JP3105299B2 - 水道水の改質方法及び装置 - Google Patents
水道水の改質方法及び装置Info
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Description
て水道水のpHおよびランゲリア指数を改善する水道水の
改質方法および装置に関する。
性ソーダ注入法、ソーダ灰注入法、消石灰注入法等が知
られているが、最近消石灰注入法が注目されている。消
石灰は、単に水のpHを上げるだけでなく、ランゲリア指
数の改善力が大きいこと、主成分のカルシウムが健康上
もよいと云われていること、更には消石灰を粉体として
ではなく水溶液として注入する技術が開発されたことな
どから水道事業体の浄水場で多く採用されてきている。
「原水」と云う)中の遊離炭酸濃度が充分高いときは、
中和反応により溶解度の大きい炭酸水素カルシウムを充
分量生成させ、大きなpHの変化なしにランゲリア指数を
改善し得るが、原水の遊離炭酸濃度が小さいときは少量
の消石灰の注入によって炭酸水素カルシウムの生成は終
了し、あとはpHのみが上昇してランゲリア指数の充分な
改善がなされない。このため、原水に予め炭酸ガスを溶
解させておき、消石灰水溶液を注入させる方法が提案さ
れている(特開平2-194893号公報)。
液として注入する場合、消石灰の溶解度が約1800ppm 程
度と小さいため、注入する消石灰水溶液の量が多く、そ
れを製造する設備が大きくならざるを得ず、設備費が高
くなるほか、既存の浄水場においては敷地上の問題があ
り、装置の小形化が要望されている。更に、表流水に特
徴的であるカルシウム硬度の低い水のランゲリア指数を
改善するのに必要な炭酸水素カルシウムの生成量を増す
ために用いる炭酸ガスの効率的な溶解手段が必要とな
る。
をスラリー状で供給することである。しかし、消石灰を
スラリー状で水道水に注入するときは、水道水中に未溶
解のまま残存するおそれがあるほか、消石灰スラリー製
造の際に空気中や水中の炭酸ガスと反応して炭酸カルシ
ウムを形成し、種々のトラブルが発生し易い新たな困難
さがある。即ち、析出してくる炭酸カルシウムが器壁、
攪拌機シャフト、攪拌翼に付着したりして操作を困難に
する。
灰スラリー製造時の炭酸カルシウムの生成を抑制し、か
つ、消石灰スラリーをその流路において炭酸水素カルシ
ウム水溶液および消石灰水溶液に転換しながら水道水に
供給することにより、装置の小形化を図りながら、未溶
解固体による不都合が生じない水道水の改質方法および
装置を提供することを課題とする。
質方法は、攪拌手段を有する消石灰スラリー形成槽に消
石灰水溶液を張り、消石灰を投入して10〜20%の消石灰
スラリーを形成させる工程、この消石灰スラリーの一部
に遊離炭酸濃度 20ppm以上の遊離炭酸含有水をラインミ
キサーで混合して、炭酸水素カルシウム水溶液を製造す
る工程および受水槽の水で消石灰スラリーを浮游物 100
ppm 以下とした消石灰水溶液とともに炭酸水素カルシウ
ム水溶液を受水槽に注入する工程により所望値のランゲ
リア指数およびpHの水道水を得ることを特徴とする。
石灰スラリー形成水用消石灰水溶液生成槽、攪拌手段を
有する消石灰スラリー形成槽、該槽で得られる消石灰ス
ラリーの一部に遊離炭酸含有水を混合して炭酸水素カル
シウム水溶液を生成させるラインミキサーおよび炭酸水
素カルシウム水溶液および消石灰スラリーを添加して水
道水のpHおよびランゲリア指数を所望値にする受水槽よ
りなり、かつ、受水槽への消石灰スラリー注入管が消石
灰スラリーを受水槽の水溶液により希釈溶解する手段を
有することからなる。
ウム硬度、pH、アルカリ度などからなる水道水の総合的
な腐食防止指標であるランゲリア指数[LI]の低い水
をLI=− 0.5〜0.5 に改善することを意味する。LI
は次式で定義されることからも明らかなように、その値
を大きくするためは水のpHとカルシウムイオン濃度、ア
ルカリ度を高くすることが効果的である。
カリ度を高くするために消石灰を使用し、その一部を溶
