JP3106273B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JP3106273B2
JP3106273B2 JP05264434A JP26443493A JP3106273B2 JP 3106273 B2 JP3106273 B2 JP 3106273B2 JP 05264434 A JP05264434 A JP 05264434A JP 26443493 A JP26443493 A JP 26443493A JP 3106273 B2 JP3106273 B2 JP 3106273B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品などの被加熱物に
電磁波を与えて加熱する高周波加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の高周波加熱装置について図16を
参照して説明する。図16に示すように、被加熱物であ
る食品1を出し入れする加熱室2と電磁波放射部である
マグネトロン3と、電磁波を加熱室2に導く導波管4と
電磁波の放射を制御する制御部5とを有し、加熱室2と
導波管4とを開口部6で接続されている。なお、食品1
の加熱分布を良くするため食品1の置き台としてモータ
11により駆動されるターンテーブル17および回転を
スムーズに行うためのローラーリング18を備えてい
る。
【0003】上記構成において、電磁波放射部としての
マグネトロン3から出た電磁波は、導波管4を介して伝
送され、加熱室2内では加熱室2形状と開口部6の位置
で決まる定在波となって分布し、食品1は定在波の電界
成分と食品1の誘電損失に応じて発熱する。食品1の単
位体積当たり吸収される電力P[W/m3 ]は、加えら
れる電界の強さE[V/m]、周波数f[Hz]、およ
び食品1の比誘電率εγ、誘電正接tanδにより
【0004】
【数1】
【0005】として表される。食品1の加熱分布は電磁
波の定在波分布によって決まるため、加熱分布のむらを
少くするために、食品1を乗せる置き台のターンテーブ
ル17をモータ11により回転運動させて同心円上の加
熱分布の均一化を図っている。
【0006】また、他の均一化の手段として、加熱室2
内で金属板により電波を攪拌するスタラーや、導波管4
の出口自体の金属部を大きく回転させる回転導波管と呼
ばれるものもあったが、ターンテーブルタイプのものが
最も多く世に出ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の構
成では、導波管4と加熱室2を接続して電磁波を加熱室
2内に入れる場合、開口部6の位置を最適な位置に選ば
ないと、狙った電界分布にならず、加熱分布も全く推定
できないという問題があった。
【0008】特にターンテーブルタイプの多くは、開口
部6が天面上もしくは側面に位置して固定されており、
一度構成を決めれば加熱室2内の定在波分布が常に一定
であるように思えるが、実際は食品1の形状や誘電定数
により電磁波の吸収度合いが変わるなど、開口部6から
遠ざかるに従って定在波分布が乱れやすくなる。定在波
分布が乱れると、ますます狙った加熱分布にならない
上、大抵の高周波加熱装置においては、食品1の縁部が
熱くなり中央部特に底部がなかなか熱くならない。この
場合幾らターンテーブル17を回転させても、回転中心
から見た半径方向の分布や上下方向の分布は改善されな
いので、根本的な解決法として食品の中央部特に底部が
強く加熱される分布を強制的に作らない限り、使用者に
とって極めて不満の残る仕上がり状態になる。
【0009】一方、開口部6が底面中央にある場合は、
食品1の底面中央部が加熱されやすく、均一な加熱分布
を狙うには有効である。しかし、底面の開口部6が邪魔
になるためにターンテーブル17などの攪拌手段を構成
することが難しい。
【0010】また、スタラーの電磁波の攪拌や回転導波
管の開口部6の移動のように、電磁波分布を極端に変化
させるものでは、上記の問題に加えて、加熱室2内に定
在波が立ちにくく加熱室2とマグネトロン3とのマッチ
ング状態が悪くなり効率が落ちる課題を有していた。効
率が落ちると加熱時間が長くなり使用者の待ち時間が長
くなる問題や電力の無駄、マグネトロン3の熱ストレス
が増えることで信頼性が落ちるなど種々の問題を引き起
こす。
【0011】また、加熱室の加熱分布を均一にする手段
として特開昭59−101791号公報に示すように、
導波管の開口部6を複数個設け、お互いの開口部6の位
相を調整することが知られている。
【0012】本発明は上記課題を解決するもので、効率
的に加熱室内に電磁波を供給して、狙った電界分布を立
て、加熱分布を均一にするとともに、使用者にも加熱の
均一化の様子が分かる高周波加熱装置を実現することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波加熱装置
は上記目的を達成するため、被加熱物を出し入れする加
熱室と、電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波
放射部から放射される電磁波を前記加熱室内に導く導波
管と、前記電磁波放射部からの電磁波の放射を制御する
制御部とを有し、前記加熱室と前記導波管とを開口部で
接続し、前記開口部は前記導波管内の電界の弱い部分の
