JP3105314B2 - ホモアリルアルコ−ルの製造方法 - Google Patents
ホモアリルアルコ−ルの製造方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位置選択的かつ立体選
択的な炭素−炭素結合を生成するホモアリルアルコ−ル
の製造方法に関する。
択的な炭素−炭素結合を生成するホモアリルアルコ−ル
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来多くのマグネシウムや亜鉛反応剤が
有機合成化学の分野に応用されてきた。例えば、グリニ
ヤ−ル試薬として知られる有機マグネシウムハライド
は、種々の化学反応に有用な試薬として広く用いられて
いる。また、特願平2−71463には、アリルマグネ
シウム反応剤に、シアン化銅と塩化リチウムを加えて調
整したアリル化反応剤がハロゲン化アリル型化合物とヘ
ッド−トゥ−テイル型カップリング反応を起こし、位置
選択性の高いテルペン誘導体が得られることが開示され
ている。
有機合成化学の分野に応用されてきた。例えば、グリニ
ヤ−ル試薬として知られる有機マグネシウムハライド
は、種々の化学反応に有用な試薬として広く用いられて
いる。また、特願平2−71463には、アリルマグネ
シウム反応剤に、シアン化銅と塩化リチウムを加えて調
整したアリル化反応剤がハロゲン化アリル型化合物とヘ
ッド−トゥ−テイル型カップリング反応を起こし、位置
選択性の高いテルペン誘導体が得られることが開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来知られて
いるアリル金属反応剤とカルボニル化合物との反応、例
えば、アリル型マグネシウムハライドとカルボニル化合
物との反応は主としてγ置換化合物が生成し、また、ア
リル型マグネシウム反応剤の出発物質の立体構造も変化
することがあった。そこで本発明者らは、アリル金属反
応剤のα位でカルボニル化合物と選択的に反応し、しか
もアリル金属反応剤の出発物質の立体構造を保持した反
応を鋭意検討した結果、次に示す方法を見いだし本発明
を完成した。
いるアリル金属反応剤とカルボニル化合物との反応、例
えば、アリル型マグネシウムハライドとカルボニル化合
物との反応は主としてγ置換化合物が生成し、また、ア
リル型マグネシウム反応剤の出発物質の立体構造も変化
することがあった。そこで本発明者らは、アリル金属反
応剤のα位でカルボニル化合物と選択的に反応し、しか
もアリル金属反応剤の出発物質の立体構造を保持した反
応を鋭意検討した結果、次に示す方法を見いだし本発明
を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は一般
式(I)
式(I)
【化4】 (式中R1 は、水素原子またはアルキル基、R2 は水
素原子またはアルキル基を表す。)で表される化合物
に、ハロゲン化バリウムとリチウム、ナトリウムまたは
カリウムのアリ−ル化合物とのアニオンラジカル種によ
って、還元的に調整した活性金属バリウムの存在下、一
般式(II)
素原子またはアルキル基を表す。)で表される化合物
に、ハロゲン化バリウムとリチウム、ナトリウムまたは
カリウムのアリ−ル化合物とのアニオンラジカル種によ
って、還元的に調整した活性金属バリウムの存在下、一
般式(II)
【化5】 (式中R3 は、水素原子、アルキル基またはアリ−ル
基、R4 は水素原子、アルキル基またはアリ−ル基を
表す。)で表される化合物を反応させることを特徴とす
る、一般式(III)
基、R4 は水素原子、アルキル基またはアリ−ル基を
表す。)で表される化合物を反応させることを特徴とす
る、一般式(III)
【化6】 (式中R1 は、水素原子またはアルキル基、R2 は水
素原子またはアルキル基を表す。R3 は、水素原子、
アルキル基またはアリ−ル基、R4 は水素原子、アル
キル基またはアリ−ル基を表す。)で表される化合物の
製造方法である。
素原子またはアルキル基を表す。R3 は、水素原子、
アルキル基またはアリ−ル基、R4 は水素原子、アル
キル基またはアリ−ル基を表す。)で表される化合物の
製造方法である。
