JP3106611U - 粉粒体荷揚げ装置 - Google Patents

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智宏 阿賀
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Abstract

【課題】船倉自体の粉粒体の積載能力を向上できると共に、船全体においても粉粒体の積載能力を向上できる粉粒体荷揚げ装置を提供する。
【解決手段】船倉12内の粉粒体13を船体11底部で横移動させるためのチェンコンベア(又はエアースライダー)16を有し、垂直に立設された筒体19内部のスクリュー20で上方に移動させるための竪型スクリューコンベア21を有する粉粒体荷揚げ装置10において、チェンコンベア16と竪型スクリューコンベア21との間に、竪型スクリューコンベア21の筒体19下部に設けられた取込み口24に吐出し口23が連接し、そこより下方に傾斜して端部がチェンコンベア16の下に潜り込んで設けられ、筒体19aに粉粒体13の吸込み口25を設ける傾斜型スクリューコンベア22を有し、チェンコンベア16からの粉粒体13を傾斜型スクリューコンベア22を介して竪型スクリューコンベア21で荷揚げする。
【選択図】図1

Description

本考案は、船倉内に積載された、例えばセメントや、石炭灰等のような粉粒体を荷揚げするためのチェンコンベア又はエアースライダーや、スクリューコンベア等を有する粉粒体荷揚げ装置に関する。
従来、船体内の船長方向中心線の両側の船体のバランスを考慮して区画形成されている複数の船倉内に積み込まれている、例えば、セメントや、木材チップ等の粉粒体を船倉内から岸壁等に設置されている粉粒体貯留設備等に荷揚げする作業は、以下のようにして行われている。船長方向底部中心線から船倉底部には、魚の骨状に集積用エアースライダーが配設されており、この集積用エアースライダーで粉粒体を船倉底部から船体の船長方向底部中心線に配設された横移動用のチェンコンベア又はエアースライダーに逐次送り込んでいる。
そして、図3に示すように、例えば、チェンコンベア51に送り込まれた粉粒体52は、竪型スクリューコンベア53の筒体54の近くまで横移動させている。更に、チェンコンベア51の移動と共に、チェンコンベア51から逐次掻き出される粉粒体52は、落差を考慮した滑り台55を介して滑り落ちるようにして、垂直に立設する竪型スクリューコンベア53の筒体54の下部側壁に設けられた取込み口56に落とし込まれる。次いで、粉粒体52は、竪型スクリューコンベア53の筒体54内のスクリュー57の回転によって、下方から上方に送り上げられ、船体上部に搬送され、荷揚げされる構造となっている。
従来の粉粒体を運搬する船の荷揚げ装置には、円柱体形状の船倉の中心に垂直に立設する竪型スクリューコンベアを有し、この竪型スクリューコンベアの下部の周りを回転できる中継室を設け、この中継室に吐出し口となる側の端部を接続した横型スクリューコンベアを設けたものがある。そして、この荷揚げ装置は、横型スクリューコンベアの筒体に粉粒体掻き込み窓を備えて筒体自体が自転すると共に、横型スクリューコンベア自体が公転して粉粒体を筒体内に取り入れながら横型スクリューコンベアのスクリューで粉粒体を中継室に送り込み、竪型スクリューコンベアで船上に搬送する荷揚げ構造のものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−215273
しかしながら、前述したような従来の粉粒体荷揚げ装置は、未だ解決すべき次のような問題がある。
(1)チェンコンベア又はエアースライダーで送られてきた粉粒体を竪型スクリューコンベアの粉粒体取込み口に投入するためには、滑り台の落差によって行っているので、自ずとしてチェンコンベア又はエアースライダーの高さが高くなっている。また、この上流のチェンコンベア又はエアースライダーに粉粒体を載せるためには、船倉底部に設ける集積用エアースライダーの高さがチェンコンベア又はエアースライダーの高さより高くする必要がある。従って、船倉底部の高さが高くなって船倉容量が小さくなり、粉粒体の積載能力の低下となっている。
(2)円柱状の船倉の底部を回転する横型スクリューコンベアを設けて竪型スクリューコンベアに粉粒体を供給するのは、船倉の高さを高くでき1つの船倉容量では大きくできるが、複数の円柱体の船倉間には無駄な隙間が多く、貨物船全体では粉粒体の積載能力の低下となっている。