位置と前記加熱室内の電界の弱い部分の位置とで接続す
る構成とした。
【0014】また、被加熱物を出し入れする加熱室と、
電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部か
ら放射される電磁波を前記加熱室内に導く導波管と、前
記電磁波放射部からの電磁波の放射を制御する制御部と
を有し、前記加熱室と前記導波管とを開口部で接続し、
特に、前記開口部の中心を、前記電磁波放射部から見
て、前記加熱室底面の中央よりも遠く、かつ、前記中央
から加熱室内の定在波の波長の1/8以内の距離に配し
てなる構成とした。
【0015】また、被加熱物を出し入れする加熱室と、
電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部か
ら放射される電磁波を前記加熱室内に導く導波管と、前
記加熱室と前記導波管とを接続する開口部と、前記開口
部に近接する開口回転板と、前記開口回転板を回転駆動
する駆動部と、前記電磁波放射部からの電磁波の放射や
前記駆動部の動作を制御する制御部とを有し、前記開口
回転板は縁部が金属で電磁波を反射し中央部が低損失の
材料で電磁波を透過させる構成とし、前記開口回転板の
回転により前記開口部の面積あるいは前記開口部の位置
を見かけ上変化させる構成とした。
【0016】た、被加熱物を出し入れする加熱室と、
前記加熱室内で被加熱物を載せて回転する食品載置回転
台と、電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放
射部から放射される電磁波を前記加熱室内に導く導波管
と、前記加熱室と前記導波管とを接続する開口部と、前
記開口部に近接して回転する開口回転板と、前記食品載
置回転台と前記開口回転板を異なる回転速度で駆動する
駆動部と、前記電磁波放射部からの電磁波の放射や前記
駆動部の動作を制御する制御部とを有する構成とした。
【0017】
【作用】本発明は上記した構成において、加熱室と導波
管とを接続する開口部を、導波管内の電界の弱い部分の
位置かつ加熱室内の電界の弱い部分の位置に設けるの
で、導波管から加熱室内に電磁波が入りやすく、定在波
として分布し、計算どうりの電界の強弱のモードを有す
る。
【0018】また、開口部は、電磁波放射部から見て加
熱室底面の中央以遠の位置として中央ないし中央から加
熱室内の定在波の波長の1/8以内の距離の位置にある
ので、電磁波放射部側で電界が強くなり過ぎるというよ
うな放射の影響を削減できる。
【0019】また、開口部に近接する開口回転板は、縁
部が金属で電磁波を反射し中央部が低損失の材料で電磁
波を透過させる構成であり、開口回転板の回転により開
口部の面積あるいは開口部の位置を見かけ上変化させる
ので、開口部付近の強電界の位置が変化する。
【0020】た、食品載置回転台と開口回転板を異な
る回転速度で駆動するので、より効率的に電磁波を攪拌
できる。
【0021】
【実施例】(実施例1) 以下、本発明の第1の実施例を図1〜図10を参照して
説明する。なお、従来例で説明したものと同一構成部材
には同一番号を用いる。
【0022】図1は、本発明の第1の実施例における高
周波加熱装置の断面図である。図1に示すように、高周
波加熱装置は被加熱物である食品1を出し入れする加熱
室2と、電磁波放射部であるマグネトロン3と、電磁波
を加熱室2に導く導波管4と、電磁波の放射を制御する
制御部5とを有し、加熱室2と導波管4とは開口部6で
接続されている。一方、食品1の加熱分布を良くするた
め、開口部6を覆うように開口回転板7があり、その構
造は金属からなる縁部8、低損失の電磁波透過材料から
なる中央部9と回転軸10を有している。回転軸10
は、導波管4を貫通し、駆動部であるモータ11に接続
されて回転駆動されている。この回転に応じて、導波管
4から加熱室2内に入る見かけ上の電磁波の透過できる
開口部分の面積や位置が変化し、電界分布を変化させて
いる。
【0023】また制御部5は、マグネトロン3の電磁波
の放射やモータ11の動作を制御している。さらに食品
載置台12は、中央部に透明な樹脂材料から成る透明部
分13を有し、使用者14は、ドア15のパンチングな
どの可視部16、透明な樹脂材料から成る透明部分13
を通して、開口回転板7の動作の様子を見ることができ
るようになっている。
【0024】上記構成においてその動作を説明すると、
マグネトロン3から出た電波は、導波管4を介して加熱
室2との接続部である開口部6を通り、加熱室2内の食
品1を加熱する。
【0025】図2は高周波加熱装置の導波管と加熱室に
おける電磁波の電界分布図である。図2に示すように、
マグネトロン3の先端と開口部6の中心との距離Lt
は、導波管4内を左方向に向かって伝送する電磁波の波
長(管内波長)をλgとして表すと、λg/4の奇数倍
の距離である。これは、電磁波が導波管4内を伝送する
ときに、導波管4の形状で決まる管内波長λgに基づい
て強弱を繰り返しながら図2の左方向に進み、λg/4
の奇数倍の位置で必ず電界が弱くなる(導波管内の伝送
では磁界と電界の位相は一致し、磁界も弱くなる)ため
に選んでいるのである。ここではLt=(5/4)×λ
gとしている。また実線の矢印が強い電界の向きを示し
ており、電界および磁界の向きはλg/2ごとに逆向き
となるので、マグネトロン3の先端からλg/2離れる
ごとに矢印の向きが逆になっているが、それぞれが2.