【0005】本発明における活性金属バリウムはハロゲ
ン化バリウムとリチウム、ナトリウムまたはカリウムの
アリ−ル化合物とのアニオンラジカル種によって、還元
的に調製することができる。本発明にかかる製造方法に
よると、アリル位の置換基の少ない方と選択的に反応し
たホモアリルアルコ−ルを得ることができる。この位置
選択性の高いホモアリルアルコ−ルの製造方法を提供す
ることが本発明の目的である。一般式(I)で表される
化合物の具体的な例としては、
ン化バリウムとリチウム、ナトリウムまたはカリウムの
アリ−ル化合物とのアニオンラジカル種によって、還元
的に調製することができる。本発明にかかる製造方法に
よると、アリル位の置換基の少ない方と選択的に反応し
たホモアリルアルコ−ルを得ることができる。この位置
選択性の高いホモアリルアルコ−ルの製造方法を提供す
ることが本発明の目的である。一般式(I)で表される
化合物の具体的な例としては、
【化7】 などを挙げることができる。また、一般式(II)で表され
る化合物の具体的な例としては、
る化合物の具体的な例としては、
【化8】 などを挙げることができる。
【0006】本発明の特徴は活性金属バリウムを用いる
ことにある。活性金属バリウムは次のような方法によっ
て生成することができる。すなわち、ヨウ化バリウム1
当量に対し、2当量のビフェニルリチウムを加え、乾燥
THF中において室温で30分反応させることにより得
ることができる。溶媒としては、THFの他に、例えば
ジエチルエ−テルなどのエ−テル系の溶媒を使用するこ
とができる。本発明において必要な活性金属バリウムを
生成するヨウ化バリウムの量は特に限定されないが、通
常はアリルハライド1当量に対し1〜3当量、好ましく
は2当量である。
ことにある。活性金属バリウムは次のような方法によっ
て生成することができる。すなわち、ヨウ化バリウム1
当量に対し、2当量のビフェニルリチウムを加え、乾燥
THF中において室温で30分反応させることにより得
ることができる。溶媒としては、THFの他に、例えば
ジエチルエ−テルなどのエ−テル系の溶媒を使用するこ
とができる。本発明において必要な活性金属バリウムを
生成するヨウ化バリウムの量は特に限定されないが、通
常はアリルハライド1当量に対し1〜3当量、好ましく
は2当量である。
【0007】このようにして得られた活性金属バリウム
が懸濁した溶媒を、−78〜0℃に冷却し、一般式
(I)で表されるアリルハライドを加えるとただちにア
リリックバリウムの赤色がかった懸濁液が得られる。こ
の懸濁液を−78〜0℃に保ったまま、一般式(II)で表
されるカルボニル化合物を加え、数分間反応すると、ホ
モアリルアルコ−ルを得ることができる。
が懸濁した溶媒を、−78〜0℃に冷却し、一般式
(I)で表されるアリルハライドを加えるとただちにア
リリックバリウムの赤色がかった懸濁液が得られる。こ
の懸濁液を−78〜0℃に保ったまま、一般式(II)で表
されるカルボニル化合物を加え、数分間反応すると、ホ
モアリルアルコ−ルを得ることができる。
【0008】次に、本発明による製造方法の一例を具体
的に示す。乾燥THF中で、無水ヨウ化バリウムの懸濁
液に、リチウム金属とビフェニルを反応させて調製した
ビフェニルリチウムを加え室温で30分反応する。生成
したバリウム金属の茶色の懸濁液を−78℃に冷却し、
一般式(I)で示される化合物例えばゲラニルクロライ
ドのTHF溶液を徐々に滴下し30分間撹拌する。この
溶液に、一般式(II)で示される化合物例えばベンズアル
デヒドを加え、−78℃で30分撹拌する。次いで1N
塩酸を加え、エ−テルで有機化合物を抽出し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、生成物をシリカゲルのカラムクロマ
トグラフィ−により精製し、ホモアリルアルコ−ルを得
ることができる。ホモアリルアルコ−ルは、医薬品等の
重要な官能基であり、例えば二重結合を酸化的に切断す
るなどの手法により、アルド−ル体へと導くこともで
き、応用範囲が広い。したがって、本発明で得られるホ
モアリルアルコ−ルは、医薬品などの出発物質、中間体
として重要である。