本考案はかかる事情に鑑みてなされたものであって、船倉自体の粉粒体の積載能力を向上できると共に、船全体においても粉粒体の積載能力を向上できる粉粒体荷揚げ装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本考案に係る粉粒体荷揚げ装置は、船倉内に積載された粉粒体を船体底部で横移動させるためのチェンコンベア又はエアースライダーを有し、逐次送られる粉粒体を垂直に立設された筒体内部のスクリューで下方から上方に移動させるための竪型スクリューコンベアを有する粉粒体荷揚げ装置において、チェンコンベア又はエアースライダーと竪型スクリューコンベアとの間に、竪型スクリューコンベアの筒体下部の側壁に設けられた粉粒体の取込み口に一方の端部の吐出し口を連接し、吐出し口より下方に傾斜して他方の端部側がチェンコンベア又はエアースライダーの終端部の下に潜り込んで設けられ、筒体の他方の端部側の側壁に粉粒体の吸込み口を設ける傾斜型スクリューコンベアを有し、チェンコンベア又はエアースライダーにより逐次送られる粉粒体を傾斜型スクリューコンベアを介して竪型スクリューコンベアで荷揚げする。
請求項1記載の粉粒体荷揚げ装置は、チェンコンベア又はエアースライダーと竪型スクリューコンベアとの間に、竪型スクリューコンベアの筒体下部の側壁に設けられた粉粒体の取込み口に一方の端部の吐出し口を連接し、吐出し口より下方に傾斜して他方の端部側がチェンコンベア又はエアースライダーの終端部の下に潜り込んで設けられ、筒体の他方の端部側の側壁に粉粒体の吸込み口を設ける傾斜型スクリューコンベアを有し、チェンコンベア又はエアースライダーにより逐次送られる粉粒体を傾斜型スクリューコンベアを介して竪型スクリューコンベアで荷揚げするので、チェンコンベア又はエアースライダーの設置高さを低くすることができて船倉底部の高さが低くなり、船倉容量を大きくして、粉粒体の積載能力を上げることができる。また、船倉を四角形状態とすることができるので、貨物船全体としても粉粒体の積載能力を向上することができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本考案を具体化した場合の最良の形態について説明し、本考案の理解に供する。
ここに、図1(A)〜(C)はそれぞれ本考案の一実施の形態に係る粉粒体荷揚げ装置の説明図、図2は同粉粒体荷揚げ装置の要部拡大説明図である。
図1(A)〜(C)、図2を参照しながら、本考案の一実施の形態に係る粉粒体荷揚げ装置10を説明する。ここで、図1(A)は、船体11に設けられた船倉12の底部平面図、図1(B)は、船倉12の底部のA−A’線拡大縦断面図、図1(C)は、B−B’線拡大縦断面図である。
図1(A)〜(C)に示すように、粉粒体荷揚げ装置10は、船体11内の船長方向中心線の両側の区画形成されている複数の角型形状の船倉12内に積載された、例えば、セメントや石炭灰等のような粉粒体13を船体11内の船倉12から船上に荷揚げするために船体11内に設けられている装置である。そして、船上に移送された粉粒体13は、更に、船上に設けられている移送手段を用いて岸壁等に設置されている粉粒体貯留設備等に荷揚げしている。
この粉粒体荷揚げ装置10には、船長方向底部中心線14から船倉底部に、魚の骨状に集積用エアースライダー15が略等間隔で配設されており、この集積用エアースライダー15で粉粒体13を底部から船体12の船長方向底部中心線14に配設されたチェンコンベア又はエアースライダーからなる横移動手段である、例えば、チェンコンベア16(以下代表してチェンコンベア16で説明する)に逐次送り込んでいる。集積用エアースライダー15には、船長方向底部中心線14側に下降する傾斜と、隣り合うどうしの間に上端部の角度を60°程度とする剣先形状の仕切り板17が設けられている。粉粒体13は、この仕切り板17と剣先角度によって、仕切り板17間に効率よく落とし込むことができる。そして、粉粒体13は、集積用エアースライダー15の底部から吹き出す圧縮空気で集積用エアースライダー15と粉粒体13の摩擦を小さくして傾斜面を滑らすことで、逐次チェンコンベア16側に移送することができる。傾斜面を滑り落ちた船倉12内の粉粒体13は、集積用エアースライダー15の終端側と、チェンコンベア16との間に設けられたシャッター18の開閉を調整することで、粉粒体13を均一にチェンコンベア16に送り込むことができると共に、船倉内の粉粒体13を均一に減少させて行くことができる。