解度の大きい炭酸水素カルシウムに転換するとともに、
未溶解固体を残存させないために、炭酸水素カルシウム
は勿論消石灰も水溶液として注入する。
て、原水に炭酸ガスを溶解させこれにカルシウム化合物
を添加溶解させることは知られているが、カルシウム化
合物として消石灰をスラリー状で用いるときの上述の問
題点を解決した具体的方法およびその実施のための装置
は知られていない。
より詳細に説明する。
り、消石灰スラリー形成水としてスラリー形成槽とは別
途に消石灰水溶液生成槽1を設け、ここで得られる消石
灰水溶液を用いる。攪拌手段を備えた消石灰スラリー形
成槽2には、先ず消石灰水溶液生成槽で得られる消石灰
水溶液を張った後、所定量の消石灰を投入して攪拌する
ことにより10〜20%、好ましくは12〜18%の所定濃度の
スラリーを形成させる。水中の炭酸ガスは消石灰水溶液
製造時に脱炭酸され、この消石灰水溶液を消石灰スラリ
ーを形成するために用いるため、消石灰スラリー製造時
に炭酸カルシウムが析出、付着することがない。消石灰
水溶液生成槽1は好ましくは特公昭 63-2890号公報に記
載されているような底部から水を低速で供給して攪拌し
ながら槽上部から消石灰飽和水溶液を取り出すような装
置が用いられる。尚、消石灰スラリー形成槽2の上部は
窒素ガス又は脱炭酸ガス等でシールされ、移送ポンプも
水中ポンプ等を用い、炭酸ガスの流入を防止することが
好ましい。得られたスラリーは移送ポンプ3により定量
的に原水に注入するべく受水槽9に配管4を経て送られ
るが、途中配管5からの遊離炭酸含有水とともにライン
ミキサー6に送られ、ここで消石灰は炭酸水素カルシウ
ムとなり、炭酸水素カルシウム水溶液として受水槽に注
入される。遊離炭酸含有水は原水と高圧炭酸ガスをライ
ンミキサー7に供給し、ここで炭酸ガスを強制溶解させ
ることにより得ることが好ましく、かくして高濃度の遊
離炭酸含有水を容易に得ることができる。遊離炭酸濃度
としては、20ppm 以上、好ましくは200ppm、更に好まし
くは300ppm以上である。ラインミキサー6に供給する消
石灰スラリーと遊離炭酸含有水は、消石灰が全量炭酸水
素カルシウムになるように計算された割合で供給する。
遊離炭酸が不足すると消石灰が残存してランゲリア指数
を充分上げられないままpHが上昇し好ましくない。また
遊離炭酸が所謂腐食性の炭酸として多量に残存するのも
好ましくない。
シウム水溶液は、配管8より受水槽9に原水のランゲリ
ア指数が所望値になるように計算された割合で注入され
る。受水槽9にはスラリー形成槽2から消石灰スラリー
が移送ポンプ3′により注入管10を経て最後のpHを調整
するために注入される。この消石灰スラリー注入に際
し、消石灰スラリーは浮遊物が100ppm以下となるように
希釈溶解して処理後の水道水に未溶解固体が残存しない
ようにする。消石灰スラリーを希釈溶解する手段の内、
好ましい1例は注入管10の先端部にラインミキサー11を
設け、配管12により汲み上げた受水槽の水と混合溶解さ
せる方法である。この場合、若干のスケールが生じる恐
れがあるため、ラインミキサー11は2個並列に設けて切
り替え運転ができるようにするのが好ましい。また、生
じたスケールの除去は、配管5の遊離炭酸含有水を分岐
してこれで洗滌すればよい。
に多孔板または充填材を装填した構造を有し、炭酸ガス
の水への吸収溶解性や消石灰スラリーの水への混合溶解
性を大にする混合溶解器である。
ろ、pH6.65、カルシウム硬度21.0、LI=−2.4 であっ
た。また、この水に炭酸ガスを30ppm 注入し、その後、
消石灰を26ppm 注入して分析したところ、pH=8.5 、カ
ルシウム硬度56.2、LI=+0.5 に改善されることが判
った。
機付消石灰スラリー形成槽(容量:28l )、受水槽(容
量:5000l )および4個のラインミキサーを図1に示す
ように組み立てた。尚、消石灰スラリー形成槽は、内部
に攪拌機、2個の移送ポンプを取り付け、上部は窒素ガ
スシールするように構成した。
4ほど水を張り込み、消石灰粉末を5kg投入後、槽下部