的に示す。乾燥THF中で、無水ヨウ化バリウムの懸濁
液に、リチウム金属とビフェニルを反応させて調製した
ビフェニルリチウムを加え室温で30分反応する。生成
したバリウム金属の茶色の懸濁液を−78℃に冷却し、
一般式(I)で示される化合物例えばゲラニルクロライ
ドのTHF溶液を徐々に滴下し30分間撹拌する。この
溶液に、一般式(II)で示される化合物例えばベンズアル
デヒドを加え、−78℃で30分撹拌する。次いで1N
塩酸を加え、エ−テルで有機化合物を抽出し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、生成物をシリカゲルのカラムクロマ
トグラフィ−により精製し、ホモアリルアルコ−ルを得
ることができる。ホモアリルアルコ−ルは、医薬品等の
重要な官能基であり、例えば二重結合を酸化的に切断す
るなどの手法により、アルド−ル体へと導くこともで
き、応用範囲が広い。したがって、本発明で得られるホ
モアリルアルコ−ルは、医薬品などの出発物質、中間体
として重要である。
【0009】
【作用】本発明にかかる製造方法により、位置選択性及
び立体選択性の高いホモアリルアルコ−ルが得られるメ
カニズムは明らかではない。しかし、一般式(I)で表
される化合物が活性金属化合物と反応し、一般式
(I’)で表される化合物が生成するものと推察され、
次いで、一般式(II)で表される化合物と反応して位置選
択性及び立体選択性の高いホモアリルアルコ−ルが生成
すると考えられる。
び立体選択性の高いホモアリルアルコ−ルが得られるメ
カニズムは明らかではない。しかし、一般式(I)で表
される化合物が活性金属化合物と反応し、一般式
(I’)で表される化合物が生成するものと推察され、
次いで、一般式(II)で表される化合物と反応して位置選
択性及び立体選択性の高いホモアリルアルコ−ルが生成
すると考えられる。
【化9】
【0010】
【効果】次式で示される従来の不飽和有機ハロゲン金属
化合物とカルボン酸との反応においては、2種類の化合
物が生成する可能性があり、しかも、その立体配置は出
発物質とは異なる可能性があった。
化合物とカルボン酸との反応においては、2種類の化合
物が生成する可能性があり、しかも、その立体配置は出
発物質とは異なる可能性があった。
【化10】 本発明によると、化合物(I)と(II)の反応は、位
置選択的かつ立体選択的に起こり、生成する反応物は出
発物質の立体配置を良く保持している。
置選択的かつ立体選択的に起こり、生成する反応物は出
発物質の立体配置を良く保持している。
【0011】
【実施例】次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0012】実施例1 ヨウ化バリウム435mg(1.1mmol)を50m
lのシュレンク管に秤取し、減圧下(5mmHg)ヒ−
トガンで十分加熱乾燥した。冷却後、この反応容器にア
ルゴンガスを満たし、乾燥THF5mlを加えた。一
方、別の30mlのシュレンク管を用意し、リチウム片
(16mg、2.3mmol)とビフェニル(360m
g、2.3mmol)を秤取した。このものを減圧下
(5mmHg)で脱気し、アルゴンガスで満たした後、
乾燥THF(5ml)を加えて室温(25℃)で2時間
撹拌したところ濃青色のリチウムビフェニリドの溶液が
得られた。先に調製したヨウ化バリウムの懸濁液にリチ
ウムビフェニリドの溶液をステンレスチュ−ブを通して
滴下し、30分間撹拌することにより褐色の活性バリウ
ムの懸濁液が得られた。これを−78℃に冷却後、塩化
ゲラニル(170mg、1.0mmol)のTHF
(1.5ml)溶液をシリンジを用いてゆっくりと加え
た。同温度で、30分間撹拌した後、ベンズアルデヒド
(40μl、0.39mmol)のTHF溶液(1m
l)を加え、−78℃で30分間撹拌した。ここに1N
塩酸(10ml)を加え反応を終結させた。有機層を分
離した後、水層をエ−テルで2回抽出した(5ml)。
有機層を合わせ、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(10
ml)、つづいて飽和食塩水(10ml)で洗浄した