チェンコンベア16に送り込まれた粉粒体13は、チェンコンベア16の横移動によって、船体11内で垂直に立設する筒体19と、その内部にスクリュー20を有する竪型スクリューコンベア21の近くまで運ばれる。チェンコンベア16と、竪型スクリューコンベア21を有する粉粒体荷揚げ装置10は、チェンコンベア16と、竪型スクリューコンベア21との間に、筒体19aと、その内部にスクリュー20aを有する傾斜型スクリューコンベア22を設けている。
この傾斜型スクリューコンベア22は、粉粒体13をスクリュー20aの回転で送り出す側である一方の端部の吐出し口23を、竪型スクリューコンベア21の筒体19の下部の側壁に設けられている粉粒体13の取込み口24に連接している。そして、傾斜型スクリューコンベア22は、他方の端部を一方の端部の吐出し口23の水平の位置より下方に傾斜してチェンコンベア16の終端側の下に潜り込むようにして設けられている。また、この傾斜型スクリューコンベア22には、他方の端部側の筒体20aの側壁の上部側に粉粒体13の吸込み口25が設けられている。チェンコンベア16の爪で掻き出されるようにして横移動して送られてきた粉粒体13は、チェンコンベア16の終端でチェンコンベア16から逐次吸込み口25の中に落とし込まれるようになっている。なお、チェンコンベア16の替わりにエアースライダーが用いられる場合は、エアースライダーの底部から吹き出す圧縮空気でエアースライダー15と粉粒体13の摩擦を小さくしてエアースライダーに設けられている傾斜面を滑らすことで粉粒体13を逐次傾斜型スクリューコンベア22の吸込み口25の中に落とし込むことができる。
傾斜型スクリューコンベア22の吸込み口25の中に落とし込まれた粉粒体13は、傾斜型スクリューコンベア22の筒体19a内で回転するスクリュー20aで竪型スクリューコンベア21の取込み口24に逐次投入される。そして、更に、粉粒体13は、竪型スクリューコンベア21の筒体19内で回転するスクリュー20で下方から上方に持ち上げられ船上に逐次搬送されている。
この粉粒体荷揚げ装置10には、チェンコンベア16又はエアースライダーからの粉粒体13を傾斜型スクリューコンベア22を介して竪型スクリューコンベア21の筒体19の下部側壁に設けた取込み口24に投入して、従来のような取込み口24に投入するための落差を考慮した滑り台を必要としないので、チェンコンベア16又はエアースライダーの位置を低くして設けることができる。従って、チェンコンベア16又はエアースライダーの高さを低くすることによって、船倉12の高さは、従来より高くすることができ、船倉12の中に積載できる粉粒体13の量を増加でき、船体12の積載能力を向上させることができる。
本考案の粉粒体荷揚げ装置は、例えば、セメントや、石炭灰等の粉粒体を積載して運搬する貨物船である、所謂、ばら物貨物船の粉粒体の積載能力を向上できる粉粒体荷揚げ装置として用いることができる。
(A)〜(C)はそれぞれ本考案の一実施の形態に係る粉粒体荷揚げ装置の説明図である。 同粉粒体荷揚げ装置の要部拡大説明図である。 従来の粉粒体荷揚げ装置の説明図である。
符号の説明
10:粉粒体荷揚げ装置、11:船体、12:船倉、13:粉粒体、14:船長方向底部中心線、15:集積用エアースライダー、16:チェンコンベア、17:仕切り板、18:シャッター、19、19a:筒体、20、20a:スクリュー、21:竪型スクリューコンベア、22:傾斜型スクリューコンベア、23:吐き出し口、24:取込み口、25:吸込み口

Claims (1)

  1. 船倉内に積載された粉粒体を船体底部で横移動させるためのチェンコンベア又はエアースライダーを有し、逐次送られる前記粉粒体を垂直に立設された筒体内部のスクリューで下方から上方に移動させるための竪型スクリューコンベアを有する粉粒体荷揚げ装置において、
    前記チェンコンベア又はエアースライダーと前記竪型スクリューコンベアとの間に、該竪型スクリューコンベアの前記筒体下部の側壁に設けられた前記粉粒体の取込み口に一方の端部の吐出し口を連接し、該吐出し口より下方に傾斜して他方の端部側が前記チェンコンベア又はエアースライダーの終端部の下に潜り込んで設けられ、筒体の他方の端部側の側壁に前記粉粒体の吸込み口を設ける傾斜型スクリューコンベアを有し、前記チェンコンベア又はエアースライダーにより逐次送られる前記粉粒体を前記傾斜型スクリューコンベアを介して前記竪型スクリューコンベアで荷揚げすることを特徴とする粉粒体荷揚げ装置。
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