から18l /hrの流速で水を供給し、約1600ppm の消石灰
水溶液を造った。この消石灰水溶液を、消石灰スラリー
形成槽に1時間かけて注入した後、消石灰粉末3.2kg を
投入し、攪拌下に濃度15%の消石灰スラリーを形成させ
た。 一方、ラインミキサー7に原水39.2l /hrと炭酸
ガスボンベより炭酸ガス0.03kg/hrとを圧入して、約76
0ppmの遊離炭酸含有水溶液を連続的に製造した。この遊
離炭酸含有水溶液と15%消石灰スラリー0.16kg/hrとを
ラインミキサー6に供給して、約1400ppm の炭酸水素カ
ルシウム水溶液を生成させて、原水を連続的に1m3 /
hrの供給が行なわれている受水槽に注入した。同時に、
消石灰スラリー形成槽から15%消石灰スラリーを0.002k
g /hr注入した。なお、消石灰スラリーの注入に際して
は、受水槽の水を1.26l /hrで汲み上げて使用消石灰ス
ラリーとともにラインミキサー11に供給した。ラインミ
キサー出の状態での固形物含有量は約40ppm であった。
水は、pH8.47、カルシウム硬度54、LI=+0.47で、浮
遊固形物はほぼ0であった。
ゲリア指数を改善するための薬剤として、消石灰を用い
るに当たり、予め消石灰スラリーを準備し、受水槽への
注入に於いてその流路で連続的に炭酸水素カルシウム水
溶液および消石灰水溶液に転換すれば、水道水の改質の
ための設備が、予め消石灰水溶液を製造して処理する場
合に比べ著しく小型化される。また、消石灰を粉体また
はスラリーで受水槽に直接注入する未溶解物による問題
も回避できる。
示すフローシートである。
Claims (2)
- 【請求項1】 攪拌手段を有する消石灰スラリー形成槽
に消石灰水溶液を張り、消石灰を投入して10〜20%の消
石灰スラリーを形成させる工程、この消石灰スラリーの
一部に遊離炭酸濃度 20ppm以上の遊離炭酸含有水をライ
ンミキサーで混合して、炭酸水素カルシウム水溶液を製
造する工程および受水槽の水で消石灰スラリーを浮遊物
100ppm以下とした消石灰水溶液とともに該炭酸水素カル
シウム水溶液を受水槽に注入する工程により所望値のラ
ンゲリア指数およびpHの水道水を得ることを特徴とする
水道水の改質方法。 - 【請求項2】 消石灰スラリー形成水用消石灰水溶液生
成槽、攪拌手段を有する消石灰スラリー形成槽、該槽で
得られる消石灰スラリーの一部に遊離炭酸含有水を混合
して炭酸水素カルシウム水溶液を生成させるラインミキ
サーおよび炭酸水素カルシウム水溶液および消石灰スラ
リーを添加して水道水のpHおよびランゲリア指数を所望
値にする受水槽よりなり、かつ、受水槽への消石灰スラ
リー注入管が消石灰スラリーを受水槽の水溶液により希
釈溶解する手段を有することを特徴とする水道水の改質
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP03178423A JP3105299B2 (ja) | 1991-07-18 | 1991-07-18 | 水道水の改質方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0523675A JPH0523675A (ja) | 1993-02-02 |
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---|---|---|---|---|
JP4951805B2 (ja) * | 2005-02-23 | 2012-06-13 | 水ing株式会社 | 消石灰注入装置 |
JP2010137224A (ja) * | 2010-02-12 | 2010-06-24 | Kureha Engineering Co Ltd | 浄水処理方法 |
-
1991
- 1991-07-18 JP JP03178423A patent/JP3105299B2/ja not_active Expired - Fee Related
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