後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。乾燥剤をろ過
し、ろ液を減圧濃縮して得た粗生成物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィ−(50g、ヘキサン/酢酸エチル
=5:1)に供したところホモアリルアルコ−ル(86
mg、90%収率、化合物(I))が無色油状物質とし
て得られた。この生成物のGLC分析(25m,0.2
5mmi.d.、PEG−HT Bonded,ガスク
ロ工業、カラム温度180℃、インジェクタ−温度21
0℃、窒素圧0.8kg/cm2 )によりα体とγ体の
比が92:8,α体のE/Z比が98:2であることが
確認された。
lのシュレンク管に秤取し、減圧下(5mmHg)ヒ−
トガンで十分加熱乾燥した。冷却後、この反応容器にア
ルゴンガスを満たし、乾燥THF5mlを加えた。一
方、別の30mlのシュレンク管を用意し、リチウム片
(16mg、2.3mmol)とビフェニル(360m
g、2.3mmol)を秤取した。このものを減圧下
(5mmHg)で脱気し、アルゴンガスで満たした後、
乾燥THF(5ml)を加えて室温(25℃)で2時間
撹拌したところ濃青色のリチウムビフェニリドの溶液が
得られた。先に調製したヨウ化バリウムの懸濁液にリチ
ウムビフェニリドの溶液をステンレスチュ−ブを通して
滴下し、30分間撹拌することにより褐色の活性バリウ
ムの懸濁液が得られた。これを−78℃に冷却後、塩化
ゲラニル(170mg、1.0mmol)のTHF
(1.5ml)溶液をシリンジを用いてゆっくりと加え
た。同温度で、30分間撹拌した後、ベンズアルデヒド
(40μl、0.39mmol)のTHF溶液(1m
l)を加え、−78℃で30分間撹拌した。ここに1N
塩酸(10ml)を加え反応を終結させた。有機層を分
離した後、水層をエ−テルで2回抽出した(5ml)。
有機層を合わせ、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(10
ml)、つづいて飽和食塩水(10ml)で洗浄した
後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。乾燥剤をろ過
し、ろ液を減圧濃縮して得た粗生成物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィ−(50g、ヘキサン/酢酸エチル
=5:1)に供したところホモアリルアルコ−ル(86
mg、90%収率、化合物(I))が無色油状物質とし
て得られた。この生成物のGLC分析(25m,0.2
5mmi.d.、PEG−HT Bonded,ガスク
ロ工業、カラム温度180℃、インジェクタ−温度21
0℃、窒素圧0.8kg/cm2 )によりα体とγ体の
比が92:8,α体のE/Z比が98:2であることが
確認された。
【化11】
【0013】得られた化合物(I)のスペクトルデ−タ
を次に示す。TLC Rf 0.33(1:5 酢酸エ
チル/ヘキサン);IR(neat)3630−312
0,2967,2917,2857,1670,160
3,1495,1453,1377,1049,911
cm-1;1 H NMR(CDCl3 ,200MHz)δ
1.61(s,6H,2CH3 ),1.70(s,3
H,CH3 ),1.92(brs,1H,OH),1.
98−2.18(m,4H,2 CH3 ),2.34−
2.60(m,2H,CH3 ),4.69(dd,1
H,J=7.5,5.6Hz,CHO),5.08
(m,1H,vinyl),5.17(t,1H,J=
7.8Hz,vinyl),7.22−7.43(m,
5H,aromatic).
を次に示す。TLC Rf 0.33(1:5 酢酸エ
チル/ヘキサン);IR(neat)3630−312
0,2967,2917,2857,1670,160
3,1495,1453,1377,1049,911
cm-1;1 H NMR(CDCl3 ,200MHz)δ
1.61(s,6H,2CH3 ),1.70(s,3
H,CH3 ),1.92(brs,1H,OH),1.