45GHzの周波数で反転を繰り返すものである。図2
では電界および磁界の弱いところで加熱室2の開口部6
と接続されているため、導波管4内の電界を乱すことな
く効率よく加熱室2内に電磁波が入る。
【0026】ここで導波管4内を伝搬する管内波長λg
の定義は、図2に合わせて説明すると、導波管4の奥行
a、厚みをb、奥行方向の電磁波の強弱の山の数をm、
厚み方向の電磁波の強弱の山の数をn、真空での電磁波
の波長をλ≒122mmとすれば、
【0027】
【数2】
【0028】となる。一般にm=1、n=0が多く採用
され、このときは
【0029】
【数3】
【0030】となる。具体的な値としてa=80mm、
b=40mmならλg≒188mm程度である(ただし
寸法はすべて板厚を含まない内寸とする。)。
【0031】一方、このときの加熱室2内の電磁波は共
振状態を起こそうとするが、開口部6を挟み込むような
図2の矢印で示す逆向きの強電界が生じ、加熱室2内の
開口部6で電界が弱くなるような共振状態で安定する。
このとき最も効率よく加熱室2内に電磁波が入ることに
なる(ただし共振状態では、導波管内のような伝送状態
とは異なり、電界と磁界の位相は90°ずれる。)。
【0032】図3は図2の高周波加熱装置の電界分布を
シミュレーションした斜視図で、共振状態において生じ
る電界を等電界強度線で示している(年輪状の模様の混
み入ったところほど電界が強いと考えれば良い)。
【0033】共振状態は加熱室形状と開口部6の位置に
よって決まるが、この場合、加熱室の奥行き方向(X方
向)に3つ、幅方向(Y方向)に4つ、高さ方向(Z方
向)に1つの強電界が発生している。これは共振状態と
なったために加熱室2内に電磁波が定在波として分布す
ることによって起こる電界の強い部分であり、この強い
電界の部分の数をモードと呼ぶ。通常、加熱室2の形状
を3次元で表し、各方向の寸法をx、y、zとすると
き、それぞれの方向に電界の強い部分がm、n、pだけ
あれば、そのモードは(mnp)であるという。本実施
例では、加熱室2の底面の奥行きxと幅yの中心位置に
開口部6の中心位置を一致させていると同時に、開口部
6を挟み込むように強電界が発生するように(開口部6
で弱い電界部分となるように)構成しているので、奥行
きX方向には奇数のモード(m;奇数)が立ちやすく、
かつ幅Y方向には偶数のモード(n;偶数)が立ちやす
くなると同時に、他のモードが立ちにくくなる。斜線部
の数(電界の強い部分)を教えるとX方向に3個(m=
3)、Y方向に4個(n=4)、Z方向に1個(p=
1)たっており、モード(341)だということが容易
に分かる。
【0034】参考までに、食品1が加熱室2内に無く
て、加熱室2が直方体の場合は、加熱室2の寸法と開口
部6の位置により、立ちうるモードを求めることができ
る。加熱室2の寸法をx、y、zとし、各方向に立つモ
ードの数は
【0035】
【数4】
【0036】を満たすm、n、pの組合せとなる(x、
y、zはmm単位、m、n、pは整数)。
【0037】一方、食品1がある場合は、食品1の誘電
率による波長圧縮の影響などで(数4)からずれが生じ
る。しかし食品1があっても、開口部6付近では(数
4)を満たすモードが立とうとしており、開口部6から
離れた位置ではモードが乱されることが多いということ
が、実験的に分かってきている。よってλ≒122mm
でモード(341)を立てるための一例として、(数
4)をほぼ満たす寸法のx=300mm、y=330m
m、z=215mmなどを選ぶことができる。
【0038】また本実施例では、導波管4内の電界の弱
い部分の位置と加熱室2内の電界の弱い部分の位置とを
接続して開口部6としているので、計算通りのモードが
たっているが、接続の位置が変われば狙ったモードにな
らない。
【0039】図4〜図6に加熱室2の寸法は図3と同じ
で、接続の位置の異なる例を示す。
【0040】図4は導波管4の電界の強い部分の位置と
加熱室2の電界の弱い部分の位置を接続した例である。
(341)のモードは立たない。
【0041】図5は導波管4の電界の弱い部分の位置と
加熱室2の電界の強い部分の位置を接続した例である。
(341)のモードは立たない。
【0042】図6は導波管4の電界の強い部分の位置と
