図示せず)を通過する際には、ワーク全体がメッキされるようにワーク全体をメッキ液に浸している。そのため、ワーク取付治具2の下端もメッキ液に浸される。その結果、ワーク取付治具2を構成する板5とコイルばね6の下端もメッキされて肥厚してしまう。その対策として、ワーク取付治具2がメッキ槽を通過して、ワークがワーク取付治具2からアンロードされた後、電解液に満たされた剥離槽にワーク取付治具2を浸して、メッキ工程と反対方向に電流を流して、メッキ工程で肥厚した分を電解により剥離していた。
このとき、剥離槽では、メッキ工程で肥厚した分だけを剥離することが理想であるが、実際には、板5とコイルばね6の地金の部分も浸食されてしまい、メッキ工程を重ねるごとにそれらの地金部分が薄くまた細くやせていきワークを挟着する機能が低下してくる。そこで、メッキの回数が所定回数になると、定期的に、ワーク取付治具2を交換していた。このとき、通電板ばね4もバスバー3との摺動により磨耗するとともにばね性(弾性)も低下するため同時に交換していた。なお、従来の自動メッキ装置としては、特許文献1の記載の自動メッキ装置が知られている。
特開平06−346209号公報
上述したように、従来の自動メッキ装置では、定期的たとえば2カ月おきにワーク取付治具および通電板ばねを全数一度に交換していたが、交換の際は、ボルト8とナット9を緩めて抜き取ってからワーク取付治具2と通電板ばね4を交換していた。通常、ワーク取付治具2および通電板ばね4の数は数百個から千個に近い大量の数となるため、それらの交換には3日程度の時間を要し、自動メッキ装置の稼働率を大きく損なうことになっていた。そこで、本考案は、ワーク取付治具および通電板ばねの交換時間を飛躍的に短縮することを可能にしたワーク取付治具および通電板ばねを提案することを目的とした。
上記課題を解決するために、本考案は、チェンコンベアに金属板からなるワーク取付治具を吊り下げ、該ワーク取付治具にワークを挟着して、チェンコンベアにより搬送すると同時に通電板ばねによりワーク取付治具を介してワークに通電しながらワークをメッキ槽に浸してメッキをする自動メッキ装置のワーク取付治具であって、前記ワーク取付治具をその端部に形成された取付孔にボルトを挿通しナットを螺着してチェンコンベアに締結する自動メッキ装置のワーク取付治具において、前記取付孔の一端をワーク取付治具の端部まで切り欠いてU字形の切り込みとしたことを特徴とする。
また、本考案は、チェンコンベアに金属板からなるワーク取付治具を吊り下げ、該ワーク取付治具にワークを挟着して、チェンコンベアにより搬送すると同時に通電板ばねによりワーク取付治具を介してワークに通電しながらワークをメッキ槽に浸してメッキをする自動メッキ装置の通電板ばねであって、前記通電板ばねをその端部に形成された取付孔にボルトを挿通しナットを螺着してチェンコンベアに締結する自動メッキ装置の通電板ばねにおいて、前記取付孔の一端を通電板ばねの端部まで切り欠いてU字形の切り込みとしたことを特徴とする。
以上述べたように本考案によれば、ワーク取付治具の取付孔および通電板ばねの取付孔の一端を、それぞれワーク取付治具および通電板ばねの端部まで切り欠いてU字形の切り込みとしたことで、ワーク取付治具および通電板ばねを交換する際は、ナットを緩めるだけで、ボルトを抜くことなく、古いものを取り外して新しいものに交換可能となり、交換の所要時間が飛躍的に短縮されて、自動メッキ装置の稼働率を大幅に向上することが可能となる。
以下、図に基づいて本考案の実施形態を説明する。
図1(a)はワーク搬送部の搬送方向に直交する面の断面図であり、図1(b)は図1(a)の側面図である。図示されるように、チェンコンベア1の取付金具7に金属板からなるワーク取付治具12が吊り下げられ、そのワーク取付治具12の下端部にワーク(図示せず)が挟着されて、ワーク取付治具12がチェンコンベア1により搬送される。また、チェンコンベア1と並行して通電用のバスバー3が配設されており、ワーク取付治具12の上部に取り付けられた通電板ばね14が、バスバー3に摺動されることにより、ワーク取付治具12を介してワークが通電されながらメッキ槽内のメッキ液に浸されことでメッキされる。
ワーク取付治具12は、図2および図3に示されるように、四角形のステンレス製の板15の下部に 4個のコイルばね6が装着されており、このコイルばね6と板15の間にワークが挟みこまれる。また、板15は上端の左右には、チェンコンベア1の取付金具7にボルト8とナット9により締結するためのU字形の切り込み15a,15bが形成されている。この切り込み15a,15bを形成したことで、板15は、交換の際、ナット9を緩めるだけで、横方向にずらすことで交換可能となり、ボルト8を抜き取る必要がなくなる。
通電板ばね14は、図4に示されるように、ステンレス板をくの字状に折曲し、先端側に摺動部14aを形成したものであり、基端部には、チェンコンベア1の取付金具7にボルト8とナット9により締結するためのU字形の切り込み14bが形成されている。この切り込み14bを形成したことで、通電板ばね14は、交換の際、ナット9を緩めるだけで、横方向にずらすことで交換可能となり、ボルト8を抜き取る必要がなくなる。なお、この通電板ばね14は、ワーク取付治具12と重ねられて、チェンコンベア1の取付金具7に、同一のボルト8とナット9により締結される。
このように構成されたワーク取付治具12は、チェンコンベア1の全長に渡って取り付けられ、その数は自動メッキ装置全体では、数百個から千個近い数となる。自動メッキ装置が稼働を開始すると、下端にワークを挟み込んだワーク取付治具12は、メッキ槽(図示せず)を通過する際には、ワーク全体がメッキされるようにワーク全体をメッキ液に浸している。そのため、ワーク取付治具12の下端もメッキ液に浸される。その結果、ワーク取付治具12を構成する板15とコイルばね6の下端もメッキされて肥厚してしまう。その対策として、ワーク取付治具12がメッキ槽を通過して、ワークがワーク取付治具12からアンロードされた後、電解液に満たされた剥離槽にワーク取付治具12を浸して、メッキ工程と反対方向に電流を流して、メッキ工程で肥厚した分を電解により剥離していた。
このとき、剥離槽では、メッキ工程で肥厚した分だけを剥離することが理想であるが、実際には、板15とコイルばね6の地金の部分も浸食されてしまい、メッキ工程を重ねるごとにそれらの地金部分が薄くまた細くやせていきワークを挟着する機能が低下してくる。そこで、メッキの回数が所定回数になると、定期的に、ワーク取付治具12を交換していた。このとき、通電板ばね14もバスバー3との摺動により磨耗するとともにばね性(弾性)も低下するため同時に交換していた。
ワーク取付治具12と通電板ばね14は、図3および図4に示されるように、ボルト8が挿通される部分に、孔ではなく、U字形の切り込み15a,15bおよび切り込み14bが形成されているため、ボルト8に螺合されているナット9を緩めるだけで、ワーク取付治具12と通電板ばね14の交換が可能となり、交換後、緩めたナット9を再び締めることで交換作業が完了する。その結果、従来実施していたナット9を外してボルト8を引き抜く作業が不要となり、ワーク取付治具12と通電板ばね14の交換作業の所要時間が、従来に比べ、3分の1以下に短縮される。つまり、一般的な規模の自動メッキ装置において、ワーク取付治具12と通電板ばね14の交換作業に3日間が必要であった場合は、その3分の1の1日で完了できることになり、その分、稼働率を改善することが可能となる。
本考案は、ワーク取付治具と通電板ばねをとも締めにより、チェンコンベアの取付金具に取り付ける場合以外に、ワーク取付治具と通電板ばねをそれぞれ単独に、チェンコンベアの取付金具に取り付ける場合にも利用可能である。
本考案が適用される自動メッキ装置のワーク搬送部の断面図および側面図である。 図1のワーク取付治具の構成を示す正面図、背面図、側面図である。 図2のワーク取付治具を構成する板の外観図である。 図1の通電板ばねを示す正面図、平面図、側面図である。 従来の自動メッキ装置のワーク搬送部の断面図および側面図である。 図5のワーク取付治具の構成を示す正面図、背面図、側面図である。 図6のワーク取付治具を構成する板の外観図である。 図5の通電板ばねを示す正面図、平面図、側面図である。
符号の説明
1 チェンコンベア
3 バスバー
6 コイルばね
7 取付金具
8 ボルト
9 ナット
12 ワーク取付治具
14 通電板ばね
14a 摺動部
14b 切り込み
15 板
15a,15b 切り込み