98−2.18(m,4H,2 CH3 ),2.34−
2.60(m,2H,CH3 ),4.69(dd,1
H,J=7.5,5.6Hz,CHO),5.08
(m,1H,vinyl),5.17(t,1H,J=
7.8Hz,vinyl),7.22−7.43(m,
5H,aromatic).
【0014】実施例2 ヨウ化バリウム470mg(1.2mmol)を50m
lのシュレンク管に秤取し、減圧下(5mmHg)ヒ−
トガンで十分加熱乾燥した。冷却後、この反応容器にア
ルゴンガスを満たし、乾燥THF5mlを加えた。一
方、別の30mlのシュレンク管を用意し、リチウム片
(15mg、2.2mmol)とビフェニル(350m
g、2.3mmol)を秤取した。このものを減圧下
(5mmHg)で脱気し、アルゴンガスで満たした後、
乾燥THF(5ml)を加えて室温(25℃)で2時間
撹拌したところ濃青色のリチウムビフェニリドの溶液が
得られた。先に調製したヨウ化バリウムの懸濁液にリチ
ウムビフェニリドの溶液をステンレスチュ−ブを通して
滴下し、30分間撹拌することにより褐色の活性バリウ
ムの懸濁液が得られた。これを−78℃に冷却後、塩化
ゲラニル(170mg、1.0mmol)のTHF
(1.5ml)溶液をシリンジを用いてゆっくりと加え
た。同温度で、30分間撹拌した後、シクロヘキサノン
(50μl、0.48mmol)のTHF溶液(1m
l)を加え、−78℃で30分間撹拌した。ここに1N
塩酸(10ml)を加え反応を終結させた。有機層を分
離した後、水層をエ−テルで2回抽出した(5ml)。
有機層を合わせ、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(10
ml)、つづいて飽和食塩水(10ml)で洗浄した
後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。乾燥剤をろ過
し、ろ液を減圧濃縮して得た粗生成物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィ−(50g、ヘキサン/酢酸エチル
=5:1)に供したところホモアリルアルコ−ル(11
2mg、98%収率(化合物(II))が無色油状物質と
して得られた。この生成物のGLC分析(25m,0.
25mmi.d.、PEG−HT Bonded,ガス
クロ工業、カラム温度120℃、インジェクタ−温度1
50℃、窒素圧0.8kg/cm2)によりα体とγ体
の比が89:11,α体のE/Z比が>99:1である
ことが確認された。
lのシュレンク管に秤取し、減圧下(5mmHg)ヒ−
トガンで十分加熱乾燥した。冷却後、この反応容器にア
ルゴンガスを満たし、乾燥THF5mlを加えた。一
方、別の30mlのシュレンク管を用意し、リチウム片
(15mg、2.2mmol)とビフェニル(350m
g、2.3mmol)を秤取した。このものを減圧下
(5mmHg)で脱気し、アルゴンガスで満たした後、
乾燥THF(5ml)を加えて室温(25℃)で2時間
撹拌したところ濃青色のリチウムビフェニリドの溶液が
得られた。先に調製したヨウ化バリウムの懸濁液にリチ
ウムビフェニリドの溶液をステンレスチュ−ブを通して
滴下し、30分間撹拌することにより褐色の活性バリウ
ムの懸濁液が得られた。これを−78℃に冷却後、塩化
ゲラニル(170mg、1.0mmol)のTHF
(1.5ml)溶液をシリンジを用いてゆっくりと加え
た。同温度で、30分間撹拌した後、シクロヘキサノン
(50μl、0.48mmol)のTHF溶液(1m
l)を加え、−78℃で30分間撹拌した。ここに1N
塩酸(10ml)を加え反応を終結させた。有機層を分
離した後、水層をエ−テルで2回抽出した(5ml)。
有機層を合わせ、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(10
ml)、つづいて飽和食塩水(10ml)で洗浄した
後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。乾燥剤をろ過
し、ろ液を減圧濃縮して得た粗生成物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィ−(50g、ヘキサン/酢酸エチル
=5:1)に供したところホモアリルアルコ−ル(11
2mg、98%収率(化合物(II))が無色油状物質と
して得られた。この生成物のGLC分析(25m,0.