加熱室2の電界の強い部分の位置を接続した例である。
(341)のモードは立たない(ただし、この例は開口
部6が2ヶ所にあり、導波管4の方向が逆である)。
【0043】以上のことから(数4)を満たすモードを
加熱室2内に立てる場合は、導波管4内の電界の弱い部
分の位置と加熱室2内の電界の弱い部分の位置とを接続
して開口部6を構成しなければならないと言える。
【0044】図7は図2の高周波加熱装置のA−A´線
における断面を上から見た構成図であり、食品1(形状
は、奥行120mm、幅120mm、高さ25mm)を
開口部6の真上に20mmの隙間をあけて載置したもの
である。
【0045】図8は、図7の食品1を電磁波で加熱した
場合の、食品1内での誘電損失のシミュレーション結果
の等損失線を示す。この結果からは、従来の高周波加熱
装置とは異なり、食品1の縁だけでなく中央が加熱され
て損失を発生すると考えられる。ただし、ややマグネト
ロン3側(図の上方)よりの方が加熱されているようで
ある。これは、図の上方がマグネトロン3に近いという
ことで、放射の影響ではないかと考えられる。
【0046】図9は、図1のB−B´線における断面を
上から見た図である。図1で説明した通り、開口部6を
覆うように開口回転板7があり、その構造は金属からな
る縁部8、低損失の電磁波透過材料からなる中央部9と
回転軸10を有している。回転軸10は、導波管4を貫
通し、駆動部であるモータ11に接続されて回転駆動さ
れている。この回転に応じて中央部9が移動し、導波管
4内の電磁波は中央部9を介してしか加熱室2内に入ら
ないため、導波管4から加熱室2内に入る見かけ上の電
磁波の透過できる開口部分(すなわち開口部6と中央部
9とが交わる部分)の面積や位置が変化し、電界分布を
変化させることになる。この電界の攪拌効果によって食
品1の加熱分布も均一化されるが、従来のスタラーや回
転導波管ほどダイナミックな変化でないため、効率が極
端に落ちたり、モードが逐一変化して制御できないとい
うような問題は起こらない。
【0047】図10は、図9の構成に食品1(形状は、
奥行120mm、幅120mm、高さ25mmを開口部
6の真上に20mmの隙間をあけて載置)を入れ、開口
回転板7を停止したまま電磁波で加熱した場合の、食品
1内での誘電損失のシミュレーション結果の等損失線を
示す。この結果からは、図8と比較すると左側が良く加
熱されている。よって開口回転板7を回転すれば、より
一層加熱の均一化が達成できると分かる。
【0048】(実施例2) 次に、本発明の第2の実施例について図11を参照して
説明する。なお、第1の実施例と同一構成部材には同一
番号を付し説明を省略する。図11は第2の実施例の高
周波加熱装置の導波管と加熱室の断面図である。図8で
述べた放射の影響を回避するために、本実施例では、開
口部6の中心をマグネトロン3より遠い側に構成してい
る。具体的にいえば、開口部6の中心を導波管4の電界
の弱い部分の中心からa(0≦a≦導波管4内の波長λ
g/8)だけずらし、また加熱室2の中央に電界の弱い
部分が生じるようにモードを選び、開口部6の中心を加
熱室2の電界の弱い部分の中央(加熱室2の中央に一
致)からβ(加熱室2内の波長λg/8)だけずらして
いる。このとき、α、βそれぞれのずらす量が波長の1
/8を越えると、開口部6の位置が電界の弱い部分では
なく電界の強い部分になってしまい、狙ったモードにな
らない点に注意を要する。
【0049】(実施例3) 次に、本発明の第3の実施例について図12を参照して
説明する。なお第1の実施例と同一構成部材には同一番
号を付し説明を省略する。図12は第3の実施例の高周
波加熱装置の断面図である。この場合、第1の実施例と
は異なり、モータ11により回転軸10が開口回転板7
を回転させるだけでなく、食品載置回転台としてのター
ンテーブル17をも回転させる構成を有している。この
ときターンテーブル17の回転をスムーズに行うために
ローラーリング18を構成している。また、ターンテー
ブル17および底板19は透明な樹脂材料からなり、第
1の実施例の場合と同様に、使用者が開口回転板7の回
転動作を見ることができる。
【0050】(実施例4) 次に、本発明の第4の実施例について図13を参照して
説明する。なお、第1、第3の実施例と同一構成部材に