Claims (2)

  1. チェンコンベアに金属板からなるワーク取付治具を吊り下げ、該ワーク取付治具にワークを挟着して、チェンコンベアにより搬送すると同時に通電板ばねによりワーク取付治具を介してワークに通電しながらワークをメッキ槽に浸してメッキをする自動メッキ装置のワーク取付治具であって、前記ワーク取付治具をその端部に形成された取付孔にボルトを挿通しナットを螺着してチェンコンベアに締結する自動メッキ装置のワーク取付治具において、
    前記取付孔の一端をワーク取付治具の端部まで切り欠いてU字形の切り込みとしたことを特徴とする自動メッキ装置のワーク取付治具。
  2. チェンコンベアに金属板からなるワーク取付治具を吊り下げ、該ワーク取付治具にワークを挟着して、チェンコンベアにより搬送すると同時に通電板ばねによりワーク取付治具を介してワークに通電しながらワークをメッキ槽に浸してメッキをする自動メッキ装置の通電板ばねであって、前記通電板ばねをその端部に形成された取付孔にボルトを挿通しナットを螺着してチェンコンベアに締結する自動メッキ装置の通電板ばねにおいて、
    前記取付孔の一端を通電板ばねの端部まで切り欠いてU字形の切り込みとしたことを特徴とする自動メッキ装置の通電板ばね。
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JP2013019045A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Astjetec Co Ltd ストリップ状部品の移送用ベルト
JP2013237909A (ja) * 2012-05-16 2013-11-28 Fujita Seisakusho:Kk 被表面処理材料の取付装置

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