25mmi.d.、PEG−HT Bonded,ガス
クロ工業、カラム温度120℃、インジェクタ−温度1
50℃、窒素圧0.8kg/cm2)によりα体とγ体
の比が89:11,α体のE/Z比が>99:1である
ことが確認された。
【化12】
【0015】得られた化合物(II)のスペクトルデ−タ
を次に示す。TLC Rf 0.35(1:5 酢酸エ
チル/ヘキサン);IR(neat)3650−315
0,2930,2855,1670,1449,137
7,1150,972cm-1;1 H NMR(CDCl
3,200MHz)δ 1.36−1.72(m,11
H,5CH2 and OH),1.60(s,3H,C
H3 ),1.63(s,3H,CH3 ),1.68
(s,3H,CH3 ),1.96−2.20(m,6
H,3CH2 ),5.06(m,1H,vinyl),
5.23(t,1H,J=7.9Hz,vinyl)
を次に示す。TLC Rf 0.35(1:5 酢酸エ
チル/ヘキサン);IR(neat)3650−315
0,2930,2855,1670,1449,137
7,1150,972cm-1;1 H NMR(CDCl
3,200MHz)δ 1.36−1.72(m,11
H,5CH2 and OH),1.60(s,3H,C
H3 ),1.63(s,3H,CH3 ),1.68
(s,3H,CH3 ),1.96−2.20(m,6
H,3CH2 ),5.06(m,1H,vinyl),
5.23(t,1H,J=7.9Hz,vinyl)
【0016】実施例3〜16 実施例1において塩化ゲラニルの代わりに種々のアリル
ハライドを用い、ベンズアルデヒドの代わりに種々のカ
ルボニル化合物を用い、他は実施例1と同様に行った結
果を表1に示した。
ハライドを用い、ベンズアルデヒドの代わりに種々のカ
ルボニル化合物を用い、他は実施例1と同様に行った結
果を表1に示した。
【表1】
【0017】表1から明らかなように、本発明は位置選
択性及び立体選択性の高いアリルアルコ−ルの製造方法
である。
択性及び立体選択性の高いアリルアルコ−ルの製造方法
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 29/38 B01J 23/02 C07C 33/025 C07C 33/14 C07C 33/30 C07B 61/00 300
Claims (1)
- 【請求項1】一般式 【化1】 (式中R1 は、水素原子またはアルキル基、R2 は水
素原子またはアルキル基を表す。)で表される化合物
に、ハロゲン化バリウムとリチウム、ナトリウムまたは
カリウムのアリ−ル化合物とのアニオンラジカル種によ
って、還元的に調整した活性金属バリウムの存在下、一
般式 【化2】 (式中R3 は、水素原子、アルキル基またはアリ−ル
基、R4 は水素原子、アルキル基またはアリ−ル基を
表す。)で表される化合物を反応させることを特徴とす
る、一般式 【化3】 (式中R1 は、水素原子またはアルキル基、R2 は水
素原子またはアルキル基を表す。R3 は、水素原子、
アルキル基またはアリ−ル基、R4 は水素原子、アル
キル基またはアリ−ル基を表す。)で表される化合物の
製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03317297A JP3105314B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | ホモアリルアルコ−ルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP03317297A JP3105314B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | ホモアリルアルコ−ルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05125004A JPH05125004A (ja) | 1993-05-21 |
JP3105314B2 true JP3105314B2 (ja) | 2000-10-30 |
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ID=18086655
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JP03317297A Expired - Fee Related JP3105314B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | ホモアリルアルコ−ルの製造方法 |
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JP (1) | JP3105314B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5072026B2 (ja) * | 2007-03-09 | 2012-11-14 | 独立行政法人科学技術振興機構 | ホモアリルアルコール又はホモアリルヒドラジドの製造方法 |
-
1991
- 1991-11-06 JP JP03317297A patent/JP3105314B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH05125004A (ja) | 1993-05-21 |
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