は同一番号を付し説明を省略する。図13は第4の実施
例の高周波加熱装置の断面図である。この場合、第1、
第3の実施例とは異なり、回転軸10は、導波管4の外
部の加熱室底面20を貫通している。さらに、モータ1
1により、第1の歯車21を介して開口回転板7の縁部
8に回転力を伝え、第2の歯車22を介してターンテー
ブル17の底部23に回転力を伝えるので、第1の歯車
21、縁部8、第2の歯車22、底部23の歯数の比率
により回転速度が自在に選べる。よって開口回転板7と
ターンテーブル17の回転速度を異なる速度にして、よ
り一層の攪拌効果により加熱の均一化を狙っている。ま
た、ターンテーブル17および底板19は透明な樹脂材
料からなり、第1、第3の実施例の場合と同様に、使用
者が開口回転板7の回転動作を見ることができる。
【0051】(実施例5) 次に、本発明の第5の実施例について図14および図1
5を参照して説明する。なお、第1、第3の実施例と同
一構成部材には同一番号を付し説明を省略する。図14
は第5の実施例の高周波加熱装置の断面図である。この
場合、前述した各実施例とは異なり、駆動部24が導波
管4の先端部25を動かし開口部6自体を動作させる構
成を有している。加熱室2の底面開口26が大きく開い
ており、それを覆いながら開口部6と折り返し部27が
動作する。また、底板19は透明な樹脂材料からなり、
第1、第3、第4の実施例の場合と同様に、使用者が開
口部6の動作を見ることができる。
【0052】図15は、図14の高周波加熱装置のC−
C´線における断面を上から見た図であり、導波管4の
先端部25が実矢線28のような動作により、開口部6
と折り返し部27が加熱室2の底面開口26上を動作す
るものである。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
高周波加熱装置は加熱室と導波管とを接続する開口部
を、導波管内の電界の弱い部分の位置かつ加熱室内の電
界の弱い部分の位置に設けるので、導波管内の電界分布
と加熱室内の電界分布のそれぞれを乱すことなく、最も
効率的に加熱室内に電磁波を供給できる。また、同様に
導波管内の電界分布と加熱室内の電界分布のそれぞれを
乱すことがないので、計算通りの電界の強弱の分布が実
現できて、意図した加熱分布が達成できる。
【0054】また、開口部が電磁波放射部から見て加熱
室底面の中央以遠にあるので、電磁波放射部側で電界が
強くなり過ぎるというような放射の影響を補正できて、
より均一な加熱分布が実現できる。
【0055】また、開口部に近接する開口回転板は縁部
が金属で電磁波を反射し中央部が低損失の材料で電磁波
を透過させるので、導波管内の電磁波は、開口回転板の
中央部の低損失の材料を透過してのみ加熱室内に入り、
開口回転板の回転により開口部の面積あるいは開口部の
位置が見かけ上変化して、電界分布を攪拌する効果があ
り、加熱分布を均一化することができる。
【0056】た、食品載置回転台と開口回転板を異な
る回転速度で駆動するため、食品と開口部との位置関係
が逐次変化するので、より一層の均一な加熱分布が実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における高周波加熱装置
の側断面図
【図2】同、導波管と加熱室における電磁波の電界分布
【図3】同、導波管と加熱室における電磁波の電界分布
をシミュレーションした斜視図
【図4】同、図3と接続の位置の異なる場合の電界分布
をシミュレーションした斜視図
【図5】同、図3と接続の位置の異なる場合の電界分布
をシミュレーションした斜視図
【図6】同、図3と接続の位置の異なる場合の電界分布
をシミュレーションした斜視図
【図7】同、図2のA−A´線における断面図
【図8】同、食品内での誘導損失のシミュレーション結
果の等損失線図
【図9】同、図1のB−B´線における断面図
【図10】同、食品内での誘導損失のシミュレーション
結果の等損失線図
【図11】本発明の第2の実施例における高周波加熱装
置の側断面図
【図12】本発明の第3の実施例における高周波加熱装
置の側断面図
【図13】本発明の第4の実施例における高周波加熱装
置の側断面図
【図14】本発明の第5の実施例における高周波加熱装
置の側断面図
【図15】同、図14のC−C´線における断面図
【図16】従来の高周波加熱装置の側断面図
【符号の説明】
1 食品(被加熱物) 2 加熱室 3 マグネトロン(電磁波放射部) 4 導波管 5 制御部 6 開口部 7 開口回転板 8 縁部 9 中央部 10 回転軸 11 モータ(駆動部) 12 食品載置台 13 透明部分 14 使用者
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−246288(JP,A) 特開 昭61−294795(JP,A) 特開 昭60−10584(JP,A) 特開 昭52−24348(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 6/64 H05B 6/70 - 6/74

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加熱物を出し入れする加熱室と、電磁波
    を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部から放射
    される電磁波を前記加熱室内に導く導波管と、前記電磁
    波放射部からの電磁波の放射を制御する制御部とを有
    し、前記加熱室と前記導波管とを開口部で接続し、前記
    開口部は、前記導波管内の電界の弱い部分の位置と前記
    加熱室内の電界の弱い部分の位置とで接続した高周波加
    熱装置。
  2. 【請求項2】開口部は、電磁波放射部から見て、導波管
    内の電界の弱い部分の中央以遠の位置として電界の弱い
    部分の中央ないし電界の弱い部分の中央から管内波長の
    1/8以内の距離の位置とした請求項1記載の高周波加
    熱装置。
  3. 【請求項3】開口部は、電磁波放射部から見て、加熱室
    内の電界の弱い部分の中央以遠の位置として電界の弱い
    部分の中央ないし電界の弱い部分の中央から加熱室内の
    定在波の波長の1/8以内の距離の位置とした請求項1
    記載の高周波加熱装置。
  4. 【請求項4】被加熱物を出し入れする加熱室と、電磁波
    を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部から放射
    される電磁波を前記加熱室内に導く導波管と、前記電磁
    波放射部からの電磁波の放射を制御する制御部とを有
    し、前記加熱室と前記導波管とを開口部で接続し、前記
    開口部の中心を、前記電磁波放射部から見て、前記加熱
    室底面の中央よりも遠く、かつ、前記中央から加熱室内
    の定在波の波長の1/8以内の距離に配してなる請求項
    1記載の高周波加熱装置。
  5. 【請求項5】被加熱物を出し入れする加熱室と、電磁波
    を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部から放射
    される電磁波を前記加熱室内に導く導波管と、前記加熱
    室と前記導波管とを接続する開口部と、前記開口部に近
    接する開口回転板と、前記開口回転板を回転駆動する駆
    動部と、前記電磁波放射部からの電磁波の放射や前記駆
    動部の動作を制御する制御部とを有し、前記開口回転板
    は、縁部が金属で電磁波を反射し中央部が低損失の材料
    で電磁波を透過させ、前記開口回転板の回転により前記
    開口部の面積あるいは前記開口部の位置を見かけ上変化
    させた高周波加熱装置。
  6. 【請求項6】被加熱物を出し入れする加熱室と、前記加
    熱室内で被加熱物を載せて回転する食品載置回転台と、
    電磁波を放射する電磁波放射部と、前記電磁波放射部か
    ら放射される電磁波を前記加熱室内に導く導波管と、前
    記加熱室と前記導波管とを接続する開口部と、前記開口
    部に近接して回転する開口回転板と、前記食品載置回転
    台と前記開口回転板を異なる回転速度で駆動する駆動部
    と、前記電磁波放射部からの電磁波の放射や前記駆動部
    の動作を制御する制御部とを有する高周波加熱装置。
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